JP2010142961A - 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 Download PDF

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智己 川瀬
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Abstract

【課題】吐出特性を正確に把握して印字品質の向上を図ることができる液滴吐出ヘッド及
び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】インクを吐出するノズル列38が所定方向に設けられるノズル基板33と、
ノズル基板33を支持するヘッドケース20とを備える液滴吐出ヘッド10であって、ヘ
ッドケース20の側部20aであって上記所定方向において最も温度が高い位置に熱電対
50が設けられているという構成を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関する。
従来から、微小な液滴を吐出可能なノズル列を有する機能液滴吐出ヘッドを用いて、液
晶表示装置や有機EL装置等のカラーフィルタに代表される各種の電気光学装置を製造す
る液滴吐出装置が知られている。液滴吐出ヘッドから吐出される液滴の吐出特性(液滴の
吐出速度や重量)は粘度や表面張力等の温度に依存する物性値に依存して変化するため、
液滴吐出ヘッドに温度センサを設けて温度管理を行うことがなされている。特に、液滴吐
出ヘッドを複数備える液滴吐出装置においては、液滴吐出ヘッド間において吐出特性が異
なると印字品質に影響を及ぼすため、液滴吐出ヘッド間で温度差がないように温度制御す
ることが必要となる。液滴吐出ヘッドに温度センサを取り付ける液滴吐出装置は、例えば
下記特許文献1に開示されている。
特開2000−153608号公報
ところで、温度センサは、コードの引き回しを考慮して液滴吐出ヘッドのヘッドケース
の側面に対して斜めに取り付けられることがある。このように、従来においては、専ら構
造的な取付性を考慮して、温度センサの取付位置が決定されていた。
しかしながら、液滴吐出ヘッドには温度のバラツキ(温度分布)があり、例えば、温度
が低く温度変化が表れ難い位置に温度センサが取り付けられてしまうと、液滴吐出ヘッド
の吐出特性を正確に把握できないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、吐出特性を正確に把握して印字品質の
向上を図ることができる液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することを目的としてい
る。
上記の課題を解決するために、本発明は、液滴を吐出するノズル列が所定方向に設けら
れるノズル基板と、上記ノズル基板を支持するヘッドケースとを備える液滴吐出ヘッドで
あって、上記ヘッドケースの側部であって上記所定方向において最も温度が高い位置に温
度センサが設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ノズル列が設けられる方向にお
いて温度が最も高い位置に温度センサが設けられるため、鋭敏な温度変化を正確に計測す
ることが可能となる。
また、本発明においては、上記温度センサは、上記所定方向における上記ノズル列の中
間の位置に対応する位置に設けられるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、熱が籠りやすく温度が高くなる
ノズル列の中間の位置に対応する位置に温度センサが設けられる。
また、本発明においては、上記温度センサは、所定方向と直交する向きで上記側部に設
けられるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、温度センサの計測領域を狭めて
、温度が最も高い位置のみに温度センサを当てて温度を計測することができる。
また、本発明においては、液滴吐出ヘッドとして、先に記載の液滴吐出ヘッドを備える
液滴吐出装置が得られる。
以下、本発明に係る液滴吐出ヘッドについて、図を参照して説明する。なお、以下の説
明では、圧電素子の伸縮によりノズル列からインクを吐出させて画像や文字を印字するイ
ンクジェット式の液滴吐出ヘッドに、本発明を適用した場合の例について説明する。
図1は、本発明の実施形態における液滴吐出ヘッド10の構成を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施形態における液滴吐出ヘッド10の構成を示す正面図である。
図3は、図1における線視K−K断面図である。
液滴吐出ヘッド10は、図1に示すように、ヘッドケース20と、ヘッドケース20に
支持された流路形成ユニット30と、ヘッドケース20の側部20aと接触して温度を計
測する熱電対(温度センサ)50とを備える。
流路形成ユニット30は、図3に示すように、振動板31と、流路基板32と、ノズル
基板33とを有する。流路形成ユニット30は、振動板31、流路基板32、及びノズル
基板33を積層し、接着剤等で接合一体化したものである。流路形成ユニット30は、ヘ
ッドケース20の内部流路22と接続された共通インク室34と、共通インク室34と接
続されたインク供給路35と、インク供給路35と接続された圧力室36とを備えている
。圧力室36はそれぞれ、ノズル基板33に設けられたノズル37に対応して設けられて
おり、各々の圧力室36は、共通インク室34と反対側の端部においてノズル37に接続
されている。
振動板31は、例えばステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート
加工したものである。振動板31の圧力室36に対応する部分には、エッチングなどによ
り支持板を環状に除去することで、圧電素子25の下端と接合される島部32aが形成さ
れている。島部32aはダイヤフラム部として機能する。すなわち、振動板31は、圧力
室36上において、島部32aの周囲の弾性フィルムの部分が圧電素子25の駆動に応じ
て弾性変形し、島部32aが上下動するようになっている。
流路基板32は、内部流路22の下端とノズル37とを接続する共通インク室34、イ
ンク供給路35、及び圧力室36それぞれの空間を形成するための凹部を有する。これら
の凹部は、例えば流路基板32の基材となるシリコン単結晶基板を異方性エッチングする
ことで形成されている。
ノズル基板33は、例えばステンレス鋼等の金属で形成された板状の部材であり、所定
方向に所定間隔(ピッチ)で形成された複数のノズル37を有する。本実施形態のノズル
基板33には、図1に示すようにノズル基板33の長辺方向において複数のノズル37が
列設され、ノズル列38を構成している。ノズル列38は、ノズル基板33の短辺方向に
おいて複数列(本実施形態では2列)並設されている。
ヘッドケース20は、合成樹脂からなる箱形の部材である。ヘッドケース20は、駆動
ユニット24を収容する収容空間21と、外部から供給されたインクを流路形成ユニット
30に案内する内部流路22と、ヘッドケース20内の2つの収容空間21を分ける中央
リブ28とを有する。
収容空間21内に配置された駆動ユニット24は、複数の圧電素子25と、複数の圧電
素子25の上端を支持する固定部材26と、駆動信号を圧電素子25に供給する柔軟なケ
ーブル27とを備えている。圧電素子25は、複数のノズル37のそれぞれに対応して設
けられている。
内部流路22は、ヘッドケース20を上下方向(ノズル基板33に対し垂直方向)に貫
通して形成されており、流路形成ユニット30にインクを供給する構成となっている。
中央リブ28には、補強板40が嵌合可能な凹部23が設けられる。補強板40は、例
えばステンレス鋼等の金属で形成される板部材であり、この凹部23に嵌合し、中央リブ
28ひいてはヘッドケース20全体を補強する。
上記構成の液滴吐出ヘッド10によれば、ケーブル27を介して圧電素子25に駆動信
号が入力されると、圧電素子25が伸縮する。これにより、振動板31がキャビティに接
近する方向及び離れる方向に変形(移動)する。このため、圧力室36の容積が変化し、
インクを収容した圧力室36の圧力が変動する。この圧力の変動によって、ノズル37か
ら、インクが吐出される。
熱電対50は、図1に示すように、ヘッドケース20の側部20aに設けられる。本実
施形態の熱電対50は、略長方形状を有し、この長辺が、ノズル列38が形成される所定
方向と直交するような向きで設けられる。この熱電対50は、所定方向において温度が最
も高い位置、具体的には、図2に示すように、所定方向においてノズル列38の中間の位
置に対応する位置(以下、中央部と称する)に設けられる。
続いて、図4を参照して、上記構成の液滴吐出ヘッド10の駆動に伴って生じる温度分
布について説明する。なお、図4において、縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。また
、太線は熱電対50を中央部に設けた場合の温度変化を示し、点線は熱電対50を図2の
2点鎖線で示す位置(所定方向においてノズル列38の端部の位置(以下、端部と称する
))に設けた場合の温度変化を示し、細線は液滴吐出ヘッド10の外部環境(チャンバー
内)の温度変化を示す。
駆動ユニット24が駆動すると、その駆動熱により収容空間21が昇温し、液滴吐出ヘ
ッド10のノズル列38に沿った方向に温度分布が生じる。図4に示すように、ヘッドケ
ース20の中央部は、端部と比べて温度が高く、温度変化に鋭敏である。これは、ヘッド
ケース20の中央部では、熱が籠りやすく温度が高くなり、一方のヘッドケース20の端
部では、熱が放散されやすく温度が低くなることに起因する。熱電対50は、このノズル
列38に沿った方向のうち最も高温の中央部と接触することで温度を計測する。
したがって、本実施形態では、インクを吐出するノズル列38が所定方向に設けられる
ノズル基板33と、ノズル基板33を支持するヘッドケース20とを備える液滴吐出ヘッ
ド10であって、ヘッドケース20の側部20aであって上記所定方向において最も温度
が高い位置に熱電対50が設けられているという構成を採用することによって、液滴吐出
ヘッド10の鋭敏な温度変化を正確に計測することが可能となる。したがって、本実施形
態では、吐出特性を正確に把握して印字品質の向上を図ることができる効果がある。
また、本実施形態においては、熱電対50は、上記所定方向におけるノズル列38の中
間の位置に対応する位置に設けられるという構成を採用することによって、熱が籠って温
度が高くなるノズル列38の中間の位置に対応する位置に熱電対50が設けられることと
なるため、鋭敏な温度変化を正確に計測することができる効果がある。
また、本実施形態においては、熱電対50は、所定方向と直交する向きで側部20aに
設けられるという構成を採用することによって、熱電対50の計測領域を狭めて、温度分
布で温度が低いところを避け、温度が最も高い位置のみに熱電対50を当てることができ
るため、温度が最も高い位置の温度変化を正確に計測できるという効果がある。
<液滴吐出装置>
次に、上述した液滴吐出ヘッド10を複数有する液滴吐出ユニット1備えた本発明の液
滴吐出装置IJの一例について、図5を参照しながら説明する。図5は液滴吐出装置IJ
の概略構成を示す斜視図である。
図5において液滴吐出装置IJは、液滴吐出ユニット1と、駆動軸4と、ガイド軸5と
、外部コントローラCTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ1
5とを備えている。ステージ7は、液滴吐出ユニット1によって機能液が吐出される基板
Pを支持するもので、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えたものである
。液滴吐出ユニット1のノズル開口部からは、ステージ7に支持されている基板Pに対し
、機能液が吐出されるようになっている。
駆動軸4には駆動モータ2が接続されている。駆動モータ2はステッピングモータ等か
らなるもので、外部コントローラCTからY軸方向の駆動信号が供給されると、駆動軸4
を回転させるようになっている。駆動軸4が回転すると、液滴吐出ユニット1はY軸方向
に移動する。ガイド軸5は基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は
、駆動モータ3を備えている。駆動モータ3はステッピングモータ等からなるもので、外
部コントローラCTからX軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をX軸方向に移
動するようになっている。
外部コントローラCTは、液滴吐出ユニット1に対して液滴吐出を制御するための電圧
を供給する。さらに、外部コントローラCTは、駆動モータ2に対して液滴吐出ユニット
1のY軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給するとともに、駆動モータ3に対
してステージ7のX軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は液滴吐出ユニット1をクリーニングするものであって、図示しな
い駆動モータを備えている。この駆動モータの駆動により、クリーニング機構8はガイド
軸5に沿ってX軸方向に移動する。クリーニング機構8の移動も外部コントローラCTに
より制御される。ヒータ15は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段
であり、基板P上に塗布された機能液に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行うようになって
いる。このヒータ15の電源の投入及び遮断も、外部コントローラCTによって制御され
るようになっている。
そして、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ユニット1と基板Pを支持するステージ7とを
相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。
このような液滴吐出装置IJにあっては、上述したように、吐出特性を正確に把握しつ
つ機能液を吐出できるため、良品質の製品を製造できるものとなる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記
実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形
状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等
に基づき種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態において、熱電対50がヘッドケース20の中央部に設けられ
ると説明したが、本発明は、上記構成に限定されるものではない。
例えば、ノズル列38のうち、すべてのノズル37を使用しない場合は、温度分布が上
記実施形態と異なり、所定方向における最も温度の高い位置が中央部からズレてしまうこ
とがある。したがって、使用するノズル37の位置に応じて、熱電対50の取付位置を適
宜変更することが望ましい。
例えば、上述の実施形態において、液滴吐出ヘッドから吐出される液滴(液状体)とし
ては、インクのみならず、特定の用途に対応する液滴を適用可能である。液滴吐出装置に
、その特定の用途に対応する液滴を吐出可能な液滴吐出ヘッドを設け、その液滴吐出ヘッ
ドから特定の用途に対応する液滴を吐出して、その液滴を所定の物体に付着させることに
よって、所定のデバイスを製造可能である。例えば、本発明の液滴吐出装置(液状体吐出
装置)は、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、及び面
発光ディスプレイ(FED)の製造等に用いられる電極材、色材等の材料を所定の分散媒
(溶媒)に分散(溶解)した液滴(液状体)を吐出する液滴吐出装置に適用可能である。
また、液滴吐出装置としては、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する液
滴吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液滴を吐出する液滴吐出装置であっ
てもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液滴吐出装置、
光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬
化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液滴吐出装置、基板などをエッチングするため
に酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液滴吐出装置、ジェルを吐出する液状体吐
出装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液滴吐出装置に本発明を適
用することができる。
本発明の実施形態における液滴吐出ヘッドの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態における液滴吐出ヘッドの構成を示す正面図である。 図1における線視K−K断面図である。 本発明の実施形態における液滴吐出ヘッドのノズル列方向における温度変化の違いを示すグラフである。 本発明の実施形態における液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。
符号の説明
10…液滴吐出ヘッド、20…ヘッドケース、20a…側部、33…ノズル基板、38
…ノズル列、50…熱電対(温度センサ)、IJ…液滴吐出装置

Claims (4)

  1. 液滴を吐出するノズル列が所定方向に設けられるノズル基板と、前記ノズル基板を支持
    するヘッドケースとを備える液滴吐出ヘッドであって、
    前記ヘッドケースの側部であって、前記所定方向において最も温度が高い位置に温度セ
    ンサが設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記温度センサは、前記所定方向における前記ノズル列の中間の位置に対応する位置に
    設けられることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記温度センサは、所定方向と直交する向きで前記側部に設けられることを特徴とする
    請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 液滴吐出ヘッドから所定の対象物に向けて液滴を吐出する液滴吐出装置であって、
    前記液滴吐出ヘッドとして、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドを備
    えることを特徴とする液滴吐出装置。
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