JP5587719B2 - 車両用動力伝達システムの制御方法及び装置 - Google Patents

車両用動力伝達システムの制御方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば内燃機関と電動機とを備えたハイブリッド車両のような車両に用いる変速機の変速制御に係り、特に電動機の回転出力を有段ギア変速機により変速させる車両用変速機の制御方法及び装置に関する。
従来、気動車の駆動システムとして、ディーゼルエンジンのような内燃機関の出力を、トルクコンバータ付の変速機に入力し、該変速機の出力をドライブシャフトにより車輪に伝達するシステムが周知である(例えば、特許文献3,4参照)。このような駆動システムに用いられる変速機は、変速ギア段を切り替えるために湿式多板クラッチを備えており、クラッチを滑らせることで変速時の回転数変化を吸収しながら、変速ギア段間においてギアからギアへエンジンの駆動力を移し変えるものである。湿式多板クラッチは、摩擦クラッチの一種であるので、変速時には回転数変化を吸収する際にすべりに基づく摩擦により発熱し、クラッチ開放時においてもクラッチ板の連れ回りによる損失がある。また、摩擦クラッチは温度による特性変化や、磨耗による経年変化の影響を受けやすいので、クラッチの制御にはこれらを補正するために学習補正等の複雑な制御を必要としている。
このような問題を解決するため、二つの中間軸を持つとともにこれらを接続する差動装置及び発電電動機を設けたブリッジ型変速機を用い、両中間軸に電動機から互いに逆向きのトルクを印加することで変速動作を行うと共に、加速アシスト・回生制動などのハイブリッド制御機能を有するアクティブシフト変速機が開発されている(特許文献1,2参照)。この変速機においては、摩擦クラッチの代わりに噛み合いクラッチが用いられており、変速時の回転数変化や駆動力の移し替えは電動機の制御により行われるので、摩擦発熱の無い高効率変速を行うことができるとともに、摩擦クラッチの磨耗に伴う経年変化や温度変化の影響を受けることを無くすることができる。
また、ディーゼル動車や軌道モータカーの動力伝達装置として、ディーゼルエンジンのような動力源からの動力が変速クラッチとトルクコンバータを介して歯車変速機に伝達されるものが用いられている(特許文献3、4参照)。トルクコンバータは、エンジンからの出力でインペラが回転し、エネルギーを得て高速で流動する油でタービンを回転させる無段変速機の一種であり、タービン回転数が小さいときに出力トルクが大きく、タービン回転数が大きくなるほど出力トルクが小さい、という鉄道車両の運転状況に適した特性を示す。トルクコンバータの出力側には、油圧クラッチと多段式の歯車変速機構とを組み合わせた変速機が接続されており、油圧クラッチの切換操作によって歯車変速段を選択することにより、車両の走行速度等の走行状況に併せた変速動作が行われている。
特開2005−76875号公報 WO01/66971 特開平03−363号公報 特開2006−321377号公報
アクティブシフト変速機は、噛合いクラッチで構成されているため、噛合いクラッチの開放を行うとき、電動機により噛合いクラッチに掛かるトルクをゼロに保つ必要がある。このときエンジントルクに見合った電動機トルクを発生させるのであるが、そのエンジントルクを算出するのに燃料噴射量から推定計算していた。エンジンのトルクを検出するトルクセンサは、従来、実用的なものが開発されていない。計測器用のトルクセンサを用いることが考えられるが、計測器用のものは耐久性に欠けるところがあり、また高価であってコスト高を招く。
そこで、エンジン出力及び電動機により変速動作を行う有段ギア変速機を備えた車両用動力伝達システムにおいて、噛合いクラッチに掛かるトルクをゼロ付近に保ち、速やかに噛み合いクラッチを開放する制御方式を確立する点で解決すべき課題がある。
本発明の目的は、低い精度でエンジントルクを計算したとしても、制御方式を工夫して確実に噛み合いクラッチを開放することにより、高価なトルクセンサを用いることなく安価で信頼性の高いシステムを提供することである。
上記課題を解決し、目的と達成するため、この発明による車両用動力伝達システムの制御装置は、エンジン、該エンジンの出力が入力軸に入力される変速機、該変速機に接続された発電電動機、及び前記変速機の出力軸により駆動される車輪を備えており、前記変速機は、前記変速機の前記入力軸と並列に設けられた第1中間軸及び第2中間軸、前記入力軸に噛み合って設けられた入力ギア列、前記入力ギア列と前記第1中間軸とを選択的に連結する第1クラッチ、前記入力ギア列と前記第2中間軸とを選択的に連結する第2クラッチ、前記第1中間軸又は前記第2中間軸と前記出力軸との間に噛み合って設けられた複数組の変速ギア段、前記第1中間軸又は前記第2中間軸と前記複数組の変速ギア段とを選択的に連結する複数の変速用クラッチ、及び前記第1中間軸及び前記第2中間軸に接続されると共に前記両中間軸の回転数の差に応じた回転数で回転する回転部を備えた差動装置、を有しており、前記発電電動機は、前記差動装置の前記回転部に接続されていることから成る、車両用動力伝達システムにおいて、前記第1クラッチ、前記第2クラッチ、複数の前記変速用クラッチのいずれかを開放する場合、当該する開放クラッチの噛合い部の位置を検出する位置検出部、該位置検出部の出力を微分する微分器と、該微分器出力を所定の負の値と比較する比較器とを有し、前記発電電動機のトルクと前記エンジンのトルクがバランスし、当該クラッチの伝達トルクがゼロ付近であるトルクバランス状態信号を出力するトルクバランス状態信号発生部と、前記トルクバランス状態信号がゼロ付近から外れた際、前記発電電動機に与えるトルク指令の変化率極性を反転させ、前記開放クラッチに掛かるトルクをゼロ付近に保つことにより、前記開放クラッチの抜きを容易にするようにしたことを特徴としている。
この発明による車両用動力伝達システムの制御によれば、前記発電電動機のトルクを、燃料噴射量から推定計算したエンジンのトルクに見合った値に向けて変化させ、その結果噛合いクラッチに掛かるトルクがゼロ付近になると、開放クラッチの位置が急速に移動する。その位置変化率が所定の値以上のときはバランストルク状態であると見做し、位置変化率が所定の値以下のときはバランストルクが崩れたと見做し、バランストルク状態から崩れたときには前記発電電動機のトルクの変化率を反転させて、再びバランストルク状態に戻すことで開放クラッチの位置変化を継続的に維持する。
本発明による車両用動力伝達システムの制御方法及び装置によれば、変速操作をするときに開放される開放クラッチの噛合い部の移動距離変化率に基づいて前記発電電動機のトルク変化率の正負極性を制御しているので、開放クラッチの噛合い部の実際の移動に対応して発電電動機のトルク増減の向きを制御して、噛合い部におけるバランストルク状態が維持されることになって、クラッチが確実に抜けるようになり、変速動作が速く乗り心地が向上する。またクラッチ動作の不良による運行の乱れがなくなり、交通機関としての信頼性を損なうことがなくなるので産業上極めて有益である。
本発明の制御に用いるアクティブシフト変速機の構成を示すスケルトン図及び制御システム図。 本発明の制御に用いるアクティブシフト変速機のクラッチの構成を示すスケルトン図及びそのスプライン構造説明図。 本発明の第1実施例における1速から2速への変速過程のトルク伝達経路、及び電動機トルクとクラッチ伝達トルクとの関係を示す説明図。 本発明の制御に用いるアクティブシフト変速機のクラッチのスプライン部の詳細を示す説明図。 本発明の制御に用いるアクティブシフト変速機のトルクフェーズにおけるクラッチ抜きの失敗例を示す動作波形説明図。 本発明の第1実施例におけるトルクフェーズにおけるクラッチ抜き制御を示す動作波形説明図。 本発明の第1実施例におけるトルクフェーズ制御のアルゴリズムを示すブロック図。
以下、添付図面を参照して、この発明による車両用動力伝達システムの制御の実施例を説明する。
本発明による車両用動力伝達システムの制御についての第1の実施例を図1〜図9を参照して説明する。まず、本車両用動力伝達システムに用いる変速機の構成を図1により説明する。図1は、本変速機を二つの中間軸を持つアクティブシフト変速機とするときの、当該アクティブシフト変速機の構成を模式的に示したスケルトン図である。エンジン1の出力軸は変速機2の入力軸3に接続されている。入力軸3には前進用ギア列4と後進用ギア列5が並列に配置されており、入力軸3が回転駆動されている状態では、両ギア列4,5は常に駆動されている。前進用ギア列4は、入力軸3に固着された入力ギア6、該入力ギア6と噛み合う第1ギア7及び第2ギア8を備えている。後進用ギア列5は、入力軸3に固定嵌合された入力ギア9、該入力ギア9にそれぞれ噛み合う同じ仕様の反転ギア10,11、該反転ギア10,11にそれぞれ噛み合う第3ギア12及び第4ギア13を備えている。
入力軸3に並行に、第1中間軸14と第2中間軸15とが配置されている。第1ギア7と第3ギア12とは第1中間軸14に相対回転可能に嵌合しており、第2ギア8と第4ギア13とは第2中間軸15に相対回転可能に嵌合している。第1中間軸14と第2中間軸15とには、前進用ギア列4と後進用ギア列5との間において、それぞれ、選択的に係合可能な第1クラッチ16と第2クラッチ17とが配設されている。第1クラッチ16及び第2クラッチ17は、それぞれの軸に設けられたスプライン上をシフトするスリーブの爪が前記第1ギア7〜第4ギア13に設けられた爪に噛み合うことで、係合/開放するものである。したがって、第1中間軸14には第1クラッチ16の選択的なシフトによって係合した側の第1ギア7又は12から前進回転又は後進回転が与えられ、第2中間軸15には第2クラッチ17の選択的なシフトによって係合した側の第2ギア8又は13から前進回転又は後進回転が与えられる。これらのクラッチスリーブは、クラッチアクチュエータ(ACT1〜ACT2)とリンク機構で結ばれ、係合する方向に推力を与えられる。
第1中間軸14と第2中間軸15と並行に、出力軸18が配置されている。第1中間軸14と出力軸18との間には第1変速ギア段19と第3変速ギア段21が配置されており、第2中間軸15と出力軸18との間には第2変速ギア段20と第4変速ギア段22が配置されている。各変速ギア段19〜22においては、予め定められた変速比で出力軸18に回転出力を生じさせるために、相異なるギア径(歯数)が定められている。また、各変速ギア段19〜22において、中間軸14、15上に配置されているギアは中間軸14,15に対して相対回転自在であるが、出力軸18に配置されているギアは出力軸18に固定嵌合されている。
第1中間軸14において、第1変速ギア段19と第3変速ギア段21との間には選択的に係合可能な第3クラッチ23が配設されている。また、第2中間軸15において、第2変速ギア段20と第4変速ギア段22との間には選択的に係合可能な第4クラッチ24が配設されている。第3クラッチ23及び第4クラッチ24は、それぞれの軸に設けられたスプライン上をシフトするスリーブの爪が第1〜第4変速ギアに設けられた爪に噛み合うことで、係合/開放する。これらのクラッチスリーブは、クラッチアクチュエータ(ACT3〜ACT4)とリンク機構で結ばれ、係合する方向に推力を与えられる。
上記の前後進用ギア列4,5及び変速ギア段19〜22の構成によって、第1クラッチ16を前進用ギア列4側にシフトした状態で、第3クラッチ23を第1変速ギア段19側にシフトしたときには、入力軸3の回転は第1中間軸14及び第1変速ギア段19を介して出力軸18に前進第1変速段で出力され、第3クラッチ23を第3変速ギア段21側にシフトしたときには、入力軸3の回転は第1中間軸14及び第3変速ギア段21を介して出力軸18に前進第3変速段で出力される。このとき、第2クラッチ17は中立位置に置かれる。また、第2クラッチ17を前進用ギア列8側にシフトした状態で、第4クラッチ24を第2変速ギア段20側にシフトしたときには、入力軸3の回転は第2中間軸15及び第2変速ギア段20を介して出力軸18に前進第2変速段で出力され、第4クラッチ24を第4変速ギア段22側にシフトしたときには、入力軸3の回転は第2中間軸15及び第4変速ギア段22を介して出力軸18に前進第4変速段で出力される。このとき、第1クラッチ16は中立位置に置かれる。
第1クラッチ16又は第2クラッチ17を後進用ギア列5に係合した場合は、それぞれ後進方向に各変速段で出力される。このように、第1クラッチ16又は第2クラッチ17を前進用ギア列4側或いは後進用ギア列5側との係合を切り換えることで、車両には、前進・後進のいずれの進行方向にも同じ段数の変速段を与えることができる。
なお、本実施例では後進用ギア列5を入力軸3に設けたが、前後進切替を出力軸18の後で行うことも当然可能であり、その場合は入力軸3に設けられるのは前進用ギア列4のみであるが、前進用ギア列4と呼ぶ代わりに入力ギア列4と呼ぶものとする。
第2中間軸15の端部には差動装置25が配設されており、差動装置25のリングギア26と噛み合う取り出しギア27の取り出し軸28は発電電動機29に接続されている。第1中間軸14と差動装置25との間には接続ギア列30が配設され、差動装置25のリングギア26の回転数(リングギア回転数)が、第1中間軸14の回転数と第2中間軸15の回転数の差の2分の1となるように接続されている。
このような構造の変速機に対して、変速制御装置が設けられており、クラッチアクチュエータ(ACT1〜ACT4)への動作指令を発生すると共に、発電電動機29及びエンジンに対してそれぞれトルク指令を発生する。
図1の変速機における噛合いクラッチの構造を図2に示す。第1クラッチ16及び第2クラッチ17、第3クラッチ23及び第4クラッチ24はいずれも同じ構造であるので、第1クラッチ16を例に説明する。図2(a)は第1クラッチ16のスケルトンを示し、図2(b)はその断面を示す。
第1中間軸14に設けられた中心スプライン31の周りに、スリーブ32が摺動自在に嵌合されている。スリーブ32の外周には噛合い爪が設けられ、ギア7の端部33に対向して設けられた爪に摺動自在に噛み合っている。クラッチアクチュエータACT1によりスリーブ32を摺動させ、ギア7の端部33の内側に潜り込ませると、内外周のスプラインが噛み合って結合する。
図2における噛合い爪33はスプライン構造であるが、スリーブ32の端面にブロック爪を設けたいわゆる爪クラッチとしてもよい。なお、第1クラッチ16においては、スリーブ32は、第3ギア12の端部33に対向して設けられた爪に対しても、第1ギア7の場合と同様に、摺動自在に噛み合っている。
変速動作の一例として、1→2アップシフトのプロセスを図3を参照して説明する。1速走行中は、第1クラッチ16が第1ギア7と嵌合し、第3クラッチ23が第1変速ギア段19と嵌合しているので、エンジンの動力が図3(a)の点線矢印で示す経路で伝達されている。
1→2アップシフトするためには、予め第2クラッチ17を第2ギア8と嵌合させておく。1→2変速すべき車速に達したとき、発電電動機29の発生トルクを増加させると、破線矢印で示すようにエンジンから第2クラッチ17を伝達するトルクTc2が、差動装置25を介して第1中間軸15に伝達され、その分第1クラッチ16を伝達するトルクTc1が減少する。エンジントルクを第1クラッチ16から第2クラッチ17に遷移させるので、これをトルクフェーズと言う。第2クラッチ17を伝達するトルクTc2がエンジンの発生トルクと等しくなるまで発電電動機29の発生トルクを増加させると、図3(b)に示すように第1クラッチ16を伝達するトルクTc1がゼロに近い値ΔT+より小さくなり、第1クラッチ16を開放することができる。
しかしながら、発電電動機29の発生トルクを増加させ過ぎると、第1クラッチ16を
伝達するトルクTc1が図3(b)に細い破線で示すように負の方向にΔT−より大きくなり、再び第1クラッチ16が抜けなくなる。したがって第1クラッチ16を伝達するトルクTc1をΔT+からΔT−の間に保つことが重要である。
スプライン噛合いのさらに詳しい説明を図4に基づいて行う。スプラインは適度な隙間がないと摺動できない。例えば、図4においては、スリーブ32と第1ギア7の端部33とのスプライン間には200μmの隙間を設けてある。変速プロセスにおいて、発電電動機29の発生トルクを増加させ、第1クラッチ16を伝達するトルクTc1がΔT+より小さくなると、図4(b)に示すようにスリーブ32のスプラインと第1ギア7の端部33のスプラインの接触が緩み、速やかに摺動して噛合いが開放される。しかし、発電電動機29の発生トルクが大き過ぎたり小さ過ぎたりした場合、図4(a)又は(c)のように両方のスプラインが強い圧力で接触してトルクが伝達された状態になる。このトルクがΔT+より大きい、あるいは負の方向にΔT−より大きいとスプラインを開放することはできない。クラッチアクチュエータACT1の推力が大きければ多少の残留トルクならば噛合いは開放されるが、スプラインの側面を無理に擦ることになり好ましくない。
第1クラッチ16を開放した後、発電電動機29の発生トルクを保ったまま回転数を増加させる。これはいわゆるイナーシャフェーズと言われるものである。第2中間軸15の回転が第2ギア20の回転と同期すると、第4クラッチ24を2速に係合することができる。その後発電電動機29のトルクをゼロにすると、エンジン1の出力は第2クラッチ17から直接第2変速ギア段20を通して出力軸18に出力されて2速走行状態になる。
2→3変速及び3→4変速においても同様にして、第1クラッチ16又は第2クラッチ17に伝達するトルクをΔT+からΔT−の間に保つように発電電動機29のトルクを調整して、噛合いクラッチのスプラインの接触を緩めて、速やかに摺動させて変速させる。
このようにスムーズに変速させるためには、第1クラッチ16又は第2クラッチ17に伝達するトルクが、エンジンの発生トルクと等しくなるまで発電電動機29の発生トルクを調整する必要があるが、エンジンの発生トルクを検出するセンサは、安価で実用的なものが無いのが実情である。このため、エンジンの燃料噴射量から発生トルクを計算して、これを目標値として発電電動機29の発生トルクを調整することが行われていたが、この方法は計算誤差が大きく、第1クラッチ16又は第2クラッチ17に伝達するトルクをΔT+からΔT−の間に保つように発電電動機29のトルクを調整することが困難であり、噛合いクラッチのスプラインを速やかに摺動できないことがあった。
そこで、本発明による車両用動力伝達システムの制御では、変速機の変速制御において、計算誤差が大きくても噛合いクラッチのスプラインを速やかに摺動させることを可能にする制御アルゴリズムを提供する。
図5は、実際の変速機でクラッチが抜けなかった場合のオシログラムの例である。電動機トルクを上げて、第2クラッチ17に伝達するトルクTc2をエンジンの発生トルクと等しくするバランストルクに達すると、スリーブが抜け始めて噛合い位置から開放位置に向かって急激に移動するのが判る。電動機トルクをバランストルクに保っていればスリーブは抜けるが、この例の場合は電動機トルクが下がったので、スプラインの接触が固くなってスリーブ位置がほとんど変化しなくなってしまい、エラー検出で強制開放された。
エンジンの燃料噴射量から計算したエンジン発生トルクと第2クラッチ17に伝達するトルクを等しくなるように、即ち第1クラッチ16を伝達するトルクTc1がほぼゼロ(ΔT+からΔT−の間)になるように、電動機トルクを調整すれば、スリーブ位置が急激に移動することが、このオシログラムから解る。この状態を保つように電動機トルクを追従制御すれば、スプラインの接触が緩く保たれて、速やかに摺動させることができる。
この方法を応用してトルクフェーズ制御を行う本実施例の動作を、図6の波形を用いて説明する。時刻t1から第1クラッチアクチュエータACT1を励磁して、クラッチに抜き推力を与えながら電動機トルクTmを増加させると、第1クラッチ16を伝達するトルクTc1が減少し、時刻t2で第1クラッチ16を伝達するトルクTc1がΔT+以下になり、第1クラッチ16が抜け始めて第1クラッチ位置信号L1が急速に低下する。この第1クラッチ位置信号の変化率絶対値が所定の値より大きくなる時刻t2’でトルクバランス状態信号Btを発生させる。
電動機トルクTmを増加させ続けると第1クラッチ16を伝達するトルクTc1は負の方向に転じて、時刻t3にはΔT−に達する。そうすると図4(c)に示したように、スプラインが反対方向に押し付けられるので抜けにくくなり、第1クラッチ位置信号の変化率絶対値が所定の値より小さくなる時刻t3’においてトルクバランス状態信号Btがゼロになる。そこでこのトルクバランス状態信号Btの立下りを検出して、電動機のトルク変化率指令信号Ptを反転させると、電動機トルクTmが減少に転じる。そうすると第1クラッチ16を伝達するトルクTc1は増加し始め、時刻t4にはΔT−より大きくなり、再びスプラインは図4(b)の状態になるので、第1クラッチ16が抜け始めて第1クラッチ位置信号L1が急速に低下する。したがって第1クラッチ位置信号L1の変化率絶対値が所定の値より大きくなる時刻t4’でトルクバランス信号Btが再度立ち上がる。
その後、時刻t5になると第1クラッチ16を伝達するトルクTc1がΔT+より大きくなるので、スプラインが再度図4(a)の状態になって、クラッチが抜けにくくなり、第1クラッチ位置信号L1の変化率絶対値が所定の値より小さくなる時刻t5’において、トルクバランス状態信号Btが再びゼロになる。このトルクバランス状態信号Btの立下りを検出して、電動機のトルク変化率指令信号Ptを反転させ、電動機トルクTmを増加に転じると、時刻t6で第1クラッチを伝達するトルクTc1がΔT+以下になって、第1クラッチ16がまた抜け始める。時刻t7で第1クラッチ位置信号L1がゼロになると、第1クラッチ16が開放されたと判断し、トルクフェーズを終了して次のイナーシャフェーズ制御に移ることができる。
このようなトルクフェーズ制御を実現するアルゴリズムの一例を図7のブロック図に示す。第1中間軸14に設けたスプライン31に摺動自在に嵌合されたスリーブ32は、第一クラッチアクチュエータACT1により軸方向に移動させられる。このスリーブ32の位置を検出するポテンショメータ34が設けられ、その出力である第1クラッチ位置信号L1が微分器35に入力される。微分器35の出力は第1クラッチ位置信号L1の変化率を表すので、微分器35の出力を比較器36で負の設定値−cと比較することで、第1クラッチ位置が急速に減少していることを検出でき、これは電動機トルクTmがエンジントルクとバランスして、第1クラッチ伝達トルクTc1がゼロ付近にあることを意味する。したがって比較器36の出力をトルクバランス状態信号Btとする。
トルクバランス状態信号Btの立下りを検出する立下り検出器37の出力は、第1クラッチ伝達トルクTc1がゼロ付近(ΔT−〜ΔT+の範囲)から外れたことを意味するので、このままではトルクバランス状態を保つことができない。そこで立下り検出器37の出力によりトルク変化率指令信号Ptの極性を反転させ、電動機トルクTmの変化の向きを反転させる必要がある。そのため立下り検出器37の出力をトルク変化率指令信号発生器38に入力し、その出力であるトルク変化率指令信号Ptを電動機トルク指令器39に入力して電動機トルクTmを発生させる。これをインバータ40に与えると、電動機29のトルクTmを調整して再び第1クラッチ伝達トルクTc1をゼロ付近に戻して、トルクバランス状態を保つことが出来る。
このように本実施例の方法によれば、クラッチの動きを直接見ながら制御するので、たとえエンジントルクの推定計算が狂ったとしても、クラッチトルクをゼロ付近に保って速やかにクラッチを抜くことが出来る。したがって変速動作が速くなって乗り心地が向上するとともに、クラッチが抜けないことによる無駄な停車や列車遅延が生じることなく、交通機関としての信頼性を損なうことがなくなるので産業上極めて有益である。
本発明は軌条車両に適用する場合について説明したが、同様のアクティブシフト変速機を用いるハイブリッドシステムの場合も含めて、軌条車両に限定されるものではなく、自動車あるいは産業用車両に適用するときにも同様に実施することができる。
1:エンジン 2:変速機
3:入力軸 4:前進用ギア列
5:後進用ギア列
14:第1中間軸 15:第2中間軸
16:第1クラッチ 17:第2クラッチ
18:出力軸
19〜22:変速ギア段 23〜24:変速用クラッチ
25:差動装置 29:発電電動機
34:クラッチ噛合い部位置検出部 35:微分器
36:バランス信号発生部 37:バランス信号立下り検出部
38:トルク変化率指令信号発生部 39:電動機トルク指令部
40:インバータ

Claims (2)

  1. エンジン、該エンジンの出力が入力軸に入力される変速機、該変速機に接続された発電電動機、及び前記変速機の出力軸により駆動される車輪を備えており、
    前記変速機は、
    前記変速機の前記入力軸と並列に設けられた第1中間軸及び第2中間軸、
    前記入力軸に噛み合って設けられた入力ギア列、
    前記入力ギア列と前記第1中間軸とを選択的に連結する第1クラッチ、
    前記入力ギア列と前記第2中間軸とを選択的に連結する第2クラッチ、
    前記第1中間軸又は前記第2中間軸と前記出力軸との間に噛み合って設けられた複数組の変速ギア段、
    前記第1中間軸又は前記第2中間軸と前記複数組の変速ギア段とを選択的に連結する複数の変速用クラッチ、及び
    前記第1中間軸及び前記第2中間軸に接続されると共に前記両中間軸の回転数の差に応じた回転数で回転する回転部を備えた差動装置、を有しており、
    前記発電電動機は、前記差動装置の前記回転部に接続されていることから成る、
    車両用動力伝達システムにおいて、
    前記第1クラッチ、前記第2クラッチ、複数の前記変速用クラッチのいずれかを開放する場合、当該開放クラッチの噛合い部の位置を検出する位置検出部、該位置検出部の出力を微分する微分器と、該微分器出力を所定の負の値と比較する比較器とを有し、前記発電電動機のトルクと前記エンジンのトルクがバランスし、当該クラッチの伝達トルクがゼロ付近であるトルクバランス状態信号を出力するトルクバランス状態信号発生部と、
    前記トルクバランス状態信号がゼロ付近から外れた際、前記発電電動機に与えるトルク指令の変化率極性を反転させ、前記開放クラッチに掛かるトルクをゼロ付近に保つことにより、前記開放クラッチの抜きを容易にするようにしたこと、
    を特徴とする車両用動力伝達システムの制御装置。
  2. 請求項記載の車両用動力伝達システムの制御装置において、
    前記トルクバランス状態信号発生部の出力に基づいて前記発電電動機に与えるトルク指令の変化率極性を決めるトルク変化率指令信号発生部、該トルク変化率指令信号発生部の出力に基づき前記発電電動機のトルク指令を発生する電動機トルク指令部、及び該電動機トルク指令部の出力に応じて前記発電電動機の電流を制御するインバータ、を備えること、
    を特徴とする車両用動力伝達システムの制御装置。
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