JP2011048999A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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正人 山名
Masahiro Nakamura
将啓 中村
Takeyuki Yamaki
健之 山木
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裕城 矢部
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Abstract

【課題】有機エレクトロルミネッセンス素子において、光取り出し効率を向上する
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子1は、基板2、陽極3、発光層41を含む有機層4、及び陰極5をこの順に積層して成る。陽極3の屈折率が、基板2の屈折率以上であり、かつ2.0以下となるように陽極材料を選定した。これにより、基板2と陽極3間の屈折率差が少なくなり、陽極3から基板2への光取り出し量、及び基板2から大気9への光取り出し量が増加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率の向上に関する。
従来から面状の発光素子として、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)が知られている。図3に示されるように、一般的に有機EL素子100は、基板102上に陽極103、ホール輸送層142及び発光層141とから成る有機層104、陰極105がこの順に積層されている。
基板102は、優れた透明性、強度、低コスト、ガスバリア層としてのバリア性、耐薬品性、耐熱性等の観点からガラスが用いられる。基板102に用いられるガラスは、ソーダライムガラス等であり、屈折率が1.52程度である。
陽極103は、酸化インジウムに酸化錫をドープした酸化インジウム錫(ITO)や、酸化インジウム亜鉛(IZO)が、その優れた透明性と電気伝導性から広く用いられている。ITOやIZOの屈折率は、その組成、成膜方法、結晶構造等により異なるが、ITOの屈折率はおよそ1.7〜2.3、IZOの屈折率はおよそ1.9〜2.4であり、高い屈折率を有する。
また、有機層104に用いられる発光材料、電子輸送性材料、ホール輸送性材料等は、一般的なベンゼン環をその分子構造内に多く含んだπ共役結合系の材料である。π共役結合系の材料の屈折率は、およそ1.6〜2.0程度のものが多く、一般的な有機材料と比べて屈折率が高い。
従って、有機EL素子100において、各層を構成する媒質の屈折率の大小関係は、大気9<基板102<有機層104<陽極103となる。屈折率の高い媒質から屈折率の低い媒質に光が伝搬する場合、スネルの法則により両媒質の屈折率から決定される臨界角が存在する。光は、両媒質の界面に臨界角以上の入射角で入射すると、その界面で全反射される。すなわち、矢印L1で示されるように、発光層141の発光源143から出射され、基板102と大気9との界面に臨界角θaよりも小さい入射角で入射した光は、大気9に取り出される。矢印L2で示されるように、基板102と大気9との界面に臨界角θa以上の入射角で入射した光は、界面で全反射される。矢印L3で示されるように、陽極103と基板102との界面に臨界角θb以上の入射角で入射した光は、界面で全反射される。全反射された光は、屈折率の高い層内に閉じ込められ、導波光として失われる。有機EL素子100は、このような界面での全反射によって、陽極103から基板102への光取り出し量、及び基板102から大気9への光取り出し量が減少し、光取り出し効率が低くなる。
界面での全反射を低減するため、基板と陽極の間に、基板と陽極の中間の屈折率を有する中間層を形成した有機EL素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。中間層は、陽極と基板の屈折率差を少なくし、陽極と基板の界面における全反射を低減して光取り出し効率の向上を図るものである。しかしながら、このような有機EL素子においては、陽極と中間層間、及び中間層と基板間に屈折率差があるため、中間層の両方の界面において依然として臨界角が存在して全反射が生じ、光取り出し効率の向上が十分とはいえない。
特開2004−134158号公報
本発明は、上記問題を解決するものであり、有機エレクトロルミネッセンス素子において、陽極から基板への光取り出し量、及び基板から大気への光取り出し量を増加し、光取り出し効率を向上することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、基板、陽極、発光層を含む有機層、及び陰極をこの順に積層して成る有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記陽極の屈折率が、前記基板の屈折率以上であり、かつ2.0以下となるように陽極材料を選定したものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記陽極の屈折率が、前記基板の屈折率と同等となるように陽極材料を選定したものである。ここで、屈折率が同等とは、屈折率の差がプラスマイナス0.2以下とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記陽極には、陽極の屈折率を支配する基材と異なる屈折率を有する充填材料が含有されているものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記充填材料は、前記基材よりも低い屈折率を有する粒子であるものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記粒子は、粒径が10nm乃至100nmであるものである。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記粒子は、多孔質粒子であるものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記基材は、塗布型材料であるものである。
請求項1の発明によれば、陽極が屈折率2.0以下に低屈折率化され、基板と陽極間の屈折率差が少なくなるので、陽極から基板への光取り出し量、及び基板から大気への光取り出し量が増加し、光取り出し効率が向上する。
請求項2の発明によれば、基板と陽極間の屈折率差がほぼ無くなり、陽極に到達した光が全て基板に入射するので、光取り出し効率が向上する。
請求項3の発明によれば、基材と異なる屈折率を有する充填材料によって陽極の屈折率を調整し、基板と陽極間の屈折率差を調整することができる。
請求項4の発明によれば、低い屈折率を有する粒子によって陽極を低屈折率化し、基板と陽極間の屈折率差を少なくすることができる。
請求項5の発明によれば、粒子は、陽極の膜厚に適した粒径となる。
請求項6の発明によれば、粒子は、多孔質の空隙によって粒子の屈折率が低くなり、陽極を低屈折率化することができる。
請求項7の発明によれば、基材を基板に塗布することにより、陽極を容易に成膜することができる。また、前記粒子を基材に混合して成膜することが容易になる。
本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の断面図。 本発明の実施形態の変形例に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の断面図。 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の断面図。
本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)を図1を参照して説明する。有機EL素子1は、基板2、陽極3、発光層41を含む有機層4、及び陰極5をこの順に積層して形成される。陽極3の屈折率は、基板2の屈折率以上であり、かつ2.0以下となるように陽極材料が選定されている。陽極材料は、基材31に粒子32が含有されて成る。粒子32は、陽極3の屈折率を支配する基材31と異なる屈折率を有する。有機層4は、陽極3と発光層41との間にホール輸送層42を有する。有機層4内の発光は、陽極3及び基板2を伝搬して大気9に取り出される。
基板2は、例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラス等から成る透明ガラス板、又はポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ等の樹脂、フッ素系樹脂等から作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板等であり、鉛等の重金属を混合したガラス板であってもよい。
陽極3は、有機層4にホールを注入するための電極である。基材31は、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、又は、これらの混合物から成る電極材料を用いることが好ましく、特に仕事関数が4eV(電子ボルト)以上の電極材料を用いることが好ましい。このような電極材料は、例えば、金などの金属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、SnO、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム−亜鉛酸化物)等、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、ポリアニリン等の導電性高分子、任意のアクセプタ等でドープした導電性高分子、カーボンナノチューブ等の導電性光透過性材料である。陽極3は、例えば、基板2の表面に基材31を真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等により薄膜に形成することによって作製され、屈折率を調整するため、フッ素をドープしたり、成膜温度を調整したり、スパッタ後に熱処理をしてもよい。
陽極3の光透過率は、70%以上とすることが好ましい。陽極3のシート抵抗は、数百Ω/□以下とすることが好ましく、100Ω/□以下が特に好ましい。陽極3の膜厚は、光透過率及びシート抵抗等の特性を上記のように調整するため、陽極材料によって異なるが、500nm以下、好ましくは10〜200nmの範囲に設定される。
基材31は、粒子32を予め混合して成膜できる塗布型材料が、成膜し易く、好ましい。粒子32は、陽極3の膜厚に適した粒径とするため、粒径を10〜100nmとすることが好ましい。
粒子32は、例えば、多孔質材料から成る多孔質粒子であり、基材31よりも低い屈折率を有する。この多孔質材料は、例えば多孔質の金属酸化物等であり、多孔質シリカが、屈折率が低く、好ましい。多孔質シリカは、中空シリカ、ナノポーラスシリカ、メソポーラスシリカ等である。多孔質粒子の屈折率は、多孔質材料の屈折率と空隙率[%]により、
(多孔質材料の屈折率)×(1−空隙率/100)+空隙率/100
で求められる。従って、粒子32は、多孔質材料の空隙率が高い方が粒子32の屈折率が低くなって好ましい。
基材31は、基板2よりも屈折率が高い。陽極3は、基材31よりも低い屈折率の粒子32が含有されることにより、低屈折率化される。陽極3と基板2の屈折率差を少なくするため、陽極の屈折率は、2.0以下となるようにされ、基板2の屈折率と同等、すなわち屈折率差がプラスマイナス0.2以下まで低屈折率化することが好ましい。
有機層4は、発光材料を含む発光層41を少なくとも有し、必要に応じて電子輸送層、ホールブロック層、ホール注入層、ホール輸送層42等、適宜の有機材料を積層して構成される。
発光層41に用いられる発光材料は、有機EL素子の発光材料として知られる任意の材料を用いることができる。このような発光材料は、例えば、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体、ポリ(2−メトキシ5−(2’−エチル)ヘキソキシ−フェニレンビニレン)及び各種蛍光色素等、前述の材料系及びその誘導体を始めとするものが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いてもよい。また、発光材料は、前記の化合物に代表される蛍光発光を生じる化合物だけでなく、スピン多重項からの発光を示す材料、例えば、燐光発光を生じる燐光発光材料、およびそれらから成る部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。有機層4は、発光材料を、蒸着、転写等の乾式プロセスによって成膜してもよいし、スピンンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等、塗布によって成膜してもよい。
ホール輸送層42に用いられる材料は、例えばホール輸送性を有する化合物の群から選定される。この種の化合物は、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNB等を代表例とする、トリアリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物等が挙げられるが、一般に知られる任意のホール輸送材料を用いることができる。
有機層4が電子輸送層を有する場合、電子輸送層に用いられる材料は、電子輸送性を有する化合物の群から適宜選定される。この種の化合物は、Alq3等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体等のヘテロ環を有する化合物等が挙げられるが、これらに限定されず、一般に知られる任意の電子輸送材料を用いることができる。電子輸送材料は、特に電荷輸送性の高いものを用いることが好ましい。電子輸送層は、発光層41と陰極5の間に設けられる。
陰極5は、発光層41に電子を注入するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物から成る電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下の電極材料が特に好ましい。このような電極材料は、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属等、及びこれらと他の金属との合金、例えばナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/LiF混合物が挙げられる。また、アルミニウム、Al/Al混合物等も使用可能である。さらに、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、又は、金属酸化物を陰極5の下地として用い、さらに金属等の導電材料を1層以上積層して用いてもよい。このような積層構造は、例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカリ金属のハロゲン化物/アルカリ土類金属/Alの積層、アルカリ金属の酸化物/Alの積層等が挙げられる。また、陰極5は、透明電極と光反射性の層との組み合わせによって光反射性電極を構成してもよい。
また、陰極5は、ITO、IZO等に代表される透明な電極材料で形成し、光透過性電極としてもよい。この場合、陰極5は、基板2上に形成され、粒子32が陰極5に含有される。また、陰極5の界面の有機物層にリチウム、ナトリウム、セシウム、カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属をドープしてもよい。
陰極5は、このような電極材料を真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等により薄膜に形成することによって作製される。陰極5が光反射性電極である場合、陰極5の光透過率を10%以下とすることが好ましい。また、陰極5を光透過性電極とする場合、陰極5の光透過率を70%以上とすることが好ましい。光透過性電極としての陰極5は、陰極5の光透過率等の特性を調整するため、材料により異なるが、膜厚が通常500nm以下とされ、100〜200nmの範囲とすることが好ましい。
上記のように構成された有機EL素子は、陽極3が屈折率2.0以下に低屈折率化され、基板2と陽極3間の屈折率差が少なくなるので、基板2と陽極3の界面における臨界角が大きくなって全反射が低減され、陽極3から基板2への光取り出し量が増加する。従って、基板2から大気9への光取り出し量が増加し、有機EL素子1の光取り出し効率が向上する。また、陰極5を光透過性電極とする場合、陰極5が屈折率2.0以下に低屈折率化されることにより、有機EL素子1の光取り出し効率が向上する。
(変形例)
本発明の実施形態の変形例に係る有機EL素子を図2を参照して説明する。変形例の有機EL素子10は、有機層4を複数層設けた。この有機EL素子10は、基板2、陽極3、電荷供給層6を介して積層された複数の有機層4、及び陰極5がこの順に形成される。陽極3は、基材31よりも低い屈折率を有する粒子32が基材31に含有されて構成される。
電荷供給層6は、例えば、Ag、Au、Al等の金属薄膜、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化レニウム、酸化タングステン等の金属酸化物、ITO、IZO、AZO、GZO、ATO、SnO等の透明導電膜、いわゆるn型半導体とp型半導体の積層体、金属薄膜もしくは透明導電膜とn型半導体及び/又はp型半導体との積層体、n型半導体とp型半導体の混合物、n型半導体及び/又はp型半導体と金属との混合物等である。n型半導体やp型半導体としては、無機材料であっても有機材料であってもよく、又は、有機材料と金属との混合物や、有機材料と金属酸化物や、有機材料と有機系アクセプタ/ドナー材料や、無機系アクセプタ/ドナー材料等の組み合わせでもよい。
このような有機EL素子10は、陽極3が粒子32によって低屈折率化されて光取り出し効率が向上する効果に加え、複数の有機層4が発光するので、電流に対する発光効率が向上する。
また、有機層4は、複数の発光層を積層して1つの発光層を構成してもよい。その積層数は、特に制限されないが、層数が増大すると光学的及び電気的な素子設計の難易度が増大するので、5層以内とすることが好ましく、3層以内が特に好ましい。例えば、青色の発光層と黄色の発光層を積層して白色の発光層が構成される。
本発明の実施例としての有機EL素子1、及び比較のための有機EL素子を作製し、評価試験を行った。
基板2として厚み0.7mmの無アルカリガラス板(コーニング製、No.1737)を用いた。PEDOT/PSSの水溶液(固形成分比1.2%)(商品名Baytron−P HC V4)にエチレングリコールを5vol%加えると共に、粒子32としてイソプロパノール分散多孔質中空シリカ微粒子(触媒化成工業製、商品名スルーリアCS60−IPA、固形分20質量%、平均一次粒径60nm、外殻厚み約10nm)を加え、80℃で15分程度加熱した溶液を、スピンコータで層厚約300nmになるように基板2上に塗布した後、180〜200℃の大気中のホットプレート上で15分間熱処理して陽極3を得た。陽極3の波長650nmの屈折率は、屈折率測定装置(SCI社製、商品名FilmTrek)で測定したところ、1.50であった。
次に、TFB(Poly[9,9-dioctylfluorenyl-2,7-diyl)-co-(4,4'-(N-(4-sec-butylphenyl))diphenylamine)])(アメリカンダイソース社製、商品名Hole Transport Polymer ADS259 BE)をTHF(テトラヒドロフラン)溶媒に溶解した溶液を、陽極3上に膜厚12nmになるようにスピンコータで塗布してTFB被膜を作製した。このTFB被膜を200℃で10分間焼成することによってホール輸送層42を得た。ホール輸送層42の波長650nmの屈折率は、陽極3と同様に測定したところ、1.7であった。
さらに、赤色高分子(アメリカンダイソース社製、商品名Light Emittingpolymer ATS111RE)をTHF溶媒に溶解した溶液を、ホール輸送層42上に膜厚70nmになるようにスピンコータで塗布し、100℃で10分間焼成することによって発光層41を得た。発光層41の波長650nmの屈折率は、陽極3と同様に測定したところ、1.7であった。
最後に、真空蒸着法により、発光層41上にアルミニウムを膜厚80nmに成膜して陰極5を形成し、有機EL素子1を得た。
(比較例)
比較例の有機EL素子は、陽極に粒子を混合しなかった以外は、実施例1と同様にして作製した。この陽極の屈折率は、実施例1と同様に測定したところ、1.6であった。
(評価試験)
実施例1及び比較例の有機EL素子において、電極間に電流密度が10mA/cmとなるように電流を流し、大気放射光を積分球(光束計)によって計測した。また、材質がガラスの半球レンズをガラスと同じ屈折率のマッチングオイルを介して有機EL素子の発光面上に配置して、前記と同様の計測を行い、基板到達光を計測した。この計測結果に基づいて有機EL素子の外部量子効率を算出した。外部量子効率とは、発光層に注入される電子数に対する、放射される光子数の割合である。評価試験結果として、実施例1の外部量子効率を比較例に対する比で表したものを表1に示す。
Figure 2011048999
表1に見られるように、本発明の実施例1は、基板到達光と大気放射光の両方において、比較例よりも外部量子効率比が優れていることが確認された。すなわち、実施例1は、多孔質中空シリカ微粒子を基材31に混合したことにより、陽極3の屈折率が低減され、基板2との屈折率差が少なくなったことにより、陽極3から基板2の光取り出し量、及び基板2から大気への光取り出し量が増加し、光取り出し効率が向上した。
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、有機EL素子1は、ホール輸送層42を省略しても構わない。
1、10 有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)
2 基板
3 陽極
31 基材
32 粒子(充填材料)
4 有機層
41 発光層
42 ホール輸送層
5 陰極

Claims (7)

  1. 基板、陽極、発光層を含む有機層、及び陰極をこの順に積層して成る有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記陽極の屈折率が、前記基板の屈折率以上であり、かつ2.0以下となるように陽極材料を選定したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記陽極の屈折率が、前記基板の屈折率と同等となるように陽極材料を選定したことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記陽極には、陽極の屈折率を支配する基材と異なる屈折率を有する充填材料が含有されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記充填材料は、前記基材よりも低い屈折率を有する粒子であることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記粒子は、粒径が10nm乃至100nmであることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記粒子は、多孔質粒子であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記基材は、塗布型材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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