JP2010139952A - 画像形成装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写体を有する画像形成装置において、重量の大きな記録媒体が搬送された場合でも中間転写体の速度変動を抑制する。
【解決手段】像が保持される中間転写ベルト15と、中間転写ベルト15との間にて押圧部を形成し回転駆動される二次転写ロール22を備え、搬送される用紙を押圧部にて押圧し、中間転写ベルト15に保持された像を用紙に転写する二次転写部20と、押圧部に用紙の先端が到達するときまたは押圧部から用紙の後端が離れるときに二次転写ロール22の駆動トルクをトルクリミッタ72により形成した第1の調節状態から電磁クラッチ73により形成した第2の調節状態に変更して駆動トルクを調節する中間転写ベルト駆動機構80とを有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置等に関し、より詳しくは、中間転写体を使用する画像形成装置等に関する。
従来、中間転写体を使用する画像形成装置においては、ベルト状の中間転写体上に転写されたトナー像等を記録媒体上に一括して二次転写する際に、中間転写体をその内側からバックアップロールで支持するとともに、当該中間転写体の表面側に二次転写ロールを当接させ、バックアップロールに電圧を供給するバックアップロール方式の転写装置が採用されている。このようなバックアップロール方式の転写装置では、安定した状態で画像を転写するための方法が報告されている。
例えば、特許文献1には、中間転写体上に転写されたトナー像を転写部に搬送される記録媒体上に転写する転写装置において、転写部材の背面支持部材に対する圧接幅(食い込み量)を調整する圧接幅調整手段を設けた転写装置が記載されている。
特許文献2には、転写材の厚みに関する情報を取得する厚み情報取得手段と、二次転写ロールがバックアップロールに接触する位置を移動させる移動手段と、厚み情報取得手段が取得する転写材の厚みに関する情報に基づき移動手段を制御する制御手段と、を有する画像形成装置が記載されている。
特開2002−372871号公報 特開2008−026390号公報
ところで、バックアップロール方式の転写装置において、転写部に搬送される用紙が厚紙である場合等、記録媒体の重量(坪量等)が大きい場合は、転写部に用紙が突入するとき及び用紙が抜けるときに負荷が増大し、中間転写体の速度が変動する場合がある。このため、中間転写体上に形成している画像に画像不良(バンディングまたはスミア等)が生じるという問題がある。
本発明の目的は、中間転写体を有する画像形成装置において、例えば、重量が大きい記録媒体が搬送された場合でも中間転写体の速度変動を抑制することにある。
本発明によれば、下記請求項1乃至4に係る画像形成装置と、請求項5及び6に係るプログラムとが提供される。
請求項1に係る発明は、像が保持される像保持体と、前記像保持体との間にて押圧部を形成し回転駆動される転写部材を備え、搬送される記録材を当該押圧部にて押圧し、当該像保持体に保持された像を記録材に転写する転写部と、前記押圧部に記録材の先端が到達するときまたは当該押圧部から記録材の後端が離れるときに前記転写部材の駆動トルクを第1の調節状態から第2の調節状態に変更して駆動トルクを調節する調節手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、前記調節手段は、前記押圧部に記録材の先端が到達するタイミングまたは当該押圧部から記録材の後端が離れるタイミングに応じて、電磁クラッチを作動させ、駆動トルクを前記第2の調節状態に変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、前記調節手段は、前記転写部材に伝達される駆動トルクの上限値を制御するトルクリミッタを用いて前記第1の調節状態を形成することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、前記調節手段の前記第2の調節状態は、前記第1の調節状態に比べて前記転写部材の駆動トルクの上限値を高くすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、像が保持される像保持体との間にて転写部材を用いて押圧部を形成し記録材を当該押圧部にて押圧し当該像保持体に保持された像を記録材に転写する画像形成装置を制御するプログラムであって、搬送される記録材の先端が前記押圧部に突入するタイミングを把握する機能と、把握された前記タイミングに基づき、前記転写部材の駆動トルクを第1の調節状態から第2の調節状態に変更する機能とを実現するプログラムである。
請求項6に係る発明は、搬送される記録材の後端が前記押圧部から離れるタイミングを把握する機能と、把握された前記離れるタイミングに基づき、前記転写部材の駆動トルクを前記第1の調節状態から前記第2の調節状態に変更する機能とを更に実現する請求項5に記載のプログラムである。
請求項1に係る発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、中間転写体の速度変動がより抑制され、画像不良をより低減できる。
請求項2に係る発明によれば、中間転写体の速度が大きく変動するタイミングに合わせて中間転写体の速度変動を抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、重量が大きい記録材が搬送されない通常の作動時に、中間転写体の速度が略安定に保たれる。
請求項4に係る発明によれば、重量が大きい記録材が搬送されたときに、中間転写部材が強制的に回転駆動され、中間転写体の速度低下が防止される。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、転写部に記録材が突入するタイミングに合わせて中間転写体の速度変動が制御される。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、転写部から記録材が離れるタイミングに合わせて中間転写体の速度変動が制御される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、使用する図面は、本実施の形態を説明するために使用するものであり、実際の大きさを現すものではない。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置の概略構成図である。ここでは、一般にタンデム型と呼ぶ中間転写方式の画像形成装置を例に挙げ説明する。図1に示す画像形成装置は、トナー像形成部として、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kを備える。次に、転写部として、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成する各色成分トナー像を中間転写ベルト(像保持体)15に順次転写(一次転写)する一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写した重畳トナー画像を記録材(記録用紙)である用紙に一括転写(二次転写)する二次転写部20を有する。さらに、定着部として、二次転写された画像を用紙上に定着する定着装置60を備える。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有する。
図1に示すように、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11と、感光体ドラム11を帯電する帯電器12と、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図1中、露光ビームを符号Bmで示す)と、各色成分トナーを収容し感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14と、を有する。また、感光体ドラム11上に形成する各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16と、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17と、を有する。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に略直線状に配置されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールにより、図1に示す矢印B方向に循環駆動(回動)する。各種ロールとして、中間転写ベルト15を回動する駆動ロール(像保持体駆動部材)31と、中間転写ベルト15を支持する支持ロール32と、中間転写ベルト15に張力を与え蛇行を防止するテンションロール33と、二次転写部20に設けるバックアップロール25と、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けるクリーニングバックアップロール34と、を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟み感光体ドラム11に対向する一次転写ロール16を有する。一次転写ロール16にトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)を印加し、各感光体ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト15に順次、静電吸引し、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像を形成する。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置する二次転写ロール(転写部材)22と、二次転写ロール22の対向電極として中間転写ベルト15の裏面側に配置されたバックアップロール25と、バックアップロール25に接触配置されて二次転写バイアスを安定的に印加する金属製の給電ロール26と、を有する。
中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側に、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去する中間転写ベルトクリーナ35を接離自在に設ける。イエローの画像形成ユニット1Yの上流側に、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42を配設する。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43を配設する。基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けたマークを認識して基準信号を発生し、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始する。
本実施の形態では、記録用紙搬送系として、用紙を収容する用紙収容部50と、用紙収容部50中の用紙を取り出して搬送するピックアップロール51と、用紙を搬送する搬送ロール52と、用紙を二次転写部20へと送る搬送シュート53と、二次転写ロール22により二次転写された用紙を定着装置60へと搬送する搬送ベルト55と、用紙を定着装置60に導く定着入口ガイド56と、を有する。
次に、画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
図1に示すような画像形成装置では、画像読取装置(IIT)(図示せず)やパーソナルコンピュータ(PC)(図示せず)等から出力される画像データに、画像処理装置(IPS)(図示せず)により画像処理を施した後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業を実行する。IPSでは、入力された反射率データに、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理を施す。画像処理を施した画像データを、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換し、レーザ露光器13に出力する。
レーザ露光器13は、入力される色材階調データに応じ、例えば、半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射する。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11の表面を帯電器12によって帯電した後、レーザ露光器13によって表面を走査露光し、静電潜像を形成する。形成した静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像する。
次に、感光体ドラム11上に形成するトナー像を、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、一次転写ロール16により、中間転写ベルト15の基材に対し、トナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)を付加し、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写を行う。
トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次一次転写した後、中間転写ベルト15が移動してトナー像を二次転写部20に搬送する。記録用紙搬送系は、トナー像を二次転写部20に搬送するタイミングに合わせてピックアップロール51を回転し、用紙収容部50から用紙を供給する。ピックアップロール51により供給した用紙は、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙を一旦停止し、トナー像を保持した中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)を回転し、用紙の位置とトナー像の位置との位置合わせを行う。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介し、二次転写ロール22をバックアップロール25に押圧し、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像を、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれた用紙上に、一括して静電転写する。
その後、トナー像を静電転写した用紙を、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離してそのまま搬送し、二次転写ロール22の記録用紙搬送方向下流側に設ける搬送ベルト55へと搬送する。搬送ベルト55は、用紙を定着装置60まで搬送する。定着装置60は、用紙上の未定着トナー像を熱および圧力で処理し用紙上に定着する。定着画像を形成した用紙は、画像形成装置の排出部に設けた排紙載置部に搬送する。
用紙への転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーを、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送し、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去する。
図2は、二次転写部20を説明する図である。
上述したように、二次転写部20は、中間転写ベルト(像保持体)15のトナー像保持面側に配置する二次転写ロール(転写部材)22と、バックアップロール25と、二次転写ロール22の対向電極とし給電ロール26とを有する。尚、図示しないが、給電ロール26には、転写電源としての電源が接続されている。中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間には、記録用紙搬送系から到達した用紙が挟み込まれるニップ部29が形成される。
二次転写ロール22は、通常、金属製シャフトの回転軸に、例えばエピクロルヒドリンゴムやウレタンゴム等を発泡させたもので構成された発泡層と、エピクロルヒドリンゴムやウレタンゴム等で構成されたソリッド層と、コート層とを備える構造を有している。二次転写ロール22の体積抵抗率は、通常、103〜1010Ω・cmの範囲内に設定される。
バックアップロール25は、通常、金属製シャフトの回転軸と、EPDM又はエピクロルヒドリンゴム等のゴム材料にて単層又は複層に構成された弾性層を備える。バックアップロール25の体積抵抗率は103〜1010Ω・cmの範囲内に設定される。給電ロール26は、金属にて構成されている。
二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟みバックアップロール25に圧接配置し、さらに二次転写ロール22を接地してバックアップロール25との間に二次転写バイアスを形成し、二次転写部20に搬送される用紙上にトナー像を二次転写する。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介し、二次転写ロール22をバックアップロール25に押圧する。このとき、記録用紙搬送系から搬送シュート53を経て二次転写部20に到達した用紙は、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間のニップ部(押圧部)29に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)を印加し、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界を形成する。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像を、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって二次転写部20において押圧し、用紙上に一括して静電転写する。
図3は、本実施の形態における中間転写ベルト15及び二次転写部20を駆動するための駆動機構の構成を説明する図である。図3には、図2に示す二次転写部20を矢印A方向から見た概略構成図が示されている。
ここでは、二次転写部20は、二次転写ロール22を駆動するとともに駆動トルクの調節手段としての二次転写ロール駆動機構70と、中間転写ベルト15を駆動する中間転写ベルト駆動機構80とを備えている。また、二次転写ロール22の回転速度の変動を検知するための第1ロータリーエンコーダ91と、中間転写ベルト15を駆動する駆動ロール31の回転速度の変動を検知するための第2ロータリーエンコーダ92とを備えている。さらに、二次転写ロール駆動機構70を制御する制御部40が設けられている。
二次転写ロール駆動機構70は、二次転写ロール22を駆動する第1駆動モータ71と、第1駆動モータ71の駆動トルクの上限値を制御するトルクリミッタ72と、制御部40からの制御信号を受けてON/OFFを行う電磁クラッチ73とを有している。また、第1駆動モータ71の駆動トルクを伝達する第1駆動モータ71側のギヤ列74(ギヤ74a,74b,74c)と二次転写ロール22側のギヤ列75(ギヤ75a,75b,75c)とを有している。
ここで、トルクリミッタ72は、一般に、機械装置にかかる過負荷に対する安全装置(過負荷保護装置)であって、設計値以上の過大なトルクが作用したとき、このトルクの伝達を遮断するものである。通常、テーブル、プーリ、アーム等の直接取り付けが可能なフランジ系列、ミスアライメント機能を備えるカップリング系列等が挙げられ、必要に応じ種々選択され採用される。
また、電磁クラッチ73、一般に、コイルに通電することによって発生する電磁力によって機械の連結・切り離し・制動・保持を行う装置である。その作動方法によって、コイルへの通電を行うことで動作する励磁作動形と、停電時等コイルへの通電が切れたときにスプリングの力で動作する無励磁作動形とが挙げられる。また、構造上の特徴から、摩擦板式、噛み合い式、磁性粉(パウダ)を封入したパウダ式、磁性材料のヒステリシス損失を利用したヒステリシス式等が挙げられる。これらは必要に応じ種々選択され採用される。
次に、中間転写ベルト駆動機構80は、中間転写ベルト15の駆動ロール31を駆動する第2駆動モータ81と、第2駆動モータ81の駆動トルクを駆動ロール31に伝達するギヤ82とを備えている。第2駆動モータ81は電圧計84を介して接地されている。第2駆動モータ81の電流値は、測定部としての電流プローブ83により測定され、制御部40に入力される。
本実施の形態では、二次転写ロール22の回転速度の変動は第1ロータリーエンコーダ91により検知され、中間転写ベルト15の駆動ロール31の回転速度の変動は第2ロータリーエンコーダ92により検知され、それぞれの出力信号は、制御部40に入力される。
そして、二次転写ロール駆動機構70は、制御部40からの制御信号を受けたトルクリミッタ72と電磁クラッチ73とにより、二次転写ロール22の駆動トルクを調節する。
すなわち、通常の作動時には、第1駆動モータ71の駆動トルクは、トルクリミッタ72を介して二次転写ロール22に伝達され、厚紙等の重量が大きい用紙の先端が二次転写部20に到達する場合は、電磁クラッチ73が作動する。本実施の形態では、電磁クラッチ73の駆動トルクの上限値は、トルクリミッタ72に比べて高く設定されている。
このように、第1ロータリーエンコーダ91による二次転写ロール22の回転速度の変動と、第2ロータリーエンコーダ92による駆動ロール31の回転速度の変動とは、二次転写ロール22の駆動トルクの制御に用いられる。
さらに、これらの回転速度の変動は、次の制御の内容の修正にも用いられる。具体的には、二次転写部20のニップ部29に用紙が到達するタイミングまたはニップ部29から用紙の後端が離れるタイミングに応じて、電磁クラッチ73のON/OFFのタイミングの修正にも用いられる。
次に、二次転写ロール駆動機構70の作用を図3、図4を用いて説明する。
図4は、中間転写ベルト15を駆動する駆動ロール31の速度変動率(%)を示す図である。横軸は時間(秒:s)を示し、縦軸は速度変動率(%)を示している。図4では、範囲A(時間5.5(s)から約6.0(s)迄)は用紙が無い状態であり、範囲B(時間約6.0(s)から約6.1(s)迄)は用紙の先端が二次転写部20のニップ部29に到達し突入した状態であり、範囲C(時間約6.1(s)以降)は用紙がニップ部29を通過している状態である。尚、上述したように駆動ロール31の速度変動率(%)は、駆動ロール31に取り付けた第2ロータリーエンコーダ92により検知される。
図4に示すように、二次転写部20に用紙が無い場合(範囲A)、中間転写ベルト15は定速度で回転駆動し、駆動ロール31の速度変動率(%)は、±1%程度の範囲内で略安定する。このとき、第1駆動モータ71のトルクは、ギヤ列74(ギヤ74a,74b,74c)とトルクリミッタ72とギヤ列75(ギヤ75c,75b)を介して二次転写ロール22に伝達されている。
次に、厚紙等の重量が大きい用紙の先端が二次転写部20に突入する場合、二次転写ロール22に負荷がかかることにより中間転写ベルト15の回動速度が低下し、同時に、駆動ロール31の速度変化率(%)が−4%程度に変動する(範囲B)。このとき、駆動ロール31の速度の変化を修正するようにフィードバックコントロールを行うと、駆動ロール31の速度変化率(%)は、+3%程度に変動し、さらにプラス側又はマイナス側に変動を繰り返しながら略安定する挙動をとる。
このような速度変化率(%)の大幅な変動挙動は、厚紙等の重量が大きい用紙の後端が二次転写部20を離れるときにも生じる。その結果、中間転写ベルト15に速度の変動が生じ、形成している画像に画像不良(バンディングまたはスミア等)が生じる。
本実施の形態では、二次転写部20において、厚紙等の重量が大きい用紙の先端がニップ部29に到達するタイミングに応じて、電磁クラッチ73を作動させる。これにより、通常の作動時に、第1駆動モータ71の駆動トルクがトルクリミッタ72を介して二次転写ロール22に伝達されている状態(第1の調節状態)は、電磁クラッチ73を介して二次転写ロール22に伝達される状態(第2の調節状態)に変更される。
また、ニップ部29から厚紙等の重量が大きい用紙の後端が離れるタイミングに応じて、電磁クラッチ73を作動させる。これにより、第1駆動モータ71の駆動トルクがトルクリミッタ72を介して二次転写ロール22に伝達されている状態(第1の調節状態)は、電磁クラッチ73を介して二次転写ロール22に伝達される状態(第2の調節状態)に変更される。
すなわち、通常の作動時には、第1駆動モータ71の駆動トルクは、ギヤ列74(ギヤ74a,74b,74c)とトルクリミッタ72とギヤ列75のギヤ75c及びギヤ75bを介して二次転写ロール22に伝達される(第1の調節状態)。このとき、電磁クラッチ73は作動しない。
次に、厚紙等の重量が大きい用紙の先端が二次転写部20のニップ部29に到達する場合及び用紙の後端がニップ部29を離れる場合、制御部40からの制御信号を受けて、一定時間、電磁クラッチ73がONになる。そして、第1駆動モータ71の駆動トルクは、ギヤ列74のギヤ74aと電磁クラッチ73とギヤ列75のギヤ75a及びギヤ75bを介して二次転写ロール22に伝達される(第2の調節状態)。本実施の形態では、電磁クラッチ73の駆動トルクの上限値は、トルクリミッタ72に比べて高く設定されている。
電磁クラッチ73の作動及び停止(ON/OFF)は、第1ロータリーエンコーダ91により測定された二次転写ロール22の速度の変動、電流プローブ83により測定された第2駆動モータ81の電流値、第2ロータリーエンコーダ92により測定された駆動ロール31の速度の変動に基づき、制御部40により制御されている。
また、本実施の形態では、二次転写ロール駆動機構70の電磁クラッチ73の作動(ON)電圧、及び作動(ON)時間も、制御部40により制御されている。
一般に、電磁クラッチ73によるトルク動力の伝達率は、電磁クラッチ73に通電する電流の強さでほぼ無段階に調整することが可能である。本実施の形態では、電磁クラッチ73が作動することにより、トルクリミッタ72において予め設定されている上限トルク値に比べ大きいトルクが二次転写ロール22に伝達される。その結果、二次転写ロール22が強制的に回転駆動されることに伴い、中間転写ベルト15の速度低下が防止されると共に回動速度が安定し、画像不良(バンディングまたはスミア等)の発生が低減する。
本実施の形態では、上述したように、二次転写ロール駆動機構70の電磁クラッチ73は、重量が大きい用紙の先端が二次転写部20のニップ部29に到達するとき及び後端が離れるときに、一定の時間、作動(ON)し、用紙がニップ部29を通過している間及び通常の処理時には停止(OFF)している。この場合、第1駆動モータ71のトルクは、トルクリミッタ72を介して二次転写ロール22に伝達され、中間転写ベルト15の速度は略安定している。
次に、制御部40による二次転写ロール駆動機構70の制御の流れを図3、図4、図5を用いて説明する。
図5は、制御部40による制御を示すフローチャートである。
制御部40は、まず、搬送される用紙が厚紙等の重量が大きい用紙か否かを判断する(ステップ101)。この判断は、例えば、ユーザが予め登録した登録内容を認識する等で行われる。例えば、ユーザによる用紙の紙種情報の入力結果等を用いる。重量が大きい用紙でない場合は(ステップ101のNO)、特別な処理は行わず、処理を終了し、トルクリミッタ72による通常の処理が行われる。一方、厚紙等の重量が大きい用紙であると判断される場合は(ステップ101のYES)、ステップ102へ移行する。
ステップ102では、搬送される重量が大きい用紙の先端が二次転写部20の中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間のニップ部29に到達するか否かが判断される(ステップ102)。この判断は、例えば、用紙搬送路上に設けられたセンサと、用紙の搬送速度の認識により容易に判断できる。到達の判断は、例えば、図4に示すような速度変動が生じる(図4範囲B参照)直前が好ましく、実際には用紙の先端がニップ部29に到達する直前とされる。重量が大きい用紙の先端がニップ部29に到達しない場合は(ステップ102のNO)、特別な処理は行わず、通常の処理が行われる。一方、用紙の先端がニップ部29に到達したと判断される場合は(ステップ102のYES)、ステップ103へ移行する。
ステップ103では、用紙の先端がニップ部29に到達するタイミングに応じて、制御部40からの制御信号を受けた電磁クラッチ73が作動する(ステップ103)。これにより、第1駆動モータ71の駆動トルクがトルクリミッタ72を介して二次転写ロール22に伝達されている状態(第1の調節状態)は、電磁クラッチ73を介して二次転写ロール22に伝達される状態(第2の調節状態)に変更される。これにより、二次転写ロール22が強制的に回転駆動される。
次に、制御部40は、用紙の先端がニップ部29に到達することにより電磁クラッチ73が作動した後、一定の時間が経過するか否かを判断する(ステップ104)。一定の時間が経過しない場合は(ステップ104のNO)、電磁クラッチ73の作動状態が維持される。一方、一定の時間が経過したと判断される場合は(ステップ104のYES)、ステップ105に移行する。すなわち、電磁クラッチ73の作動処理を終了し(ステップ105)、トルクリミッタ72による通常の処理が行われる。
続いて、制御部40は、ニップ部29に突入した重量が大きい用紙の後端がニップ部29から離れるか否かを判断する(ステップ106)。用紙の後端は、用紙搬送路上を用紙が搬送される途中にて、例えば、センサ等を用いて、用紙の先端からの距離として把握される。用紙の長さは用紙によって1枚毎に異なる場合があることから、1枚毎に用紙の後端を認識することが好ましい。
用紙の後端がニップ部29から離れるか否かの判断は、例えば、図4に示すような速度変動が生じる(図4範囲B参照)直前が好ましく、実際には用紙の後端がニップ部29を離れる直前とされる。重量が大きい用紙の後端がニップ部29を離れない場合は(ステップ106のNO)、特別な処理は行わず、通常の処理が行われる。一方、用紙の後端がニップ部29を離れると判断される場合は(ステップ106のYES)、ステップ107へ移行する。
ステップ107では、用紙の後端がニップ部29を離れるタイミングに応じて、制御部40からの制御信号を受けた電磁クラッチ73が作動する(ステップ107)。これにより、トルクリミッタ72による通常の処理が行われている状態(第1の調節状態)は、電磁クラッチ73が作動した状態(第2の調節状態)に変更される。これにより、二次転写ロール22が強制的に回転駆動される。
次いで、制御部40は、用紙の後端がニップ部29を離れるタイミングに応じて電磁クラッチ73が作動した後、一定の時間が経過するか否かを判断する(ステップ108)。一定の時間が経過しない場合は(ステップ108のNO)、電磁クラッチ73の作動状態が維持される。一方、一定の時間が経過したと判断される場合は(ステップ108のYES)、ステップ109に移行し、電磁クラッチ73の作動処理を終了し(ステップ109)、トルクリミッタ72による通常の処理が行われる。
本実施の形態では、上述したように、二次転写ロール駆動機構70の電磁クラッチ73は、厚紙等の重量の大きい用紙の先端が二次転写部20のニップ部29に到達したとき及び用紙の後端がニップ部29を離れるときに、第1駆動モータ71のトルクが二次転写ロール22に伝達されるように作動(ON)し、用紙が二次転写部20を通過している間は停止(OFF)している。この場合、第1駆動モータ71のトルクは、トルクリミッタ72を介して二次転写ロール22に伝達され、中間転写ベルト15の速度変動率(%)は±1%程度の範囲内で略安定している。
本実施の形態が適用される画像形成装置の概略構成図である。 二次転写部を説明する図である。 中間転写ベルト及び二次転写部を駆動するための駆動機構の構成を説明する図である。 中間転写ベルトを回動する駆動ロールの速度変動率(%)を示す図である。 制御部による制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、22…二次転写ロール、29…ニップ部、31…駆動ロール、40…制御部、60…定着装置、70…二次転写ロール駆動機構、71…第1駆動モータ、72…トルクリミッタ、73…電磁クラッチ、80…中間転写ベルト駆動機構、81…第2駆動モータ、91…第1ロータリーエンコーダ、92…第2ロータリーエンコーダ

Claims (6)

  1. 像が保持される像保持体と、
    前記像保持体との間にて押圧部を形成し回転駆動される転写部材を備え、搬送される記録材を当該押圧部にて押圧し、当該像保持体に保持された像を記録材に転写する転写部と、
    前記押圧部に記録材の先端が到達するときまたは当該押圧部から記録材の後端が離れるときに前記転写部材の駆動トルクを第1の調節状態から第2の調節状態に変更して駆動トルクを調節する調節手段と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記調節手段は、前記押圧部に記録材の先端が到達するタイミングまたは当該押圧部から記録材の後端が離れるタイミングに応じて、電磁クラッチを作動させ、駆動トルクを前記第2の調節状態に変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記調節手段は、前記転写部材に伝達される駆動トルクの上限値を制御するトルクリミッタを用いて前記第1の調節状態を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記調節手段の前記第2の調節状態は、前記第1の調節状態に比べて前記転写部材の駆動トルクの上限値を高くすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 像が保持される像保持体との間にて転写部材を用いて押圧部を形成し記録材を当該押圧部にて押圧し当該像保持体に保持された像を記録材に転写する画像形成装置を制御するプログラムであって、
    搬送される記録材の先端が前記押圧部に突入するタイミングを把握する機能と、
    把握された前記タイミングに基づき、前記転写部材の駆動トルクを第1の調節状態から第2の調節状態に変更する機能と
    を実現するプログラム。
  6. 搬送される記録材の後端が前記押圧部から離れるタイミングを把握する機能と、
    把握された前記離れるタイミングに基づき、前記転写部材の駆動トルクを前記第1の調節状態から前記第2の調節状態に変更する機能と
    を更に実現する請求項5に記載のプログラム。
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