JP2010150787A - 桟橋の補強構造、補強方法 - Google Patents

桟橋の補強構造、補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】構造が簡単であり、コストがかからず、制震効果を確実に期待できる桟橋の補強構造、補強方法を得る。
【解決手段】下端部が海底地盤3に打設され、上端部に上部工7を有する桟橋1の補強構造であって、桟橋1と独立しており、かつ水平方向の剛性が桟橋1の水平方向の剛性よりも高い組杭11を設置し、ダンパー13の一端側を該組杭11の杭頭14に連結し、他端側を上部工7に連結してダンパー13を設置したことを特徴とする桟橋1の補強構造。
【選択図】図2

Description

本発明は、上部工を杭によって支持してなる杭式桟橋の耐震補強技術に関する。
上部工を複数の杭によって支持してなる杭式桟橋において、近年、耐震補強を行う技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1に提案された杭式桟橋の補強構造は、複数の杭と該杭によって支持される上部工との間にブレース部材を設け、前記ブレース部材と前記上部工材との間、又は前記ブレース部材と前記杭との間の何れか一方、又は両方に設けられたダンパー部材とを備え、前記ダンパー部材、前記ブレース部材、前記杭のそれぞれの降伏せん断応力が、この順に大きくなるようにしたものである(特許文献1参照)。
また、上記特許文献1のものでは具体的なダンパー部材の施工方法が不明であることから、特許文献1と同一の出願人より、特許文献1に記載の発明の進化型とも言える技術が特許文献2に提案されている。特許文献2に提案された杭式桟橋は、水中の地盤に下端部が埋設された複数の杭と、前記複数の杭によって支持された上部構造体とを有する既設桟橋の前記杭と杭の間に補強ユニットが設けられた杭式桟橋であって、前記補強ユニットは、矩形枠状のフレームと、そのフレームに設けられたブレースとを有し、前記フレームが前記杭に固定されていることを特徴とするものである(請求項1参照)。また、特許文献2には、前記補強ユニットの他の態様としてフレームとブレースの間にダンパーが設けられたものも開示されている(請求項5参照)。
さらに、既設桟橋の補強に関する技術ではないが、制震機能を持たせた桟橋として特許文献3には以下のような制震桟橋が提案されている。
「杭と上部工を構成要素とする1つの桟橋を、それぞれ杭および上部工を構成要素とし異なる固有周期を有する複数の桟橋ブロックに分割し、前記桟橋ブロックどうしの間をダンパーを介在させて連結したことを特徴とする制震桟橋。」
特開2006−125152号公報(請求項1参照) 特開2007−217952号公報(請求項1、5参照) 特開平10−77616号公報(請求項1参照)
特許文献1に提案されたものでは、ダンパーと杭とをどのように接合するのかが不明であり、それ故にその効果も不明である。また、ブレース部材と杭との間にダンパーを設ける場合には、ダンパーが水中に配置されることになり、ダンパーが腐食劣化するという問題もある。
特許文献2のものでは、フレームにダンパーを予め接合して補強ユニットにしていることから、ダンパーの接合方法は特許文献1よりも明確である。
しかしながら、特許文献2に開示された具体例を見ると、補強ユニットを構成するブレース下端側を杭と接合し、ブレースの上端側にダンパーを接合する構造であるため、ダンパー部で発生する変位が小さく、制震効果があまり期待できないという問題がある。
他方、特許文献3に記載のものは、桟橋を新設する場合を想定していると思われるが、仮に、特許文献3に記載の技術を既設桟橋の補強に適用するとしても、既存桟橋を固有周期の異なる桟橋に分解しなおすのは、コストが高くなってしまうという問題がある。
以上のように、特許文献1〜3のものはそれぞれ個別の問題点を有しているが、このような個別の問題点に加えて以下のような共通する問題点も有している。
桟橋の耐震性能を向上するために必要な要件は、地震時に桟橋に発生する加速度(応答加速度)を現状よりも増加させないで、かつ変位(応答変位)を小さくすることである。桟橋の地震時の応答加速度と応答変位は、地震動特性とともに、桟橋の固有周期に大きく依存する。したがって、桟橋の耐震性能を向上するために、なんらかの補強構造を取付ける場合には、桟橋の固有周期の変化に留意する必要がある。
地震動に対する桟橋の応答加速度と応答変位は、一般的に図10(a)、(b)のようになる。桟橋の固有周期が図10(a)、(b)に示すbの領域の場合、桟橋に増し杭などをして、桟橋の剛性を高くすると、桟橋の固有周期が短くなり桟橋の変位は減少し、加速度は増加しない。ただし、比較的固有周期の長い構造物の場合(図10(a)、(b)のcの領域)では、桟橋の剛性を高くすると、桟橋の固有周期が短くなり桟橋の変位は減少するが、加速度は大きくなってしまう。このような場合には、地震のエネルギーを吸収するような制振化や、地震動のエネルギーを上部構造に伝えないような免震化が有効である。
この点、特許文献1、2に記載のものは、ブレース材を設けることで剛性を高くすると共にダンパーによってある程度の変位を許容しつつダンパーで変位時のエネルギーを吸収しようとするものである。
しかしながら、ダンパーの両端が共に杭と上部工を含む桟橋と同じ系内に設置されているため、ダンパー両端での変位量が小さく、効果的に地震動のエネルギーを吸収することはできない。
この点、特許文献3のものについては、ダンパーの両端が独立の杭で支持されている各上部工に設置されるものであるため、ダンパーに対して変位を伝達してエネルギー吸収を行わせることは容易であると考えられる。
しかしながら、各上部工は桟橋の一部であり、地震後においても桟橋として機能させる必要がある場合、各上部工からなる桟橋への被災を抑制するように各上部工を支持する杭の剛性やダンパーの剛性を設定する必要があるが、これは非常に難しい。例えば、2つの上部工間に設置したダンパーでのエネルギー吸収を効果的に行わせるために一方の上部工を支持する杭の剛性を高くすると、剛性を高くした上部工側での加速度が大きくなってしまうことが考えられる。
また、特許文献3の構造は、桟橋を新規に建設する場合には有効な方法と考えられるが、既存の桟橋の補強には困難がともなう。
以上のように、特許文献1〜3はそれぞれ個別の問題点を有していると共に、地震時に発生する加速度と変位を適切な範囲に抑制して制震効果を確実に期待できるような構造にすることが難しいという問題がある。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、構造が簡単であり、コストがかからず、制震効果を確実に期待できる桟橋の補強構造、補強方法を得ることを目的としている。
発明者は、従来の制震構造は、ダンパー両端を桟橋と同じ系内に設置し、その系内においてダンパーに変位を与えてエネルギー吸収を行わせようとしているが、そのダンパー設置方法に問題があると考えた。
そこで、発明者はダンパー設置に関する上記従来の考えを転換することを発想し、ダンパーを、桟橋を構成する部材とは別の系にある構造物と桟橋の上部工との間に設置するという発想を得た。このようにすることで、地震時に発生する加速度と変位をダンパーで調整するのが極めて容易となり、すぐれた制震性能を発揮する補強構造を簡易に得ることができるとの知見を得た。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係る桟橋の補強構造は、杭と上部工を有する桟橋の補強構造であって、前記桟橋と独立しており、かつ水平方向の剛性が前記桟橋の水平方向の剛性よりも高い構造物を設置し、ダンパーの一端側を該構造物に連結し、他端側を前記上部工に連結するようにダンパーを設置したことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記ダンパーは前記上部工において視認可能な部位に設けられていることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記構造物は、水中にある部分が上部工のエリア内に設けられていることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記構造物は斜杭を交差方向に組み合わせた組杭であり、該組杭の交差方向がダンパーの変位方向と同方向になっていることを特徴とするものである。
(5)また、本発明に係る桟橋の補強方法は、桟橋の上部工に開口部を設ける工程と、該開口部を貫通するようにして杭を打設する工程と、該杭の上端部と前記上部工との間にダンパーを設置する工程とを備え、前記杭を打設する工程においては、前記杭の上端部における水平方向の剛性が桟橋の水平方向の剛性よりも高くなるように杭を打設することを特徴とするものである。
本発明によれば、杭と上部工を有する桟橋の補強構造であって、前記桟橋と独立しており、かつ水平方向の剛性が前記桟橋の水平方向の剛性よりも高い構造物を設置し、ダンパーの一端側を該構造物に連結し、他端側を前記上部工に連結するようにダンパーを設置したので、簡易な構造でかつ確実な制震を可能にすることができる。
[実施の形態1]
図1、図2は本発明の一実施の形態に係る桟橋の補強構造の説明図であり、図1は補強後の桟橋の平面図、図2は同じく補強後の桟橋の側面図である。図3、図4は本実施の形態の補強構造を説明するための説明図であり、図3は補強前の桟橋の平面図、図4は、同じく補強前の桟橋の側面図である。
まず、補強前の桟橋の構造を説明すると、図3、図4に示すように、補強の対象となる桟橋1は海底地盤3に打設された複数の直杭5と、直杭5の杭頭部に設置された床版や梁等からなる上部工7とを備えている。図3、図4に示された例では、直杭5が陸側から海側に向かって等間隔で4本設けられ、これら4本からなる一組の直杭5が海岸線に平行に4組設けられている。さらに、このような桟橋のユニットが岸壁法線方向に複数配置され、岸壁として機能することになる。
上記の補強前の桟橋1に対して補強したものが本実施の形態に係る桟橋の補強構造であり、図1、図2に示すように、2本の斜杭9からなる組杭11が上部工7のエリア内に二箇所設けられている。そして、一端側が組杭11の頭部14に連結され、他端側が桟橋1の上部工7に連結されたダンパー13を備えている。
各構成を詳細に説明する。
<組杭>
組杭11は、例えば2本の鋼管杭をそれらがハの字を形成するように斜めに打設して斜杭9とし、これら斜杭9の上端部を剛結して構成されるものである。各斜杭9は上部工7の床版に設けた開口部から貫通するようにして打設されている。もっとも、打設後には開口部は修復され、杭頭部14は、図2に示すように、上部工7の床版の下方に床版と接触しない高さになっている。
組杭11は、図2に示されるように、海中にある部分が上部工7のエリア内、すなわち平面視で上部工7外に出ないように配置されている。つまり、組杭11下端のように海底地盤3内にある部分は上部工7のエリア外であってもよいが、海底よりも上方の海中にある部分は上部工7のエリア内に配置されている。組杭11の設置状態をこのような配置にすることで、接岸する船舶の邪魔にならないという効果がある。
杭頭部14の剛結方法としては、例えば鉄筋コンクリートで結合する。
組杭11は、水平方向の剛性を桟橋1のそれに比較して高くし、固定点として機能するようにしている。本明細書において固定点とは、桟橋1に対して剛性が高く、それ故に地震時において桟橋1よりも揺れにくい点をいい、固定点であるためには水平方向の剛性が桟橋1の水平方向の剛性によりも高いことを要する。好ましくは、桟橋1の水平方向の剛性に対する組杭11の水平方向の剛性の剛性倍率を1.5倍以上、さらに好ましくは2倍以上になるように設定する。組杭11の剛性倍率とは、既存の桟橋1の水平方向剛性と組杭11の水平方向剛性の比率である。
<ダンパー>
ダンパー13は、一端側が組杭11の頭部14に連結され、他端が上部工7側に連結され、地震時のエネルギーを吸収するものである。なお、組杭11の杭頭部14と上部工7にはそれぞれダンパー13の端部を連結するための連結部材15が設けられている。
ダンパー13は、例えば地震エネルギーを吸収する軸力管と、軸力管の座屈を防止するために軸力管の外側または内側に補剛管を設置して二重管構造とした二重管型の制振ブレースを用いることができる。
もっとも、ダンパーは地震エネルギーを吸収することができるものであれば特に限定されるものではない。
図1、図2に示す例では、ダンパー13の変位は図中左右方向であるが、これは図2に示されるように、組杭11の交差方向と同方向になっている。
上記のように構成された本実施の形態に係る補強構造においては、地震が発生したとき上部工7に発生する慣性力が、上部工7からダンパー13に伝達され、ダンパー13の塑性変形によってそのエネルギーが吸収される。これにより、補強前にくらべ、桟橋1の加速度の増加を抑えながら、変位を低減することができる。
桟橋の耐震補強の検討においては、桟橋1に発生する加速度と水平変位を適切な範囲に抑制することが重要である。そして、本実施の形態の補強構造によればこれを極めて簡易に行なうことができる。
つまり、本実施の形態においては、ダンパー13の一端を桟橋1とは独立した組杭11の頭部14に連結しているため、地震時に桟橋1に発生する加速度と変位をそれぞれどの程度に抑制するかについては、組杭11の剛性とダンパー13の剛性を設定することによって決定することができる。
以下においては、このことを実証するため、ダンパー13を用い、組杭11の剛性を変化させたときに桟橋1に発生する最大変位と最大加速度を求める地震応答解析を行った。
地震応答解析に用いた各条件は以下の通りである。
(1)入力地震動(レベル2地震相当の模擬地震動波形)、図5参照
(2)上部工7の条件
縦:24.0m、横:22.0m
(3)地盤条件(図2参照)
捨石層、表層地盤(N=5)、下層地盤(N=10)
(4)直杭5の条件(図2参照)
鋼管杭(材質:SKK400、杭径:φ700、板厚:7mm)
配置:縦横6m間隔で設置
(5)組杭11の条件(図2参照)
鋼管杭(材質:SKK400、杭径:φ700、板厚:4〜28mm)
直杭列の2列の間中央に各1カ所組杭11を設ける(図1、図2参照)。
なお、解析に際して組杭11の剛性倍率を、1.0〜5.8まで変化させた。
既存の桟橋と同じ鋼管杭を用いた場合(組杭11の鋼管杭の板厚を7mmとした場
合)の剛性倍率は1.6倍である。
(6)ダンパー条件
ダンパー13として、下記に示す二重管型の制振ブレースを用いた。
制振ブレース(軸力管の直径:130mm,板厚:6.5mm,下降伏点:100N/mm2,引張強さ:200N/mm2)
比較例として、ダンパーを用いないで組杭11と上部工7を剛結合したものについても行った。
図6、図7は地震応答解析結果を示すグラフである。図6は縦軸を解析結果の最大変位(mm)を補強無しの場合の最大変位192mmで割った値(最大変位比)、横軸を組杭剛性倍率としたものである。また、図7は縦軸を解析結果の最大加速度(Gal)を補強無しの場合の最大加速度265Galで割った値(最大加速度比)、横軸を組杭剛性倍率としたものである。ここで、組杭剛性倍率とは、既存の桟橋の水平方向剛性と組杭の水平方向剛性の比率である。
図6に示すように、最大変位比については、いずれの例でも組杭剛性倍率が大きくなるに従って最大変位比が小さくなっている。制振ブレース(ダンパー13)がある場合には、組杭剛性倍率が1.5倍程度までの間で急激に低下し、2.4倍までは最大変位比が小さくなるが、それ以降は組杭の剛性を上げても、最大変位比は変わらない。
他方、最大加速度比について見ると、図7に示すように、組杭11を上部工7に剛結したものについては、組杭11の剛性倍率が大きくなるに従って最大加速度比が大幅に増加していく。
一方、制振ブレース(ダンパー13)を設置したものは、剛結したものに比べ最大加速度比は格段に小さく、組杭剛性倍率が2.4倍よりも大きくなっても最大加速度比は変わらない。
以上のように、本実施の形態で採用した構造、すなわちダンパー13の一端を組杭11に連結し、他端を上部工7側に連結する構造にすることにより、想定される地震波で桟橋1に発生する最大変位と最大加速度を容易に知ることができるので、組杭11の剛性倍率とダンパー13の剛性を最適値に設定することが可能となり、耐震性能に優れた補強構造にすることが容易にできる。
また、本実施の形態においては、130mm径の制振ブレースを用いる場合の最適な組杭11の剛性倍率は、2.4倍程度であり、このように設定することにより、最大加速度の増加を微小な範囲に抑えつつ、最大変位の低減効果を有効に発揮させることができる。
なお、組杭11の剛性倍率を上げるには、組杭11を構成する鋼管の管径を大きくする、管厚を大きくする、杭数を増やすことが考えられる。
[実施の形態2]
図8、図9は本発明の実施の形態2の説明図であり、図8が補強構造の平面図、図9が側面図である。図8、図9において、図1、図2と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態においては、組杭11の頭部14を上部工7に形成した開口部17内に配置し、ダンパー13を上部工7の上面側に形成した開口溝19に設置して上部工7上からダンパー13を視認可能にしたものである。ダンパー13を上部工7の上面側に設置することにより、ダンパー13を上部工7から視認できるようになり、地震後のダンパー13の塑性変形の程度を確認することで桟橋1の被災の程度を推測することができる。つまり、ダンパー13の塑性変形の程度が小さい場合には、桟橋1を支持する直杭5の被災状況が小さいと判断でき、逆にダンパー13の塑性変形の程度が大きい場合には、桟橋1を支持する直杭5の被災の程度が大きいと判断できる。
このように、ダンパー13を上部工7の上面側で視認できる位置に設けることにより、ダンパー13が桟橋1の被災の程度を知る指標として機能するという効果を奏することができる。
この点、従来であれば、海中に潜って実際の杭の根元の確認をしなければならないことに比較すると、極めて便利である。
また、ダンパー13を上部工7の上面側に設置することで、実施の形態1の場合よりも海面からより遠くなるため、防食の点でも有利である。
[実施の形態3]
次に上記のように構成される桟橋1の補強構造の施工手順を説明することで、本発明の補強方法を説明する。
(1)まず、既設桟橋1の床版に組杭打設用の開口部を設ける。なお、実施の形態2の場合には、組杭打設用の開口に加えてダンパー設置用の開口溝19を併せて設ける。
(2)次に開口部を貫通するようにして、2本の鋼管杭を斜めに交差するように打設する。
杭打設後、2本の杭頭を鉄筋コンクリートによって結合する。なお、鋼管杭の打設に際しては、図2、図9に示すように、鋼管杭における海中に配置される部分が上部工7のエリア内に配置されるようにする。
(3)そして、結合した杭頭14、及び上部工7にダンパー13を連結するための連結部材15を設置する。
(4)上記の連結部材15を用いて、杭頭部14と上部工7との間にダンパー13を設置する。
(5)開口部を補修する。すなわち、実施の形態1の例では開口部を閉塞するようにし、実施の形態2の例では開口部17として杭頭部14との間に所定の隙間を生ずるようにしておく。
なお、ダンパー13を上部工7の上面側に設置した実施の形態2場合には、ダンパー設置のための開口溝19に蓋を設置する。
以上のように、本実施の形態の施工方法によれば、極めて簡易な方法によって効果的な耐震補強構造を施工できる。
なお、どのような組杭にするか、あるいはどのようなダンパーを設置するかについては、補強の対象になっている桟橋1の諸元や、想定される地震波に基づいて上述したような実験を行うことで決定することができる。
なお、上記の実施の形態においては、固定点となる構造物として組杭を例に挙げたが、本発明に係る構造物としてはこれに限られるものではなく、大径の直杭、鋼管矢板などであってもよい。
もっとも、組杭にすることで、組杭を構成する鋼管杭の管径や板厚を小さくできるので、コスト面で有利である。
本発明の一実施の形態に係る桟橋の補強構造の説明図であり、補強後の桟橋の平面図である。 本発明の一実施の形態に係る桟橋の補強構造の説明図であり、補強後の桟橋の側面図である。 本発明の一実施の形態の補強構造を説明するための説明図であり、補強前の桟橋の平面図である。 本発明の一実施の形態の補強構造を説明するための説明図であり、補強前の桟橋の側面図である。 本発明の一実施の形態の説明に用いた地震波の一例を示す図である。 本発明の一実施の形態の効果を説明するためのグラフである。 本発明の一実施の形態の効果を説明するためのグラフである。 本発明の他の実施の形態に係る桟橋の補強構造の説明図であり、補強後の桟橋の平面図である。 本発明の他の実施の形態に係る桟橋の補強構造の説明図であり、補強後の桟橋の側面図である。 地震動に対する桟橋の固有周期と応答加速度、固有周期と応答変位の関係を示す説明図である。
符号の説明
1 桟橋
3 海底地盤
5 直杭
7 上部工
9 斜杭
11 組杭
13 ダンパー
14 杭頭部
15 連結部材
17 開口部
19 開口溝

Claims (5)

  1. 杭と上部工を有する桟橋の補強構造であって、前記桟橋と独立しており、かつ水平方向の剛性が前記桟橋の水平方向の剛性よりも高い構造物を設置し、ダンパーの一端側を該構造物に連結し、他端側を前記上部工に連結するようにダンパーを設置したことを特徴とする桟橋の補強構造。
  2. 前記ダンパーは前記上部工において視認可能な部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の桟橋の補強構造。
  3. 前記構造物は、水中にある部分が上部工のエリア内に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の桟橋の補強構造。
  4. 前記構造物は斜杭を交差方向に組み合わせた組杭であり、該組杭の交差方向がダンパーの変位方向と同方向になっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の桟橋の補強構造。
  5. 桟橋の上部工に開口部を設ける工程と、該開口部を貫通するようにして杭を打設する工程と、該杭の上端部と前記上部工との間にダンパーを設置する工程とを備え、前記杭を打設する工程においては、前記杭の上端部における水平方向の剛性が桟橋の水平方向の剛性よりも高くなるように杭を打設することを特徴とする桟橋の補強方法。
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