JP2023000578A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、かぶり及び画像流れの発生を抑制できるトナーの提供を目的とする。【解決手段】本発明のトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。前記外添剤は、特定外添剤粒子と、シリカ粒子とを含む。前記特定外添剤粒子は、チタン酸バリウムを含有する基体と、前記基体を被覆する被覆層とを有する。前記被覆層は、アンチモンドープ酸化スズを含有する。前記トナー粒子に含まれる金属元素の質量比率は、下記式(1)~(3)を満たす。0.10<(Ba/Ti)<0.60・・・(1)0.05<(Ba/Si)<0.20・・・(2)1.5<(Sn/Ba)<5.0・・・(3)【選択図】図1

Description

本発明は、トナーに関する。
電子写真法による画像形成においては、トナー粒子を含むトナーが用いられる。トナー粒子は、例えば、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤としては、例えば、酸化チタン粒子が用いられる。酸化チタン粒子は、例えば、電子写真感光体の表面を研磨する機能、及びトナー粒子の帯電量を安定化させる機能を発揮する。これにより、酸化チタン粒子を用いたトナーは、かぶり現象(詳しくは、非印字部にトナーが付着する現象)及び画像流れ現象(詳しくは、画像が擦れたように流れてぼやける現象)の発生を抑制できる。
一方、酸化チタン粒子は、IARC(国際がん研究機関)により作成される「発がん性のリスク情報のリスト」において、以前は「グループ3(人に対する発がん性については分類できない(不明である))」に分類されていたが、現在は「グループ2B(人に対して発がん性があるかもしれない)」に分類されている。その結果、酸化チタン粒子は、欧州を中心として使用が制限されつつある。例えば、欧州においては、酸化チタン粒子を1質量%以上含有するトナー粒子を含むトナーについて警告表記を行うことが要求されている。このような経緯から、トナー分野では、酸化チタン粒子の代替品が検討されている。酸化チタン粒子の代替品として、例えば、チタン酸ストロンチウム粒子が挙げられる。チタン酸ストロンチウム粒子を用いたトナーとして、例えば、ペロブスカイト型チタン酸化合物を主成分とし、La、Mg、Ca、Sn及びSiから選択される第3成分を含むチタン酸ストロンチウム系微細粒子を用いたトナーが提案されている(特許文献1)。
特開2018-20919号公報
しかし、特許文献1に記載のトナーは、かぶり及び画像流れの発生を十分に抑制できないことが本発明者の検討により判明した。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、かぶり及び画像流れの発生を抑制できるトナーを提供することである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。前記外添剤は、特定外添剤粒子と、シリカ粒子とを含む。前記特定外添剤粒子は、チタン酸バリウムを含有する基体と、前記基体を被覆する被覆層とを有する。前記被覆層は、アンチモンドープ酸化スズを含有する。前記トナー粒子に含まれる金属元素の質量比率は、下記式(1)~(3)を満たす。
0.10<(Ba/Ti)<0.60・・・(1)
0.05<(Ba/Si)<0.20・・・(2)
1.5<(Sn/Ba)<5.0・・・(3)
本発明に係るトナーは、かぶり及び画像流れの発生を抑制できる。
本発明に係るトナーが含むトナー粒子の一例を示す模式的断面図である。 特定外添剤粒子の一例を示す模式的断面図である。 図2とは異なる特定外添剤粒子の一例を示す模式的断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、外添剤粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」)を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定した値である。
粉体の個数平均1次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:1次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の個数平均1次粒子径は、例えば100個の1次粒子の円相当径の個数平均値である。なお、粒子の個数平均1次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均1次粒子径を指す。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。例えば、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電極性トナー用標準キャリア:N-01、正帯電極性トナー用標準キャリア:P-01)と測定対象(例えばトナー)とを混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えば吸引式小型帯電量測定装置(トレック社製「MODEL 212HS」)で測定対象の帯電量を測定し、摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。本明細書ではバリウム(Ba)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)及びスズ(Sn)を元素記号で示すことがある。
軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(例えば、株式会社島津製作所製「CFT-500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。ガラス転移点(Tg)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル株式会社製「DSC-6220」)を用いて「JIS(日本産業規格)K7121-2012」に従って測定した値である。示差走査熱量計で測定された吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)において、ガラス転移に起因する変曲点の温度(詳しくは、ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点の温度)が、Tg(ガラス転移点)に相当する。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
<トナー>
本発明の実施形態に係るトナーは、トナー粒子を含む。トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、特定外添剤粒子と、シリカ粒子とを含む。特定外添剤粒子は、チタン酸バリウムを含有する基体と、基体を被覆する被覆層とを有する。被覆層は、アンチモンドープ酸化スズを含有する。トナー粒子に含まれる金属元素の質量比率は、下記式(1)~(3)を満たす。
0.10<(Ba/Ti)<0.60・・・(1)
0.05<(Ba/Si)<0.20・・・(2)
1.5<(Sn/Ba)<5.0・・・(3)
本発明のトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本発明のトナーは、1成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーは、混合装置(例えば、ボウルミル)を用いてキャリアと混合して2成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーは、1成分現像剤として使用する場合、現像装置内において現像スリーブ又はトナー帯電部材と摩擦することで例えば正に帯電する。トナー帯電部材としては、例えば、ドクターブレードが挙げられる。本発明のトナーは、2成分現像剤を構成する場合、現像装置内においてキャリアと摩擦することで例えば正に帯電する。以下、トナーの詳細について、適宜図面を参照しながら説明する。
図1は、トナーに含まれるトナー粒子1の一例を示す。図1に示すトナー粒子1は、トナー母粒子2と、トナー母粒子2の表面に付着した外添剤3とを備える。外添剤3は、特定外添剤粒子4とシリカ粒子5とを含む。特定外添剤粒子4は、略立方体状である。
図2は、特定外添剤粒子4の一例を示す。図2に示す特定外添剤粒子4は、基体41と、基体41を被覆する被覆層42と、被覆層42を被覆する表面処理層43とを有する。基体41は、チタン酸バリウムを含有する。被覆層42は、アンチモンドープ酸化スズを含有する。表面処理層43は、表面処理剤に由来する成分を含有する。表面処理層43は、シランカップリング剤に由来する成分を含有することが好ましい。
図3は、図2とは異なる特定外添剤粒子4の一例を示す。図3に示す特定外添剤粒子4は、基体41と、基体41を被覆する被覆層42とを有する。基体41は、チタン酸バリウムを含有する。被覆層42は、アンチモンドープ酸化スズを含有する。図3に示す特定外添剤粒子4は、図2に示す特定外添剤粒子4と比較して表面処理層43を有しないという点で相違する。
以上、図面に基づいてトナー粒子について説明した。但し、トナー粒子は、図1に示すトナー粒子1とは異なる構造であってもよい。具体的には、トナー粒子は、外添剤として、特定外添剤粒子及びシリカ粒子以外の粒子(以下、「その他の外添剤粒子」と記載することがある)を含んでいてもよい。トナー母粒子は、トナーコアと、トナーコアを被覆するシェル層とを含むカプセルトナー粒子であってもよい。特定外添剤粒子は、略立方体状以外の形状(例えば、略球状)であってもよい。特定外添剤粒子は、被覆層及び表面処理層以外の層を更に有してもよい。
本発明のトナーは、上述の構成を備えることにより、かぶり及び画像流れの発生を抑制できる。その理由を以下に説明する。トナー粒子は、電荷保持性能及び流動性の向上を目的として、一般的に、外添剤としてシリカ粒子を含む。一方、シリカ粒子は、体積抵抗率が高く、電荷をため込みやすい性質を有する。そのため、シリカ粒子を含むトナー粒子は、現像装置内に長期間滞留してストレスを受けると局所的に電荷が集中してかぶりを発生することがある。トナー粒子の局所的な電荷の集中は、誘電率が高く、かつ体積抵抗率が低い外添剤粒子を併用することで抑制できる。
本発明のトナーにおいて、トナー粒子は、特定外添剤粒子を外添剤として含む。特定外添剤粒子は、非常に誘導率が高い化合物であるチタン酸バリウムを含有する基体を有する。また、特定外添剤粒子は、導電性に優れる化合物であるアンチモンドープ酸化スズ(ATO)を含有する被覆層を有する。このように、特定外添剤粒子は、チタン酸バリウムを含有する基体と、ATOを含有する被覆層とを有することにより、誘電率の高さと体積抵抗率の低さとを兼ね備えている。本発明のトナーは、このような特定外添剤粒子を含むことにより、トナー粒子の局所的な電荷の集中を抑制できる。
また、電子写真法では、印刷に伴って感光体の表面に汚れが付着すると画像流れが発生する。これに対して、チタン酸バリウムは、モース硬度が高く、かつペロブスカイト結晶構造に由来する角張った形状(略立方体状)を有する。特定外添剤粒子は、チタン酸バリウムを含有する基体を有するため、研磨粒子としての機能を有する。本発明のトナーは、このような特定外添剤粒子を含むことにより、感光体の表面に付着した汚れをクリーニングできる。
更に、本発明のトナーは、トナー粒子に含まれる金属元素の質量比率が上述の式(1)~(3)を満たす。ここで、式(1)~(3)において、Ba及びTiは、特定外添剤粒子の基体が含有するチタン酸バリウムに主に由来する。Siは、シリカ粒子が含有する二酸化ケイ素に主に由来する。Snは、特定外添剤粒子の被覆層が含有するアンチモンドープ酸化スズに主に由来する。トナー粒子がチタン酸バリウムを含有する基体を有する特定外添剤粒子を含む場合、トナー粒子は式(1)(Ba/Ti)を満たす。トナー粒子において、特定外添剤粒子及びシリカ粒子の含有量比が適切である場合、トナー粒子は式(2)(Ba/Si)を満たす。トナー粒子において、特定外添剤粒子が基体に対して適切な質量の被覆層を備える場合、トナー粒子は式(3)(Sn/Ba)を満たす。このように、本発明のトナーは、上述の式(1)~(3)を満たすことで、特定外添剤粒子が上述の機能を確実に発揮し、かぶり及び画像流れの発生を抑制できる。
なお、従来のトナーでは、かぶり及び画像流れの発生を抑制するために、酸化チタン粒子が外添剤として用いられている。しかし、上述の通り、酸化チタン粒子は、欧州を中心として使用が制限されつつある。本発明のトナーは、酸化チタン粒子を用いなくても、かぶり及び画像流れの発生を抑制できる。そのため、本発明のトナーにおいて、トナー粒子は、酸化チタンを実質的に含有しないことが好ましい。トナー粒子における酸化チタンの含有割合としては、1.0質量%未満が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.0質量%が更に好ましい。
以下、本発明のトナーの詳細を更に説明する。なお、以下に記載する各成分については、特に断りのない限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[金属元素の質量比率]
トナー粒子に含まれる金属元素の質量比率は、蛍光X線分析法により測定できる。具体的な測定方法としては、例えば、実施例に記載の方法又はこれに準拠した方法が挙げられる。
(Ba/Ti)
Ba/Tiは、0.10超0.60未満であり、0.25超0.45未満が好ましく、0.35超0.40未満がより好ましい。Ba/Tiが0.10以下又は0.60以上である場合、トナー粒子には特定外添剤粒子が含まれないか、又は他のチタン含有粒子(例えば、チタン酸ストロンチウム粒子及び酸化チタン粒子)が多量に含まれている。このような場合、特定外添剤粒子は上述の機能を発揮することが困難である。本発明のトナーは、Ba/Tiを0.10超0.60未満とすることで、かぶり及び画像流れの発生を抑制できる。
(Ba/Si)
Ba/Siは、0.05超0.20未満であり、0.10超0.15未満が好ましい。特定外添剤粒子及びシリカ粒子は異なる役割を果たすため、トナー粒子においては両者の含有量比が重要となる。Ba/Siが0.05超0.20未満の場合、シリカ粒子に対して適切な量の特定外添剤粒子がトナー粒子に含まれる。その結果、本発明のトナーは、画像流れの発生を抑制できる。
(Sn/Ba)
Sn/Baは、1.5超5.0未満であり、2.0超4.5未満が好ましく、2.5超4.0未満がより好ましい。Sn/Baは、特定外添剤粒子の基体の質量に対する被覆層の質量比に対応する。Sn/Baが高いほど、特定外添剤粒子の体積抵抗率が低くなる。Sn/Baを1.5超5.0未満とすることで、本発明のトナーは、画像流れの発生を抑制できる。但し、シリカ粒子がアンチモンドープ酸化スズで表面処理されている場合もあるため、Sn/Baと基体及び被覆層の質量比とは完全には対応しない場合がある。
[外添剤]
外添剤は、トナー母粒子の表面に付着する。外添剤は、特定外添剤粒子及びシリカ粒子を含む。
(特定外添剤粒子)
特定外添剤粒子は、チタン酸バリウムを含有する基体と、基体を被覆する被覆層とを有する。被覆層は、アンチモンドープ酸化スズを含有する。特定外添剤粒子は、被覆層を被覆する表面処理層を更に有することが好ましい。表面処理層は、シランカップリング剤に由来する成分を含有することが好ましい。
特定外添剤粒子の個数平均1次粒子径としては、20nm以上300nm以下が好ましく、60nm以上130nm以下がより好ましい。特定外添剤粒子の個数平均1次粒子径を20nm以上とすることで、トナー母粒子への埋没を抑制できる。また、特定外添剤粒子の個数平均1次粒子径を300nm以下とすることで、トナー母粒子からの脱離を抑制できる。
特定外添剤粒子の個数平均1次粒子径は、シリカ粒子の個数平均1次粒子径よりも大きいことが好ましい。このように、特定外添剤粒子の個数平均1次粒子径がシリカ粒子の個数平均1次粒子径よりも大きいことで、特定外添剤粒子が研磨作用を発揮し易くなる。その結果、本発明のトナーは、画像流れの発生を更に効果的に抑制できる。
トナー粒子において、トナー母粒子100質量部に対する特定外添剤粒子の含有量としては、0.3質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下がより好ましく、1.4質量部以上2.0質量部以下が更に好ましい。特定外添剤粒子の含有量を0.3質量部以上5.0質量部以下とすることで、本発明のトナーは、かぶり及び画像流れの発生を更に効果的に抑制できる。
(基体)
基体は、チタン酸バリウムを含有する。基体におけるチタン酸バリウムの含有割合としては、80質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
基体は、略立方体状の角張った粒子であることが好ましい。但し、基体は、他の形状(例えば、球状)であってもよい。基体の個数平均1次粒子径は、特定外添剤粒子の個数平均1次粒子径と概ね同一である。
(被覆層)
被覆層は、アンチモンドープ酸化スズを含有する。被覆層におけるアンチモンドープ酸化スズの含有割合としては、80質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
被覆層におけるスズ原子及びアンチモン原子の合計物質量に対するアンチモン原子の物質量の比(アンチモン原子の物質量/(スズ原子の物質量+アンチモン原子の物資量))としては、0.09以上0.29以下が好ましく、0.15以上0.25以下がより好ましい。上述の比を0.09以上0.29以下とすることで、特定外添剤粒子の体積抵抗率を更に低減できる。その結果、本発明のトナーは、かぶりの発生を更に効果的に抑制できる。
(表面処理層)
表面処理層は、表面処理剤を用いた表面処理により形成される層である。表面処理層は、表面処理剤に由来する成分を含有する。表面処理剤としては、シランカップリング剤が好ましい。即ち、表面処理層は、シランカップリング剤に由来する成分を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、アルキルアルコキシシラン(特に、モノアルキルトリアルコキシシラン)が好ましく、イソブチルトリメトキシシランがより好ましい。アルキルアルコキシシランが有するアルキル基としては、炭素原子数3以上8以下のアルキル基が好ましい。
アルキルアルコキシシランとしては、例えば、プロピルトリメトキシシラン(より具体的には、n-プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン等)、プロピルトリエトキシシラン(より具体的には、n-プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等)、ブチルトリメトキシシラン(より具体的には、n-ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン等)、ブチルトリエトキシシラン(より具体的には、n-ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン等)、ヘキシルトリメトキシシラン(より具体的には、n-ヘキシルトリメトキシシラン等)、ヘキシルトリエトキシシラン(より具体的には、n-ヘキシルトリエトキシシラン等)、オクチルトリメトキシシラン(より具体的には、n-オクチルトリメトキシシラン等)、及びオクチルトリエトキシシラン(より具体的には、n-オクチルトリエトキシシラン等)が挙げられる。
(特定外添剤粒子の調製方法)
特定外添剤粒子の調製方法としては、例えば、基体を調製する基体調製工程と、基体を被覆層で被覆する被覆層形成工程とを備える調製方法が挙げられる。特定外添剤粒子の調製方法は、被覆層を表面処理する表面処理工程を更に備えることが好ましい。
(基体調製工程)
基体の調製方法としては、特に限定されず、例えば、チタン化合物(例えば、酸化チタン及びメタチタン酸)と、バリウム化合物(例えば、炭酸バリウム)とを混合し、焼成する方法(焼成法)が挙げられる。
また、基体の調製方法としては、常圧加熱反応法を用いることもできる。常圧加熱反応法によれば、焼成法と比較し、個数平均1次粒子径の小さい基体を得られる傾向がある。常圧加熱反応法としては、例えば、チタン化合物の加水分解物とバリウム化合物とを、強アルカリ水溶液中で反応させる方法A、チタン化合物の加水分解物とバリウム化合物とを、過酸化水素の存在下で湿式反応させる方法B、溶液状態のバリウム化合物と、溶液状態又はスラリー状態のチタン化合物とを混合しながら加熱する方法C、及びチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品とバリウム源とを混合し、得られた混合物を50℃以上の温度に加熱しながら、混合物にアルカリ水溶液を添加する方法Dが挙げられる。
(被覆層形成工程)
基体を被覆層で被覆する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、基体を水系溶媒(例えば、水)に分散させる。次いで、基体を含む懸濁液に、スズ酸のアルカリ金属塩(例えば、スズ酸ナトリウム)と亜アンチモン酸のアルカリ金属塩(例えば、亜アンチモン酸ナトリウム)とを水に溶解させたアルカリ水溶液と、酸水溶液(例えば、塩酸)とを添加する。これにより、基体の表面上に仮の被覆層が形成される。その後、仮の被覆層が形成された基体を焼成(例えば、加熱温度600℃以上800℃以下、加熱時間0.5時間以上4時間以下)することにより、アンチモンドープ酸化スズを含有する被覆層で被覆された基体が得られる。上述の酸水溶液及びアルカリ水溶液の添加時には、懸濁液のpH及び温度を一定範囲(例えば、pH9以上12以下、かつ60℃以上80℃以下)に維持するとよい。
被覆層の形成において、基体100質量部に対する被覆材料の添加量(有効成分換算)としては、40.0質量部以上150.0質量部以下が好ましく、60.0質量部以上90.0質量部以下がより好ましい。被覆材料の質量部を40.0質量部以上150.0質量部以下とすることで、Sn/Baを上述の範囲に調整し易くなる。
(表面処理工程)
被覆層を表面処理する方法としては、例えば、表面処理前の粒子(基体及び被覆層を備える粒子)を含む溶液を攪拌しながら表面処理剤を滴下又は噴霧し、その後に加熱する第1の方法、及び表面処理剤の溶液を攪拌しながらその溶液中に表面処理前の粒子を添加し、その後に加熱する第2の方法が挙げられる。第1の方法及び第2の方法における加熱条件としては、例えば、加熱温度40℃以上70℃以下、加熱時間1時間以上60時間以下とすることができる。
表面処理において、表面処理剤の使用量(有効成分換算)としては、表面処理前の粒子100質量部に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以上10.0質量部以下がより好ましい。
(シリカ粒子)
シリカ粒子としては、正帯電性を付与する表面処理が施されたシリカ粒子が好ましい。シリカ粒子の個数平均1次粒子径としては、20nm以上300nm以下が好ましく、20nm以上100nm以下がより好ましく、20nm以上40nm以下が更に好ましい。シリカ粒子の個数平均1次粒子径を20nm以上とすることで、トナー母粒子への埋没を抑制できる。また、シリカ粒子の個数平均1次粒子径を300nm以下とすることで、トナー母粒子からの脱離を抑制できる。
トナー母粒子からの脱離を抑制しながらシリカ粒子の機能を十分に発揮させる観点から、トナー粒子におけるシリカ粒子の含有量としては、トナー母粒子100質量部に対して、0.1質量部以上15.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下がより好ましい。
(その他の外添剤粒子)
外添剤は、特定外添剤粒子及びシリカ粒子以外のその他の外添剤粒子を更に含んでもよい。その他の外添剤粒子としては、例えば、金属酸化物(具体的には、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等)の粒子、脂肪酸金属塩(具体的には、ステアリン酸亜鉛等)のような有機酸化合物の粒子、及び樹脂粒子が挙げられる。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、例えば主成分として結着樹脂を含有する。トナー母粒子は、必要に応じて、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を更に含有してもよい。トナー母粒子の製造方法としては、粉砕法及び凝集法が挙げられ、粉砕法が好ましい。
(結着樹脂)
低温定着性に優れたトナーを提供する観点から、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、オレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、及びポリプロピレン樹脂)、ビニル樹脂(例えば、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、及びN-ビニル樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰り返し単位が導入された共重合体(例えば、スチレン-アクリル酸エステル樹脂、及びスチレン-ブタジエン樹脂)も、結着樹脂として使用できる。
トナー母粒子における結着樹脂の含有割合としては、60質量%以上95質量%以下が好ましく、75質量%以上90質量%以下がより好ましい。
本発明のトナーの低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコールと1種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば、2価アルコール(例えば、ジオール化合物、及びビスフェノール化合物)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体(例えば、多価カルボン酸の無水物、及び多価カルボン酸ハライド)を使用してもよい。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、1,5-ペンタンジオール、2-ペンテン-1,5-ジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、1,4-ベンゼンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシエチレン(2,2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n-ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n-オクチルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n-ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシルプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸と、イソフタル酸と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物と、エチレングリコールと、トリメリット酸との縮重合物が好ましい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、本発明のトナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。本発明のトナーを用いて高画質な画像を形成する観点から、着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有してもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、カラー着色剤を含有してもよい。カラー着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有してもよい。離型剤は、例えば、本発明のトナーに耐オフセット性を付与する目的で使用される。本発明のトナーに充分な耐オフセット性を付与する観点から、離型剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
離型剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス、及び脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスが挙げられる。脂肪族炭化水素系ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合体、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス及びフィッシャートロプシュワックスが挙げられる。脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物としては、例えば、酸化ポリエチレンワックス、及び酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体が挙げられる。植物系ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、及びライスワックスが挙げられる。動物系ワックスとしては、例えば、みつろう、ラノリン及び鯨ろうが挙げられる。鉱物系ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セレシン、及びペトロラタムが挙げられる。脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックスとしては、例えば、モンタン酸エステルワックス及びカスターワックスが挙げられる。脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスとしては、例えば、脱酸カルナバワックスが挙げられる。離型剤としては、パラフィンワックスが好ましい。
トナー母粒子が離型剤を含有する場合、結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有してもよい。電荷制御剤は、例えば、優れた帯電安定性又は優れた帯電立ち上がり特性を有するトナーを提供する目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。
[トナーの製造方法]
本発明のトナーは、例えば、トナー母粒子の調製工程と、外添工程とを備える製造方法により製造できる。
(トナー母粒子の調製工程)
トナー母粒子の調製工程では、例えば、凝集法又は粉砕法によりトナー母粒子を調製する。
凝集法は、例えば、凝集工程及び合一化工程を含む。凝集工程では、トナー母粒子を構成する成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させて、凝集粒子を形成する。合一化工程では、凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させてトナー母粒子を形成する。
次に粉砕法を説明する。粉砕法によれば、比較的容易にトナー母粒子を調製できる上、製造コストの低減が可能である。粉砕法でトナー母粒子を調製する場合、トナー母粒子の調製工程は、例えば溶融混練工程と、粉砕工程とを備える。トナー母粒子の調製工程は、溶融混練工程の前に混合工程を更に備えてもよい。また、トナー母粒子の調製工程は、粉砕工程後に、微粉砕工程及び分級工程の少なくとも一方を更に備えてもよい。
混合工程では、結着樹脂と、必要に応じて添加する内添剤とを混合して、混合物を得る。溶融混練工程では、トナー材料を溶融及び混練して、溶融混練物を得る。トナー材料としては、例えば混合工程で得られる混合物が用いられる。粉砕工程では、得られた溶融混練物を、例えば室温(25℃)まで冷却した後、粉砕して粉砕物を得る。粉砕工程で得られた粉砕物の小径化が必要な場合は、粉砕物を更に粉砕する工程(微粉砕工程)を実施してもよい。また、粉砕物の粒径を揃える場合は、得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を実施してもよい。以上の工程により、粉砕物であるトナー母粒子が得られる。
(外添工程)
本工程では、トナー母粒子の表面に特定外添剤粒子及びシリカを含む外添剤を付着させることでトナー粒子を得る。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる方法としては、特に限定されないが、例えば、トナー母粒子及び外添剤をミキサー等で攪拌する方法が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
(ポリエステル樹脂の合成)
テレフタル酸1500gと、イソフタル酸1500gと、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)1200gと、エチレングリコール800gとを4つ口フラスコ(反応容器)に投入した。反応容器の内容物を攪拌しながら、窒素雰囲気下において、反応容器の内容物の温度が250℃になるまで反応容器を加熱した。次に、反応容器の内容物を常圧、温度250℃で4時間反応させた。次に、反応容器に、三酸化アンチモン0.8gと、トリフェニルホスフェート0.5gと、テトラブチルチタネート0.1gとを加えた。次に、反応容器の内圧が40Paになるまで反応容器内を減圧した後、反応容器の内容物の温度が280℃になるまで反応容器を加熱した。次に、反応容器の内容物を内圧40Pa、温度280℃で6時間反応させた。次に、反応容器に、架橋剤としてのトリメリット酸10.0gを更に加えた。次に、反応容器内の圧力を常圧に戻した後、反応容器の内容物の温度が230℃になるまで反応容器を冷却した。次に、反応容器の内容物を常圧、温度230℃で1時間反応させた。次に、反応容器から反応生成物(ポリエステル樹脂)を取り出し、洗浄及び乾燥させた。これにより、ポリエステル樹脂(ガラス転移点45.1℃、軟化点:86.2℃)を得た。
(外添剤粒子(TA-1))
硫酸チタニルに対し、pH9.0となるように1N水酸化ナトリウム水溶液を加えることで脱硫処理を行うことで、メタチタン酸を含む溶液を得た。次に、脱硫処理後のメタチタン酸を含む溶液に1N塩酸を添加してpH5.8に調整(中和)した後、ろ過及び水洗を行うことにより、ウェットケーキ状の洗浄済みメタチタン酸を得た。洗浄済みメタチタン酸に水を加え、TiO2換算での濃度が2.13モル/Lであるスラリーを調製した。このスラリーに、1N塩酸を加えることでpH1.4に調整した(解膠処理)。解膠後のメタチタン酸を反応容器に投入した。解膠後のメタチタン酸の投入量は、TiO2換算で1.877モルに相当する量とした。
反応容器に、第1溶液として、塩化バリウムを2.159モル(チタン原子1モルに対してバリウム原子1.15モル)を添加した。次に、反応容器に水を添加して内容物を希釈した。水の添加量は、添加後の内容物のTiO2換算での濃度が0.939mol/Lとなる量とした。次に、内容物を攪拌しながら90℃に加温した後、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液553mLを1時間かけて添加した。次に、内容物を温度95℃で1時間攪拌(攪拌速度X:600rpm)することで反応させた。反応により得られたスラリーを50℃まで冷却した(冷却速度Y:-5℃/分)。次に、内容物のpHが5.0となるように、1N塩酸を内容物に加え(添加速度Z:0.5mL/分)、その後、1時間攪拌した。その後、スラリーを静置することで固形分を沈殿させた。この沈殿物について、デカンテーションにより上澄みを除去した後に蒸留水で洗浄し、更にろ過した後、120℃の大気中で10時間乾燥させた。これにより、チタン酸バリウム粒子を得た。チタン酸バリウム粒子は、電子顕微鏡で観察した結果、略立方体状の粒子であった。チタン酸バリウム粒子について、粉末X線解析法により、チタン酸バリウムの解析ピークを確認した。
上述のチタン酸バリウム粒子(以下、基体(BT-1)と記載することがある)100gを純水に分散させることにより、基体(BT-1)を50g/Lの濃度で含有する懸濁液を2L調製した。次に、上述の懸濁液を70℃に加熱した。別途、スズ酸ナトリウム(Na2SnO3・3H2O)70.8gと亜アンチモン酸ナトリウム(NaSbO2)5.8gとを、500mLの純水に溶解させることでアルカリ水溶液を調製した。以下、スズ酸ナトリウム及び亜アンチモン酸ナトリウムを「被覆材料」と記載することがある。
70℃に保温した上述の懸濁液に、上述のアルカリ水溶液の全量(基体(BT-1)100質量部に対する被覆材料の質量部P:76.6質量部)と、2N塩酸とを同時に滴下(並行滴下)した。滴下においては、2N塩酸の滴下速度を調整し、懸濁液のpHを10~11の範囲に保持した。滴下終了後、懸濁液に2N塩酸を添加して懸濁液のpHを2~3の範囲に調整した後、懸濁液を1時間静置することで熟成させた。次に、懸濁液をろ過し、得られたろ物を純水で洗浄した後に再度ろ過した。次に、洗浄後のろ物を110℃で8時間乾燥させた後、650℃で1時間の加熱処理を行った。これにより、チタン酸バリウムを含有する基体(BT-1)と、基体(BT-1)を被覆する被覆層とを備える粒子(A-1)を得た。被覆層は、アンチモンドープ酸化スズを含有していた。
上述の粒子(A-1)に純水を加えることでスラリー化した。得られたスラリーを加熱して50℃に保持し、1N塩酸を添加してpHを2.5に調整した。次に、シランカップリング剤としてのイソブチルトリメトキシシランを上述のスラリーに添加した後に20時間攪拌した。シランカップリング剤の添加量は、粒子(A-1)100質量部に対して5.0質量部とした。次に、スラリーに水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6.5に調整した後、更に1時間攪拌した。次に、スラリーをろ過した後に純水で洗浄し、再度ろ過した。これにより、ウェットケーキ状の粒子(詳しくは、外添剤粒子(TA-1))を得た。得られたウェットケーキ状の粒子を大気中にて120℃で10時間乾燥させた。これにより、外添剤粒子(TA-1)を得た。外添剤粒子(TA-1)は、チタン酸バリウムを含有する基体(BT-1)と、基体(BT-1)を被覆する被覆層と、被覆層を被覆する表面処理層とを備えていた。被覆層は、アンチモンドープ酸化スズを含有していた。表面処理層は、シランカップリング剤に由来する成分を含有していた。外添剤粒子(TA-1)の個数平均1次粒子径は、32nmであった。
以下の点を変更した以外は、外添剤粒子(TA-1)の調製と同様の方法により、外添剤粒子(TA-2)~(TA-3)及び(TB-1)~(TB-7)を調製した。
(外添剤粒子(TA-2))
外添剤粒子(TA-2)の調製では、攪拌速度X、冷却速度Y及び添加速度Zを適宜変更することにより、個数平均1次粒子径を98nmに調整した。
(外添剤粒子(TA-3))
外添剤粒子(TA-3)の調製では、攪拌速度X、冷却速度Y及び添加速度Zを適宜変更することにより、個数平均1次粒子径を274nmに調整した。
(外添剤粒子(TB-1))
外添剤粒子(TB-1)の調製では、基体として、チタン酸バリウム粒子(基体(BT-1))の代わりに、酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製の特注品、個数平均1次粒子径32nm)を用いた。得られた外添剤粒子(TB-1)の個数平均1次粒子径は39nmであった。
(外添剤粒子(TB-2))
外添剤粒子(TB-2)の調製では、基体として、チタン酸バリウム粒子(基体(BT-1))の代わりに、チタン酸ストロンチウム粒子(チタン工業株式会社製の特注品、個数平均1次粒子径28nm)を用いた。得られた外添剤粒子(TB-2)の個数平均1次粒子径は36nmであった。
(外添剤粒子(TB-3))
外添剤粒子(TB-3)の調製では、攪拌速度X、冷却速度Y及び添加速度Zを適宜変更することにより、個数平均1次粒子径を29nmに調整した。また、外添剤粒子(TB-3)の調製では、基体(BT-1)100質量部に対する被覆材料の質量部Pを38.3質量部に変更した。
(外添剤粒子(TB-4))
外添剤粒子(TB-4)の調製では、攪拌速度X、冷却速度Y及び添加速度Zを適宜変更することにより、個数平均1次粒子径を351nmに調整した。
(外添剤粒子(TB-5))
外添剤粒子(TB-5)の調製では、基体の調製において、各成分のモル数を下記表1に示す通りに変更することにより、チタン酸バリウム粒子(以下、基体(BT-2)と記載することがある)を得た。そして、外添剤粒子(TB-5)の調製では、基体として、基体(BT-1)の代わりに、基体(BT-2)を用いた。得られた外添剤粒子(TB-5)の個数平均1次粒子径は31nmであった。
(外添剤粒子(TB-6))
外添剤粒子(TB-6)の調製では、基体の調製において、各成分のモル数を下記表1に示す通りに変更することにより、チタン酸バリウム粒子(以下、基体(BT-3)と記載することがある)を得た。そして、外添剤粒子(TB-6)の調製では、基体として、基体(BT-1)の代わりに、基体(BT-3)を用いた。得られた外添剤粒子(TB-6)の個数平均1次粒子径は33nmであった。
(外添剤粒子(TB-7))
外添剤粒子(TB-7)の調製では、攪拌速度X、冷却速度Y及び添加速度Zを適宜変更することにより、個数平均1次粒子径を30nmに調整した。また、外添剤粒子(TB-7)の調製では、基体(BT-1)100質量部に対する被覆材料の質量部Pを114.9質量部に変更した。
なお、攪拌速度Xは、速度を増加させるほど得られる外添剤粒子の個数平均1次粒子径の粒子径分布幅が狭小化する。冷却速度Yは、速度を増加させるほど得られる外添剤粒子が小径化する。塩酸の添加速度Zは、速度を増加させるほど得られる外添剤粒子が大径化する。
外添剤粒子(TA-1)~(TA-3)及び(TB-1)~(TB-7)の詳細を下記表2に示す。下記表2に用いている略語を以下に説明する。なお、外添剤粒子(TA-1)~(TA-3)及び(TB-3)~(TB-7)は、特定外添剤粒子であった。
BT:チタン酸バリウム
TiO2:酸化チタン
ST:チタン酸ストロンチウム
ATO:アンチモンドープ酸化スズ
粒子径:個数平均1次粒子径
Figure 2023000578000002
Figure 2023000578000003
<トナーの製造>
以下の方法により、実施例1~6及び比較例1~11のトナーを製造した。
[実施例1]
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-20B」)を用いて、90質量部の上述のポリエステル樹脂と、5質量部のカーボンブラック(三井化学株式会社製「MA100」)と、5質量部のパラフィンワックス(日本精蝋株式会社製「HNP-9」)とを、回転速度2400rpm/分で180秒間混合した。得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「PCM-30」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度150rpm、かつ設定温度(シリンダー温度)150℃の条件で溶融混練した。得られた混練物を冷却した。冷却した混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)16/8型」)を用いて粗粉砕した。得られた粗粉砕物を、超音速ジェット粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「超音波ジェットミルI型」)を用いて、微粉砕した。得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ-LABO型」)を用いて、分級した。その結果、体積中位径(D50)6.7μmのトナー母粒子を得た。
(外添処理)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-10B」)を用いて、トナー母粒子100質量部と、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、表面処理剤により正帯電性が付与されたシリカ粒子、個数平均1次粒子径20nm)1.6質量部と、外添剤粒子(TA-1)0.8質量部とを、回転速度3,500rpmで5分間混合した。得られた混合物を、200メッシュ(目開き75μm)の篩により篩別した。これにより、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤(外添剤粒子(TA-1)及びシリカ粒子)とを備えるトナー粒子を含む実施例1のトナーを得た。
なお、上述のシリカ粒子は、アンチモンドープ酸化スズで表面処理されていた。そのため、上述のシリカ粒子は、金属元素として、ケイ素に加え、少量のスズを含んでいた。
[実施例2~6及び比較例1~11]
外添剤粒子(詳しくは、外添剤粒子(TA-1)~(TA-3)及び(TB-1)~(TB-7))の種類及び添加量と、シリカ粒子の添加量とを下記表3~5に示す通りに変更した以外は、実施例1のトナーの製造と同様の方法により、実施例2~6及び比較例1~11のトナーを製造した。なお、下記表3~5において、「質量部」は、トナー母粒子100質量部に対する質量部を示す。
[蛍光X線分析]
蛍光X線分析により、実施例1~6及び比較例1~11のトナーについて、トナー粒子に含まれる金属元素(ケイ素、チタン、バリウム及びスズ)の比率を測定した。
詳しくは、錠剤成型圧縮機(株式会社前川試験機製作所製「BRE-33」)を用いて、測定対象(実施例1~6及び比較例1~11のトナーの何れか)0.5gを加圧成型して、直径20mmの円柱状ペレットを作製した。得られたペレットについて以下の条件で蛍光X線分析を行い、ケイ素、チタン、バリウム及びスズに由来するピークを含む蛍光X線スペクトル(横軸:エネルギー、縦軸:強度(光子の数))を得た。得られた蛍光X線スペクトルの測定元素に由来するピークのX線強度を、予め作成した検量線を用いて含有割合(単位:質量%)に換算した。得られた含有割合に基づいて、測定対象におけるBa/Ti、Ba/Si及びSn/Baの質量比率を算出した。結果を下記表3~5に示す。
(蛍光X線分析の条件)
・分析装置:走査型蛍光X線分析装置(株式会社リガク製「ZSX」)
・X線管球(X線源):Rh(ロジウム)
・励起条件:管電圧50kV、管電流50mA
・測定領域(X線照射範囲):直径30mm
・測定元素:ケイ素、チタン、バリウム及びスズ
<評価>
以下の方法により、実施例1~6及び比較例1~11のトナーについて、かぶりの発生の有無と、画像流れの発生の有無とを評価した。評価結果を下記表3~5に示す。
[評価用現像剤の調製]
ボウルミルを用いて、キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa(登録商標)5550ci」用キャリア)100質量部と、トナー(より具体的には、実施例1~6及び比較例1~11のトナーの何れか)10質量部とを30分間にわたって混合した。これにより、評価用現像剤を得た。
[評価機]
複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa(登録商標)5550ci」)のブラック用現像装置の収容部に、評価用現像剤を投入した。また、複合機のブラック用トナーコンテナに、トナー(より具体的には、評価用現像剤が含むトナーと同一のトナー)を投入した。この複合機を評価機として用いた。評価用の普通紙(A4サイズ)として、モンディ社製「ColorCopy(登録商標)」を用いた。
[かぶり]
かぶりの発生の有無は、以下の条件A~Cの3条件で測定した。そして、条件A~Cの何れにおいてもかぶりの評価が合格である場合、評価用現像剤はかぶりの発生を抑制できる(評価:A)と判断した。一方、条件A~Cの少なくとも1つにおいてかぶりの評価が不合格である場合、評価用現像剤はかぶりの発生を抑制できない(評価:B)と判断した。
(条件A)
温度10℃かつ湿度10%RHの環境下で、評価機を用いて、画像(印字率:5%)を普通紙に4000枚連続で印刷した。次に、温度10℃かつ湿度10%RHの環境下で、評価機を用いて、評価画像(印字率:20%)を普通紙に500枚連続で印刷した。このようにして、500枚の評価画像を得た。評価画像は、各々、ソリッド画像部と、白紙部(印字の無い領域)とを含んでいた。
白色光度計(有限会社東京電色製「TC-6DS/A」)を用いて、評価画像の各々の白紙部の反射濃度を測定した。別途、未使用の普通紙の反射濃度を測定した。下記式に基づいて、評価画像の各々のかぶり濃度(FD)を算出した。このようにして、得られた500枚の評価画像すべてに対して、かぶり濃度(FD)を求めた。そして、500枚の評価画像のかぶり濃度(FD)の平均値を求めた。求められた平均値を条件Aにおけるかぶりの評価値とした。
FD=(白紙部の反射濃度)-(未使用の普通紙の反射濃度)
条件Aにおけるかぶりの評価基準を以下に示す。
合格:評価値が0.010以下
不合格:評価値が0.010超
(条件B)
温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、画像(印字率:1%)を普通紙に10000枚連続で印刷した。次に、温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、評価画像(印字率:20%)を普通紙に500枚連続で印刷した。このようにして、500枚の評価画像を得た。評価画像は、各々、ソリッド画像部と、白紙部(印字の無い領域)とを含んでいた。
条件Aにおけるかぶりの評価と同様の方法により、条件Bにおけるかぶりの評価値(500枚の評価画像のかぶり濃度(FD)の平均値)を算出した。
条件Bにおけるかぶりの評価基準を以下に示す。
合格:評価値が0.010以下
不合格:評価値が0.010超
(条件C)
評価機を32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で24時間静置した。静置後、温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、評価画像(印字率:20%)を普通紙に10枚連続で印刷した。このようにして、10枚の評価画像を得た。評価画像は、各々、ソリッド画像部と、白紙部(印字の無い領域)とを含んでいた。以下の点を変更した以外は、条件Aにおけるかぶりの評価と同様の方法により、条件Cにおけるかぶりの評価値を算出した。具体的には、条件Aにおけるかぶりの評価では、500枚の評価画像のかぶり濃度(FD)の平均値を評価値とした。一方、条件Cにおけるかぶりの評価では、10枚の評価画像のかぶり濃度(FD)の最大値を評価値とした。
条件Cにおけるかぶりの評価基準を以下に示す。
合格:評価値が0.010以下
不合格:評価値が0.010超
[画像流れ]
常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)下、評価機を用いて、文字を含む画像パターン(JIS(日本産業規格)X6931:2005)を、5000枚の普通紙に連続印刷を行う耐刷試験を行った。そして、最後(5000枚目)に印刷された画像パターン中の文字の画質(詳しくは、画像流れによる文字の識別性の低下度合)を目視で評価した(第1評価)。
第1評価後、評価機を高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下で24時間静置した。次に、評価機を用いて、上述の画像パターン(JIS(日本産業規格)X6931:2005)を普通紙に再度印刷した。そして、印刷された画像パターン中の文字の画質(詳しくは、画像流れによる文字の識別性の低下度合)を目視で評価した(第2評価)。
画像流れの発生の有無は、以下の基準に沿って評価した。
A(合格):第1評価及び第2評価の何れにおいても、文字の識別が困難な個所が存在していなかった。
B(不合格):第2評価において、画像流れによって文字の識別が困難な個所が存在していた。
Figure 2023000578000004
Figure 2023000578000005
Figure 2023000578000006
実施例1~6のトナーは、各々、トナー粒子を含むトナーであった。トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えていた。外添剤は、特定外添剤粒子と、シリカ粒子とを含んでいた。特定外添剤粒子は、チタン酸バリウムを含有する基体と、基体を被覆する被覆層とを有していた。被覆層は、アンチモンドープ酸化スズを含有していた。トナー粒子に含まれる金属元素の質量比率は、上述の式(1)~(3)を満たしていた。表3に示すように、実施例1~6のトナーは、各々、かぶり及び画像流れの発生を抑制できた。
一方、比較例1のトナーに用いた外添剤粒子(TB-1)は、基体が酸化チタンを含有していた。外添剤粒子(TB-1)は、チタン酸バリウムよりも誘電率が低い酸化チタンを含有する基体を有するため、トナー粒子の局所的な電荷の集中を抑制できなかったと判断される。その結果、比較例1のトナーは、かぶりの発生を抑制できなかった。
比較例2のトナーに用いた外添剤粒子(TB-2)は、基体がチタン酸ストロンチウムを含有していた。外添剤粒子(TB-2)は、チタン酸バリウムよりもモース硬度が低いチタン酸ストロンチウムを含有する基体を有するため、研磨作用が不十分であったと判断される。その結果、比較例2のトナーは、画像流れの発生を抑制できなかった。
比較例3のトナーは、トナー粒子に含まれる金属元素のうち、Sn/Baが1.5以下であった。比較例3のトナーに用いた外添剤粒子(TB-3)は、体積抵抗率が過度に高かったと判断される。そのため、比較例3のトナーは、かぶりの発生を抑制できなかった。
比較例4のトナーは、トナー粒子に含まれる金属元素のうち、Ba/Siが0.20以上であり、かつSn/Baが5.0以上であった。比較例4のトナーにおいて、シリカ粒子に対する外添剤粒子(TB-4)の量は過剰であったと判断される。また、比較例4のトナーに用いた外添剤粒子(TB-4)は、体積抵抗率が過度に低かったと判断される。そのため、比較例4のトナーは、かぶりの発生を抑制できなかった。
比較例5のトナーは、トナー粒子に含まれる金属元素のうち、Ba/Siが0.05以下であった。比較例5のトナーにおいて、シリカ粒子に対する外添剤粒子(TA-1)の量は不足していたと判断される。そのため、比較例5のトナーは、かぶり及び画像流れの発生を抑制できなかった。
比較例6のトナーは、トナー粒子に含まれる金属元素のうち、Ba/Siが0.20以上であった。比較例6のトナーにおいて、シリカ粒子に対する外添剤粒子(TA-1)の量が過剰であったと判断される。そのため、比較例6のトナーは、かぶりの発生を抑制できなかった。
比較例7のトナーは、外添剤がシリカ粒子を含んでいなかった。そのため、比較例7のトナーは、画像流れが不良であった。
比較例8のトナーは、トナー粒子に含まれる金属元素のうち、Ba/Tiが0.10以下であった。比較例8のトナーは、外添剤粒子(TB-5)の研磨作用が不十分であったと判断される。そのため、比較例8のトナーは、画像流れの発生を抑制できなかった。
比較例9のトナーは、トナー粒子に含まれる金属元素のうち、Ba/Tiが0.60以上であった。比較例9のトナーは、外添剤粒子(TB-6)の誘電率が低いか、又は体積抵抗率が高いと判断される。そのため、比較例9のトナーは、かぶりの発生を抑制できなかった。
比較例10のトナーは、トナー粒子に含まれる金属元素のうち、Ba/Siが0.05以下であった。比較例10のトナーは、シリカ粒子に対する外添剤粒子(TA-1)の量が不十分であったと判断される。そのため、比較例10のトナーは、かぶり及び画像流れの発生を抑制できなかった。
比較例11のトナーは、トナー粒子に含まれる金属元素のうち、Sn/Baが5.0以上であった。比較例11のトナーに用いた外添剤粒子(TB-7)は、体積抵抗率が過度に低かったと判断される。そのため、比較例11のトナーは、かぶりの発生を抑制できなかった。
本発明に係るトナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
1 トナー粒子
2 トナー母粒子
3 外添剤
4 特定外添剤粒子
41 基体
42 被覆層
43 表面処理層
5 シリカ粒子

Claims (4)

  1. トナー粒子を含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備え、
    前記外添剤は、特定外添剤粒子と、シリカ粒子とを含み、
    前記特定外添剤粒子は、チタン酸バリウムを含有する基体と、前記基体を被覆する被覆層とを有し、
    前記被覆層は、アンチモンドープ酸化スズを含有し、
    前記トナー粒子に含まれる金属元素の質量比率は、下記式(1)~(3)を満たす、トナー。
    0.10<(Ba/Ti)<0.60・・・(1)
    0.05<(Ba/Si)<0.20・・・(2)
    1.5<(Sn/Ba)<5.0・・・(3)
  2. 前記トナー母粒子100質量部に対する前記特定外添剤粒子の含有量は、0.3質量部以上5.0質量部以下である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記特定外添剤粒子の個数平均1次粒子径は、20nm以上300nm以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記特定外添剤粒子は、前記被覆層を被覆する表面処理層を更に有し、
    前記表面処理層は、シランカップリング剤に由来する成分を含有する、請求項1~3の何れか一項に記載のトナー。
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