JP2010139697A - トナーカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】多様化した使用環境や使用形態によらず安定した画像品質を得られるトナーカートリッジを提供する。
【解決手段】少なくともトナーとトナーを収納するトナー容器により構成された、画像形成装置に着脱可能なトナーカートリッジにおいて、該トナー容器は、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを重合して得られるポリエステルを主成分とし、少なくとも酸化チタンおよび酸化亜鉛のいずれか一方を含有した成型用樹脂を、延伸ブロー法により成形したトナー容器であり、該トナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と、個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体粒子を有し、該無機微粉体粒子のトナー粒子からの遊離率が5.0質量%以上35.0質量%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真法、静電記録法、磁気記録法などを利用した記録方法に用いられるトナー(現像剤)およびトナーを収納する容器に関する。
詳しくは、本発明は予め感光体上にトナー像を形成後、トナー像を転写材上に転写して画像形成する、複写機、プリンター、ファックスの如き画像形成装置に用いられるトナーに関する。
さらに、前記トナーとトナー容器とで少なくとも構成された、必要に応じ画像形成装置にトナーを補給するトナーカートリッジに関する。
従来、電子写真法として多数の方法が知られている。
一般的な電子写真法には、光導電性物質を利用して、種々の手段により像担持体(以下、感光体ともいう)上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像に現像剤(以下、トナーともいう)を転移して可視像化し、トナー画像を得る方法が知られている。
さらに必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後に、熱/圧力により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得る。
これら電子写真法を用いた画像形成装置は、複写機以外にプリンターやファクシミリとして適用されている。
近年では、画像形成装置の小型化・低価格化が進んだことにより、空調の完備された安定した環境に設置されるのみならず、小規模オフィスや工場の生産現場など様々な場所にまで普及し、世界中の様々な環境下、様々な状況下で使用されるに至っている。
そのような中、画像形成装置には従来の想定を超える高湿・高温下、低湿・低温下など、どのような環境にあっても良好な画像品質を得られる安定性、装置本体のスイッチを入れた直後の画像品質の安定性、トナー補給前後の画像品質の安定性が求められている。
このような環境や使用状態に対する安定性の向上を目的として、従来から様々な考案がなされ改良がされてきた。たとえばトナー側からのアプローチとして、1色あたり2種類以上のトナーを環境によって適宜補給する方法(特許文献1乃至2)が提案されている。
しかしこれらの提案によれば、環境に合わせて最適に設計したトナーを補給できるものの、1色あたり2個以上の補給ユニットを画像形成装置内に設置することになり、トナーカートリッジの種類も増え、装置の大型化や取り扱いの煩雑化につながってしまう。
さらには、表面処理された2種類以上の外添剤を用いる方法(特許文献3乃至4)、トナー表面から遊離する外添剤の凝集状態を一定にする方法(特許文献5)、荷電制御剤をトナー母体と混合しトナー表面に固定する方法(特許文献6)などの提案がある。
これらの方法によれば、従来の標準的な耐久枚数の現像器で定常的に使用される装置、または従来想定された使用環境の範囲内であれば効果があった。
しかし、とくに高温高湿の環境に、従来の想定を超えて長期間おかれた場合、2種類の外添剤の相互効果による方法では外添剤の付着状態がそれぞれに変化してバランスが崩れることがあり、効果が充分でなくなることがあった。
また、遊離した外添剤の凝集状態による方法ではその凝集状態に変化が起きることがあり、荷電制御剤をトナー表面に固定する方法では他の外添剤による荷電制御剤部分への選択的な汚染が起きることがあるなど、これらも効果が充分でなくなることがあった。
さらに近年では画像形成装置を定常的には使用しない場所、たとえば空調されていない製造工場で朝一番、または1日の終わりにその日の製造データをプリンターで打ち出すだけ、といった使用をされる場所にまで画像形成装置が普及している。
そのような状況の中、空調の切れた寒冷な場所や高温高湿の環境に長期間放置されたあとの再スタート時、さらに再スタート後急激にトナーを消費させた場合など、従来の想定範囲を超える使用形態での安定性が要求されてきている。
一方、トナーの収納容器については、感光体などの消耗部品と一体化された使い切り交換のプロセスカートリッジ(特許文献7)と、感光体などとは別体としトナー収納容器のみを交換できるトナーカートリッジ(特許文献8)などが知られている。
近年では、ランニングコストの低減やエコロジーの観点から、感光体など消耗部材の長寿命化が求められ、たとえば感光体では硬度の高い表面層を設けることによる長寿命化(特許文献9乃至11)が提案され、実現されている。
前述のトナー容器について、プロセスカートリッジのタイプでは、長寿命化された感光体を使用するためにその寿命にあわせてトナー容量を増やすと、プロセスカートリッジが大型化し画像形成装置全体が大型化してしまう。
ランニングコストの低減と、装置の小型化および低価格化を両立させるためには、長寿命化された感光体であってもその寿命までトナー容器のみを交換してトナー補充できる、トナーカートリッジのタイプがより好ましい。
トナーカートリッジにおけるトナー容器の製造方法としては、たとえば射出成形によるふたつ以上の部材をはり合わせたもの(特許文献12)、また二軸延伸ブロー成型によるもの(特許文献13)などが知られている。
これらによれば、トナー容器の材料を選定するにあたって考慮すべきこととして製造方法による限定、または強度、難燃性、遮光性などが挙げられているが、画像品質に対してなんらかの機能をもつ材料といった観点からの考慮はなされていない。
トナーと接触し摩擦帯電させるなどの機能をもつ部材として、たとえば一成分現像であればトナー担持体、二成分現像であればキャリアについての改良は、これまで多くの提案がなされ、現在も日々改良が加えられている。
しかし同じくトナーと接触し摩擦するトナー容器の材質や形状を、トナー排出性に関しては多くの提案がなされ改良されてきているものの、環境安定性や画像安定性のための機能部材として役立てるという観点からの検討は、充分なされてきたとは言えない。
特開平 08−082950号公報 特開 2004−354788号公報 特開 2003−050477号公報 特開 2004−126240号公報 特開平 08−202073号公報 特開 2004−271818号公報 特開 2002−139914号公報 特開 2003−177597号公報 特開平 05−035156号公報 特開平 05−088397号公報 特開平 06−083091号公報 特開 2004−004792号公報 特開 2002−221858号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決したトナーカートリッジを提供することにある。
即ち、本発明の目的は、多様化した使用環境や使用形態によらず安定した画像品質を得られるトナーカートリッジを提供することにある。
上記目標を達成するための、本出願に係る発明は以下のとおりである。
(1)少なくともトナーとトナーを収納するトナー容器により構成された、画像形成装置に着脱可能なトナーカートリッジにおいて、
該トナー容器は、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを重合して得られるポリエステルを主成分とし、少なくとも酸化チタンおよび酸化亜鉛のいずれか一方を含有した成型用樹脂を、延伸を伴うブロー成型法により成形したトナー容器であり、
該トナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と、個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体粒子を有し、該無機微粉体粒子のトナー粒子からの遊離率が5.0質量%以上35.0質量%以下であることを特徴とするトナーカートリッジ。
(2)該無機微粉体の粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体、及び6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体のうちの少なくとも一方を基本としていることを特徴とする(1)に記載のトナーカートリッジ。
(3)該無機微粉体粒子は、疎水化処理を施すことを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナーカートリッジ。
本発明者らは、トナーの構成材料と、トナー容器の構成材料および製造方法に関して検討を進めた結果、特定の組み合わせにおいて、多様化した使用環境や使用形態によらず安定した画像品質を得られるトナーカートリッジを提供できることを見いだした。
本発明によれば、画像形成装置に補給されるトナーに適切な予備帯電を与えることができる。
これにより、長期間放置された画像形成装置の再スタート時に、トナーの電荷立ち上がりが環境によらず安定しているのみならず、急激にトナーを消費させた場合においても安定した画像品質を得ることができる。
本発明は、画像形成装置に着脱可能な少なくともトナーとトナーを収納するトナー容器により構成されたトナーカートリッジに関するものである。
トナー使い切りのプロセスカートリッジに本発明を用いることも可能だが、補給容器からフレッシュなトナーを画像形成装置に補給することがないため、本発明効果のうち一部の効果しか得られない。
本発明におけるトナー容器は、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを重合して得られるポリエステルを主成分とし、少なくとも酸化チタンおよび酸化亜鉛のいずれか一方を含有した成型用樹脂を、延伸ブロー法により成形することを特徴とする。
芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを重合して得られるポリエステルを主成分とすることで、透湿性の低いトナー容器を得ることができ、外部の環境が変動しても容器内部の湿度変化を抑制できる容器が得られる。
容器内部の湿度変化を抑制できることにより、湿度によるトナーへの影響を防げるだけでなく、トナーと容器内面との摺擦状態が環境により変化することがないため、環境によらず本発明の効果を安定して得ることができる。
また、成型用樹脂に少なくとも酸化チタンまたは酸化亜鉛のいずれか一方を含有することにより、トナー排出のための回転運動や内部撹拌などでトナーと容器が摺擦する際に、トナーを適度に帯電させる効果がある。
これは、容器材質の樹脂中に含有した酸化チタンまたは酸化亜鉛の微粒子が、あたかも二成分トナーでトナーを帯電させるために用いられる樹脂コートキャリアのような働きをしていると考えられる。
芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを重合して得られるポリエステルを主成分とし、延伸ブロー法により成形されることにより、含有した酸化チタンまたは酸化亜鉛が樹脂中で好適に分散される。
トナーに予備帯電を与えないトナー容器では、帯電を持たないトナーを画像形成装置に補給しているが、急激にトナーを消費した場合には画像形成装置内のトナー粒子の帯電量分布が帯電量の低い側に広がってしまい、画像濃度の低下などにつながってしまう。
しかし、成型用樹脂に少なくとも酸化チタンまたは酸化亜鉛のいずれか一方を含有することにより、画像形成装置に補給されるトナーに予備帯電を与え、急激にトナーを消費した場合でも画像形成装置内の帯電分布を安定させることができる。
含有する無機物質は、トナーと帯電列上の差がある他の物質でも同様の効果が得られると推測するが、過剰帯電によるトナーの容器内付着や凝集などの問題を起こさず、製造上の問題もなく、またコスト的にも適当である酸化チタンまたは酸化亜鉛が好ましい。
また、射出成形など延伸ブローを伴わない成型方法では、樹脂に含有された酸化チタンまたは酸化亜鉛の微粒子の分布状態が好適になりにくく、本発明の効果が得られないことがある。
また、本発明のトナーは、トナー粒子と、個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体粒子を有し、該無機微粉体粒子のトナー粒子からの遊離率が5.0質量%以上35.0質量%以下であることを特徴とする。
トナーから遊離した個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体粒子のスペーサー効果により、容器内で帯電したトナーの容器への付着を防ぐことができる。
一方、トナーから遊離しない無機微粉体により、環境によらず流動性を一定にでき、画像の濃度変動などを防ぐことができる。
個数平均粒子径が80nmより小さいとスペーサー効果が薄いため容器内面にトナーが付着して容器による帯電効果が得られず、400nmより大きいと流動性が悪くなり容器からのトナー排出に支障をきたすことがある。
該無機微粉体粒子のトナー粒子からの遊離率は、5.0質量%以上35.0質量%以下であれば本発明の効果を発揮できる。
本発明における遊離率は、無機微粉体を添加したトナー粒子を界面活性剤水溶液に分散し、特定の分散強度で外添剤を剥離した際に、トナー母体より脱離する無機微粉体の割合(質量%)を示す。本発明の遊離率を用いることにより、トナー容器内でトナー母体より脱離する外添剤との相関が得られる。
遊離率が5.0質量%より小さいとスペーサー効果が薄いため容器内へのトナー付着が起きることがあり、また35.0質量%より大きいと遊離した無機微粉体が容器内面を覆ってしまい、容器によるトナー帯電を阻害してしまう。
該無機微粉体粒子を所定の遊離率に制御するために、たとえば外添工程で他の外添剤と混合時間を変えるなど、異なった混合条件にしても構わない。
該無機微粉体の粒子形状は、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体、及び6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体のうちの少なくとも一方を基本としていることがより好ましい。
該無機微粉体粒子が、頂点や稜線を持つ形状を有することで、トナーに付着した該無機微粒子の脱落を防ぐ効果があり、とくに高温高湿環境での耐久による遊離率増加の防止に効果がある。
該無機微粉体粒子には、さらに疎水化処理を施すことがより好ましい。疎水化処理を施すことにより高温高湿環境での安定性をさらに高めることができる。
本発明のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能な少なくともトナーとトナーを収納するトナー容器により構成される。
本発明のトナー容器は、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを重合して得られるポリエステルを主成分とし、少なくとも酸化チタンおよび酸化亜鉛のいずれか一方を含有した成型用樹脂を、延伸を伴うブロー成形法(延伸ブロー法)により成形することにより得られる。
詳しくは、本発明のポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングルコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコールなどのアルキレングリコールとの縮重合によって得られる。
また、他種のジオール成分(たとえば、シクロヘキサンジメタノールなど)、あるいは他種のジカルボン酸成分(たとえばイソフタル酸、フタル酸ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸など)が共重合されてもよい。
本発明のポリエステルには、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラメチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン−2.6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)などがあげられる。
これらポリエステルを延伸ブロー法により成形することで、透湿性の低いトナー容器を得ることができる。
外部の環境が変動しても容器内部の湿度変化を抑制でき、湿度によるトナーへの影響を防げるだけでなく、トナーと容器内面との摺擦状態が環境により変化することがない。
本発明のトナー容器に添加する酸化チタンおよび酸化亜鉛の含有量は、樹脂質量に対して0.01質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
含有量が0.01質量%より少ないとトナーに対する働きが不充分となるおそれがあり、50質量%より多いと樹脂が脆くなり加工性が悪化する。
本発明のトナー容器に添加する酸化チタン及び酸化亜鉛の粒子径は、0.08μm以上300μm以下であることが好ましい。
粒子径が0.08μmより小さいと透明性に優れた容器を成形することが容易になるが、トナーへの帯電効果が小さくなる。また300μmより大きいと容器から脱落したり、延伸時に樹脂の欠陥が生じることがある。
また、トナー容器に添加する酸化チタン及び酸化亜鉛の表面をアルミナやシリカなどの酸化物で被覆すると、樹脂への分散性を向上させることができる。このほか必要に応じて本発明の効果を阻害しないかぎり公知の表面処理などを施してもよい。
樹脂中に酸化チタンあるいは酸化亜鉛を分散させる方法は、均一に分散できる方法であればとくに限定しない。
樹脂の合成時に酸化チタンあるいは酸化亜鉛を添加してもよいし、合成した樹脂に酸化チタンあるいは酸化亜鉛を添加したペレットを作製し、溶融混練してもよい。
前記ポリエステルを主成分とし少なくとも酸化チタンおよび酸化亜鉛のいずれか一方を含有したうえで、さらに公知の各種添加剤、たとえば酸化防止剤、帯電防止剤、無機粒子充填剤、有機粒子充填剤、着色剤等が添加されてもよい。
必要に応じて、たとえば酸化チタンあるいは酸化亜鉛の分散を助けるために公知の分散剤を添加してもよいし、たとえばブロー成形性の向上のために主成分となる樹脂よりも軟化点の低い樹脂を副成分として添加してもよい。
また必要に応じて、たとえば強度を増すためにポリカーボネートなどの副成分を配合してもよく、光やガス、紫外線の遮断性のためなど、他の機能性樹脂を用いたい場合、容器内面に本発明の成型用樹脂を用いれば樹脂層を二層以上の構造にしても構わない。
このほか必要に応じてDLC蒸着やCVDコーティング、容器内面以外へのめっき加工や装飾プリント等、本発明の効果を阻害しないかぎり公知の表面処理を施してもよい。
トナー容器の成形方法は、押出ブロー成形やインジェクションブロー成形など、延伸を伴うブロー成形であればいずれの方法によって成形してもよい。なかでも、たとえば射出成形した試験管状のプリフォームあるいはパリソンを二軸延伸ブロー成形する方法が最も好ましい。
酸化チタンあるいは酸化亜鉛を含有した樹脂を、延伸を伴う方法で成型することにより、例えると豆入りもちを伸ばしたときのような効果が生まれる。つまり、延伸により樹脂中の酸化チタンあるいは酸化亜鉛は分散され、容器内面では酸化チタンあるいは酸化亜鉛が樹脂表面に近い位置へと配置される。酸化チタンあるいは酸化亜鉛が容器樹脂内で充分に容器内表面に近い位置に配置されることにより、容器内に収納されたトナーへの帯電付与効果を得ることができる。たとえば射出成形など、延伸を伴わない成形では酸化チタンあるいは酸化亜鉛を容器内表面近くへ好適に配置することが難しい。
具体的なトナー容器の成型方法の例としては、まず芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを重合して得られるポリエステルに酸化チタンあるいは酸化亜鉛を添加してたとえば粒状のペレットにし、たとえば二軸押し出し混練機を使用して溶融混練する。
このとき溶融した樹脂を金網フィルターや焼結金属フィルターに通すと酸化チタンあるいは酸化亜鉛の分散性が向上して好ましい。
溶融混練された樹脂を、たとえば射出成型機により試験管状のプリフォームあるいはパリソンに成形する。このプリフォームあるいはパリソンを加熱して、たとえば二軸延伸ブローし、トナー容器の本体を成形することができる。
さらにこのトナー容器本体に、必要に応じてキャップやシャッターなどのトナー封止部材や、トナーを撹拌するリブや羽根などの部材を取り付けてもよい。
トナー容器本体の形状はとくに限定しないが、たとえば外周にリブを持つ円筒状の容器が自転しながらトナーを撹拌・排出する構造であると、容器内面がトナーと摺擦する機会が多いのでトナーに帯電を与えやすく好ましい。
このとき、トナー排出を伴わず撹拌できる構造であれば、排出前に必要に応じて充分な予備帯電を与える制御が可能になりさらに好ましい。
このほかトナー容器の構造としては、ロータリー状に配置された容器が公転しながらトナーを排出する構造や、容器内に撹拌軸をもち撹拌軸の回転によってトナーを排出する構造などが知られている。
これらの構造のうち、トナーの排出に伴い容器内面がトナーと摺擦する構造であれば、いずれの形状であっても構わない。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と、個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体粒子を有し、該無機微粉体粒子のトナー粒子からの遊離率が5.0質量%以上35.0質量%以下であることを特徴とする。
トナー粒子の製造方法はとくに限定されず、懸濁重合法、乳化重合法、会合重合法、混練粉砕法など、公知のいずれの方法で製造されてもよい。
一例として、混練粉砕法における本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後粉砕及び分級をおこなう。
とくに、粗大粒子の形状を制御したトナーの製造方法に使用される粉砕手段としては機械式粉砕機を用いることが好ましい。前記機械式粉砕機の例には、ホソカワミクロン(株)製粉砕機イノマイザー、川崎重工業(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミルなどが含まれる。これらの装置をそのまま、あるいは適宜改良して使用することが好ましい。
さらに個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体と、必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、作製される。
または、混合はトナー粒子の製造後における任意の時点で外添することもできる。たとえばトナー粒子の分級や球形化をおこなう工程でトナーに外添することもできる。
別の例として、懸濁重合法における本発明のトナーの製造方法について説明する。
まず重合性単量体中に、低軟化点物質、極性樹脂、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解または分散する。分散させた単量体を、分散安定剤を含有する水相中に添加し、通常の撹拌機またはホモジナイザー、ホモミキサー等により分散する。
この際、好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように、撹拌速度、時間を調整し造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、かつ粒子の沈降が防止される程度の撹拌をおこなえばよい。
重合温度は40℃以上、一般的には50℃以上90℃以下の温度に設定しておこなうのがよい。また、重合反応後半に昇温してもよく、さらに、トナー定着時の臭いの原因等になる未反応重合性単量体、副生成物等を除去するために、反応後半または反応終了時に一部水系媒体を留去してもよい。
反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄、濾過により回収し乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300質量部乃至3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
トナー粒子の粒度分布制御や粒径の制御は、造粒時の系のpH調整、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法でおこなうことができる。
または、機械的装置条件、たとえばロータの周速、パス回数、撹拌羽根形状等の撹拌条件や、容器形状または水溶液中での固形分濃度等を制御することによりおこなう。
上記方法によって作成されたトナー粒子は、必要に応じて分級を行い、以下、混練粉砕法と同様に個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体と、必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し作製される。
本発明のトナーは、上述の方法によらずいずれの方法を用いて製造しても構わないが、無機微粉体を少なくとも有する。
前記無機微粉体には、たとえば亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、スズ、アンチモン等の金属酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の複合金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩、カオリン等の粘度鉱物、アパタイト等のリン酸化合物、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のケイ酸化合物、カーボンブラック、グラファイト等の炭素粉末が挙げられる。
無機微粉体の選択および調整法は、本発明の範囲であればとくに制限を受けない。
2種以上の異なる物質をあわせて選択してもよいし、粒径を違えた同じ物質をあわせて選択しても構わない。同じ物質でも形状が異なるものを混合してもよいし、調整法が異なるものを混合してもよい。
転写材に転写されにくく画像弊害を起こしにくいことなどから、たとえば母体が負帯電トナーの場合には、弱正帯電の帯電特性を持つ無機微粉体が好ましい。
さらにトナー母体からの遊離率を制御しやすいこと、好ましい粒径を得られることなどから、たとえばチタン酸ストロンチウムがより好ましい。
前記無機微粉体の好ましい個数平均粒子径は80nm以上400nm以下であり、さらに好ましくは80nm以上200nm以下である。
また、前記無機微粉体のトナー粒子からの好ましい遊離率は5.0質量%以上35.0質量%以下であり、さらに好ましくは10.0質量%以上30.0質量%以下である。
トナーから遊離した個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体粒子のスペーサー効果により、容器内で帯電したトナーの容器への付着を防ぐことができる。
一方、トナーから遊離しない無機微粉体により、環境によらず流動性を一定にでき、画像の濃度変動などを防ぐことができる。
個数平均粒子径が80nmより小さいとスペーサー効果が薄いため容器内面にトナーが付着して容器による帯電効果が得られず、400nmより大きいと流動性が悪くなり容器からのトナー排出に支障をきたすことがある。
遊離率が5.0質量%より小さいと、スペーサー効果が薄いため容器内へのトナー付着が起きることがある。また35.0質量%より大きいと、遊離した無機微粉体が容器内面を覆ってしまい、容器によるトナー帯電を阻害してしまう。
本発明における無機微粉体の個数平均粒子径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から無作為に100個のサンプルを取り出して求める。
球状粒子に関してはその直径、楕円形球状、または直方体状粒子に関しては短径と長径の平均値をもって、前記粒子の粒径とし、それらの平均の値を求め個数平均粒径として、その平均を求めた。
本発明の遊離率の測定は、トナー母体中に磁性体を含み、無機微粒子に磁性体を含まない場合には、以下の方法でおこなう。
1−1)イオン交換水に、ノニオン系界面活性剤、好ましくはコンタミノンN(和光純薬工業社製:商品名)を2質量%加えて調製した溶液を、密閉できる50mlのポリエチレン製サンプルビンに40g(20℃)入れ、測定試料1.5gを加えて、マグネットシート上で1時間静置する。
1−2)1時間静置したサンプルを、ヤヨイ式振とう機YS−LD(株式会社ヤヨイ製:商品名)により1.67S-1で1分間振とうする。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。振とうしたサンプルビンを磁石の上に置き、1分間静置する。
1−3)磁石上に1分間静置したサンプルの、上澄み液を別のサンプルビンに収集する。トナー塊が混じっている場合は取り除く。
1−4)上澄み液を除いた、トナーの入ったサンプルビンを、蓋をせずに真空乾燥機(40℃)で10時間以上乾燥させたのち、ペレット化し蛍光X線にて無機微粉体に該当する元素のX線強度測定をおこなう。
1−5)上記分離処理をしていないサンプル、および無機微粉体を添加していないトナー母体のサンプルについても、同じ元素のX線強度測定を行い、下記式にて無機微粉体の遊離率を求める。
Figure 2010139697
また、トナー母体に磁性体を含まない場合の遊離率の測定は以下のようにおこなう。
2−1)イオン交換水に、ノニオン系界面活性剤、好ましくはコンタミノンN(和光純薬工業社製:商品名)を2質量%加えて調製した溶液を、密閉できる50mlのポリエチレン製サンプルビンに40g(20℃)入れ、測定試料1.5gを加えて、密閉した容器を軽く振って撹拌したのち1時間静置する。
2−2)1時間静置したサンプルを、ヤヨイ式振とう機YS−LD(株式会社ヤヨイ製:商品名)により1.67S-1で1分間振とうする。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。振とうしたサンプルを、速やかに遠心分離用の容器に移す。
2−3)遠心分離用の容器に移し替えたサンプルを、高速冷却遠心機himac CR20E(日立工機製:商品名)にて、R26Aロータを使用し、設定温度は20℃、加速減速は最短時間、回転数は5.00S-1で回転時間を3分間、の条件で遠心分離したのち、速やかに上澄み液を別のサンプルビンに収集する。トナー塊が混じっている場合は取り除く。
2−4)上澄み液を除いた、トナーの入ったサンプルビンを、蓋をせずに真空乾燥機(40℃)で10時間以上乾燥させたのち、ペレット化し蛍光X線にて無機微粉体に該当する元素のX線強度測定をおこなう。
2−5)上記分離処理をしていないサンプル、および無機微粉体を添加していないトナー母体のサンプルについても、同じ元素のX線強度測定を行い、上述した磁性トナーの場合と同様に計算し、無機微粉体の遊離率を求める。
本発明における無機微粉体の遊離率は、たとえばヘンシェルミキサーの場合、混合の際の回転速度や回転時間、混合羽根および邪魔板の形状や、投入する原材料の量など、混合の強さを変えることで調整できる。
分級したトナー母体、および無機微粉体と、必要に応じて所望の添加剤を、同時に投入して混合した場合、本発明の無機微粉体のトナー母体からの遊離率と、他の添加剤の最も効果を発揮する外添強度が、同時に得られないことがある。
その場合には、それぞれの混合条件を適したものに調整してもよく、遊離率が前記範囲になれば混合方法や混合条件は制限されない。
たとえば、全体の混合時間の中で、無機微粉体と他の外添剤の投入時期を変えてもよいし、無機微粉体を予備混合してもよい。さらに無機微粉体を除いて混合した後、他の外添剤を異なる条件や異なる装置で追加混合してもよい。
詳しくは、たとえば同時に投入した場合、無機微粉体の遊離率が低くなってしまう場合には、たとえば、他の添加剤の効果が最適になるように全体の混合時間を決定する。
さらに、無機微粉体を除いた、トナー母体及び他の添加剤をあわせて混合を開始し、無機微粉体の遊離率が最適になる混合時間を差し引いた時間で停止し、無機微粉体を投入して残り時間の混合をすればよい。
本発明のトナーに含まれる前記無機微粉体の好ましい含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0以下質量部であり、より好ましくは0.05質量部以上3.0以下質量部である。
無機微粉体の含有量を、上記範囲に設定することにより、本発明にある遊離率での、無機微粉体のトナーから遊離した遊離量が、本発明の効果を発現するための好ましい範囲となる。
無機微粉体の粒子形状は、球状やぶどう状、針状、多面体など、いずれであっても構わないが、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体、及び6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体のうちの少なくとも一方を基本としていることが好ましい。
球状など引っかかりのない形状の場合、高温高湿環境で長期間放置した後の起動時など、トナー粒子からの遊離率が増加する場合がある。
立方体のように頂点や稜線を有する形状であると、トナー表面に引っかかりトナーからの脱落が抑制されて好ましい。八面体を超える多面体では、挙動が球状粒子に近づいてゆくので、八面体や六面体の粒子形状がより好ましい。
前記無機微粉体粒子には、さらに疎水化処理を施すことがより好ましい。
無機微粉体粒子に疎水化処理を施すことにより、環境による摩擦帯電量の変動をさらに抑制させることができる。疎水化処理剤としては、カップリング剤やシリコーンオイル、脂肪酸金属塩などの処理剤が挙げられる。
たとえば、親水基と疎水基を有する化合物であるカップリング剤の場合、親水基側が無機微粉体表面を覆うことで疎水基側が外側になり、無機微粉体の疎水化がなされる。
また、上述のような疎水化処理剤の場合には分子レベルでの表面処理のために、該無機微粉体の形状がほとんど変化せず、立方体状、直方体状の形状による効果が維持されるのでより好ましい。
カップリング剤としてはチタネート系、アルミニウム系、シラン系カップリング剤等が挙げられ、脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられ、また脂肪酸であるステアリン酸などでも同様の効果が得られる。
処理法としては、疎水化処理剤などを溶媒中に溶解、分散させ、その中に無機微粉体を添加し、撹拌しながら溶媒を除去して処理する湿式方法や、カップリング剤、脂肪酸金属塩と無機微粉体を直接混合して撹拌しながら処理をおこなう乾式方法などが挙げられる。
また、疎水化処理については無機微粉体を完全に処理、被覆する必要は無く、効果が得られる範囲で無機微粉体が露出していても良い。つまり表面の処理が不連続に形成されていても良い。
本発明のトナーに含まれる無機微粉体以外に、その他の外添剤として、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機酸化物、カーボンブラック、フッ化カーボン等の微粒径の無機微粉体をトナー粒子に外添混合してもよい。
これらは、トナーに流動性および帯電性などを付与する。
トナー粒子表面に分散されたシリカ微粉体、アルミナ微粉体または酸化チタン微粉体が細かい粒子であると、これら微粉体は高い流動性付与効果を有するので、これら微粉体は細かい粒子であることが好ましい。
これら微粉体の好ましい個数平均粒径は5nm以上100nm以下であり、さらに好ましくは5nm以上50nm以下である。
これら無機微粉体の好ましい添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.03質量部以上5質量部以下である。
該無機微粉体の添加量が0.03質量部未満の場合は、十分な流動性付与効果を得ることができないことが多い。また、5質量部超の場合は、トナーの圧縮指数が高くなり、トナーが締まり易くなるとともに、過剰な外添剤が遊離し、悪影響を及ぼし易い。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない
(トナー容器の製造例1)
(1)酸化チタン粒子の製造
メタチタン酸スラリーをエバポレーターで濃縮した後、空気中にて200℃で乾燥させて、原料酸化チタン粉末を得た。
原料酸化チタン粉末をアルミナ製容器に充填し、次いで石英製炉芯管に入れた。
ここに塩化水素濃度が100体積%である雰囲気ガスを、線流速22mm/分で流通させながら、室温から500℃/時間で昇温し、1100℃で30分間焼成した後、自然放冷して、酸化チタン粉末を得た。
(2)トナー容器の成形
市販のブロー成型用ポリエチレンテレフタレート樹脂(TR−8550T 帝人(株)製)を粉砕した後、前記酸化チタンを5質量%加えて常温で混合した。
この混合物を二軸押出機で溶融混練した後、吐き出した溶融ストランドを冷水で冷やし、長さ約5mmにカットしたペレットを得た。
このペレットを用いて、射出成形機によりシリンダー温度290℃においてプリフォームを成形した。
成形したプリフォームを110℃に再加熱し、延伸ブロー成形機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き140℃に設定した金型内で10秒間熱固定し、樹脂部厚さが0.6mmで容量が1000ccの中空成形容器を得た。
円筒状で外周に螺旋状のリブを持つこの中空成形容器にトナー封止部材を取り付け、これをトナー容器Y1とする。
(トナー容器の製造例2)
(1)酸化亜鉛の製造
水酸化亜鉛を120kg/cm2(11760kPa)の圧力で成形し、500℃の温度で5時間焼結させた。その後機械粉砕し、酸化亜鉛粉末を得た。
(2)トナー容器の成形
酸化チタンを前記酸化亜鉛に換えた他は、トナー容器の製造例1と同様にして、トナー容器Y2を得た。
(トナー容器の製造例3)
酸化亜鉛の添加量を15質量%に変えた他は、トナー容器の製造例2と同様にして、トナー容器Y3を得た。
(トナー容器の製造例4)
市販のブロー成型用ポリエチレンナフタレート樹脂(TN−8065 帝人(株)製)を粉砕した後、前記酸化亜鉛を15質量%加えて常温で混合した。
この混合物を二軸押出機で溶融混練した後、吐き出した溶融ストランドを冷水で冷やし、長さ約5mmにカットしたペレットを得た。
このペレットを用いて、トナー容器の製造例1と同様にして、トナー容器Y4を得た。
(トナー容器の製造例5)
市販のブロー成型用ポリエチレンテレフタレート樹脂(TR−8550T 帝人(株)製)を粉砕した後、前記酸化亜鉛を15質量%、粉砕した市販のポリカーボネート樹脂(L1225Y 帝人(株)製)を2質量%加えて常温で混合した。
この混合物を二軸押出機で溶融混練した後、吐き出した溶融ストランドを冷水で冷やし、長さ約5mmにカットしたペレットを得た。
このペレットを用いて、トナー容器の製造例1と同様にして、トナー容器Y5を得た。
(トナー容器の製造例6)
酸化亜鉛の添加量を0.02質量%に変えた他は、トナー容器の製造例5と同様にして、トナー容器Y6を得た。
(トナー容器の製造例7)
市販のブロー成型用ポリエチレンテレフタレート樹脂(TR−8550T 帝人(株)製)を粉砕した後、酸化チタンあるいは酸化亜鉛を加えず、粉砕した市販のポリカーボネート樹脂(L1225Y 帝人(株)製)を2質量%加えて常温で混合した他は、トナー容器の製造例1と同様にして、トナー容器Y7を得た。
(トナー容器の製造例8)
市販のポリカーボネート樹脂(L1225Y 帝人(株)製)を粉砕した後、前記酸化亜鉛を0.02質量%加えて常温で混合した他は、トナー容器の製造例1と同様にして、トナー容器Y8を得た。
(トナー容器の製造例9)
市販のポリプロピレン樹脂(J−2003GP 出光石油化学(株)製)を、二軸押出機を使用して溶融混練した後、220℃で溶融状態のプリフォームを押し出し、直ちに金型内で溶融ブロー成形して、樹脂部厚さが1.8mmで容量が1000ccの中空成形容器Y9を得た。
(無機微粉体の製造例1)
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。
次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.65に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを4.5に調整し、上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、0.97倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製反応容器に入れ、窒素ガス置換した。
さらにSrTiO3換算で0.5mol/Lになるように蒸留水を加えた。
窒素雰囲気中で該スラリーを83℃まで6.5℃/時間で昇温し、83℃に到達してから5.5時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後純水で洗浄をくり返した。
さらに窒素雰囲気下、上記スラリーをスラリーの固形分に対して6.5質量%のステアリン酸ナトリウムを溶解した水溶液中に入れ、撹拌しながら、硫酸亜鉛水溶液を滴下して、ペロブスカイト型結晶表面にステアリン酸亜鉛を析出させた。
該スラリーを純水でくり返し洗浄した後ヌッチェで濾過し、得られたケーキを乾燥してステアリン酸亜鉛で表面処理したチタン酸ストロンチウムを得た。
得られたチタン酸ストロンチウムは、粒子形状が概略立方体または直方体の六面体形状であった。
この疎水化処理された個数平均粒子径が110nmで六面体形状のチタン酸ストロンチウムを無機微粉体B1とする。
(無機微粉体の製造例2)
後述する無機微粉体B6のマグネタイト粒子を、0.5質量部のγ−グリシジルトリメトキシシランで表面処理した。
この疎水化処理された個数平均粒子径180nmで八面体形状のマグネタイトを無機微粉体B2とする。
(無機微粉体の製造例3)
生石灰を理論水量比1.5で乾式消和して得られた消石灰粉を用い、濃度450g/Lの石灰乳を調製し、高速インペラー分散機で処理した。
次に、前記石灰乳を濃度120g/Lに調整したのち、攪拌しながらCO2濃度29容量%のCO2含有ガスを石灰乳中に吹き込んで炭酸化反応を行った。
炭酸化反応は第1段階として供給速度18m3/m2・hrで炭酸化率が6.2%になるまでCO2含有ガスを吹き込み、次に第2段階として供給速度を1.5m3/m2・hrに下げ炭酸化率が12.8%になるまでCO2含有ガスを吹き込んだ。
さらに第3段階として供給速度を18m3/m2・hrまで上げ炭酸化率を44.5%になるまでCO2含有ガスを吹き込み反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物1モルに対し、25℃、濃度400g/Lにおける粘度が2500cpの水酸化カルシウム水性懸濁液1モルを混合した。
得られた混合物に反応開始温度25℃で二酸化炭素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを供給速度8.0m3/m2・hrで吹き込み炭酸化率50.5%まで炭酸化して、反応生成物を平均して長径3.8μmで厚さ0.4μmに粗大化させ、水性懸濁液Aを調製した。
一方、25℃,濃度400g/Lにおける粘度が2500cpの水酸化カルシウム水性懸濁液を、濃度50g/Lに調製し、反応開始温度13℃で二酸化炭素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを供給速度10.0m3/m2・hrで炭酸化率32.3%となるまで吹き込んで、水性懸濁液Bを調製した。
次いでA液とB液を、A液中のCa系化合物とB液中のCa系化合物のモル比が100:8になるように混合したのち、反応開始温度15℃で二酸化炭素濃度30容量%の二酸化炭素含有ガスを供給速度15m3/m2・hrで吹き込み、反応させて、個数平均粒径150nmである均一な立方体状炭酸カルシウムを得た。
炭酸カルシウムを含む懸濁液を純水でくり返し洗浄した後、固形分10質量%のスラリーに調整した。
該スラリーを65℃で分散機により攪拌させながら、オレイン酸ナトリウム含有量が60質量%、ステアリン酸ナトリウム含有量が20質量%及びパルミチン酸ナトリウム含有量が20質量%である脂肪酸混合物を添加し、攪拌した後プレス脱水した。
得られた濾過ケーキを箱型乾燥機で乾燥させた後、解砕することにより、脂肪酸混合物で処理された炭酸カルシウム粒子を得た。
この疎水化処理された個数平均粒子径150nmで六面体形状の炭酸カルシウムを無機微粉体B3とする。
(無機微粉体の製造例4)
硫酸チタニル水溶液を熱加水分解して得た含水酸化チタンスラリーをアンモニア水によりpH7に中和し、濾過、水洗して得たケーキを、ケーキの酸化チタン(TiO2換算)に対して5質量%(HClに換算)の塩酸で解膠し、TiO2に換算して32質量%濃度のアナターゼ型チタニアゾルを得た。
このゾルの平均一次粒子径は7nmであった。
また、出発原料としてTiO2相当分を50質量%含有しているイルメナイト鉱石を使用し、この原料を150℃で2時間乾燥させた後、硫酸を添加して溶解させることによって、TiOSO4の水溶液を得た。
これを濃縮し、前記アナターゼ型チタニアゾルをシードとして3.5質量部を添加した後、120℃で加水分解を行い、不純物を含有しているTiO(OH)のスラリーを得た。
このスラリーをpH5乃至6で繰り返し水洗浄を行い、硫酸、FeSO4、不純物を十分に除去した。そして、高純度のメタチタン酸〔TiO(OH)2〕のスラリーを得た。
該メタチタン酸を300℃で5時間加熱処理した後、十分に解砕処理を行い、BET比表面積120m2/g、個数平均粒径100nmの親水性のアナターゼ型結晶の親水性酸化チタン微粉体を得た。
次に、水中で上記親水性の酸化チタン100質量部に対して、疎水化剤としてi−C49−Si−(OCH33を固形分で20質量部を、十分に分散させながら滴下混合し、疎水化処理を行った。
その後、ろ過し、120℃で5時間乾燥した後、170℃で5時間加熱処理し、疎水性酸化チタン微粒子の凝集体がなくなるまでジェットミルによる解砕処理を行い、疎水性酸化チタン微粒子を得た。
この疎水化処理された個数平均粒子径135nmで球状の酸化チタンを無機微粉体B4とする。
(無機微粉体の製造例5)
CeO2換算で1.6mol/Lの塩化第二セリウムCeCl3水溶液148.7mlと31質量%の過酸化水素水19.7gを加えた後、純水を加えて全量を200mlとした。以下、これを原料Aという。
一方、28質量%アンモニア水を、NH3とCeCl3に含まれるClとの原子比NH3/Clが1.5になるように65.6ml計りとり、これに純水を加えて全量を200mlとした。以下、これを原料Bという。
次に、原料Aと原料Bとをともに全量ビーカーに入れ、攪拌しながら滴下し、含酸化セリウムゲルを沈殿させた。このときビーカーには純水50mlを予め添加しておいた。
次にこの沈殿ゲルを、オートクレーブにて、150℃で24時間加熱処理してスラリー500mlを得、これを純水で5回濾過洗浄し、さらに200mlのエチルアルコールで洗浄、攪拌、濾過、減圧乾燥することにより酸化セリウム粉末を得た。
この個数平均粒子径105nmで六面体の酸化セリウムを無機微粉体B5とする。
(無機微粉体の製造例6)
3.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20Lを入れた反応容器に、Fe2+が1.5mol/Lである硫酸第一鉄水溶液20Lを加え、温度を95℃として、水酸化第一鉄コロイドを含有する第一鉄塩懸濁液を生成した。
ここに、100L/minの空気を通気させながら90分撹拌してマグネタイトを含む第一鉄懸濁液を得た。ここに、6.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10.0とした。
さらに、100L/minの空気を通気させながら60分撹拌してマグネタイト粒子を生成させた。十分撹拌した後、マグネタイトを濾別した。このマグネタイトを水洗;乾燥後、解砕して八面体形状のマグネタイト粒子を得た。
この個数平均粒子径180nmで八面体形状のマグネタイトを無機微粉体B6とする。
(無機微粉体の製造例7)
撹拌機、滴下ロート、温度計をガラス製反応器にセットし、エタノールに、アンモニア水を加え撹拌し、25℃に保った。
次にこの溶液にテトラエトキシシランを60分間で滴下し反応させた。滴下終了後さらに25℃にて3時間撹拌を続けシリカゾル懸濁液を得た。次にこのシリカゾル懸濁液を加熱し、エタノールを除去した後トルエンを加えさらに加熱し、水を除去した。
その後、懸濁液を加熱し、トルエンを除去し、流動層乾燥機を用いて110℃で乾燥させた後、ピンミルで十分に解砕して、シリカ粒子を得た。
この個数平均粒子径110nmで不定形状のシリカを無機微粉体B7とする。
(無機微粉体の製造例8)
硫酸第一鉄溶液中にFe2+に対して、0.95当量の水酸化ナトリウム水溶液とを混合した後、Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を行った。次いで、Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において空気を通気してpH7の条件下で酸化反応をさせた。
さらに、この懸濁液に、水酸化ナトリウム水溶液を残存Fe2+に対して、1.05当量添加して、さらに温度90℃で加熱しながら、pH8乃至11.5の条件下で酸化反応して、マグネタイトを生成した。
生成したマグネタイトを常法により洗浄、濾過、乾燥した。得られたマグネタイトの一次粒子は、凝集して凝集体を形成しているので、ミックスマーラーを使用してマグネタイトの凝集体に圧縮力及び剪断力を付与して、該マグネタイトを解砕した。
この個数平均粒子径210nmで球形のマグネタイトを無機微粉体B8とする。
(無機微粉体の製造例9)
純度99.0%の水酸化アルミニウムを出発原料とし、バイヤー法による製造方法を用いて焼結温度条件と雰囲気を適宜調節して個数平均粒子径110nmのアルミナ微粒子を合成した。
この個数平均粒子径110nmのアルミナを無機微粉体B9とする。
(無機微粉体の製造例10)
シュウ酸セリウムを1200kg/cm2の圧力で成形し、1800℃の温度で5時間焼結させた。その後機械粉砕し、平均粒径90nmの酸化セリウムを得た。
この個数平均粒子径90nmの酸化セリウムを無機微粉体B10とする。
(無機微粉体の製造例11)
1molの酸化ホウ素と7.5モルのメタノールからホウ酸トリメチルを合成した。得られた揮発性のホウ酸トリメチルを、窒素ガスを用いて管状炉に取り付けた石英管に導入し、アルゴンガス及びアンモニアガス気流中で700℃に加熱した。
石英管の内壁に付着した70nmの窒化ホウ素粉末を得た。得られた窒化ホウ素を引き続きアンモニアガス気流中で1100℃に加熱し、粒子径が350nmとなるまで約8時間成長させた。
この個数平均粒子径350nmの窒化ホウ素を無機微粉体B11とする。
(トナーの製造例1)
(1)ポリエステル樹脂の製造
・芳香族ジカルボン酸: 6.2mol
・無水ドデセニルコハク酸: 3.7mol
・無水トリメリット酸: 3.3mol
・PO−BPA: 7.4mol
・EO−BPA: 3.0mol
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を付し、窒素ガス雰囲気下で215℃まで加熱しながら縮重合反応を行い、ポリエステル樹脂を得た。
(2)ハイブリッド樹脂成分の製造
上記ポリエステル樹脂80質量部をキシレン100質量部に溶解・膨潤した。
次に、スチレン15質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル5質量部、エステル化触媒としてジブチルスズオキサイド0.15質量部を添加してキシレンの還流温度まで加熱してポリエステル樹脂のカルボン酸とアクリル酸2−エチルヘキシルとのエステル交換反応を開始した。
さらにラジカル重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド1質量部をキシレン30質量部に溶解したキシレン溶液を約1時間かけて滴下した。その温度で6時間保持してラジカル重合反応を終了した。
減圧下200℃まで加熱して脱溶剤することにより、ポリエステル樹脂の水酸基とビニル系重合体ユニットの共重合モノマーであるアクリル酸2−エチルヘキシルとのエステル交換反応を行い、これにより、ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットがエステル結合して生成したハイブリッド樹脂1を得た。
得られたハイブリッド樹脂1は、酸価が28.5mgKOH/gであり、Tgが58℃であり、ピーク分子量Mnが7400、重量平均分子量Mwが45000、Mw/Mnが8.3であり、THF不溶分を約12質量%含有していた。
(3)トナー粒子の製造
・上記ハイブリット樹脂1 100質量部
・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 7質量部
・荷電制御剤(アゾ系鉄錯体化合物) 2質量部
・磁性酸化鉄 90質量部
(平均粒径0.19μm、保磁力11.2KA/m、残留磁化10.8Am2/kg、飽 和磁化82.3Am2/kg)
上記混合物を、130℃に加熱された二軸混練機で溶融混練して、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。
さらに粉砕工程は、機械式粉砕機(ターボ工業社製)ターボミルT−250型を用い、回転子と固定子の間隙を1.5mmとし、回転子の先端周速を115m/sec、搬送エアー風量を30m3/h、粗砕品供給量を24kg/hとして運転した。
得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均径7.2μm、10.1μm以上の粒子が、6.5体積%であるトナー粒子を得た。
このトナー粒子100質量部に対して、上記無機微粉体B1を1.0質量部、及び疎水性乾式シリカ(BET比表面積:300m2/g)を1.0質量部、攪拌羽根回転速度26.67S-1のヘンシェルミキサーFM150(三井三池社製)により、4分間回転させて外添させ、本発明のトナーT1を得た。
得られたトナーの無機微粉体の遊離率を測定し、表1に示す。
(トナーの製造例2乃至11)
添加する無機微粉体を表1のようにB2乃至11に換え、外添の混合条件を表1のように変えた他は、トナーの製造例1と同様にして、トナーT2乃至T11を得た。得られたトナーの無機微粉体の遊離率を測定し、表1に示す。
(トナーの製造例12)
高速攪拌装置クレアミックス(エムテクニック(株)製)を備えた2L用4つ口フラスコ中に、イオン交換水630部と、0.1mol/LのNa3PO4水溶液485質量部とを添加し、クレアミックスの回転数を233.3S-1にし65℃に加温した。
ここに、1.0mol/LのCaCl2水溶液65質量部を徐々に添加し、さらに10%塩酸を滴下して微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含むpH=5.8の水系分散媒体を調製した。
・スチレン単量体 180質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 20質量部
・カーボンブラック 25質量部
・3.5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 1.3質量部
上記材料を、アトライターを用いて5時間分散させたて混合物を調製した後、混合物に下記の成分を加えて、さらに2時間分散させて、単量体混合物を調製した。
・飽和ポリエステル樹脂(モノマー組成 プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA とテレフタル酸の重縮合物)
(酸価8.8mgKOH/g、ピーク分子量12,500、重量平均分子量19500)
12質量部
・エステルワックス (組成:ベヘン酸ベヘニル,分子量11500) 20質量部
次に、単量体混合物に重合開始剤2.2’−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)5(質量部)を添加して重合性単量体組成物を調製した後、水系分散媒体中に投入し、内温70℃の窒素雰囲気下、250S-1で15分間造粒した。
その後、攪拌機をプロペラ攪拌機に交換し、0.83S-1で攪拌しながら70℃に保ちつつ5時間重合し、さらに内温を80℃に昇温させ5時間重合した。重合終了後、スラリーを冷却し希塩酸を添加して分散剤を除去した。
さらに水洗し、乾燥及び分級をおこない、重量平均径6.8μmのトナー粒子を得た。
このトナー粒子100質量部に対して、上記無機微粉体B11を1.0質量部、及び疎水性乾式シリカ(BET比表面積:300m2/g)を1.0質量部、攪拌羽根回転速度26.67S-1のヘンシェルミキサーFM150(三井三池社製)により、4分間回転させて外添させ、本発明のトナーT12を得た。得られたトナーの無機微粉体の遊離率を測定し、表1に示す。
(トナーの製造例13乃至14)
添加する無機微粉体を表1のように換え、外添の混合条件を表1のように変えた他は、トナーの製造例12と同様にして、トナーT13乃至T14を得た。得られたトナーの無機微粉体の遊離率を測定し、表1に示す。
<実施例1>
上記トナー容器Y1に上記トナーT1を85容積%充填してトナーカートリッジA1とした。
着脱可能なトナーカートリッジの自転によりトナーを補給する機構であるキヤノン製レーザービームプリンターiR2270を改造し、iR2270用のトナーカートリッジに換えて本発明のトナーカートリッジを装着できるようにした。
さらに、トナーカートリッジ装着部と現像機間にあるサブホッパーを排除してトナーカートリッジから排出されたトナーが直接現像機に供給されるように改造した。
さらに、トナー補給前後の画像品質の安定性がよく現れるようにするため現像器内のトナー容量が1/2になるように容積を減らし、現像器内のトナーフローが変わるので現像剤担持体の長手方向に対してトナー量が均一になるよう撹拌部材を取り付けた。
この装置と、トナーカートリッジA1を用いて、通紙耐久試験をおこなった。
室内の温度と湿度を調整できる環境試験室において、まず25℃/40%RHの環境下で初期画像のベタ画像濃度および白地かぶりの評価をおこなった。
次に環境試験室内の温湿度を8時間かけて35℃/85%RHに変え、88時間放置した後、ベタ画像濃度および白地かぶりの評価をおこなった。
次に、印字面積30%の原稿を用いて1万枚の連続通紙をおこなった直後にベタ画像濃度および白地かぶりの評価をおこなった。
また、25℃/40%RHの環境下で初期画像の確認をおこなった後、次に環境試験室内の温湿度を8時間かけて5℃/15%RHに変え、88時間放置した後、ベタ画像濃度および白地かぶりの評価をおこなった。
次に印字面積30%の原稿を用いて1万枚の連続通紙をおこなった直後にベタ画像濃度および白地かぶりの評価をおこなった。
また、通紙耐久試験全体を通して、その他画像欠陥や機内トナー飛散の有無を確認した。
ベタ画像濃度は、カラー反射濃度計(たとえばX−RITE 404A:X−Rite Co.製)にてオリジナル画像のベタ部5ヶ所を測定し平均した。
カブリは白地部分の白色度をリフレクトメーター(densitometer TC6MC:(有)東京電色技術センター)により測定し、その白色度と転写紙の白色度平均値の差からカブリ量(%)を算出した。
以上の通紙耐久試験結果より、高温高湿環境に放置した後の起動時の画像、および大量にトナーを消費し補給トナーが送り込まれたときでも、画像濃度の変動が少ない良好な画像を得られることが確認された。
評価結果に5段階のランク付けをおこない、ランク3以上で合格とした。その他画像欠陥や機内トナー飛散の有無の確認とあわせて評価結果を表2に示す。
[画像濃度 評価ランク]初期、および1万枚通紙後
ランク5:反射濃度 1.40以上
ランク4:反射濃度 1.35乃至1.39
ランク3:反射濃度 1.30乃至1.34
ランク2:反射濃度 1.25乃至1.29
ランク1:反射濃度 1.24以下
[画像濃度 評価ランク]88時間放置後
ランク5:反射濃度 1.40以上
ランク4:反射濃度 1.30乃至1.39
ランク3:反射濃度 1.20乃至1.29
ランク2:反射濃度 1.10乃至1.19
ランク1:反射濃度 1.09以下
[白地かぶり 評価ランク]
ランク5:かぶり 0.50%以下
ランク4:かぶり 0.51乃至1.50%
ランク3:かぶり 1.51乃至3.00%
ランク2:かぶり 3.01乃至5.00%
ランク1:かぶり 5.01%以上
<実施例2乃至12>
上記トナー容器Y2乃至5に上記トナーT1乃至11を表1のように充填してトナーカートリッジA2乃至A12とした。このトナーカートリッジA2乃至12を用いて、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表2に示す。
<実施例13、比較例1乃至4>
上記トナー容器Y5乃至9に上記トナーT12乃至14を表1のように充填してトナーカートリッジA13乃至17とした。
非磁性トナーを用いた評価のため、プロセスカートリッジ方式であるキヤノン製カラーレーザービームプリンターLBP2810を、トナーカートリッジ方式に改造して用いた。
まず、トナーを抜き取ったプロセスカートリッジを最下段であるシアンステーションに残して上から1乃至3段目のプロセスカートリッジを取り外した。
空いたスペースに本発明のトナーカートリッジと、該トナーカートリッジを自転させトナー補給させる部材を取り付け、プロセスカートリッジのトナー残量に応じてトナーカートリッジからプロセスカートリッジにトナーが補給されるようにした。
また、最下段のプロセスカートリッジ内のトナー容量が1/2になるように容積を減らし、現像剤担持体の長手方向に対してトナー量が均一になるよう撹拌部材を取り付けた。
この装置と、トナーカートリッジA13乃至17を用いて、実施例1と同様に通紙耐久試験をおこなった。評価結果を表2に示す。
以上の評価結果より、本発明の効果を確認した。
該無機微粉体粒子の遊離率が好ましい範囲を超える比較例1では、無機微粉体粒子がトナー容器の内面に付着してトナーへの帯電を阻害し、高温高湿下で急激にトナーを消費した際に帯電の低いトナーが画像形成装置に供給され、画像濃度が低下した。
該無機微粉体粒子が添加されていない比較例2では、トナー容器内面へのトナー付着があり、また低温低湿下でトナーの排出不良が発生した。
トナー容器の主成分がポリエステルでない比較例3および4では、トナー容器内でトナーへの予備帯電が不充分であるため、比較例1と類似した結果となった。
実施例1乃至13の評価結果が示すように、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを重合して得られるポリエステルを主成分とし、少なくとも酸化チタンおよび酸化亜鉛のいずれか一方を含有した成型用樹脂を、延伸ブロー法により成形したトナー容器と、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と、個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体粒子を有し、該無機微粉体粒子のトナー粒子からの遊離率が5.0質量%以上35.0質量%以下であるトナーとで構成されたトナーカートリッジを用いれば、使用環境や使用形態によらず良好な画像品質を得ることができる。
さらに該無機微粉体に疎水化処理を施した実施例1乃至5は、高温高湿下に長時間放置した場合の画像濃度の低下がきわめて少なく、また該無機微粉体粒子の粒子形状が六面体または八面体である実施例1乃至4および6乃至7では、高温高湿下で長時間使用した場合でも画像濃度の低下がきわめて少なく、好ましい結果であった。
Figure 2010139697
Figure 2010139697

Claims (3)

  1. 少なくともトナーとトナーを収納するトナー容器により構成された、画像形成装置に着脱可能なトナーカートリッジにおいて、
    該トナー容器は、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを重合して得られるポリエステルを主成分とし、少なくとも酸化チタンおよび酸化亜鉛のいずれか一方を含有した成型用樹脂を、延伸を伴うブロー成形法により成形したトナー容器であり、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子と、個数平均粒子径80nm以上400nm以下の無機微粉体粒子を有し、該無機微粉体粒子のトナー粒子からの遊離率が5.0質量%以上35.0質量%以下であることを特徴とするトナーカートリッジ。
  2. 該無機微粉体の粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体、及び6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体のうちの少なくとも一方を基本としていることを特徴とする請求項1に記載のトナーカートリッジ。
  3. 該無機微粉体粒子は、疎水化処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーカートリッジ。
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