JP2010145690A - 光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は両眼視で使用される光学装置に関し、各使用者の眼幅に合わせて眼幅調整器を調整しても、被両眼視部を見るときに違和感を生じないことを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために本発明は、互いの光軸が交差するように水平方向に配置した第一、第二の光学手段と、前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角を眼幅調整器24、44の眼幅調整に連動して変化させる第一の輻輳角調整手段と、対物レンズを接眼レンズ22、42と被両眼視部との間で可動させる可動手段と、前記対物レンズ21、41の可動方向を前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角に連動して変化させる第二の輻輳角調整手段と、前記対物レンズ21、41の光軸を前記第一、第二の光学手段の光軸に常に平行にさせる光軸方向維持手段とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、両眼視で使用される光学装置に関するものである。
従来の実体顕微鏡や視力回復訓練装置など両眼視で使用される光学装置は、以下のような構成となっていた。
すなわち、被両眼視部側に設けられた対物レンズと、この対物レンズから使用者側に接眼レンズ、および眼幅調整器を有する一対の光学系を備え、使用者の両眼で被両眼視部を見易くするために左右の光学系に一定の輻輳角を付与している。(例えば、特許文献1)
特開平7−104189号公報
上記従来の両眼視で使用される光学装置における課題は使用者によって眼幅が異なるため被両眼視部を見るときに違和感を生じてしまうということであった。
すなわち、従来例においては、上述の左右の光学系の各々の光軸の交差角は所定の値に固定されているため、基準となる輻輳角も1つの角度となっていた。そして、対物レンズの可動方向と、この可動方向と光軸の成す角度も所定の値に固定されているため、遠近点における輻輳角変化量も所定の量であった。
また眼幅調整器は、輻輳角とは関連することなく独立して使用者が接眼部を各々の眼幅に合わせて調整されていた。
したがって、所定の遠点および近点にある被両眼視部を見る場合、図10に示すように使用者の眼幅によって輻輳角が変化してしまうのであった。
ここで、図10(a),10(b)は、眼幅の異なる使用者の輻輳角を示したものである。図10(a)は、小さな眼幅A1の使用者が遠点S1と近点S2にある被両眼視部を見る場合、各々の輻輳角がα1、β1となることを示している。図10(b)は、大きな眼幅A2の使用者が、同様に遠点S1と近点S2にある被両眼視部を見る場合、各々の輻輳角はα2、β2となることを示している。
そして、眼幅A1の使用者と眼幅A2の使用者が遠点S1と近点S2の被両眼視部を見る場合の各々の輻輳角は異なるものとなる。
したがって、例えば遠近点の輻輳角を、眼幅A1を基準として光学装置を設計した場合、眼幅A2の使用者には輻輳角が合わないため、被両眼視部を見るときに違和感を生じてしまうのであった。
さらに、大きな眼幅A2の使用者は小さな眼幅A1の使用者と比べて遠点と近点の間の輻輳角変化量(β2−α2)が大きくなる。このように遠近点の輻輳角が所定の値に固定された光学装置では、輻輳角変化量も所定の量であり、大きな眼幅A2の使用者は、近点から遠点に移動する被両眼視部の輻輳角変化に違和感を生じたり、眼幅調整をしたにもかかわらず左右両眼の像が一つに結像しないため、被両眼視部を見るときに違和感を生じてしまうのであった。
そこで本発明は、使用者によって眼幅が異なり、各々の眼幅に合わせて眼幅調整器を調整しても、被両眼視部を見るときに違和感を生じない光学装置を提供することを目的とする。
そしてこの目的を達成する為に本発明は、一端を被両眼視部に向け、互いの光軸が交差するように水平方向に配置した第一、第二の光学手段と、前記第一、第二の光学手段の他端に、使用者の眼幅に調整できる眼幅調整器と、前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角を前記眼幅調整器の眼幅調整に連動して変化させる第一の輻輳角調整手段と、前記第一,第二の光学手段の眼幅調整器側に設けた接眼レンズと、前記被両眼視部側に設けた対物レンズと、前記対物レンズを前記接眼レンズと前記被両眼視部との間で可動させる可動手段と、前記対物レンズの可動方向を前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角に連動して変化させる第二の輻輳角調整手段と、前記対物レンズの光軸を前記第一、第二の光学手段の光軸に常に平行にさせる光軸方向維持手段と、を備え、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明は、一端を被両眼視部に向け、互いの光軸が交差するように水平方向に配置した第一、第二の光学手段と、前記第一、第二の光学手段の他端に、使用者の眼幅に調整できる眼幅調整器と、前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角を前記眼幅調整器の眼幅調整に連動して変化させる第一の輻輳角調整手段と、前記第一,第二の光学手段の眼幅調整器側に設けた接眼レンズと、前記被両眼視部側に設けた対物レンズと、前記対物レンズを前記接眼レンズと前記被両眼視部との間で可動させる可動手段と、前記対物レンズの可動方向を前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角に連動して変化させる第二の輻輳角調整手段と、前記対物レンズの光軸を前記第一、第二の光学手段の光軸に常に平行にさせる光軸方向維持手段と、を備える光学装置としたので、被両眼視部を見るときに違和感を生じなくできる。
すなわち、本発明においては、最適な輻輳角に調整される第一の輻輳角調整手段と、最適な輻輳角変化量に調整される第二の輻輳角調整手段を有しているので、使用者が各々の眼幅に合わせて眼幅調整器を調整する場合に、使用者ごとに日常と同様の最適な輻輳角で被両眼視部を見ることができる。
つまり、使用者によって眼幅が異なり、各々の眼幅に合わせて眼幅調整器を調整しても、被両眼視部を見るときに違和感を生じなくできるのである。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1において、1は両眼視で観察や訓練を行う為の光学装置(例えば実体顕微鏡や視力回復訓練装置など)の筐体であり、使用者の左右眼の間隔(以下、眼幅という)に合わせて接眼部26,46を調整する眼幅調整器24,44を備えている。
眼幅調整器24,44は、スライド板15,16に回動自在に嵌合し、このスライド板15,16は筐体1の溝部1b,1cに案内されて左右に摺動可能となっている。
図2は筐体1の内部を示したものであり、ここでは視力回復訓練装置を例に説明する。
図2において、筐体1の内部奥側に固定した液晶やCRT,有機ELなどの表示装置2に被両眼視部である被写体2aが表示され、この被写体2aの中心で下方となる筐体1底面に植設された軸9に第一のバー20と第二のバー40の一端が軸9の軸心を回転中心として回動自在に嵌合して取り付けられている。
そして、第一、第二のバー20,40の他端には各々接眼レンズ22,42と偏向プリズム23,43が、その光軸を被写体2a中心で交差するように向けて固定され、第一の光軸60と第二の光軸70を形成している。
また、偏向プリズム23,43から使用者に至る光軸は、前記第一、第二の光軸60,70が眼幅調整器24,44に入り、反射板保持器25,45の内部の第一の反射板25a,45aで反射され、さらに第一の反射板25a,45aと平行に向かい合って保持された第二の反射板25b,45bで反射されて左右眼の光軸61,71となり、接眼部26,46を通って使用者に至る。このため、左右眼の光軸61,71と第一、第二の光軸60,70は、それぞれ平行関係を有し、最大で両光軸の段差の2倍の長さの眼幅調整量を得ることができるようになっている。
一方、第一、第二のバー20,40上には、対物レンズ21,41を近点から遠点に移動させるとともに第一、第二の光軸60,70の内側から外側に向けて水平に移動できるように、被写体2aに向けて水平方向外側に広がる各々2本の案内軸29,30,49,50を植設したレンズ摺動台27,47を備える。
このレンズ摺動台27,47上には、対物レンズ21,41を回動自在に保持し、案内軸29,30,49,50に案内されて移動するレンズ保持器31,51を有している。
回動自在に保持する方法は、例えば本実施形態では、対物レンズ21,41のレンズ面以外の側面が凸形状である球状に形成され、レンズ保持器31,51の保持面がその面に沿った同心の凹形状である球状で形成され、両者が組み合わされているものである。このように両者を形成し、組合わせることで対物レンズ21,41はレンズ保持器31,51の中で回動自在であり、またレンズ保持器31、51が摺動するときには、両者が分離することなく共に摺動することが可能となっている。
ここで、各部材のつながりを、図3を用いて説明する。図3は、視力回復訓練装置の各部材の嵌合関係を示す分解斜視図である。
図3において前記レンズ摺動台27,47は、第一、第二のバー20,40に植設されたピン32,52に、その軸心を回転中心として回動自在に嵌合している。
そして、第一、第二のバー20,40の交差角度が大きくなるにともなって、レンズ摺動台27,47が内方に押込まれて、対物レンズ21、41の回動量を大きくするように、すなわち、ピン32,52から眼幅調整器24,44側に所定の距離だけ離れた位置で、レンズ摺動台27,47の側面を装置の内方に向けて押すように、カム11,12が筐体1に取り付けられ、レンズ摺動台27,47の側面とカム11,12は常に接するようにバネ13,14によって付勢されている。
また、第一、第二のバー20,40の前縁、すなわち眼幅調整器24,44側には、第一、第二のバー20,40の長手方向に向けてピン38,58が植設されており、スライド板15,16の長孔15a,16aと摺動自在に嵌合している。ここで、長孔15a,16aは鉛直上下方向に伸びる形状としている。
そして、スライド板15,16に、その摺動方向に直行した方向、すなわち光学装置の前後方向に向けて設けられた円環状の筒形状である管状部15b,16bに眼幅調整器24,44の嵌合部24a,44aが管状部15b,16bの軸心を回転中心として回動自在に嵌合している。
ここで、第一、第二のバー20,40には孔20b,40bが設けられ、この孔20b,40bにバネ10を係合させて、第一、第二のバー20,40を、その両者の交差角が小さくなる方向に付勢している。
したがって、ピン38,58と長孔15a,16aとを介してスライド板15,16を、その摺動方向内側に付勢することとなり、これにより眼幅調整器24,44は、常時お互いの円弧状の側面が接した状態となるので、眼幅調整器24,44の両者を安定した状態で保持できる。
一方、第一のバー20の下面には、図2に示す第一の光軸60と平行をなす線上にピン33,34が鉛直方向下向きに植設接され、このピン33、34に第一の平行運動機構を形成している孔36a,37aが回動自在に嵌合している。ここで第一の平行運動機構は、同じ長さの2本のバー36,37および、バー35が、孔36a,37aの他端側に形成された連結部35b,35cに回動自在に嵌合などにより結合されて構成されるリンク機構である。連結部35b,35cの間隔は、ピン33,34の間隔と同じ長さに設定されている。
同様に、第二のバー40の下面には、図2に示す第二の光軸70と平行をなす線上にピン53,54が鉛直方向下向きに植設され、このピン53、54に第二の平行運動機構を形成している孔56a,57aが回動自在に嵌合している。ここで第二の平行運動機構は、同じ長さの2本のバー56,57および、バー55が、孔56a,57aの他端側に形成された連結部55b,55cに回動自在に嵌合などにより結合されて構成されるリンク機構である。連結部55b,55cの間隔は、ピン53,54の間隔と同じ長さに設定されている。
さらに、対物レンズ21,41に一体形成、植設、接着などにより直付けされた角ピン39,59は、対物レンズ21,41の移動時に、この角ピン39,59と接することの無いように第一、第二のバー20,40に形成された大きな貫通孔である抜き穴20a,40aを貫通し、次に、第一、第二の平行運動機構の角孔35a,55aも貫通し、最後に、作動バー5の長孔5a,5bと嵌合している。
図4は、この角ピン39,59周辺の構成を示した要部拡大図である。図4に示すように角ピン39,59は、矩形の断面を持つ根元部39a,59aと、この根元部39a,59aの鉛直下方向に所定の長さに形成された断面が円形である先端部39b、59bから構成されている。この根元部39a,59aが互いに向かい合う側面は平行であり、さらに対物レンズ21,41の光軸にも平行としている。
そして、上述した第一、第二の平行運動機構の角孔35a,55aにおける長手方向の内壁面と、角ピン39,59の根元部39a,59aの側面は、摺動可能に組合わされ、これにより、対物レンズ21,41の光軸は第一、第二の平行運動機構の角孔35a,55aの内壁面と同一方向となっている。
即ち、この角孔35a,55aの長手方向は、第一、第二の平行運動機構によって図2に示す第一、第二の光軸60,70に平行な関係を維持するので、レンズ摺動台27,47によって対物レンズ21,41が摺動される方向がいかなる方向を向いていても、対物レンズ21,41の各々の光軸は、第一、第二の光軸60,70と平行を保つことができ、よって光軸維持手段となっている。
さらに、作動バー5の長孔5a,5bと角ピン39,59の先端部39b,59bは、摺動と回動とがともに可能な状態で嵌合している。これにより、作動バー5が制御器8で制御されたモータ7と減速器6から動力を受けて、光学装置の前後方向に駆動されるときに、長孔5a,5bと角ピン39,59を介して対物レンズ21,41を摺動させるので、上述した対物レンズ21,41の光軸の方向を所望の一定方向、すなわち本実施形態では第一、第二の光軸60,70と平行な方向に維持した状態で、対物レンズ21,41の摺動方向がいかなる方向であっても、所定の動力を付与し、摺動可能とすることができる。
次に上述の構成における眼幅調整にともなった最適な輻輳角の実現方法について、図5から図9を用いて説明する。
まず図5は、使用者側から見た光学機器の一部断面を含む正面方向の外観図である。図5に示すように使用者が眼幅に合わせて接眼部26,46を左右に広げる場合、右眼の眼幅調整器24は、眼幅調整器24の嵌合部24aと図3に示すスライド板15の管状部15bとの嵌合部の中心を回転中心(回動中心24c)として反時計回りに回転する。一方、左目の眼幅調整器44は、眼幅調整器44の嵌合部44aと図3に示すスライド板16の管状部16bとの嵌合部の中心を回転中心(回動中心44c)として時計回りに回転する。
また、左右の眼幅調整器24,44は上述のとおり、図3に示すバネ10によって第一、第二のバー20,40を介して付勢され、互いにカム面24d,44dで接している。このカム面24d,44dは、上述した眼幅調整器24,44の回動中心24c,44cから所定の量だけ偏芯した位置24b,44bを中心とした所定の半径Rの円弧であり、接眼部26,46が左右に離れる方向に回動するにしたがって、回動中心24c,44cからの距離が大きくなる箇所で接する。
したがって、接眼部26,46を離す方向に回動した場合、回動にともなって眼幅調整器24,44の回動中心24c,44cが左右に離れ、この眼幅調整器24,44に嵌合されているスライド板15,16が筐体1の溝部1b,1cに沿って左右に離れ、スライド板15,16の長孔15a,16aと嵌合しているピン38,58を左右に離れるように押すことで、上述したように図2に示す第一、第二のバー20,40の交差角が大きくなる。
即ち、図2に示すように眼幅を合わすために眼幅調整器24,44を回動することで、被写体2aと接眼部26,46までの全ての光軸(第一、第二の光軸60,70および左右眼の光軸61,71)の交差角を調整できる第一の輻輳角調整手段を構成している。
次に図6は、小さな眼幅A1の使用者が、遠点の被写体を見ている状態を示した上方向からみた断面図である。
使用者の眼幅A1に、接眼部26,46を合わせることで、第一、第二のバー20,40の交差角が調整され、被写体2aからの中央光路62,72、すなわち対物レンズ21、41の中心を通る光路は対物レンズ21,41を通り、接眼レンズ22,42の外周寄りに入射後、偏向プリズム23,43によって内側に所定量曲げられて、眼幅A1の遠点に相当する輻輳角α1で使用者の左右眼17,18に到達する。
対物レンズ21,41の中心は、第一、第二の光軸60,70より外周側に位置し、その光軸は第一、第二の光軸60,70と平行である。これは、上述したように第一、第二の平行運動機構によって対物レンズ21,41の向きが所望の一定方向に維持されることによって実現されている。
次に図7は、図6に示す状態に対して、小さな眼幅A1の使用者が近点の被写体を見ている状態を示した上方向からみた断面図である。ここで第一、第二の光軸60,70と案内軸30,50は所定の角度をなしており、その角度は図6と図7の状態で同じである。
図6の状態と異なる点は、作動バー5が図7の左に移動する(すなわち使用者側に移動する)ことで対物レンズ21,41が案内軸30,50に沿って左方向および内側に移動しており、対物レンズ21,41の中心は、第一、第二の光軸60,70より内側となっている点である。
この場合も対物レンズ21,41の光軸が第一、第二の光軸60,70と平行であり、これは、上述したように第一、第二の平行運動機構によって対物レンズ21,41の向きが所望の一定方向に維持されることによって実現されている点は図6と同じである。
そして、図7に示す状態で、被写体2aからの中央光路62,72は、対物レンズ21,41を通り、接眼レンズ22,42の内周寄りに入射後、偏向プリズム23,43によって内側に所定量曲げられて、眼幅A1の近点に相当する輻輳角β1で使用者の左右眼17,18に到達する。
したがって接眼部26,46を眼幅A1に合わせると、使用者は遠近点に相当する輻輳角α1、β1で被写体2aを見ることができる。
次に図8は、大きな眼幅A2の使用者が、遠点の被写体を見ている状態を示した上方向からみた断面図である。
図8に示すように使用者の眼幅A2は図6、図7に示す眼幅A1より大きいため、接眼部26,46を眼幅A2に合わすように、眼幅調整器24,44を介してピン38,58を外側に向けて押し、第一、第二のバー20,40の交差角は図6に示す状態より大きくなる。こうして、第一の輻輳角調整手段が実施される。
また、大きな眼幅A2の使用者は小さな眼幅A1の使用者と比べて遠点と近点の間で変化する輻輳角変化量が大きくなる。この輻輳角変化量を調整する第二の輻輳角調整手段について、以下に説明する。
第二の輻輳角調整手段は、小さな眼幅A1の輻輳角変化量(β1−α1)および大きな眼幅A2の輻輳角変化量(β2−α2)の比と、カム11,12がレンズ摺動台27,47を押込む量の比が合致するようにカム11,12とレンズ摺動台27,47の当接点を設定したものである。これによって眼幅の大小に応じて輻輳角変化量を適正に調整することが可能となる。
具体的には、図8に示すように眼幅が大きくなって第一、第二のバー20,40の交差角が大きくなると、それに伴って外側に移動するレンズ摺動台27,47の側面が、カム11,12によって内側に押される。
上述したようにレンズ摺動台27,47はピン32,52の中心を回転中心として回動可能な状態としているので、この場合、レンズ摺動台27は時計周りに、レンズ摺動台47は反時計回りに所定量だけ回動する。そして、レンズ摺動台27,47に植設された案内軸30,50も同様に回動するので、案内軸30,50と第一、第二の光軸60,70とのなす角が大きくなる。この案内軸30,50と第一、第二の光軸60,70とのなす角は、カム11,12がレンズ摺動台27,47を押す量、すなわち第一、第二のバー20,40の交差角の大きさに比例して増減する、換言すると眼幅の大きさに比例して増減するのである。
本実施形態では、図6と図8に示すように、遠点における対物レンズ21,41の位置はピン32,52の近傍、すなわち対物レンズ21,41の回動中心に近いところに位置するので、遠点においては図6に示す小さな眼幅A1と図8に示す大きな眼幅A2とで第一、第二の光軸60,70から対物レンズ21,41までの距離の差は小さい。
一方、図9は、大きな眼幅A2の使用者が近点の被写体を見ている状態を示した上方向から見た断面図である。図9において第一、第二の光軸60,70と案内軸30,50は所定の角度をなしており、その角度は大きな眼幅A2の使用者が遠点の被写体を見ている状態を示す図8と同じである。
しかしながら図9に示す状態においては、対物レンズ21,41が案内軸30,50に沿って左方向、および内側に移動しており、図8の状態に比べ、対物レンズ21,41の中心は、第一、第二の光軸60,70より内側となっている。
また、この図9に示す状態を図7に示す小さな眼幅A1の使用者が近点の被写体を見ている状態と比較すると、図7に示す小さな眼幅A1の対物レンズ21,41の位置より、図9に示す大きな眼幅A2の対物レンズ21,41の位置の方が、第一、第二の光軸60,70に対して、水平方向内側に、さらに離れたところに位置することとなっている。
すなわち、近点においては図7に示す小さな眼幅A1より図9に示す大きな眼幅A2の方が、第一、第二の光軸60,70から離れた位置に対物レンズ21,41を移動でき、中央光路62,72をより大きく内側に傾けることができるため、より大きい輻輳角を得ることができるのである。
以上のように、遠点側では眼幅による対物レンズ21,41の位置はほぼ変わらないため第一の輻輳角調整手段のみで使用者に対する最適な輻輳角をほぼ再現することができるが、近点側では対物レンズ21,41が近点側に移動するに従って、大きい眼幅A2の方が輻輳角増加の度合いが大きくなる。
また、図8、図9に示した大きい眼幅A2の遠近点の場合も、対物レンズ21,41の光軸は第一、第二の光軸60,70と平行に維持されている。これは、上述したように第一、第二の平行運動機構によって対物レンズ21,41の向きが所望の一定方向に維持されることによって実現されているためであり、図6、図7に示す小さな眼幅A1の遠近点の場合と同様である。
なお、対物レンズ21,41がレンズ保持器31,51の中で回動自在であり、レンズ保持器31,51の向きが案内軸30,50と同一方向であっても、対物レンズ21,41がレンズ保持器31,51の中で回動し、その光軸は第一、第二の光軸60,70との平行を維持することも上述のとおりである。
そして、大きい眼幅A2の場合の遠近点の光路は、大きな眼幅A2の使用者が遠点の被写体を見ている状態を示す図8では、被写体2aからの中央光路62,72は、対物レンズ21,41中心を通り、接眼レンズ22,42の外周寄りに入射後、偏向プリズム23,43によって内側に所定量曲げられて、眼幅A2の遠点に相当する輻輳角β2で使用者の左右眼17,18に到達する。
一方、大きな眼幅A2の使用者が近点の被写体を見ている状態を示す図9では、被写体2aからの中央光路62,72は、対物レンズ21,41中心を通り、接眼レンズ22,42の内周寄りに入射後、偏向プリズム23,43によって内側に所定量曲げられて、眼幅A2の近点に相当する輻輳角β2で使用者の左右眼17,18に到達する。
したがって接眼部26,46を眼幅A2に合わせると、使用者は遠近点に相当する輻輳角α2、β2で被写体2aを見ることができる。
以上のように本発明においては最適な輻輳角に調整される第一の輻輳角調整手段と、最適な輻輳角変化量に調整される第二の輻輳角調整手段を有しているので、使用者が各々の眼幅に合わせて眼幅調整器を調整する場合に、使用者ごとに日常と同様の最適な輻輳角で被写体(被両眼視部)を見ることができる。
つまり、使用者によって眼幅が異なり、各々の眼幅に合わせて眼幅調整器を調整しても、被写体(被両眼視部)を見るときに違和感を生じなくできるのである。
なお、本発明の実施形態では、眼幅調整器と第一の輻輳角調整手段と第二の輻輳角調整手段、および光軸維持手段が作動する方法について機構部材の構成で述べたが、これに限定されるものではない。
たとえば、電気的なセンサーやアクチュエータを使って構成することによって本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
具体的には、前記眼幅調整器24,44の調整位置を位置検出センサーで検知して電気信号に変換し、第一、第二のバー20,40を回動させるパルスモータなどのアクチュエータにその電気信号を伝達して、第一、第二のバー20,40を所定量だけ回動させることで第一の輻輳角調整手段が得られ、同様に、第一、第二のバー20,40上にレンズ摺動台27,47を回動させるアクチュエータを設け、眼幅調整器からの電気信号を伝達してレンズ摺動台27,47を所定量だけ回動することで第二の輻輳角調整手段が得られる。
さらに、レンズ摺動台27,47上に対物レンズ21,41を回動させるアクチュエータを設け、眼幅調整器からの電気信号を伝達して対物レンズ21,41の光軸を第一、第二の光軸に平行になるように回動させることで光軸方向維持手段が得られるものである。
また、本発明の実施形態では視力訓練装置を例にして、被写体が装置内に設けられた表示装置に表示されたものとして説明したが、これに限定されるものではない。
両眼で見るための光学系を有した実体顕微鏡や双眼鏡など、被写体が装置内に設けられた表示装置に表示されたものではなく、装置外部に実体がある対象物を被両眼視部(被写体)として見る場合においても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態ではピン32、33、34、38、52、53、54、58を植設して固定したがこれに限定されるものではない。それぞれのピンに所望の強度、寸法精度などを確保できる手段であれば一体形成、接着など用いて固定しても良いことは言うまでもない。
本発明は、一端を被両眼視部に向け、互いの光軸が交差するように水平方向に配置した第一、第二の光学手段と、前記第一、第二の光学手段の他端に、使用者の眼幅に調整できる眼幅調整器と、前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角を前記眼幅調整器の眼幅調整に連動して変化させる第一の輻輳角調整手段と、前記第一,第二の光学手段の眼幅調整器側に設けた接眼レンズと、前記被両眼視部側に設けた対物レンズと、前記対物レンズを前記接眼レンズと前記被両眼視部との間で可動させる可動手段と、前記対物レンズの可動方向を前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角に連動して変化させる第二の輻輳角調整手段と、前記対物レンズの光軸を前記第一、第二の光学手段の光軸に常に平行にさせる光軸方向維持手段と、を備えることにより、被両眼視部を見るときに違和感を生じなくできる。
すなわち、本発明においては最適な輻輳角に調整される第一の輻輳角調整手段と、最適な輻輳角変化量に調整される第二の輻輳角調整手段を有しているので、使用者が各々の眼幅に合わせて眼幅調整器を調整する場合に、使用者ごとに日常と同様の最適な輻輳角で被両眼視部を見ることができる。
つまり、使用者によって眼幅が異なり、各々の眼幅に合わせて眼幅調整器を調整しても、被両眼視部を見るときに違和感を生じなくできるのである。
このため実体顕微鏡や双眼鏡および視力回復訓練装置など様々な光学機器へ活用でき、広く普及することが期待できる。
本発明の一実施形態の光学装置の外観斜視図 同光学装置内部を示す斜視図 同光学装置の嵌合を示す分解斜視図 同光学装置の要部を示す拡大図 同光学装置の要部を示す外観正面図 同光学装置の上部断面図 同光学装置の上部断面図 同光学装置の上部断面図 同光学装置の上部断面図 眼幅と輻輳角の関係を示す図
符号の説明
1 筐体
2 表示部
2a 被写体(被両眼視部)
5 作動バー
9 軸
11,12 カム
15,16 スライド板
20,40 第一、第二のバー
21,41 対物レンズ
22,42 接眼レンズ
23,43 偏向プリズム
26,46 接眼部
27,47 レンズ摺動台
31,51 レンズ保持器
32,52 ピン
35,55 バー
35a,55a 角孔
38,58 ピン
39,59 角ピン
39a,59a 角ピン根元部
39b,59b 角ピン先端部
60 第一の光軸
70 第二の光軸
61 右眼の光軸
71 左眼の光軸

Claims (12)

  1. 一端を被両眼視部に向け、互いの光軸が交差するように水平方向に配置した第一、第二の光学手段と、
    前記第一、第二の光学手段の他端に設けた使用者の眼幅に調整できる眼幅調整器と、
    前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角を前記眼幅調整器の眼幅調整に連動して変化させる第一の輻輳角調整手段と、
    前記第一,第二の光学手段の眼幅調整器側に設けた接眼レンズと、前記被両眼視部側に設けた対物レンズと、
    前記対物レンズを前記接眼レンズと前記被両眼視部との間で可動させる可動手段と、
    前記対物レンズの可動方向を前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角に連動して変化させる第二の輻輳角調整手段と、
    前記対物レンズの光軸を前記第一、第二の光学手段の光軸に常に平行にさせる光軸方向維持手段と、を備える光学装置。
  2. 前記第一の輻輳角調整手段は、前記被両眼視部の位置に回動支点を有し、前記第一、第二の光学手段の光軸が前記被両眼視部で交差する請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記第二の輻輳角調整手段は、前記対物レンズを前記第一、第二の光学手段の光軸と所定の角度をなして移動させる請求項1または請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記第二の輻輳角調整手段は、前記被両眼視部に向けて水平方向外側に広がる方向に前記対物レンズを移動させる請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記第二の輻輳角調整手段は、前記対物レンズの移動方向を水平方向に回動させる請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の光学装置。
  6. 前記第二の輻輳角調整手段は、前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角が大きくなるに従って、第一、第二の光学手段の光軸と前記対物レンズの可動方向とのなす角度が大きくなる請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の光学装置。
  7. 前記光軸方向維持手段は、前記対物レンズあるいは前記対物レンズを保持する保持器を、前記第二の輻輳角調整手段に対して回動および摺動自在に組合わせ、前記対物レンズの光軸を前記第一、第二の光学手段の光軸と平行に維持する請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の光学装置。
  8. 前記眼幅調整器は、眼幅調整した位置を検知するセンサーを備える請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の光学装置。
  9. 前記第一の輻輳角調整手段は、前記センサーの信号に応じて前記第一、第二の光学手段の光軸の交差角を変化させるアクチュエータを備える請求項8に記載の光学装置。
  10. 前記第二の輻輳角調整手段は、前記センサーの信号に応じて前記対物レンズの移動方向を水平方向に回動させるアクチュエータを備える請求項8または9に記載の光学装置。
  11. 前記光軸方向維持手段は、前記センサーの信号に応じて前記対物レンズの光軸を前記第一、第二の光学手段の光軸と平行にするように、前記対物レンズあるいは前記対物レンズを保持する保持器を回動するアクチュエータを備える請求項8から請求項10のいずれか一つに記載の光学装置。
  12. 前記被両眼視部は、画像の表示手段である請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の光学装置。
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