JP2010149419A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被記録媒体の剪断時に生じる粉状物により未記録箇所が発生することを低減することができるカッターユニットを備えた記録装置を提供すること。
【解決手段】 記録装置(1)は、被記録媒体(P)の幅方向Xへ移動するカッターユニット30と、該カッターユニット30を案内するガイド部(25)と、前記カッターユニット30に設けられ、姿勢が前記幅方向Xに対して傾いていない第1丸刃(80)と、前記カッターユニット30において、該第1丸刃(80)より被記録媒体(P)の送り方向下流側に設けられ、該第1丸刃(80)と協働して被記録媒体(P)を剪断する第2丸刃(38)と、前記第1丸刃(80)の刃先における前記送り方向下流側に、該第1丸刃(80)の周方向全範囲において設けられ、該第1丸刃(80)における前記送り方向下流側の面(82)に対して退避する退避部81と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】図17

Description

本発明は、被記録媒体に対して記録を実行する記録部と、該記録部より被記録媒体の記録時の送り方向下流側に設けられ、被記録媒体の幅方向へ移動するカッターユニットと、該カッターユニットを案内するガイド部と、前記カッターユニットに設けられ協働して被記録媒体を剪断する第1丸刃および第2丸刃と、を備えた記録装置に関する。
本願において、記録装置には、インクジェットプリンタ、ワイヤドットプリンタ、レーザープリンタ、ラインプリンタ、複写機、ファクシミリ等の種類が含まれるものとする。
従来では、特許文献1に示す如く、記録装置はサークルカッターを有していた。具体的には、カッターホルダと、駆動丸刃と、従動丸刃とを有していた。このうち、前記カッターホルダは、用紙の幅方向に移動するように設けられていた。また、前記駆動丸刃は、前記カッターホルダの移動によって駆動するように構成されていた。またさらに、前記従動丸刃は、前記駆動丸刃に従動し、前記駆動丸刃と協働して用紙を剪断するように設けられていた。
特開平9−117891号公報
ところが、前記駆動丸刃および前記従動丸刃の姿勢が、前記幅方向に設けられていた。そして、用紙を剪断する際、前記駆動丸刃および前記従動丸刃が重なる範囲における進行方向前側の用紙を剪断する剪断点以外の箇所において、駆動丸刃と従動丸刃とが接触する虞がある。係る場合、剪断点において、駆動丸刃と従動丸刃との間に隙間が生じる虞があり、用紙を上手く剪断することができない。また、前記駆動丸刃および前記従動丸刃の姿勢が、前記幅方向に設けられていたため、前記駆動丸刃および前記従動丸刃が、用紙の剪断面と面接触する。従って、剪断する際の負荷が大きかった。
そこで、前記駆動丸刃および前記駆動丸刃の姿勢を、前記カッターホルダが移動する前記幅方向に対して、用紙を剪断する際の前記カッターホルダの進行方向前側が互いに接近する方向へ傾けることが考えられる。係る場合、前記駆動丸刃および前記従動丸刃が重なり合う範囲における進行方向前側の一点(以下、剪断点)において、前記駆動丸刃の刃先と前記従動丸刃の刃先とを接触させることができる。その結果、剪断点において前記駆動丸刃と前記従動丸刃との間の隙間を無にすることができ、精度のよい剪断加工を実行することができる。即ち、クリアランスが広すぎることにより上手く剪断することができないという虞がない。
また、前記駆動丸刃および前記従動丸刃を、剪断された用紙の剪断面と面接触しないように構成することができる。従って、前記駆動丸刃および前記従動丸刃と、用紙の剪断面との間において生じる摩擦による負荷を低減することができる。
しかしながら、送り方向上流側の丸刃として、例えば、前記駆動丸刃を傾けた場合、新たな問題が生じる。用紙を剪断する際に前記剪断点において、紙粉が生じる。そして、前記駆動丸刃の進行方向後側を送り方向上流側へ傾けたことにより、前記カッターホルダが進行方向へ進むに従って、紙粉が送り方向上流側へ吸い込まれるように飛散する。用紙を剪断した後、剪断面より上流側の用紙を送り方向上流側へ逆送りし、記録部によって記録が実行される。このとき、用紙の表面に紙粉が付着している。紙粉が付着した状態でインクを吐出すると、インクが紙粉に着弾し、用紙の表面に直接着弾しない箇所が生じる虞がある。その後、紙粉が風や振動によって用紙の表面からさらに飛散すると、用紙の表面の紙粉が付着していた箇所が、白く残る。所謂、白抜けである。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、被記録媒体の剪断時に生じる粉状物により未記録箇所が発生することを低減することができるカッターユニットを備えた記録装置を提供することである。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様の記録装置は、被記録媒体に対して記録を実行する記録部と、該記録部より被記録媒体の記録時の送り方向下流側に設けられ、被記録媒体の幅方向へ移動するカッターユニットと、該カッターユニットを案内するガイド部と、前記カッターユニットに設けられ、姿勢が前記幅方向に対して傾いていない第1丸刃と、前記カッターユニットにおいて、該第1丸刃より被記録媒体の送り方向下流側に設けられ、該第1丸刃と協働して被記録媒体を剪断する第2丸刃と、前記第1丸刃における前記送り方向下流側の面の刃先側において、該第1丸刃の周方向全範囲において設けられ、該第1丸刃の刃先より前記送り方向上流側に退避する退避部と、を備えていることを特徴とする。
本発明の第1の態様によれば、前記第1丸刃には、前記退避部が設けられている。従って、第1丸刃の姿勢をカッターユニットの進行方向に対して傾けた場合と比較して、本態様は、前記第1丸刃と剪断した被記録媒体の剪断面との間の隙間を狭くすることができる。そして、剪断した際に生じる粉状物が剪断面より被記録媒体の送り方向上流側へ飛散する領域を、第1丸刃を傾けた場合と比較して、狭くすることができる。即ち、送り方向上流側への粉状物の飛散を低減することができる。
その結果、剪断された送り方向上流側の記録前の被記録媒体の表面における粉状物が付着する領域を狭くすることができる。そして、記録前の被記録媒体を送り方向上流側へ逆送りして記録部によって記録を実行する際、粉状物によって記録が妨げられる記録不備領域である所謂、白抜け箇所を狭くすることができる。また、白抜け箇所の数を少なくすることができる。
また、前記退避部を設けたことによって、前記第1丸刃の姿勢を前記カッターユニットの進行方向に対して傾けずに、前記第1丸刃と、剪断した被記録媒体の剪断面とが接触する範囲を狭くすることができる。従って、前記第1丸刃と、剪断した被記録媒体の剪断面とが接触する範囲を狭くした分、剪断する際の負荷を低減することができる。また、丸刃の姿勢を前記傾けた場合と比較して、剪断する際の負荷が増加する虞が殆どない。
さらに、2つの丸刃の姿勢を前記幅方向に対して傾けていない場合と比較して、前記第1丸刃と、前記第2丸刃とが接触する範囲を狭くすることができ、その分、剪断する際の負荷を低減することができる。
またさらに、前記第1丸刃が調芯しながら進む際、該第1丸刃の姿勢は、進行方向後側が前記第2丸刃に接近する側および離間する側の両方へ所謂、ガタの範囲内において傾いて調芯することが可能である。具体的には、前記第1丸刃は、進行方向前側および後側の2点で被記録媒体の剪断面と点接触する構成とすることが可能である。ここで、被記録媒体が剛性の比較的低い、例えば、用紙である場合、進行方向後側の接触点において用紙の剪断面が送り方向下流側に逃げるように僅かに撓むことができる。このとき、前記第1丸刃の進行方向後側が送り方向上流側および下流側の両方へガタの範囲内において傾くことができる。
その結果、調芯する際に傾くことができる範囲(以下、調芯範囲という)を、前記退避部を設けていない丸刃を前記カッターユニットの進行方向に対して傾けない構成と比較して、広くすることができ、より精度良く真っ直ぐに剪断することができる。
「調芯範囲」について噛み砕いて説明すると以下のようになる。
仮に、従来技術のように前記退避部を設けていない丸刃が前記幅方向に対して傾いていない場合、被記録媒体を切断した際、前記丸刃は被記録媒体の切断面と面接触しているため、該丸刃の後端が外側の一方のみへ傾いて調芯する。係る場合と比較して、本態様の構成は調芯範囲を広くすることができる。
即ち、本態様の前記第1丸刃は、被記録媒体の剪断面と面接触しない構成である。従って、前記第1丸刃における進行方向後側が、送り方向上流側および下流側の両方へ傾くことができる。即ち、前記第1丸刃が調芯しながら進む際、被記録媒体の剪断面に邪魔される虞がない。その結果、調芯範囲を前記広くすることができ、より精度良く真っ直ぐに剪断することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記退避部は、前記第1丸刃の刃先から該第1丸刃の中心側へ向かって徐々に深く退避していることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記退避部は、前記第1丸刃の刃先から該第1丸刃の中心側へ向かって徐々に深く退避している。従って、前記第1丸刃は、進行方向前側および後側の2点で被記録媒体の剪断面と点接触する構成とすることができる。その結果、調芯範囲を、面接触する構成と比較して、広くすることができる。
また、前記第1丸刃と剪断した被記録媒体の剪断面との間の隙間を、できるだけ狭くすることができる。その結果、送り方向上流側への粉状物の飛散を、より低減することができる。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記第1丸刃の中心と前記第2丸刃の中心とを結ぶ線方向において、前記退避部は、前記第1丸刃が前記第2丸刃と重なる領域に被記録媒体の厚みを加味した領域に設けられていることを特徴とする。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果に加え、前記第1丸刃の中心と前記第2丸刃の中心とを結ぶ線方向において、前記退避部は、前記第1丸刃が前記第2丸刃と重なる領域に被記録媒体の厚みを加味した領域に設けられている。係る場合、飛散することができる隙間を出来るだけ小さくすると共に被記録媒体の剪断面との接触範囲を狭くできる。
本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記第1丸刃は、被記録媒体の表面側に設けられ、前記第2丸刃は、裏面側に設けられていることを特徴とする。
本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記第1丸刃は、被記録媒体の表面側に設けられ、前記第2丸刃は、裏面側に設けられている。即ち、表面側である前記第1丸刃が、送り方向上流側に配設されている。従って、記録された被記録媒体を剪断する際、前記第1丸刃は、剪断面より送り方向上流側の被記録媒体の表面と接触し、剪断面より下流側の表面とは接触しない。その結果、記録され剪断される被記録媒体の表面を傷つける虞がない。
例えば、インクを吐出して記録が実行される場合、表面に記録されたインクが、剪断されることによって剥げる虞がない。
本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれか一の態様において、前記第2丸刃の姿勢は、前記カッターユニットが移動する前記幅方向に対して、被記録媒体を剪断する際の前記カッターユニットの進行方向前側が前記第1丸刃に接近する方向へ傾いていることを特徴とする。
本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記第2丸刃の姿勢は、前記カッターユニットが移動する前記幅方向に対して、被記録媒体を剪断する際の前記カッターユニットの進行方向前側が前記第1丸刃に接近する方向へ傾いている。即ち、前記第2丸刃の進行方向後側が、送り方向下流側へ傾いている。従って、剪断によって生じる粉状物を、積極的に送り方向下流側へ飛散させることができる。その結果、剪断面より送り方向上流側である記録前の被記録媒体に粉状物が付着することを低減することができる。
また、前記第1丸刃および前記第2丸刃は、被記録媒体の剪断面と面接触しないので、その分、剪断する際の負荷を低減することができる。さらに、前記第1丸刃および前記第2丸刃は、互いに一点のみで接触するので、複数箇所で接触する場合と比較して、剪断する際の負荷を低減することができる。
またさらに、前記第2丸刃も被記録媒体の剪断面と面接触しないので、前記第2丸刃が調芯しながら進む際、該第2丸刃の姿勢は、進行方向後側が前記第1丸刃に接近する側および離間する側の両方へ傾いて調芯することができる。その結果、より精度良く真っ直ぐに剪断することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る「記録装置」或いは「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の外観斜視図である。また、図2に示すのは、本発明に係るプリンタ本体部を示す概略側面図である。
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
またさらに、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
プリンタ1は、例えばJIS規格のA0判やB0判などといった比較的大型サイズの幅を有する被噴射媒体或いは被記録媒体としてのロール紙Pにまで記録できる大型のプリンタであり、ロール紙供給部3及び記録実行部4を備えた本体部2と、排紙受け部5とを備えて構成されている。
本体部2はベース9に立設された支柱8の上部に設けられており、記録の行われたロール紙Pを斜め下方に排出する排出口6を有している。排出口6の下方にはスタッカ10の開口部7が位置しており、記録の行われたロール紙Pが排出口6から開口部7へ向けて排出され、スタッカ10によって受け止められる。
ロール紙供給部3にはロール紙ロール(以下「ロール」と言う)Rが収納可能に構成され、ロールRからロール紙Pが繰り出され、記録を実行する記録実行部4へと斜め下方へ供給される。そして、ロール紙ホルダ(図示せず)に、ロールRがセットされる。ロール紙供給時には、ロール紙ホルダがロール駆動手段としてのスピンドルモータ(図示せず)により回転駆動されることにより、ロール紙Pが下流側に供給される。
記録実行部4は、ロール紙Pに対し液体としてのインクを吐出(噴射)する、液体噴射手段或いは記録手段としての記録ヘッド12(図2〜図4参照)と、記録ヘッド12と対向配置されるプラテン11(図2〜図4参照)と、記録ヘッド12の上流側に設けられ、ロール紙Pを下流側へ搬送する搬送駆動ローラ(搬送ローラ)(図示せず)およびこれに圧接して従動回転する搬送従動ローラ(図示せず)と、を有している。
記録ヘッド12はキャリッジ(図示せず)に設けられ、キャリッジは、記録ヘッド12の走査方向(主走査方向)に延びるガイド軸(図示せず)と、同様に主走査方向に延びるガイド板(図示せず)と、によってガイドされながら、図示しないモータの動力を受けて主走査方向に移動する。
記録ヘッド12の下流側には、用紙吸引部としてのエア吸引手段13(図2〜図4参照)が設けられており、このエア吸引手段13(図2〜図4参照)によって記録ヘッド12の下流側においてロール紙Pが浮き上がらないように規制状態に置かれ、ロール紙Pの浮き上がりによる記録品質の低下が防止されるようになっている。
図3に示すのは、本発明に係る切断部を示す概略斜視図である。また、図4に示すのは、本発明に係る切断部を示す概略側面図である。またさらに、図5に示すのは、本発明に係る切断部のガイドレール25を示す後方斜視図である。
図3および図4に示す如く、プリンタ1の記録実行部4には、プラテン11が設けられている。そして、プラテン11の給送方向下流側(矢印Y方向)には、エア吸引手段13と、ロール紙Pを切断する切断部20とが設けられている。
エア吸引手段13は、プラテン11の給送方向下流側に多数の吸引孔14、14、14…と、吸引ファン16と、吸引孔14、14、14…と吸引ファン16とを繋ぐ吸引管15とを有する。そして、吸引管内に負圧と発生させ、ロール紙Pをプラテン側に吸引するように設けられている。
また、切断部20は、基体部21と、カッター用モータ22と、ガイドレール25と、カッターユニット30と、を有する。
このうち、カッター用モータ22は、従動プーリ24(図6および図9参照)に巻回された無端ベルト23(図6および図9参照)を介してカッターユニット30に動力を伝達することができるように設けられている。また、ガイドレール25は、カッターユニット30をロール紙Pの幅方向Xに案内するように構成されている。
ここで、ガイドレール25は、ロール紙Pの表面側である記録面側に設けられているので、プリンタ1を小型化することができる。言い換えると、仮にガイドレールをロール紙Pの裏面側であるプラテン側に設けた場合、プラテン側には既にエア吸引手段13が設けられているので、プリンタ1の小型化を妨げることになる。
またさらに、カッターユニット30は、後述するように第1カッター37および第2カッター38(図6〜図11参照)を有し、ロール紙Pを剪断することができるように設けられている。
ここで、ガイドレール25は、前述したようにロール紙Pの記録面側である上方に設けられているので、ロール紙Pを剪断した際に発生する紙粉がガイドレール25に付着する虞がない。従って、ガイドレール25において、摺動音が増大する虞がない。また、ガイドレール25の耐久性を向上させることができる。
図4および図5に示す如く、ガイドレール25における給送方向上流側には、上流側補助ローラホルダ50が設けられている。上流側補助ローラホルダ50は、幅方向Xに複数配列された上流側補助ローラ51、51、51…を回動自在に保持するように設けられている。上流側補助ローラ51、51、51…は、記録実行部4から送られたロール紙Pが確実にガイドレール25の下方を通過するように案内するように設けられている。
例えば、ロール紙Pの巻き癖によってロール紙Pがプラテン11から浮き上がった場合であっても、該浮き上がりを制限することができる。そして、ロール紙Pがガイドレール25の下方を通過するように案内することができる。
また同様に、ガイドレール25における給送方向下流側には、下流側補助ローラホルダ52が設けられている。下流側補助ローラホルダ52は、幅方向Xに複数配列された下流側補助ローラ53、53、53…を回動自在に保持するように設けられている。下流側補助ローラ53、53、53…は、剪断されたロール紙Pが巻き癖によって浮き上がることを制限することができるように設けられている。
またさらに、上流側補助ローラ51、51、51…および下流側補助ローラ53、53、53…は、安全対策においても重要な役割を果たす。カッターユニット30は、後述するようにカッター(37、38)を有している。従って、ユーザがカッター(37、38)に触れることができないように設けることが望ましい。
そこで、ガイドレール25の上流側および下流側において、上流側補助ローラ51、51、51…および下流側補助ローラ53、53、53…を幅方向Xに複数配設することによって、ユーザがカッター(37、38)に触れる虞がないようにすることができる。また、下流側補助ローラホルダ52によって、ユーザがカッターキャリッジ32に触れる虞がないようにすることができる。
図6に示すのは、本発明に係る切断部がロール紙を剪断している様子を示す斜視図である。また、図7(A)(B)および図8(A)(B)に示すのは、本発明に係るカッターキャリッジを示す図である。このうち、図7(A)は80桁側からみた側面図である。また、図7(B)は正面図である。またさらに、図8(A)は1桁側からみた側面図である。また、図8(B)は背面図である。
図9に示すのは、本発明に係るカッターユニットのカッターへの動力伝達を示す背面斜視図である。
図6に示す如く、カッターユニット30は、カッターキャリッジ32と、スライダ部31とを有する。このうち、カッターキャリッジ32は、後述するように第1カッター37および第2カッター38を有する。一方、スライダ部31は、ガイドレール内を摺動するように設けられている。具体的には、無端ベルト23が、80桁側のカッター用モータ22に設けられた駆動プーリ(図示せず)と、1桁側の従動プーリ24とに巻回されている。そして、スライダ部31は、無端ベルト23に係止され無端ベルト23から動力を受けて幅方向Xに摺動する。
また、カッターユニット30は、1桁側から80桁側へ移動しながらロール紙Pを剪断するように設けられている。そして、剪断した際、カッターキャリッジ32に設けられた第2傾斜部36が、剪断した下流側ロール紙P2を記録面側である上方(以下、同様)へ押し上げるように設けられている。このとき、第2傾斜部36と対向する第1傾斜部35は、ロール紙Pの記録面と接触しないように幅方向Xに対して傾斜している。
以下、カッターキャリッジ32について詳しく説明する。
図7(A)(B)および図8(A)(B)に示す如く、カッターキャリッジ32は、丸刃である第1カッター37および第2カッター38を有する。第1カッター37はロール紙Pの上方に設けられ、第2カッター38はロール紙Pの下方(裏面側)に設けられている。そして、第1カッター37および第2カッター38は、ロール紙Pの上方および下方から協働してロール紙Pを剪断することができるように構成されている(図11(B)参照)。
また、第1カッター37は第2カッター38より給送方向上流側に設けられている。
またさらに、カッターキャリッジ32の剪断方向下流側には、ロール紙Pを剪断点Qに案内する第1剪断前案内部39および第2剪断前案内部40を有する。
ここで、「剪断方向」とは、1桁側から80桁側へ向かう方向をいう。
また、「剪断点」とは、第1カッター37および第2カッター38が重なり合う領域E(図10(A)参照)における剪断方向下流端の点をいう。
このうち、第1剪断前案内部39は、カッターキャリッジ32における上方に設けられている。一方、第2剪断前案内部40は、カッターキャリッジ32における第1剪断前案内部39より下方に設けられている。
従って、ロール紙Pが記録紙の表裏方向において位置がばらついていた場合であっても、ロール紙Pを剪断点Qに案内することができる。その結果、ロール紙Pの剪断位置の精度を向上させることができる。さらに、前述した上流側補助ローラ51、51、51…および下流側補助ローラ53、53、53…と相俟ってロール紙Pの剪断位置の精度をより向上させることができる。
また、第1剪断前案内部39および第2剪断前案内部40は、80桁側から1桁側へ向かって徐々に間隔が狭くなるように構成されている。そして、剪断点近傍においては、ロール紙Pの厚み分は確保してあるが、その他のものが剪断点Qへ進入することができない程度に狭められている。即ち、ロール紙、布、フィルム材等の規定のシート材のみ剪断点Qに進入することができる。そして、その他のものが第1カッター37および第2カッター38に触れる虞がない。また、ユーザが直接、剪断点Qに触れる虞もない。即ち、安全性を確保することができる。
またさらに、カッターキャリッジ32において、第1剪断前案内部39および第2剪断前案内部40より1桁側には、第1案内面部33、第2案内面部34、第1傾斜部35および第2傾斜部36が設けられている。このうち、第1案内面部33は、第1カッター37および第2カッター38より給送方向上流側の上方に設けられている。また、第2案内面部34は、第1カッター37および第2カッター38より給送方向上流側であって、第1案内面部33より下方に設けられている。即ち、第1案内面部33および第2案内面部34は、互いに対向するように構成されている。ここで、第1案内面部33および第2案内面部34は、幅方向Xに対して略平行に設けられている。
また、第1傾斜部35は、第1カッター37および第2カッター38より給送方向下流側の上方に設けられている。またさらに、第2傾斜部36は、第1カッター37および第2カッター38より給送方向下流側であって、第1傾斜部35より下方に設けられている。即ち、第1傾斜部35および第2傾斜部36は、互いに対向するように構成されている。そして、第1傾斜部35および第2傾斜部36は、80桁側から1桁側へ進むに従って徐々に上方へ変位するように幅方向Xに対して傾斜している。
またさらに、カッターキャリッジ32は、動力伝達軸41を有する。動力伝達軸41は、カッターキャリッジ32が幅方向Xへ移動した際、移動する力を第1カッター37へ伝達するために設けられている。続いて、第1カッター37への動力伝達について説明する。
図9に示す如く、カッターキャリッジ32は、カッターキャリッジ32が移動する力を第1カッター37へ伝達する動力伝達手段70を備えている。動力伝達手段70は、第1ギア42と、第2ギア43と、第3ギア44と、第4ギア48と、第5ギア49aおよび第1傘歯車49bによって構成される複合ギア49と、第2傘歯車45と、を有する。このうち、第1ギア42は、動力伝達軸41と一体に設けられている。また、第2ギア43は、第1ギア42と噛合うように設けられている。またさらに、第3ギア44は、第2ギア43と噛合うように設けられている。
また、第4ギア48は第3ギア44と噛合い、複合ギア49の第5ギア49aは第4ギア48と噛合うように設けられている。第1傘歯車49bは、第5ギア49aと一体に形成されており一体に回動する。また、第2傘歯車45は、第1カッター37と一体に形成され、第1傘歯車49bと噛合うように設けられている。第1傘歯車49bおよび第2傘歯車45を設けた理由は、詳しくは後述する第1カッター37の姿勢が幅方向Xに対して傾いて設けられているためである(図10(B)および図11(A)参照)。第1傘歯車49bおよび第2傘歯車45を傘歯車によって構成しているため、第1傘歯車49bと第2傘歯車45とをしっかりと噛合わせることができる。
ここで、はす歯を用いることにより、該はす歯から幅方向Xに対して傾いて設けられた直ぐ歯である歯車へ動力を伝達させるように構成することも可能である。係る場合、簡単な構成で傾いた第1カッター37まで動力を伝達することができる。本実施形態において、はす歯を用いずに、傘歯車を用いた理由は、はす歯を用いた場合と比較して動力の伝達効率がよいからである。仮に、はす歯と軸を傾けた直ぐ歯とを噛合わせた場合、所謂、ウォームギアのように噛合う歯において軸方向の摩擦がさらに加わるため、その分伝達効率が下がる。即ち、本実施形態では、傘歯車を用いることによって、第1カッター37を滑らかに回動させることができる。
一方、スライダ部31には、無端ベルト23の上側ベルト23aを挟圧する第1スライダプーリ46および第2スライダプーリ47が設けられている。このうち、第1スライダプーリ46は、カッターキャリッジ32の動力伝達軸41と係合するように設けられている。
ここで、スライダ部31は、無端ベルト23の下側ベルト23bに係止されている。
従って、カッター用モータ22が駆動して、図9に示すように、下側ベルト23bが80桁側へ引っ張られたとき、スライダ部31およびカッターキャリッジ32は、80桁側へ移動する。
このとき、上側ベルト23aは1桁側へ移動する。そして、第1スライダプーリ46は、上側ベルト23aから動力を受けて図中における反時計方向へ回動し、動力伝達軸41へ動力を伝達する。動力伝達軸41は、第1ギア42を介して第2ギア43へ動力を伝達する。従って、第2ギア43は図中における時計方向へ回動する。そして、第2ギア43は、第3ギア44、第4ギア48、第5ギア49aおよび第1傘歯車49bを介して第2傘歯車45へ動力を伝達する。従って、第1カッター37は図中における時計方向へ回動する。
以上、説明したように、カッターキャリッジ32が移動する際、第1カッター37は駆動回転することができる。所謂、駆動刃である。このときの第1カッター37の外周の速度は、カッターキャリッジ32の移動速度と同じ、またはカッターキャリッジ32の移動速度より僅かに高速に設けられている。一方、第2カッター38は、ロール紙Pを剪断する際、従動回転するように構成されている。
ここで、第1カッター37は駆動するので、ロール紙Pを積極的に第1カッター37および第2カッター38の剪断点Qに噛み込ませることができる。さらに、上方の第1カッター37は前記速度によって駆動するので、ロール紙Pを剪断する際、ロール紙Pの記録面と、第1カッター37の外周面との間に大きなスリップが生じる虞がない。
その結果、剪断箇所近傍において、ロール紙Pの記録面に傷が生じる虞がない。即ち、ロール紙Pに記録面側の第1カッター37を駆動させることによって、ロール紙Pの記録面にダメージを与える虞がない。
図10(A)(B)に示すのは、カッター歯の位置関係を示す図である。このうち、図10(A)は給送方向下流側からみた正面図である。一方、図10(B)は幅方向80桁側からみた側面図である。
また、図11(A)(B)に示すのは、第1カッターおよび第2カッターがロール紙を剪断する様子を示す概略図である。このうち、図11(A)は上方であるロール紙の表面側からみた平面図である。一方、図11(B)は幅方向80桁側からみた側面図である。
図10(A)(B)および図11(A)(B)に示す如く、第1カッター37の刃先には第1傾斜面37aが設けられている。
ここで、第1傾斜面37aは、第1カッター37の姿勢に対して傾斜している。
同様に、第2カッター38の刃先には第2傾斜面38aが設けられている。また、第2傾斜面38aは、第2カッター38の姿勢に対して傾斜している。
またさらに、図11(A)に示す如く、第1カッター37の姿勢は、幅方向Xに対して図中における反時計方向へ角度θ1だけ傾いている。具体的には、第1カッター37における進行方向先端側である80桁側(図10(A)における左側)が、同1桁側より給送方向Yにおいて第2カッター38に接近するように角度θ1だけ傾いている。
一方、第2カッター38の姿勢は、幅方向Xに対して図中における時計方向へ角度θ2だけ傾いている。具体的には、第2カッター38における進行方向先端側である80桁側(図10(A)における左側)が、同1桁側より給送方向Yにおいて第1カッター37に接近するように角度θ2だけ傾いている。
本願において、角度θ1およびθ2を「せらし角」ということにする。本実施形態において、角度θ1の大きさは、角度θ2の大きさと同じであることが望ましい。第1傾斜面37aおよび第2傾斜面38aの幅方向Xに対する傾きの大きさを略同じにすることができる。従って、剪断する際にロール紙Pから受ける力の給送方向Yのベクトル成分を略同じにすることができる。その結果、第1カッター37および第2カッター38が剪断する際の直進性をよくすることができる。
尚、本実施形態において、せらし角θ1およびθ2は、約3度である。
また、前述したように第1カッター37および第2カッター38を幅方向Xに対して傾けたことにより、第1カッター37と第2カッター38との接触を、一箇所で点接触させる構成とすることができる。具体的には、図10(A)に示す如く、給送方向下流側からみて、第1カッター37および第2カッター38が重なる領域Eにおいて、剪断する際の進行方向前側(図における左側)の端部の一点でのみ接触させることができる。即ち、ロール紙Pを噛み込む剪断点Qのみで接触する構成である。従って、剪断点Q以外の範囲において、第1カッター37が第2カッター38と接触し、剪断点Qにおいて、第1カッター37と第2カッター38とが互いに離間する虞がない。その結果、ロール紙Pを確実に剪断することができる。
図11(B)に示す如く、ロール紙Pの上方および下方から剪断する場合、剪断された際、剪断された上流側ロール紙P1および剪断された下流側ロール紙P2は、上下方向に力を受ける。具体的には、剪断された上流側ロール紙P1は、第1カッター37の第1傾斜面37aによって、下向きの力を受ける。従って、剪断された上流側ロール紙P1は、下方へ変位しようとする。
一方、剪断された下流側ロール紙P2は、第2カッター38の第2傾斜面38aによって、上向きの力を受ける。従って、剪断された下流側ロール紙P2は、上方へ変位しようとする。
ここで、カッターキャリッジ32の給送方向上流側には、前述したようにエア吸引手段13が設けられている。そして、エア吸引手段13は、作動することによってプラテン側である下方へロール紙Pを吸引することができる。ロール紙Pを剪断する際、エア吸引手段13を作動させているので、剪断するロール紙Pの位置を精度良く決めることができる。その結果、精度良く剪断することができる。
さらに、剪断した際、剪断された上流側ロール紙P1は、第1カッター37の第1傾斜面37aによって、下向きの力を受けるので、エア吸引手段13の効果を妨げる虞がない。エア吸引手段13が吸引する方向と同じ方向へ、剪断された上流側ロール紙P1を変位させるように作用するので、エア吸引手段13の効果を助長することができる。エア吸引手段13の出力が小さいときに有効である。
また、前述したようにカッターキャリッジ32の第1案内面部33および第2案内面部34は、略幅方向Xと平行に設けられている。従って、剪断された上流側ロール紙P1は、第2案内面部34のみと接触しながら案内される。即ち、剪断された上流側ロール紙P1の裏面が第2案内面部34に押し付けられながら、剪断が実行される。一方、剪断された上流側ロール紙P1の記録面は、第1案内面部33から常に離間した状態である。その結果、剪断された上流側ロール紙P1の記録面にダメージを与える虞がない。
またさらに、前述したように、剪断された下流側ロール紙P2は、第2カッター38の第2傾斜面38aによって、上方へ変位しようとする。
そこで、前述したように、カッターキャリッジ32の第1傾斜部35および第2傾斜部36は、1桁側が徐々に上方へ変位するように幅方向Xに対して傾斜している。該傾斜の程度は、剪断された下流側ロール紙P2が第2カッター38の第2傾斜面38aによって上方へ変位することを妨げる虞がない程度に緩やかであり、かつ、剪断された下流側ロール紙P2の裏面が常に第2傾斜部36と接触する程度である。
そして、第1傾斜部35と第2傾斜部36との間隔は、剪断された下流側ロール紙P2の記録面が第1傾斜部35と接触しないように十分広く設けられている。
従って、剪断された下流側ロール紙P2の記録面を、第1傾斜部35から常に離間した状態にすることができる。その結果、剪断された下流側ロール紙P2の記録面にダメージを与える虞がない。
図12(A)(B)に示すのは、本発明に係るカッターの刃先を示す図である。このうち、図12(A)は第1カッターの平面図である。また、図12(B)は第1カッターの側面図である。また、図13に示すのは、本発明に係るカッターの刃先を示す拡大平面図である。またさらに、図14に示すのは、本発明に係るカッターの刃先を研磨している様子を示す図である。また、図15に示すのは、本発明に係るカッターの刃先のバリ取りの様子を示す図である。
図12(A)(B)および図13に示す如く、第1カッター37の刃先の第1傾斜面37aには、第1カッター37の回転支点を中心とした放射方向H1に研磨目60が形成されている。即ち、第1傾斜面37aにおいて、放射方向H1に延設された微小な突条の研磨目60が形成されている。そして、研磨目60によって、第1傾斜面37aは、周方向に凹凸となるように形成されている。
従って、図13に示す如く、第1カッター37の刃先の輪郭を、微小にギザギザした所謂、のこぎり形状にすることができる。
尚、第2カッター38の刃先についても同様である。その説明は省略する。
そして、刃先にのこぎり形状ののこぎり状部61を設けることにより、のこぎり状部61の微小な凸部61a、61a…を、積極的にロール紙Pに食い込ませることができる。
その結果、ロール紙Pの剪断する際、第1カッター37の刃先および第2カッター38の刃先のロール紙Pに対する噛み込みをよくすることができる。即ち、剪断する際に、第1カッター37の刃先および第2カッター38の刃先がスリップして上手く剪断することができない虞がない。その結果、確実に剪断することができる。
特に、比較的硬めの布生地である所謂、クロスメディアを剪断する際に有効である。
係る場合、表面粗さを3.2〜12.5Sの範囲にすることが望ましい。3.2Sより面粗度を小さくすると、クロスメディアに対する刃先の食い付きが大きく低下する。一方、12.5Sより大きくするすると、切断面が粗くなり、上手く切断できない虞が生じる。従って、刃先の第1傾斜面37aおよび第2傾斜面38aの表面粗さを3.2〜12.5Sの範囲にすることにより、カット性を向上させることができる。
ここで、「表面粗さ」は、JIS1994規格に基づく最大高さRmax(Ry)である。具体的に、「最大高さRmax(Ry)」は、断面曲線から基準長さLだけを抜き取った部分の平均線に平行な2直線で、抜き取り部分をはさんだとき、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定して、その値をミクロン単位(μ=0.001mm)で表したものである。
また、クロスメディアを剪断することにより、刃先が摩耗しやすくなる。係る場合であっても、のこぎり形状ののこぎり状部61がある限り、第1カッター37および第2カッター38の刃先をクロスメディアに対して噛み込ませることができる。即ち、本実施形態ののこぎり状部61を有する構成は、従来技術における周方向に研磨目があり刃先がのこぎり形状でない構成の場合と比較して、耐久性もよい。
続いて、のこぎり状部61を形成する仕方について説明する。
図14に示す如く、回転している第1砥石71を、停止している第1カッター37の第1傾斜面37aに当てる。このとき、擦れる方向が第1カッター37の放射方向H1となるように当てる。従って、第1傾斜面37aにおいて、放射方向H1の研磨目60を形成することができる。そして、刃先にも研磨目60を形成することにより、のこぎり状部61を形成することができる。また、第1カッター37を周方向へ少しずつ変位させ、第1砥石71が当たる箇所を周方向にずらすことによって、周方向全範囲にのこぎり状部61を形成することができる。
続いて、図15に示す如く、第2砥石72を用いて所謂、バリ取りを行う。
ここで、「バリ取り」とは、材料を切ったり、削ったりした際に材料の角にできた出っ張りを取り除くことをいう。
具体的には、第1カッター37を周方向へ回転させた状態で、棒状の第2砥石72を第1カッター37の刃先に当てる。このとき、放射方向H1の研磨目60および刃先ののこぎり状部61を残した状態で仕上げるようにバリ取りを行う。具体的には、比較的弱い力で第2砥石72を第1カッター37の刃先に当てると共に、第2砥石72の姿勢を図のように変えながらバリ取りを行う。
尚、第2カッター38の刃先についても同様である。その説明は省略する。
そして、バリ取りを行うことにより、余分な出っ張りを除去することができる。第1カッター37および第2カッター38の二つのカッターによって剪断する構成の場合、二つの刃先が擦れ合うので、バリ取りを行うことにより滑らかに剪断することができる。
尚、第1砥石71によって、第1カッター37の刃先を放射方向H1に研磨したが、放射方向H1に限られない。周方向と交差する方向であれば、刃先にのこぎり状部61を形成することができる。
本実施形態の記録装置であるプリンタ1は、送られる被記録媒体の一例であるロール紙Pの幅方向Xへ移動するカッターユニット30と、カッターユニット30を案内するガイド部としてのガイドレール25と、カッターユニット30に設けられ、ロール紙Pを切断する丸刃としての第1カッター37および第2カッター38と、を備え、第1カッター37の刃先を作る面である第1傾斜面37aおよび第2カッター38の刃先を作る面である第2傾斜面38aは、第1カッター37および第2カッター38のそれぞれの周方向に対して交差する方向に凹凸である研磨目60が延設されており、研磨目60が作る表面粗さの範囲が3.2〜12.5Sであることを特徴とする。
また、本実施形態において、凹凸である研磨目60は研磨によって形成され、第1カッター37および第2カッター38は、前記交差する方向へ研磨された際、第1カッター37および第2カッター38をそれぞれ周方向へ回転し、前記交差する方向の研磨目60を残した状態で刃先のバリ取りがされたことを特徴とする。
またさらに、本実施形態において、前記カッターユニット30は、前記丸刃として、ロール紙Pの一面側に設けられた第1丸刃としての第1カッター37と、前記丸刃として、前記一面と反対側の他の面側に設けられた第2丸刃としての第2カッター38と、を有し、第1カッター37と第2カッター38とが協働してロール紙Pを剪断する構成であることを特徴とする。
また、本実施形態において、第1カッター37の刃先の面である第1傾斜面37aおよび第2カッター38の刃先の面である第2傾斜面38aは、それぞれの丸刃の回転支点を基準とした放射方向H1(H2(図20参照))に研磨目60が延設されていることを特徴とする。
またさらに、本実施形態において、第1カッター37は、カッターユニット30の移動によって駆動することを特徴とする。
また、本実施形態において、カッターユニット30よりロール紙Pの送り方向上流側である給送方向上流側に、ロール紙Pに対して記録を実行する記録部としての記録実行部4を備え、第1カッター37はロール紙Pの表面側に設けられ、第2カッター38は裏面側であって、第1カッター37よりロール紙Pの給送方向下流側に設けられていることを特徴とする。
図16(A)〜(C)に示すのは、本発明のカッターの調芯の様子を示す概略平面図である。このうち、図16(A)は第1カッターおよび第2カッターの基本姿勢である。また、図16(B)は調芯において第1カッターおよび第2カッターの進行方向後側が基本姿勢から給送方向下流側へ傾いた状態を示す図である。またさらに、図16(C)は調芯において第1カッターおよび第2カッターの進行方向後側が基本姿勢から給送方向上流側へ傾いた状態を示す図である。
図16(A)に示す如く、本実施形態の第1カッター37および第2カッター38の姿勢は、ロール紙Pを剪断する際のカッターキャリッジ32の移動方向である幅方向Xに対して傾いて設けられている。具体的には、第1カッター37の姿勢は、幅方向Xに対して剪断する際の進行方向後側が給送方向上流側へθ1だけ傾いて設けられている。一方、第2カッター38の姿勢は、幅方向Xに対して剪断する際の進行方向後側が給送方向下流側へθ2だけ傾いて設けられている。従って、前述したように、進行方向前側の一点の剪断点Qのみにおいて第1カッター37の刃先が第2カッター38の刃先と接触するように構成することができる。その結果、確実にロール紙Pを剪断することができる。
また、剪断する際、第1カッター37は、剪断された下流側ロール紙P2の後端剪断面K2(K)と面接触しない構成とすることができる。同様に、第2カッター38は、剪断された上流側ロール紙P1の先端剪断面K1(K)と面接触しない構成とすることができる。その結果、面接触する構成と比較して、剪断する際の第1カッター37および第2カッター38とロール紙Pとの摩擦による負荷を低減することができる。即ち、よりスムーズにロール紙Pを剪断することができる。
またさらに、剪断する際、第1カッター37および第2カッター38は、極僅かではあるが所謂、ガタの範囲内において、調芯しながら進行方向へ進む。
ここで、「調芯」とは、カッターが進行方向に対して真っ直ぐ切り進むために、進行方向の左右に姿勢を極僅かに変化させて調整することをいう。
このとき、前述したように第1カッター37は、下流側ロール紙P2の後端剪断面K2と面接触しないように構成されている。従って、第1カッター37は、下流側ロール紙P2の後端剪断面K2に邪魔されずに調芯しながらロール紙Pを剪断することができる。
同様に、第2カッター38は、上流側ロール紙P1の先端剪断面K1と面接触しないように構成されている。従って、第2カッター38は、上流側ロール紙P1の先端剪断面K1に邪魔されずに調芯しながらロール紙Pを剪断することができる。
具体的には、図16(B)および図16(C)に示す如く、第1カッター37の進行方向後側は、図16(A)に示す基本姿勢の状態から給送方向下流側および上流側の両方へ傾くことができる。即ち、両方向へ傾いて調芯することができる。
仮に、第1カッターの基本姿勢が下流側ロール紙の後端剪断面と面接触する構成の場合、それ以上、進行方向後側が給送方向下流側へ傾くことができない。上流側のみへ傾くことができる。即ち、一方向のみへ傾いて調芯することができる。本実施形態は、係る場合と比較して調芯範囲を広くすることができる。
ここで、「調芯範囲」とは、カッターがガタの範囲において傾いて調芯することができる範囲をいう。
同様に、第2カッター38の進行方向後側は、図16(A)に示す基本姿勢の状態から給送方向下流側および上流側の両方へ傾くことができる。即ち、両方へ傾いて調芯することができる。従って、本実施形態は、第2カッターの基本姿勢が上流側ロール紙の先端剪断面と面接触する構成の場合と比較して、調芯範囲を広くすることができる。
その結果、剪断点Qにおいて第1カッター37の刃先が第2カッター38の刃先と点接触した状態で広い調芯範囲内で調芯しながら進行方向へ進むことができる。即ち、調芯範囲が狭い場合と比較して、より精度よく真っ直ぐにロール紙Pを剪断することができる。さらに言い換えると、剪断する際の負荷を低減することができると共に、カット曲がりを低減することができる。
本実施形態のインクジェットプリンタ1は、送られるロール紙Pの幅方向へ移動するカッターユニット30と、カッターユニット30を案内するガイド部としてのガイドレール25と、カッターユニット30に設けられた第1丸刃としての第1カッター37と、カッターユニット30に設けられ、第1カッター37と協働してロール紙Pを剪断する第2丸刃としての第2カッター38と、を備え、第1カッター37および第2カッター38の姿勢は、カッターユニット30が移動する前記幅方向に対して、ロール紙Pを剪断する際のカッターユニット30の進行方向前側が互いに接近する方向へ傾いていることを特徴とする。
尚、本実施形態では、第1カッター37をθ1、第2カッター38をθ2傾けている。
また、本実施形態において、第1カッター37および第2カッター38の一方は、カッターユニット30の移動によって駆動することを特徴とする。
尚、本実施形態では、第1カッター37が駆動する構成である。
またさらに、本実施形態において、カッターユニット30が移動する動力を第1カッター37および第2カッター38の一方へ伝達する動力伝達手段70を備え、動力伝達手段70は、傘歯車である第1傘歯車49bおよび第2傘歯車45を有することを特徴とする。
尚、本実施形態では、第1カッター37へ動力を伝達する構成である。
[他の実施形態1]
図17(A)(B)に示すのは、他の実施形態1に係るカッターを示す図である。このうち、図17(A)は第1カッターおよび第2カッターを給送方向下流側からみた図である。一方、図17(B)は第1カッターおよび第2カッターを幅方向80桁側から1桁側へ向かってみた断面図である。
図17(A)(B)に示す如く、他の実施形態1に係る第1カッター80の内側面82のおける刃先側には、内側面82に対して退避した退避部81が設けられている。所謂、肉抜き部である。
退避部81は、第1カッター80の周囲の全範囲において、刃先から第1カッター80の中心側に向かって徐々に深くなるように退避して形成されている。その傾斜は、内側面82に対して2〜3度程である。また、退避部81は、径方向において、刃先から中心側にかけて第2カッター38と重なる範囲にロール紙Pの厚み分を加味した範囲に形成されている。
尚、その他の部材については、前述した実施形態と同様であるので、同じ符号を用いると共にその説明は省略する。
ここで、第1カッター80の姿勢は、幅方向Xに対して傾いていないように設けられている。一方、第2カッター38の姿勢は、前述した実施形態と同様に幅方向Xに対してθ2だけ傾いている。
そして、退避部81を設けたことにより、第1カッター80の内側面82が、下流側ロール紙P2の後端剪断面K2と接触する虞がない。従って、前述した実施形態と同様に、第1カッター80と剪断された下流側ロール紙P2との摩擦による負荷を低減することができる。即ち、第1カッター80にせらし角を設けなくても、退避部81を設けることにより、摩擦による負荷を低減することができる。
また、第2カッター38にせらし角を設けているので、前述した実施形態と同様に、進行方向前側の剪断点Qのみにおいて、第1カッター80の刃先と第2カッター38の刃先とを接触させることができる。従って、確実にロール紙Pを剪断することができる。
またさらに、第2カッター38にせらし角を設けているので、前述した実施形態と同様に、第2カッター38と剪断された上流側ロール紙P1との摩擦による負荷を低減することができる。
尚、第1カッター80にせらし角を設けない場合、第1傘歯車49bおよび第2傘歯車45を直ぐ歯の歯車に変更するのは勿論である。また、ギアの点数を減らすために、第4ギア48および複合ギア49を削除し、第3ギア44から第1カッター80と一体に形成された直ぐ歯に置き換えたギアへ直接動力を伝達するように構成してもよい。
続いて、第1カッター80にせらし角を設けずに退避部81を設けたことによる作用効果について説明する。
図18(A)(B)に示すのは、カッターとロール紙の剪断面との間の隙間を他の実施形態1と前述した形態と対比して示す平面断面図である。このうち、図18(A)は第1カッターに退避部を設けた他の実施形態1である。一方、図18(B)は第1カッターにせらし角を設けた前述した実施形態である。
また、図19(A)(B)に示すのは、カッターとロール紙の剪断面との間の隙間を他の実施形態1と前述した形態と対比して示す正面図である。このうち、図19(A)は第1カッターに退避部を設けた他の実施形態1である。一方、図19(B)は第1カッターにせらし角を設けた前述した実施形態である。
図18(A)(B)および図19(A)(B)に示す如く、他の実施形態1(図18(A)、図19(A))では、第1カッター80にせらし角を設けていない。従って、第1カッター80と下流側ロール紙P2の後端剪断面K2との間の隙間D1を、前述した実施形態(図18(B)、図19(B))の隙間D2と比較して、小さくすることができる。
ここで、第1カッター80および第2カッター38がロール紙Pを剪断する際、剪断点Qにおいて紙粉が発生する。そして、第1カッター80および第2カッター38が進行方向へ進むと、発生した紙粉が、第1カッター80および第2カッター38とロール紙Pの剪断面Kとの間の隙間D1、D2、D3において広がる。
このとき、前述した実施形態(図18(B)、図19(B))のように、第1カッター37と下流側ロール紙P2の後端剪断面K2との間の隙間D2が大きいと、該隙間D2によって紙粉が給送方向上流側へ吸い寄せられるように広がって飛散する。即ち、第1カッター37の進行方向後側が給送方向上流側へ傾いていることにより、前記隙間D2において、給送方向上流側へ紙粉が吸い上げられるように作用する。従って、下流側ロール紙P2の後端剪断面K2より給送方向上流側の広範囲の領域A2において、紙粉が飛散する。
そして、剪断面Kより給送方向上流側の紙粉が表面に付着した剪断された上流側ロール紙P1は、一度、給送方向上流側へ逆送され、その後に記録部によって記録が実行される。係る場合、紙粉の上からインクが吐出され、インクが紙粉に着弾することにより、剪断された上流側ロール紙P1の表面に直接インクが着弾しない箇所が生じる虞がある。そして、剪断された上流側ロール紙P1の表面の紙粉が該表面からさらに飛散すると、該剪断された上流側ロール紙P1の表面に未記録の箇所が白く残る虞がある。所謂、白抜けである。
そこで、他の実施形態1(図18(A)、図19(A))では、第1カッター80にせらし角を設けずに退避部81を設けている。従って、第1カッター80と下流側ロール紙P2の後端剪断面K2との間の隙間D1を、せらし角を設けた前述した実施形態の隙間D2と比較して、小さくすることができる。その結果、剪断面Kより給送方向上流側への紙粉が広がる領域A1を、せらし角を設けた前述した実施形態の領域A2と比較して、小さくすることができる。そして、白抜けが発生する範囲を低減することができる。また、白抜けが発生する箇所の数も低減することができる。
また、第1カッター80にせらし角を設けずに退避部81を設けたことにより、剪断する際の摩擦による負荷は、せらし角を設けた場合と同様に低減することができる。
尚、調芯範囲については、退避部81を設けたことにより、剪断点Qと接触点Sとの2点で下流側ロール紙P2の後端剪断面K2と点接触する構成とすることができる。係る場合、ロール紙Pは剛性が比較的高くないので、接触点Sにおいて、下流側ロール紙P2の後端剪断面K2が給送方向下流側へ逃げるように撓むことが可能である。これにより、第1カッター80の進行方向後側が給送方向下流側へ傾くことが可能である。その結果、第1カッターが下流側ロール紙の後端剪断面と面接触する構成と比較して、調芯範囲を広くすることが可能である。
また、第2カッター38にせらし角を設け隙間D3を積極的に設けることにより、剪断点Qで発生する紙粉を、ロール紙Pの剪断面Kより給送方向下流側へ吸い上げるように移動させることができる。
ここで、剪断面Kより給送方向下流側のロール紙P2は、既に記録が実行されておりインクがロール紙P2の表面に定着している。即ち、インクは既に乾燥した状態である。従って、剪断面Kより給送方向下流側のロール紙P2の表面に紙粉が飛散しても殆ど問題はない。
即ち、積極的に剪断面Kより送り方向下流側へ紙粉を移動させることにより、給送方向上流側へ紙粉が移動する虞を低減することができる。その結果、第2カッター38にせらし角θ2を設ける状態は、第2カッターにせらし角を設けない構成と比較して、給送方向上流側における白抜けを低減することができる。
他の実施形態1の記録装置であるインクジェットプリンタ1は、ロール紙Pに対して記録を実行する記録部としての記録実行部4と、記録実行部4よりロール紙Pの記録時の送り方向下流側に設けられ、ロール紙Pの幅方向Xへ移動するカッターユニット30と、カッターユニット30を案内するガイド部としてのガイドレール25と、カッターユニット30に設けられ、姿勢が幅方向Xに対して傾いていない第1丸刃としての第1カッター80と、カッターユニット30において、第1カッター80よりロール紙Pの送り方向下流側に設けられ、第1カッター80と協働してロール紙Pを剪断する第2丸刃としての第2カッター38と、第1カッター80における送り方向下流側の面である内側面82の刃先側において、第1カッター80の周方向全範囲において設けられ、第1カッター80の刃先より送り方向上流側に退避する退避部81と、を備えていることを特徴とする。
また、他の実施形態1において、退避部81は、第1カッター80の刃先から該第1カッター80の中心側へ向かって徐々に深く退避していることを特徴とする。これにより、第1カッター80がロール紙P2の剪断面K2と点接触する構成にすることができる。また、隙間D1を最小にすることができる。
またさらに、他の実施形態1において、第1カッター80の中心と第2カッター38の中心とを結ぶ線方向において、退避部81は、第1カッター80が第2カッター38と重なる領域Eにロール紙Pの厚みを加味した領域に設けられていることを特徴とする。
また、他の実施形態1において、第1カッター80は、ロール紙Pの表面側に設けられ、第2カッター38は、裏面側に設けられていることを特徴とする。
またさらに、他の実施形態1において、第2カッター38の姿勢は、カッターユニット30が移動する幅方向Xに対して、ロール紙Pを剪断する際のカッターユニット30の進行方向前側が第1カッター80に接近する方向へ傾いていることを特徴とする。
[他の実施形態2]
図20に示すのは、他の実施形態2に係るカッターの刃先を示す拡大平面図である。
図20に示す如く、他の実施形態2に係る第1カッター90の刃先の研磨目91は、第1カッター90の回転支点を基準とした放射方向H1に対して傾いて形成されている。同様に、第2カッター93の刃先の研磨目94は、第2カッター93の回転支点を基準とした放射方向H2に対して傾いて形成されている。具体的には、第1丸刃および第2丸刃が重なる範囲における剪断する際の進行方向先端であるロール紙Pを剪断する剪断点Qにおいて、第1カッター90の研磨目91と、第2カッター93の研磨目94とが対向するように構成されている。
尚、その他の部材については、前述した実施形態と同様であるので、同じ符号を用いると共にその説明は省略する。
従って、第1カッター90の刃先ののこぎり状部61の凹凸の凸部92の先端の方向を、剪断点Qにおいて、ロール紙Pに対して略垂直方向とすることができる。同様に、第2カッター93の刃先ののこぎり状部61の凹凸の凸部95の先端の方向を、剪断点Qにおいて、ロール紙Pに対して略垂直方向とすることができる。
その結果、ロール紙Pを剪断する際、のこぎり状部61の凸部92、95をより一層確実にロール紙Pに食い付かせることができる。特に、ロール紙Pの剛性が高い場合や、比較的硬いシート状の布である所謂、クロスメディアの場合に有効である。
他の実施形態2において、第1カッター90の刃先の第1傾斜面および第2カッター93の刃先の第2傾斜面に延設された凹凸の研磨目91、94は、第1カッター90および第2カッター93が重なる範囲Eにおける剪断する際の進行方向先端であるロール紙Pを剪断する剪断点Qにおいて、第1カッター90の研磨目91の方向と第2カッター93の研磨目94とが対向するように、それぞれ丸刃の回転支点を基準とした放射方向H1、H2に対して傾いた方向に設けられていることを特徴とする。
即ち、第1カッター90の研磨目91は、第1カッター90の放射方向H1に対して傾いている。同様に、第2カッター93の研磨目94は、第2カッター93の放射方向H2に対して傾いている。さらに、剪断点Qにおいて、第1カッター90の研磨目91の向きと、第2カッター93の研磨目94の向きとが対向するように構成されている。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係るプリンタの外観斜視図。 本発明に係るプリンタ本体部を示す概略側面図。 本発明に係る切断部を示す概略斜視図。 本発明に係る切断部を示す概略側面図。 本発明に係る切断部のガイドレールを示す後方斜視図。 本発明に係る切断部がロール紙を剪断している様子を示す斜視図。 (A)(B)は本発明に係るカッターキャリッジを示す図。 (A)(B)は本発明に係るカッターキャリッジを示す図。 本発明に係るカッターユニットのカッターへの動力伝達を示す図。 (A)(B)はカッターの位置関係を示す図。 (A)(B)は本発明に係るカッターがロール紙を剪断する際の様子を示す概略図。 (A)(B)は本発明に係るカッターの刃先を示す図。 本発明に係るカッターの刃先を示す拡大平面図。 本発明に係るカッターの刃先を研磨している様子を示す図。 本発明に係るカッターの刃先のバリ取りの様子を示す図。 (A)〜(C)は本発明のカッターの調芯の様子を示す概略図。 (A)(B)は他の実施形態1に係るカッターを示す図。 (A)(B)はカッターとロール紙の剪断面との間の隙間を他の実施形態1と前述した形態と対比して示す平面断面図。 (A)(B)はカッターとロール紙の剪断面との間の隙間を他の実施形態1と前述した形態と対比して示す正面図。 他の実施形態2に係るカッターの刃先を示す拡大平面図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、2 本体部、3 ロール紙供給部、4 記録実行部、
5 排紙受け部、6 (ロール紙の)排出口、7 開口部、8 支柱、9 ベース、
10 (ロール紙の)スタッカ、11 プラテン、12 記録ヘッド、
13 エア吸引手段、14 吸引孔、15 吸引管、16 吸引ファン、20 切断部、
21 基体部、22 カッター用モータ、23 無端ベルト、23a 上側ベルト、
23b 下側ベルト、24 従動プーリ、25 ガイドレール、
30 カッターユニット、31 スライダ部、32 カッターキャリッジ、
33 第1案内面部、34 第2案内面部、35 第1傾斜部、36 第2傾斜部、
37 第1カッター、37a 第1傾斜面、38 第2カッター、38a 第2傾斜面、
39 第1剪断前案内部、40 第2剪断前案内部、41 動力伝達軸、
42 第1ギア、43 第2ギア、44 第3ギア、45 第2傘歯車、
46 第1スライダプーリ、47 第2スライダプーリ、48 第4ギア、
49 複合ギア、49a 第5ギア、49b 第1傘歯車、
50 上流側補助ローラホルダ、51 上流側補助ローラ、
52 下流側補助ローラホルダ、53 下流側補助ローラ、60 研磨目、
61 のこぎり状部、61a 凸部、70 動力伝達手段、71 第1砥石、
72 第2砥石、80 (他の実施形態1の)第1カッター、81 退避部、
82 内側面、90 (他の実施形態2の)第1カッター、
91 (第1カッターの)研磨目、92 (第1カッターの)凸部、
93 第2カッター、94 (第2カッターの)研磨目、95 (第2カッターの)凸部、
A1、A2 紙粉が飛散する領域、D1〜D3 隙間、E 重なる領域、
H1 放射方向、H2 放射方向、K 剪断面、K1 上流側ロール紙の先端剪断面、
K2 下流側ロール紙の後端剪断面、P ロール紙、P1 剪断された上流側ロール紙、
P2 剪断された下流側ロール紙、Q 剪断点、R ロール、S 接触点、X 幅方向、
Y 給送方向

Claims (5)

  1. 被記録媒体に対して記録を実行する記録部と、
    該記録部より被記録媒体の記録時の送り方向下流側に設けられ、被記録媒体の幅方向へ移動するカッターユニットと、
    該カッターユニットを案内するガイド部と、
    前記カッターユニットに設けられ、姿勢が前記幅方向に対して傾いていない第1丸刃と、
    前記カッターユニットにおいて、該第1丸刃より被記録媒体の送り方向下流側に設けられ、該第1丸刃と協働して被記録媒体を剪断する第2丸刃と、
    前記第1丸刃における前記送り方向下流側の面の刃先側において、該第1丸刃の周方向全範囲において設けられ、該第1丸刃の刃先より前記送り方向上流側に退避する退避部と、を備えた記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、前記退避部は、前記第1丸刃の刃先から該第1丸刃の中心側へ向かって徐々に深く退避している記録装置。
  3. 請求項1または2に記載の記録装置において、前記第1丸刃の中心と前記第2丸刃の中心とを結ぶ線方向において、前記退避部は、前記第1丸刃が前記第2丸刃と重なる領域に被記録媒体の厚みを加味した領域に設けられている記録装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置において、前記第1丸刃は、被記録媒体の表面側に設けられ、
    前記第2丸刃は、裏面側に設けられている記録装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置において、前記第2丸刃の姿勢は、前記カッターユニットが移動する前記幅方向に対して、被記録媒体を剪断する際の前記カッターユニットの進行方向前側が前記第1丸刃に接近する方向へ傾いている記録装置。
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