JP2010142552A - 椅子背もたれ及び座 - Google Patents
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Abstract
【課題】縦縞模様のサポートシートをバックフレームに正確に位置決めされた状態で容易に取り付けることを可能ならしめる。
【手段】サポートシート3には、アッパー係止板12及びサイド係止板13が逢着されている。係止板12,13はサポートシート3の裏側に1回転させた状態でバックフレーム2の係合溝11に嵌め込まれている。アッパー係止板12の左右両端部にはカール部17と下向き延長部18とが一体に形成されている。かつ、カール部17の箇所は逢着されていない非固定部19,20になっており、サポートシート3の非固定部19はヒダ状に膨らんでいる。サポートシート3はカール部17と下向き延長部18とで正確に位置決めされる。サポートシート3の非固定部19が対角方向に伸び移動するため、バックフレーム2へのアッパー係止板12の嵌め込みも容易に行える。
【選択図】図5
【手段】サポートシート3には、アッパー係止板12及びサイド係止板13が逢着されている。係止板12,13はサポートシート3の裏側に1回転させた状態でバックフレーム2の係合溝11に嵌め込まれている。アッパー係止板12の左右両端部にはカール部17と下向き延長部18とが一体に形成されている。かつ、カール部17の箇所は逢着されていない非固定部19,20になっており、サポートシート3の非固定部19はヒダ状に膨らんでいる。サポートシート3はカール部17と下向き延長部18とで正確に位置決めされる。サポートシート3の非固定部19が対角方向に伸び移動するため、バックフレーム2へのアッパー係止板12の嵌め込みも容易に行える。
【選択図】図5
Description
本願発明は、椅子の背もたれ及び座に関する。より詳しくは、着座者の荷重(体圧)を可撓性のサポートシートで支持する方式の背もたれ及び座に関する。
椅子の背もたれや座において、着座者の体圧を織地や編地から成るメッシュ状やネット状等の可撓性のサポートシートで支持するタイプのものがある。このタイプでは、サポートシートは表裏に開口した支持フレームに取り付けられる。サポートシートを支持フレームに取り付ける構造の一例として、特許文献1には、サポートシートの周縁に帯状の係止板を取り付けておく一方、支持フレームの外周にはその長手方向に延びる係合溝を形成し、係止板を係合溝に嵌め込むという構造が開示されている。
この特許文献1の構成では、係止板はサポートシートの弾性に抗して支持フレームの係合溝に嵌め込むことになり、ビス等のファスナー類や溶着設備が不要である利点を有する。
米国特許第3024068号明細書
さて、椅子の背もたれや座は人目に触れるものであるため見た目の美しさは重要であり、美感を高めるための一つの手段として、サポートシートに例えば縦縞模様や横縞模様や格子模様のような模様(例えば、編み柄・織り柄・プリント柄)を付与することが考えられる。この場合、縞や格子等の模様(柄)は左右対称及び上下対称にきっちりと仕上がっていないと体裁は良くなく、例えば縦縞模様の場合に縞(ストライプ)が斜めに傾斜していると見栄えはかなり悪化する。
他方、背もたれにしても座にしても一般には四角形に近い形態になっており、そこで背もたれを例にとると、図7に模式的に示すように、サポートシート31の周縁に、アッパー係止板32と左右サイド係止板33とロア係止板34とを取り付けて、これらの係止板32〜34をバックフレーム35の係合溝36に嵌め込むことになるが、例えばアッパー係止板32が右又は左にずれてしまって綺麗に仕上げることが難しく、縦縞が斜めになったり上コーナー部で縞(ストライプ)がいびつにゆがんだりすることがある。
また、各係止板32〜34をサポートシート31の裏側に向けて1回転させて(畳み込んで)係止板32〜34をサポートシート31で包むと、係止板32〜34がサポートシート31から外れることを確実に防止できる利点や、サポートシート31に強いテンションを掛けることができてバックフレーム35からの外れ防止機能も確実化できる利点、或いは、サポートシート3にテンションをかけることができてクッション性を確保できる利点があるが、サポートシート31がバックフレーム35の上コーナー部の箇所で外にはみ出る現象が生じており、そこで、マイナスドライバーのような押し具ではみ出た部分31aをバックフレーム35の係合溝36に押し込まねばならず、これに手間がかかるという問題もあった。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本願発明は各請求項の構成を備えている。このうち請求項1は背もたれに関するものであり、背もたれは、まず、左右長手のアッパーメンバーと上下長手の左右サイドメンバーとを有していて上部に左右の上コーナー部が形成されているバックフレームと、前記バックフレームに前から重なる可撓性のサポートシートとを有しており、前記バックフレームにおけるアッパーメンバーとサイドメンバーとの外周には、前記上コーナー部を通って一連に延びる係合溝が形成されている。
一方、前記サポートシートの周縁には、前記バックフレームのアッパーメンバーに対応した帯状のアッパー係止板とバックフレームのサイドメンバーに対応したサイド係止板が取り付けられており、前記アッパー係止板及びサイド係止板は、サポートシートの裏側に1回転させてサポートシートで巻かれた状態でバックフレームの係合溝に嵌め込まれている。
そして、上記の構成において、請求項1の発明では、前記アッパー係止板の左右両端には、前記バックフレームの上コーナー部に重なるカール部とこのカール部から下方に延びる下向き延長部とが一体に形成されており、前記下向き延長部の下方にサイド係止板が配置されている。
また、請求項2の発明は、請求項1において、前記アッパー係止板は、カール部を中心にした部分の全体又は一部を除いてサポートシートに逢着されており、このため、アッパー係止板とサポートシートとは互いに逢着されていない非固定部を有している。請求項2の好適な具体例として請求項3では、前記サポートシートの非固定部を周縁方向に沿って測った長さはアッパー係止板における非固定部の周縁方向の長さよりも長くなっており、このため、前記サポートシートの非固定部は、バックフレームへの取り付け前の状態で、アッパー係止板の非固定部の箇所で袋状になるように大きく蛇行している。
請求項4の発明は座に関するものであるが、この座の発明は本質的には請求項1と同じであり、フロント係止板にカール部とこれに連続した後ろ向き延長部とを形成している点に特徴を有している。
請求項1の発明では、アッパー係止板にカール部とこれに連続した下向き延長部が形成されていることにより、アッパー係止板は左右いずれの方向にもずれることはなくて、正確に位置決めされた状態でバックフレームの上部に取り付けることができる。このため、サポートシートが縦縞等の縞模様(縞柄)や格子模様(格子柄)のような模様を有していても、模様がいびつに表れることはなくて優れた見栄えを実現できる。
また、サポートシートのコーナー部はアッパー係止板のカール部に巻かれているため、サポートシートのコーナー部がバックフレームのコーナーから外側にはみ出ることはないのであり、このため、サポートシートのコーナー部を一々バックフレームの係合溝に押し込む作業は不要になって、背もたれの組み立て作業の能率をアップできる。
サポートシートに係止板を取り付ける手段としては、接着や溶着やタッカー止め等の様々の構造を採用できるが、請求項2のように逢着による取り付けを採用すると、ミシン掛けという簡単な作業で能率良くしかも強固に取り付けできる利点がある。
さて、アッパー係止板にカール部を形成すると、アッパー係止板を1回転させたときにカール部の内側に皺がよると共に、バックフレームに取り付けたときに過大なテンションが掛かってバックフレームへの取り付けに大きな力が必要になることがある。この点、請求項2のようにカール部の全体又は一部を非逢着されていない非固定部を設けると、カール部の箇所においてサポートシートが内側に引っ張られることが許容されるため、皺の発生を防止又は抑制して美感を確保できると共に、バックフレームへの取り付に際してのテンションを抑制して組み立てを容易ならしめることができる。
他方、各係止板をサポートシートの裏側に1回転させる(畳み込む)と、サポートシートは係止板の巾寸法の2倍の寸法だけ縦横の寸法は小さくなる。従って、サポートシートは、係止板を1回転させて大きさが小さくなった状態での全周の長さがバックフレームの外周の全長とおおむね同じ程度になるように設定しておくのが好ましく、そのためには、サポートシートに係止板を取り付けただけの状態では、サポートシートの外周の全長はバックフレームの外周の全長よりも長く設定しておくのが望ましい。しかし、単に係止板をサポートシートに重ねて固定しただけでは、全周の長さを長くすることはできない。
この点、請求項3の構成を採用すると、サポートシートは非固定部の箇所でヒダ寄せすることで周縁方向の長さを長く取ることができるため、いわば、サポートシートは非固定部の箇所がバッファ部になるのであり、その結果、アッパー係止板を1回転させた状態でカール部の箇所でサポートシートに過大なテンションが掛かることを防止して、バックフレームへの取り付けを容易に行うことできると共に、バックフレームに取り付けた状態でテンションが強すぎて耐久性が低下したりクッション性が低下したりすることを防止できる。
座に関する請求項4の発明は請求項1と同じ効果を奏する。敢えて述べるまでもないが、座に関しても請求項2,3の構成を付加することは可能である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は椅子の背もたれに適用しており、図1のうち(A)は本実施形態の背もたれ1を有する椅子の外観斜視図、(B)は背もたれ1の部分的な一部破断概略正面図であり、本実施形態は、事務用等に多用されるロッキング式回転椅子に適用している。
(1).バックフレーム
図1(B)に示すように、背もたれ1は前後に開口したバックフレーム2とこれに取り付けたサポートシート3とで構成されている。サポートシート3は縦縞模様の外観を呈している。図2(A)に示すように、バックフレーム2は揺動フレーム4に固定されている。バックフレーム2は、その上端を構成する左右横長のアッパーメンバー5と、左右側部を構成する上下長手の左右サイドメンバー6と、下端を構成する左右横長のロアメンバー7とからなっており、左右のサイドメンバー6は揺動フレーム4に設けた背支柱4aの前面に固定されている。また、左右の揺動フレーム4は、背支柱4aの下端の箇所において左右横長のステー8で連結されている。
図1(B)に示すように、背もたれ1は前後に開口したバックフレーム2とこれに取り付けたサポートシート3とで構成されている。サポートシート3は縦縞模様の外観を呈している。図2(A)に示すように、バックフレーム2は揺動フレーム4に固定されている。バックフレーム2は、その上端を構成する左右横長のアッパーメンバー5と、左右側部を構成する上下長手の左右サイドメンバー6と、下端を構成する左右横長のロアメンバー7とからなっており、左右のサイドメンバー6は揺動フレーム4に設けた背支柱4aの前面に固定されている。また、左右の揺動フレーム4は、背支柱4aの下端の箇所において左右横長のステー8で連結されている。
図2(B)はバックフレーム2を横に寝かせて下方から見た図、図3のうち(A)は背もたれ1の一部破断正面図、(B)はサポートシート3の部分的な正面図、(C)はサポートシート3の部分的な平断面図、(D)は(A)のD−D視断面図、(E)は(A)のE−E視断面図、(F)は(A)のF−F視断面図である。
図3(B)(C)に明示するように、サポートシート3は厚肉状で縦長の多数本の厚肉部3aを有しており、隣り合った厚肉部3aは太い弾性糸3bの群で繋がっている。従って、隣り合った厚肉部3aの間の部位は表裏に透けた空間になっている。縦長の厚肉部3aと縦長の空間とが並列して左右に交互に並んでいることにより、サポートシート3は全体として縦縞の外観を呈している。なお、サポートシート3はダブルラッセル機によって編成されており、厚肉部3aは細い糸で編まれた複層構造になっている。
バックフレーム2は樹脂を素材として全体が一体に製造された成形品であり(金属製とすることも可能である)、左右のサイドメンバー6は側面視で前向き凸状に緩く曲がっており、また、アッパーメンバー5とロアメンバー7とは平面視で前向き凹状に湾曲している。また、バックフレーム2は4本のメンバーによってほぼ四角形(縦長長方形)の形態になっているので、上部には左右2つの上コーナー部9が存在し、下部には左右2つの下コーナー部10が存在している。左右サイドメンバー6の下端部は内向きに傾斜した傾斜部6aになっている。また、図2(A)に示すように、ロアメンバー7の左右両端部は揺動フレーム4に重なる重合部7aになっている。
図3(D)(E)(F)に示すように、バックフレーム2における各メンバーの外周面には、サポートシート3を取り付けるための係合溝11が空いている。係合溝11は、アッパーメンバー5とサイドメンバー6とにおいては一連に延びており、従って係合溝11は上コーナー部9にも形成されている。他方、サイドメンバー6における傾斜部6aの略下半分とロアメンバー7の重合部7aとには係合溝11は形成されておらず、従って、係合溝11は下コーナー部10の箇所では途切れている。
係合溝11は、アッパーメンバー5の箇所では側断面視で斜め後ろに開口するように後傾しており、ロアメンバー7の箇所では斜め後ろに開口するように前傾しており、更に、サイドメンバー6の箇所では平断面視でやや後ろ向きに開口するように傾斜している。これらは、サポートシート3に体圧が掛かっても抜けにくくするための措置である。
(2).サポートシート
図4は、サポートシート3とバックフレーム2との部分的な分離正面図であり、この図の示すように、サポートシート3の周縁部の裏面には、バックフレーム2のアッパーメンバー5に対応したアッパー係止板12と、サイドメンバー6のうち下傾斜部6aを除いた部分に対応した第1サイド係止板13と、サイドメンバー6の下傾斜部6aに対応した第2サイド係止板14と、ロアメンバー7に対応したロア係止板15とが取り付けられている。各係止板は樹脂シートのような弾性を有する素材からなっており、その片面をサポートシート3に重ねた状態で、サポートシート3に逢着されている(すなわち糸で固定されている。)。逢着部を符号16で示している。本実施形態では逢着部16は1条のみになっているが、複数条の箇所で逢着することも可能である。
図4は、サポートシート3とバックフレーム2との部分的な分離正面図であり、この図の示すように、サポートシート3の周縁部の裏面には、バックフレーム2のアッパーメンバー5に対応したアッパー係止板12と、サイドメンバー6のうち下傾斜部6aを除いた部分に対応した第1サイド係止板13と、サイドメンバー6の下傾斜部6aに対応した第2サイド係止板14と、ロアメンバー7に対応したロア係止板15とが取り付けられている。各係止板は樹脂シートのような弾性を有する素材からなっており、その片面をサポートシート3に重ねた状態で、サポートシート3に逢着されている(すなわち糸で固定されている。)。逢着部を符号16で示している。本実施形態では逢着部16は1条のみになっているが、複数条の箇所で逢着することも可能である。
サイド係止板を第1サイド係止板13と第2サイド係止板14とに分離したのは、サイドメンバー6が下傾斜部6aを有しているからであるが、全体を一体に連続させることも可能である。サポートシート3を展開した正面視で、アッパー係止板12は上向き凸に湾曲しており、ロア係止板15は下向き凸に湾曲している。これは、バックフレーム2のアッパーメンバー5及びロアメンバー7が前向き凹状に湾曲しているるので、係止板12,15を湾曲させることで長さを揃えているのである。
図5のうち(A)は、サポートシート3の1つの上コーナー部9の箇所を中心にした背面図、(D)は(A)を白抜き矢印Aの方向から見た図である。この図に明瞭に示すように、アッパー係止板12の左右両端には、バックフレーム2の上コーナー部9に重なるカール部17と、カール部17の下端から下向きに延びる下向き延長部18とが一体に設けられている。そして、サポートシート3とアッパー係止板12とは、カール部17を中心にしてその両側に広がる非固定部19,20を有しており、両者は非固定部19,20の箇所では逢着されていない。 なお、カール部17の位置と境界は明確には規定し難いが、概ね、方向を大きく変えて曲がっている部分であるということができる。
図5(D)に示すように、サポートシート3の非固定部19は、大きなヒダを寄せた状態になっており、このため、図5(A)の矢印Dの方向(背もたれ1の対角外方向外側から見た方向)から見て縁が大きく蛇行して袋状(或いはポケット状)に膨れている。従って、サポートシート3のうちアッパー係止板12に取り付けれた部分の外周の長さは、アッパー係止板12の外周の長さによりも長くなっている。このためサポートシート3を全体として袋状に膨れた形態と成すことができる。
サポートシート3は、第2サイド係止板14とロア係止板15との間においても係止板との逢着がなされていないフリー部21(図4参照)になっているが、フリー部21の巾寸法をサイドメンバー6の係合溝11の下端とロアメンバー7の係合溝11の端との間の寸法より大きい寸法に設定しておいても良い。かくすることにより、バックフレーム2に張った場合に下コーナー部10の箇所でサポートシート3に過大なテンションが掛かることを防止できる。
(3).サポートシートの取り付け
背もたれ1の組み立ては、図5(B)(C)に示すように係止板12〜15を1回転させてからバックフレーム2の係合溝11に嵌め込むことで行われる。各係止板12〜15の嵌め込みは、例えば、アッパー係止板12→一方のサイド係止板13,14→他方のサイド係止板13,14→ロア係止板15、という手順で行われる。アッパー係止板12はコの字の形態を成しているので、最初に嵌め込むのが得策である。
背もたれ1の組み立ては、図5(B)(C)に示すように係止板12〜15を1回転させてからバックフレーム2の係合溝11に嵌め込むことで行われる。各係止板12〜15の嵌め込みは、例えば、アッパー係止板12→一方のサイド係止板13,14→他方のサイド係止板13,14→ロア係止板15、という手順で行われる。アッパー係止板12はコの字の形態を成しているので、最初に嵌め込むのが得策である。
上記の順序での嵌め込みの場合、アッパー係止板12と一方のサイド係止板13,14の嵌め込みのときにはサポートシート3にはさほどのテンションは掛かっていない。他方のサイド係止板13,14の嵌め込みと、ロア係止板15の嵌め込みとはサポートシート3を大きく引っ張って弾性変形させた状態で行う。サポートシート3を取り付けた後は、サポートシート3はピンと張った状態に保持されている。
そして、アッパー係止板12はカール部17と下向き延長部18とを有していることにより、バックフレーム2におけるアッパーメンバー5とサイドメンバー6との係合溝11にきっちり嵌まるので、左右位置は正確に位置決めされおり、従って、サポートシート3は図3に表示されているように縦縞が真っ直ぐに延びると共に左右対称の状態になり、従って見栄えが良い。
なお、コーナー部(特に上コーナー部9)では、サポートシート3には複雑な方向の外力が掛かるため、サポートシート3の縦縞は完全な平行にはならずに正面視で曲がった状態になることがあるが、この場合も左右対称の状態になるため美感の悪化はない。
さて、サポートシート3は上コーナー部9の箇所において背もたれ1の対角方向に大きく引っ張られることになり、このため、アッパー係止板12が全長にわたってサポートシート3に逢着されていると、サポートシート3の折り返し縁22(図5(C)参照)は、アッパー係止板12の内周面に密着せずに図5(A)に二点鎖線で示すようにアッパー係止板12の内角から離れた状態になることがある。
すると、アッパー係止板12をバックフレーム2の係合溝11に嵌め込むにおいて、コーナー部の箇所での折り返し縁22がバックフレーム2における上コーナー部9の係合溝11の内面に突っ張って、結果としてアッパー係止板12がアッパーメンバー5の係合溝11に深く入り込ませにくくなると共に、ロア係止板15をロアメンバー7の係合溝11に嵌め込むに際してサポートシート3に過大なテンションで生じる虞がある。
これに対して本実施形態のように、アッパー係止板12のカール部17を中心にした部分を非固定部19,20とすると、アッパー係止板12をバックフレーム2の係合溝11に嵌め込むにおいて、サポートシート3のうち非固定部19の箇所の箇所がずれ移動することにより、折り返し部22がカール部17の内周に軽い力で密着するのであり、その結果、アッパー係止板12をバックフレーム2の係合溝11にしっかりと嵌め込むことができる。これにより、サポートシート3のうち上コーナー部9の箇所において過大なテンションが作用することを防止又は著しく抑制して、ロア係止板15の嵌め込みを容易に行えると共に、下向き延長部18のストライプが上コーナー部9の箇所でいびつに変形して見栄えが悪くなる不具合を防止できる。
見方を変えて述べると、本実施形態では、サポートシート3の外周の長さを長くすることでバックフレーム2への上コーナー部9の嵌め込みを容易ならしめつつ、サポートシート3の縁部を長くしたことによって生じる皺を上コーナー部9の箇所で吸収していると言える。
(4).変形例
図4では変形例を示している。(A)はサポートシート3の部分的な背面図、(B)は(A)を矢印Bの方向から見た図である。この変形例では、カール部17の中心部は逢着部16になっており、上コーナー部9の中心部を挟んだ両側に2つの非固定部19が設けられている。
図4では変形例を示している。(A)はサポートシート3の部分的な背面図、(B)は(A)を矢印Bの方向から見た図である。この変形例では、カール部17の中心部は逢着部16になっており、上コーナー部9の中心部を挟んだ両側に2つの非固定部19が設けられている。
2つの非固定部19の箇所では、サポートシート3は大きくヒダを寄せた状態に膨らんでいる。本変形例では、非固定部19が複数存在することにより、伸びを均等化しつつ、サポートシート3における非固定部19の縁の全長を長くすることができる。
つまり、1つの非固定部19のみでサポートシート3を大きく膨らませると、テンションの掛かり方によって皺が発生する虞があるが、膨らみをアッパー係止板12の周方向に分けて設けると、サポートシート3がアッパー係止板12の周方向に沿った複数箇所で均等に引っ張られるため、皺の発生を防止しつつ、アッパー係止板12をバックフレーム2の係合溝11に容易にしっかりと嵌め込むことができるのである。
(5).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、本願発明は椅子の座にも適用できる。また、本願発明が適用対象がロッキング式の回転椅子に限定されないことは勿論で、例えばパイプ椅子など各種の椅子に適用できる。また、背もたれと座とが一体に連続した椅子(ソファ)にも適用できる。
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、本願発明は椅子の座にも適用できる。また、本願発明が適用対象がロッキング式の回転椅子に限定されないことは勿論で、例えばパイプ椅子など各種の椅子に適用できる。また、背もたれと座とが一体に連続した椅子(ソファ)にも適用できる。
背もたれを例に取ると、アッパー係止板とロア係止板との両方にカール部及び延長部を設けることや、1カ所のコーナー部に3つ以上の非固定部を設けることも可能である。また、カール部及び延長部が形成されている係止板を左右複数に分割することも可能である。更に、請求項からは外れるが、サイドメンバーにカール部とこれに連続した横長延長部を一体に設けることも可能である。
1 背もたれ
2 バックフレーム
3 サポートシート
5 アッパーメンバー
6 サイドメンバー
7 ロアメンバー
9 上コーナー部
11 係合溝
12 アッパー係止板
13,14 サイド係止板
16 逢着部
17 カール部
18 下向き延長部
19 サポートシートの非固定部
20 アッパー係止板の非固定部
2 バックフレーム
3 サポートシート
5 アッパーメンバー
6 サイドメンバー
7 ロアメンバー
9 上コーナー部
11 係合溝
12 アッパー係止板
13,14 サイド係止板
16 逢着部
17 カール部
18 下向き延長部
19 サポートシートの非固定部
20 アッパー係止板の非固定部
Claims (4)
- 左右長手のアッパーメンバーと上下長手の左右サイドメンバーとを有していて上部に左右の上コーナー部が形成されているバックフレームと、前記バックフレームに前から重なる可撓性のサポートシートとを有しており、
前記バックフレームにおけるアッパーメンバーとサイドメンバーとの外周には、前記上コーナー部を通って一連に延びる係合溝が形成されている一方、
前記サポートシートの周縁には、前記バックフレームのアッパーメンバーに対応した帯状のアッパー係止板とバックフレームのサイドメンバーに対応したサイド係止板が取り付けられており、前記アッパー係止板及びサイド係止板は、サポートシートの裏側に1回転させてサポートシートで巻かれた状態でバックフレームの係合溝に嵌め込まれている、
という背もたれであって、
前記アッパー係止板の左右両端には、前記バックフレームの上コーナー部に重なるカール部とこのカール部から下方に延びる下向き延長部とが一体に形成されており、前記下向き延長部の下方にサイド係止板が配置されている、
椅子の背もたれ。 - 前記アッパー係止板は、カール部を中心にした部分の全体又は一部を除いてサポートシートに逢着されており、このため、アッパー係止板とサポートシートとは互いに逢着されていない非固定部を有している、
請求項1に記載した椅子の背もたれ。 - 前記サポートシートの非固定部を周縁方向に沿って計った長さはアッパー係止板における非固定部の周縁方向の長さよりも長くなっており、このため、前記サポートシートの非固定部は、バックフレームへの取り付け前の状態で、アッパー係止板の非固定部の箇所で袋状になるように大きく蛇行している、
請求項2に記載した椅子の背もたれ。 - 左右長手のフロントメンバーと前後長手の左右サイドメンバーとを有していて前部に左右の前コーナー部が形成されている座フレームと、前記座フレームに上から重なる可撓性のサポートシートとを有しており、
前記座レームにおけるフロントメンバーとサイドメンバーとの外周には、前記前コーナー部を通って一連に延びる係合溝が形成されている一方、
前記サポートシートの周縁には、前記座フレームのフロントメンバーに対応した帯状のフロント係止板と座フレームのサイドメンバーに対応したサイド係止板が取り付けられており、前記フロント係止板及びサイド係止板は、サポートシートの裏側に1回転させてサポートシートで巻かれた状態で座フレームの係合溝に嵌め込まれている、
という椅子の背もたれであって、
前記フロント係止板の左右両端には、前記座フレームの前コーナー部に重なるカール部とこのカール部から後方に延びる後ろ向き延長部とが一体に形成されており、前記後ろ向き延長部の後方にサイド係止板が配置されている、
椅子の座。
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