JP2010147173A - 配線基板の製造方法及び配線基板 - Google Patents
配線基板の製造方法及び配線基板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010147173A JP2010147173A JP2008321220A JP2008321220A JP2010147173A JP 2010147173 A JP2010147173 A JP 2010147173A JP 2008321220 A JP2008321220 A JP 2008321220A JP 2008321220 A JP2008321220 A JP 2008321220A JP 2010147173 A JP2010147173 A JP 2010147173A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wiring
- film
- wiring board
- substrate
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Structure Of Printed Boards (AREA)
Abstract
【課題】積層基板の切断面に付着した破片や粉末を飛散させないようにして異物の発生を防ぐことができ、異物に起因する配線欠陥などの不良の発生を低減でき、配線基板の良品率を向上できると共に、配線基板の製造を容易にできる配線基板の製造方法及び配線基板を提供する。
【解決手段】電気的絶縁性を有し高分子樹脂を含む基材3の少なくとも片面に導電性金属層4を形成した積層基板5の導電性金属層4を、フォトリソグラフィにより配線形成加工して、基材3上に導電性金属からなる配線層を形成する配線基板の製造方法であって、積層基板5として長尺のロール材を用いると共に、積層基板5の幅方向両側の端面6を夫々余長部7付きの接着剤付きフィルム8により被覆し、前記により端面6が夫々被覆された積層基板5の全体の幅が長手方向に一定となるようにフィルム8の余長部7の外側を夫々スリットし、余長部7に製造加工用パイロットホール9を形成する。
【選択図】図5
【解決手段】電気的絶縁性を有し高分子樹脂を含む基材3の少なくとも片面に導電性金属層4を形成した積層基板5の導電性金属層4を、フォトリソグラフィにより配線形成加工して、基材3上に導電性金属からなる配線層を形成する配線基板の製造方法であって、積層基板5として長尺のロール材を用いると共に、積層基板5の幅方向両側の端面6を夫々余長部7付きの接着剤付きフィルム8により被覆し、前記により端面6が夫々被覆された積層基板5の全体の幅が長手方向に一定となるようにフィルム8の余長部7の外側を夫々スリットし、余長部7に製造加工用パイロットホール9を形成する。
【選択図】図5
Description
本発明はICチップ搭載用の半導体装置用テープキャリアを含む広い意味の配線基板の製造方法及び配線基板に関するものである。
現在、配線基板の代表的なものとしては、ポリイミドフィルムを基材としたフレキシブル配線基板やTABテープがあり、他方、エポキシ樹脂やBT(ビスマレイミド・トリアジン)樹脂などをガラスクロスに含浸させたリジッド板を基材としたプリント配線基板が存在する。ポリイミドフィルムはもとより、リジッド板においても、その薄板化が進んでいる。
これらの配線基板はモバイル機器に象徴されるように小型化の要求が強いことと、実装されるICチップの微細化、高密度化の進展などを主要因として、配線ピッチ40〜80μm以下というような配線の微細化が進んでいる。
このように配線の微細化が進んでくると、従来ではあまり問題にならなかった5〜20μmの大きさの異物も、配線基板を製造する上で配線基板の良品率に大きく影響するようになってきている。
すなわち、一般に配線基板を製造する場合は、電気的絶縁性を有する樹脂製の基材上に導電性金属層を形成した原材料を所定の大きさに切断した積層基板を材料メーカから購入し、この積層基板の前記導電性金属層を、エッチングレジストを用いたフォトリソグラフィにより配線形成加工して、前記基材上に導電性金属からなる配線層を形成する方法が用いられる。この方法で例えば微細な配線を有するプリント配線基板を製造する場合は、原材料を構成する基材の樹脂が脆かったり、ガラスクロスが含まれていると、これを切断した積層基板の端面に樹脂の破片や粉末が付着したり、折れたガラスクロスの破片が付着する現象が生じる。これらの破片や粉末は、積層基板の端面の複雑な凹凸部分に付着するため、洗浄しても完全に除去することが難しく、その後の配線形成加工において積層基板を取り扱う際の接触や振動により落下して異物となり、露光・現像・エッチング工程において異物を起因とする配線欠陥などの不良を生じさせ、フォトリソグラフィにより配線基板を製造する上で配線基板の良品率を低下させる原因となる。また、配線形成加工後において、積層基板の中央部を除く両端部は通常エッチングにより導電性金属層が除去されるのでチッピングし易くなっているため、ハンドリングの際に十分注意する必要があるが、単に注意するだけではチッピングを完全に防ぐことができないという問題がある。
また、最近では、BGA(Ball Grid Array)パッケージ向けの配線基板もしくはモジュール基板として、特別に設計された微細な配線及び配線パターンを有するプリント配線基板の需要が増加しており、ここでも配線ピッチ80μm以下というような配線の微細化が進んでいる。この状況下では、配線及び配線の間隔は夫々40μm以下となることから、異物の管理基準を例えば配線間隔の1/3と規制すると、約13μmの大きさのレベルの異物を管理することが要求される。また、この配線基板を用いてBGAパッケージを製造する場合は、製造コストと製造効率の観点から、一枚の大きなシート状の配線基板から100個以上のBGAパッケージ(個片)が取れるように、前記配線基板の面内に多数のICチップ搭載用の配線パターンを直交配列にレイアウトし、前記配線基板全体を一括して樹脂モールドした後、ダイシングにより個片化して多数個のBGAパッケージを得る方法が一般的に用いられる。この場合、前記配線基板中に見られる、異物による配線欠陥などの不良の数が、樹脂モールド後において前記配線基板から切り出されるBGAパッケージの品質、信頼性に夫々大きな影響を与えるため、例えば前記配線基板中にその不良が1個でも見られると、前記配線基板を一単位として切り出される多数個のBGAパッケージを全て不良にしなければならないという、最悪の事態も想定される。これらのことから、前記配線基板中に見られる不良の数を0とする、究極の良品率を目指した配線基板の製造方法が待ち望まれている。特に、ガラスクロスを含むリジッド板を基材としたプリント配線基板の製造方法においては、ガラスクロスの切断に基づく破片や粉末が発生しやすいため、不良対策は必要である。
一方、関連する文献公知発明として、先行技術文献の特許文献1には、相対的に広幅の積層体を用いることによって、これを被ラミネート体の両側に夫々貼り付けると共に、被ラミネート体の周囲を夫々積層体の広幅の端部を利用して積層体同士を貼り付けることにより被覆する、ラミネート方法が記載されている。
また、先行技術文献の特許文献2にも、ほぼ同様のラミネート方法が記載されている。
また、先行技術文献の特許文献2にも、ほぼ同様のラミネート方法が記載されている。
また、先行技術文献の特許文献3には、ラミネートロールにより、基材上に感光性ドライフィルムレジストをその幅方向の両端部とそれ以外の部位とで夫々貼り付け温度が異なる方法で貼り付ける、ラミネート方法が記載されている。
前記したように、従来の配線基板の製造方法によれば、積層基板用の原材料を切断した積層基板の端面に樹脂の破片や粉末が付着したり、折れたガラスクロスの破片が付着する現象が生じる。これらの破片や粉末は、積層基板の端面の複雑な凹凸部分に付着するため、洗浄しても完全に除去することが難しく、その後の配線形成加工において積層基板を取り扱う際の接触や振動により落下して異物となり、この異物を起因とする配線欠陥などの不良を生じさせ、フォトリソグラフィにより配線基板を製造する上で配線基板の良品率を低下させる原因となる。また、配線形成加工後において、積層基板の中央部を除く両端部は通常エッチングにより導電性金属層が除去されるのでチッピングし易くなっているため、ハンドリングの際に十分注意する必要があるが、単に注意するだけではチッピングを完全に防ぐことができないという問題がある。
この結果、例えばシート状の大きな配線基板を用いて多数個のBGAパッケージを製造する場合には、前記配線基板中に見られる異物による配線欠陥などの不良の数が、樹脂モールド後において前記配線基板から切り出されるBGAパッケージの品質、信頼性に夫々影響を与えるため、前記配線基板中にその不良が1個でも見られると、前記配線基板を一単位として切り出される多数個のBGAパッケージを全て不良にしなければならないという、最悪の事態も想定される。このことから、前記配線基板中に見られる不良の数を0とする、究極の良品率を目指した配線基板の製造方法が待ち望まれている。特に、ガラスクロスを含むリジッド板を基材とした配線基板の製造方法では、ガラスクロスの切断に基づく破片や粉末が発生しやすいため、不良対策は必要である。
これに対し、特許文献1及び2に記載のラミネート方法は、いずれも相対的に広幅の積層体を用いることによって、これを被ラミネート体の両側に夫々貼り付けると共に、被ラミネート体の周囲を夫々積層体の広幅の端部を利用して積層体同士を貼り付けることにより被覆する方法を示唆するものであるが、この方法における前記被覆は要するに被ラミネート体の全体を積層体で包み込むことにあり、積層体の端面に付着した破片や粉末を飛散させないように意図するものではない。
また、特許文献3に記載のラミネート方法は、要するにラミネートロールにより、基材上に感光性ドライフィルムレジストを貼り合わせる方法であり、基材の端面を被覆し、基材の端面に付着した破片や粉末を飛散させないように意図するものではない。
したがって、本発明の目的は、積層基板の端面に付着した破片や粉末を飛散させないようにして異物の発生を防ぐことができ、異物に起因する配線欠陥などの不良の発生を低減し、もって、フォトリソグラフィにより配線基板を製造する上で配線基板の良品率を確実に向上させることができると共に、配線基板の製造を精度よく安定して遂行することができる、配線基板の製造方法及び配線基板を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、電気的絶縁性を有し高分子樹脂を含む基材の少なくとも片面に導電性金属層を形成した積層基板の前記導電性金属層を、フォトリソグラフィにより配線形成加工して、前記基材上に導電性金属からなる配線層を形成する配線基板の製造方法であって、前記積層基板として長尺のロール材を用いると共に、前記積層基板の幅方向両側の前記端面を夫々余長部付きの接着剤付きフィルムにより被覆し、前記により前記端面が夫々被覆された前記積層基板の全体の幅が長手方向に一定となるように前記フィルムの余長部の外側を夫々スリットし、更に、前記余長部に製造加工用パイロットホールを形成することを特徴とする配線基板の製造方法を提供する。
上記において、高分子樹脂を含む基材としては、例えばエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂などの単一もしくは複合の樹脂にガラスクロスを含浸させた基材を用いることができる。
また、上記において、接着剤付きフィルムとしては、前記基材とは別部材からなるガラスクロスを含まない耐熱性、耐薬品性に優れた接着剤付きフィルムを用いることが好ましい。
また、上記において、接着剤付きフィルムの余長部に形成する製造加工用パイロットホールは、積層基板を搬送してフォトリソグラフィにより配線形成加工する際における各工程の位置決め穴、露光・現像時のアライメントマーク、搬送穴として夫々使用することができる。これにより配線形成加工精度を向上させることができる。
この配線基板の製造方法によれば、上記構成の採用により、特に、積層基板として長尺のロール材を用いると共に積層基板の幅方向両側の端面を夫々余長部付きの接着剤付きフィルムにより被覆することにより、積層基板の端面に付着した破片や粉末を飛散させないようにして異物の発生を防ぐことができ、異物に起因する配線欠陥などの不良の発生を低減し、もって、フォトリソグラフィにより配線基板を製造する上で配線基板の良品率を確実に向上させることができると共に、前記により端面が夫々フィルムにより被覆された積層基板の全体の幅が長手方向に一定となるようにフィルムの余長部の外側を夫々スリットすることにより、配線基板の製造工程においてフィルム付き積層基板の搬送をスムーズに安定して行うことができる。更に、フィルムの余長部に製造加工用パイロットホールを形成することにより、使用するフィルムの材質によっては、プレス打ち抜きによりパイロットホールを形成する際に発生する打ち抜き屑の量を少なくすることができ、この打ち抜き屑による異物の発生を減らすことができる。特に、上記のようにスリットを入れることにより、結果としてパイロットホールの位置精度を確実に向上させることができ、このパイロットホールをレジストパターン形成・露光・現像時等のアライメントマークとして使用することにより、配線加工精度を向上させることができる。
なお、この配線基板の製造方法によれば、高分子樹脂を含む基材の両面に導電性金属層を形成した積層基板を用いることにより、両面配線基板を製造することも勿論可能である。
請求項2の発明は、前記積層基板は、前記基材中にガラスクロスを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法を提供する。
配線基板の中には主に強度面からガラスクロスに樹脂を含浸させたリジッド板を基材として用いるものがあり、このような配線基板においては、特に製造の際積層基板の端面にガラスクロスの切断に基づく破片や粉末が発生付着しやすいため、異物に起因する配線欠陥などの不良の発生が多く、問題が大きい。この配線基板の製造方法によれば、そのような基材に対しても不良を確実に低減し、問題の解決を図ることができる。
請求項3の発明は、前記積層基板の前記端面から前記余長部の外側スリット面までの長さが、前記積層基板の幅方向両側において夫々同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板の製造方法を提供する。
積層基板の端面を接着剤付きフィルムで確実に被覆するためには、接着剤付きフィルムを積層基板の端面の外側にある程度はみ出させて端面を包み込むようにして被覆することが好ましく、この配線基板の製造方法によれば、余長部付きの接着剤付きフィルムを用いることによりこれを可能にすると共に、接着後のフィルムを上記のようにスリットすることにより、配線基板製造工程において一定の幅にスリットされたフィルム付き積層基板の搬送をスムーズに行うことができ、これにより配線基板の製造を精度よく安定して遂行することができる。
請求項4の発明は、電気的絶縁性を有し高分子樹脂を含む基材の少なくとも片面に導電性金属層を形成した積層基板の前記導電性金属層を、フォトリソグラフィにより配線形成加工して、前記基材上に導電性金属からなる配線層を形成する、配線加工用の配線基板であって、前記積層基板が長尺のロール材からなると共に前記積層基板の幅方向両側の端面が夫々余長部付きの接着剤付きフィルムにより被覆されており、前記により前記端面が夫々被覆された前記積層基板の全体の幅が長手方向に一定となるように前記フィルムの余長部の外側が夫々スリットされており、更に、前記余長部に製造加工用パイロットホールが形成されていることを特徴とする配線基板を提供する。
この配線基板によれば、上記構成の採用により、特に、積層基板が長尺のロール材からなると共に積層基板の幅方向両側の端面が夫々余長部付きの接着剤付きフィルムにより被覆されていることにより、積層基板の端面に付着した破片や粉末を飛散させないようにして異物の発生を防ぐことができ、異物に起因する配線欠陥などの不良の発生を低減し、もって、フォトリソグラフィにより配線基板を製造する上で配線基板の良品率を確実に向上させることができると共に、前記により端面が夫々被覆された積層基板の全体の幅が長手方向に一定となるようにフィルムの余長部の外側が夫々スリットされていることにより、配線基板製造工程においてフィルム付き積層基板の搬送をスムーズに行うことができ、これにより配線基板の製造を精度よく安定して遂行することができる。更に、フィルムの余長部に製造加工用パイロットホールが形成されていることにより、使用するフィルムの材質によっては、プレス打ち抜きによりパイロットホールを形成する際に発生する打ち抜き屑の量を少なくすることができ、この打ち抜き屑による異物の発生を減らすことができる。特に、上記のようにスリットを入れることにより、結果としてパイロットホールの位置精度を確実に向上させることができ、このパイロットホールをレジストパターン形成・露光・現像時等のアライメントマークとして使用することにより、配線加工精度を向上させることができる。
なお、この配線基板によれば、積層基板として高分子樹脂を含む基材の両面に導電性金属層を形成した積層基板を用いることにより、両面配線基板を製造することも勿論可能である。
請求項5の発明は、前記積層基板は、前記基材中にガラスクロスを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の配線基板を提供する。
前に述べた通り、配線基板の中には主に強度面からガラスクロスに樹脂を含浸させたリジッド板を基材として用いるものがあり、このような配線基板においては、特に積層基板の端面にガラスクロスの切断に基づく破片や粉末が発生付着しやすいため、異物に起因する配線欠陥などの不良の発生が多く、問題が大きい。この配線基板によれば、そのような基材に対しても不良を確実に低減し、問題の解決を図ることができる。
請求項6の発明は、前記積層基板の前記端面から前記余長部の外側スリット面までの長さが、前記積層基板の幅方向両側において夫々同一であることを特徴とする請求項4又は5に記載の配線基板を提供する。
前に述べた通り、積層基板の端面を接着剤付きフィルムで確実に被覆するためには、接着剤付きフィルムを積層基板の端面の外側にある程度はみ出させて端面を包み込むようにして被覆することが好ましく、この配線基板の製造方法によれば、余長部付きの接着剤付きフィルムを用いることによりこれを可能にすると共に、接着後のフィルムを上記のようにスリットすることにより、配線基板製造工程において一定の幅にスリットされたフィルム付き積層基板の搬送をスムーズに行うことができ、これにより配線基板の製造を精度よく安定して遂行することができる。
本発明の配線基板の製造方法及び配線基板によれば、積層基板の端面に付着した破片や粉末を飛散させないようにして異物の発生を防ぐことができ、異物に起因する配線欠陥などの不良の発生を低減し、もって、フォトリソグラフィにより配線基板を製造する上で配線基板の良品率を確実に向上させることができると共に、配線基板の製造を精度よく安定して遂行することができる。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の一実施の形態に係るものであり、フォトリソグラフィにより配線基板を製造する方法の各工程をフローチャートで示した図である。このフローチャートの各工程に沿って、順次配線基板を製造する方法を説明する。
まず、出発材料として、配線基板用積層基板CCL(Copper Clad Lamination)を準備する工程である。配線基板用積層基板CCLとしては、図2に示されるように、電気的絶縁性を有すると共にガラスクロス1に高分子樹脂2を含浸させたリジッド板(プリプレグ材)からなる基材3の両面に接着剤を介して銅箔をプレスして貼り付け、両面に導電性金属層4を形成した積層基板5を用いる。この積層基板5としては、図示しない同様の構成の原材を所定の大きさ(幅、長さ)に切断したものを巻回した長尺のロール状を用いる。この切断は材料メーカで行われる。したがって、図2に示される積層基板5の両端に形成された垂直な端面6は、いずれも原材料からの切断面である。
なお、基材3上に導電性金属層4を形成するにあたっては、接着剤を用いないで銅箔をプレスして貼り付ける方法もしくは銅箔を用いないで蒸着、スパッタリング、めっきなどを利用することにより直接銅層を形成する方法を採用してもよい。また、基材3の片面にのみ導電性金属層4を形成した積層基板も用いることも勿論可能である。
次に、余長部付きの接着剤付きフィルム接着工程である。通常ならば、ここで配線形成加工に先立って、長尺の積層基板5の幅方向の両側縁部に、積層基板5の長手方向に沿って搬送用のスプロケットホールを形成するのが普通である。このスプロケットホールは、通常プレス打ち抜きにより形成される。この場合スプロケットホールの内壁面もプレスによる切断面となるので、この切断面も積層基板の端面6と同様に、付着した破片や粉末を飛散させないよう十分な対策をとる必要がある。本発明の実施の形態では、図3に示されるように、積層基板5の幅方向両側の端面6に夫々余長部7付きの接着剤付きフィルム8を2枚ずつ上下から貼り合わせて接着し、端面6を被覆する。このとき、フィルム8の一端を積層基板5の端部にオーバーラップさせる。これにより端面6へのフィルム8の密着度を確実なものにすることができる。余長部7同士は両者を直接貼り合わせ、フィルム8の持つ厚さの2倍にしてその部分の剛性を向上させた状態で別途使用する。ここでフィルム8としては、例えばポリイミドフィルムを用いるが、これに限定されるものではない。ある程度機械的強度があり、耐熱性及び耐薬品性に優れた材質のフィルムであれば、いずれも基本的に使用可能である。
次に、スリット工程である。これは図3においては、フィルム8の余長部7同士の貼り合わせ端部が若干ずれた状態となっているが、この余長部7付きフィルム8で端面6が被覆された積層基板5の全体の幅が一定となるように、積層基板5の両側の、フィルム8の余長部7同士貼り合わせた部分の外側を夫々点線に沿ってスリットする。図4はスリット後の状態を示すものである。この図4を見ると分かるように、スリット後における、積層基板5の端面6から余長部7の外側スリット面までの長さは、積層基板5の幅方向両側において夫々同一となっている。積層基板5の端面6をフィルム8で確実に被覆するためには、前記端面6を寸法に余裕のある大きなフィルム8で被覆することが好ましく、この方法によれば、余長部7付きのフィルム8を用いることによりこれを可能にすると共に、積層基板5の端面6を被覆したフィルム8の余長部7を上記ように所定の位置でスリットすることにより、フィルム8付き積層基板5の全体の幅を両側から一定に揃えて、フィルム8付き積層基板5の搬送をスムーズに行うことができる。すなわち、搬送の際に、フィルム8付き積層基板5の幅方向両側がガイド機構に引っ掛かって、フィルム8付き積層基板5が捻じれたり、歪んだり、撓んだりするのを防止することができる。これにより配線加工精度を向上させることも可能になる。
更に、スリット工程では、その一環として、図5に示されるように、スリット後の余長部7同士貼り合わせた部分に製造加工用パイロットホール9をプレス打ち抜きにより形成する。このように、フィルム8の余長部7にパイロットホール9を形成することにより、使用するフィルムの材質によっては、プレス打ち抜きによりパイロットホール9を形成する際に発生する打ち抜き屑の量を少なくすることができ、この打ち抜き屑による異物の発生を減らすことができる。また、パイロットホール9をレジストパターン形成・露光・現像時等のアライメントマークとして使用することにより、配線加工精度を向上させることができる。なお、パイロットホール9の形成は、パイロットホールの使用目的により、例えば露光・現像時のアライメントマークなど穴径の小さいものでよい場合には、レーザー加工によっても形成することができる。レーザー加工の場合には、フィルム8から発生する打ち抜き屑の量を少なくすることができる。この方法は異物対策の面からも好ましい方法である。
次に、図1に示されるように、積層基板5の両面に夫々ドライフィルムレジストを貼り合わせる、レジストラミネート工程である。この工程では、ドライフィルムレジストを貼り合わせる替わりに液状のエッチングレジスト剤を塗布することもできる。ドライフィルムレジストの貼り合わせは、大気圧下で行ってもよく、また、気泡の混入を嫌う場合には減圧下で行ってもよい。気泡の混入を防ぐことで、ドライフィルムレジストを用いた露光、現像、エッチング精度を夫々向上させることが可能になる。
次に、露光、現像、エッチング及び剥膜の工程である。この工程では、積層基板5の両端部がフィルム8で被覆されていることにより、積層基板5の両端部の導電性金属層2がエッチングされずに残るため、次工程以降で積層基板5の端部がチッピングし、これにより異物が発生するのを防ぐことができる。また、積層基板5の端部がチッピングしにくくなるため、積層基板5を取り扱う際のハンドリングが容易になる。この露光、現像、エッチング及び剥膜工程では、導電性金属層4に対しフォトリソグラフィにより配線形成加工を行う。
次に、絶縁レジスト形成工程である。この絶縁レジスト形成工程では、前記により形成された配線の保護及び絶縁のため、通常印刷方式により配線の表面の必要な範囲を絶縁レジストで被覆する。
次に、めっき工程である。このめっき工程では、配線の表面の必要な部位に電気的接続性を確保するためSn等のめっきを行う。このめっきは、電気めっき、化学めっき(無電解めっき)いずれでも可能である。
最後に、トリミング工程である。このトリミング工程では、以上の加工により得られた配線基板の周囲を規定のサイズにスリットし、トリミングを行う。このトリミングにより、端面6を被覆しているフィルム8を同時に除去する。このトリミングの際に発生する異物は、配線基板の表面に付着するだけであるので、例えば高圧水洗浄により容易に除去することができる。したがって、配線欠陥などの不良を生じさせるような厄介な問題になることはない。
図1のフローチャートに従ってフォトリソグラフィにより配線基板を製造した。出発材料である積層基板としては、図2に示される構造の積層基板5を用いた。すなわち、ガラスクロス1に高分子樹脂2を含浸させたリジッド板(プリプレグ材)からなる基材3の両面に接着剤を用いて銅箔を熱プレスにより貼り付け、両面に銅の導電性金属層4を形成した原材料を幅250mmの寸法に切断した長尺の積層基板5を用いた。この積層基板5を構成する基材3の幅も、当然250mmである。また、この積層基板5としては、これをロール状に巻回した長尺のロール材を用いた。余長部付きの接着剤付きフィルム8としては、表面に接着剤層を有する幅35mmのポリイミドフィルムを用いた。
このフィルム8を、図3に示されるように、積層基板5の幅方向両側において夫々2枚ずつ上下から貼り合わせて接着し、積層基板5の端面6を被覆した。このとき、フィルム8の一端は積層基板5の端部にオーバーラップさせて接着した。この端部は導電性金属層2がエッチングされずに残るため、次工程以降で積層基板5の端部がチッピングし、これにより異物が発生するのを防ぐことができる。また、積層基板5の端部がチッピングしにくくなるため、積層基板5を取り扱う際のハンドリングが容易になる。余長部7同士は両者を直接貼り合わせて接着一体化した。
この後、余長部7付きフィルム8により端面6が被覆された積層基板5の全体の幅が280mmとなるように、積層基板5の両側における、フィルム8の余長部7同士貼り合わせた部分の外側を夫々点線に沿ってスリットした。スリット後の、積層基板5の端面6から余長部7の外側スリット面までの長さは、積層基板5の幅方向両側において夫々15mmずつ設けられることになる(図4参照)。次いで、図5に示されるように、余長部7の外側スリット面から内側5mmのラインの正確な位置に、夫々レーザー加工によりパイロットホール9を形成した。
一方、従来例としては、積層基板5の端面を接着剤付きフィルム8で被覆しない方法により、それ以外は基本的に実施例と同じフォトリソグラフィにより配線基板を製造した。
実施例及び従来例により夫々製造された配線基板の良品率の比較結果を図6に示す。図6によれば、本発明の実施例では、配線基板の良品率が格段に向上し、配線欠陥などの不良が少ない配線基板を容易に製造できることが分かる。
上記実施例では、両面に導電性金属層を形成した積層基板を用いることにより両面配線基板を製造する方法を説明したが、片面に導電性金属層を形成した積層基板を用いることにより片面配線基板を製造する方法も勿論可能である。
1 ガラスクロス
2 高分子樹脂
3 基材
4 導電性金属層
5 積層基板
6 端面
7 余長部
8 接着剤付きフィルム
9 パイロットホール
2 高分子樹脂
3 基材
4 導電性金属層
5 積層基板
6 端面
7 余長部
8 接着剤付きフィルム
9 パイロットホール
Claims (6)
- 電気的絶縁性を有し高分子樹脂を含む基材の少なくとも片面に導電性金属層を形成した積層基板の前記導電性金属層を、フォトリソグラフィにより配線形成加工して、前記基材上に導電性金属からなる配線層を形成する配線基板の製造方法であって、前記積層基板として長尺のロール材を用いると共に、前記積層基板の幅方向両側の端面を夫々余長部付きの接着剤付きフィルムにより被覆し、前記により前記端面が夫々被覆された前記積層基板の全体の幅が長手方向に一定となるように前記フィルムの余長部の外側を夫々スリットし、更に、前記余長部に製造加工用パイロットホールを形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
- 前記積層基板は、前記基材中にガラスクロスを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
- 前記積層基板の前記端面から前記余長部の外側スリット面までの長さが、前記積層基板の幅方向両側において夫々同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板の製造方法。
- 電気的絶縁性を有し高分子樹脂を含む基材の少なくとも片面に導電性金属層を形成した積層基板の前記導電性金属層を、フォトリソグラフィにより配線形成加工して、前記基材上に導電性金属からなる配線層を形成する、配線加工用の配線基板であって、前記積層基板が長尺のロール材からなると共に前記積層基板の幅方向両側の端面が夫々余長部付きの接着剤付きフィルムにより被覆されており、前記により前記端面が夫々被覆された前記積層基板の全体の幅が長手方向に一定となるように前記フィルムの余長部の外側が夫々スリットされており、更に、前記余長部に製造加工用パイロットホールが形成されていることを特徴とする配線基板。
- 前記積層基板は、前記基材中にガラスクロスを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の配線基板。
- 前記積層基板の前記端面から前記余長部の外側スリット面までの長さが、前記積層基板の幅方向両側において夫々同一であることを特徴とする請求項4又は5に記載の配線基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008321220A JP2010147173A (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | 配線基板の製造方法及び配線基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008321220A JP2010147173A (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | 配線基板の製造方法及び配線基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010147173A true JP2010147173A (ja) | 2010-07-01 |
Family
ID=42567300
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008321220A Pending JP2010147173A (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | 配線基板の製造方法及び配線基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010147173A (ja) |
-
2008
- 2008-12-17 JP JP2008321220A patent/JP2010147173A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8482117B2 (en) | Semiconductor device with electronic component incorporation substrate | |
TWI494034B (zh) | Ic載板及其製作方法 | |
US9159693B2 (en) | Hybrid substrate with high density and low density substrate areas, and method of manufacturing the same | |
US8058562B2 (en) | Wiring substrate and method of manufacturing the same | |
TWI506748B (zh) | 封裝基板、其製作方法及封裝結構 | |
US8262917B2 (en) | Fabricating method for multilayer printed circuit board | |
JP2006165494A (ja) | プリント基板の製造方法および薄型プリント基板 | |
TWI531290B (zh) | 多層電路板及其製作方法 | |
KR20120035007A (ko) | 인쇄회로기판의 제조방법 | |
JP5704287B1 (ja) | 樹脂多層基板の製造方法 | |
KR101373330B1 (ko) | R.t.r 노광 및 슬리팅 공법을 이용한 fpcb의 제조 방법 | |
JP2003110240A (ja) | 複合配線基板及びその製造方法 | |
JP4282714B2 (ja) | 多層配線基板の製造方法 | |
JP5157994B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP5163292B2 (ja) | プリント配線板用金属張基板およびプリント配線板ならびにその製造方法 | |
JP2010147173A (ja) | 配線基板の製造方法及び配線基板 | |
JP2010147172A (ja) | 配線基板の製造方法及び配線基板 | |
JP2010010488A (ja) | 配線基板の製造方法及び配線基板 | |
JP2011187641A (ja) | フレキシブル基板の製造方法 | |
KR100464799B1 (ko) | 다층 인쇄회로기판의 제조방법 및 그 물건 | |
KR101975456B1 (ko) | 동박적층판 및 그 제조방법 | |
JP2004087551A (ja) | 多層配線基板の製造方法およびこれを用いた多層配線基板 | |
KR101825061B1 (ko) | 회로기판 및 회로기판의 제조방법 | |
KR101156924B1 (ko) | 인쇄회로기판의 제조방법 | |
KR101704019B1 (ko) | 파손방지 플렉서블 인쇄회로기판 및 그 제조방법 |