JP2008110455A - 記録材料切断装置及びその製造方法 - Google Patents

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秀行 村越
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Abstract

【課題】切れ味・耐久性を両立させて、ポリエチレン層でラミネートされたカラーペーパーを切断する。
【解決手段】固定刃31及び可動刃32の刃先角度C1,C2を60°にする。固定刃31の刃先を研磨して曲率半径R1が10〜20μmになるように丸める。可動刃32の刃先のバリ取り処理を行ったのちに、ペーパーカッタに固定刃31及び可動刃32をセットし、使用可能状態にする。カラーペーパー25をセットしない状態で空運転を10回行い、可動刃32の刃先に、湾曲状先端逃げ面66とこれに連続し、すくい面32bから突出する突条67を形成する。刃先角度C1,C2を60°として耐久性を上げつつ、突条67により刃先の鋭利を保持して切れ味を確保することができる。カラーペーパーのポリエチレン層を確実に切断することができ、毛羽の発生が抑えられる。
【選択図】図4

Description

本発明は、プリンタ用記録材料を切断するための記録材料切断装置及びその製造方法に関するものである。
プリンタ用記録材料を切断装置で切断する場合に、切れ味を良くするためには刃先角度を鋭角にしている。しかし、鋭角にすることにより、刃こぼれなどの不具合が発生し易くなる。逆に、耐久性を上げるために刃先角度を鈍角にしていくと切れ味が低下する。このため、刃先角度を15°以上40°以内、または85°以上90°以内などの一定範囲にすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−72372号公報
ところで、記録材料の基体の紙の中に必要以上に現像処理液が染み込むことを防ぐためまた平滑性を保つために、基体の両面に、ポリエチレン等の樹脂を被覆することが行われている。このポリエチレン層を含む記録材料では、ポリエチレン層において特に切れ味が低下し、切断できなかったポリエチレンが毛羽状に印画紙切断端面に残る不都合がある。また、毛羽が機器の内部にゴミとなって残ることもあり、この場合には、記録材料にゴミなどが付着するという新たな問題が発生する。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、簡単な方法で切れ味及び耐久性を向上させることができる記録材料切断装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、逃げ面とすくい面を交差させてなる直線状の刃先を有する固定刃と可動刃からなり、固定刃に対し可動刃を交差させて配置し、可動刃の逃げ面を固定刃の逃げ面に接触させながら可動刃を固定刃に対して変位させて記録材料を切断する記録材料切断装置において、前記固定刃及び可動刃のいずれか一方の刃先に、湾曲状先端逃げ面とこれに連続する突条とを備えることを特徴とする。また、本発明は、前記一方の刃先に設けた前記突条と前記他方の刃先の前記逃げ面との間の切断時における隙間が無いことを特徴とする。さらに、本発明は、前記固定刃及び可動刃の前記逃げ面とすくい面のなす刃先角を45°以上75°以下とし、前記固定刃及び可動刃の一方の刃先の曲率半径を他方の刃先よりも大きくして、前記他方の刃先に前記湾曲状先端逃げ面と前記突条とを有することを特徴とする。なお、前記固定刃及び可動刃を使用状態と同じ条件にセットし空運転を行い、前記他方の刃先に前記湾曲状先端逃げ面と前記突条とを形成することが好ましい。
また、前記湾曲状先端逃げ面は、前記逃げ面に連続して形成され、且つ湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面の延長方向における長さが10μm以上50μm以下であり、湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面に直交する方向ですくい面側に曲がる長さが3μm以上15μm以下であり、前記突条は、前記すくい面から5μm以上15μm以下で突出し、前記突条の頂点が前記逃げ面を基準にして逃げ面に直交する方向ですくい面側に5μm以上20μm以下の位置にあり、すくい面と平行な方向における突条長さが5μm以上20μm以下であることが好ましい。
また、本発明は、逃げ面とすくい面とを交差させてなる直線状の刃先を有する固定刃と可動刃とからなり、固定刃に対し可動刃を交差させて配置し、可動刃の逃げ面を固定刃の逃げ面に接触させながら可動刃を固定刃に対して変位させて記録材料を切断する記録材料切断装置の製造方法において、前記固定刃及び可動刃の一方の刃先を他方の刃先よりも丸める前処理工程と、前記固定刃及び可動刃を使用状態と同じ条件にセットし空運転を行い、前記他方の刃先を一方の刃先の逃げ面から離れる方向に曲げて、前記他方の刃先に湾曲状先端逃げ面とこれに連続する突条とを形成する刃先仕上げ工程とを有することを特徴とする。なお、前記空運転を5〜30回行うことにより、前記湾曲状先端逃げ面と突条とを形成することが好ましい。また、前記湾曲状先端逃げ面は、前記逃げ面に連続して形成され、且つ湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面の延長方向における長さが10μm以上50μm以下であり、湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面に直交する方向ですくい面側に曲がる曲げ長さが3μm以上15μm以下であり、前記突条は、前記すくい面から5μm以上15μm以下で突出し、前記突条の頂点が前記逃げ面を基準にして逃げ面に直交する方向ですくい面側に5μm以上20μm以下の位置にあり、すくい面と平行な方向における突条長さが5μm以上20μm以下であることが好ましい。また、前記一方は固定刃であり、前記他方は可動刃であることが好ましい。
本発明によれば、固定刃及び可動刃のいずれか一方の刃先に、湾曲状先端逃げ面とこれに連続する突条とを有することにより、湾曲状先端逃げ面が他方の刃先に当たることにより、突条先端が他方の刃先に当たることがなく、突条の形状を長期にわたって維持することができ、突条が磨耗によって消滅することがない。したがって、突条によって切れ味を維持することができる。これにより、ポリエチレン層などによってラミネートされた記録材料に対しても、ポリエチレン層の切れ味が維持され、ポリエチレン層の切断不良に起因する毛羽の発生を抑えることができる。
また、一方の刃先に設けた突条と他方の刃先の逃げ面との間の切断時における隙間を無くしつつ(隙間をできるだけ「0」に近づけつつ)、前記湾曲状先端逃げ面と他方の刃先とを接触させることにより、より一層切れ味を維持することができる。また、固定刃及び可動刃の刃先角度を45°以上75°以下とすることにより、耐久性を向上することができる。さらに、固定刃及び可動刃の一方の刃先の曲率半径を他方の刃先よりも大きくして、固定刃及び可動刃を使用状態と同じ条件にセットし空運転を行うことにより、前記他方の刃先に前記湾曲状先端逃げ面と前記突条とを特別な突条加工処理を不要として簡単に且つ確実に形成することができる他に、一方の刃先に設けた突条と他方の刃先の逃げ面との間の切断時における隙間を無くしつつ、湾曲状先端逃げ面と他方の刃先とを接触させることができるようになる。
また、前記湾曲状先端逃げ面は、前記逃げ面に連続して形成され、且つ湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面の延長方向における長さが10μm以上50μm以下であり、湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面に直交する方向ですくい面側に曲がる長さが3μm以上15μm以下であり、前記突条は、前記すくい面から5μm以上15μm以下で突出し、前記突条の頂点が前記逃げ面を基準にして逃げ面に直交する方向ですくい面側に5μm以上20μm以下の位置にあり、すくい面と平行な方向における突条長さが5μm以上20μm以下であることにより、切れ味を維持することができる。
本発明を実施したプリンタプロセサの概略を示す図1において、プリンタプロセサ10は、プリンタ11とプロセサ12とが接続されて構成されている。プリンタ11は、ペーパー装填部13、記録材料切断装置としてのペーパーカッタ14、裏印字部15、露光記録部16、ペーパー振り分け部17から構成されている。プロセサ12は、現像処理部20、乾燥部21、集積部22から構成されている。
ペーパー装填部13には、カラーペーパー25を巻取り収納したペーパーマガジン26が装填される。ペーパーマガジン26内には給紙ローラ対27が配置されている。この給紙ローラ対27は、プリンタ側の図示しない駆動モータによって回転される。給紙ローラ対27により引き出されたカラーペーパー25は、ペーパーカッタ14で必要な長さに切断され、カットシート状のカラーペーパー25aにされる。このカラーペーパー25aは、コ字形の搬送路28によって、裏印字部15、露光記録部16、ペーパー振り分け部17に順に送られる。
裏印字部15では、カラーペーパー25aの裏面(乳剤層とは反対側の面)に必要情報が印字される。露光記録部16では、レーザープリンタにより画像情報に基づきカラーペーパー25aに画像が露光記録される。露光記録済みのカラーペーパー25aは、ペーパー振り分け部17で複数列に振り分けられ、プロセサ12に入る。そして、プロセサ12の各処理槽20a〜20fにより発色現像・漂白定着・安定化等の現像処理がなされて、乾燥部21で乾燥されながら、集積部22に送られる。集積部22では、複数列に処理され送られてきたカラーペーパー25aが1つに集積される。
図2はペーパーカッタ14の断面図である。ペーパーカッタ14は、固定刃31、可動刃32、固定フレーム33、昇降フレーム34、モータ35を備えている。固定刃31は、固定フレーム33に水平に取り付けられている。また、可動刃32は昇降フレーム34に取り付けられている。この可動刃32は、コイルバネ36により固定刃31に向けて付勢されており、これにより可動刃32が固定刃31に押し付けられている。コイルバネ36による付勢力は、適切に切断が可能なように調節される。本実施形態では20Nに設定しているが、これよりも大きいサイズでは25Nに設定している。この付勢力は好ましくは、5N〜50Nであり、より好ましくは15N〜25Nである。
固定フレーム33内には1対のガイド棒37が鉛直方向で配置されており、これに昇降フレーム34が昇降自在に取り付けられている。固定フレーム33にはモータ35が取り付けられている。このモータ35の駆動軸にギヤトレイン40を介して偏心カム41が連係されている。偏心カム41は、円板41aにカムフォロワ41bを取り付けて構成されている。カムフォロワ41bは、昇降フレーム34に設けた係合長孔34aに入っている。係合長孔34aは水平方向に長く形成されている。偏心カム41が一回転すると、係合長孔34aを介して昇降フレーム34が上下に往復動する。これによって、可動刃32が昇降することで、カラーペーパー25が切断される。前記昇降フレーム34、モータ35、ガイド棒37、ギヤトレイン40、偏心カム41によって、可動刃32のシフト機構42が構成されている。なお、図中の符号46,47,48はペーパーガイドを示している。なお、可動刃32の駆動装置はシフト機構42に限られず、他のスイング機構やその他の機構であってもよい。
図3は固定刃31及び可動刃32の位置関係を示すものであり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は右側面図、(D)は左側面図である。固定刃31は、長さLC1=272mm、厚みT1=6mm、高さH1=27mmに形成されており、可動刃32は、長さLC2=270mm、厚みT2=6.5mm、高さH2=27.5mmに形成されている。また、固定刃31の刃先角(逃げ面31aと、すくい面31bとのなす角)C1は60°、可動刃32の刃先角度C2は60°である。また、固定刃31と可動刃32との刃先がなす交差角度(シャー角)D1は2.5°である。更に、固定刃31の逃げ面31aに対する可動刃32の逃げ面32aがなす角度(すくい角)E1は3°である。また、(B)の平面図における固定刃31に対する可動刃32の競らし量F1は1.5mmである。なお、刃のサイズは機器の仕樣によって変わり、例えば大サイズ対応機であれば刃のサイズは大きくなり、小サイズ対応機であれば小さくなる。
なお、固定刃31及び可動刃32の刃先角度C1,C2は45〜75°が好ましく、より好ましくは50〜70°である。また、シャー角D1は2〜10°が好ましい。すくい角E1は2〜4°が好ましい。更に、競らし量F1は1.2〜2mmが好ましい。なお、競らし量F1は刃の長さLC1に応じて最適値が変わるので、刃の長さLC1と、固定刃及び可動刃の競らし量F1との関係(F1/LC1)は、4.0×10-3〜7.5×10-3が好ましく、より好ましくは、4.8×10-3〜7.0×10-3である。
次に、固定刃31及び可動刃32の先端構造について説明する。図4に示すように、固定刃31の刃先50は、逃げ面31aとすくい面31bとが交差するように形成したものであり、曲率半径R1を15μmとして、その刃先50を丸めるように研磨してある。固定刃31及び可動刃32の刃先材料としては、例えば日立金属株式会社製の溶製高速度工具鋼YXM1(JISのSKH51類似品)が用いられるが、これに限定されない。固定刃31及び可動刃32は、図5に示すように、刃先部分のみ上記工具鋼を用いるタイプであるが、刃全体につき上記工具鋼を用いるタイプであってもよい。本実施形態においては、図2,図3において、図面の煩雑化を避ける意味で刃全体を工具鋼で構成した例で表示してある。
可動刃32の刃先には、研磨工程でバリが発生する。このバリを取るために、図5に示すように、可動刃32をバリ取り治具55にセットし、例えば400番の砥石56を用いて、可動刃32の刃先60の逃げ面32aを研磨し、バリを取る。この状態が図6(A)に示すような可動刃32の刃先60の初期状態である。図6(A)に示すものはバリ取り後の一例である。バリ取り作業は、バリ取り治具55にセットするものの、その作業は手作業であり、初期状態の刃形状にはばらつきが少々ある。したがって、バリを取った状態でも、可動刃32の刃先部分63はすくい面32b側のみならず、逃げ面32a側にも突出した部分が残っている。
これら固定刃31及び可動刃32をペーパーカッタ14に組み付けて、使用可能状態にする。そして、この状態で空運転を10回行う。固定刃31の刃先は丸め加工がしてあり、その曲率半径R1が10〜20μmとされ剛性が高くなっている。また、可動刃32の刃先は研磨後にバリ取り処理を施してあり、固定刃31の刃先に比べて鋭利になっている。したがって、空運転を行うと、剛性が低い可動刃32の刃先が変形する。まず、1回目の空運転により、図6(B)に示すように、可動刃32の刃先部分63はすくい面32b側に押されて変形し、すくい面32bから突出した状態となり、突条67となる。その後の2〜5回の空運転により、(C)に示すように、すくい面32bの突条67は逃げ面32aから離れるように変位する。また、逃げ面32aにはこの逃げ面32aに連続するように、湾曲状先端逃げ面66が形成される。さらに6〜10回の空運転を行うと、図4に示すように、突条67はほぼその位置が固定される。この状態で空運転を停止する。このように10回程度の空運転を行うことにより、固定刃31と可動刃32とが1対1で対応した形状(両刃が合った形状)となる。そして、可動刃32の刃先に設けた突条67と固定刃31の刃先の逃げ面31aとの間の切断時における隙間をできるだけ「0」に近づけつつ、湾曲状先端逃げ面66と固定刃31の刃先とを接触させることができるようになる。これにより、より一層切れ味を維持することができる。
なお、10回を超える空運転での刃先形状の変化は僅かであり、それ以上の変化は表れないので、10回程度で空運転を終了する。また、ペーパーカッタ14に固定刃31及び可動刃32を組み付ける代わりに、専用の加工治具を用いて、この加工治具に固定刃31及び可動刃32を取り付けて、ペーパーカッタ14と同じ刃取付条件として空運転を行ってもよい。
表1は、空転回数と、そのときの寸法LA,LB(図6(C)参照)の変化との関係の一例を示すものである。寸法LAはすくい面からの突出長さであり、寸法LBは逃げ面からの偏心長さである。空転回数が増えるごとに、寸法LBが増加していき、突条の偏心長さが増加していることが判る。
Figure 2008110455
図4は、可動刃32の刃先60の代表的な断面形状を表すものであり、L1は逃げ面32aの延長方向における湾曲状先端逃げ面66の長さ、L2は湾曲状先端逃げ面66の前記逃げ面32aに直交する方向ですくい面32b側に曲がる長さ、L3は突条67の頂点の位置を、逃げ面32aを基準にして逃げ面32aと直交する方向における長さで表した偏心長さ、H3はすくい面32bからの突条67の高さ、L4はすくい面32bと平行な方向における突条67の長さである。なお、湾曲状先端逃げ面66と突条67との境界は、すくい面32bを湾曲状先端逃げ面66へ延長したときにすくい面32bの延長線と湾曲状先端逃げ面66との交点P1としている。L1は10μm以上50μm以下、L2は3μm以上15μm以下、L3は5μm以上20μm以下、L4は5μm以上20μm以下、H3は5μm以上15μm以下が好ましい。
図7は、他の実施形態における可動刃の断面形状を表している。(A)は、突条70の基端部厚さを大きくした可動刃71であり、L1=28μm、L2=3μm、L3=10μm、L4=20μm、H3=10μmとなっている。(B)は、突条73の突起高さを低くした可動刃74であり、L1=20μm、L2=3μm、L3=5μm、L4=12μm、H3=6μmとなっている。(C)は、突条76の突起角度を鈍角に形成した可動刃77であり、L1=24μm、L2=3μm、L3=6μm、L4=20μm、H3=4μmとなっている。(D)は突条80の偏心長さL2を大きくし且つ突条80の長さL3を短く形成した可動刃81であり、L1=30μm、L2=8μm、L3=17μm、L4=10μm、H3=10μmとなっている。なお、これら突条67,70,73,76,80の形成方法は、使用状態における10回程度の空運転により形成する他に、予め、この断面形状となるように、刃先を研磨したり、刃先を曲げた後に研磨したりして形成してもよい。
なお、上記実施形態では、ハロゲン化銀乳剤層を有するカラー印画紙を例にとって説明しているが、この他に、インクジェット用記録材料やサーマルプリンタ用記録材料に対して本発明を実施してもよい。
上記実施形態では、固定刃31の刃先を、10μm以上20μm以下の曲率を有するように面取り加工を行っているが、これは可動刃32に形成してもよい。この場合には、空運転により固定刃31側に、湾曲状逃げ面とこれに連続する突条とが形成される。
次に本実施形態の効果を実証するための実験について説明する。記録材料として富士フイルム株式会社製のカラーペーパー(製品名:フジカラーペーパー(Ever-Beauty Paper for LESER TypeII)、ロール形態:幅203mm)を試料として用いて、本実施形態のペーパーカッタと従来装置とを用いて切断実験を行った。従来装置は、固定刃及び可動刃の刃先角度C1,C2を30°としたもの(比較例1)と、固定刃及び可動刃の刃先角度C1,C2を60°としたもの(比較例2)とを用いた。
自動現像機のペーパーカッタにおいて、試料をパノラマサイズ(203mm×89mm)で10枚となるように各々処理した。この処理において、ペーパーカッタが10回作動し、10枚のカットシート状のカラーペーパー25aにする。その後、ペーパーカッタで短冊状に10万回カットして、再度、試料をパノラマサイズ(203mm×89mm)で10枚となるように各々処理する。
切れ味の評価は、カットの毛羽立ち( ペーパーの支持体がヒゲ状態になって切れることにより発生)の長さを測定し、最初10枚の平均値が小さい方が、切れ味が良い「〇」とした。また、耐久性の評価については、10万回のカット後の毛羽の長さを測定し、その10枚の平均値と最初10枚の平均値との差を求めた。この差の小さい方を耐久性が良い「〇」とした。
Figure 2008110455
表2に、実施例1と比較例1,2との結果を示す。刃先角度C1及びC2を30°とした比較例1では切れ味の評価は「〇」となったものの、耐久性で「×」となった。また、刃先角度を60°とした比較例2では切れ味の評価は「×」となったものの、耐久性で「〇」となった。これに対して、本発明の実施例では、切れ味及び耐久性の評価ともに「〇」となった。
実施例1の耐久性の評価で「〇」が得られたことは、刃先角度C1,C2を45°〜75°の範囲の比較的大きな角度に設定したことに起因する。また、実施例1の切れ味の評価で「〇」が得られたことは、刃先角度C1,C2を45°〜75°の比較的大きな角度に設定しても、突条67により、切れ味が確保されたことに起因する。そして、逃げ面32aの延長方向における湾曲状先端逃げ面66の長さL1を10μm以上50μm以下とし、湾曲状先端逃げ面66の前記逃げ面32aに直交する方向ですくい面32b側に曲がる長さL2を3μm以上15μm以下とし、突条67の頂点の位置を、逃げ面32aを基準にして逃げ面32aと直交する方向における長さで表した偏心長さL3を5μm以上20μm以下とし、突条67のすくい面32bと平行な方向における長さL4を5μm以上20μm以下とし、突条67のすくい面32bからの高さH3を5μm以上15μm以下とすることにより、刃先角度C1,C2が従来の30°に比べて60°と大きく設定されていても、局部的に鋭利な突条67の作用でポリエチレン層が確実に切断される。しかも、湾曲状先端逃げ面66によって、逃げ面32aから僅かにすくい面32b側にずれた位置で突条67が形成されることにより、切断時の荷重の大部分を湾曲状先端逃げ面66によって受け、突条67には多大な荷重が作用しないため、耐久性の向上と切れ味の維持とを図ることができる。
なお、上記実施形態では、プリンタのペーパー装填部の近くにペーパーカッタを設けたが、この配置位置はこれに限定されることなく、適宜位置に配置してよい。例えば帯状のカラーペーパーに対して露光記録して現像処理し、この現像処理済みのカラーペーパーを切断するペーパーカッタに本発明を実施してもよい。また、他の記録方式例えばインクジェットプリンタやサーマルプリンタなどの記録材料を切断するペーパーカッタに本発明を実施してもよい。
上記のような本発明のペーパーカッタで記録材料を切断する場合に、切れ味及び耐久性を共に維持することができる範囲は、反射支持体の厚みが好ましくは150〜350μmであり、より好ましくは170〜280μmである。また、乳剤層、感熱記録層、インク受像層などの機能層を含めたカラーペーパーとしての厚みは好ましくは153〜380μmであり、より好ましくは176〜295μmである。
本発明を実施したペーパーカッタを有するプリンタプロセサを示す概略図である。 ペーパーカッタの縦断面図である。 ペーパーカッタの固定刃と可動刃との位置関係を示すもので、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は右側面図、(D)は左側面図である。 固定刃及び可動刃の断面形状の一例を示す縦断面図である。 可動刃のバリ取り処理を説明するための正面図である。 空運転回数により、可動刃に湾曲状先端逃げ面と突条とが形成される状態を説明するための可動刃断面形状の変化を示す断面図であり、(A)は空運転前の初期状態のものを、(B)は1回空運転した状態のものを、(C)は5回空運転したものをそれぞれ示している。 他の実施形態における可動刃の断面形状の一例を示す断面図である。 カラーペーパーの切断状態を示す断面図である。
符号の説明
10 プリンタプロセサ
11 プリンタ
12 プロセサ
13 ペーパー装填部
14 ペーパーカッタ
16 露光記録部
17 現像処理部
25 カラーペーパー
25a カットシートカラーペーパー
31 固定刃
32,71,74,77,81 可動刃
C1,C2 刃先角
D1 シャー角
E1 すくい角
F1 競らし量
G1 隙間
31a,61 逃げ面
31b,62 すくい面
63 刃先部分
66 湾曲状先端逃げ面
67,70,73,76,80 突条

Claims (9)

  1. 逃げ面とすくい面を交差させてなる直線状の刃先を有する固定刃と可動刃からなり、固定刃に対し可動刃を交差させて配置し、可動刃の逃げ面を固定刃の逃げ面に接触させながら可動刃を固定刃に対して変位させて記録材料を切断する記録材料切断装置において、
    前記固定刃及び可動刃のいずれか一方の刃先に、湾曲状先端逃げ面とこれに連続する突条とを備えることを特徴とする記録材料切断装置。
  2. 前記一方の刃先に設けた前記突条と前記他方の刃先の前記逃げ面との間の切断時における隙間が無いことを特徴とする請求項1記載の記録材料切断装置。
  3. 前記固定刃及び可動刃の前記逃げ面とすくい面のなす刃先角を45°以上75°以下とし、前記固定刃及び可動刃の一方の刃先の曲率半径を他方の刃先よりも大きくして、前記他方の刃先に前記湾曲状先端逃げ面と前記突条とを有することを特徴とする請求項1または2記載の記録材料切断装置。
  4. 前記固定刃及び可動刃を使用状態と同じ条件にセットし空運転を行い、前記他方の刃先に前記湾曲状先端逃げ面と前記突条とを形成することを特徴とする請求項3記載の記録材料切断装置。
  5. 前記湾曲状先端逃げ面は、前記逃げ面に連続して形成され、且つ湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面の延長方向における長さが10μm以上50μm以下であり、湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面に直交する方向ですくい面側に曲がる長さが3μm以上15μm以下であり、
    前記突条は、前記すくい面から5μm以上15μm以下で突出し、前記突条の頂点が前記逃げ面を基準にして逃げ面に直交する方向ですくい面側に5μm以上20μm以下の位置にあり、すくい面と平行な方向における突条長さが5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の記録材料切断装置。
  6. 逃げ面とすくい面とを交差させてなる直線状の刃先を有する固定刃と可動刃とからなり、固定刃に対し可動刃を交差させて配置し、可動刃の逃げ面を固定刃の逃げ面に接触させながら可動刃を固定刃に対して変位させて記録材料を切断する記録材料切断装置の製造方法において、
    前記固定刃及び可動刃の一方の刃先の剛性を他方の刃先よりも高くする前処理工程と、
    前記固定刃及び可動刃を使用状態と同じ条件にセットし空運転を行い、前記他方の刃先を一方の刃先の逃げ面から離れる方向に曲げて、前記他方の刃先に湾曲状先端逃げ面とこれに連続する突条とを形成す刃先仕上げ工程とを有することを特徴とする記録材料切断装置の製造方法。
  7. 前記空運転を5〜30回行うことにより、前記湾曲状先端逃げ面と突条とを形成することを特徴とする請求項6記載の記録材料切断装置の製造方法。
  8. 前記湾曲状先端逃げ面は、前記逃げ面に連続して形成され、且つ湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面の延長方向における長さが10μm以上50μm以下であり、湾曲状先端逃げ面の前記逃げ面に直交する方向ですくい面側に曲がる長さが3μm以上15μm以下であり、
    前記突条は、前記すくい面から5μm以上15μm以下で突出し、前記突条の頂点が前記逃げ面を基準にして逃げ面に直交する方向ですくい面側に5μm以上20μm以下の位置にあり、すくい面と平行な方向における突条長さが5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項6または7記載の記録材料切断装置の製造方法。
  9. 前記一方は固定刃であり、前記他方は可動刃であることを特徴とする請求項6ないし8いずれか1項記載の記録材料切断装置の製造方法。
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JP2020138991A (ja) * 2019-02-26 2020-09-03 日本ゼオン株式会社 熱伝導シートおよびその製造方法

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