JP2010151104A - バルブ装置 - Google Patents

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節司 田原
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Abstract

【課題】部品点数を抑制してコストを低減するとともに、重量を軽減し、しかも、組み付け作業性を良好にする。
【解決手段】内燃機関の排気系の消音器内に配設されるバルブ装置7は、弁孔10aを有し、消音器に固定される固定部10と、固定部10における弁孔10aの縁部に連なり、弁孔10aの内方へ向けて延びる弁体部11とを備えている。固定部10及び弁体部11は、弾性板材に一体成形されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気系に設けられるバルブ装置に関する。
従来より、例えば、特許文献1に開示されているように、内燃機関の排気系には、低回転時の静粛性と高回転時の排気抵抗減少とを両立させる目的で排気ガスの流れを変えるためのバルブ装置が配設されている。すなわち、特許文献1の消音器の内部には、複数の隔壁が設けられており、この隔壁に上記バルブ装置が取り付けられている。バルブ装置は、隔壁に形成された貫通孔の周縁部に取り付けられるハウジングと、ハウジングに取り付けられる弾性板材からなる弁体とを備えている。ハウジングには、隔壁を隔てて隣り合う空間同士を連通させる弁孔が形成されている。一方、弁体は、ハウジングにおける弁孔の縁部にネジによって締結されている。そして、所定値以上の排気圧が弁体に作用すると、弁体が弾性変形することで弁孔が開かれて排気ガスが一方の空間から他方の空間へ流れ、これにより、排気ガスの流れが変わる。排気圧が所定値よりも低くなると弁体の形状が復元して弁孔が閉じられる。
特開2000−8831号公報
ところが、特許文献1のバルブ装置は、ハウジングと弁体とで構成されていて、しかも、弁体をハウジングにネジにより締結するようにしているので、部品点数が多く製造工数が増加してコスト高になるとともに、バルブ装置が重いものとなってしまう。
また、内燃機関の始動直後の排気系の温度と、連続高負荷時における排気系の温度とは大きく異なるので、バルブ装置が曝される雰囲気温度の範囲は広い。従って、特許文献1のようにバルブ装置を複数の部品で構成した場合には、各部材間で異なる熱膨張の差を許容できるように、弁体の組み付け位置の調整を設計値通りに精度良く行わなければスムーズな開閉動作を実現できず、組み付け作業が煩雑である。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品点数を抑制してコストを低減するとともに、重量を軽減し、しかも、組み付け作業性を良好にすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、消音器に固定される固定部と、弁体となる弁体部とを弾性板材に一体成形するようにした。
具体的には、第1の発明では、内燃機関の排気系の消音器内に配設されるバルブ装置であって、弁孔を有し、上記消音器に固定される固定部と、上記固定部における弁孔の縁部に連なり、該縁部から該弁孔の内方へ向けて延びる弁体部とを備え、上記固定部及び上記弁体部は、弾性板材に一体成形されている構成とする。
この構成によれば、固定部と弁体部とが弾性板材に一体成形されているので、固定部を消音器に固定するだけで、弁体部の組み付けも同時に完了し、このとき、弁体部の固定部に対する位置は一定のままなので、弁体部を個別に位置調整する必要はない。そして、所定値以上の排気圧が弁体部に作用すると、弁体部が弾性変形して固定部の弁孔が開かれて排気ガスの流れが変わり、一方、排気圧が所定値未満になると、弁体部の形状が復元して弁孔が閉じられる。
第2の発明では、第1の発明において、弾性板材には、弁体部における固定部に連なる部位以外を囲むように延びるスリットが形成されている構成とする。
この構成によれば、弁体部と弁孔との間にスリットによる隙間が形成されるので、弁体部が開閉動作する際に弁孔の周縁部に摺接する虞れが無くなる。
第3の発明では、第2の発明において、弾性板材には、放射状に延びるスリットが形成されている構成とする。
第4の発明では、第2の発明において、弾性板材には、渦巻き状に延びるスリットが形成されている構成とする。
すなわち、放射状に延びるスリットや、渦巻き状に延びるスリットを弾性板材に形成することで、弁体部の形状を容易に多様化することが可能になる。また、弁体部の周長を長くすることが可能となる。
第5の発明では、第2から4のいずれか1つの発明において、スリットの基端部は分岐して延びている構成とする。
すなわち、弁体部が開閉動作する際には、スリットの基端部近傍に局部的に力が作用して応力が集中して発生する虞れがあるが、スリットの基端部を分岐させることで、力を分散させて応力を低減することが可能になる。また、スリットの基端部を分岐させることで、弁体部の変形に要する力が低減されて変形し易くなる。さらに、弁体部の変形に要する力が低減されることで、排気圧が変化した際の弁体部の応答性を向上させることが可能になる。
第6の発明では、第1から5のいずれか1つの発明において、弁体部は複数設けられている構成とする。
この構成によれば、個々の弁体部を小さくしながら、弁孔の開口面積を十分に確保することが可能になる。
第1の発明によれば、消音器に固定される固定部と弁体部とを弾性板材に一体成形したので、部品点数を削減してコストを低減できるとともに、重量を軽減できる。さらに、弁体部の組み付け位置の調整が不要になり、組み付け作業性を良好にできる。
第2の発明によれば、弾性板材に弁体部を囲むように延びるスリットを形成したので、弁体部をより一層スムーズに開閉動作させることができる。
第3、4の発明によれば、弁体の形状を容易に多様化することができるので、高い汎用性を得ることができる。また、弁孔の開口面積は、弁体部の周長に、弁体部の変形量(弁孔からのリフト量に相当)を乗じた値に略比例するので、そのうちの周長を長くできる当該発明により、開口面積を広くすることができる。
第5の発明によれば、スリットの基端部を分岐して延びる形状としたので、スリットの基端部近傍に応力が集中するのを抑制でき、弁体の耐久性を向上させることができる。また、排気圧が変化した際の弁体部の応答性を向上させて、狙い通りの性能を得ることができる。
第6の発明によれば、小さい弁体部を用いながら、弁孔の開口面積を十分に確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るバルブ装置7を備えた消音器1の内部構造を示すものである。この消音器1は、自動車に搭載されるエンジン(内燃機関)の排気系(図示せず)に設けられている。消音器1は、筒状のシェル2と、シェル2の両端部をそれぞれ閉塞する第1及び第2端板3,4と、シェル2内に配設される第1及び第2隔壁部材5,6と、インレットパイプ8と、アウトレットパイプ9とを備えている。バルブ装置7は第1隔壁部材5に取り付けられており、このバルブ装置7の開閉動作により、シェル2内の排気ガスの流れが変わるようになっている。
第1隔壁部材5は、第1端板3と略平行に延びており、シェル2内部の第1端板3寄りに配設されている。第2隔壁部材6は、第2端板4と略平行に延びており、シェル2内部の第1隔壁部材5と第2端板4との間に配設されている。シェル2内部には、第1及び第2隔壁部材5,6により、第1端板3側から第2端板4側に向けて第1〜第3空間R1〜R3が区画形成されている。
インレットパイプ8の下流側は、第1端板3、第1隔壁部材5及び第2隔壁部材6を順に貫通して第3空間R3内へ突出している。インレットパイプ8における第2空間R2に臨む部分には、排気ガスが吐出する複数の吐出孔8a,8a,…が形成されている。アウトレットパイプ9の上流側は、第2端板4、第2隔壁部材6及び第2隔壁部材5を順に貫通して第1空間R1内へ突出している。
図2にも示すように、第1隔壁部材5には、第1空間R1と第2空間R2とを連通させる貫通孔5aが形成されている。また、図1に示すように、第1隔壁部材5には、バルブ装置7を取り付けるための取付孔5bが貫通形成されている。この取付孔5bは、円形である。
図3に示すように、バルブ装置7は、1枚の弾性板材を成形してなるものである。弾性板材としては、排気ガス雰囲気中で劣化し難く、所定の弾性を失わない素材で構成されたものが好ましく、素材としては、例えば、ステンレス鋼、チタン合金、ばね鋼等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。ステンレス鋼としては、SUS304、SUS410が好ましく、チタン合金としては、チタンα−β型合金(Ti6Al4V)、Ti−1100が好ましい。ばね鋼としては、SUP7が好ましい。
バルブ装置7は、第1隔壁部材5に固定される固定部10と、8つの弁体部11,11,…とが一体成形されてなるものである。固定部10は、第1隔壁部材5の取付孔5bよりも大きい円形の枠状をなしている。図2に示すように、固定部10の外周部分が、第1隔壁部材5の取付孔5bの周縁部に溶接されるようになっている。尚、固定部10は、締結部材等を用いて第1隔壁部材5に締結するようにしてもよい。
固定部10には、取付孔5bと略一致する弁孔10aが形成されている。弾性板材には、弁体部11における固定部10に連なる部位以外を囲むように延びるスリットSが形成されており、このスリットSの形成により弁体部11,11,…が得られるようになっている。スリットSは、弁孔10aの中心部から放射状に8方向に延びており、これにより、8つの同じ形状の弁体部11,11,…が形成され、各々が、排気圧を受けることによって独立して撓み変形可能となっている。弁体部11が撓み変形すると、弁孔10aが開かれた開状態となり、形状が復元することで弁孔10aが閉じられた閉状態となる。
弁体部11が開状態となるのに必要な力は、弾性板材の厚みや素材、スリットSの幅、弁体部11の形状等により任意に設定できるものである。この実施形態では、弁体部11が開状態となるのに必要な力は、エンジンの運転状態が約3000回転/分以上のときに受ける排気圧とされている。
上記のようなスリットSの形成により得られた弁体部11は、固定部10に連なる基端部の幅が最も広く、先端側に近づくほど狭くなっていき、先端部は尖った形状となっている。また、弁体部11の厚みと固定部10の厚みとは、同じである。
スリットSは、図示しないレーザー切断機を用いて加工されたものである。スリットSの幅は、弾性板材の厚みが1.0mmであれは、その半分の0.5mm程度が好ましいが、これに限られるものではなく、0.5mm未満又は0.5mmより広くしてもよい。ただし、スリットSの幅を狭くしていくと、製造誤差が生じた際に隣り合う弁体部11,11同士が接触する虞れがあるので、0.5mm以上確保するのがよい。また、スリットSの幅を広くしていくと、弁体部11,11,…が閉状態にあるときに排気ガスの漏れ量が多くなるので、例えば3.0mm以下がよい。尚、スリットSは、レーザー切断機以外にもプレス加工機を用いて形成するようにしてもよい。この場合、スリットSの幅は、弾性板材の厚みの約2倍程度にするのが型設計上、好ましい。
図4に示すように、スリットSの基端部には、円形の貫通孔12が連なっている。この貫通孔12の径はスリットSの幅よりも広く設定され、例えば、スリットSの幅の2倍程度が好ましい。
上記バルブ装置7は、第1隔壁部材5に固定される固定部10と、開閉動作を行う弁体部11,11,…とが一体成形されているので、部品点数が少ない。さらに、消音器1への組み付け時には、固定部10を第1隔壁部材5に固定するだけで、弁体部11の組み付けも同時に完了するので、製造工数が低減される。
また、固定部10と弁体部11,11,…とが一体成形されているから、弁体部11の固定部10に対する位置は一定のままであり、弁体部11,11,…を個別に位置調整する必要はなく、設計通りに組み付けることができる。
次に、上記のように構成されたバルブ装置7の動作について説明する。エンジンが例えばアイドリング状態にあるときには、シェル2の第2空間R2内の排気圧は、弁体部11,11,…を開状態とさせるまで高くなく、よって、弁体部11,11,…は閉状態のままである。
エンジンの回転数が約3000回転/分以上になると、第2空間R2の排気圧が高まり、その排気圧が弁体部11,11,…に作用する。すると、弁体部11,11,…は、先端側が第1空間R1へ突出するように湾曲変形して開状態となり、これにより、弁孔10aが開かれる。このとき弁体部11,1,…は、その先端側へ行くほど第1空間R1へ大きく突出することになる。尚、エンジンの回転数が低下すると、第2空間R2の排気圧が低下して弁体部11,11,…の形状が弾性力により復元し、閉状態となる。尚、弁体部11の開閉タイミング及び開口面積は、上記したエンジン回転数に限られるものではなく、エンジン特性等に応じて任意に設定することができる。
したがって、この実施形態に係るバルブ装置7によれば、消音器1に固定される固定部10と弁体部11,11,…とを弾性板材に一体成形したので、部品点数を削減してコストを低減できるとともに、重量を軽減できる。さらに、弁体部11,11,…が固定部10と一体であるため弁体部11の組み付け位置の調整が不要になり、組み付け作業性を良好にできる。
また、弾性板材にスリットSを形成することで弁体部11,11,…を得るようにしたので、各弁体部11が開閉動作する際に弁孔10aの周縁部や他の弁体部11に摺接しなくなり、スムーズに動作させることができる。
また、複数の弁体部11,11,…を設けたので、個々の弁体部11を小さくしながら、弁孔10aの開口面積を十分に確保できる。
また、弁体部11が開閉動作する際には、スリットSの基端部近傍に局部的に力が作用して応力が集中して発生する虞れがあるが、この実施形態では、バルブ装置に、スリットSの基端部に連なる円形の貫通孔12を形成したことで、力を分散させ、応力が集中して発生するのを回避できる。これにより、弁体部11の耐久性を高めることができる。尚、貫通孔12は省略してもよい。
また、上記実施形態では、弁体部11の数が8つの場合について説明したが、弁体部11の数は、これに限られるものではなく、例えは、図5に示す変形例1のように6つであってもよいし、図6に示す変形例2のように12であってもよく、特に限定されない。また、弁体部11の形状は、互いに異ならせてもよい。
また、図7に示す変形例3のように、スリットSの基端側を分岐させて延びるように形成してもよい。これにより、スリットSの基端部近傍に作用する力を分散させて応力が集中して発生するのを回避でき、弁体部11の耐久性を高めることができる。また、スリットSの基端部を分岐させることで、弁体部11の変形に要する力が低減されて変形し易くなる。さらに、弁体部11の変形に要する力が低減されることで、排気圧が変化した際の弁体部11の応答性を向上させることが可能になり、ひいては、狙い通りの性能を得ることができるようになる。
また、図8に示す変形例4のように、1本のスリットSを渦巻き状に形成してもよい。また、図9に示す変形例5のように、2本のスリットSを渦巻き状に形成してもよい。スリットSを渦巻き状に形成することで弁体部11の周長を長くできる。ここで、開口面積は、弁体部11の周長に、弁体部11の変形量(弁孔10aからのリフト量に相当)を乗じた値に略比例するので、そのうちの周長を長くできる当該構造により、開口面積を広くすることができる。
また、図10に示す変形例6のように、弁体部11には段差部11aを形成してもよい。段差部11aは、弁体部11の基端部と先端部との中間部分で、該弁体部11の先端側が基端側よりも板厚方向に突出するように形成されている。この変形例6のバルブ装置7は、段差部11aよりも先端側が第1空間R1に突出するように配設される。このように段差部11aを形成したことで、弁体部11が撓み変形した際に、同じ変形量でも、段差部11aが無いものに比べて開口面積を大きくすることができる。
また、図11に示す変形例7のように、固定部10を矩形枠状にしてもよい。この場合、弁孔10a内に収まるように取付孔5bを配置すればよい。
(実施形態2)
図12は、本発明の実施形態2に係る消音器1の内部構造を示すものである。この実施形態2の消音器1は、実施形態1のものに対し内部構造が異なっており、これに伴ってバルブ装置7の配設位置も実施形態1のものに対し異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
すなわち、シェル2の内部には、パイプ30が配設されている。パイプ30は、第1隔壁部材5及び第2隔壁部材6を貫通した状態で両部材5,6に固定されている。パイプ30の両端部は、第1空間R1及び第2空間R2にそれぞれ臨み、開口している。このパイプ30の第1空間R1側の端部にバルブ装置7が取り付けられるようになっている。
図13及び図14に示すように、バルブ装置7の固定部10の外周縁には、板厚方向一方に略直角に折り曲げられた折り曲げ部14が形成されている。折り曲げ部14は、環状をなしており、その内周面がパイプ30の外周面に接するようになっている。
この実施形態2のバルブ装置7は、折り曲げ部14がパイプ30に溶接されて組み付けられている。そして、実施形態1と同様にエンジンの回転数によってバルブ装置7の弁体部11が開閉動作して、消音器1内の排気ガスの流れが変わる。
したがって、この実施形態2のバルブ装置7によれば、実施形態1のものと同様に、消音器1に固定される固定部10と弁体部11,11,…とを弾性板材に一体成形したので、部品点数を削減してコストを低減できるとともに、重量を軽減できる。さらに、弁体部11,11,…の組み付け位置の調整が不要になり、組み付け作業性を良好にできる。
尚、図15に示す実施形態2の変形例1のように、パイプ30の端部に、内方へ向けて折り曲げられた屈曲部31を設ける一方、バルブ装置7の折り曲げ部14を省略し、バルブ装置7の固定部10の外周部を屈曲部31に溶接するようにしてもよい。
また、図16に示す実施形態2の変形例2のように、バルブ装置7の固定部10の外径をパイプ30の外径よりも大きくして、パイプ30の端部を固定部10に突き当てて溶接するようにしてもよい。
(実施形態3)
図17は、本発明の実施形態3に係る消音器1の内部構造を示すものである。この実施形態3の消音器1は、実施形態1のものに対し内部構造が異なっており、これに伴ってバルブ装置34の配設位置も実施形態1のものに対し異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
すなわち、アウトレットパイプ9の上流側は、第1室R1から第1隔壁部材5及び第2隔壁部材6を貫通して第3室R3まで延びた後、再び第2隔壁部材6を貫通して第2室R2において開口している。アウトレットパイプ9の第2室R2に臨む部分にバルブ装置34が配設されている。また、アウトレットパイプ9のバルブ装置34よりも上流側には、貫通孔9aが形成されている。また、インレットパイプ8の第1室R1に臨む部分には、排気ガスの吐出孔8bが形成されている。
図18に示すように、アウトレットパイプ9のバルブ装置34が取り付けられる部分には、貫通孔9bが形成されており、この貫通孔9bを覆うように取付部材35が設けられている。この取付部材35は、アウトレットパイプ9外周面における貫通孔9b周りに沿うように湾曲形成された接合板部35aと、接合板部35aからアウトレットパイプ9の外方へ向けて膨出する膨出部35bとを備えている。膨出部35bの先端面は、平坦に形成されている。膨出部35bの先端面には、アウトレットパイプ9の貫通孔9bと連通する取付孔35cが形成されている。取付孔35cは、アウトレットパイプ9の長手方向に長い矩形状とされている。
バルブ装置34は、図19にも示すように、取付孔35cよりも大きい矩形の固定部36と、1つの弁体部37とを備えており、固定部36及び弁体部37が弾性板材に一体成形されている。固定部36の外周部分が、取付部材35の取付孔35cの周縁部に溶接されるようになっている。固定部36には、弁孔36aが形成されている。弁体部37は、弾性板材に形成されたスリットSにより得られるものである。
この実施形態3のバルブ装置34も、実施形態1と同様にエンジンの回転数によって弁体部37が開閉動作し、これにより、排気ガスの流れが変わる。
したがって、この実施形態3のバルブ装置34によれば、実施形態1のものと同様に、消音器1に固定される固定部36と弁体部37とを弾性板材に一体成形したので、部品点数を削減してコストを低減できるとともに、重量を軽減できる。さらに、弁体部37の組み付け位置の調整が不要になり、組み付け作業性を良好にできる。
また、バルブ装置34の固定部36をアウトレットパイプ9の外周面に沿うように成形して、アウトレットパイプ9に直接固定するようにしてもよく、こうすることで、取付部材35を省略して重量をより軽減できる。
尚、図20に示す実施形態3の変形例1のように、2つの弁体部37,37を設けてもよい。この変形例1では、弾性板材にZ型のスリットSを形成することで弁体部37,37を得るようにしている。
図21に示す実施形態3の変形例2のように、4つの弁体部37,37,…を設けてもよい。この変形例2では、弾性板材にX型のスリットSを形成することで弁体部37,37,…を得るようにしている。
実施形態3の取付部材35及びバルブ装置34を、実施形態1,2の消音器1に配設してもよい。
また、実施形態1,2のバルブ装置7を実施形態3の消音器1に配設してもよい。
以上説明したように、本発明に係るバルブ装置は、例えば、自動車に搭載されるエンジンの排気系の消音器に配設するのに適している。
実施形態1に係るバルブ装置が取り付けられた消音器の内部構造を説明する断面図である。 消音器の内部におけるバルブ装置近傍を示す斜視図である。 バルブ装置の平面図である。 バルブ装置のスリットの基端部近傍の拡大図である。 実施形態1の変形例1に係る図3相当図である。 実施形態1の変形例2に係る図3相当図である。 実施形態1の変形例3に係る図3相当図である。 実施形態1の変形例4に係る図3相当図である。 実施形態1の変形例5に係る図3相当図である。 実施形態1の変形例6に係る図3相当図である。 実施形態1の変形例7に係る図3相当図である。 実施形態2に係る図1相当図である。 実施形態2に係る図3相当図である。 実施形態2に係るバルブ装置及びパイプの断面図である。 実施形態2の変形例1に係る図14相当図である。 実施形態2の変形例2に係る図14相当図である。 実施形態3に係る図1相当図である。 実施形態3のバルブ装置の組み付け構造を説明する分解斜視図である。 実施形態3に係る図3相当図である。 実施形態3の変形例1に係る図3相当図である。 実施形態3の変形例2に係る図3相当図である。
符号の説明
1 消音器
2 シェル
7,34 バルブ装置
10,36 固定部
10a,36a 弁孔
11,37 弁体部
S スリット

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気系の消音器内に配設されるバルブ装置であって、
    弁孔を有し、上記消音器に固定される固定部と、
    上記固定部における弁孔の縁部に連なり、該縁部から該弁孔の内方へ向けて延びる弁体部とを備え、
    上記固定部及び上記弁体部は、弾性板材に一体成形されていることを特徴とするバルブ装置。
  2. 請求項1に記載のバルブ装置において、
    弾性板材には、弁体部における固定部に連なる部位以外を囲むように延びるスリットが形成されていることを特徴とするバルブ装置。
  3. 請求項2に記載のバルブ装置において、
    弾性板材には、放射状に延びるスリットが形成されていることを特徴とするバルブ装置。
  4. 請求項2に記載のバルブ装置において、
    弾性板材には、渦巻き状に延びるスリットが形成されていることを特徴とするバルブ装置。
  5. 請求項2から4のいずれか1つに記載のバルブ装置において、
    スリットの基端部は分岐して延びていることを特徴とするバルブ装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のバルブ装置において、
    弁体部は複数設けられていることを特徴とするバルブ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111472865A (zh) * 2019-01-24 2020-07-31 广州汽车集团股份有限公司 调音阀

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CN111472865B (zh) * 2019-01-24 2022-06-07 广州汽车集团股份有限公司 调音阀

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