JP2010147338A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL素子の光透過性基板と光透過性基板との間に光の反射・屈折角を乱れさせる領域を形成した際に良好な発光特性を発揮させる。
【解決手段】発光点と電極間の距離dが下記式で示される。
Figure 2010147338

λ1は発光層のフォトルミネッセンススペクトルの分光放射束とCIE標準視感度との積が極大値を示す波長、nは発光点と電極間の層の波長λ1での屈折率n1、k1は発光点と電極間の電極に接する層の波長λ1での屈折率及び消衰係数n2、k2は電極の波長λ1での屈折率及び消衰係数mは0又は1、mが0の場合は−1.17×norg/nEML+1.94≦a≦−0.16×norg/nEML+2.33mが1の場合は0.28×norg/nEML+0.75≦a≦2.85×norg/nEML−1.23norgは発光層に電極側で接する層の波長λ1での屈折率nEMLは発光層の波長λ1での屈折率。
【選択図】なし

Description

本発明は、照明光源や液晶表示器用バックライト、フラットパネルディスプレイ等に用いることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、詳しくは、適切な光学設計によって、特に有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する光透過性の基板の外面に光の反射・屈折角を乱れさせる領域を設けた際に特に良好な発光特性を発揮する有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
図6は有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の一例を示すものであり、光透過性の基板6の一面側に陽極となる光透過性の電極1、ホール輸送層8、発光層3、電子輸送層9、陰極となる光反射性の電極2が順次形成されたものである。このような有機エレクトロルミネッセンス素子では、電極1,2間に電圧を印加することによって、電子輸送層9を介して発光層3に注入された電子と、ホール輸送層8を介して発光層3に注入されたホールとが、発光層3内で再結合して発光が起こり、発光層3で発光した光は、光透過性の電極1及び光透過性の基板6を通して取り出される。
このような有機エレクトロルミネッセンス素子は、自発光であること、比較的高効率の発光特性を示すこと、各種の色調で発光可能であること等の特徴を有する。この有機エレクトロルミネッセンス素子は、表示装置、例えばフラットパネルディスプレイ等の発光体として、あるいは光源、例えば液晶表示機用バックライトや照明としての活用が期待されており、一部では既に実用化されている。
しかし、有機エレクトロルミネッセンス素子は、光学波長オーダー程度の厚みの薄膜デバイスであり素子膜厚とその発光特性には密接な相関があるために、電気的設計と光学的設計の両者に基づく好適な膜厚設計を両立可能なデバイス構造を設定する必要がある。
一般に有機エレクトロルミネッセンス素子では、発光層3内で発生した光が、発光層3、有機層4や電極内、あるいは基板6内に全反射によって閉じこめられる現象が生じることが知られている。簡易な見積りによると、発光層3で発生した光のうち、発光層3、有機層4又は光透過性の電極1内に閉じこめられる光は約50%、基板6内に閉じこめられる光は約30%となり、従って大気中に出射される光は発光層3内で発生した光の約20%に過ぎないとされている。
また、図7のように基板6の外面に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けることによって基板6内に閉じ込められる光の一部を大気中に取り出し、発光量を増大させることができることが知られている。
更に、図1のように光透過性の電極1と基板6の間に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けることも知られている。この場合、発光層3、有機層4、光透過性の電極1内に閉じこめられた光の一部を大気中に取り出すことができ、前述のように発光層3、有機層4又は光透過性の電極1内に閉じこめられる光が基板6内に閉じ込められる光の量より多いことから、基板6の外面に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けるよりも発光量を増大させることができる。
また、このような有機エレクトロルミネッセンス素子について、大気中に出射される光の量を増大させるための、発光層3における発光点と光反射性の電極2等との距離の設計に関する報告もこれまでにいくつかなされている。例えば、特許文献1には、発光点から光透過性の電極1までの距離を波長の1/4の偶数倍と概ね等しくし、また発光点から光反射性の電極2までの距離を波長の1/4の奇数倍と概ね等しくすることが開示されている。特許文献2には、電極間の距離を光の位相シフトを考慮して設定することが開示されている。特許文献3には、光透過性の電極1から光反射性の電極2までの距離を、光反射性の電極2での光の位相シフトを考慮してある範囲に設定することが開示されている。また、特許文献4および5には、基板6に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子において電極間の距離を所定の値に設定することが開示されている。
これらは有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率がそれを構成する光透過性の膜の膜厚に大きく依存し、特に発光波長に対して例えば(2m+1)/4(mは0以上の整数)倍など、限定された光学膜厚を有する膜が発光点と光反射性の電極2間に設けられている時に良好な効率を示すとされたものである。
しかしながら、特許文献1では、光反射性の電極2における光の位相シフトは考慮されておらず、また特許文献2では対象とするスペクトルの半値幅が50nm以下に限定されている。特許文献3では電極間の距離のみが規定されており、発光点と光反射性の電極2との間の距離に関する規定は特にない。更に特許文献1〜3では、有機エレクトロルミネッセンス素子に用いられる基板やその他の部材に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けない場合の光学設計についてのみしか記述されていない。
一方、特許文献4及び5では、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に関して記述されているが、前記式においてm=0の場合に関する事項のみが記述されており、発光層が二層設けられるなど発光層3と光反射性の電極2との間にある程度の距離が必要とされる場合には対応できない。また特許文献2も同様である。
そこで、本出願人は、図7のように基板6の外面に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合において、任意の発光スペクトルに対して、発光層3と光反射性の電極2との間にある程度の距離が必要とされる場合の、発光点と光反射性の電極2との適切な距離を明らかにした(特願2007−221845参照)。
しかし、前述のように基板6の外面に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けるよりも、光透過性の電極3と基板6の間に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設ける方が、光の取り出し量が多くなる。このような構成を有する有機エレクトロルミネッセンス素子に関しては、任意の発光スペクトルに対して、発光層3と光反射性の電極2との間にある程度の距離が必要とされる場合の発光点と光反射性の電極2との適切な距離の設計方針は、明確になっていなかった。
また、特に最近は、図2のように、発光層3間に例えば透明電極や有機半導体、無機半導体、電子受容性物質と電子供与性物質からなる電荷発生層などの電荷供給層10を配置して、複数の発光層3を厚み方向に積層した構造の有機エレクトロルミネッセンス素子も多く開示されている。この種の有機エレクトロルミネッセンス素子は、高輝度かつ長寿命を実現可能であり、今後の展開が強く期待されるが、それに対する光学設計指針は未だ明確にはなっていない。更にこの種の有機エレクトロルミネッセンス素子に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を、光透過性の電極1と基板6の間に設けることに関して言及のある報告もない。
特開2000−243573号公報 特開2004−165154号公報 特開2006−253015号公報 特開2004−296423号公報 特開2004−296429号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、適切な光学設計によって、特に有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する光透過性の電極と光透過性の基板の間に光の反射・屈折角を乱れさせる領域を形成した際に良好な発光特性を与える有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
第一の発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性の電極と光反射性の電極との間に発光材料を含有する発光層を含む有機発光層が設けられ、前記光透過性の電極の有機発光層とは反対側に光の反射・屈折角を乱れさせる領域と、光透過性の基板とがこの順に積層して設けられている。前記有機発光層に含まれる少なくとも一つの発光層における発光点と光反射性の電極との間の距離dは、下記式(1)で示される距離である。
Figure 2010147338
λ1は発光層のフォトルミネッセンススペクトルの分光放射束とCIE標準視感度との積が極大値を示す波長である。
nは発光層における発光点と光反射性の電極との間に位置する層の波長λ1における屈折率である。
1、k1はそれぞれ発光層における発光点と光反射性の電極との間に位置し、かつ光反射性の電極に接する層の波長λ1における屈折率及び消衰係数である。
2、k2はそれぞれ光反射性の電極の波長λ1における屈折率及び消衰係数である。
mは0又は1である。
aは、mが0の場合に、−1.17×norg/nEML+1.94≦a≦−0.16×norg/nEML+2.33の関係を満たし、mが1の場合に、0.28×norg/nEML+0.75≦a≦2.85×norg/nEML−1.23の関係を満たす数である。
orgは発光層に光反射性の電極側で接する層の波長λ1における屈折率である。
EMLは発光層の波長λ1における屈折率である。
このため、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けることで有機エレクトロルミネッセンス素子からの光の取り出し効率を向上するにあたり、この有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光束を増大させることができる。
第二の発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性の電極と光反射性の電極との間に発光材料を含有する発光層を含む有機発光層が設けられ、前記光透過性の電極の有機発光層とは反対側に光の反射・屈折角を乱れさせる領域と、光透過性の基板とがこの順に積層して設けられている。前記有機発光層に含まれる少なくとも一つの発光層における発光点と光反射性の電極との間の距離dが、下記式(2)で示される距離である。
Figure 2010147338
λは発光層のフォトルミネッセンススペクトルの分光放射束を各波長におけるフォトンエネルギーで除した商が極大値を示す波長である。
nは発光層における発光点と光反射性の電極との間に位置する層の、波長λにおける屈折率である。
1、k1は、それぞれ発光層における発光点と光反射性の電極との間に位置し、且つ光反射性の電極に接する層の、波長λにおける屈折率及び消衰係数である。
2、k2は、それぞれ光反射性の電極の、波長λにおける屈折率及び消衰係数である。
mは0又は1である。
aは、mが0の場合に、−1.17×norg/nEML+1.94≦a≦−0.16×norg/nEML+2.33を満たし、mが1の場合に、0.28×norg/nEML+ 0.75≦a≦2.85×norg/nEML−1.23の関係を満たす数である。
orgは、発光層に光反射性の電極側で接する層の、波長λにおける屈折率である。
EMLは、発光層の波長λにおける屈折率である。
このため、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けることで有機エレクトロルミネッセンス素子からの光の取り出し効率を向上するにあたり、この有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光子数を増大させることができる。
第三の発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性の電極と光反射性の電極との間に発光材料を含有する二層の発光層を含む有機発光層を設けると共に前記光透過性の電極の有機発光層とは反対側に光の反射・屈折角を乱れさせる領域と、光透過性の基板とがこの順に積層して設けられている。前記有機発光層に含まれる二層の各発光層における発光点と光反射性の電極との間の距離は、第一の発明における上記式(1)と第二の発明における上記式(2)のうちのいずれかで示される距離である。
このため、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けることで有機エレクトロルミネッセンス素子からの光の取り出し効率を向上するにあたり、この有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光束又は光子数を特に増大させることができる。
本発明によれば、光透過性の電極と光透過性の基板の間に光の反射・屈折角を乱れさせる領域を形成した際の有機エレクトロルミネッセンス素子からの光の取り出し効率を、適切な光学設計によって向上することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1に有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の一例を示す。この有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性の基板6の一面側に、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7、光透過性の電極1、有機発光層5、光反射性の電極2が、この順に順次積層成形されている。前記有機発光層5は、発光材料を含む発光層3に必要に応じて電子注入層、電子輸送層9、ホールブロック層、ホール注入層、ホール輸送層8等、適宜の有機層4を積層して構成される。図示の例では、光反射性の電極2と発光層3との間に電子輸送層9を介在させ、光透過性の電極1と発光層3との間にホール輸送層8を介在させている。また、発光層3としては、複数の発光層3が積層しているものであっても良い。
また、図2には、二層の発光層3を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示している。図示の例では、光透過性の基板6の一面側に、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7、光透過性の電極1、第一の有機発光層5、電荷供給層10、第二の有機発光層5、光反射性の電極2が、この順に順次積層成形されている。各有機発光層5は上記と同様に発光材料を含む発光層3に必要に応じて電子注入層、電子輸送層9、ホールブロック層、ホール注入層、ホール輸送層8等、適宜の有機層4を積層して構成される。図示の例では、光反射性の電極2側に電子輸送層9を、光透過性の電極1側にホール輸送層8をそれぞれ設けている。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子は、更に複数の発光層3を有していても良い。この場合は光透過性の電極1と光反射性の電極2との間に複数の電荷供給層10を設けると共に、光透過性の電極1と電荷供給層10との間、各電荷供給層10同士の間、並びに電荷供給層10と光反射性の電極2との間にそれぞれ有機発光層5を介在させて、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成することができる。また、一つの有機発光層5において複数の発光層3を積層して設けても良い。発光層3を複数設ける場合には、その積層数は特に制限されないが、層数が増大すると光学的及び電気的な素子設計の難易度が増大するので、五層以内とすることが好ましく、特に好ましくは三層以内である。
このような有機エレクトロルミネッセンス素子において、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7としては、全反射角以上の角度にある光の伝送角が効率良く全反射角以下の伝送角に乱され、素子内部の導波光をより多く外部に出射できるように形成されたものであれば、特に制限されず、従来提案されているものがそのまま適用される。このような領域7は、例えば表面が凹凸形状を有する層、光反射性の界面を含有する層、屈折率の異なる媒体が接触する界面を含有する層等で形成される。光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を形成する方法としては、粒子や空隙を含む層、複数の材料が混合されて形成されている層などを基板6上に形成したり、基板6そのものの表面に凹凸形状を形成したりなど、本発明の趣旨に反しない限り任意の方法が活用しうる。例えば、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂等の透明なバインダー樹脂と、このバインダー樹脂中に分散分布すると共にこの透明材料中とは異なる屈折率を有するシリカ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、プラスチック粒子、液晶粒子等の粒子や気泡などで構成される散乱粒子層で、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を形成することができる。また、この散乱粒子層に積層して、イミド系樹脂等の透明樹脂にて平坦化層を形成することで、散乱粒子層と平坦化層とで構成される領域7を形成してもよい。平坦化層を形成するための透明樹脂には、必要に応じて散乱粒子層中の粒子よりも粒径の小さい微細粒子が混入されていてもよい。前記平坦化層は、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7に積層して光透過性の電極1が形成される場合に、前記領域7を平滑化することで、光透過性の電極1を平滑に形成するために設けられる。平坦化層を構成する材料は、光透過性の電極1と同等の屈折率を有することが好ましい。ここで、同等とは屈折率差が±0.1の範囲内であることを意味する。
この光の反射・屈折角を乱れさせる領域7の光透過率は、少なくとも50%以上であることが好ましく、光透過率が80%以上であれば更に好ましい。この領域7による光の指向性の変更度合いも特に限定はしないが、当該領域7に入射した光が全反射されずに当該領域7を通過するような設計がなされていることが好ましい。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する他の部材である、積層された素子を保持する光透過性の基板6や陽極、陰極、発光層3、電子輸送層9、電荷供給層10などには、従来から使用されているものをそのまま使用することができる。
光透過性の基板6は、例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス板や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ等の樹脂、フッ素系樹脂等から任意の方法によって作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板などを用いることができる。
陽極は、発光層3にホールを注入するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、特に仕事関数が4eV以上のものを用いるのがよい。このような陽極の材料としては、例えば、金などの金属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、SnO2、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)等、PEDOT、ポリアニリン等の導電性高分子及び任意のアクセプタ等でドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料を挙げることができる。陽極は、例えば、これらの電極材料を、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7の表面に真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等の方法により薄膜に形成することによって作製することができる。
また、陽極が光透過性の電極1である場合は、この陽極の光透過率が70%以上となるようにすることが好ましい。
また、陽極のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下とするものである。ここで、陽極の膜厚は、陽極の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、500nm以下、好ましくは10〜200nmの範囲に設定するのがよい。
また上記陰極は、発光層3に電子を注入するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下のものであることが特に好ましい。このような陰極の電極材料としては、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属等、およびこれらと他の金属との合金、例えばナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/LiF混合物を例として挙げることができる。またアルミニウム、Al/Al23混合物なども使用可能である。更に、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、あるいは金属酸化物を陰極の下地として用い、更に金属等の導電材料を1層以上積層して用いてもよい。例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカリ金属のハロゲン化物/アルカリ土類金属/Alの積層、アルカリ金属の酸化物/Alの積層などが例として挙げられる。又は透明電極と光反射性の層との組み合わせによって光反射性の電極2を構成しても良い。また、陰極を光透過性の電極1として形成する場合には、ITO、IZOなどに代表される透明電極にて形成しても良く、この場合には、陰極が基板6上に形成される。また陰極の界面の有機物層にリチウム、ナトリウム、セシウム、カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属をドープしても良い。
また上記陰極は、例えば、これらの電極材料を真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜に形成することによって作製することができる。陰極が光反射性の電極2である場合には光透過率が10%以下となるようにすることが好ましい。また陰極が光透過性の電極1である場合には、陰極の光透過率を70%以上にすることが好ましい。この場合の陰極の膜厚は、陰極の光透過率等の特性を制御するために、材料により異なるが、通常500nm以下、好ましくは100〜200nmの範囲とするのがよい。
また、電子輸送層9を形成するために用いる材料は、電子輸送性を有する化合物の群から適宜選定することができる。この種の化合物としては、Alq3等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体等のヘテロ環を有する化合物などが挙げられるが、この限りではなく、一般に知られる任意の電子輸送材料を用いることが可能である。特に電荷輸送性の高いものを用いることが好ましい。
また、ホール輸送層8に用いる材料は、例えばホール輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNBなどを代表例とする、トリアリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物などを挙げることができるが、一般に知られる任意のホール輸送材料を用いることが可能である。
また、発光層3に使用できる材料としては、有機エレクトロルミネッセンス素子用の材料として知られる任意の材料が使用可能である。例えばアントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体及び各種蛍光色素等、前述の材料系およびその誘導体を始めとするものが挙げられるが、これらに限定するものではない。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いることも好ましい。また、前記化合物に代表される蛍光発光を生じる化合物のみならず、スピン多重項からの発光を示す材料系、例えば燐光発光を生じる燐光発光材料、およびそれらからなる部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。また、これらの材料からなる有機層4は、蒸着、転写等乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等、湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
また、電荷供給層10としては、例えばAg、Au、Al等の金属薄膜、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化レニウム、酸化タングステン等の金属酸化物、ITO、IZO、AZO、GZO、ATO、SnO2等の透明導電膜、いわゆるn型半導体とp型半導体の積層体、金属薄膜もしくは透明導電膜とn型半導体及び/又はp型半導体との積層体、n型半導体とp型半導体の混合物、n型半導体及び/又はp型半導体と金属との混合物、などを挙げることができる。n型半導体やp型半導体としては、無機材料であっても、有機材料であってもよく、あるいは有機材料と金属との混合物や、有機材料と金属酸化物や、有機材料と有機系アクセプタ/ドナー材料や、無機系アクセプタ/ドナー材料等の組合わせによって得られるものであってもよく、特に制限されることなく必要に応じて選定して使用することができる。
このような光透過性の電極1と光反射性の電極2との間に発光材料を含有する発光層3を含む有機発光層5が設けられ、前記光透過性の電極1の有機発光層5とは反対側に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7と、光透過性の基板6とがこの順に積層して設けられている有機エレクトロルミネッセンス素子において、本発明ではこの有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光束又は光子数を増大させるものである。
まず有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光束の増大化について説明する。有機エレクトロルミネッセンス素子において、有機発光層5に含まれる少なくとも一つの発光層3の発光点と、光反射性の電極2との距離dが、下記式(1)で示される距離であるようにすることで、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7が設けられている有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光束を増大させることができる。
ここで、上記の発光点とは、発光層3の中で最も発光強度が高い膜厚方向の位置である。発光点の位置を直接実験的に求めることは困難であるが、例えば発光スペクトルの膜厚依存性から定法に基づく光学計算によって見積もるか、或いは発光層3やホール輸送層8、電子輸送層9等の有機層4のキャリア移動度及びエネルギー順位から経験的に決定することが可能である。また、発光部位は発光層3内で膜厚方向に分布していることもあるが、その場合には最も発光強度が高いと考えられる部位を代表点として近似して発光点とみなすことができる。
Figure 2010147338
式(1)中のλ1は、発光層3のフォトルミネッセンススペクトルの分光放射束とCIE標準比視感度との積が極大値を示す波長である。すなわち式(1)では、有機エレクトロルミネッセンス素子を発光させた場合の光束に最も影響を与える波長を基準にして、この有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光の光束が増大する条件を導出するものである。
また、式(1)中のφは、発光層3における発光点と光反射性の電極2との間に位置し、且つ光反射性の電極2に接する層と、光反射性の電極2との間で光が反射する場合に生じる位相シフトであり、下記式で表される。
Figure 2010147338
ここで、n1、k1は、それぞれ発光層3における発光点と光反射性の電極2との間に位置し、且つ光反射性の電極2に接する層の、波長λ1における屈折率及び消衰係数である。また、n2、k2は、それぞれ光反射性の電極2の、波長λ1における屈折率及び消衰係数である。
また、式(1)中のnは上記波長λ1における、発光点から光反射性の電極2の間に位置する膜の屈折率であり、ndは波長λ1における発光点から光反射性の電極2までの光学的距離である。このとき、発光点から光反射性の電極2の間に位置する膜が複数層からなる場合には、各層の厚みと屈折率を用いて次の式に基づいた計算を行うことができる。
nd=n×d+n×d+…
このとき、n、n…は発光点から光反射性の電極2の間に位置する層のそれぞれの屈折率を、d、d…はこれらの層のそれぞれの厚みを意味する。複数のd、d…の値の組み合わせは、上記式(1)を満たすように適宜選択して決定される。
また、式(1)中のmは0又は1であり、更にaはmが0の場合に−1.17×norg/nEML+1.94≦a≦−0.16×norg/nEML+2.33の関係を満たし、mが1の場合に0.28×norg/nEML+0.75≦a≦2.85×norg/nEML−1.23の関係を満たす数である。norgは、発光層3に光反射性の電極2側で接する層の、波長λ1における屈折率であり、またnEMLは、発光層3の波長λ1における屈折率である。このaの範囲は、光束の値が極大値又はその近傍の値をとるための条件を、実測値に基づく解析により導出したものである。
ここで、発光層3のフォトルミネッセンススペクトルは、例えば発光層3と同一の混合比で成膜されたホストとドーパントからなる薄膜を基板6に形成し、紫外線を照射した際に発生する光を積分球を用いて測定することで得ることができる。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する材料の屈折率、消衰係数としては、例えば垂直入射式反射・屈折率計やエリプソメーターによって、その波長依存性を含めて計測されたものを用いることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の膜厚を式(1)で表される値に設定する手法としては、主として発光層3、ホールブロック層、電子輸送層9、電子注入層など、発光層3と光反射性の電極2との間に位置する層の膜厚および屈折率を調整することが挙げられる。また、複数の発光層3が電荷供給層10を介して素子内に設けられる場合には、光反射性の電極2に最も近い発光層3以外については、当該発光層3よりも光反射性の電極2側に位置する発光層3に近接するホール輸送層8、ホール注入層などや電荷供給層10の膜厚あるいは屈折率を調整することで、有機エレクトロルミネッセンス素子の膜厚を設定することも好ましい。これらの調整によって有機エレクトロルミネッセンス素子の膜厚を所定の膜厚に設定する場合に、素子内での電気的なバランスが崩れる場合があるが、例えばホール注入層とホール輸送層8の膜厚比の変更、電子輸送層9と電子注入層の膜厚比の変更、各層を構成する材料の変更、電荷輸送性を調整する材料の各層への添加など、任意の方法によって素子内での電気的なバランスを調整することが可能である。
尚、基板6上に光透過性の電極1として陰極を形成し、陽極を光反射性の電極2として構成した逆積層の構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の場合には、発光層3と光反射性の電極2との間に位置する層がホール輸送層8となり、膜厚を調整するための層は主としてこのホール輸送層8となるが、本発明の趣旨に反するものでない限り任意の部位での膜厚調整が可能である。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子における一つの有機発光層5中に複数の発光層3を設ける場合には、少なくとも一つの発光層3について上記式(1)の関係を満たしていれば、有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光の量を増大させることができる。
また、特に二つの発光層3を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、二つの発光層3それぞれにつき、上記式(1)の関係を満たすものであれば、有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光束を著しく増大させることができる。このとき、二つの発光層3のうち、フォトルミネッセンススペクトルの分光放射束とCIE標準比視感度との積が極大値を示す波長がより小さいものを、光反射性の電極2に近い側に位置させることで、二つの発光層3が共に式(1)の関係を満たすように設計しやすくなる。
次に、有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光子数の増大化について説明する。有機エレクトロルミネッセンス素子において、有機発光層5に含まれる少なくとも一つの発光層3の発光点と、光反射性の電極2との距離dが、下記式(2)で示される距離であるようにすることで、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7が設けられている有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光子数を増大させることができる。
Figure 2010147338
式(2)中のλ2は、発光層3のフォトルミネッセンススペクトルの分光放射束を各波長におけるフォトンエネルギーで除した商が極大値を示す波長である。すなわち式(2)では、有機エレクトロルミネッセンス素子を発光させた場合の光子数に最も影響を与える波長を基準にして、この有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光の光子数が増大する条件を導出するものである。
また、式(2)中のφは、発光層3における発光点と光反射性の電極2との間に位置し、且つ光反射性の電極2に接する層と、光反射性の電極2との間で光が反射する場合に生じる位相シフトであり、下記式で表される。
Figure 2010147338
ここで、n1、k1は、それぞれ発光層3における発光点と光反射性の電極2との間に位置し、且つ光反射性の電極2に接する層の、波長λ2における屈折率及び消衰係数である。また、n2、k2は、それぞれ光反射性の電極2の、波長λ2における屈折率及び消衰係数である。
また、式(2)中のnは上記波長λ2における、発光点から光反射性の電極2の間に位置する膜の屈折率であり、ndは波長λ2における発光点から光反射性の電極2までの光学的距離である。このとき、発光点から光反射性の電極2の間に位置する膜が複数層からなる場合には、各層の厚みと屈折率を用いて次の式に基づいた計算を行うことができる。
nd=n×d+n×d+…
このとき、n、n…は発光点から光反射性の電極2の間に位置する層のそれぞれの屈折率を、d、d…はこれらの層のそれぞれの厚みを意味する。複数のd、d…の値の組み合わせは、上記式(2)を満たすように適宜選択して決定される。
また、式(2)中のmは0又は1であり、更にaはmが0の場合に−1.17×norg/nEML+1.94≦a≦−0.16×norg/nEML+2.33の関係を満たし、mが1の場合に0.28×norg/nEML+0.75≦a≦2.85×norg/nEML−1.23の関係を満たす数である。norgは、発光層3に光反射性の電極2側で接する層の、波長λ2における屈折率であり、またnEMLは、発光層3の波長λ2における屈折率である。このaの範囲は、光子数の値が極大値又はその近傍の値をとるための条件を、実測値に基づく解析により導出したものである。
ここで、既述と同様に、発光層3のフォトルミネッセンススペクトルは、例えば発光層3と同一の混合比で成膜されたホストとドーパントからなる薄膜を基板6に形成し、紫外線を照射した際に発生する光を積分球を用いて測定することで得ることができる。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する材料の屈折率、消衰係数は、例えば垂直入射式反射・屈折率計やエリプソメーターによって、その波長依存性を含めて計測されたものを用いることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の膜厚を式(2)で表される値に設定する手法としては、主として発光層3、ホールブロック層、電子輸送層9、電子注入層など、発光層3と光反射性の電極2との間に位置する層の膜厚および屈折率を調整することが挙げられる。また、複数の発光層3が電荷供給層10を介して素子内に設けられる場合には、光反射性の電極2に最も近い発光層3以外については、当該発光層3よりも光反射性の電極2側に位置する発光層3に近接するホール輸送層8、ホール注入層などや電荷供給層10の膜厚あるいは屈折率を調整することで、有機エレクトロルミネッセンス素子の膜厚を設定することも好ましい。これらの調整によって有機エレクトロルミネッセンス素子の膜厚を所定の膜厚に設定する場合に、素子内での電気的なバランスが崩れる場合があるが、例えばホール注入層とホール輸送層8の膜厚比の変更、電子輸送層9と電子注入層の膜厚比の変更、各層を構成する材料の変更、電荷輸送性を調整する材料の各層への添加など、任意の方法によって素子内での電気的なバランスを調整することが可能である。
尚、基板6上に光透過性の電極1として陰極を形成し、陽極を光反射性の電極2として構成した逆積層の構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の場合には、発光層3と光反射性の電極2との間に位置する層がホール輸送層8となり、膜厚を調整するための層は主としてこのホール輸送層8となるが、本発明の趣旨に反するものでない限り任意の部位での膜厚調整が可能である。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子における一つの有機発光層5中に複数の発光層3を設ける場合には、少なくとも一つの発光層3について上記式(2)の関係を満たしていれば、有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光の量を増大させることができる。
また、特に二つの発光層3を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、二つの発光層3それぞれにつき、上記式(2)の関係を満たすものであれば、有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光子数を著しく増大させることができる。このとき、二つの発光層3のうち、フォトルミネッセンススペクトルの分光放射束を各波長におけるフォトンエネルギーで除した商が極大値を示す波長がより小さいものを、光反射性の電極2に近い側に位置させることで、二つの発光層3が共に式(2)の関係を満たすように設計しやすくなる。
このようにして出射される光束或いは光子数を増大させるように形成された有機エレクトロルミネッセンス素子では、この有機エレクトロルミネッセンス素子の正面方向に出射される光の輝度を高めるのではなく、有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光の総量を高めることが可能であり、光量を要求される用途、例えば光源、バックライト、照明などに用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子に特に好適である。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層3から光透過性の電極1内と基板6内に導入される光の総量(光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けていない場合に、光透過性の電極1内に閉じ込められる光と、基板6内に閉じ込められる光と、基板6を透過して外部に取り出すことができる光との総量)が高められているため、光透過性の電極1の有機発光層5とは反対側に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7、及び光透過性の基板6をこの順に積層した場合に非常に高い光取り出し効率を実現することが可能である。

尚、前記のように有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層3から光透過性の電極1内と基板6内に導入される光の総量が高められているため、光透過性の電極1の有機発光層5とは反対側に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7、及び光透過性の基板6をこの順に積層し、かつ光透過性の基板6の外面側に更に別の光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設ける場合や、光透過性の基板6の外面側にのみ光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設ける場合であっても、非常に高い光取出し効率を実現することが可能である。
またこのような有機エレクトロルミネッセンス素では、発光層3と光反射性の電極2の間の距離が小さくなり過ぎないような範囲において光量を増大させることが可能であるため、例えば膜厚が薄くなることによるショート発生の問題を考慮する場合に好適に採用することができる。また、本発明の趣旨に反しない範囲で、更に例えば光透過性の電極1上に形成されるホール輸送層の厚みを増大させたり、或いは異物のカバー率が高いことで知られる塗布型ホール注入層を用いたりすることで、より信頼性を高めることができる。
以上のようにして、基板6に光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子について、高い光取り出し効率を実現し、高効率の有機エレクトロルミネッセンス素子を実現することが可能である。
以下、本発明の具体的な実施例を示す。但し、本発明は下記の実施例の構成に限定されるものではない。
(実施例1)
光の反射・屈折角を乱れさせる領域7が設けられた光透過性基板6を、次のようにして作製した。まず、テトラエトキシシラン86.8gにイソプロピルアルコール803.5gを加え、更にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン34.7g及び0.1N−硝酸75gを加え、ディスパーを用いてよく混合することによって溶液を得た。得られた溶液を40℃恒温槽中で2時間攪拌し、バインダー形成材料として重量平均分子量が1050のシリコーンレジン5質量%溶液を得た。
このシリコーンレジン溶液に、メチルシリコーン粒子(平均粒子径2μm、GE東芝シリコーン製、「トスパール120」)をメチルシリコーン粒子/シリコーンレジン(縮合化合物換算)の固形分質量基準で80/20となるように添加して、ホモジナイザーで分散させ、メチルシリコーン粒子分散シリコーンレジン溶液を得た。尚、「縮合化合物換算」とは、シリコーンレジンが完全に加水分解縮重合した場合の、このシリコーンレジンの質量をいい、テトラアルコキシシランの場合はレジン中のSiをSiO2として換算した質量、トリアルコキシシランの場合はレジン中のSiをSiO1.5として換算した質量である。
基板6として厚み0.7mmの無アルカリガラス板(No.1737、コーニング社製)を用い、この基板6の表面に上記メチルシリコーン粒子分散シリコーンレジン溶液をスピンコーターによって1000rpmの条件で塗布した後、乾燥した。この塗布・乾燥を6回繰り返した後に、形成された塗膜を200℃で30分間焼成することによって熱処理し、散乱粒子層を形成した。
次に、上記散乱粒子層の表面に、イミド系樹脂(OPTMATE社製、「HRI1783」、屈折率1.78、濃度18質量%)をスピンコーターによって2000rpmの条件で塗布した後、乾燥して塗膜を形成し、塗膜を200℃で30分間焼成することによって熱処理することで、厚み4μmの平坦化層を形成した。これにより、基材6の表面に、散乱粒子層と平坦化層で構成される領域7を形成した。
次にITO(スズドープ酸化インジウム)からなるターゲット(東ソー製)を使用して、上記領域7の表面にスパッタリングにより厚み150nmのITO膜を形成し、このITO膜をAr雰囲気下200℃で1時間加熱することによりアニール処理を施した。処理後の、ITO膜のシート抵抗は18Ω/□であった。
このITO膜にエッチング処理を施すことで、ITO膜の残部からなる図3に示す寸法の陽極(光透過性の電極1)を形成すると共に、基板6を領域7ごと図3に示す寸法となるように切断した。この基板6、領域7及び電極1の積層物を純水、アセトン、イソプロピルアルコールで順次各10分間超音波洗浄した後、イソプロピルアルコール蒸気で2分間蒸気洗浄し、乾燥した後、更に10分間UVオゾン洗浄した。
続いて上記積層物を真空蒸着装置にセットし、図4の寸法の開口部42を設けたマスク43を用いて、5×10-5Paの減圧下、4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)を電極1の上に厚み40nmとなるように蒸着して、ホール輸送層8を形成した。次いでホール輸送層8の上に、ルブレンが6質量%ドープされたAlq3からなる厚み30nmの発光層3を形成した。更に電子輸送層9として下記[化1]に示されるTpPyPhBを厚み65nmに成膜した。
Figure 2010147338
次に、上記マスク43を、開口45を有する図5に示す寸法のマスク44に交換してから、電子注入層としてLiFを厚み1nm、陰極(光反射性の電極2)としてAlを厚み80nmに成膜して、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例1)
電子輸送層9の厚みを155nmとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例2)
電子輸送層9の厚みを235nmとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例3)
電子輸送層9の厚みを350nmとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例2)
電子輸送層9の厚みを435nmとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例4)
実施例1と同じ条件で、基板6上に領域7、電極1、ホール輸送層8、発光層3(第一の発光層3)を順次形成した。次に、電子輸送層9としてTpPyPhBを厚み50nmに成膜した。次いで電荷供給層10として、下記[化2]に示すTmPyPhBにLiをモル比1:0.3でドープした層を厚み10nmに形成すると共に酸化モリブデン層を厚み10nmに形成した。更にホール輸送層8としてα−NPDを厚み110nm、第二の発光層3として下記[化3]に示すTBADNに下記[化4]に示すTBPをドープした層を厚み30nmに、電子輸送層9として、TpPyPhBを厚み50nmに成膜し、更に電子注入層としてLiFを厚み1nm、陰極としてAlを厚み80nmに成膜して、二つの発光層3を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
Figure 2010147338
Figure 2010147338
Figure 2010147338
(比較例3)
実施例4と同じ条件で、基板6上に領域7、電極1、ホール輸送層8、発光層3、電子輸送層9、電荷供給層10、酸化モリブデン層を、順次形成した。次にホール輸送層8としてα−NPDを厚み200nm成膜した。次に、実施例4と同じ条件で第二の発光層3を形成した後、電子輸送層9としてTpPyPhBを厚み150nmに成膜した。更に実施例4と同じ条件で電子注入層及び陰極を形成して、二つの発光層3を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例5)
電子輸送層9としてTmPyPhBを厚み70nmに成膜したこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例4)
電子輸送層9としてTmPyPhBを厚み170nmに成膜したこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例6)
電子輸送層9としてTmPyPhBを厚み230nmに成膜したこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例5)
電子輸送層9としてTmPyPhBを厚み345nmに成膜したこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例7)
電子輸送層9としてDPBを厚み85nmに成膜したこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例6)
電子輸送層9としてDPBを厚み185nmに成膜したこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例8)
電子輸送層9としてDPBを厚み275nmに成膜したこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例7)
電子輸送層9としてDPBを厚み380nmに成膜したこと以外は、実施例1と同じ条件で有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(発光層3の発光材料のフォトルミネッセンススペクトル)
(1)ルブレン
ホストとして用いるAlq3に発光ドーパントとして用いるルブレンを6質量%ドープした共蒸着膜をガラス基板上に蒸着し、フォトルミネッセンススペクトルを計測した結果、その極大値をとる波長は559nmであった。
また、分光放射束とCIE標準比視感度との積が極大値を示す波長λ1は559nm、分光放射束を各波長におけるフォトンエネルギーで除した商が極大値を示す波長λ2は561nmであった。
(2)TBP
ホストとして用いるTBADNに発光ドーパントとして用いるTBPを4質量%ドープした共蒸着膜をガラス基板上に蒸着し、ルブレンの場合と同様にフォトルミネッセンススペクトルを測定したところ、極大値をとる波長λ1は462nm、分光放射束とCIE標準比視感度との積が極大値を示す波長は504nm、分光放射束を各波長におけるフォトンエネルギーで除した商が極大値を示す波長λ2は464nmであった。
(材料の屈折率、消衰係数及び位相シフト)
各実施例、比較例で有機エレクトロルミネッセンス素子を作製するのに用いた材料に関し、ルブレン、TBPの上記波長λ1、λ2ごとの、屈折率、消衰係数などを下表にまとめる。ここで、ルブレンの上記波長λ1、λ2については表1に、TBPの上記波長λ1、λ2については表2に示している。
このとき、電子輸送材料である下記TpPyPhBについては各波長における屈折率nと消衰係数kの値を、他の材料(α−NPD、Alq3、TBADN、MoO3)については屈折率nの値を示した。なお、Alq3にはドーパントとしてルブレンを、TBADNにはドーパントとしてTBPをそれぞれ6質量%、4質量%混合したが、混合量が少ないため、各層の光学特性はそれぞれAlq3、TBADN単独層の値を用いた。また電荷供給層として用いたTpPyPhBにLiをドープした層の屈折率はTpPyPhB単独と同等とした。
Figure 2010147338
Figure 2010147338
(評価試験)
各実施例および比較例にて得られた有機エレクトロルミネッセンス素子において、電極間に電流密度が10mA/cm2となるように電流を流し、出射光を積分球によって計測した。
この計測結果に基づいて光束の電流効率(単位:lm/A)を算出した結果を表3に示す。また、表3には、各有機エレクトロルミネッセンス素子における発光点と光反射性の電極2との間の光学距離nd、波長λ1、波長λ1における位相シフトφ、この光学距離ndと位相シフトφとに基づいて上記式(1)から導かれる値a、並びに式(1)を満たすためのaの範囲も、併せて示す。尚、前記光学距離ndについては、本実施例及び比較例においては、発光層3のホール輸送層8と接する部位を発光点とみなせるので、発光層3の屈折率とその膜厚の積と、電子輸送層9の屈折率とその膜厚の積との和で表している。
Figure 2010147338
また、上記計測結果に基づいて、光子数に比例する出射光の量子効率を導出した結果を表4に示す。また、表4には、各有機エレクトロルミネッセンス素子における発光点と光反射性の電極2との間の光学距離nd、波長λ2、波長λ2における位相シフトφ、この光学距離ndと位相シフトφとに基づいて上記式(2)から導かれる値a、並びに式(2)を満たすためのaの範囲も、併せて示した。尚、前記光学距離ndについては、本実施例及び比較例においては、発光層3のホール輸送層8と接する部位が発光点とみなすことができるので、発光層3の屈折率とその膜厚の積と、電子輸送層9の屈折率とその膜厚の積との和で表している。
Figure 2010147338
有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の一例を示す概略の断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の他例を示す概略の断面図である。 実施例で用いたエッチング後のITO付きガラス基板を示す平面図である。 実施例で用いたホール輸送層、発光層及び電子輸送層を形成するためのマスクを示す平面図である。 実施例で用いた電子注入層及び光反射性の電極を形成するためのマスクを示す平面図である。 従来技術の一例を示す概略の断面図である。 従来技術の他例を示す概略の断面図である。
符号の説明
1 光透過性の電極
2 光反射性の電極
3 発光層
5 有機発光層
6 基板
7 光の反射・屈折角を乱れさせる領域

Claims (3)

  1. 光透過性の電極と光反射性の電極との間に発光材料を含有する発光層を含む有機発光層が設けられ、前記光透過性の電極の有機発光層とは反対側に光の反射・屈折角を乱れさせる領域と、光透過性の基板とがこの順に積層して設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記有機発光層に含まれる少なくとも一つの発光層における発光点と光反射性の電極との間の距離dが、下記式(1)で示される距離であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010147338
    λ1は発光層のフォトルミネッセンススペクトルの分光放射束とCIE標準視感度との積が極大値を示す波長である。
    nは発光層における発光点と光反射性の電極との間に位置する層の波長λ1における屈折率である。
    1、k1はそれぞれ発光層における発光点と光反射性の電極との間に位置し、かつ光反射性の電極に接する層の波長λ1における屈折率及び消衰係数である。
    2、k2はそれぞれ光反射性の電極の波長λ1における屈折率及び消衰係数である。
    mは0又は1である。
    aは、mが0の場合に、−1.17×norg/nEML+1.94≦a≦−0.16×norg/nEML+2.33の関係を満たし、mが1の場合に、0.28×norg/nEML+0.75≦a≦2.85×norg/nEML−1.23の関係を満たす数である。
    orgは発光層に光反射性の電極側で接する層の波長λ1における屈折率である。
    EMLは発光層の波長λ1における屈折率である。
  2. 光透過性の電極と光反射性の電極との間に発光材料を含有する発光層を含む有機発光層が設けられ、前記光透過性の電極の有機発光層とは反対側に光の反射・屈折角を乱れさせる領域と、光透過性の基板とがこの順に積層して設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記有機発光層に含まれる少なくとも一つの発光層における発光点と光反射性の電極との間の距離dが、下記式(2)で示される距離であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010147338
    λは発光層のフォトルミネッセンススペクトルの分光放射束を各波長におけるフォトンエネルギーで除した商が極大値を示す波長である。
    nは発光層における発光点と光反射性の電極との間に位置する層の、波長λにおける屈折率である。
    1、k1は、それぞれ発光層における発光点と光反射性の電極との間に位置し、且つ光反射性の電極に接する層の、波長λにおける屈折率及び消衰係数である。
    2、k2は、それぞれ光反射性の電極の、波長λにおける屈折率及び消衰係数である。
    mは0又は1である。
    aは、mが0の場合に、−1.17×norg/nEML+1.94≦a≦−0.16×norg/nEML+2.33を満たし、mが1の場合に、0.28×norg/nEML+ 0.75≦a≦2.85×norg/nEML−1.23の関係を満たす数である。
    orgは、発光層に光反射性の電極側で接する層の、波長λにおける屈折率である。
    EMLは、発光層の波長λにおける屈折率である。
  3. 光透過性の電極と光反射性の電極との間に発光材料を含有する二層の発光層を含む有機発光層を設けると共に前記光透過性の電極の有機発光層とは反対側に光の反射・屈折角を乱れさせる領域と、光透過性の基板とがこの順に積層して設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記有機発光層に含まれる二層の各発光層における発光点と光反射性の電極との間の距離が、請求項1における上記式(1)と請求項2における上記式(2)のうちのいずれかで示される距離であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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