JP2010138522A - 柔軟剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維製品に対する洗浄水や濯ぎ水の量が少なく、濯ぎが十分に行われない状態であっても優れた柔軟効果を付与できる柔軟剤組成物を提供する。
【解決手段】特定の3級アミン又はその酸塩及び4級アンモニウム塩から選ばれる1種以上の化合物と、無機カルシウム塩及び無機マグネシウム塩から選択される1種類以上の無機金属塩とを、特定の質量比で含有する柔軟剤組成物を、水と陰イオン界面活性剤を所定濃度で含有する処理媒体中で用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、衣料などの繊維製品に有用な柔軟剤組成物に関し、更に詳しくは、柔軟性に優れた柔軟剤組成物に関する。
衣類等の繊維製品の柔軟化処理に用いられる柔軟剤組成物に滑り性、溶解性の向上(特許文献1)、透明な外観維持、粘度・弾性低下(特許文献2)といった目的で比較的多量の無機塩を配合するというのは公知である。
特開2007−321271号公報 特開2006−200123号公報
一般家庭で行なわれる衣料等繊維製品の洗濯は、汚れを繊維製品から引き離す洗浄工程と、水中に引き離された汚れを濯いで分離する濯ぎ工程、更に乾燥工程からなる。一般に柔軟剤は、濯ぎ工程で濯ぎ水に添加して用いられる事が多い。一方、洗浄工程では、洗浄剤として、陰イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤が用いられる。
近年、省資源/省エネルギーの観点から、一般家庭の洗濯においては洗浄や濯ぎに用いる水の量を減少させる傾向が強く、特に一般家庭で増加しているドラム式洗濯機は使用する水の量を少なくする設計を行なっている事から、洗浄工程や濯ぎ工程において、濯ぎが充分でない状態になる場合がある。このような不充分な濯ぎの状態では、洗浄工程で用いた界面活性剤の残留量が多く後の濯ぎ工程に持ち越されてしまう事になる。その結果、特に洗浄剤として用いられる事が多い陰イオン性界面活性剤が多く残留する場合、主に陽イオン性である柔軟基剤は、繊維製品への吸着が阻害され充分な柔軟効果を発現することができないという課題が生じる。
従って本発明の課題は、繊維製品に対する洗浄水や濯ぎ水の量が少なく、濯ぎが十分に行われない状態であっても優れた柔軟効果を付与できる柔軟剤組成物を提供することにある。
本発明は、陰イオン界面活性剤を含有する洗浄剤により繊維製品を洗浄する工程を含む洗濯工程で用いられる柔軟剤組成物であって、下記(a)成分及び(b)成分を含有し、(a)成分と(b)成分の質量比が(a)成分/(b)成分=1/15〜1/2である柔軟剤組成物に関する。
(a)成分:下記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物から選択される1種類以上の化合物。
Figure 2010138522
〔一般式(1)及び一般式(2)中、R1はエステル基及び/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数12〜28の炭化水素基である。R2及びR3は、それぞれ独立に、エステル基及び/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数12〜28の炭化水素基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜3のアルキル基である。R4は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。X-は、陰イオン基である。〕
(b)成分:無機カルシウム塩、及び無機マグネシウム塩から選択される1種類以上の無機金属塩
また、本発明は、5〜120ppmの陰イオン界面活性剤を含む洗濯濯ぎ水に上記本発明の柔軟剤組成物を添加して調製した濯ぎ水により繊維製品の柔軟化処理を行う、柔軟化処理方法であって、濯ぎ水中に(a)成分が20〜150ppm、(b)成分がカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンとして15〜800ppmとなるように前記柔軟剤組成物を添加する、繊維製品の柔軟化処理方法に関する。
本発明によれば、濯ぎ水に陰イオン界面活性剤等の洗浄剤成分が残存するような洗濯条件での処理でも、優れた柔軟効果を繊維製品に付与できる柔軟剤組成物及びこれを用いた繊維製品の柔軟化処理方法が提供される。
<(a)成分>
(a)成分は、前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物である。
一般式(1)および一般式(2)中、R1はエステル基および/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数12〜28、柔軟性向上の観点から、好ましくは14〜26、更に好ましくは16〜22の炭化水素基であり、炭化水素基は飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基である。R2およびR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、好ましくはヒドロキシエチル基、炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくはメチル基、エチル基、又は、エステル基および/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数12〜28、柔軟性向上の観点から、好ましくは14〜26、更に好ましくは16〜22の炭化水素基であり、炭化水素基は飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基である。R4は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。X-はハロゲンイオン、硫酸イオン、炭素数1〜12の脂肪酸又は炭素数1〜3のアルキル硫酸イオン等が挙げられ、ハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸イオンが好ましい。又、柔軟効果の観点から、R1、R2及びR3は、好ましくはエステル基及び/又はアミド基で分断されている炭化水素基であり、特に好ましくはエステル基及び/又はアミド基で分断されている炭化水素基である。
本発明の(a)成分のうち、一般式(1)で表される化合物は、上記一般式(2)で表される化合物を、アルキル化剤を用いて4級化反応させることにより製造することができる。一般式(2)で表される化合物は、R1、R2及びR3が上記のような好ましい組成を有するように、脂肪酸又は脂肪酸低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜3)エステルの炭化水素基の組成を選択し、かかる組成を有するような特定モル数の原料脂肪酸又は脂肪酸低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜3)エステルと対応するアルカノールアミンとを、脱水エステル化反応又はエステル交換反応させることにより製造することができる。
上記アルカノールアミンとしては、ジアルキルモノアルカノールアミン(好ましくはジメチルモノエタノールアミンもしくはジメチルモノプロパノールアミン)、モノアルキルジアルカノールアミン(好ましくはメチルジエタノールアミンもしくはメチルジプロパノールアミン)、またはトリアルカノールアミン(好ましくはトリエタノールアミンもしくはトリプロパノールアミン)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいアルカノールアミンは、トリアルカノールアミンである。
上記の好ましい炭化水素組成を有する脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルを得るためには、通常油脂便覧等で知られているような脂肪酸を用いるだけでは達成できず、不飽和結合の異性化反応、あるいはそれらの脂肪酸の混合により得ることが出来る。
また、原料脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステル中の、二重結合を2個以上有する不飽和炭化水素基の含有量を制御するため、例えば特開平4−306296号公報に記載されているような晶析、特開平6−41578号公報に記載されているようなメチルエステルを減圧蒸留する方法、特開平8−99036号公報に記載されているような選択水素化反応などを行うことができる。
エステル化反応又はエステル交換反応において、脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルとアルカノールアミンのヒドロキシ基とのモル比は、0.3:1.0〜1.2:1.0が好ましく、0.5:1.0〜1.0:1.0がより好ましい。
一般式(2)で表される化合物の4級化反応に用いられるアルキル化剤としては、ジアルキル硫酸(アルキル基の炭素数1〜3)、ハロゲン化アルキル(アルキル基の炭素数1〜3)等が挙げられる。
また、アルキル化剤を用いた4級化反応は、溶媒存在下(例えば、エタノール)でも合成できるが、不純物の生成を抑える観点から、無溶媒下で合成するのがより好ましい。
なお、一般式(2)の化合物を単独で用いる場合、R1がエステル基及び/又はアミド基で分断されている総炭素数12〜28の炭化水素基であり、R2及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜3のアルキル基である化合物が好ましい。その際、一般式(2)中、R1が示す基は、
(イ)エステル基もしくはアミド基で分断されている総炭素数12〜28の飽和炭化水素基
(ロ)エステル基もしくはアミド基で分断されている総炭素数12〜28の不飽和炭化水素基
の何れかである。
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、無機カルシウム塩、及び無機マグネシウム塩から選択される1種類以上の無機金属塩であり、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる1種以上のイオンの濯ぎ水等への供給源である。カルシウムイオン、マグネシウムイオンは水道水中の硬度成分として供給されてもよいが、本発明では水道水で柔軟処理をしても柔軟性が発現されないほどの陰イオン界面活性剤が濯ぎ浴中に存在する場合に有効であり、水道水中に含まれる以上の硬度成分を濯ぎ浴中に存在させると柔軟効果が発現するというものである。(b)成分は、本発明の柔軟剤組成物が一般家庭で行なわれる衣料等繊維製品の洗濯における、濯ぎ工程で用いられることから、水溶性無機金属塩が好ましく、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。中でも、水溶性カルシウム塩及び/又は水溶性マグネシウム塩、更には塩化カルシウム及び/又は塩化マグネシウムが好ましい。
(b)成分を濯ぎ水に添加するにあたっては、水道水や地下水といった濯ぎ水に用いる水の硬度成分が地域、環境、季節によって異なることが知られていることから、本発明では好ましい柔軟効果を発揮するためには、濯ぎ水中の硬度成分を補完するために、濯ぎ水中に(b)成分を添加し、硬度成分と併せてカルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度を調整してもよい。(b)成分の添加にあたり、(b)成分の形態は一般的に入手できるものであれば特に限定されるものではないが、粉末状、ペレット状、或いは、予め、水に溶解された水溶液が挙げられる。速やかに均一溶解させる為に粉末状、水溶液が好ましい。
<柔軟剤組成物>
本発明の柔軟剤組成物は、界面活性剤、特に陰イオン性界面活性剤存在下での柔軟効果向上の観点から、(a)成分と(b)成分の質量比が(a)成分/(b)成分=1/15〜1/2である。好ましくは(a)成分/(b)成分=1/15〜1/3、より好ましくは1/15〜1/4、更に好ましくは1/15〜1/6である。
上記質量比を満たした上で、本発明の柔軟剤組成物は、(a)成分を2.5〜33質量%、更に2.5〜20質量%、特に2.5〜15質量%含有することが好ましい。
上記質量比を満たした上で、本発明の柔軟剤組成物は、(b)成分を15〜60質量%、より好ましくは20〜60質量%、更に好ましくは30〜60質量%、特に好ましくは40〜60質量%含有すること。
本発明の柔軟剤組成物は、上記(a)成分、(b)成分以外の成分を含有することができる。例えば、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどのlogPが−0.5〜1.5の有機溶剤が挙げられる。その含有量は5〜30質量%であり、好ましくは8〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%である。他には、非イオン界面活性剤を含有することができる。具体的には炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。さらにその含有量は5〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、更に好ましくは5〜10質量%である。
本発明の柔軟剤組成物は、陰イオン界面活性剤を含有する洗浄剤により繊維製品を洗浄する工程を含む洗濯工程で用いられる。例えば、本発明の柔軟剤組成物は通常の柔軟剤組成物と同様、洗浄剤による洗浄処理が終了した後、水を含む処理媒体で繊維製品を濯ぐ際、当該処理媒体(濯ぎ水)中に存在させて繊維製品の柔軟化処理に用いられる。本発明の柔軟剤組成物は、水と、陰イオン界面活性剤を、好ましくは5〜120ppmの濃度で、含有する水性媒体(例えば、洗濯濯ぎ水)で用いられることが好ましい。
<繊維製品の柔軟化処理方法>
本発明では、5〜120ppmの陰イオン界面活性剤を含む洗濯濯ぎ水に、本発明の柔軟剤組成物を添加して調製した、処理媒体である濯ぎ水により繊維製品の柔軟化処理を行う。その際、濯ぎ水中に(a)成分が20ppm〜150ppm、(b)成分がカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンとして15〜800ppmとなるように前記柔軟剤組成物を添加する。
柔軟剤を一般の家庭における洗濯で用いる場合、濯ぎ水に柔軟剤を添加して、濯ぎ処理を行うと同時に柔軟処理を行うのが一般的である。本発明の柔軟剤組成物もこれに準じて使用することができる。柔軟性は陽イオン性の柔軟基剤が浴中で負に帯電した繊維に静電的に吸着することで発現する。省資源や省エネルギーの観点から、近年、衣類等の繊維製品に対して洗浄水及び濯ぎ水の質量比が低い条件での洗浄や濯ぎが行われている。このような場合には濯ぎ水に洗浄成分が残留する(濯ぎ水として供給した水に洗濯物等から移行する洗浄成分の量が増える)場合が多く、特に洗浄剤(中でも洗濯用洗剤)の主要成分である陰イオン界面活性剤が存在した場合には、濯ぎ水に柔軟剤を添加して柔軟化処理を行っても期待される効果を十分に得ることができない。これは濯ぎ浴中で陰イオン界面活性剤と柔軟成分である陽イオン界面活性剤が静電的に相互作用し、柔軟成分が電荷を失い、浴中で負に帯電した繊維に吸着できなくなるためである。
本発明では、濯ぎ浴中に特定の金属イオンを存在させることで、このような濯ぎの悪い状態においても優れた柔軟効果を得ることができる。これは、濯ぎ浴中に陰イオン性界面活性剤と陽イオン界面活性剤〔(a)成分〕よりも相互作用しやすい金属イオンを陰イオン性界面活性剤の陰イオンモル数と同等以上存在させることで、陰イオン界面活性剤と陽イオン界面活性剤〔(a)成分〕との相互作用を抑制し、陽イオン界面活性剤の電荷を保護することができるためと考えられる。よって市販の柔軟剤では柔軟性能が発現しない濯ぎ浴中においても、本発明の柔軟剤組成物は柔軟性能が発現できたものと考えられる。
本発明ではこのような濯ぎの悪い状態においても優れた柔軟効果を得る方法を提供する。本発明の繊維製品の柔軟化処理方法は、界面活性剤、特に陰イオン界面活性剤を含有する洗浄剤で洗浄された繊維製品を対象とすることができ、一般家庭での洗濯において実施することができる。更に、本発明の繊維製品の柔軟化処理方法は、ドラム型洗濯機を用いて行なう、柔軟化処理に好適であり、ドラム型洗濯機を用いて洗浄及び濯ぎを行う洗濯方法の濯ぎの際に実施することができる。
本発明の繊維製品の柔軟化処理方法では、濯ぎ水中の陰イオン界面活性剤濃度が5〜120ppmである場合に特に効果を発現する。この濃度は、濯ぎ工程の開始の時点の濃度であり、通常、本発明の柔軟剤組成物を添加する前の濃度である。陰イオン界面活性剤は、洗浄剤として一般的に用いられるアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、特に炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸及び/又はその塩が挙げられる。
濯ぎ水中の(a)成分の濃度は20ppm〜150ppm、(b)成分の濃度はカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンとして15ppm〜800ppmである。この濃度となるように本発明の柔軟剤組成物を濯ぎ水に添加する。(a)成分の濃度は20〜150ppm、更に50〜150ppm、特に100〜150ppmが好ましい。また、(b)成分の濃度はカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオン15〜800ppm、更に100〜800ppm、特に130〜800ppmが好ましい。カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの濃度が800ppmを超える場合には、カルシウム塩やマグネシウム塩が析出して繊維製品又は洗濯機等への付着などが起こる場合がある。従って、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの濃度は800ppmを超えない事が好ましい。本発明では、このような濯ぎ水を用いて繊維製品を濯ぎ処理する。濯ぎ工程の少なくとも開始の時点でこれらの濃度となっていればよい。また、濯ぎ工程を複数行う場合、少なくとも1つの濯ぎ工程で、(a)成分、(b)成分をこれら所定の濃度で含有する濯ぎ水を用いればよい。なお、濯ぎ水中のカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの濃度は、EDTAを用いたキレート滴定法により測定できる。
本発明の繊維製品の柔軟化処理方法は、繊維製品の洗濯工程に組み込んで実施できる。実際の洗濯工程を例に取ると、(1)陰イオン界面活性剤を含有する洗浄水を用いて、洗濯機中で繊維製品を洗浄し、(2)洗浄水の排出(排水、脱水)後、洗濯機に水を注水し、(3)本発明の柔軟剤組成物を(a)成分、(b)成分の濃度が所定濃度となるように濯ぎ浴中に添加し、(5)(a)成分、(b)成分を含有する濯ぎ水にて繊維製品の濯ぎを行う、方法が挙げられる。本発明では、濯ぎ水中の陰イオン界面活性剤濃度が、該濯ぎ水が繊維製品と接触した後、(a)成分、(b)成分が前記範囲の濃度で存在する前の段階で、5〜120であり、好ましくは5〜100ppm、より好ましくは10〜80ppm、更に好ましくは10〜60ppm、特に好ましくは10〜50ppmである。なお、この陰イオン界面活性剤濃度は、濯ぎ浴(濯ぎ浴は、洗浄後の繊維製品と水とを含んで構成される)を用いる場合は、(a)成分、(b)成分を所定濃度で存在させる前の濯ぎ浴中の水部分の濃度として容易に測定できる。
(a)成分、(b)成分を含有する濯ぎ水による処理の際には、繊維製品と該濯ぎ水の質量比は、繊維製品/濯ぎ水=1/3〜1/30であり、より好ましくは1/3〜1/15、更に好ましくは1/5〜1/15である。(浴比として3〜30、更に3〜15が好ましく、更に5〜15がより好ましい。)
濯ぎ工程を経て処理された繊維製品は、脱水/自然乾燥又は加熱乾燥することができる。本発明の対象となる繊維製品としては、布帛等を用いた衣類、タオル、シーツ、寝具等が挙げられる。
本発明は、水と陰イオン界面活性剤とを含有する洗浄水を用いて、繊維製品を、好ましくは繊維製品/洗浄水=1/3〜1/15の質量比で、洗浄する洗浄工程と、洗浄工程の後の繊維製品を、好ましくは繊維製品/濯ぎ水=1/3〜1/15の質量比で、濯ぐ濯ぎ工程とを有する繊維製品の洗濯方法であって、濯ぎ工程の少なくとも一部で、5〜120ppmの陰イオン界面活性剤を含む濯ぎ水中に(a)成分を20ppm〜150ppm、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを15ppm〜800ppmの濃度で存在させて繊維製品に柔軟化処理する、繊維製品の洗濯方法として実施できる。
本発明によれば、繊維製品を、(a)成分を20ppm〜150ppm、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを15〜800ppmの濃度で含有する処理媒体に浸漬して繊維製品を柔軟化処理する繊維製品の柔軟化方法であって、好ましくは繊維製品と処理媒体の質量比が繊維製品/処理媒体で1/3〜1/15である、繊維製品の柔軟化方法が提供される。かかる処理媒体は陰イオン界面活性剤濃度が5〜120ppmであってもよい。
以下に、(a)成分の合成例を示す。
(合成例1)
ステアリン酸とパルミチン酸を6/4のモル比で混合した脂肪酸とN−(3−アルカノイルアミノプロピル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアミンを1.8/1のモル比で混合し、定法に従って脱水縮合を行った。酸価が9になった時点で反応を止め、縮合物を得た。この縮合物の全アミン価を測定した。この縮合物を70℃に加温し、溶融させた。この縮合物に対して質量で9倍量のイオン交換水(65℃)を加え、攪拌しながら、全アミン価を元に算出した、中和に必要な35%塩酸水溶液を滴下しながら、水中で中和し、10分攪拌した後、30℃に冷却した。次に、この化合物を凍結乾燥し目的のアミン塩化合物を得た。
(合成例2)
ヨウ素価90gI2/100g、酸価201mgKOH/gのナタネ油由来の原料脂肪酸とトリエタノールアミンとを反応モル比1.85/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で定法に従って脱水縮合反応を行い、縮合物を得た。次に、溶媒不在下で、この縮合物に対してジメチル硫酸を0.95当量用い、定法にて4級化を行った後、エタノールで90%に希釈することにより、目的の第4級アンモニウム塩混合物を得た。
実施例で用いた柔軟剤組成物の配合成分を以下にまとめて示す。
(a)成分
(a−1):合成例1で得たアミン塩化合物
(a−2):合成例2で得た第4級アンモニウム塩混合物
(b)成分
(b−1)塩化カルシウム
(b−2)塩化マグネシウム
〔実施例1及び比較例1〕
<液体柔軟剤組成物の調製方法>
300mLビーカーに、柔軟剤組成物の出来あがり質量が200gになるのに必要な量の95%相当量のイオン交換水を入れ、ウォーターバスで60℃に昇温した。一つの羽根の長さが2cmの攪拌羽根が3枚ついたタービン型の攪拌羽根で攪拌しながら(300r/m)、所要量の(a)成分を添加し、5分攪拌後、35.5%塩酸水溶液pHを2〜4に調整し、粉末状の(b)成分を添加した後、出来あがり質量にするのに必要な量の60℃のイオン交換水を添加した。その後10分間攪拌し、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移し、攪拌しながら20℃に冷却した。表1に柔軟剤組成物中の(a)成分、(b)成分の濃度(重量%)を示すが、組成物の残部は水である(以下同様)。
<柔軟性の評価法>
(柔軟処理方法)
フェイスタオル(木綿100%、30cm×75cm、約70g/枚)を用いて、炭素数10〜13のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸(LAS)を含有する市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)にて洗濯機(松下電器産業(株)製ドラム式洗濯機VR−1100(表中では「ドラム式」と略)で洗浄した(LAS濃度0.0783質量%、水温20℃、10分間、浴比は表中の通り)。最終濯ぎの時に表中の組成物を表中の使用量で用い、柔軟処理を行った。脱水終了後、室内で自然乾燥させた後、柔軟性評価を下記の方法で評価した。
(柔軟性評価)
上記の処理において、洗剤での洗浄後、濯ぎを繰り返し、濯ぎ水にLASが検知できない状態となった後、濯ぎ水に(b)成分未配合の柔軟剤組成物(基準1a)でタオルを柔軟処理し、脱水終了後、室内で自然乾燥させた後のタオルの感触を評価点5とする。これは、濯ぎ水中にLASが存在しない場合のモデルであり、基準1で最も柔軟効果が高いものとする。一方、LASが表1の濃度で存在する濯ぎ水で(b)成分未配合の柔軟剤組成物(基準1b)で同様に処理した場合のタオルの感触を評価点1とする。これは、濯ぎ水中にLASが存在する場合のモデルであり、基準1で最も柔軟効果が低いものとする。基準1の評価点5と評価点1から等間隔に5段階の柔軟効果のレベルを設定し、1、2、3、4、5の評価点とした。
表1の所定の柔軟剤組成物で処理したタオルの柔軟性を、基準1の評価点と対比して、評価点1〜5の5段階で10人のパネラー(30代男性10人)が評価し、平均点をその組成物の評価点とした。評価点2.0以上は(b)成分未配合の柔軟剤組成物(基準1)に対し、優位差として柔軟性効果を充分に認知できるレベルである。
なお、濯ぎ水中の炭素数10〜13のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸Na(LAS)濃度は、以下の条件にてHPLC分析を行った。
カラム:Lichrospher100 RP-18(e) (5μm,4mm i.d. ×250mm)
移動相:アセトニトリル/水=55/45溶液に最終濃度が10mMになるように酢酸アンモニウムを添加した。UV検出波長:225nm、流速:1.0ml/min、カラム温度:40℃、注入量:10μl
Figure 2010138522
〔実施例2及び比較例2〕
実施例1と同様に表2の柔軟剤組成物を調製し、洗濯機として(株)東芝製全自動洗濯機AW−F80HVP(表中では「縦型1」と略)を用いて同様に洗浄、濯ぎ、柔軟処理を行った。表2の基準2を(b)成分未配合の柔軟剤組成物として、実施例1と同様に柔軟性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2010138522
〔実施例3及び比較例3〕
実施例1と同様に表3の柔軟剤組成物を調製した。洗濯機としてNational社製MiniMiniWasher NA−35(表中では「縦型2」と略、容量約5L)を用いた。洗濯機に水道水、ネオペレックスG−25(花王(株)製、炭素数9〜15の直鎖および/または分岐鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)および調製した柔軟剤組成物をそれぞれ所定濃度となるように添加した柔軟処理水を調製した。この溶液中で実施例1と同じフェイスタオルを柔軟処理し、脱水終了後、室内で自然乾燥させた。表3の基準3を(b)成分未配合の柔軟剤組成物として、実施例1と同様に柔軟性を評価した。その際、濯ぎ水中のLAS濃度は表3のように種々変更し、基準3の評価点1点は、LAS濃度ごとに個々(基準3−1b〜3−7b)に定め、同じLAS濃度で用いた実施例の結果を対比した。結果を表3に示す。
Figure 2010138522
〔実施例4及び比較例4〕
実施例1と同様に表4の柔軟剤組成物を調製した。洗濯機としてNational社製MiniMiniWasher NA−35(表中では「縦型2」と略、容量約5L)を用いた。洗濯機に水道水、ネオペレックスG−25(花王(株)製、炭素数9〜15の直鎖および/または分岐鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)および調製した柔軟剤組成物をそれぞれ所定濃度となるように添加した柔軟処理水を調製した。この溶液中で実施例1と同じフェイスタオルを柔軟処理し、脱水終了後、室内で自然乾燥させた。表4の基準4を(b)成分未配合の柔軟剤組成物として、実施例1と同様に柔軟性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2010138522

Claims (3)

  1. 陰イオン界面活性剤を含有する洗浄剤により繊維製品を洗浄する工程を含む洗濯工程で用いられる柔軟剤組成物であって、下記(a)成分及び(b)成分を含有し、(a)成分と(b)成分の質量比が(a)成分/(b)成分=1/15〜1/2である柔軟剤組成物。
    (a)成分:下記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物から選択される1種類以上の化合物。
    Figure 2010138522

    〔一般式(1)及び一般式(2)中、R1はエステル基及び/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数12〜28の炭化水素基である。R2及びR3は、それぞれ独立に、エステル基及び/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数12〜28の炭化水素基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜3のアルキル基である。R4は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。X-は、陰イオン基である。〕
    (b)成分:無機カルシウム塩、及び無機マグネシウム塩から選択される1種類以上の無機金属塩
  2. (b)成分を15〜60質量%含有する請求項1記載の柔軟剤組成物。
  3. 5〜120ppmの陰イオン界面活性剤を含む洗濯濯ぎ水に請求項1又は2記載の柔軟剤組成物を添加して調製した濯ぎ水により繊維製品の柔軟化処理を行う、柔軟化処理方法であって、濯ぎ水中に(a)成分が20〜150ppm、(b)成分がカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンとして15〜800ppmとなるように前記柔軟剤組成物を添加する、繊維製品の柔軟化処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015217388A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフトEvonik Industries AG 環状の不飽和c12化合物、例えばシクロドデセン(cden)のエポキシ化に際しての膜支援型触媒分離

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JP2015217388A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフトEvonik Industries AG 環状の不飽和c12化合物、例えばシクロドデセン(cden)のエポキシ化に際しての膜支援型触媒分離

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