JPH05303277A - 現像剤供給容器 - Google Patents

現像剤供給容器

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JPH05303277A
JPH05303277A JP4131382A JP13138292A JPH05303277A JP H05303277 A JPH05303277 A JP H05303277A JP 4131382 A JP4131382 A JP 4131382A JP 13138292 A JP13138292 A JP 13138292A JP H05303277 A JPH05303277 A JP H05303277A
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resin
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トナー残量の少ない、トナーの排出性が良好
な現像剤供給容器を提供することにある。 【構成】 現像剤の帯電性が正・負にかかわらず、現像
剤供給容器を着色するための着色顔料として、標準電位
が負である酸化チタンを使用したことを特徴とする現像
剤供給容器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電式複写機、プリン
タ等の画像形成装置の現像装置に現像剤を供給するため
に用いられる現像剤供給容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、静電式複写機、プリンタ等の画像
形成装置には現像剤として粉末トナーが使用されている
が、このトナーの供給容器は一般に合成樹脂等で作られ
た円筒状もしくは直方体等の胴体及び開口部が一体成型
されたものが多い。
【0003】上記の合成樹脂等で作られたトナーの供給
容器は、開口部のトナー排出作業が周りを汚さずにスム
ーズに行え、しかも製品の輸送時の衝撃やトナー切れに
よる現像剤供給容器の交換時の衝撃に耐えるように高い
剛性が要求されるため、たとえば、ABS樹脂や耐衝撃
性ポリスチレン樹脂(HIPS)、ポリウレタン樹脂、
ポリカーボネート樹脂などの一般的なエンジニアリング
プラスチックをモールド成型して作製している。
【0004】また、これらの現像剤供給容器は、トナー
の色別や販売先別等で着色している場合が多い。この着
色に関しては、特にトナーとの相関を確認しているわけ
ではなく、単純に着色して識別している。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、従来の一
般的なエンジニアリングプラスチックは、コスト重視や
物理的な性能を満足するような樹脂を選択する場合が多
く、トナーの排出性を考慮した選択がなされていない。
また、現像剤供給容器の着色は、先に述べた単純なトナ
ーの識別の目的によってなされており、やはりトナーの
排出性を考慮した選択がなされていない。
【0006】最近トナーの生産量及び使用量が膨大な数
量となっており、トナーの補給回数が増え、使用者がト
ナーを補給する際、現像剤供給容器に残るトナーの残量
もかなりの量となっている。特に、最近は地球環境問題
が大きくクローズアップされているように、資源の無駄
使いはもちろん、廃棄物処理問題が大きなテーマになっ
ている。
【0007】したがって現像剤供給容器も、できるだけ
トナーの残量が少ない、排出性が良好な成型用樹脂を使
用する必要がある。
【0008】本発明の目的は、上記問題を解決し、トナ
ーの排出性の良好な現像剤容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、現像
剤供給容器において、現像剤の帯電性が正・負にかかわ
らず、現像剤供給容器を着色するための着色顔料とし
て、標準電位が負である着色顔料を使用したことを特徴
とする現像剤供給容器である。
【0010】これは、トナーの帯電性が正・負にかかわ
らず、標準電位が負である着色顔料を使用した場合、着
色顔料の標準電位が正である場合に比較し、トナーが容
器内に残る量が少ないことを本発明者が鋭意研究した結
果、解明したことによるものである。
【0011】この理由は、次のように考えられる。
【0012】ある電極において、ME+ +e⇔Meのご
とき電子授受反応の平衡が成立しているとき、この電極
と、同温度の標準水素電極を組み合わせた電池の起電力
を、単極起電力と呼び、この単極起電力の符号を、電子
を強く固定する方を正とした場合に、これを単極電位、
特に標準状態の単極電位を標準電位と呼ぶ。
【0013】ところで、着色顔料の標準電位が負であっ
た場合、現像剤供給容器に分散された着色顔料の負の電
位によって、容器自体も負の電位にシフトする。
【0014】すなわち、電子の反発力が強い形となり、
トナーの正、負の帯電性にかかわらず容器の表面上には
電子を反発する力が強くなり、トナーを反発して付着量
は少なくなる。
【0015】従って、代表的な白色顔料である酸化チタ
ンや、赤色顔料のベンガラ(Fe23 )などは標準電
位が負であり、トナーの付着量は少ない。
【0016】逆に、着色顔料の標準電位が正であった場
合、現像剤供給容器に分散された着色顔料の正の電位に
よって、容器自体も正の電位にシフトする。
【0017】すなわち、電子の反発力が弱くなり、逆に
容器の表面上にトナーを引きつける力が強まり、トナー
の正、負の帯電性にかかわらずトナーを引きつけて付着
する量が多くなる。
【0018】従って、代表的な黒色顔料であるカーボン
などは標準電位が正であり、トナーの付着量は多い。
【0019】また、本発明は、 1)トナーの帯電性が正・負に拘わらず、誘電体正接が
1×10-4〜1×10-3tanδにある成型用樹脂 2)トナーの帯電性が正であるとき、誘電体正接が1×
10-2〜1×10-1tanδにある成型用樹脂、又は 3)トナーの帯電性が負であるとき、誘電体正接が1×
10-3〜1×10-2tanδにある成型用樹脂を使用し
た現像剤供給容器である。
【0020】これは、トナーが排出時に現像剤供給容器
に残る量が、他の成型用樹脂に比較して少ないことを本
発明者が鋭意研究した結果、解明したことによるもので
ある。
【0021】この理由は、次のように考えられる。
【0022】まず、成型用樹脂には個別の誘電率がある
が、これは絶縁体に直流電圧をかけると絶縁体内に正負
電荷の変化や双極子の配向分極により電極間に蓄えられ
るエネルギー量のことを誘電率と呼ぶが、一方、交流電
圧を加えた場合は理想上、電圧と電流の位相差は90°
で電力損失が起こらないが、実際は90°からδ角だけ
遅れた電流が流れる。このδ角のtanδを誘電体正接
と呼ぶ。
【0023】ところで、誘電率は通常のプラスチックで
は2〜8であまり変わらないが、誘電体正接は2×10
-4〜700×10-4の範囲で大きく変化する。一般に誘
電率と誘電体正接は対応して大きかったり小さかったり
するので、この誘電体正接を絶縁物の場合、重要視する
場合が多い。
【0024】つまり、上記1)〜3)の各ケースにおけ
る誘電体正接を満足したとき、トナーと接触した場合に
容器との反発力が大きく、したがってトナーの排出時に
はトナーが容器内に残りにくいと考えられる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0026】なお、本発明はこれに限定されない。
【0027】実施例1 表1からも明らかなように、酸化チタン(白)、および
ベンガラ(赤)は負の標準電位を備えており、逆にカー
ボン(黒)は正の標準電位を備えている。
【0028】まず、これらの着色顔料を、ポリスチレン
を主要成分とする成型用樹脂に均一に分散し、表面が平
滑なサンプル片を作製した。これを正の帯電性を持つト
ナーに接触させ、トナーの付着量を測定した。結果を表
2に示す。
【0029】表2の結果から明らかなように、同一の成
型用樹脂に3種類の顔料を分散させた場合、黒、赤、白
の順でトナーの付着量が多かった。すなわち、標準電位
が負である酸化チタンとベンガラが、標準電位が正であ
るカーボン(黒)に比較して、トナーの付着量が少なか
った。
【0030】次に、これらの顔料を分散した樹脂を用い
て現像剤供給容器を作製し、該トナーを充填後、トナー
を排出し、容器内のトナー残量を測定したところ、白、
赤、黒の順でトナー残量が少ないことが確認された。
【0031】以上のように、正の帯電性を備えたトナー
を充填する場合、着色顔料の標準電位が負である着色顔
料を使用した現像剤供給容器は、正の帯電性を備えた着
色顔料を使用した現像剤供給容器に比較してトナー残量
が少なく、排出性が良好であることが確認された。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】 実施例2 実施例1と同様に、ABS樹脂を主要成分とする成型用
樹脂に、酸化チタン(白)およびカーボン(黒)をそれ
ぞれ均一に分散し、表面が平滑なサンプル片を作製し
た。これを実施例1で使用した正の帯電性を備えたトナ
ーに接触させ、トナーの付着量を測定した。結果を表3
に示す。
【0034】表3の結果より明らかなように、標準電位
が負である酸化チタンを用いた着色サンプル片が、標準
電位が正であるカーボンを用いた着色サンプル片に比較
してトナー付着量が少なかった。
【0035】更に、現像剤供給容器をこれらの顔料を分
散した樹脂を用いて作製し、トナー排出性を確認したと
ころ、酸化チタンを分散した方がトナー残量が少ないこ
とが確認された。
【0036】以上のように、樹脂の種類を変えても、正
の帯電性を備えたトナーを充填する場合、着色顔料の標
準電位が負であるものの方が排出性が良好であった。
【0037】
【表3】 実施例3 実施例1と同様に、ポリスチレンを主要成分とする成型
用樹脂に、酸化チタン(白)、ベンガラ(赤)、カーボ
ン(黒)をそれぞれ均一に分散し、表面が平滑なサンプ
ル片を作製した。これを負の帯電性を備えたトナーに接
触させ、トナーの付着量を測定した。結果を表4に示
す。
【0038】表4から明らかなように、標準電位が負で
ある酸化チタン及びベンガラを用いたサンプル片が、カ
ーボンを用いたサンプル片に比較してトナー付着量が少
なかった。
【0039】更に、これらの顔料を分散した樹脂を用い
て現像剤供給容器を作製し、トナー排出性を確認したと
ころ、白、赤、黒の順でトナー残量が少ないことが確認
された。
【0040】以上のように、トナーの帯電性を変えて
も、着色顔料の電位が負であるものが排出性が良好であ
った。
【0041】
【表4】 実施例4 実施例3で用いた負の帯電性を持つトナーを使用し、成
型用樹脂をABS樹脂とした場合の、酸化チタンおよび
カーボンをそれぞれ均一に分散したサンプル片について
のトナー付着性を確認した。結果を表5に示す。
【0042】表5の結果より明らかなように、標準電位
が負である酸化チタンを用いた着色サンプル片が、標準
電位が正であるカーボンを用いた着色サンプル片に比較
して、トナー付着量が少なかった。
【0043】また、他の実施例と同様に実際に現像剤供
給容器を作製し、トナー排出量を確認したところ、酸化
チタンを使用した方がトナー残量が少なく、排出性が良
好であった。
【0044】以上のように、トナーの帯電性が負であ
り、樹脂の種類を変えても着色顔料の標準電位が負であ
るものの方が排出性が良好であった。
【0045】
【表5】 実施例5 表6に成型用樹脂の代表的な例の誘電体正接を、tan
δの値で区別してみた。
【0046】誘電率及び誘電体正接は、極性を持つプラ
スチックでは電子分極や原子分極のみが起こるため、値
が小さいが、極性を持つプラスチックでは双極子モーメ
ントが加算されるため、値が大きくなる。
【0047】この表を元に、tanδの値が1×10-4
〜1×10-3に含まれる従来機械的物性が優れていると
されるポリスチレン(PS)樹脂の、表面が平滑なサン
プル片を正の帯電性を持つトナーに接触させ、トナーの
付着量を測定した。
【0048】また、比較としてtanδの値が1×10
-2以下に属する成型用樹脂として、ABS樹脂及びポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、さらに1×1
-1以下に属する成型用樹脂として、アクリル樹脂及び
ポリカーボネート(PC)樹脂を同様に加工し、トナー
付着量を測定した。結果を表7に示す。
【0049】表7の結果から明らかなように、ポリスチ
レン樹脂は明らかにABS樹脂及びPBT樹脂、さらに
アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂に比較し、トナ
ー付着量が少なかった。
【0050】以上のように、tanδが当該範囲に該当
する場合、トナーの付着量が少ないことが実証された。
【0051】次に、現像剤供給容器をこれらの樹脂を用
いて作製し、該トナーを充填後、トナーを排出し、容器
内のトナー残量を測定したところ、tanδが当該範囲
に属するポリスチレン樹脂は、ABS樹脂、PBT樹
脂、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂に比較して
トナー残量が少ないことが確認された。
【0052】以上のように、正の帯電性を備えるトナー
を充填する場合、誘電体正接が1×10-3〜1×10-2
tanδの範囲にある成型用樹脂を使用した現像剤供給
容器は、他のtanδの範囲にある成型用樹脂を使用し
た現像剤供給容器に比較してトナー残量が少なく、排出
性が良好であることが確認された。
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】 実施例6 実施例5と同様に、tanδの範囲が1×10-4〜1×
10-3に含まれるポリスチレン樹脂のサンプル片を、実
施例5で使用したトナーと同様に正の帯電性を持つ、別
のトナーにてトナーの付着量を測定した。
【0055】また、比較としてABS樹脂及びPBT樹
脂、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂を同様に加
工し、トナー付着量を測定した。結果を表8に示す。
【0056】表8の結果から明らかなように、ポリスチ
レン樹脂は明らかにABS樹脂及びPBT樹脂、アクリ
ル樹脂及びポリカーボネート樹脂に比較し、トナー付着
量が少なかった。
【0057】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂はトナー付着量が少ないことが実証された。
【0058】次に、現像剤供給容器をこれらの5種類の
樹脂を用いて作製し、該トナーを充填後、トナーを排出
し、容器内のトナー残量を測定したところ、tanδが
当該範囲に属するポリスチレン樹脂はABS樹脂、PB
T樹脂およびアクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂に
比較してトナー残量が少なかった。
【0059】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂を使用した現像剤供給容器は、正の帯電性を
備えるトナーを使用した場合、トナー残量が他の範囲に
ある樹脂に比較して少ないことが確認された。
【0060】
【表8】 実施例7 実施例5と同様に、tanδの範囲が1×10-4〜1×
10-3に含まれるポリスチレン樹脂のサンプル片を、実
施例5および6で使用したトナーと逆に負の帯電性を持
つトナーにてトナーの付着量を測定した。
【0061】また、比較としてABS樹脂及びPBT樹
脂、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂を同様に加
工し、トナー付着量を測定した。結果を表9に示す。
【0062】表9の結果から明らかなように、ポリスチ
レン樹脂はABS樹脂及びPBT樹脂、アクリル樹脂及
びポリカーボネート樹脂に比較し、トナー付着量が少な
かった。
【0063】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂は負の帯電性を持つトナーを用いてもトナー
付着量が少ないことが実証された。
【0064】次に、現像剤供給容器をこれらの5種類の
樹脂を用いて作製し、該トナーを充填後、トナーを排出
し、容器内のトナー残量を測定したところ、tanδが
当該範囲に属するポリスチレン樹脂はABS樹脂及びP
BT樹脂、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂に比
較してトナー残量が少なかった。
【0065】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂を使用した現像剤供給容器は、負の帯電性を
備えるトナーを使用した場合でも、トナー残量が他の範
囲にある樹脂に比較して少ないことが確認された。
【0066】
【表9】 実施例8 実施例5と同様に、tanδの範囲が1×10-4〜1×
10-3に含まれるポリスチレン樹脂のサンプル片を、実
施例3で使用したトナーと同じく負の帯電性を持つ別の
トナーにてトナーの付着量を測定した。
【0067】また、比較としてABS樹脂及びPBT樹
脂、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂を同様に加
工し、トナー付着量を測定した。結果を表10に示す。
【0068】表10の結果から明らかなように、ポリス
チレン樹脂はABS樹脂及びPBT樹脂、アクリル樹脂
及びポリカーボネート樹脂に比較し、トナー付着量が少
なかった。
【0069】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂は、実施例7と同様に負の帯電性を持つトナ
ーを用いてもトナー付着量が少ないことが実証された。
【0070】次に、現像剤供給容器をこれらの5種類の
樹脂を用いて作製し、該トナーを充填後、トナーを排出
し、容器内のトナー残量を測定したところ、tanδが
当該範囲に属するポリスチレン樹脂はABS樹脂及びP
BT樹脂、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂に比
較してトナー残量が少なかった。
【0071】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂を使用した現像剤供給容器は、負の帯電性を
備えるトナーを使用した場合でも、トナー残量が他の範
囲にある樹脂に比較して少ないことが確認された。
【0072】
【表10】 実施例9 前記の表6を元に、tanδの値が1×10-2〜1×1
-1に含まれる従来機械的物性が優れているとされるア
クリル樹脂およびポリカーボネート樹脂の、表面が平滑
なサンプル片を正の帯電性を持つトナーに接触させ、ト
ナーの付着量を測定した。
【0073】また、比較としてtanδの値が1×10
-2以下に属する成型用樹脂として、PBT樹脂及びAB
S樹脂を同様に加工し、トナー付着量を測定した。結果
を表11に示す。
【0074】表11の結果から明らかなように、アクリ
ル樹脂及びポリカーボネート樹脂は明らかにPBT樹脂
及びABS樹脂に比較し、トナー付着量が少なかった。
【0075】また同様に、ポリアセタール樹脂及び塩化
ビニル樹脂も同様にPBT樹脂およびABS樹脂よりト
ナーの付着量が少なかった。
【0076】以上のように、tanδが当該範囲に該当
する場合、トナーの付着量が少ないことが実証された。
【0077】次に、現像剤供給容器をこれらの樹脂を用
いて作製し、該トナーを充填後、トナーを排出し、容器
内のトナー残量を測定したところ、tanδが当該範囲
に属するアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
セタール樹脂、塩化ビニル樹脂は、PBT樹脂及びAB
S樹脂に比較してトナー残量が少ないことが確認され
た。
【0078】以上のように、正の帯電性を備えるトナー
を充填する場合、誘電体正接が1×10-2〜1×10-1
tanδの範囲にある成型用樹脂を使用した現像剤供給
容器は、他のtanδの範囲にある成型用樹脂を使用し
た現像剤供給容器に比較してトナー残量が少なく、排出
性が良好であることが確認された。
【0079】
【表11】 実施例10 実施例9と同様に、tanδの範囲が1×10-2〜1×
10-1に含まれるアクリル樹脂およびポリカーボネート
樹脂のサンプル片を、実施例1で使用したトナーと同様
に正の帯電性を持つ、別のトナーにてトナーの付着量を
測定した。
【0080】また、比較としてPBT樹脂及びABS樹
脂を同様に加工し、トナー付着量を測定した。結果を表
12に示す。
【0081】表12の結果から明らかなように、アクリ
ル樹脂及びポリカーボネート樹脂は明らかにPBT樹脂
及びABS樹脂に比較し、トナー付着量が少なかった。
【0082】また、ポリアセタール樹脂及び塩化ビニル
樹脂を同様にサンプル片に加工し、トナー付着量を測定
した結果、PBT樹脂及びABS樹脂に比較し、トナー
付着量が少なかった。
【0083】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂はトナー付着量が少ないことが実証された。
【0084】次に、現像剤供給容器をこれらの6種類の
樹脂を用いて作製し、該トナーを充填後、トナーを排出
し、容器内のトナー残量を測定したところ、tanδが
当該範囲に属するアクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアセタール樹脂、塩化ビニル樹脂は、PBT樹
脂及びABS樹脂に比較してトナー残量が少なかった。
【0085】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂を使用した現像剤供給容器は、正の帯電性を
備えるトナーを使用した場合、トナー残量が他の範囲に
ある樹脂に比較して少ないことが確認された。
【0086】
【表12】 比較例1 実施例9及び10で使用した、tanδが1×10-2
1×10-1の範囲に含まれるアクリル樹脂及びポリカー
ボネート樹脂のサンプル片を、負の帯電性を示すトナー
に接触させ、トナー付着量を測定した。
【0087】また、比較としてPBT樹脂及びABS樹
脂を同様に加工し、トナー付着量を測定した。結果を表
13に示す。
【0088】表13から明らかなように、アクリル樹脂
及びポリカーボネート樹脂は明らかにPBT樹脂及びA
BS樹脂に比較し、トナー付着量が多かった。
【0089】この理由は、誘電体正接が、トナーの帯電
性が逆転して逆にトナーを引きつける作用が強まったた
めと思われる。
【0090】また、ポリアセタール樹脂、塩化ビニル樹
脂も同様にトナー付着量がPET樹脂及びABS樹脂よ
り多かった。
【0091】更に、現像剤供給容器を作製し、トナー残
量を測定したところ、実施例1、実施例2と逆に、ta
nδが当該範囲にあるアクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリアセタール樹脂、塩化ビニル樹脂は、PBT
樹脂、ABS樹脂に比較してトナー残量が多かった。こ
の理由も、帯電性の逆転によるものと思われる。
【0092】以上のように、トナーの帯電性が負の場合
は、tanδが当該範囲にある成型用樹脂を使用した現
像剤供給容器はトナーの残量が多く、従って排出性が悪
く、使用できない。
【0093】
【表13】 実施例11 前記表6を元に、tanδの値が1×10-3〜1×10
-2に含まれる従来機械的物性が優れているとされるAB
S樹脂およびPBT樹脂の、表面が平滑なサンプル片を
負の帯電性を持つトナーに接触させ、トナーの付着量を
測定した。
【0094】また、比較としてtanδの値が1×10
-1以下に属する成型用樹脂として、アクリル樹脂及びポ
リカーボネート樹脂を同様に加工し、トナー付着量を測
定した。結果を表14に示す。
【0095】表14の結果から明らかなように、ABS
樹脂及びPBT樹脂は明らかにアクリル樹脂及びポリカ
ーボネート樹脂に比較し、トナー付着量が少なかった。
【0096】また同様に、AS樹脂も同様な測定を行っ
た結果、トナーの付着量がアクリル樹脂及びポリカーボ
ネート樹脂に比較し、少なかった。
【0097】以上のように、tanδが当該範囲に該当
する場合、トナーの付着量が少ないことが実証された。
【0098】次に、現像剤供給容器をこれらの樹脂を用
いて作製し、該トナーを充填後、トナーを排出し、容器
内のトナー残量を測定したところ、tanδが当該範囲
に属するABS樹脂、PBT樹脂、AS樹脂は、アクリ
ル樹脂及びポリカーボネート樹脂に比較してトナー残量
が少ないことが確認された。
【0099】以上のように、負の帯電性を備えるトナー
を充填する場合、誘電体正接が1×10-3〜1×10-2
tanδの範囲にある成型用樹脂を使用した現像剤供給
容器は、他のtanδの範囲にある成型用樹脂を使用し
た現像剤供給容器に比較してトナー残量が少なく、排出
性が良好であることが確認された。
【0100】
【表14】 実施例12 実施例11と同様に、tanδの値が1×10-3〜1×
10-2に含まれるABS樹脂およびPBT樹脂のサンプ
ル片を、実施例11で使用したトナーと同様に負の帯電
性を持つ、別のトナーにてトナーの付着量を測定した。
【0101】また、比較としてアクリル樹脂及びポリカ
ーボネート樹脂を同様に加工し、トナー付着量を測定し
た。結果を表15に示す。
【0102】表15の結果から明らかなように、ABS
樹脂及びPBT樹脂は明らかにアクリル樹脂及びPC樹
脂に比較し、トナー付着量が少なかった。
【0103】また、AS樹脂を同様にサンプル片を加工
し、トナー付着量を測定した結果、アクリル樹脂及びポ
リカーボネート樹脂に比較し、トナー付着量が少なかっ
た。
【0104】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂はトナー付着量が少ないことが実証された。
【0105】次に、現像剤供給容器をこれらの5種類の
樹脂を用いて作製し、該トナーを充填後、トナーを排出
し、容器内のトナー残量を測定したところ、tanδが
当該範囲に属するABS樹脂、PBT樹脂、AS樹脂
は、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂に比較して
トナー残量が少なかった。
【0106】以上のように、tanδが当該範囲にある
成型用樹脂を使用した現像剤供給容器は、負の帯電性を
備えるトナーを使用した場合、トナー残量が他の範囲に
ある樹脂に比較して少ないことが確認された。
【0107】
【表15】 比較例2 実施例11及び12で使用した、tanδが1×10-3
〜1×10-2の範囲に含まれるABS樹脂及びPBT樹
脂のサンプル片を、正の帯電性を示すトナーに接触さ
せ、トナー付着量を測定した。
【0108】また、比較としてアクリル樹脂及びポリカ
ーボネート樹脂を同様に加工し、トナー付着量を測定し
た。結果を表15に示す。
【0109】表15から明らかなように、ABS樹脂及
びPBT樹脂は明らかにアクリル樹脂及びポリカーボネ
ート樹脂に比較し、トナー付着量が多かった。この理由
は、誘電体正接が、トナーの帯電性が逆転して逆にトナ
ーを引きつける作用が強まったためと思われる。
【0110】また、AS樹脂も同様にトナー付着量がア
クリル樹脂及びポリカーボネート樹脂より多かった。
【0111】更に、現像剤供給容器を作製し、トナー残
量を測定したところ、実施例1、実施例2と逆に、ta
nδが当該範囲にあるABS樹脂、PBT樹脂、ABS
樹脂は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂に比較し
てトナー残量が多かった。この理由も、帯電性の逆転に
よるものと思われる。
【0112】以上のように、トナーの帯電性が正の場合
は、tanδが当該範囲にある成型用樹脂を使用した現
像剤供給容器はトナーの残量が多く、従って排出性が悪
く、使用できない。
【0113】
【表16】
【0114】
【発明の効果】以上のように、本発明の現像剤供給容器
は、トナーの排出性が良好であるため、使用者がトナー
排出後、現像剤供給容器を廃棄する際、できるだけトナ
ー残量が少なく、トナーが有効に最大限使用され、廃棄
物に関する地球環境問題に十分対処できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤供給容器において、現像剤の帯電
    性が正・負にかかわらず、現像剤供給容器を着色するた
    めの着色顔料として、標準電位が負である着色顔料を使
    用したことを特徴とする現像剤供給容器。
  2. 【請求項2】 着色顔料が白色であることを特徴とする
    請求項1に記載の現像剤供給容器。
  3. 【請求項3】 着色顔料が酸化チタンであることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の現像剤供給容器。
  4. 【請求項4】 現像剤供給容器において、現像剤の帯電
    性が正・負にかかわらず、誘電体正接が1×10-4〜1
    ×10-3tanδの範囲である成型用樹脂を使用したこ
    とを特徴とする現像剤供給容器。
  5. 【請求項5】 誘電体正接が1×10-4〜1×10-3
    anδの範囲である成型用樹脂が、ポリスチレン樹脂で
    あることを特徴とする請求項4に記載の現像剤供給容
    器。
  6. 【請求項6】 現像剤供給容器において、現像剤の帯電
    性が正であるとき、誘電体正接が1×10-2〜1×10
    -1tanδの範囲である成型用樹脂を使用した現像剤供
    給容器。
  7. 【請求項7】 誘電体正接が1×10-2〜1×10-1
    anδの範囲である成型用樹脂が、アクリル樹脂、又は
    ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項6
    に記載の現像剤供給容器。
  8. 【請求項8】 現像剤供給容器において、現像剤の帯電
    性が負であるとき、誘電体正接が1×10-3〜1×10
    -2tanδの範囲である成型用樹脂を使用した現像剤供
    給容器。
  9. 【請求項9】 誘電体正接が1×10-3〜1×10-2
    anδの範囲である成型用樹脂が、ABS樹脂、又はP
    BT樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の現像
    剤供給容器。
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