JP2010142028A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】導電部材を屈曲変形させること無く精度良く電気的に接続できるようにし、装着し直す手間を省略する。
【解決手段】ブラシホルダ50/ギヤケース31の双方に、ギヤカバーのギヤケース31への装着を案内する各凸部52b/凹溝36cをそれぞれ設け、ギヤカバーを形成するインシュレータ80には、各凸部52b/凹溝36cに装着される案内脚部84/案内突起85をそれぞれ設けた。案内脚部84/案内突起85の各凸部52b/凹溝36cへの装着により、カバー側導電部材83の端子片83aがブラシ側導電部材54の端子片54aに電気的に接続されるようにした。案内脚部84/案内突起85を各凸部52b/凹溝36cに装着するのみで、自動的に各導電部材54,83を電気的に接続することができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、ワイパ装置等の車両用電装品の駆動源として用いられるモータに関する。
従来、自動車等の車両には、ウィンドシールドに付着した雨水等を払拭するワイパ装置が搭載されている。ワイパ装置の駆動源としては、小型でありながら高出力が得られる減速機構付き電動モータ(モータ)が用いられており、このような減速機構付き電動モータとしては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。
特許文献1に記載された減速機構付き電動モータは、電動モータと減速機構部とを備えている。電動モータはヨーク(モータケース)を有し、ヨークの内部にはアーマチュアコア(アーマチュア)およびモータ軸(アーマチュア軸)が回転自在に設けられている。減速機構部はケースフレーム(ギヤケース)を有し、ケースフレームの内部にはウォーム,ウォーム歯車および第1,第2ギヤ(減速ギヤ)が回転自在に設けられている。また、ケースフレームにはブラシホルダが固定されており、ブラシホルダにはモータ軸に固定されたコンミテータに摺接するブラシが設けられている。
ケースフレームはケースカバー(ギヤカバー)によって閉塞されており、ケースカバーには、一端側が電源接続用端子(外部端子)に電気的に接続される電源側ターミナル(カバー側導電部材)が設けられている。一方、ブラシホルダには、一端側がブラシに電気的に接続されるブラシ側ターミナル(ブラシ側導電部材)が設けられている。ブラシ側ターミナルの他端側には接続ユニットが電気的に接続されており、ケースカバーをケースフレームに装着する際に、電源側ターミナルの他端側と接続ユニットとを電気的に接続し、これにより電源側ターミナルとブラシ側ターミナルとを電気的に接続するようにしている。
特開2003−284282号公報(図9)
しかしながら、上述の特許文献1に記載された減速機構付き電動モータによれば、ケースカバーをケースフレームに装着する際に、電源側ターミナルと接続ユニットとを互いに装着方向に精度良く整合させる必要があり、仮に整合精度が低い状態で装着した場合には、電源側ターミナルの端部に無理な力が加わり、電源側ターミナルを屈曲変形させてしまう等の問題が生じ得る。電源側ターミナルが屈曲変形した場合には、ケースカバーをケースフレームから一旦取り外して電源側ターミナルの端部を真っ直ぐに修正し、ケースカバーをケースフレームに再度装着し直す等の手間がかかる。
本発明の目的は、導電部材を屈曲変形させること無く精度良く電気的に接続できるようにし、装着し直す手間を省略できるモータを提供することにある。
本発明のモータは、アーマチュア軸を有するアーマチュアを回転自在に収容するモータケースと、前記アーマチュア軸の回転を減速する減速ギヤを回転自在に収容するギヤケースと、前記ギヤケースの開口部を閉塞するギヤカバーと、前記モータケースと前記ギヤケースとの間に設けられるブラシホルダとを備えたモータであって、前記アーマチュア軸に固定されるコンミテータと、前記ブラシホルダに保持され、前記コンミテータに摺接するブラシと、前記ブラシホルダに設けられ、一端側が前記ブラシに電気的に接続されて他端側が前記ギヤケース内に配置されるブラシ側導電部材と、前記ギヤカバーに設けられ、一端側が外部端子に電気的に接続されて他端側が前記ブラシ側導電部材の他端側に電気的に接続されるカバー側導電部材と、前記ブラシホルダおよび前記ギヤケースのうちの少なくとも何れか一方に設けられ、前記ギヤカバーの前記ギヤケースへの装着を案内する装着案内部と、前記ギヤカバーに設けられ、前記装着案内部に装着される被装着案内部とを有し、前記被装着案内部の前記装着案内部への装着により、前記カバー側導電部材の他端側が前記ブラシ側導電部材の他端側に電気的に接続されることを特徴とする。
本発明のモータは、前記装着案内部を前記ブラシ側導電部材の他端側に近接配置し、前記被装着案内部を前記カバー側導電部材の他端側に近接配置することを特徴とする。
本発明のモータは、前記ギヤケースは、前記ギヤケースに対する前記ブラシホルダの位置決めを行う位置決め部を有することを特徴とする。
本発明のモータは、前記ギヤカバーをカバー部材と当該カバー部材に固定されるインシュレータとから形成し、前記インシュレータに前記カバー側導電部材を装着し、前記インシュレータに前記被装着案内部を形成することを特徴とする。
本発明のモータによれば、ブラシホルダおよびギヤケースのうちの少なくとも何れか一方にギヤカバーのギヤケースへの装着を案内する装着案内部を設け、ギヤカバーには装着案内部に装着される被装着案内部を設け、被装着案内部の装着案内部への装着により、カバー側導電部材の他端側がブラシ側導電部材の他端側に電気的に接続されるようにした。したがって、ギヤカバーをギヤケースに装着する際に、被装着案内部を装着案内部に装着するのみで各導電部材を電気的に接続することができる。これにより、導電部材を屈曲変形させること無く精度良く電気的に接続することができ、従前のような導電部材の屈曲変形を修正して装着し直す等の手間を省略することができる。
本発明によれば、装着案内部をブラシ側導電部材の他端側に近接配置し、被装着案内部をカバー側導電部材の他端側に近接配置するので、各導電部材をより精度良く電気的に接続することができる。
本発明によれば、ギヤケースは、ギヤケースに対するブラシホルダの位置決めを行う位置決め部を有するので、ブラシホルダをギヤケースの所定位置に精度良く配置することができ、各導電部材をより精度良く電気的に接続することができる。
本発明によれば、ギヤカバーをカバー部材と当該カバー部材に固定されるインシュレータとから形成し、インシュレータにカバー側導電部材を装着し、インシュレータに被装着案内部を形成するので、カバー部材を他の仕様のモータに流用することができ、部品を共通化して製造コストの低減を図ることができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明に係るワイパモータ(モータ)を備えたワイパ装置を説明する説明図を、図2は図1のワイパモータを示す平面図を、図3は図2のワイパモータの内部構造を説明する説明図を、図4(a),(b)は図3の破線円A部分を拡大して示す部分拡大図を、図5はブラシホルダの詳細構造を説明する説明図を、図6は図5の破線円B部分を拡大して示す部分拡大図を、図7はギヤカバーの詳細構造を説明する説明図を、図8は図7の破線円C部分を拡大して示す拡大図をそれぞれ表している。
図1に示すように、車両10の前方側にはフロントガラス11が設けられており、フロントガラス11上には、当該フロントガラス11に付着した雨や埃等の付着物を払拭するDR側(運転席側)ワイパ部材12と、AS側(助手席側)ワイパ部材13とが設けられている。
DR側ワイパ部材12は、DR側ワイパブレード12aとDR側ワイパアーム12bとを有しており、DR側ワイパブレード12aはDR側ワイパアーム12bの先端側に回動自在に取り付けられている。AS側ワイパ部材13は、AS側ワイパブレード13aとAS側ワイパアーム13bとを有しており、AS側ワイパブレード13aはAS側ワイパアーム13bの先端側に回動自在に取り付けられている。
各ワイパブレード12a,13aは、各ワイパアーム12b,13bの内側に設けられた図示しないコイルバネ(引っ張りバネ)によって、それぞれフロントガラス11に弾圧的に接触するようになっている。
各ワイパブレード12a,13aは、フロントガラス11上の下反転位置LRPと上反転位置URPとの間に形成される各払拭範囲11a,11bを、それぞれ同期して同一方向に往復払拭動作するようになっている。つまり、各ワイパブレード12a,13aの払拭パターンはタンデム型となっている。
車両10におけるフロントガラス11の前端側には、各ワイパブレード12a,13aを払拭動作させるワイパ装置14が搭載されている。ワイパ装置14は、車室内等に設けられるワイパスイッチ(図示せず)の操作により回転駆動されるワイパモータ(モータ)15と、ワイパモータ15の回転運動を各ワイパブレード12a,13aの揺動運動に変換するリンク機構16とを備えている。
ワイパスイッチを操作してワイパモータ15を回転駆動することでリンク機構16は揺動駆動され、これにより車両10に設けられたDR側ピボット軸17aおよびAS側ピボット軸17bに固定された各ワイパアーム12b,13b(各ワイパブレード12a,13a)がフロントガラス11上で揺動運動するようになっている。
ワイパモータ15は、図2および図3に示すように、モータ部20とギヤ部30とを備えている。なお、図3においては、ワイパモータ15の内部構造を分かり易くするために、ギヤカバー60(図7参照)とモータケース21とを省略している。
モータ部20は、鋼板等をプレス加工(深絞り加工)することにより有底筒状に形成されたモータケース21を備えており、モータケース21の内部には、図3に示すように、一対の永久磁石22が対向するよう配置されている。各永久磁石22の内側には、所定の隙間を介してアーマチュア23が回転自在に設けられており、アーマチュア23の回転中心にはアーマチュア軸24が貫通して固定されている。このように、モータケース21は、アーマチュア23およびアーマチュア軸24を回転自在に収容している。
アーマチュア軸24の基端側(図中右側)は、軸受部材(図示せず)を介してモータケース21の底部21aに支持されており、アーマチュア軸24の先端側(図中左側)は、ギヤ部30を形成するギヤケース31の内部にまで延ばされている。アーマチュア軸24の先端側には、第1ウォーム24aおよび第2ウォーム24bが軸方向に並んで一体に設けられており、各ウォーム24a,24bの成形方向(巻き方向)はそれぞれ逆向きとなっている。
アーマチュア軸24の各ウォーム24a,24bとアーマチュア23との間には、円筒状に形成されたコンミテータ25が固定されている。コンミテータ25には、アーマチュア23に巻装されたコイル(図示せず)の端部が電気的に接続されており、コンミテータ25の外周部には、複数のブラシ53aが摺接するようになっている。これにより、各ブラシ53aを介してコンミテータ25およびコイルに駆動電流を供給すると、アーマチュア23に電磁力(回転力)が発生してアーマチュア軸24が所定の回転数/回転方向で回転するようになっている。
ギヤ部30はギヤケース31とギヤカバー60とを備えている。ギヤケース31は、アルミ材料等を鋳造成形することにより有底状に形成されており、図2に示すように一対の締結ネジ18によりモータケース21の開口側(図中左側)に連結されている。ギヤケース31の内部には、回転中心に出力軸32aが一体に設けられたウォームホイール32が回転自在に収容されており、ウォームホイール32と各ウォーム24a,24bとの間には、第1カウンタギヤ33および第2カウンタギヤ34が回転自在に設けられている。
ウォームホイール32の外周部には、各カウンタギヤ33,34にそれぞれ一体に設けられた小径ギヤ33a,34aが噛み合うギヤ歯32bが形成されている。また、各カウンタギヤ33,34は、各小径ギヤ33a,34aに加えて大径ギヤ33b,34bをそれぞれ有しており、各大径ギヤ33b,34bは各ウォーム24a,24bにそれぞれ噛み合わされている。各ウォーム24a,24bの巻き方向をそれぞれ逆向きとしているので、例えば、各ウォーム24a,24bを正方向に回転させると、これに伴って各カウンタギヤ33,34の双方が時計方向に回転し、さらにウォームホイール32が反時計方向に回転するようになっている。
ここで、第1ウォーム24a,第2ウォーム24b,第1カウンタギヤ33,第2カウンタギヤ34およびウォームホイール32は、アーマチュア軸24の回転を減速して出力するものであり、何れもギヤケース31の内部に回転自在に収容されている。第1ウォーム24a,第2ウォーム24b,第1カウンタギヤ33,第2カウンタギヤ34およびウォームホイール32は、本発明における減速ギヤを構成している。
ギヤケース31のモータケース21側には、ブラシホルダ50が装着されるホルダケース部35が一体に設けられている。ギヤケース31のホルダケース部35寄りには、ブラシホルダ50のホルダ端子部52を収容するホルダ端子収容部36が一体に設けられている。ホルダ端子収容部36は、ホルダ端子部52をギヤケース31の内部の所定箇所に位置決めするようになっている。
ホルダ端子収容部36は、図3および図4に示すようにアーマチュア軸24の軸方向に向けて延びる略長方形形状に形成されている。なお、図4においては、ホルダ端子収容部36の詳細構造を分かり易くするために、ホルダ端子部52を省略している。
ホルダ端子収容部36の先端側(図中左側)には、図4(a)に示すように、ホルダケース部35に向けて突出する支持突起36aが設けられており、支持突起36aの下方側には、ホルダ端子部52の突起部52aが入り込む突起収容部36bが形成されている。つまり、支持突起36aは、ホルダ端子部52のギヤケース31の深さ方向に対する位置決めを行うようになっている。ここで、支持突起36aおよび突起収容部36bは、本発明における位置決め部を構成している。
ホルダ端子収容部36の基端側(図中右側)には、図4(b)に示すように、ホルダケース部35に向けて窪んだ凹溝36cが設けられている。凹溝36cは、ギヤケース31の深さ方向に延ばされており、支持突起36aよりもギヤケース31の開口側に設けられている。すなわち、支持突起36aはギヤケース31の底部側に設けられ、凹溝36cはギヤケース31の開口側に設けられている。
凹溝36cは、図3に示すように、ホルダ端子部52の端子片54aに近接配置(例えば、離間距離にして5.0mm)されており、凹溝36cにはインシュレータ80の案内突起85が入り込むようになっている。凹溝36cは、ギヤケース31の深さ方向と直交する方向(ギヤケース31の幅方向)に対するインシュレータ80の位置決めを行うようになっている。ここで、凹溝36cは、本発明における装着案内部を構成している。
ホルダ端子収容部36の近傍には、円筒部37が配置されており、円筒部37の中心には、円筒部37の軸方向に貫通するよう連通路37aが形成されている。連通路37aは、ギヤケース31の内部と外部とを連通するようになっている。円筒部37は、ワイパモータ15の回転駆動時におけるギヤケース31の内部の温度変化に応じて、ギヤケース31の内部と外部との間で、連通路37aを介して空気の行き来を許容するようになっている。なお、円筒部37には、雨水や埃等の進入を阻止するために空気の流通経路を屈曲させるブリザキャップ(図示せず)を装着することもできる。
ギヤケース31とモータケース21との間には、ブラシホルダ50が設けられている。ブラシホルダ50はギヤケース31に形成されたホルダケース部35に装着されており、ブラシホルダ50はプラスチック等の樹脂材料により形成されている。ブラシホルダ50は、図5に示すように、有底状に形成されたホルダ本体51と、当該ホルダ本体51に一体に設けられるホルダ端子部52とを備えている。
ホルダ本体51は、底壁部51aと側壁部51bとを有しており、側壁部51bはホルダケース部35の内部に嵌合されるようになっている。ホルダ本体51の内側には、プラスチック等の樹脂材料よりなる板状のブラシホルダベース53が設けられており、ブラシホルダベース53は、コンミテータ25の外周部に摺接する複数のブラシ53a(図示では1つのみ示す)を保持している。また、ブラシホルダベース53には、各ブラシ53aの他にチョークコイル等の電子部品(図示せず)が設けられている。
ホルダ本体51の底壁部51aおよびブラシホルダベース53には、アーマチュア軸24に固定されたコンミテータ25が貫通する貫通孔51c,53bがそれぞれ設けられている。各貫通孔51c,53bの直径寸法は、コンミテータ25との間で所定のクリアランスが形成されるように、コンミテータ25の直径寸法よりも大きな直径寸法に設定されている。これにより、コンミテータ25は各貫通孔51c,53bの径方向内側で回転自在となっている。
ホルダ端子部52は、底壁部51aに一体に設けられており、側壁部51bの突出方向(図中右側)とは反対側の方向(図中左側)に延ばされている。ホルダ端子部52は、ギヤケース31のホルダ端子収容部36の内側形状と同様に略長方形形状に形成されており、ホルダケース部35にブラシホルダ50(ホルダ本体51)を装着した際に、ホルダ端子部52はホルダ端子収容部36の内部に配置される(図3参照)。
ホルダ端子部52には、導電性に優れた導電材料(黄銅材等)よりなる3つのブラシ側導電部材54が設けられている。各ブラシ側導電部材54の一端側は、接続導線(図示せず)を介して各ブラシ53aに電気的に接続されている。一方、各ブラシ側導電部材54の他端側には、それぞれ端子片54aが形成されており、各端子片54aはそれぞれホルダ端子部52の外部に突出され、かつホルダ端子部52の長手方向に沿って等間隔に並んで設けられている。
ホルダ端子部52の先端側には、図6に示すように、ギヤケース31のホルダ端子収容部36に形成した支持突起36a(図4(a)参照)に支持される突起部52aが一体に設けられている。突起部52aは、ホルダ端子部52の長手方向に向けて突出されており、支持突起36aの下方側にある突起収容部36b(図4(a)参照)に入り込むようになっている。
ホルダ端子部52の先端側には、ホルダ端子部52の長手方向と短手方向とに突出し、かつギヤケース31の深さ方向に延びる一対の凸部52bが設けられている。各凸部52bは、端子片54aに近接配置(例えば、離間距離にして2.0mm)されており、各凸部52bは本発明における装着案内部を構成している。各凸部52bには、インシュレータ80の案内脚部84が装着されるようになっている。各凸部52bには、他の部分よりも肉厚となった嵌合部52cがそれぞれ一体に設けられており、各嵌合部52cは案内脚部84の内部に嵌合されて、インシュレータ80のホルダ端子部52に対するがたつきを抑えるようになっている。
図7に示すように、ギヤカバー60はカバー部材70とインシュレータ80とから構成されている。カバー部材70はプラスチック等の樹脂材料により有底状に形成されており、底部71と周壁部72とを備えている。カバー部材70の外郭形状は、ギヤケース31の開口部と略同様の形状に形成されており、これによりギヤケース31の開口部を閉塞できるようになっている。
底部71および周壁部72には、底部71の所定箇所にインシュレータ80を固定するための複数の固定爪73が形成されている。底部71には、ウォームホイール32,第1カウンタギヤ33および第2カウンタギヤ34の回転中心を軸方向から支持する3つのギヤ支持部74が設けられている。各ギヤ支持部74は、ウォームホイール32,第1カウンタギヤ33および第2カウンタギヤ34の軸方向へのがたつきを抑制するようになっている。底部71には、ウォームホイール32に摺接する複数の摺接リブ75が設けられており、各摺接リブ75は、各カウンタギヤ33,34よりも大径となったウォームホイール32が傾斜して回転するのを抑制するようになっている。
周壁部72の底部71側とは反対側には、周壁部72の形状に沿うようシール溝76が設けられており、シール溝76にはゴム製のシール部材(図示せず)が装着されるようになっている。シール部材は、ギヤケース31とカバー部材70との間に挟持され、これにより両者間を密封するようになっている。
周壁部72には、車両10側に設けられる外部コネクタ(図示せず)を接続するためのコネクタ接続部77が一体に設けられている。コネクタ接続部77は中空状に形成されており、コネクタ接続部77の内部にはインシュレータ80に装着されたカバー側導電部材83の一端側(図中左側)の端子片(図示せず)が配置されている。
インシュレータ80は、プラスチック等の樹脂材料により所定形状に形成されており、板状に形成された本体部81と、当該本体部81に一体に設けられた立設部82とを備えている。本体部81は、カバー部材70の底部71に各固定爪73によって固定されている。
本体部81には、当該本体部81の長手方向に沿うように複数のカバー側導電部材83が装着されており、各カバー側導電部材83の一端側の端子片は、コネクタ接続部77の内部に延びている。これにより、各カバー側導電部材83の一端側は外部コネクタの内部に設けられた外部端子(図示せず)に電気的に接続されるようになっている。なお、各カバー側導電部材83においても、各ブラシ側導電部材54と同様に導電性に優れた導電材料(黄銅材等)により形成されている。
立設部82は本体部81の長手方向に沿う他端側(図中右側)に一体に形成されており、カバー部材70の深さ方向に延びる略箱形状となっている。立設部82の内部には、各カバー側導電部材83のうちの3つのカバー側導電部材83の他端側の端子片83aと、当該端子片83aに電気的に接続されたメス型端子83bとが配置されている(図10参照)。立設部82の先端部には、図8に示すように3つの差込口82aが形成されており、各差込口82aには、各ブラシ側導電部材54の端子片54aがそれぞれ差し込まれるようになっている。各差込口82aには、各端子片54aの差し込みを案内するテーパ壁部82bが設けられている。
立設部82のコネクタ接続部77側には、カバー部材70の深さ方向に延びる案内脚部84が一体に設けられている。案内脚部84は、断面が略U字形状に形成された一対の脚片84aを有しており、案内脚部84は、各脚片84aの開口側を対向配置させて形成されている。案内脚部84は、ギヤカバー60をギヤケース31に装着する際に、ギヤケース31のホルダ端子収容部36(図4参照)の内部に入り込むようになっており、案内脚部84の長さ寸法は、ギヤカバー60をギヤケース31に装着した状態のもとで、先端部がギヤケース31の底部に近接するほどの長さ寸法に設定されている。
案内脚部84を形成する各脚片84aの内側には、ギヤカバー60をギヤケース31に装着する際に、ホルダ端子部52の各凸部52bがそれぞれスライドして入り込むようになっており、各脚片84aの先端部には、各凸部52bのスライドを案内するテーパ壁部84bが設けられている。案内脚部84は、カバー側導電部材83の端子片83aに近接配置(例えば、離間距離にして2.0mm)されており、案内脚部84は、本発明における被装着案内部を構成している。
立設部82のモータケース21側には、モータケース21側に向けて突出する案内突起85が一体に設けられている。案内突起85は、モータケース21側に向けて開口するよう断面が略U字形状に形成されており、案内突起85のカバー部材70の深さ方向への長さ寸法は、案内脚部84よりも短い長さ寸法に設定されている。案内突起85は、ギヤカバー60をギヤケース31に装着した状態のもとで、ギヤケース31の凹溝36cに入り込むようになっており、案内突起85の突出高さは凹溝36cの深さ寸法と略同等の高さ寸法に設定されている。これにより、案内突起85の凹溝36cに対するがたつきを抑えている。案内突起85は、カバー側導電部材83の端子片83aに近接配置(例えば、離間距離にして5.0mm)されており、案内突起85は、本発明における被装着案内部を構成している。
案内脚部84の各脚片84aおよび案内突起85は、ギヤカバー60をギヤケース31に装着する際に、ギヤカバー60とギヤケース31とを平行状態にすることで、各凸部52bおよび凹溝36cにそれぞれ係合してスライドするようになっている。そして、ギヤカバー60をギヤケース31に装着すべく、各脚片84aおよび案内突起85を各凸部52bおよび凹溝36cにそれぞれスライドさせると、これらのスライド開始後に各ブラシ側導電部材54の端子片54aと各カバー側導電部材83の端子片83aとが電気的に接続されるようになっている。
インシュレータ80の本体部81には、一対のコンタクトプレート86,87の基端側が装着されており、各コンタクトプレート86,87においても導電性に優れた導電材料(黄銅材等)により形成されている。各コンタクトプレート86,87の基端部は、各カバー側導電部材83の何れかにそれぞれ電気的に接続されている。各コンタクトプレート86,87の先端部は、ギヤカバー60とギヤケース31とを装着した状態のもとで、ウォームホイール32に装着した銅板等よりなるリレープレート88(図3の網掛け部分)上を摺接するようになっている。これにより、例えば、各コンタクトプレート86,87の先端部が何れもリレープレート88に接触して短絡したことをコントローラ(図示せず)に検知させるようにすれば、ワイパモータ15を停止させる等の制御(停止位置制御)を行うことができる。
次に、以上のように構成したワイパモータ15の組み立て手順について、図面を用いて詳細に説明する。図9はインシュレータ(ギヤカバー)のギヤケースへの装着状態を説明する説明図を、図10(a),(b)はブラシ側導電部材の他端側とカバー側導電部材の他端側との接続状態を示す縦断面図を、図11(a),(b)はインシュレータ(ギヤカバー)をギヤケースに装着した状態を示す横断面図をそれぞれ表している。
図9および図10は、インシュレータ80のギヤケース31への装着状態を分かり易くするためにカバー部材70を省略している。まず、図9に示すようにインシュレータ80(ギヤカバー60)とギヤケース31とを平行状態に保持して互いに向き合わせる。そして、図中破線矢印に示すように、案内脚部84と各凸部52bおよび案内突起85と凹溝36cを、それぞれギヤケース31の深さ方向に臨ませて互いに装着できるよう整合させる。その後、その状態のもとでインシュレータ80をギヤケース31に向けて相対移動させて両者を近接させる。
インシュレータ80をギヤケース31に向けて近接させると、図10(a)に示すように、案内脚部84の先端部が各凸部52bに装着され、それと略同時に案内突起85の下端側が凹溝36cに装着される。これにより、インシュレータ80のギヤケース31への装着が案内されるようになる。このとき、例えば、インシュレータ80に傾斜方向への外力が加わったとしても、案内脚部84の各凸部52bへの装着、および案内突起85の凹溝36cへの装着により、インシュレータ80とギヤケース31との平行状態を保持できる。
このとき、案内脚部84の各凸部52bへの装着、および案内突起85の凹溝36cへの装着により、各ブラシ側導電部材54の端子片54aが、各差込口82aのそれぞれに差し込み方向に向けて自動的に精度良く整合される。この状態のもとで図中矢印に示すように両者を近接させていくと、各ブラシ側導電部材54の端子片54aが各差込口82aのテーパ壁部82bに案内されて、立設部82の内部に進入する。
端子片54aの立設部82の内部への進入に続いて、各ブラシ側導電部材54の端子片54aは各カバー側導電部材83の端子片83aに接続したメス型端子83bに電気的に接続される。その後、インシュレータ80(ギヤカバー60)のギヤケース31への装着が完了し、図10(b)に示すように、各ブラシ側導電部材54の端子片54aと各カバー側導電部材83の端子片83aとが、メス型端子83bを介して電気的に接続される。そして、ギヤカバー60とギヤケース31とを互いにネジ結合(詳細図示せず)することにより、ワイパモータ15の組み立て、つまりギヤカバー60のギヤケース31への装着作業が完了する。
ギヤカバー60のギヤケース31への装着作業後は、図11(a)に示すように、案内脚部84は各凸部52bを保持しつつホルダ端子収容部36の内部に収められる。また、図11(b)に示すように、案内突起85は凹溝36cの内部に収められる。これにより、ホルダ端子収容部36の内部で案内脚部84および案内突起85ががたつくのを抑制し、ワイパモータ15の静音化を実現している。
以上詳述したように、本実施の形態に係るワイパモータ15によれば、ブラシホルダ50/ギヤケース31の双方に、ギヤカバー60のギヤケース31への装着を案内する各凸部52b/凹溝36cをそれぞれ設け、ギヤカバー60を形成するインシュレータ80には、各凸部52b/凹溝36cに装着される案内脚部84/案内突起85をそれぞれ設けた。そして、案内脚部84/案内突起85の各凸部52b/凹溝36cへの装着により、カバー側導電部材83の端子片83aがブラシ側導電部材54の端子片54aに電気的に接続されるようにした。
したがって、ギヤカバー60をギヤケース31に装着する際に、案内脚部84/案内突起85を各凸部52b/凹溝36cに装着するのみで、自動的に各導電部材54,83を電気的に接続することができる。これにより、特にホルダ端子部52の外部に突出したブラシ側導電部材54の端子片54aを屈曲変形させること無く、各導電部材54,83を精度良く電気的に接続することができ、従前のような導電部材の屈曲変形を修正して装着し直す等の手間を省略することができる。
また、本実施の形態に係るワイパモータ15によれば、各凸部52b/凹溝36cをブラシ側導電部材54の端子片54aに近接配置し、案内脚部84/案内突起85をカバー側導電部材83の端子片83aに近接配置したので、各導電部材54,83をより精度良く電気的に接続することができる。
さらに、本実施の形態に係るワイパモータ15によれば、ギヤケース31は、ギヤケース31に対するブラシホルダ50の位置決めを行う支持突起36a/突起収容部36bを有するので、ブラシホルダ50をギヤケース31の所定位置に精度良く配置することができ、各導電部材54,83をより精度良く電気的に接続することができる。
また、本実施の形態に係るワイパモータ15によれば、ギヤカバー60をカバー部材70と当該カバー部材70に固定されるインシュレータ80とから形成し、インシュレータ80にカバー側導電部材83を装着し、インシュレータ80に案内脚部84/案内突起85を形成したので、カバー部材70を他の仕様のモータ(例えば、カバー側導電部材の配置パターンが異なるモータ)に流用することができ、部品を共通化して製造コストの低減を図ることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、ブラシホルダ50/ギヤケース31の双方に各凸部52b/凹溝36cをそれぞれ設け、インシュレータ80に案内脚部84/案内突起85をそれぞれ設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、組み立て治具等によってギヤカバー60とギヤケース31との平行状態を保持できるようにすれば、一方のセットのみを設けるようにしても良い。つまり、各凸部52b/案内脚部84のセットおよび凹溝36c/案内突起85のセットのうちの何れか一方を省略することもできる。
また、上記実施の形態においては、離間距離が5.0mm以下となるように、各凸部52b/凹溝36cをブラシ側導電部材54の端子片54aに近接配置し、案内脚部84/案内突起85をカバー側導電部材83の端子片83aに近接配置したものを示したが、本発明はこれに限らず、離間距離が5.0mm以上となる所定箇所に、各凸部52b/凹溝36c(装着案内部),案内脚部84/案内突起85(被装着案内部)を設けることもできる。この場合、装着案内部/被装着案内部の剛性より高めるようにする。つまり、装着案内部/被装着案内部の剛性を高めることにより、離間距離を長くしてもギヤカバーとギヤケースとの平行状態を保持することができ、カバー側導電部材とブラシ側導電部材との装着方向への整合精度を確保できる。
さらに、上記実施の形態においては、ギヤカバー60を、カバー部材70と、カバー側導電部材83を装着したインシュレータ80とから構成したものを示したが、本発明はこれに限らず、インシュレータを省略してギヤカバーを単体で構成し、当該ギヤカバーにカバー側導電部材をインサート成形等により埋設するとともに、ギヤカバーの所定箇所に被装着案内部を設けるようにしても良い。この場合、インシュレータを省略した分、部品点数を削減することができる。
また、上記実施の形態においては、ワイパモータ15を、払拭パターンがタンデム型のワイパ装置14の駆動源として用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、対向払拭型等、他の払拭パターンのワイパ装置の駆動源としても用いることができる。
さらに、上記実施の形態においては、ワイパモータ15を、車両10の前方側に設けられたワイパ装置14の駆動源として用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、車両10の後方側,鉄道車両および航空機等に設けられるワイパ装置の駆動源としても用いることができる。
本発明に係るワイパモータ(モータ)を備えたワイパ装置を説明する説明図である。 図1のワイパモータを示す平面図である。 図2のワイパモータの内部構造を説明する説明図である。 (a),(b)は、図3の破線円A部分を拡大して示す部分拡大図である。 ブラシホルダの詳細構造を説明する説明図である。 図5の破線円B部分を拡大して示す部分拡大図である。 ギヤカバーの詳細構造を説明する説明図である。 図7の破線円C部分を拡大して示す拡大図である。 インシュレータ(ギヤカバー)のギヤケースへの装着状態を説明する説明図である。 (a),(b)は、ブラシ側導電部材の他端側とカバー側導電部材の他端側との接続状態を示す縦断面図である。 (a),(b)は、インシュレータ(ギヤカバー)をギヤケースに装着した状態を示す横断面図である。
符号の説明
10 車両
11 フロントガラス
11a,11b 払拭範囲
12 DR側ワイパ部材
12a DR側ワイパブレード
12b DR側ワイパアーム
13 AS側ワイパ部材
13a AS側ワイパブレード
13b AS側ワイパアーム
14 ワイパ装置
15 ワイパモータ(モータ)
16 リンク機構
17a DR側ピボット軸
17b AS側ピボット軸
18 締結ネジ
20 モータ部
21 モータケース
21a 底部
22 永久磁石
23 アーマチュア
24 アーマチュア軸
24a 第1ウォーム(減速ギヤ)
24b 第2ウォーム(減速ギヤ)
25 コンミテータ
30 ギヤ部
31 ギヤケース
32 ウォームホイール(減速ギヤ)
32a 出力軸
32b ギヤ歯
33 第1カウンタギヤ(減速ギヤ)
33a 小径ギヤ
33b 大径ギヤ
34 第2カウンタギヤ(減速ギヤ)
34a 小径ギヤ
34b 大径ギヤ
35 ホルダケース部
36 ホルダ端子収容部
36a 支持突起(位置決め部)
36b 突起収容部(位置決め部)
36c 凹溝(装着案内部)
37 円筒部
37a 連通路
50 ブラシホルダ
51 ホルダ本体
51a 底壁部
51b 側壁部
51c 貫通孔
52 ホルダ端子部(ブラシホルダ)
52a 突起部
52b 凸部(装着案内部)
52c 嵌合部
53 ブラシホルダベース(ブラシホルダ)
53a ブラシ
53b 貫通孔
54 ブラシ側導電部材
54a 端子片
60 ギヤカバー
70 カバー部材(ギヤカバー)
71 底部
72 周壁部
73 固定爪
74 ギヤ支持部
75 摺接リブ
76 シール溝
77 コネクタ接続部
80 インシュレータ(ギヤカバー)
81 本体部
82 立設部
82a 差込口
82b テーパ壁部
83 カバー側導電部材
83a 端子片
83b メス型端子
84 案内脚部(被装着案内部)
84a 脚片
84b テーパ壁部
85 案内突起(被装着案内部)
86,87 コンタクトプレート
88 リレープレート
LRP 下反転位置
URP 上反転位置

Claims (4)

  1. アーマチュア軸を有するアーマチュアを回転自在に収容するモータケースと、前記アーマチュア軸の回転を減速する減速ギヤを回転自在に収容するギヤケースと、前記ギヤケースの開口部を閉塞するギヤカバーと、前記モータケースと前記ギヤケースとの間に設けられるブラシホルダとを備えたモータであって、
    前記アーマチュア軸に固定されるコンミテータと、
    前記ブラシホルダに保持され、前記コンミテータに摺接するブラシと、
    前記ブラシホルダに設けられ、一端側が前記ブラシに電気的に接続されて他端側が前記ギヤケース内に配置されるブラシ側導電部材と、
    前記ギヤカバーに設けられ、一端側が外部端子に電気的に接続されて他端側が前記ブラシ側導電部材の他端側に電気的に接続されるカバー側導電部材と、
    前記ブラシホルダおよび前記ギヤケースのうちの少なくとも何れか一方に設けられ、前記ギヤカバーの前記ギヤケースへの装着を案内する装着案内部と、
    前記ギヤカバーに設けられ、前記装着案内部に装着される被装着案内部とを有し、
    前記被装着案内部の前記装着案内部への装着により、前記カバー側導電部材の他端側が前記ブラシ側導電部材の他端側に電気的に接続されることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1記載のモータにおいて、前記装着案内部を前記ブラシ側導電部材の他端側に近接配置し、前記被装着案内部を前記カバー側導電部材の他端側に近接配置することを特徴とするモータ。
  3. 請求項1または2記載のモータにおいて、前記ギヤケースは、前記ギヤケースに対する前記ブラシホルダの位置決めを行う位置決め部を有することを特徴とするモータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記ギヤカバーをカバー部材と当該カバー部材に固定されるインシュレータとから形成し、前記インシュレータに前記カバー側導電部材を装着し、前記インシュレータに前記被装着案内部を形成することを特徴とするモータ。
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