JP2010140742A - 有機el面発光体、及びそれを用いた有機el表示装置、有機el照明装置 - Google Patents

有機el面発光体、及びそれを用いた有機el表示装置、有機el照明装置 Download PDF

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将司 古後
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Abstract

【課題】光取り出しフィルムと接着層の接着強度が高く、光取り出しフィルムの凹部への接着剤の侵入が少ないため、光取り出しムラが少なく、良好な輝度を有する有機EL面発光体を提供する。また、該有機EL面発光体を用いた、輝度、コントラストの高い表示装置、照明装置を提供する。
【解決手段】基板11上に金属電極、発光層、透明電極、封止膜25がこの順に積層され、更に該封止膜25と接着層30を介して複数の凸部12が接している光取り出しフィルムを有する有機EL面発光体において、(1)0.7≦(Ho−ho)/Ho≦0.95(2)0.65×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)<V(0.6Ho≦h≦Ho)<0.95×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)の関係を同時に満たす有機EL面発光体。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機EL面発光体、及びそれを用いた有機EL表示装置、有機EL照明装置に関する。
近年、情報機器の多様化に伴って、消費電力が少なく、容積が小さい面発光素子のニーズが高まり、このような面発光素子の一つとしてエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子と略す)が注目されている。そして、このようなEL素子は使用する材料によって無機EL素子と有機EL素子とに大別される。
ここで、無機EL素子は一般に発光部に高電界を作用させ、電子をこの高電界中で加速して発光中心に衝突させ、これにより発光中心を励起させて発光させるようになっている。一方、有機EL素子は電子注入電極とホール注入電極とからそれぞれ電子とホールとを発光層内で結合させて、有機材料を励起状態にし、この有機材料が励起状態から基底状態に戻るときに発光するようになっており、無機EL素子に比べて、低い電圧で駆動できるという利点がある。
また、有機EL素子は自家発光素子であるため、表示装置に用いた場合、視野角が広く、応答速度が速い。更に、バックライトが不要であるため、薄型軽量化が可能である。また、発光材料を選択することによって適当な色彩に発光する発光素子を得ることができる。これらの理由から、近年、有機EL素子を用いた表示装置は液晶表示装置に代わる表示装置として注目されている。
しかしながら、EL素子等の面発光素子を発光させた場合、高い屈折率を持つ発光層の内部で発せられた光は様々な方向に進行し、面発光素子の出射面等において全反射して面発光素子の内部に閉じ込められる光も多く存在する。一般に、面発光素子で発せられた光の20%〜30%しか面発光素子の外部に取り出すことができず、十分な明るさを得られないという問題があった。特に有機EL素子の場合、明るさを電流の大きさで補おうとすると素子の寿命が短くなるという問題もある。
このような問題に対し、面発光素子の出射面に、プリズムやレンズ状の光取り出しフィルムを凹凸面が面発光素子の射出面に向くようにして取り付け、光路変換機能を持たせて輝度向上させる手段が従来より知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
このような構成の場合、一般的に面発光素子と光取り出しフィルムとの間には接着層を設けているが、面発光素子と光取り出しフィルムとの間の確保すべき空間部に接着層の接着剤が侵入するため、意図した光取り出し効果が得られないという課題がある。
また、特許文献3では光取り出しフィルムと面発光素子を接着する際、光取り出しフィルムの凹部(凸部と凸部の間に出来る空間部)に接着層が入り込むのを避けるため、凸部にのみ接着剤を塗布する技術が開示されている。しかしながら、このような製造方法は接着層を設ける方法と比較すると、接着層の厚みを薄くする必要があり、接着強度が低下することによるはがれ故障が生じたり、また製造時間が長くなり製造効率が悪くなる。
特開2000−148032号公報 特開2006−59543号公報 特開2004−164912号公報
従って本発明の目的は、本発明の目的は、光取り出しフィルムと接着層の接着強度が高く、光取り出しフィルムの凹部への接着剤の侵入が少ないため、光取り出しムラが少なく、良好な輝度を有する有機EL面発光体を提供することにある。また、該有機EL面発光体を用いた、輝度、コントラストの高い表示装置、照明装置を提供することにある。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.基板上に金属電極、発光層、透明電極、封止膜がこの順に積層され、更に該封止膜と接着層を介して複数の凸部が接している光取り出しフィルムを有する有機EL面発光体において、
(1)0.7≦(Ho−ho)/Ho≦0.95
(2)0.65×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)<V(0.6Ho≦h≦Ho)<0.95×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)
の関係を同時に満たすことを特徴とする有機EL面発光体。
(ここで、基板表面の法線方向を含む前記光取り出しフィルムの任意の断面のうち、凸部の最も切れ込んだ位置を『基準位置』とすると、
式(1)において、Hoは光取り出しフィルムの基準位置から凸部頂面または頂点までの高さを表し、hoは凸部先端が接着層に埋没している深さを表す。
式(2)において、Vo(0.6Ho≦h≦Ho)は、凸部の高さhが基準位置から0.3Ho≦h≦0.7Hoの範囲にある凸部の断面領域における該凸部側面と基板との平均傾斜角をaaveとした時、h=0.7Hoの断面形状位置からaaveの角度で直線を凸部頂面位置の高さまで伸ばし、h=0.6Hoで基板からの法線に垂直な断面と、h=Hoで基板からの法線に垂直な断面に囲まれる凸部の体積をいい、V(0.6Ho≦h≦Ho)は、h=0.6Hoで基板からの法線に垂直な断面と、h=Hoで基板からの法線に垂直な断面に囲まれる凸部の体積をいう。)
2.前記有機EL面発光体において、前記aaveが、
(3)0.78≦tan(aave)≦1.28
を満足することを特徴とする前記1に記載の有機EL面発光体。
3.前記有機EL面発光体において、画素の対角方向長さをDとし、任意に選択した基準位置とそこから最も近い他の基準位置との間隔をピッチ:Pとするとき、
(4)0.1≦P/D≦0.8
を満足することを特徴とする前記1または2に記載の有機EL面発光体。
4.前記有機EL面発光体において、接着層の厚みをdとしたとき
(5)0.03≦d/Ho≦0.3
を満足することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機EL面発光体。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機EL面発光体を用いたことを特徴とする有機EL表示装置。
6.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機EL面発光体を用いたことを特徴とする有機EL照明装置。
本発明によれば、光取り出しフィルムと接着層の接着強度が高く、光取り出しフィルムの凹部への接着剤の侵入が少ないため、光取り出しムラが少なく、良好な輝度を有する有機EL面発光体を提供することができる。また、該有機EL面発光体を用いた、輝度、コントラストの高い表示装置、照明装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の有機EL面発光体は、基板上に金属電極、発光層、透明電極、封止膜がこの順に積層された有機EL面発光素子に、更に該封止膜に接着層を介して複数の凸部が接している光取り出しフィルムを有している有機EL面発光体において、
(1)0.7≦(Ho−ho)/Ho≦0.95
(2)0.65×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)<V(0.6Ho≦h≦Ho)<0.95×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)
の関係を同時に満たすことを特徴とする。
ここで、基板表面の法線方向を含む前記光取り出しフィルムの任意の断面のうち、最も切れ込んだ位置を『基準位置』とすると、
条件式(1)において、Hoは光取り出しフィルムの基準位置から凸部頂面または頂点までの高さを表し、hoは凸部先端が接着層に埋没している深さを表す。
条件式(2)において、Vo(0.6Ho≦h≦Ho)は、凸部の高さhが基準位置から0.3Ho≦h≦0.7Hoの範囲にある凸部の断面領域における該凸部側面と基板との平均傾斜角をaaveとした時、h=0.7Hoの断面形状位置からaaveの角度で直線を凸部頂面位置の高さまで伸ばし、h=0.6Hoで基板からの法線に垂直な断面と、h=Hoで基板からの法線に垂直な断面に囲まれる凸部の体積をいい、V(0.6Ho≦h≦Ho)は、h=0.6Hoで基板からの法線に垂直な断面と、h=Hoで基板からの法線に垂直な断面に囲まれる凸部の体積をいう。
有機EL面発光体が、かかる態様である時に、接着層の接着剤が有機EL面発光素子と光取り出しフィルムの間の確保するべき空間部に侵入する割合を小さくすることができ、有機EL面発光素子と光取り出しフィルムとの接着強度が高く、且つ効果的に光を取り出すことができる。
図1は、本発明の構成によって光取り出し効果が向上することを示す模式図である。
図1(a)は、光取り出しフィルムの凸部形状、及び凸部の接着層への埋没、接着が理想的に行われた場合を示す模式図である。図中、12は凸部、30は接着層、25は封止膜を各々示す。
このような構成の場合、有機EL面発光素子からの発光(矢印)は凸部傾斜面に反射することにより、基板に対し法線方向へ反射光が取り出される為、光取り出し効率が向上する。
しかしながら、凸部先端を接着層に押圧をかけながら埋没させようとすると、図1(b)のように実際には接着剤が表面張力によって盛り上がり、確保すべき空間部が減少する為、有機EL面発光素子からの発光が接着剤が付着している凸部傾斜面では反射せず、直進した光は光取り出しフィルムの表面で反射し、従って光取り出し効率が低下する現象が見られる。
本発明者らは、この現象について鋭意検討した結果、図1(c)のように凸部を或一定条件に基づいて先細り形状にして埋没、接着することで、接着剤の盛り上がりを抑制し、理想形状に近い強固な接着と光取り出し効率の向上が両立できることを見出し、本発明を成すに至った次第である。
本発明に係る凸部は、前期条件式(1)の下限を上回ることにより、(接着層に埋っていない)テーパー部の領域を多く使えることにより、効果的に光を取り出すことができる。また、上限を下回ることで封止膜と光取り出しフィルムを環境の変化によらず剥がれることなく接着できるため、意図した光取り出し効果を得ることができる。
前記条件式(2)の下限を上回ることにより、有機EL面発光素子と光取り出しフィルムの接着加工がしやすくなり、接着強度も高くできる。また上限を下回ることにより、接着時に光取り出しフィルムと接着層の界面に空気が入り込んでも、光を効果的に取り出すことができる。
以下、本発明の詳細を図をもって説明する。
光取り出しフィルムは、図2(a)、(b)、(c)に示すように、透光性基板11の片面に先端側が収縮した四角錐台状(a)、円錘台状(b)の凸部12が縦横に連続して形成されたプリズムアレイシート10Aを用いることが好ましい。図では四角錐台状凸部、円錘台状凸部を示しているが、形状はこれらに限定されるものではなく、三角錐台、六角錘台、ハニカム形状、楕円錘形状、多角錐形状、更に底面が円及び楕円及び多角形、上面が楕円、円、多角形である組み合わせ錘形状のような形状が縦横に連続して形成されたプリズムアレイシートを用いてもよい。図1(c)において、12aは凸部の頂面、12bは凸部の傾斜面を表す。
透光性基板11と凸部12を構成する材質は同じであっても異なっていてもよく、透光性基板と凸部が一体成型された部材であっても、また透光性基板上に凸部を設けるような別々の部材の構成であってもよい。
図3は、条件式(1)に係わるHo、hoを説明する模式図である。
『基準位置』15とは、基板表面の法線方向を含む前記光取り出しフィルムの任意の断面のうち、最も切れ込んだ位置をいう。図3では隣り合う凸部の交点を指しているが、凸部同士が離れている場合は、透光性基板11の底面を基準位置とする。該基準位置から凸部頂面または頂点までの高さをHo、接着層に埋没している深さをhoとする。該深さhoは、基準位置から接着層の表面までの高さhを測定し、
(6)ho=Ho−h
によって求めることができる。
凸部高さHo、hの測定は、例えば、WYKO社製RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システム、触針式3次元表面粗さ計等用いて測定することができる。具体的には30個〜50個程度の凸部に対しHo、hを測定し、その平均値をHo、hとして用いる。また、市販のレーザー走査顕微鏡を使いコンピュータによる3次元処理で、容易に精度良く測定することもできる。
図4は、条件式(2)に係わるV、及びVoを説明する模式図である。
図4(a)はVo(0.6Ho≦h≦Ho)を説明する模式図である。凸部の高さhが基準位置から0.3Ho≦h≦0.7Hoの範囲にある凸部の断面領域における該凸部側面と基板との平均傾斜角をaaveとした時、h=0.7Hoの断面形状位置からaaveの角度で直線を凸部頂面位置の高さまで伸ばし、h=0.6Hoで基板からの法線に垂直な断面と、h=Hoで基板からの法線に垂直な断面に囲まれる凸部の体積をいう。
図4(b)は、V(0.6Ho≦h≦Ho)を説明する模式図である。凸部の高さh=0.6Hoで基板からの法線に垂直な断面と、h=Hoで基板からの法線に垂直な断面に囲まれる凸部の体積をいう。本発明では、凸部は先細りの形状を有することが特徴であり、条件式(2)0.65×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)<V(0.6Ho≦h≦Ho)<0.95×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)を満足するものである。
光取り出しフィルムの透光性基板11の樹脂材料としては、可視光領域で実質的に透明な材料を用いることが好ましい。具体的には、例えばトリアセチルセルロースやセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂、更に、上記熱可塑性樹脂の基材或いはガラス基材上にアクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂で構成された樹脂を型取りして光取り出しフィルムとすることも好ましい。光学的には、接着層の屈折率と同等か或いはそれ以上の材料で構成されることが好ましい。
光取り出しフィルムの透光性基板は、公知の溶液流延法、または溶融流延法によって長尺のフィルムに成型されることが生産性の観点から好ましい。
本発明に係る光取り出しフィルムの調製工程や成型工程においては、必要に応じて各種添加剤(配合剤ともいう)を添加することができる。添加剤については、格別限定はないが、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;滑剤、可塑剤などの樹脂改質剤;軟質重合体、アルコール性化合物等の白濁防止剤;染料や顔料などの着色剤;帯電防止剤、難燃剤、フィラーなどが挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明に記載の効果を損なわない範囲で適宜選択される。本発明においては、特に、可塑剤または酸化防止剤を含有することが好ましい。
可塑剤としては、特に限定はないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を挙げることができる。
リン酸エステル系可塑剤では、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤では、例えば、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、例えば、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤では、例えば、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤では、例えば、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を挙げることができる。さらに、高温化でのハンドリングによる着色を防止する必要がある場合、高純度アミドワックスや脂肪酸エステルを用いることも好ましい。例えば、エチレンビスステアリン酸アミド、エルカ酸、オレイン酸などのアミド、ラウリン酸メチルやステアリン酸ブチル、ベヘニン酸ベヘニルなどのモノエステル、ネオペンチルポリオール長鎖脂肪酸エステルやジペンタエリスリトール長鎖脂肪酸エステルなどのポリオールのエステルなどを用いることが好ましい。
酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、成型時の酸化劣化等による着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、樹脂100質量部に対して好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.01〜10質量部である。
フェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート))]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
そのほか、ジフェニルアミン誘導体などのアミン系酸化防止剤、ニッケルや亜鉛のチオカルバメートなども酸化防止剤として用いることが出来る。
耐光安定剤としては、ベンゾフェノン系耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤などが挙げられるが、本発明においては、レンズの透明性、耐着色性等の観点から、ヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)を用いるのが好ましい。このようなHALSの具体例としては、低分子量のものから中分子量、高分子量のものを選ぶことができる。
例えば、比較的分子量の小さいものとして、LA−77((株)ADEKA製)、Tinuvin765(チバ・ジャパン社製)、Tinuvin123(チバ・ジャパン社製)、Tinuvin440(チバ・ジャパン社製)、Tinuvin144(チバ・ジャパン社製)、HostavinN20(ヘキスト社製)中程度の分子量として、LA−57((株)ADEKA製)、LA−52((株)ADEKA製)、LA−67((株)ADEKA製)、LA−62((株)ADEKA製)、さらに分子量の大きいものとして、LA−68((株)ADEKA製)、LA−63((株)ADEKA製)、HostavinN30(ヘキスト社製)、Chimassorb944(チバ・ジャパン社製)、Chimassorb2020(チバ・ジャパン社製)、Chimassorb119(チバ・ジャパン社製)、Tinuvin622(チバ・ジャパン社製)、CyasorbUV−3346(Cytec製)、CyasorbUV−3529(Cytec製)、Uvasil299(GLC製)などが挙げられる。
本発明に係る光取り出しフィルムに対する上記配合剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.02〜15質量部、特に好ましくは0.05〜10質量部である。添加量が少なすぎると耐光性の改良効果が十分に得られず、屋外で長時間使用する場合等に着色が生じる。一方、HALSの配合量が多すぎると、ヘイズが出やすくなり透明性が劣化する。
上記凸部12の形成は、例えば予め作製された凹部を有する金型に樹脂を流し込むか、透光性基板上に塗布された硬化性樹脂層に金型を押し当てて型をとり、次いで剥離することで形成する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
凸部を形成する樹脂は特に制限されるものではないが、硬化性樹脂であることが好ましい。
用いられる硬化性樹脂は活性線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂のどちらでもよく、また両者の併用でもよい。活性線硬化性樹脂の方が、強度、取り扱い易さ、硬化後の湿熱耐久性の観点から優れている為、全量を活性線硬化性樹脂にするか、または活性線硬化性樹脂の使用比率を60質量%以上にすることが好ましい。
活性線硬化性樹脂とは、紫外線や電子線のような活性線(活性エネルギー線ともいう。)照射により、架橋反応を経て硬化する樹脂を主たる成分とする。活性線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて硬化性樹脂が形成される。
活性線硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する樹脂が密着性、機械的強度に優れる点から好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましい。
紫外線硬化型アクリレート系樹脂としては、多官能アクリレートが好ましい。該多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、及びジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。ここで、多官能アクリレートとは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/またはメタクロイルオキシ基を有する化合物である。
多官能アクリレートのモノマーとしては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、イソボロニルアクリレート等が好ましく挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。
また、凸部形成には、活性線硬化性樹脂の硬化促進のため光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤量としては、質量比で、光重合開始剤:活性線硬化性樹脂=20:100〜0.01:100で含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記活性線硬化性樹脂は紫外線硬化性樹脂であることが好ましく、その場合照射する紫外線は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cmである。照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率から3秒〜2分がより好ましい。
一方、熱硬化性樹脂として、例えば、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂、アリルエステル構造の樹脂、アダマンタン構造を含む樹脂、シルセスキオキサン構造を含む樹脂、有機無機ハイブリッド構造の樹脂などを用いることができる。活性線硬化性樹脂として、例えば、紫外線硬化性樹脂が用いられる。紫外線硬化性樹脂として、例えば、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミドなどを挙げることができる。
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えばオルソフタル酸系樹脂、イソフタル酸系樹脂、テレフタル酸系樹脂、ビスフェノール系樹脂、プロピレングリコール−マレイン酸系樹脂、ジシクロペンタジエンないしその誘導体を不飽和ポリエステル組成に導入して低分子量化した、或いは被膜形成性のワックスコンパウンドを添加した低スチレン揮発性樹脂、熱可塑性樹脂(ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリスチレン、飽和ポリエステルなど)を添加した低収縮性樹脂、不飽和ポリエステルを直接Brでブロム化する、或いはヘット酸、ジブロムネオペンチルグリコールを共重合するなどした反応性タイプ、塩素化パラフィン、テトラブロムビスフェノール等のハロゲン化物と三酸化アンチモン、燐化合物の組み合わせや水酸化アルミニウムなどを添加剤として用いる添加タイプの難燃性樹脂、ポリウレタンやシリコーンとハイブリッド化、またはIPN化した強靭性(高強度、高弾性率、高伸び率)の強靭性樹脂等がある。
エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型、ノボラックフェノール型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型を含むグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系、グリシジルエステル系、環式脂肪系、複素環式エポキシ系を含む特殊エポキシ樹脂等を挙げることができる。
ビニルエステル樹脂としては、例えば普通エポキシ樹脂とメタクリル酸等の不飽和一塩基酸とを開環付加反応して得られるオリゴマーを、スチレン等のモノマーに溶解した物がある。また分子末端や側鎖にビニル基を持ちビニルモノマーを含有する等の特殊タイプもある。
グリシジルエーテル系エポキシ樹脂のビニルエステル樹脂としては、例えばビスフェノール系、ノボラック系、臭素化ビスフェノール系等があり、特殊ビニルエステル樹脂としては、ビニルエステルウレタン系、イソシアヌル酸ビニル系、側鎖ビニルエステル系等がある。フェノール樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒド類を原料として重縮合して得られ、レゾール型とノボラック型がある。
熱硬化性ポリイミド樹脂としては、例えばマレイン酸系ポリイミド、例えばポリマレイミドアミン、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミド、ジアリルビスフェノール−A樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂等、またナジック酸変性ポリイミド、及びアセチレン末端ポリイミド等がある。
加熱は熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことが出来るが、簡便さの点で熱風で行うことが好ましい。
加熱温度は30〜180℃で段階的に高くしていくことが好ましく、50〜140℃の範囲で行うことが好ましい。
また、凸部には、上記硬化性樹脂以外に添加剤、溶媒を加えてもよく、該添加剤としては熱安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、粒子及び充填剤などが挙げられ、その含有量は本発明の目的を損ねない範囲で選択することが出来る。
硬化性樹脂と透光性基板上に塗布する場合は、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いることができる。
本発明に係る有機EL面発光体の構成を図5によって説明する。
図5に示すように、金属電極22が設けられた基板21の面に有機EL発光層23と透明電極24とが設けられ、更にその上に封止膜25が形成され有機EL面発光素子20Aを得る。次いで、封止膜25上に接着層30を介して上記のプリズムアレイシート10Aにおける円錘台状になった凸部12の頂面12aを接着、埋没させ有機EL面発光体を形成する。ここで、接着層としては、UV硬化型の接着剤、熱硬化型の接着剤等の硬化型の接着剤、もしくは粘着剤を用いることができるが、アクリル系の接着剤や粘着剤のように、透明性に優れた材料がより望ましい。
また、基板21は、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよいが、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL面発光素子にフレキシブル性を与えることが可能な透明樹脂フィルムである。
透明樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
有機EL面発光素子20Aの封止膜25上に、プリズムアレイシート10Aにおける円錘台状になった凸部12の頂面12aを接着層で接着させると、プリズムアレイシート10Aの凸部12が有機EL面発光素子20Aの封止膜25に向けて収縮した形状になると共に、このプリズムアレイシート10Aの凸部12と有機EL面発光素子20Aの出射面20aとの間の空間部13は空気層となる。
次に光取り出しフィルムの光取り出しに関する機構を説明する。
有機EL面発光素子20Aの封止膜25上にプリズムアレイシート10Aにおける円錘台状になった凸部12の頂面12aを接着層30を介して接着させ、上記有機EL発光層23を発光させると、図6(接着層30を省略してある)に示すように、光取り出しフィルムを設けない場合には有機EL面発光素子20Aの出射面20aにおいて全反射される光が、プリズムアレイシート10Aの凸部12の頂面12aが接着された部分においては、全反射されずにこのプリズムアレイシート10A内に導かれるようになる。
そして、このようにプリズムアレイシート10A内に導かれた光の多くは、有機EL面発光素子20Aの出射面20aに向けて収縮した凸部12と空間部13との界面である凸部12の側面である傾斜面12bにおいて反射され、この反射された光がプリズムアレイシート10Aの出射面14に導かれて出射されるようになる。また、図6に示すように、プリズムアレイシート10Aの凸部12の頂面12aが接着されていない出射面20aの部分から出射される光であっても、出射面20aから垂直方向に出射される光は、凸部12の傾斜面12bで進行方向が若干変更されるが、プリズムアレイシート10Aの正面側に出射されるようになり、また出射面20aからプリズムアレイシート10Aにおける凸部12の傾斜面12bと直交するような方向に出射された光は、この傾斜面12bから凸部12内に導かれ、この凸部12の反対側の傾斜面12bで反射されて、プリズムアレイシート10Aの正面側に出射されるようになる。
従って、上記の凸部12の頂面12aからこのプリズムアレイシート10Aの内部に適切に導かれるようにするためには、このプリズムアレイシート10Aの屈折率と上記の有機EL面発光素子20Aの出射面20aにおける屈折率が重要であり、その差を0.2以内にすることが好ましい。また、接着層とプリズムアレイシート10Aとの屈折率の差も0.2以内にすることが望ましい。更に望ましくは、接着層の屈折率が、プリズムアレイシート10Aの屈折率と有機EL面発光素子20Aの出射面20aにおける屈折率との平均値と、接着層との屈折率の差を0.1以内にすることが望ましい。
また、上記のようにプリズムアレイシート10Aに円錘台状になった凸部12を設けるにあたり、この凸部12における傾斜面12b相互が交差する頂角θが大きくなって、凸部12の傾斜面12bの傾斜角度aaveが小さくなりすぎると、光取り出しフィルムを設けない場合に有機EL面発光素子20Aの出射面20aにおいて、全反射される光がこのプリズムアレイシート10Aの内部に導かれたとしても、この光が凸部12の傾斜面12bにあたらずに、プリズムアレイシート10Aの出射面14に導かれ、このプリズムアレイシート10Aの出射面14において全反射されて戻されるようになり、プリズムアレイシート10Aの出射面14から出射される光の強度が低下する。
一方、凸部12における傾斜面12b相互が交差する頂角θが小さくなって、凸部12の傾斜面12bの傾斜角度aaveが大きくなりすぎると、上記のようにプリズムアレイシート10Aの内部に導かれた光が、この凸部12の傾斜面12bにおいて全反射されずに、この凸部12を通過して空間部13に導かれ、更にこの空間部13を通過して、再度プリズムアレイシート10Aの内部に導かれるようになり、この光が上記のようにプリズムアレイシート10Aの出射面14において全反射されて戻されるようになり、プリズムアレイシート10Aの出射面14から出射される光の強度が低下する。
従って、上記の凸部12における傾斜面12b相互が交差する頂角θは、このプリズムアレイシート10Aにおける波長550nmの光に対する屈折率をnとした場合に、(1/n−0.35)<sinθ<(1/n+0.3)の条件を満たすことが好ましく、更に1/n<sinθ<(1/n+0.25)の条件を満たすようにすることがより好ましい。
また、基板に対する凸部12の0.3Ho≦h≦0.7Hoの範囲にある傾斜面12bの平均傾斜角aaveは、
(3)0.78≦tan(aave)≦1.28
を満足することが好ましい。
条件式(3)を満たすと、正面輝度の高い有機EL面発光体とすることができる。
本発明に係る凸部は、前記条件式(3)の下限を上回ることにより、光取り出しフィルムの凸部と反対方向の面で全反射する光を低減することができ、光取り出し効率の良いフィルムとなる。また上限を下回ることにより、正面輝度を高くすることができる。
また、凸部12の基準位置から接着層表面までの高さをhとした場合、光学的な高さhのとり得る範囲については、凸部12における上記の頂角θや凸部12のピッチPによっても変化するが、一般にこの凸部12の光学的な高さh1が低すぎると、有機EL面発光素子20Aの出射面20aにおいて、光取り出しフィルムを設けない場合に全反射される光がこのプリズムアレイシート10Aの内部に導かれたとしても、この光が凸部12の傾斜面12bにあたらずに、プリズムアレイシート10Aの出射面14に導かれ、このプリズムアレイシート10Aの出射面14において全反射されて戻されるようになる。
一方、凸部12の光学的な高さhが高くなりすぎると、凸部12の傾斜面12bにおいて光の反射に利用されない部分が生じると共に、凸部12のピッチPが同じ場合、有機EL面発光素子20Aの出射面20aに接着される凸部12の頂面12aの面積が小さくなって、このプリズムアレイシート10Aの内部に導かれる光の量が少なくなる。このため、この凸部12の光学的な高さhは、凸部12のピッチPに対して、0.28P≦h≦1.1Pの範囲にあることが好ましい。
ピッチPとは、任意に選択した凸部の基準位置とそこから最も近い他の凸部の基準位置との距離を意味する。配列の方法は、六方細密配列、格子状配列等やそれらに近似した配列を含む。中でも、光取り出し効率の向上の観点から凸部の側面の比率が大きい配列が好ましく、特に格子状配列が好ましい。
凸部のピッチPは、ディスプレイ用途の場合では、ディスプレイの一画素の半分の大きさから1μmの範囲であることが好ましい。凸部のピッチPは、使用されるディスプレイの解像度に左右されるが、通常市販されているディスプレイの解像度から、おおよそ67μmから1μmの範囲である。画素の大きさとは、正方形状の画素を想定した場合の一辺の大きさ表す。なお、画素の形状が他形状の場合、1画素の中心を通る直線を引いた場合の最小の長さのことを意味する。照明用の光取り出しフィルムの場合とは異なりディスプレイ用途に使用する場合、ピッチPが使用されるディスプレイの画素の大きさの50%よりも大きいと十分な光取り出し効率が得られない場合や解像度の低下を引き起こす場合がある。そのため使用される画素の大きさの50%以下であることが好ましく、更に好ましくは画素の3分の1以下であることが好ましい。
前記有機EL面発光体において、画素の対角方向長さをDとし、任意に選択した基準位置とそこから最も近い他の基準位置との間隔をピッチPとするとき、
(4)0.1≦P/D≦0.8
を満足することが好ましい。
条件式(4)を満たすと、本発明の面発光体を表示装置に用いた際に、画像にじみの無い、解像度の良い表示装置を得ることができる。
本発明に係る凸部は、前記条件式(4)の下限を上回ることにより、加工しやすくなる。また上限を下回ることにより、画像ボケの少ない表示装置とすることが出来る。
また、凸部のピッチPが1μmより小さい範囲になると、光の干渉現象などを引き起こし画質の低下をもたらす原因となる点や更に波長同等もしくは波長よりも小さなピッチになると光取り出しの効果が十分に得られない結果となるため凸部のピッチPは1μm以上が好ましい。
本発明に係わる光取り出しフィルムは、複数の凸部を有しており、各凸部の個々の高さHoの変動係数に制限はないが、均一な光取り出し効果を得る観点からは、5%以内であることが好ましい。
本発明においては、光取り出し面上のプリズムアレイシート10Aの投影面積に対する接着されている部分の面積比が、10%以上30%未満であることが好ましい。10%より小さいと、接着強度が弱くなり剥離が起き易く好ましくない。30%以上であると、接着強度は強くなるものの輝度向上性能が低下し好ましくない。
接着層に用いられる接着剤としては、熱硬化型アクリル系接着剤、UV硬化型アクリル系接着剤などの透明性の高い硬化型粘着剤やアクリル系粘着剤のように透明性の高い粘着剤が好適に用いられる。
上記接着層の形成方法としては特に限定されず、一般的方法、例えば、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、スプレー塗布、インクジェット法等の方法が挙げられる。
接着層の表面張力は、接着剤の種類、濃度、用いる溶剤の種類等で接着剤の粘度を制御することで適宜調整され、そのもりあがり部分の高さは凸部の形状、高さ、埋没させる時の押圧などにより制御することができる。
前記有機EL面発光体において、接着層の厚みをdとしたとき
(5)0.03≦d/Ho≦0.3
を満足することが接着強度を維持しながら光取り出し効率を向上できる点から好ましい。
条件式(5)を満たすと、画像にじみの無い、解像度の良い表示装置とすることが出来る。
本発明に係る凸部は、前記条件式(5)の下限を上回ることにより、光取り出しフィルム凸部の加工が容易となる。また上限を下回ることにより、画素間の境界が明確な、画像にじみの少ない表示装置とすることが出来る。
<具体的な有機EL面発光素子の構成>
有機EL面発光素子の構成は、仕様によりトップエミッション方式、ボトムエミッション方式の構造があるが、本発明では基板/電極/有機EL発光層/対向電極/封止膜の順に積層されているトップエミッション方式であり、長寿命化の観点でこちらの方式が好ましい。
封止膜上には、更に接着層30/プリズムアレイシート10Aの順に積層され、本発明の有機EL面発光体を形成する。
以下に封止膜を有する有機EL面発光素子の具体的構成を述べる。
(断面構造)
図7を参照して、有機EL面発光素子100の断面構造を説明する。但し、以下の説明は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
有機EL面発光素子100は、いわゆる「トップエミッション構造」の有機EL面発光素子である。トップエミッション構造では、光を素子基板側ではなく封止膜側から取り出すため、素子基板に配置された各種回路の大きさに影響されず、発光面積を広く確保できる効果がある。そのため、電圧及び電流を抑えつつ輝度を確保することが可能であり、発光素子の寿命を長く維持することができる。
この有機EL面発光素子100は、陽極110と陰極111(一対の電極)の間に発光層112(有機発光層)を挟持した複数の発光素子121及び発光素子121を区切る画素隔壁113を有する素子基板120Aと、この素子基板120Aに対向配置された封止膜119が設けられている。
(素子基板)
図7に示すように、有機EL面発光素子100は、各種配線(例えば、TFT等)が形成された素子基板120A上に、窒化珪素等からなる無機絶縁層114が被覆されている。また、無機絶縁層114にはコンタクトホール(不図示)が形成され、前述した陽極110が駆動用TFT123に接続されている。無機絶縁層114上にはアルミ合金等からなる金属反射板115が内装された平坦化層116が形成されている。
この平坦化層116上には、陽極110と陰極111が発光層112を挟持して形成され発光素子121として構成しているものである。また、この発光素子121を区分するように絶縁性の画素隔壁113が配置されている。
本実施形態において、陽極110は、仕事関数が5eV以上の正孔注入層の高いITO(Indium Thin Oxide:インジウム錫酸化物)等の金属酸化物導電膜が用いられる。
なお、本実施形態においては、トップエミッション構造のため、陽極110は必ずしも光透過性を有する材料を用いる必要はなく、アルミ等からなる金属電極を用いてもよい。この構成を採用した場合は、前述した金属反射板115は設けなくてよい。
陰極111を形成するための材料としては、本実施形態はトップエミッション構造であることから光透過性を有する材料である必要があり、したがって透明導電材料が用いられる。透明導電材料としては、ITOが好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー(登録商標))等を用いることができる。なお、本実施形態ではITOを用いている。
また、陰極111は、電子注入効果の大きい(仕事関数が4eV以下)材料が好適に用いられる。例えば、カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、リチウム金属、又はこれらの金属化合物である。金属化合物としては、フッ化カルシウム等の金属フッ化物や酸化リチウム等の金属酸化物、アセチルアセトナトカルシウム等の有機金属錯体が該当する。また、これらの材料だけでは、電気抵抗が大きく電極として機能しないため、発光部分を避けるようにアルミニウムや金、銀、銅などの金属層をパターン形成したり、ITOや酸化錫などの透明な金属酸化物導電層との積層体と組み合わせて用いてもよい。
なお、本実施形態では、フッ化リチウムとマグネシウム−銀合金、ITOの積層体を、透明性が得られる膜厚に調整して用いるものとする。
有機EL発光層に用いられる材料として、例えば特開平8−311442号公報に記載のナフタセンまたはペンタセン誘導体を発光層に添加した赤色発光素子が挙げられる。また、発光材料としてトリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が、青色から赤色までの可視領域の発光材料として挙げられ、特に青色発光材料としてフェニルアントラセン誘導体を用いた素子が開示されている。更に特開2001−160489号にはアザフルオランテ化合物を黄色から緑色発光層に用いることが開示されている。
発光層112は、白色に発光する白色発光層を採用している。この白色発光層は、真空蒸着プロセスを用いて素子基板120Aの全面に形成されている。白色発光材料としては、スチリルアミン系発光材料,アントラセン系ドーパミント(青色)、或いはスチリルアミン系発光材料,ルブレン系ドーパミント(黄色)が用いられる。
なお、発光層112の下層或いは上層に、トリアリールアミン(ATP)多量体正孔注入層、TDP(トリフェニルジアミン)系正孔輸送層、アルミニウムキノリノール(Alq)層(電子輸送層)を成膜することが好ましい。
また、素子基板120A上には、電極保護層117が形成され発光素子121及び画素隔壁113を被覆している。
この電極保護層117は、透明性や密着性、耐水性、ガスバリア性を考慮して珪素酸窒化物などの珪素化合物で構成することが望ましい。また、電極保護層117の膜厚は100nm以上が好ましく、画素隔壁113を被覆することで発生する応力によるクラック発生を防ぐため、膜厚の上限は200nm以下に設定することが好ましい。
なお、本実施形態においては、電極保護層117を単層で形成しているが、複数層で積層してもよい。例えば、低弾性率の下層と高耐水性の上層とで電極保護層117を構成してもよい。
電極保護層117上には、有機緩衝層118が形成され電極保護層117を被覆している。この有機緩衝層118は、画素隔壁113の形状の影響により、凹凸状に形成された電極保護層117の凹凸部分を埋めるように配置され、更に、その上面は略平坦に形成される。有機緩衝層118は、素子基板120Aの反りや体積膨張により発生する応力を緩和し、不安定な形状の画素隔壁113からの電極保護層117の剥離を防止する機能を有する。また、有機緩衝層118の上面が略平坦化されるので、有機緩衝層118上に形成される硬い被膜からなる後述する封止膜119も平坦化される。したがって、応力が集中する部位がなくなり、これにより、封止膜119でのクラックの発生を防止する。
有機緩衝層118は、硬化前の原料主成分としては、減圧真空下でスクリーン印刷法により形成するために、流動性に優れ、かつ溶媒や揮発成分の無い、全てが高分子骨格の原料となる有機化合物材料である必要があり、好ましくはエポキシ基を有する分子量3000以下のエポキシモノマー/オリゴマーが用いられる(モノマーの定義:分子量1000以下、オリゴマーの定義:分子量1000〜3000)。例えば、ビスフェノールA型エポキシオリゴマーやビスフェノールF型エポキシオリゴマー、フェノールノボラック型エポキシオリゴマー、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキレートなどがあり、これらが単独もしくは複数組み合わされて用いられる。
また、エポキシモノマー/オリゴマーと反応する硬化剤としては、電気絶縁性や接着性に優れ、かつ硬度が高く強靭で耐熱性に優れる硬化被膜を形成するものが良く、透明性に優れ、かつ硬化のばらつきの少ない付加重合型がよい。例えば、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの酸無水物系硬化剤が好ましい。更に、酸無水物の反応(開環)を促進する反応促進剤として1,6−ヘキサンジオールなど分子量が大きく揮発しにくいアルコール類やアミノフェノールなどのアミン化合物を微量添加することで低温硬化しやすくなる。これらの硬化は60〜100℃の範囲の加熱で行われ、その硬化被膜はエステル結合を持つ高分子となる。
また、硬化時間を短縮するためよく用いられるカチオン放出タイプの光重合開始剤を用いてもよいが、硬化収縮が急激に進まないよう反応の遅いものが良く、また、塗布後の加熱による粘度低下で平坦化を進めるように最終的には熱硬化を用いて硬化物を形成するものが好ましい。
更に、電極保護層117や後述する封止膜119との密着性を向上させるシランカップリング剤や、イソシアネート化合物などの捕水剤、硬化時の収縮を防ぐ微粒子などの添加物を混入しても良い。また、減圧雰囲気下で印刷形成するため、塗布した際に気泡が発生しにくくするために、含水量は0.01質量%(100ppm)以下に調整しておく。
これらの原料毎の粘度は、1000mPa・s(室温:25℃)以上が好ましい。塗布直後に発光層112へ浸透して、ダークスポットと呼ばれる非発光領域を発生させないためである。また、これらの原料を混合した緩衝層形成材料の粘度としては、500〜20000mPa・s、特に2000〜10000mPa・s(室温)が好ましい。
また、有機緩衝層118の最適な膜厚としては、3〜10μmが好ましい。有機緩衝層118の膜厚が厚いほうが異物混入した場合等に封止膜119の欠陥を防ぐが、有機緩衝層118を合わせた層厚が10μmを超えると、側面に拡散してしまう光が増えるため光を取り出す効率が低下してしまう。
また、硬化後の特性としては、有機緩衝層118の弾性率が1〜10GPaであることが好ましい。10GPa以上では、画素隔壁113上を平坦化した際の応力を吸収することができず、1GPa以下では耐摩耗性や耐熱性等が不足するためである。
有機緩衝層118上には、有機緩衝層118を被覆し、かつ電極保護層117の終端部まで覆うような広い範囲で、封止膜119が形成されている。
封止膜119は、酸素や水分が浸入するのを防止するためのもので、これにより酸素や水分による発光素子121の劣化等を抑えることができる。封止膜とは、酸素及び水分の透過を阻止する層であれば、その組成等は特に限定されるものではない。酸素の透過度が23℃、0%RHにおいて0.005ml/m/day以下が好ましく、また、JIS K7129 B法に従って測定した水蒸気透過度が0.1g/m/day以下が好ましい。封止膜を構成する材料として、透明性、ガスバリア性、耐水性を考慮して、好ましくは窒素を含む珪素化合物、即ち珪素窒化物や珪素酸窒化物などによって形成される。具体的には無機酸化物が好ましく、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等を挙げることができる。
封止膜119の弾性率は、100GPa以上、具体的には200〜250GPa程度が好ましい。また、封止膜119の膜厚は、200〜600nm程度が好ましい。200nm未満であると、異物に対する被覆性が不足し部分的に貫通孔が形成されてしまい、ガスバリア性が損なわれてしまうおそれがあるからであり、600nmを越えると、応力によるクラックが生じてしまうおそれがあるからである。
更に、封止膜119としては、積層構造としてもよいし、その組成を不均一にして特にその酸素濃度が連続的に、或いは非連続的に変化するような構成としてもよい。なお、積層構造とした場合の膜厚は、第一封止膜としては、200〜400nmが好ましく、200nm未満では有機緩衝層118の表面及び側面被覆が不足してしまう。異物等の被覆性を向上させる第二封止膜としては、200〜800nmが好ましい。総厚1000nm以上を超えるとクラックの発生頻度が上がること及び経済的な面で好ましくない。
また、本実施形態では、有機EL面発光素子100はトップエミッション構造であることから、封止膜119は光透過性を有する必要があり、したがってその材質や膜厚を適宜に調整することにより、本実施形態では可視光領域における光線透過率を例えば80%以上にしている。
封止膜は、前述した原材料をスプレー法、スピンコート法、スパッタリング法、イオンアシスト法、プラズマCVD法、大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法等を適用して形成することができる。
<表示装置、照明装置>
本発明の有機EL面発光体は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特にカラーフィルタや光拡散板などと組み合わせた各種表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の有機EL面発光体を適用した表示装置、照明装置について説明する。
本発明の有機EL面発光体は、多色または白色の表示装置に用いられる。多色または白色の表示装置の場合は、発光層形成時のみシャドーマスクを設け、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で膜を形成できる。発光層のみパターニングを行う場合、その方法に限定はないが、好ましくは蒸着法、インクジェット法、印刷法である。蒸着法を用いる場合においてはシャドーマスクを用いたパターニングが好ましい。
また、作製順序を逆にして陰極、電子輸送層、正孔阻止層、発光層ユニット、正孔輸送層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色または白色の表示装置に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。更に、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明に係る有機EL面発光体は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。
本発明に用いられる白色有機EL面発光体においては、必要に応じ製膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよい。発光層に用いる発光ドーパントとしては特に制限はなく、例えば、液晶表示装置におけるバックライトであれば、CF(カラーフィルタ)特性に対応した波長範囲に適合するように、白金錯体、また公知の発光ドーパントの中から任意のものを選択して組み合わせて、また本発明に係る光取り出しフィルムと組み合わせて、白色化すればよい。
このように、本発明に係わる白色の有機EL面発光体は、CF(カラーフィルタ)と組み合わせて、また、CF(カラーフィルタ)パターンに合わせ素子及び駆動トランジスタ回路を配置することで、有機エレクトロルミネッセンス素子から取り出される白色光をバックライトとして、青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタを介して青色光、緑色光、赤色光を得ることで、低駆動電圧で長寿命のフルカラーの有機ELディスプレイを形成できる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
<有機EL面発光体101の作製>
図5に示す有機EL面発光素子20Aを作製した。
この有機EL面発光素子20Aは、前記のように金属電極22が設けられた透明基板21の面に有機EL発光層23と透明電極24、更に封止膜25とが設けられている。
ここで、上記透明基板21として厚みが0.7mm、サイズが40mm×52mmの無アルカリガラスを用い、該透明基板21の片面に金属電極22として、真空蒸着法によって膜厚が110nmになったアルミニウムを用いた。
そして、該金属電極22の上に正孔注入材料としてm−MTDATAを用い、真空蒸着法によって膜厚が10nmになった正孔注入層を形成した。次いで、正孔注入層の上に正孔輸送材料としてα−NPDを用い、真空蒸着法で膜厚が30nmになった正孔輸送層を形成した。次いで、この正孔輸送層の上にCBPをホスト材料として用い、Ir(ppy)をドーパント材料として6質量%含むように、白色発光となる発光材料を真空蒸着法により蒸着させて膜厚が30nmになった発光層を形成した。
この発光層の上に、BAlqを真空蒸着法により10nm蒸着させて正孔阻止層を形成した。更に、この正孔阻止層の上にAlqを真空蒸着法により40nm形成して電子輸送層とした。更に、LiFを真空蒸着法により0.5nm形成して電子注入層とした。そして、この電子注入層の上に、ITOを110nmの厚みに成膜し、フォトリソグラフィー法によって電極形状にパターニングし、35×46mmの大きさにしたものからなる透明電極24を形成した。
Figure 2010140742
Figure 2010140742
更に、下記手順により透明封止フィルム(封止膜)を作製し、透明電極24以下を封止するように接着した。
〈透明封止フィルム(封止膜)の作製〉
基材として、厚さ125μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人・デュポン社製フィルム)上に、UV硬化型アクリル樹脂塗膜を5μmの厚みで設けた上に、特開2003−303520号公報記載の大気圧プラズマ放電処理装置及び下記放電条件で、2層積層した透明封止フィルムを作製した。
(大気圧プラズマ放電処理装置)
上記大気圧プラズマ放電処理装置を用い、下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約200nmの層1を形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 95.7体積%
薄膜形成性ガス:ヘキサメチルジシロキサン
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.3体積%
添加ガス:水素ガス 4.0体積%
〈電源条件〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 8W/cm
第2電極側 電源種類 パール工業社製高周波電源
周波数 13.56MHz
出力密度 7W/cm
次いで、下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約250nmの層2を積層形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 95.9体積%
薄膜形成性ガス:テトラエトキシシラン(以下、TEOSと略記)
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.1体積%
添加ガス:水素ガス 4.0体積%
〈電源条件〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 10W/cm
第2電極側 電源種類 パール工業社製高周波電源
周波数 13.56MHz
出力密度 7W/cm
次いで、複数の先細り形状の円錐台形凸部を持つプリズムアレイシートを得るため、平板状金型を切削加工し、円錐台ホール形状の金型を作製した。その後、図8の模式図に示すように、TAC基材(トリアセチルセルロースフィルム)上にUV硬化樹脂を塗布し、その塗布層側に円錐台ホール形状の金型を押し当て、TAC基材裏面側からUV照射して塗布層を硬化した後、剥離して複数の凸部を有するプリズムアレイシート10Aを得た。
プリズムアレイシート10Aは、波長550nmの光に対する屈折率が1.50、円錘台状の凸部12の底面に対する0.3Ho〜0.7Ho間の傾斜角度、tan(aave)は1.19であり、WYKO社製RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて、30個の凸部の高さHoの平均値を測定したところ25μm、凸部のピッチPは30μmであった。
また、図4に示した定義に従い、Vo(0.6Ho≦h≦Ho)、V(0.6Ho≦h≦Ho)の各々の体積を同様にWYKO社製RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システムを用いて求めところ、V(0.6Ho≦h≦Ho)=0.5×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)の関係であった。
上記プリズムアレイシート10Aを用い、図3に示すように、このプリズムアレイシート10Aの凸部12を上記の有機EL素子20の出射面20aに対向するように、接着層を介して凸部先端面が3μmの深さになるように、25℃、相対湿度55%環境下で埋没させて接着した。((Ho−ho)/Ho=0.88)
接着層には熱硬化型アクリル樹脂系接着剤を用いた。基材を除いた接着層の厚みは5μm(d/Ho=0.2)であった。また、出射面積に対する凸部接着面積の割合は18%であった。
<有機EL面発光体102〜110の作製>
有機EL面発光体101に用いたプリズムアレイシート10Aを作製する際に用いた円錐台ホール形状の金型を、凸部の形状が表1に記載のVo(0.6Ho≦h≦Ho)、V(0.6Ho≦h≦Ho)の関係になるように調整し、かつ接着層への埋没深さの関係((Ho−ho)/Ho)を変えた以外は同様にして、有機EL面発光体102〜110を作製した。
《有機EL面発光体の評価》
(高温保存性)
85℃環境下に200時間放置した後の有機EL発光素子とプリズムアレイシートの接着状態を目視評価した。剥離部分の面積が貼付全部分の10%未満であるものを◎、10%〜20%以下であるものを○、20%より大きく50%以下であるものを△、50%以上であるものを×とした。剥離部分の面積が少ないものほど高温保存性に優れている。
プリズムアレイシートの接着状態を目視評価した。評価基準は、前記高温保存評価と同様とした。
(正面輝度向上比)
プリズムアレイシートを貼り付けない状態の面発光素子の正面輝度を1としたときの、プリズムアレイシートを貼り付けた状態の正面輝度を相対値で示す。測定は分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いて、正面からの発光輝度(2°視野角正面輝度)を測定した。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2010140742
表1より、本発明の有機EL表示素子は、高温保存後の接着性、正面輝度に対して総合的に優れていることが明らかである。
実施例2
<有機EL面発光体110〜115の作製>
有機EL面発光体104の作製において、凸部の底面に対する0.3Ho〜0.7Ho間の傾斜角度、tan(aave)を表2のように変化させた以外は同様にして、有機EL面発光体110〜115を作製した。
次いで、得られた有機EL面発光体に対し、実施例1と同様な評価を行い結果を表2に示した。
Figure 2010140742
表2より、前記条件式(3)を満たす凸部を埋没させた有機EL面発光体104、112〜114は、高温保存後の接着性、正面輝度に対して総合的に優れていることが分かる。
実施例3
<有機EL面発光体116〜120の作製>
有機EL面発光体104の作製において、接着層の厚みを変え、d/Hoの値を表3のように変化させた以外は同様にして、有機EL面発光体116〜120を作製した。
次いで、得られた有機EL面発光体に対し、実施例1と同様な評価を行い結果を表3に示した。
Figure 2010140742
表3より、前記条件式(5)を満たす厚みを有する接着層に凸部を埋没させた有機EL面発光体104、117〜119は、高温保存後の接着性、正面輝度に対して総合的に優れていることが分かる。
実施例4
次いで有機EL面発光体101〜110をCF(カラーフィルタ)、及びCF(カラーフィルタ)パターンに合わせ素子及び駆動トランジスタ回路とを組み合わせ、有機ELから取り出される白色光をバックライトとして、青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタを介して青色光、緑色光、赤色光を得ることで、有機ELディスプレイを作製した。この有機ELディスプレイの一画素は、対角方向長さが100μmであり、凸部ピッチP/画素の対角方向長さDの比は、0.3であった。
本発明の有機EL面発光体103〜105、107〜110を用いた有機ELディスプレイは、優れた視認性を有する長寿命な有機ELディスプレイであった。
また、有機EL面発光体104の作製において、凸部ピッチPを変化させた以外は同様にして表4のように作製した有機EL面発光体121〜125を用いた有機ELディスプレイの視認性を目視評価したところ、条件式(4)を満たすピッチP/画素の対角方向長さDの比である場合に、視認性が良好になることが分かった。
(視認性評価)
◎:画像にじみがなく、解像度がよい
○:画像にじみはないが、やや解像度があまい
△:画像にじみがやや見られ、やや解像度もあまい
×:画像にじみがはっきり認められ、解像度もあまい
Figure 2010140742
実施例5
次いで有機EL面発光体101〜110を、VA型液晶表示装置である富士通製15型ディスプレイVL−150SDの予め内蔵されていたバックライトの替わりに用いたところ、本発明の有機EL面発光体103〜105、107〜110を用いると優れた輝度を有する液晶表示装置が得られることが分かった。
実施例6
次いで有機EL面発光体101〜110の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、照明装置を形成したところ、本発明の有機EL面発光体103〜105、107〜110を用いると優れた輝度を有する照明装置が得られることが分かった。
本発明の構成によって光取り出し効果が向上することを示す模式図である。 光取り出しフィルムの凸部形状の例を示す模式図である。 条件式(1)に係わるHo、hoを説明する模式図である。 条件式(2)に係わるV及びVoを説明する模式図である。 本発明に係る有機EL面発光体の構成を示す図である。 光取り出しの機構を示す模式図である。 トップエミッション方式での有機EL面発光素子、有機EL面発光体の構成図である。 凸部の形成工程を示す模式図である。
符号の説明
10A プリズムアレイシート
11 透光性基板
12 凸部
13 空間部
14 出射面
20A 有機EL面発光素子
21 基板
22 金属電極
23 有機EL発光層
24 透明電極
25 封止膜
30 接着層
100 有機EL面発光素子
110 陽極(一対の電極)
111 陰極(一対の電極)
112 発光層(有機発光層)
117 電極保護層
118 有機緩衝層
119 封止膜
120A 素子基板
121 発光素子

Claims (6)

  1. 基板上に金属電極、発光層、透明電極、封止膜がこの順に積層され、更に該封止膜と接着層を介して複数の凸部が接している光取り出しフィルムを有する有機EL面発光体において、
    (1)0.7≦(Ho−ho)/Ho≦0.95
    (2)0.65×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)<V(0.6Ho≦h≦Ho)<0.95×Vo(0.6Ho≦h≦Ho)
    の関係を同時に満たすことを特徴とする有機EL面発光体。
    (ここで、基板表面の法線方向を含む前記光取り出しフィルムの任意の断面のうち、凸部の最も切れ込んだ位置を『基準位置』とすると、
    式(1)において、Hoは光取り出しフィルムの基準位置から凸部頂面または頂点までの高さを表し、hoは凸部先端が接着層に埋没している深さを表す。
    式(2)において、Vo(0.6Ho≦h≦Ho)は、凸部の高さhが基準位置から0.3Ho≦h≦0.7Hoの範囲にある凸部の断面領域における該凸部側面と基板との平均傾斜角をaaveとした時、h=0.7Hoの断面形状位置からaaveの角度で直線を凸部頂面位置の高さまで伸ばし、h=0.6Hoで基板からの法線に垂直な断面と、h=Hoで基板からの法線に垂直な断面に囲まれる凸部の体積をいい、V(0.6Ho≦h≦Ho)は、h=0.6Hoで基板からの法線に垂直な断面と、h=Hoで基板からの法線に垂直な断面に囲まれる凸部の体積をいう。)
  2. 前記有機EL面発光体において、前記aaveが、
    (3)0.78≦tan(aave)≦1.28
    を満足することを特徴とする請求項1に記載の有機EL面発光体。
  3. 前記有機EL面発光体において、画素の対角方向長さをDとし、任意に選択した基準位置とそこから最も近い他の基準位置との間隔をピッチ:Pとするとき、
    (4)0.1≦P/D≦0.8
    を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL面発光体。
  4. 前記有機EL面発光体において、接着層の厚みをdとしたとき
    (5)0.03≦d/Ho≦0.3
    を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL面発光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL面発光体を用いたことを特徴とする有機EL表示装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL面発光体を用いたことを特徴とする有機EL照明装置。
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