JP7429000B2 - 水域構造物の補強構造および補強方法 - Google Patents
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Description
前記杭群は、前記上部構造物を支持する既設杭と、当該既設杭と連結部材を介して連結されて前記既設杭を補強する新設杭とを備え、
前記新設杭は、前記上部構造物の近傍の水面から、当該水面に対して傾斜した状態で前記上部構造物の下方の水底に当該水底より突出させて打設されていることを特徴とする。
いてもよい。
前記水域構造物の横断面視において、前記新設杭によって補強すべき前記既設杭と前記新設杭との交差部以外で、一方の前記結合部が前記新設杭に結合され、他方の前記結合部が前記既設杭に結合されていてもよい。
特に、ストラット部材が新設杭に対して垂直に配置されている場合、水域構造物に地震等によって外力が作用した場合に、当該外力の一部が既設杭から新設杭にストラット部材の軸力として伝達されるので、上部構造物を支持している既設杭を確実に補強できる。
前記水域構造物の横断面視において、前記新設杭によって補強すべき前記既設杭と前記新設杭との交差部で、一方の前記結合部が前記新設杭に結合され、他方の前記結合部が前記既設杭に結合されていてもよい。
特に、ストラット部材が既設杭および新設杭の双方に対して垂直に配置されている場合、水域構造物に地震等によって外力が作用した場合に、当該外力の一部が既設杭から新設杭にストラット部材のせん断力として伝達されるので、上部構造物を支持している既設杭を確実に補強できる。
前記水域構造物の横断面視において、前記新設杭によって補強すべき前記既設杭と前記新設杭との交差部で、一方の前記結合部が前記新設杭に結合され、他方の前記結合部が前記既設杭に結合されていてもよい。
(第1の実施の形態)
図1Aは第1の実施の形態に係る水域構造物10の補強構造を示すもので、(a)は横断面図、(b)は(a)におけるA-A線断面図である。なお、図1A(b)では、上部構造物11は破線で示している。
水域構造物10は、本実施の形態では、桟橋であるが、ドルフィン、橋脚などであってもよい。
上部構造物11は、桟橋の床版であり鉄筋コンクリートによって形成されている。上部構造物11は、図1A(a)において、紙面と直交する方向に延在しており、当該方向に沿う辺が長辺、左右方向の辺が短辺となる長方形板状に形成されている。
また、図1A(a)において、上部構造物11より右側が陸側、左側が海側となっており、陸側の水底はほぼ水平であり、海側の水平な水底より浅くなっている。また、海側の水底と陸側の水底とは傾斜した水底によって接続されている。
既設杭13は鋼管で形成された鋼管杭であり、当該既設杭13の上端部は海面(水面)から突出し、当該上端部が上部構造物11に結合され、これによって、上部構造物11が複数の既設杭13によって下方から支持されている。
また、既設杭13の上端部には、防食のための防護膜13aが形成されている。この防護膜は、既設杭13の上端部を、樹脂によって塗装することによって形成されたものである。塗装される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂塗料、および美粧性を付与するために高耐候性塗料(ふっ素樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料など)を組み合わせたものがある。
このような防護膜13aは、既設杭13の上端から水面下約1.0mの位置まで形成されている。また、既設杭13の防護膜13aより下方の部分は電気防食されている。
ここで、図1A(b)に示すように、左右方向を行方向、上下方向を列方向とすると、本実施の形態では、上から1行目に配置された4本の既設杭13と2行目に配置された4本の既設杭13との間に、平面視において新設杭14が行方向に平行に、かつ1行目に配置された4本の既設杭13側に寄せて配置されている。なお、新設杭14は、2行目に配置された4本の既設杭13と3行目に配置された4本の既設杭13との間に平面視において行方向と平行に配置してもよい。
また、新設杭14の上端部は平面視において上部構造物11の端縁11aより内側、つまり上部構造物11の端縁11aより当該上部構造物11の左右方向中央側に位置している。
そして、このような補助部14aを有する新設杭14を、上部構造物11の端縁11aより海側の海面から当該海面に対して傾斜し、かつ、当該端縁11aに干渉しないようにして、上部構造物11の下方の海底(水底)に打設する。この場合、補助部14aは海面より突出するだけの長さに設定しておき、この補助部14aを図示しないバイブロハンマ等の打設装置によって把持して新設杭14を海底に打設する。
その後、補助部14aを海中(水中)で切断して除去することによって、新設杭14の上端部は海面(水面)より下方で、かつ、平面視において上部構造物11の端縁11aより内側に位置することになる。また、新設杭14によって補強すべき既設杭13と新設杭14とは、図1A(a)に示すように、横断面視において交差している。本実施の形態では、交差している交差部は海底より下側の地盤中であるが、海底より上部の海中であってもよい。
すなわち、図1Bに示すように、新設杭14の上端部に、当該新設杭14と同径(外径および内径の双方が同径)の鋼管で形成された補助部材14bを機械式継手によって着脱可能に接合する。例えば、新設杭14の上端部に第1凹凸形状部を周方向に沿って形成する一方で、補助部材14bの下端部に第2凹凸形状部を周方向に沿って形成しておき、第1凹凸形状部と第2の凹凸形状部とを嵌合させることによって、新設杭14の上端部に補助部材14bを着脱可能にかつ同軸に接合しておく。
そして、このような補助部材14bを有する新設杭14を、上部構造物11の端縁11aより海側の海面から当該海面に対して傾斜し、かつ、当該端縁11aに干渉しないようにして上部構造物11の下方の海底(水底)に打設する。この場合、補助部材14bは海面より突出するだけの長さに設定しておき、この補助部材14bを図示しないバイブロハンマ等の打設装置によって把持して新設杭14を海底に打設する。
その後、補助部材14bを海中(水中)で新設杭14の上端部から切り離すことによって、新設杭14の上端部は海面(水面)より下方で、かつ、平面視において上部構造物11の端縁11aより内側に位置することになる。
そして、このようなヤットコ14cが取り付けられた新設杭14を、上部構造物11の端縁11aより海側の海面から当該海面に対して傾斜し、かつ、当該端縁11aに干渉しないようにして上部構造物11の下方の海底(水底)に打設する。この場合、ヤットコ14cは海面より突出するだけの長さに設定しておき、このヤットコ14cを図示しないバイブロハンマ等の打設装置によって把持して新設杭14を海底に打設する。
その後、ヤットコ14cを海中(水中)で新設杭14の上端部から取り外すことによって、新設杭14の上端部は海面(水面)より下方で、かつ、平面視において上部構造物11の端縁11aより内側に位置することになる。
また、外管16aの一端部には、外管16aの全内周に亘って前記隙間をシールするためのシール部材16cが設けられ、内管16bの他端部には内管16bの全外周に亘って前記隙間をシールするシール部材16cが設けられている。
これらシール部材16cと外管16aと内管16bとによって前記隙間は密封され、当該隙間に膨張モルタル等の凝固材を注入する際に、当該凝固材の漏洩を防止して効率よく注入作業を行うことができる。
さらに、ストラット部材16は、塑性変形後に交換可能となっている。つまり、水域構造物10に地震動が作用してストラット部材16が塑性変形しても、当該ストラット部材16を有する連結部材15,15A,15Bを既設杭13および新設杭14から取り外し、新たなストラット部材16を有する連結部材15,15A,15Bに交換することによって、上部構造物11を供用させながら、地震前の耐震性能を早期に回復させることができる。
このようなストラット部材16の一方の端部に新設杭14に結合される一方の結合部17が設けられ、他方の端部に既設杭13に結合される他方の結合部17が設けられている。
また、半割鞘管部17aの一端部には、フランジ部17bが当該半割鞘管部17aの径方向外側に突出して設けられ、半割鞘管部17aの他端部には、フランジ部17cが当該半割鞘管部17aの径方向外側に突出して設けられている。一対の半割鞘管部17a,17aのフランジ部17b,17bおよびフランジ部17c,17cを互いに当接することで、一対の半割鞘幹部17a,17aは既設杭13および新設杭14の周囲を包囲する円筒状に形成される。
また、一対の半割鞘管部17a,17aのフランジ部17c,17cはヒンジ部18によって、当該ヒンジ部18を軸として正逆方向に回転可能となっており、これによって、一対の半割鞘管部17a,17aがヒンジ部18を軸として正逆方向に回転可能となるので、当該一対の半割鞘管部17a,17aを備えた結合部17は開閉可能となっている。
そして、ボルト挿通孔19にボルト20を挿通してナットで締め付けることによって、半割鞘管部17a,17aどうしが結合した状態で強固に固定される。これによって、半割鞘管部17a,17aは既設杭13および新設杭14の周囲を包囲するようにして、当該既設杭13および新設杭14に固定される。つまり既設杭13および新設杭14に結合部17が結合される。また、ボルト20を緩めてボルト挿通孔19から取り外すことによって、結合部17を既設杭13および新設杭14から取り外すことができる。
また、水域構造物10の横断面視において、連結部材15のストラット部材16は新設杭14に対して垂直に配置され、既設杭13に対して垂直以外の所定の角度に配置されている。さらに、連結部材15のストラット部材16は、図1A(b)に示すように、平面視において、新設杭14に対して、陸側(図1A(b)において右側)に向けて鋭角に傾斜し、当該ストラット部材16の先端部が、連結部材15より陸側に設けられている既設杭13に結合部17を介して結合されている。
図1Dに示す補強構造では、連結部材15の既設杭13に結合される結合部17の位置が、図1Aに示す補強構造に比して、低くなる。
また、図1Eに示す補強構造では、連結部材15の既設杭13に結合される結合部17の位置が、図1Aおよび図1Dに示す補強構造に比して、低くなる。
また、連結部材15の新設杭14に結合される結合部17の位置は、図1A、図1Dおよび図1Eにおいて等しくなる。
なお、図1Dおよび図1Eにおいて、図1Aに示す構成と同一構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
まず、上部構造物11の端縁11aの近傍の海面(水面)から、補助部14aを有する新設杭14を当該海面(水面)に対して傾斜した状態で上部構造物11の下方の水底に当該水底より突出させて打設する。この場合、新設杭14を、上部構造物11の端縁11aに干渉しないようにして海底(水底)に打設する。
次に、補助部14aを海中(水中)で切断して除去することによって、新設杭14の上端部を海面(水面)より下方で、かつ、平面視において上部構造物11の端縁11aより内側に位置させる。
次に、連結部材15を新設杭14の軸回りに回転させることで、他方の結合部17を既設杭13側に回転移動させるとともにストラット部材16の長さを調整し、当該結合部17の開いた状態の一対の半割鞘管部17a,17a間に既設杭13を相対的に挿入したうえで、半割鞘管部17a,17aを閉じることによって、既設杭13に他方の結合部17を結合する。なお、他方の結合部17を回転移動させる場合、一対の半割鞘管部17a,17aを開いた状態で回転移動させてもよいし、回転移動した後、一対の半割鞘管部17a,17aを開いた状態としてもよい。
また、連結部材15のストラット部材16のシール部材16cと外管16aと内管16bとの間の隙間に膨張モルタル等の凝固材を注入するによって、ストラット部材16の外管16aと内管16bとの相対移動を拘束する。
このようにして、連結部材15によって新設杭14と既設杭13とを連結することによって、既設杭13を補強する。
その後は上述した場合と同様にして、結合部17,17と新設杭14および既設杭13との間の隙間に凝固材を注入するとともに、ストラット部材16の外管16aと内管16bとの相対移動を拘束する。
また、新設杭14の上端部は平面視において上部構造物11の端縁11aより内側に位置しているので、海面(水面)を移動して上部構造物11に近づく船舶等の移動体が上部構造物11に干渉することがない。
特に、ストラット部材16が新設杭14に対して垂直に配置されている場合、水域構造物10に地震等によって外力が作用した場合に、当該外力の一部が既設杭13から新設杭14にストラット部材16の軸力として伝達されるので、上部構造物11を支持している既設杭13を確実に補強できる。
図4は第2の実施の形態に係る水域構造物10の補強構造を示すもので、(a)は横断面図、(b)は(a)におけるA-A線断面図である。なお、図4(b)では、上部構造物11は破線で示している。
本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、連結部材15Aの構成および新設杭14の配置形態であるので、以下ではこれらについて説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略することもある。
また、図4(b)に示すように、新設杭14は、上から1行目に配置された4本の既設杭13と2行目に配置された4本の既設杭13との間の中央部に、平面視において行方向に平行に配置されている。
また、連結部材15Aの2本のストラット部材16,16は、平面視において、新設杭14に対して、陸側(図4(b)において右側)に向けて鋭角に傾斜している。一方のストラット部材16は、1行目の4本の既設杭13のうち、2列目の既設杭13つまり補強すべき既設杭13側に向けて延び、他方のストラット部材16は、2行目の4本の既設杭13のうち、2列目の既設杭13つまり補強すべき既設杭13側に向けて延びている。そして、これら2本のストラット部材16,16の先端部が、連結部材15より陸側に設けられている補強すべき既設杭13,13に結合部17,17を介して結合されている。
図5は第3の実施の形態に係る水域構造物10の補強構造を示すもので、(a)は横断面図、(b)は(a)におけるA-A線断面図である。なお、図4(b)では、上部構造物11は破線で示している。
本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、連結部材15Bの構成および新設杭14の配置形態であるので、以下ではこれらについて説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略することもある。
また、新設杭14に結合される一方の結合部17の軸と、既設杭13に結合される他方の結合部17の軸とは水域構造部10の横断面視において平行でなく、所定の角度で交わるようになっている。したがって、他方の結合部17の軸を鉛直方向に向けた場合、一方の結合部17の軸は鉛直方向に対して所定の角度で傾斜することになり、この傾斜角度は新設杭14の鉛直方向(既設杭13の軸方向)に対する傾斜角度と一致する。
そして、新設杭14によって補強すべき既設杭13と新設杭14との交差部で、一方の結合部17が新設杭14に結合され、他方の結合部17が既設杭13に結合されている。
また、図5(b)に示すように、新設杭14は、上から1行目に配置された4本の既設杭13と2行目に配置された4本の既設杭13との間の中央部に、平面視において行方向に平行に配置されている。
特に、ストラット部材16が既設杭13および新設杭14の双方に対して垂直に配置されている場合、水域構造物10に地震等によって外力が作用した場合に、当該外力の一部が既設杭13から新設杭14にストラット部材16のせん断力として伝達されるので、上部構造物11を支持している既設杭13を確実に補強できる。
また、第1の実施の形態と同様に、新設杭14の上端部は平面視において上部構造物11の端縁11aより内側に位置しているので、海面(水面)を移動して上部構造物11に近づく船舶等の移動体が上部構造物11に干渉することがない。
さらに、1本の新設杭14によって2本の既設杭13,13を補強できるという利点がある。
図6は第4の実施の形態に係る水域構造物10の補強構造を示すもので、(a)は横断面図、(b)は(a)におけるA-A線断面図である。なお、図5(b)では、上部構造物11は破線で示している。
本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、連結部材15Cの構成および新設杭14の配置形態であるので、以下ではこれらについて説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略することもある。
結合部17,17は直接結合されており、新設杭14に結合される一方の結合部17の軸と、既設杭13に結合される他方の結合部17の軸とは水域構造部10の横断面視において平行でなく、所定の角度で交わるようになっている。したがって、他方の結合部17の軸を鉛直方向に向けた場合、一方の結合部17の軸は鉛直方向に対して所定の角度で傾斜することになり、この傾斜角度は新設杭14の鉛直方向(既設杭13の軸方向)に対する傾斜角度と一致する。なお、結合部17自体の構成は第1の実施の形態における連結部材15の結合部17と同一構成となっている。
また、図6(b)に示すように、新設杭14は、上から1行目に配置された4本の既設杭13と2行目に配置された4本の既設杭13との間において、平面視において行方向に平行に配置されるとともに、1行目に配置された4本の既設杭13に寄せて配置されている。また、新設杭14は補強すべき既設杭13との間に、筒状の結合部17の肉厚の分だけの隙間をもって配置されている。
また、第1の実施の形態と同様に、新設杭14の上端部は平面視において上部構造物11の端縁11aより内側に位置しているので、海面(水面)を移動して上部構造物11に近づく船舶等の移動体が上部構造物11に干渉することがない。
図7~図12は第1~第6実施例を示すもので、水域構造物を模式的に示す平面図である。図7~図12において、左右方向を行方向、上下方向を列方向とする。
第1実施例では、図7に示すように、既設杭13が4行、4列に合計16本配置され、当該16本の既設杭13によって上部構造部11が下方から支持されている。
また、上から1行目に配置された4本の既設杭13と2行目に配置された4本の既設杭13との間、2行目に配置された4本の既設杭13と3行目に配置された4本の既設杭13との間、3行目に配置された4本の既設杭13と4行目に配置された4本の既設杭13との間に、それぞれ新設杭14が平面視において行方向に平行にされている。
なお、新設杭14は、上部構造物11の近傍の海面(水面)から、当該海面に対して傾斜した状態で水底に当該水底から突出させて打設されている。また、新設杭14の上端部は平面視において上部構造物11の端縁11aより内側、つまり上部構造物11の端縁11aより当該上部構造物11の左右方向中央側に位置している。
このような新設杭14の設置形態、つまり新設杭14が海面(水面)に対して傾斜するとともに、新設杭14の上端部が平面視において上部構造物11の端縁11aより内側に位置する設置形態は後述の第2~第6実施例においても同様である。
また、2行目に配置された4本の既設杭13と3行目に配置された4本の既設杭13との間に配置された新設杭14には、連結部材15Aの共有の結合部17が結合され、2本のストラット部材16,16の他端部に設けられた結合部17,17が新設杭14によって補強すべき既設杭13,13に結合されている。
第2実施例では、図8に示すように、既設杭13が3行、4列に合計12本配置され、当該12本の既設杭13によって上部構造部11が下方から支持されている。
また、新設杭14は、1行目に配置された4本の既設杭13と2行目に配置された4本の既設杭13との間、2行目に配置された4本の既設杭13と3行目に配置された4本の既設杭13との間および3行目に配置された4本の既設杭13の外側(図8において下側)において、平面視において行方向に平行に配置されるとともに、各行に配置された4本の既設杭13に寄せて配置されている。また、新設杭14は補強すべき既設杭13との間に、筒状の結合部17の肉厚の分だけの隙間をもって配置されている。
また、各行において4本の既設杭13に寄せて配置されている新設杭14には、連結部材15Cの一方の結合部17が結合され、新設杭14によって補強すべき既設杭13に他方の結合部17が結合されている。
第3実施例では、図9に示すように、既設杭13が4行、4列に合計16本配置され、当該16本の既設杭13によって上部構造部11が下方から支持されている。
また、新設杭14は、1行目に配置された4本の既設杭13と2行目に配置された4本の既設杭13との間および3行目に配置された4本の既設杭13と4行目に配置された4本の既設杭13との間において、平面視において行方向に平行に配置されるとともに、1行目および4行目に配置された4本の既設杭13に寄せて配置されている。また、新設杭14は補強すべき既設杭13との間に、筒状の結合部17の肉厚の分だけの隙間をもって配置されている。
さらに、新設杭14は2行目に配置された4本の既設杭13と3行目に配置された4本の既設杭13との間の中央部において、平面視において行方向に平行にされている。
さらに、2行目に配置された4本の既設杭13と3行目に配置された4本の既設杭13との間に配置された新設杭14には、連結部材15Aの共有の結合部17が結合され、2本のストラット部材16,16の他端部に設けられた結合部17,17が新設杭14によって補強すべき既設杭13,13に結合されている。
第4実施例では、図10に示すように、既設杭13が4行、5列に合計20本配置され、当該20本の既設杭13によって上部構造部11が下方から支持されている。
また、隣り合う行に配置された4本の既設杭13どうしの間には、新設杭14が平面視において行方向に平行に配置されている。
また、4本の新設杭14には、それぞれ連結部材15の一方の結合部17が結合され、新設杭14によって補強すべき既設杭13に他方の結合部17が結合されている。また、上から1本目の新設杭14に連結された連結部材15の他方の結合部17は1行目に配置された4本の既設杭13のうちの1本の既設杭13に連結されている。また2本目の新設杭14に連結された連結部材15の他方の結合部17は2行目に配置された4本の既設杭13のうちの1本の既設杭13に連結されている。また、3本目の新設杭14に連結された連結部材15の他方の結合部17は4行目に配置された4本の既設杭13のうちの1本の既設杭13に連結されている。また、4本目の新設杭14に連結された連結部材15の他方の結合部17は5行目に配置された4本の既設杭13のうちの1本の既設杭13に連結されている。なお、3行目に配置された4本の既設杭13は補強されていない。
第5実施例では、図11に示すように、既設杭13が4行、5列に合計20本配置され、当該20本の既設杭13によって上部構造部11が下方から支持されている。
また、隣り合う行に配置された4本の既設杭13どうしの間には、新設杭14が平面視において行方向に平行に配置されている。
また、上から1本目の新設杭14と4本目の新設杭14とには、それぞれ連結部材15の一方の結合部17が結合され、新設杭14によって補強すべき既設杭13に他方の結合部17が結合されている。
また、上から2本目の新設杭14と3本目の新設杭14とには、それぞれ連結部材15Aの共有の結合部17が結合され、2本のストラット部材16,16の他端部に設けられた結合部17,17が新設杭14によって補強すべき既設杭13,13に結合されている。また、3行目に配置されている4本の既設杭13のうちの2列目の既設杭13に結合される結合部17は2つの連結部材15A,15Aにおいて共有となっている。
第6実施例では、図12に示すように、既設杭13が4行、5列に合計20本配置され、当該20本の既設杭13によって上部構造部11が下方から支持されている。
また、隣り合う行に配置された4本の既設杭13どうしの間には、その中央部において新設杭14が平面視において行方向に平行に配置されている。
また、4本の新設杭14には、それぞれ連結部材15Aの共有の結合部17が結合され、2本のストラット部材16,16の他端部に設けられた結合部17,17が新設杭14によって補強すべき既設杭13,13に結合されている。2行目、3行目および4行目に配置されている4本の既設杭13のうちの2列目の既設杭13に結合される結合部17は2つの連結部材15A,15Aにおいて共有となっている。
11 上部構造物
11a 端縁
12 杭群
13 既設杭
14 新設杭
15,15A,15B,15C 連結部材
16 ストラット部材
17 結合部
Claims (7)
- 上部構造物と、当該上部構造物を支持する既設杭とを備えた水域構造物の補強構造であって、
前記既設杭と連結部材を介して連結されて前記既設杭を補強する1本または複数本の新設杭とを備え、
全ての前記新設杭は、前記上部構造物の近傍の水面でかつ平面視において前記上部構造物の端縁より外側から、当該水面に対して傾斜した状態で前記上部構造物の下方の水底に当該水底より突出させて打設され、
全ての前記新設杭の上端部は平面視において前記上部構造物の端縁より内側に位置し、全ての前記新設杭の前記水底への打設位置は、平面視において前記上部構造物の端縁より内側に位置していることを特徴とする水域構造物の補強構造。 - 前記連結部材が棒状のストラット部材と、当該ストラット部材の両端部にそれぞれ設けられた結合部とを備え、
前記水域構造物の横断面視において、前記新設杭によって補強すべき前記既設杭と前記新設杭との交差部以外で、一方の前記結合部が前記新設杭に結合され、他方の前記結合部が前記既設杭に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の水域構造物の補強構造。 - 前記連結部材が棒状のストラット部材と、当該ストラット部材の両端部にそれぞれ設けられた結合部とを備え、
前記水域構造物の横断面視において、前記新設杭によって補強すべき前記既設杭と前記新設杭との交差部で、一方の前記結合部が前記新設杭に結合され、他方の前記結合部が前記既設杭に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の水域構造物の補強構造。 - 前記連結部材が互いに結合された2つの結合部を備え、
前記水域構造物の横断面視において、前記新設杭によって補強すべき前記既設杭と前記新設杭との交差部で、一方の前記結合部が前記新設杭に結合され、他方の前記結合部が前記既設杭に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の水域構造物の補強構造。 - 前記連結部材が棒状のストラット部材と、当該ストラット部材の両端部にそれぞれ設けられた結合部とを備え、
前記ストラット部材が長さ調整可能であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水域構造物の補強構造。 - 上部構造物と、当該上部構造物を支持する既設杭を備えた水域構造物の補強方法であって、
新設杭を、前記上部構造物の近傍の水面から、当該水面に対して傾斜した状態で前記上部構造物の下方の水底に当該水底より突出させて打設し、
次に、前記新設杭を前記既設杭に連結部材を介して連結することを特徴とする水域構造物の補強方法。 - 前記新設杭を設計長さより長く形成しておき、この長く形成された部分を補助部とし、
前記新設杭を、前記上部構造物の近傍の水面から、当該水面に対して傾斜した状態で前記上部構造物の下方の水底に当該水底より突出させて打設した後、前記補助部を切断して除去することによって、前記新設杭の上端部を平面視において上部構造物の端縁より内側に位置させることを特徴とする請求項6に記載の水域構造物の補強方法。
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