JP2010030565A - ハイブリッド車両用動力伝達システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1クラッチ16が開放不能になった場合、第2クラッチ17を中立位置とし、第4クラッチ24を第2変速ギア段20側にシフトした停車状態において、発電電動機29を発電機として付勢すると、エンジントルクは差動装置25から第2中間軸15に回転力が伝わり、第2変速ギア段20を介して出力軸18に駆動力が現れて発進(2速発進)が可能になる。複数のクラッチのひとつが開放不能になった場合の代替制御方法をあらかじめ設定することで、運行休止に陥らない高信頼駆動システムが得られる。
【選択図】図2
Description
エンジンテクノロジー、May2000、pp28−29
車両用動力伝達システムにおいて、前記第1クラッチ、前記第2クラッチ、複数の前記変速用クラッチのいずれか一つが開放不能に陥った場合、前記エンジンの出力を締結可能な二つのクラッチを介して前記出力軸に伝達することを特徴とする。
なお、本実施例では後進用ギア列5を入力軸3に設けたが、前後進切替を出力軸18の後で行うことも当然可能であり、その場合は入力軸3に設けられるのは前進用ギア列4のみであるが、前進用ギア列4と呼ぶ代わりに入力ギア列4と呼ぶものとする。
図2は停車状態から発進する方法態様について示したものである。1速側の第1中間軸14に設けられた第1クラッチ16が係合したまま固着したものとし、図ではクラッチを黒塗りで示す。第1クラッチ16が係合したままであるので、1速で発進することはできず、2速発進を行う。停車状態において第4クラッチ24を第2変速ギア段20側にシフトして噛み合わせる。図では噛み合い状態にあるクラッチをハッチングで示す。停車状態では出力軸18は停止しているので、第4クラッチ24を介して出力軸18と接続される第2中間軸15も停止している。エンジン1のアイドル回転が第1中間軸14から接続ギア列30及び差動装置25を介して、発電電動機29に伝えられている。エンジン1の出力を上昇させつつ発電電動機29の発電負荷を増加させると、発電トルクの反力が差動装置25を介して第2中間軸15及び第2変速ギア段20に伝わり、出力軸18に出力されて発進する。
発電電動機29に負荷をかけたまま回転数を0にすると、第2中間軸15の回転が第2ギア8の回転と同期するので、図5に示すように第2クラッチ17を係合することができる。発電電動機29のトルクを0にすると、エンジン1の出力は直接第2変速ギア段20を通して出力軸18に出力されて2速走行状態になる。
3速走行中に4速へのアップシフトに備え第4クラッチ24を開放し、さらに発電電動機29の回転数を調整して、第4クラッチ24と第4変速ギア段22の回転を同期係合させておく。
発電電動機29に負荷をかけたまま回転数を0にすると、第2中間軸15の回転が第2ギア8の回転と同期するので、図9に示すように第2クラッチ17を係合することができる。発電電動機29のトルクを0にすると、エンジン1の出力は第2中間軸15から直接第4変速ギア段22を通して出力軸18に出力されて4速走行状態になる。
以上のように本発明の第1の実施例の方法によれば、第1クラッチ16が係合したまま固着して開放不能になったとしても、発進時には2速発進するので駆動力が落ちるものの、1速から4速まで正常時と変わりなく変速して走行できるので、運休を回避することができ、交通機関の信頼性を損なうことが無い。
車速が上昇し1速走行車速に達すると、発電電動機29の回転数を0にすることで、第1中間軸14の回転数が第2中間軸15の回転数と等しくなり、第1クラッチ16が同期する。図13に示すように第1クラッチ16を係合させて、発電電動機29のトルクを0にすると、エンジン1の出力は直接第1変速ギア段19を通して出力軸18に出力されて1速走行状態になる。
発電電動機29の回転数を調整して、第4クラッチ24と第2変速ギア段20の回転を同期させると、図15に示すように第4クラッチ24を第2変速ギア段20側にシフトさせて係合することができる。発電電動機29のトルクを0にすると、エンジン1の出力は直接第2変速ギア段20を通して出力軸18に出力されて2速走行状態になる。
以上のように本発明の第2の実施例の方法によれば、第3クラッチ23が第1変速ギア段19側にシフトしたまま固着し開放不能になったとしても、正常の発進駆動力で発進でき、また3速には変速できないものの、1速から4速まで変速して走行できるので、車両の運休を回避できて、交通機関の信頼性を損なうことが無い。
発電電動機29に負荷をかけたまま回転数を調整すると、第2中間軸15の回転が第4変速ギア段22の回転と同期するので、図24に示すように第4変速ギア段22を係合することができ、発電電動機29のトルクを0にすると、エンジン1の出力は直接第4変速ギア段22を通して出力軸18に出力されて4速走行状態になる。
以上のように本発明の第3の実施例の方法によれば、第3クラッチ23が第3変速ギア段21側にシフトしたまま固着し開放不能になった場合には、発進時に3速で発進するので駆動力が小さくなり、また1速には変速できないものの、2速から4速までは通常通り変速して走行できるので、車両の運休を回避できて、交通機関の信頼性を損なうことが無い。
発電電動機29に負荷をかけたまま回転数を0にすると、第2中間軸15の回転を第1中間軸14の回転と同期させることができる。図29に示すように第2クラッチ17を係合して、発電電動機29のトルクを0にすると、エンジン1の出力は直接第2変速ギア段20を通して出力軸18に出力されて2速走行状態になる。
本実施例の方法によれば、第4クラッチ24が第2変速ギア段20側にシフトしたまま固着し開放不能になった場合には、発進時に2速で発進するので駆動力が小さくなり、また4速にはできないものの、1速から3速までは通常通り変速して走行できるので、車両の運休を回避できて、交通機関の信頼性を損なうことが無い。
この場合は4速が係合されているのでエンジンで発進するには4速発進を行う必要があり、ギア比が小さいので発進駆動力が小さくなってしまう。しかしこのシステムはハイブリッド駆動システムであるので、モータによる発進が可能である。
図34に停車状態からの発進方法を示す。停車状態において第4変速ギア段22が係合された状態において、第1変速ギア段19を係合して、発電電動機29の電動トルクを増加させると、電動トルクの一部は差動装置25から第1中間軸14を介して、第1変速ギア段19から出力軸18に伝達されると共に、電動トルクの残りは差動装置25から第2中間軸15を介して、第4変速ギア段22から出力軸18に出力されて発進する。第1中間軸14に伝えられるトルクをT1とすると、その反力が第2中間軸15に伝えられるので、第1変速ギア段19のギア比をG1、第4変速ギア段22のギア比をG4とすれば、出力軸トルクは、To=(G1−G4)T1 となり、差動装置25と出力軸18は、第1変速ギア段19と第4変速ギア段22のギア比の差で結合されていることになる。
発電電動機29の回転数を0にすると、第2クラッチ17が同期するので、図39に示すように第2クラッチ17を係合して、発電電動機29のトルクを0にすると、エンジン1の出力は直接、固着状態にある第4変速ギア段22を通して出力軸18に出力されて4速走行状態になる。
本実施例の方法によれば、第4クラッチ24が第4変速ギア段22側にシフトしたまま固着し開放不能になっても、モータ発進したのち1速、3速、4速と変速して走行できるので、運休を回避できて、交通機関の信頼性を損なうことが無い。
Claims (6)
- エンジン、該エンジンの出力が入力軸に入力される変速機、該変速機に接続された発電電動機、及び前記変速機の出力軸により駆動される車輪を備えており、前記変速機は、
前記変速機の前記入力軸と並列に設けられた第1中間軸及び第2中間軸、
前記入力軸に噛み合って設けられた入力ギア列、
前記入力ギア列と前記第1中間軸とを 選択的に連結する第1クラッチ、
前記入力ギア列と前記第2中間軸とを選択的に連結する第2クラッチ、
前記第1中間軸又は前記第2中間軸と前記出力軸との間に噛み合って設けられた複数組の変速ギア段、
前記第1中間軸又は前記第2中間軸と前記複数組の変速ギア段とを選択的に連結する複数の変速用クラッチ、及び
前記第1中間軸及び前記第2中間軸に接続されると共に前記両中間軸の回転数の差に応じた回転数で回転する回転部を備えた差動装置、を有しており、
前記発電電動機は、前記変速機の前記回転部に接続されていることから成る、
車両用動力伝達システムにおいて、
前記第1クラッチ、前記第2クラッチ、複数の前記変速用クラッチのいずれか一つが開放不能に陥った場合、前記エンジンの出力を締結可能な二つのクラッチを介して前記出力軸に伝達する
ことを特徴とする車両用動力伝達システムの制御方法。 - 請求項1記載の車両用動力伝達システムの制御方法において、
前記第1クラッチと前記第2クラッチのうち一方のクラッチが開放不能に陥った場合、前記車両が発進する発進過程又は前記変速ギア段切換えの変速過程において、開放不能に陥った前記一方のクラッチ、当該一方のクラッチに関連する前記第1中間軸と前記第2中間軸のうち一方の中間軸、及び前記差動装置を介して前記エンジンの出力を前記発電電動機に伝達するとともに、前記差動装置により前記発電電動機から他方の中間軸に伝達されるトルク反力を前記他方の中間軸に設けられた複数組の前記変速ギア段の一つを介して前記出力軸に伝達する
ことを特徴とする車両用動力伝達システムの制御方法。 - 請求項1記載の車両用動力伝達システムの制御方法において、
前記第1クラッチと前記第2クラッチのうち一方のクラッチが開放不能に陥った場合、前記車両が発進後又は前記変速ギア段切換え後において、前記エンジンの出力を、開放不能に陥った前記一方のクラッチ及び当該一方のクラッチに関連する前記第1中間軸と前記第2中間軸のうち一方の中間軸、又は開放可能な他方のクラッチ及び当該他方のクラッチに関連する前記第1中間軸と前記第2中間軸のうち他方の中間軸に伝達し、当該伝達されたトルクを当該一方の中間軸又は当該他方の中間軸に設けられた複数の前記変速ギア段の一つを介して前記出力軸に伝達する
ことを特徴とする車両用動力伝達システムの制御方法。 - 請求項1記載の車両用動力伝達システムの制御方法において、
前記変速クラッチの一つが開放不能に陥った場合、前記車両が発進する発進過程又は前記変速ギア段切換えの変速過程において、当該開放不能の変速クラッチが設置されている方の前記中間軸に設置されている前記第1クラッチ又は前記第2クラッチを開放すると共に、前記開放不能の変速クラッチが設置されていない方の前記中間軸に設置されている前記第1クラッチ又は前記第2クラッチを係合し、係合した当該クラッチと前記差動装置を介して前記エンジンの出力を前記発電電動機に伝達するとともに、前記差動装置により前記発電電動機からのトルク反力を前記開放不能の変速クラッチを介して前記出力軸に伝達する
ことを特徴とする車両用動力伝達システムの制御方法。 - 請求項1記載の車両用動力伝達システムの制御方法において、
前記変速クラッチの一つが開放不能に陥った場合、前記車両が発進後又は前記変速ギア段切換え後において、変速段が当該開放不能の変速クラッチが設置されている方の前記中間軸と前記出力軸との間に設けられた前記変速ギア段を用いないときには、当該開放不能の変速クラッチが設置されている方の前記中間軸に設置されている前記第1クラッチ又は前記第2クラッチを開放すると共に、前記開放不能の変速クラッチが設置されていない方の前記中間軸に設置されている前記第1クラッチ又は前記第2クラッチを係合し、前記開放不能の変速クラッチが設置されていない方の前記中間軸に設置されている変速クラッチを介して前記出力軸に伝達する
ことを特徴とする車両用動力伝達システムの制御方法。 - 請求項1記載の車両用動力伝達システムの制御方法において、
前記変速クラッチの一つが開放不能に陥った場合、前記車両が発進後又は前記変速ギア段切換え後において、変速段が当該開放不能の変速クラッチが設置されている方の前記中間軸と前記出力軸との間に設けられた前記変速ギア段を用いるときには、当該開放不能の変速クラッチが設置されている方の前記中間軸に設置されている前記第1クラッチ又は前記第2クラッチを係合し、前記開放不能の変速クラッチを介して前記出力軸に伝達する
ことを特徴とする車両用動力伝達システムの制御方法。
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