JP2010138996A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変速要求時に発進クラッチアクチュエータとシフトフォークアクチュエータを駆動して変速段の選択を実施し、奇数変速段発進クラッチ2と偶数変速段発進クラッチ3の架け替えにより変速を実行する制御手段を備えた自動変速機の制御装置100において、前記制御手段は、停車時に変速段がニュートラルである変速機入力軸の発進クラッチを動作させて、ニュートラル状態の変速機入力軸を回転させ、エンジンの出力軸回転数とニュートラル状態の変速機入力軸回転数とを比較し、その偏差が、エンジン回転数をパラメータとして予め設定された所定時間以内に、所定値以内に収まらない場合に、変速機構が異常であることを検出する。
【選択図】図1
Description
このツインクラッチ式自動変速機では、例えば、奇数変速段発進クラッチが係合する奇数変速段選択状態での走行時に、偶数変速段への変速指令が出ると、次に変速する偶数変速段の選択を実施し、奇数変速段発進クラッチを開放、偶数変速段発進クラッチを係合するというクラッチの架け替えにより、奇数変速段から偶数変速段への変速が実行される。これにより、素早い変速を可能とすると共に、変速時の加速力の断続を軽減することが可能となっている。
また、特許文献2で提案されている制御装置は、走行中にインターロックを検出し、走行中の変速機の指令変速段と実変速比から変速の異常を検出している。つまり、双方とも走行中のメカニカルインターロックの発生後の状態からメカニカルインターロックを検出する方法が提案されている。このため、特許文献1、特許文献2で示される制御装置では、ツインクラッチ式自動変速機の変速時に、奇数段変速段または偶数段変速段において、停車状態で同一の変速機入力軸上で複数の変速段を選択し、二つのトルク伝達経路が同時成立したメカニカルインターロックが発生してしまう状態となっても検知できず、メカニカルインターロックが発生してしまう状態のまま発進クラッチを係合してしまうことを防止することができないという問題があった。同一の変速機入力軸上でメカニカルインターロ
ックが発生してしまう状態のまま発進クラッチを係合した場合、メカニカルインターロックが発生し、車両発進ができず、発進クラッチやトルク伝達機構に負荷がかかるという問題がある。
また、取り付けていても故障によりシフトフォークの位置をセンサを用いて正しく検出できない場合、前述のメカニカルインターロックが発生してしまう状態を防止できないという問題がある。
以下、この発明の実施の形態1について、図面を参照して説明する。
図1は、この発明の実施例の形態1における自動変速機の制御装置の概略構成を示す。図1において、ツインクラッチ式自動変速機の変速ギアトレーンとしては、奇数変速段変速機入力軸1と奇数変速段発進クラッチ2、偶数変速段変速機入力軸3と偶数変速段発進クラッチ4とを備えている。奇数変速段変速機入力軸1と奇数変速段発進クラッチ2は、奇数変速段(第1速、第3速、第5速)用であり、偶数変速段変速機入力軸3と偶数変速段発進クラッチ4は、偶数変速段(第2速、第4速、第6速、後退)用である。エンジン(図示しない)が発生する駆動力は変速機駆動入力軸5に接続され、奇数変速段発進クラッチ2と偶数変速段発進クラッチ4を介して、自動変速機の奇数変速段変速機入力軸1と偶数変速段変速機入力軸3に接続されている。奇数変速段発進クラッチ2の変速機入力軸側は奇数変速段の選択、係合時、エンジンからの駆動力を奇数変速段変速機入力軸1に伝える。偶数変速段発進クラッチ4の変速機入力軸側は偶数変速段の選択、係合時、エンジンからの駆動力を偶数変速段変速機入力軸3に伝える。
第1速歯車組G1は、奇数変速段変速機入力軸1に設けられた第1速歯車21と、カウンターシャフト7に設けた第1速歯車22とを互いに噛み合わせて構成する。
第3速歯車組G3は、奇数変速段変速機入力軸1に設けられた第3速歯車25と、カウンターシャフト7に設けた第3速歯車26とを互いに噛み合わせて構成する。
第5速歯車組G5は、奇数変速段変速機入力軸1に設けられた第5速歯車29と、カウンターシャフト8に設けた第3速歯車30とを互いに噛み合わせて構成する。
第2速歯車組G2は、偶数変速段変速機入力軸3に設けられた第2速歯車23と、カウンターシャフト7に設けた第2速歯車24とを互いに噛み合わせて構成する。
第4速歯車組G4は、偶数変速段変速機入力軸3に設けられた第4速歯車27と、カウンターシャフト7に設けた第4速歯車28とを互いに噛み合わせて構成する。
第6速歯車組G6は、偶数変速段変速機入力軸3に設けられた第6速歯車31と、カウンターシャフト8に設けた第6速歯車32とを互いに噛み合わせて構成する。
つまり、噛み合いクラッチ41〜44はすべて開放状態となることにより、エンジンからの駆動力は変速機出力軸6に伝達されない。
その後、ドライバーのアクセル操作量に応じて発進を判定し、奇数変速段発進クラッチ2を係合する。これにより、エンジンの駆動力は奇数変速段発進クラッチ2、第1速歯車組G1、出力歯車35、34を介して変速機出力軸6に出力され、第1速の動力が伝達される。
エンジンの駆動力は偶数変速段発進クラッチ4、第2速歯車組G2、出力歯車35、34を介して変速機出力軸6に出力され、第2速の動力が伝達される。
まず、すべての変速段がニュートラルの状態でドライバーのレバー操作により前進を選択した場合、自動変速機制御装置により、奇数変速段変速機入力軸1には第1速歯車組G1が係合され、偶数変速段変速機入力軸3には第2速歯車組G2が係合される。停車状態では奇数変速段発進クラッチ2、偶数変速段発進クラッチ4は開放されておりエンジンの発生する駆動トルクは変速機出力軸6へ伝達されない。
ッチ2、第1速歯車組G1、出力歯車35、34を介して変速機出力軸6に出力され、第1速の動力が伝達される。このとき、偶数変速段変速機入力軸3は、カウンターシャフト7から予め係合されている第2速歯車組G2を介して伝達されるトルクにより駆動されるが、偶数変速段発進クラッチ4は開放されており、メカニカルインターロックは発生しない。また、カウンターシャフト8も変速機出力軸6、出力歯車34、36を介して伝達されるトルクにより駆動されるが、いずれの歯車組も係合されていないため、自由に回転している。
例えば、ドライバーのレバー操作がパーキングまたはニュートラルを選択しており、自動変速機制御装置100の変速段指示がニュートラル指示であることを確認する。
継続した場合、変速機構に異常をきたさない時間として設定される。
F=Ttcap/((機構で定まる定数)×(摩擦係数))・・・・・(1)
ここで、機構で定まる定数とは奇数変速段発進クラッチ2の機構によって予め設定された定数である。
一方、所定時間以内に図6(a)に示すように、エンジン回転数と変速機入力軸の回転数の
偏差ΔNが所定値以内に収まった場合は、正常と判定する。ここで、所定値ΔNslipは予め設定された値であり、例えば50rpmとする。
そして、エンジン回転数と発進クラッチアクチュエータを動作させた変速機入力軸の回転数を比較し、エンジン回転数をパラメータに予め設定した所定時間以内にその偏差が所定値以内に収まらない場合は、変速機構の異常と判定することにより、シフトフォーク位置センサを用いずにメカニカルインターロックが発生してしまう状態を検出することが可能となり、発進クラッチやトルク伝達機構への過負荷を未然に回避することが可能となる。
軸、4 偶数変速段発進クラッチ、5 変速機駆動力入力軸、6 変速機出力軸、
G1 第1速歯車組、G2 第2速歯車組、G3 第3速歯車組、
G4 第4速歯車組、G5 第5速歯車組、G6 第6速歯車組、
GR 後退速歯車組、41、42、43、44 噛み合いクラッチ、
51、52、53、54 シフトフォーク、
61、62、63、64 シフトフォークアクチュエータ、
65 奇数変速段発進クラッチアクチュエータ、
66 偶数変速段発進クラッチアクチュエータ、
80 エンジン回転数センサ、81 奇数変速段変速機入力軸回転数センサ
82 偶数変速段変速機入力軸回転数センサ、83 変速機出力軸回転数センサ
100 自動変速機制御装置(制御手段)。
Claims (2)
- 奇数変速段発進クラッチまたは偶数変速段発進クラッチを介してエンジンの発生する駆動トルクが入力される奇数変速段変速機入力軸と偶数変速段変速機入力軸、前記奇数変速段変速機入力軸と偶数変速段変速機入力軸のそれぞれに設けられた複数のトルク伝達経路、車輪に連結された変速機出力軸、前記複数のトルク伝達経路と前記変速機出力軸とを係合させる複数の噛み合いクラッチを有する自動変速機の制御装置であって、
前記奇数変速段発進クラッチと偶数変速段発進クラッチをそれぞれ動作させる発進クラッチアクチュエータと、前記噛み合いクラッチを動作させるシフトフォークアクチュエータと、変速要求時に前記発進クラッチアクチュエータと前記シフトフォークアクチュエータを駆動して変速段の選択を実施し、奇数変速段発進クラッチと偶数変速段発進クラッチの架け替えにより変速を実行する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記発進クラッチアクチュエータを動作させることにより、停車時に変速段がニュートラルである変速機入力軸の発進クラッチを動作させて、ニュートラル状態の変速機入力軸を回転させ、エンジンの出力軸回転数と該ニュートラル状態の変速機入力軸回転数とを比較し、その偏差が、エンジン回転数をパラメータとして予め設定された所定時間以内に、所定値以内に収まらない場合に、変速機構が異常であることを検出するようにしたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記所定時間は、実車実験により、停車時に変速段がニュートラル状態である変速機入力軸の発進クラッチに、該変速機入力軸がエンジン回転数に追従するのに十分な値の伝達トルクを発生させ、該変速機入力軸が回転停止状態からエンジン回転数に同期するのに必要な時間として設定されたものであることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
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