JP2010137868A - 板状物品搬送用トレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は板状物品搬送用トレイに関し、ガラス板、例えば液晶表示装置の表示パネルを形成するために使用されるディスプレイ用ガラス基板等の正方形状または長方形状の基板、または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬に使用するものである。
【解決手段】平面視長方形または正方形に組付けられて軽量金属で構成されたフレーム枠1と、フレーム枠の内域にガラス板3等の板状の被搬送物品Gを支持する支持部材4と、前記支持部材を挟着させるためにフレーム枠の内周に突設された上部挟着片5および下部挟着片6を有し、上部挟着片および下部挟着片が、前記フレーム枠1の上面2aおよび下面2bに略一致する高さHに内周側に突設され、前記上部挟着片と前記下部挟着片とにより支持部材の上面および下面が挟着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は板状物品搬送用トレイに関し、ガラス板、例えば液晶表示装置の表示パネルを形成するために使用されるディスプレイ用ガラス基板等の正方形状または長方形状の基板、または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の被搬送物品の大型化に対応して移送、運搬するのに使用するものである。
従来、液晶表示装置の表示パネルは、通常、相互に対向して配置される一対のディスプレイ用ガラス基板の間に液晶を封入することにより形成されている。このような表示パネルを工場にて製造する場合には、ディスプレイ用のガラス基板が、表示パネルの製造工場に輸送される。ガラス基板は、液晶表示装置の表示パネルに限らず、各種表示装置の表示パネルの製造にも使用されている。
また、表示パネルとするために、ガラス基板の表面に電極等が形成られた状態の表示パネルの半製品がある。
近時、各種の表示パネルには、厚さが0.7mm以下のガラス基板が使用されるようになっている。また、表示パネルの大型化にともなって、製造工場に搬入されるガラス基板も大型化しており、一辺が1.3m以上の長方形状のガラス基板も工場に搬入されるようになっている。
このような大きな面積で薄いガラス基板は撓み易いために、複数枚のガラス基板を輸送する場合には、輸送時に各ガラス基板が撓んで隣接するガラス基板同士が接触して破損するおそれがあるので、各ガラス基板が撓むことにより相互に接触しないような間隔をあけて配置する必要がある。
さらに、一辺の長さが1.3m以上の大きな面積のガラス基板は、1枚当たりの重量が5kg程度と重く、ガラス基板が、20枚以上になると、作業員1人の人力により運搬、移送することが出来ないという問題がある。
ところで、従来、例えばガラス基板を収納する基板収納用トレイが提案されている。この基板収納用トレイは、軽量金属にて形成される枠部材が平面視長方形または正方形に組付けられたフレーム枠と、前記フレーム枠に囲まれる内域にガラス板または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の物品を支持する支持部材と、を備え、前記枠部材の内周には、厚み方向の上面および下面から略1/3ほどの高さに上部挟着片と下部挟着片とが突設され、この上部挟着片と下部挟着片とにより前記支持部材の一側に突設された枠係合部を挟着させたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−359343号公報
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の基板収納用トレイは、陸上輸送及び海上輸送を行うのに、荷台またはコンテナ内に基板収納用トレイを入れて運搬が行われていたが、近時における表示パネルの大型化にともない、移送、運搬されるガラス基板も次第に薄くて大きい面積になって来ている傾向にあるが、特許文献1に記載の構造の上記従来の基板収納用トレイでは、ガラス基板を支持するための支持部材の一側に突設する枠係合部に対して、この枠係合部を挟着する枠部材の上部挟着片と、下部挟着片とが、上面または下面から略1/3の高さに位置して形成されているので、支持部材に対する枠部材の取付個所における横幅が長く形成されるため、ガラス基板の大面積化に伴い、ガラス基板を支持する支持部材の支持面積を広く確保するのが困難になり、基板収納用トレイに薄くて大きい面積のガラス基板を収納できないことになっていた。また、大きい面積のガラス基板を支持するために、基板収納用トレイを大きくすると、基板収納トレイが荷台またはコンテナ内に収容できないという問題があった。
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたものであり、板状の被搬送物品が年々大型化するのに伴い荷台、またはコンテナに入れて輸送するのに対応して、被搬送物品を収容するための支持面積を実質的に増大して余裕をもって被搬送物品を搬送できるようにした板状物品搬送用トレイを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、
平面視長方形または正方形に組付けられて軽量金属で構成されたフレーム枠と、前記フレーム枠に囲まれる内域にガラス板または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の物品を支持する支持部材と、前記支持部材を挟着させるために前記フレーム枠の内周に突設された上部挟着片および下部挟着片を有する板状物品搬送用トレイにおいて、
(イ)前記上部挟着片および前記下部挟着片が、前記フレーム枠の上面および下面に略一致する高さに内周側に突設され、
(ロ)前記支持部材の上面および下面が、前記上部挟着片と前記下部挟着片とにより挟着されている
ことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記フレーム枠には、断面略ロ字状の上部空洞部と、前記上部空洞部の下部に連設される断面略コ字状の下部空洞部とが、水平仕切材を介して縦状に連設されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記フレーム枠の四隅での接合箇所では、平面視L字状の第1のコーナピース、および第2のコーナピースのそれぞれの両端部が、前記上部空洞部と前記下部空洞部にそれぞれ嵌入され、そして、前記フレーム枠に前記第1のコーナピースと前記第2のコーナピースとが固定手段により固定されることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項において、前記枠部材の上面外側には、積み重ねられる上段のトレイに対するズレを防止するために上向き外縁部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項において、前記枠部材の外側には、前記水平仕切材に略一致して外鍔フラップが突設されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項において、前記枠部材の上面、および前記上向き外縁部には、合成樹脂フィルムで構成されるラミネート層が形成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項において、前記上部挟着片と前記下部挟着片との先端部内側には、前記支持部材に係止可能な係止突条が、それぞれ対向して設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の発明によれば、平面視長方形または正方形に組付けられて軽量金属で構成されたフレーム枠と、前記フレーム枠に囲まれる内域にガラス板または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の物品を支持する支持部材と、前記支持部材を挟着させるために前記フレーム枠の内周に突設された上部挟着片および下部挟着片を有する板状物品搬送用トレイにおいて、前記上部挟着片および前記下部挟着片が、前記フレーム枠の上面および下面に略一致する高さに内周側に突設され、前記支持部材の上面および下面が、前記上部挟着片と前記下部挟着片とにより挟着されているので、板状の被搬送物品が年々大型化するのに伴い荷台、またはコンテナに入れて輸送するのに対応して、被搬送物品を収容するための支持面積を実質的に増大して余裕をもって被搬送物品を搬送できる。
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記フレーム枠には、断面略ロ字状の上部空洞部と、前記上部空洞部の下部に連設される断面略コ字状の下部空洞部とが、水平仕切材を介して縦状に連設されているので、全体形状が長方形または正方形に組付けられたフレーム枠は剛性が発揮され、構造堅牢に組付けが行われる。そして、前記フレーム枠が、断面略ロ字状の上部空洞部と、該上部空洞部の下部に連設される断面略コ字状の下部空洞部とにより縦状に形成されたことにより、枠部材の横幅を短寸にさせ、大面積の板状の被搬送物品を収容可能な空間部を確保できるので、平面視においてトレイ自体の大きさは上記従来の基板収納用トレイよりも小さく小型化がはかれ、薄くて大きい面積であり、重量が大きなガラス板、または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の物品を収容するための支持部材の支持面積を実質的に増大し、板状の被搬送物品の中央部における大きな撓みを確実に防止して支承し、荷台またはコンテナ内に入れて移送、運搬を容易かつ確実に行うことができる。
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において、前記フレーム枠の四隅での接合箇所では、平面視L字状の第1のコーナピース、および第2のコーナピースのそれぞれの両端部が、前記上部空洞部と前記下部空洞部にそれぞれ嵌入され、そして、前記フレーム枠に前記第1のコーナピースと前記第2のコーナピースとが固定手段により固定されるので、フレーム枠は剛性が発揮され、全体形状が長方形または正方形に簡単かつ迅速に、かつ構造堅牢に組付けが行われる。
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3において、前記枠部材の上面外側には、積み重ねられる上段のトレイに対するズレを防止する上向き外縁部が、設けられているので、下段のトレイの上面に上段のトレイを積み重ねた場合に、枠部材の上面外側に設けられている上向き外縁部により積み重ねられる上段のトレイに対するズレは防止され、荷崩れがなくなる。
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか1の請求項において、前記枠部材の外側には、前記水平仕切材に略一致して外鍔フラップが突設されているので、トレイを積み重ねたり、積み重ね状態のトレイから所望のトレイを取り出す等減段させてトレイを移送、運搬するのに便利である。
また、本発明の請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか1項において、前記枠部材の上面、および前記上向き外縁部には、合成樹脂フィルムで構成されるラミネート層が形成されるので、下段のトレイの枠部材の上面に上段のトレイを積み重ねた場合に、下段のトレイの枠部材と上段のトレイの下面とがラミネート層により摩耗されるのが防止されるため、粉塵が発生するのが防止される。
また、本発明の請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか1項において、前記上部挟着片と前記下部挟着片との先端部内側には、前記支持部材に係止可能な係止突条が、それぞれ対向して設けられているので、上部挟着片と下部挟着片とにより、挟着された支持部材は係止突条が係止されることにより抜け出しがなく、上部挟着片と下部挟着片とにより、構造堅牢に挟着され、安定にガラス板を支持部材により支持することができる。
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
図1は本発明の板状物品搬送用トレイの実施形態を示す拡大縦断面図、図2は同じく水平拡大断面図、図3は同じく全景を示す平面図、図4は同じく積み重ねた時の使用状態を示す断面図である。
本発明の板状物品搬送用トレイの実施形態は、図1、図2、図3に示すように平面視長方形または正方形に組付けられて軽量金属で構成されたフレーム枠1と、前記フレーム枠1に囲まれる内域にガラス板3または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の被搬送物品Gを支持する支持部材4と、前記支持部材4を挟着させるために前記フレーム枠1の内周に突設された上部挟着片5および下部挟着片6を有する板状物品搬送用トレイである点は、例えば特許文献1に記載の従来の基板収納用トレイと同様の構成、作用である。
しかしながら、本実施形態は、図2に示すように、前記上部挟着片5および前記下部挟着片6が、前記フレーム枠1の上面2aおよび下面2bに略一致する高さHに内周側に突設され、前記支持部材4の上面および下面が、前記上部挟着片5と前記下部挟着片6とにより挟着されている。
2A,2B,2C,2Dは、前記フレーム枠1を構成する枠部材である。上記のように、前記上部挟着片5と前記下部挟着片6とを前記フレーム枠1の上面2aおよび下面2bに略一致する高さHに内周側に突設させ、この前記上部挟着片5と前記下部挟着片6とにより、前記支持部材4の上面および下面を挟着していることにより、前記支持部材4に対する前記上部挟着片5および前記下部挟着片6の高さHは、特許文献1に記載の上記従来の基板収納用トレイと略同高さでありながら、図5に示すように特許文献1に記載の上記従来の基板収納用トレイが、ガラス基板3′を支持するための支持部材4′の一側に突設する枠係合部4′Aに対して、この枠係合部4′Aを挟着する枠部材2′C(2′A,2′B,2′C)の上部挟着片5′と下部挟着片6′とが、上面または下面から略1/3の高さに位置して内周側に突設されたことにより、支持部材4′に対する枠部材2′C(2′A,2′B,2′C)の取付個所における横幅W′が長く形成され、ガラス基板3′の大面積化に伴い、ガラス基板3′を支持する支持部材4′の支持面積を広く確保するのが困難になっていたのとは異なり、本実施形態では、前述のように支持部材4の内側面に枠係合部4′Aを設けることなく、前記フレーム枠1の上面2aおよび下面2bに略一致する高さHに内周側に突設される前記上部挟着片5と前記下部挟着片6とは、前記支持部材4の上面および下面を挟着させるものであり、支持部材4に対するフレーム枠1の取付個所における横幅Wが特許文献1に記載の従来の基板収納用トレイよりも短く形成され、平面視においてトレイ自体の大きさは上記従来の基板収納用トレイよりも小さく小型化がはかれる。従って、薄くて大きい面積であり、重量が大きなガラス板3、または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の被搬送物品Gが大面積化されても、この被搬送物品Gを収容するための支持部材4の支持面積は実質的に増大され、板状の被搬送物品Gの中央部における大きな撓みを確実に防止して支承できる。こうして、本実施形態の基板収納用トレイは、支持部材4に薄くて大きい面積であり、重量が大きなガラス板3、または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の被搬送物品Gを収容した場合にも、図4に示すように、既存の大きさの荷台または長さLの間口を有するコンテナC内に入れて移送、運搬が容易かつ確実に行うことができる。
前記フレーム枠1には、図1に示すように、断面略ロ字状の上部空洞部7Aと、前記上部空洞部7Aの下部に連設される断面略コ字状の下部空洞部7Bとが、水平仕切材7Cを介して縦状に連設されている。また、このフレーム枠1は、アルミニウムまたはマグネシウム、或いは、それらの合金よりなる軽量金属が使用される。
前記フレーム枠1の四隅での接合箇所では、図2,および図3に示すように、平面視L字状の第1のコーナピース8A、および第2のコーナピース8Bのそれぞれの両端部9a,9b;9′a,9′bが、前記上部空洞部7Aと前記下部空洞部7Bにそれぞれ嵌入され、そして、前記フレーム枠1に前記第1のコーナピース8Aと前記第2のコーナピース8Bとが、固定手段として、外部からねじ10を用いてねじ止めされる。このように、フレーム枠1の四隅での接合箇所において、平面視L字状の第1のコーナピース8Aと、第2のコーナピース8Bとの両端部9a,9b;9′a,9′bを、前記上部空洞部7Aと前記下部空洞部7Bにそれぞれ嵌入され、前記フレーム枠1に前記第1のコーナピース8Aと前記第2のコーナピース8Bとが外部からねじ10を用いてねじ止めするようにしたことにより、フレーム枠1は剛性が発揮され、フレーム枠1は全体形状が長方形または正方形に簡単かつ迅速に、かつ構造堅牢に組付けを行われる。なお、第1のコーナピース8A、および第2のコーナピース8Bのそれぞれの両端部9a,9b;9′a,9′bを、前記フレーム枠1の前記上部空洞部7Aと前記下部空洞部7Bにそれぞれ嵌入し、固定するための固定手段として、外部からねじ10を用いてねじ止めするのは、好適な実施形態であるけれども、この固定手段としては、図示するものに限定するのに限らず、例えば係止凹部と、この係止凹部内に係脱可能になる係止突起とでも良く、または、接着剤を用いて接着されてもよく、本発明の精神を逸脱しない範囲のものなら如何様なものでもよい。
前記支持部材4としては、例えば合成樹脂発泡体やゴムよりなる緩衝部材が使用され、この支持部材4に載置されるガラス板3や面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の被搬送物品Gが弾力的に支持されるようになっている。
11は前記枠部材2A,2B,2C,2Dの上面外側に設けられた上向き外縁部であり、この上向き外縁部11は、積み重ねられる上段のトレイTに対するズレを防止するためのものである。
12は前記枠部材2A,2B,2C,2Dの外側に前記水平仕切材7Cに略一致して突設された外鍔フラップであり、この外鍔フラップ12は例えばコンベアラインに設けられる図には示さない昇降機構の係止爪を昇降可能に係止させることにより、トレイT,T・・・を積み重ねたり、積み重ね状態のトレイT,T・・・から所望のトレイTを取り出す等減段させてトレイT,T・・・を移送、運搬するのを容易かつ確実にするためのものである。
2c,11aは前記枠部材2A,2B,2C,2Dの上面、および前記上向き外縁部11に、合成樹脂フィルムにより構成されるラミネート層であり、このラミネート層2c,11aは下段のトレイTの枠部材2A,2B,2C,2Dの上面に上段のトレイTを積み重ねた場合に、下段のトレイTの枠部材2A,2B,2C,2Dと上段のトレイTの下面との摩耗が防止され、粉塵が発生するのを防止するためのものである。このラミネート層2c,11aに使用される合成樹脂フィルムとしては、例えば厚さが0.1〜0.3mmのポリプロピレンのフィルムが代表的に使用されるほか、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、フッソ樹脂フィルムが使用されるが、これに限られない。
5a,6aは前記上部挟着片5と前記下部挟着片6との先端部内側にそれぞれ対向して設けられた係止突条であり、この係止突条5a,6aは上部挟着片5と下部挟着片6とにより、挟着された支持部材4に係止されることにより支持部材4の抜け出しを防止するためのものである。
本発明の板状物品搬送用トレイの実施形態は以上の構成からなり、図1に示すように、前記上部挟着片5と前記下部挟着片6とをフレーム枠1の上面2aおよび下面2bに略一致する高さHに内周側に突設させ、この前記上部挟着片5と前記下部挟着片6とにより、前記支持部材4の上面および下面を挟着しているので、前記支持部材4に対する前記上部挟着片5および前記下部挟着片6の取付個所の高さHは、比較例として図5に示すように特許文献1に記載の上記従来の基板収納用トレイと略同高さでありながら、特許文献1に記載の上記従来の基板収納用トレイが、ガラス基板3′を支持するための支持部材4′の一側に突設する枠係合部4′Aを挟着するフレーム枠1′の上部挟着片5′と、下部挟着片6′とが、フレーム枠1′の上面2′a,2′bまたは下面から略1/3の高さに位置して形成されたことにより、支持部材4′に対するフレーム枠1′の取付個所における横幅W′が長く形成される結果、ガラス基板3′の大面積化に伴い、ガラス基板3′を支持する支持部材4′の支持面積を広く確保するのが困難になっていたのとは異なり、本実施形態では、前述のように支持部材4の一側に図5に示すような枠係合部4′Aを設けることなく、図1に示すように前記フレーム枠1の上面2aおよび下面2bに略一致する高さHに内周側に突設される前記上部挟着片5と前記下部挟着片6とは、前記支持部材4の上面および下面を直接挟着させるものであり、支持部材4に対するフレーム枠1の取付個所における横幅Wが短く形成されるため、トレイT自体の大きさは上記従来の基板収納用トレイよりも小さく小型化がはかれる。
従って、薄くて大きい面積であり、重量が大きなガラス板3、または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の被搬送物品Gを収容するための支持部材4の支持面積は実質的に増大することができるので、この支持部材4により板状の被搬送物品Gの中央部における大きな撓みを確実に防止して支承できる。こうして、本実施形態の基板収納用トレイは、支持部材4に薄くて大きい面積であり、重量が大きなガラス板3、または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の被搬送物品Gを収容し、図4に示すように、既存の大きさの荷台またはコンテナC内に入れて移送、運搬を容易かつ確実に行うことができる。
また、本実施形態の板状物品の搬送用トレイでは、図1に示すように、フレーム枠1が、断面略ロ字状の上部空洞部7Aと、前記上部空洞部7Aの下部に連設される断面略コ字状の下部空洞部7Bとが、水平仕切材7Cを介して縦状に連設されているので、フレーム枠1は剛性が発揮され、全体形状が長方形または正方形に組付けられたフレーム枠1は構造堅牢に組付けが行われる。そして、前記フレーム枠1が、断面略ロ字状の上部空洞部7Aと、該上部空洞部7Aの下部に連設される断面略コ字状の下部空洞部7Bとにより縦状に形成されたことにより、フレーム枠1の横幅Wを特許文献1に記載された基板収納用トレイの図5に示される比較例よりも短寸にでき、大面積の板状の被搬送物品Gとしてのガラス板3を収容可能な空間部を確保でき、移送、運搬される。
そして、フレーム枠1が、図1に示すように、断面略ロ字状の上部空洞部7Aと、該上部空洞部7Aの下部に連設される断面略コ字状の下部空洞部7Bとにより縦状に形成され、この上部空洞部7Aと下部空洞部7Bには第1のコーナピース8Aと、第2のコーナピース8Bとの両端部9a,9b;9′a,9′bが図2に示すように嵌入され、外部からねじ10によりねじ止めされるので、図3に示されるように枠部材2A,2B,2C,2Dが平面視上下左右に対向して全体形状が長方形または正方形に組付けられたフレーム枠1は構造堅牢に組付けが行われる。なお、第1のコーナピース8A、および第2のコーナピース8Bのそれぞれの両端部9a,9b;9′a,9′bを、前記フレーム枠1の前記上部空洞部7Aと前記下部空洞部7Bにそれぞれ嵌入し、固定するための固定手段として、外部からねじ10を用いてねじ止めするのは、好適な実施形態であるけれども、この固定手段としては、図示するものに限らず、例えば係止凹部と、この係止凹部内に係脱可能になる係止突起とでも良く、または、接着剤を用いて接着されてもよく、本発明の精神を逸脱しない範囲のものなら如何様なものでもよい。
しかも、前記フレーム枠1が、アルミニウムまたはマグネシウム、或いはそれらの合金により形成されるので、フレーム枠1は軽量にして高剛性が発揮され、トレイTの損壊は防止される。
また、トレイTを積み重ねてガラス板3等の被搬送物品Gを移送、運搬する場合に、枠部材2A,2B,2C,2Dの上面外側には、積み重ねられる上段のトレイTに対するズレを防止する上向き外縁部11が設けられているので、下段の枠部材2A,2B,2C,2Dの上面に上段のトレイTを積み重ねた場合に、枠部材2A,2B,2C,2Dの上面外側に設けられている上向き外縁部11により積み重ねられる上段のトレイTに対するズレは防止され、荷崩れが生ずるのを防ぐことができる。
この際、前記枠部材2A,2B,2C,2Dの上面、および前記上向き外縁部11の表面には合成樹脂フィルムにより形成されるラミネート層2c,11aが構成されるので、下段の枠部材2A,2B,2C,2Dの上面2aに上段のトレイTを積み重ねた場合に、下段の枠部材2A,2B,2C,2Dと上段のトレイTの下面とがラミネート層2c,11aにより摩耗されるのが防止されるため、粉塵が発生するのが防止される。
また、前記枠部材2A,2B,2C,2Dの外側には、前記上部空洞部7Aと前記下部空洞部7Bとを仕切る水平仕切材7Cに略一致して外鍔フラップ12が突設されているので、トレイTを積み重ねたり、積み重ね状態のトレイTから所望のトレイTを取り出す等減段させてトレイTを移送、運搬するのに、例えば図には示さない昇降装置を使用し、その把持爪により外鍔フラップ12を把持させて昇降を行うようにすれば便利である。
また、前記上部挟着片5と前記下部挟着片6とには、前記支持部材4に係止可能な係止突条13a,13bがそれぞれ対向して設けられているので、上部挟着片5と下部挟着片6とにより、挟着された支持部材4は係止突条5a,6aにより抜け出しがなく、上部挟着片5と下部挟着片6とに構造堅牢に挟着され、安定にガラス板3を支持部材4により支持できる。
本発明は、板状の被搬送物品が年々大型化するのに伴い荷台、またはコンテナに入れて輸送するのに対応して、被搬送物品を収容するための支持面積を実質的に増大して余裕をもって被搬送物品を搬送できるという用途・機能に適する。
図1は本発明の板状物品搬送用トレイの実施形態を示す拡大縦断面図である。 図2は同じく水平拡大断面図である。 図3は同じく全景を示す平面図である。 図4は同じく積み重ねた時の使用状態を示す断面図である。 図5は比較例として従来の板状物品搬送用トレイを示す拡大縦断面図である。
符号の説明
1 フレーム枠
2A 枠部材
2B 枠部材
2C 枠部材
2D 枠部材
3 ガラス板
4 支持部材
5 上部挟着片
6 上部挟着片
7A 上部空洞部
7B 上部空洞部
7C 水平仕切材
8A 第1のコーナピース
8B 第2のコーナピース
H 高さ
W 横幅
16 段差部

Claims (7)

  1. 平面視長方形または正方形に組付けられて軽量金属で構成されたフレーム枠と、前記フレーム枠に囲まれる内域にガラス板または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の物品を支持する支持部材と、前記支持部材を挟着させるために前記フレーム枠の内周に突設された上部挟着片および下部挟着片を有する板状物品搬送用トレイにおいて、
    (イ)前記上部挟着片および前記下部挟着片が、前記フレーム枠の上面および下面に略一致する高さに内周側に突設され、
    (ロ)前記支持部材の上面および下面が、前記上部挟着片と前記下部挟着片とにより挟着されている
    ことを特徴とする板状物品搬送用トレイ。
  2. 前記フレーム枠には、断面略ロ字状の上部空洞部と、前記上部空洞部の下部に連設される断面略コ字状の下部空洞部とが、水平仕切材を介して縦状に連設されていることを特徴とする請求項1に記載の板状物品搬送用トレイ。
  3. 前記フレーム枠の四隅での接合箇所では、平面視L字状の第1のコーナピース、および第2のコーナピースのそれぞれの両端部が、前記上部空洞部と前記下部空洞部にそれぞれ嵌入され、そして、前記フレーム枠に前記第1のコーナピースと前記第2のコーナピースとが固定手段により固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の板状物品搬送用トレイ。
  4. 前記枠部材の上面外側には、積み重ねられる上段のトレイに対するズレを防止するために上向き外縁部が、設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
  5. 前記枠部材の外側には、前記水平仕切材に略一致して外鍔フラップが突設されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
  6. 前記枠部材の上面、および前記上向き外縁部には、合成樹脂フィルムで構成されるラミネート層が形成されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
  7. 前記上部挟着片と前記下部挟着片との先端部内側には、前記支持部材に係止可能な係止突条が、それぞれ、対向して設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
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