JP2010137241A - 溶接装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 溶加材の状態を適切に把握し、かつ、適切に溶加材を供給する。
【解決手段】 溶接装置は、溶接位置(ロウ付け位置)において母材および溶加材のワイヤWを加熱する加熱機22と、ワイヤを通過させて、溶接位置にガイドする中空のワイヤガイド12と、ワイヤWを溶接位置に送り込み、或いは、溶接位置から引き戻すためのモータ34と連結されたワイヤ供給部材20と、送り込まれたワイヤWの撓みによる反力により生じる、駆動ローラ36における負荷を示す指標値、たとえば、モータ34のトルクを測定する測定手段と、測定手段による指標値の変化に基づいて、ワイヤ供給部材20によるワイヤWの送り込みおよび引き戻しを制御する制御手段と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶接位置の温度を適切に把握し、溶加材のワイヤを適切に供給する溶接装置に関する。
2つの金属を接合するために種々の手法が知られている。たとえば、ロウ付けとは、固相の2つの金属間に、それより融点の低い金属を溶融添加して接合を行う方法であって、一方が固相で他方が液相で接合が行われる。具体的には、2つの金属間のロウ付け部分全体を加熱し適温になったらロウ材を2つの金属間に流しこむということである。ロウ付けのためには、接合させる金属の温度を適切に制御することが重要である。たとえば、特許文献1には、金属の温度を検出するために、ロウ材とワークとの間の通電状態を調べ、ロウ材が溶融することで、通電状態から非通電状態となることで、ワークおよびロウ材が所定の温度に到達したと判断するロウ付け装置が提案されている。
特開平6−297142号公報 特開2003−320453号公報 特開2004−98151号公報
また、特許文献2には、被加工部材の保持治具に温度センサを配置し、治具温度に基づいて、ロウ付け条件を演算するような技術が開示されている。また、特許文献3には、ロウ材が加熱されて、所定温度となった被ロウ部材に供給され、その供給が終了すると、供給時間を計測し、設定時間と異なる場合には、時間に対する温度を表す温度曲線を補正して、適切な加熱量を修正するような技術が開示されている。
特許文献1の技術においては、通電状態から非通電状態となることをもって、ロウ材が所定の温度に到達したと判断している。しかしながら、特許文献1においては、通電状態、および、非通電状態という2つの状態のみが検出され、それ以外の状態(ロウが溶融する以前の状態、および、ロウが溶融した後の状態)を知ることができないという問題点があった。
また、特許文献2および特許文献3の技術においては、ロウ付け位置付近における温度を直接計測している。しかしながら、ロウ付け位置の温度を直接計測することはできないため、相当の誤差が出てしまう恐れがある。ロウ付けにおいて、ロウが溶融するタイミングを見出して、適切にロウの供給やその停止を制御することは重要であり、温度の誤差により適切なロウ付けができなくなるおそれがある。
溶融した溶加材により複数の母材を一体にする溶接には、上述したような、複数の母材の隙間に溶融した溶加材を流入させて、母材を接合させるロウ付けの外、種々のものが知られている。たとえば、アーク溶接の一種であるミグ(MIG:Metal Inert Gas)溶接やマグ(Mag)溶接においても、溶加材の状態を把握して、適切な供給を図る必要がある。
本発明は、溶加材の状態を適切に把握し、かつ、適切に溶加材の供給が可能な溶接装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、溶接位置において、溶融した溶加材により複数の母材を一体にする溶接装置であって、
前記溶接位置において母材および溶加材のワイヤを加熱する加熱部材と、
前記溶加材のワイヤを通過させて、前記溶接位置にガイドする中空のワイヤガイドと、
前記溶加材のワイヤを溶接位置に送り込み、或いは、溶接位置から引き戻すため、モータと連結された駆動ローラを有するワイヤ供給部材と、
前記ワイヤ供給部材により溶接位置に送り込まれる前記ワイヤの撓みによる前記送り込みに対する反力により生じる、前記ワイヤ供給部材の駆動ローラにおける負荷を示す指標値を測定する測定手段と、
前記測定手段における前記指標値の変化に基づいて、前記駆動ローラを駆動するモータを制御して、前記ワイヤ供給部材の駆動ローラにより前記溶加材のワイヤを送り込み、或いは、引き戻す制御手段と、を備えたことを特徴とする溶接装置により達成される。
好ましい実施態様においては、前記測定手段が、前記駆動モータのトルクを検出するトルク検出手段を有し、
前記制御手段が、前記トルク検出手段により検出されたモータのトルク値を指標値として、当該トルク値に基づいて、前記モータを制御する。
別の好ましい実施態様においては、前記駆動ローラが、前記モータの軸に連結された内側ローラと、前記内側ローラの周囲に、前記内側ローラと同軸に形成され、前記溶加材のワイヤと接触する外側ローラであって、前記モータが前記ワイヤを溶接位置に送り込む方向である正回転方向に所定の付勢力にて付勢された外側ローラと、前記外側ローラの付勢を規制する係止部材とを備え、
前記測定手段が、前記反力により前記外側ローラが前記付勢力に抗して停止して生じる、前記外側ローラおよび内側ローラとの間の位相差を検出する位相差検出手段を有し、
前記制御手段が、前記位相差出手段により検出された位相差を指標値として、当該位相差に基づいて、前記モータを制御する。
より好ましい実施態様においては、前記係止部材が、前記外側ローラから半径方向内側に突出した内向き突起と、前記内側ローラから半径方向外側に突出した外向き突起とを有し、前記内向き突起が、前記外向き突起に接触することにより、前記外側ローラの付勢が規制される。
また、好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記指標値が増加して第1の所定値に達した後、前記ワイヤ供給手段により供給されたワイヤの供給量の累算量である供給総量が、所定量より多く、かつ、前記指標値が減少して、前記第1の値より小さい第2の値以下となった場合に、前記溶接位置における溶接が終了したと判断して、前記ワイヤ供給部材により前記ワイヤを所定量引き戻すように構成されている。
より好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記指標値が増加して前記第1の所定値に達した後、前記ワイヤ供給手段により供給されたワイヤの供給総量が所定値以下である場合に、指標値が減少して「0」となると、一旦、前記ワイヤ供給部材により前記ワイヤを所定量引き戻した後、再度、前記ワイヤ供給部材によりワイヤを送り込むように構成されている。
また、好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記指標値が増加して前記第1の所定値に達した後、前記ワイヤ供給部材によるワイヤの供給を停止するように構成されている。
別の好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記指標値が増加して前記第1の所定値に達した後、前記ワイヤ供給手段により供給されたワイヤの供給総量が所定値以下である場合に、再度指標値が減少して、前記第1の所定値より小さい第3の所定値以下となると、
前記ワイヤ供給総量が、前記所定値より多くなるまで、ワイヤ供給部材によりワイヤを送り込み、
前記ワイヤ供給総量が、前記所定量以下であるときに、前記指標値が増加して、前記第1の所定値と第3の所定値との間の第4の所定値に達したときに、前記ワイヤ供給手段を減速或いは停止し、
前記ワイヤ供給総量が、前記所定値より多くなるまで、ワイヤ供給部材によりワイヤを送り込み、
前記ワイヤ供給総量が、前記所定値より多くなった場合に、前記溶接位置における溶接が終了したと判断して、前記ワイヤ供給部材により前記ワイヤを所定量引き戻すように構成されている。
また、好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記ワイヤ供給部材によるワイヤの供給量を、前記駆動ローラの回転量に基づいて算出する。
別の好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記ワイヤ供給部材によるワイヤの供給量を、前記位相差および前記駆動ローラの外側ローラの回転量に基づいて算出する。
本発明によれば、溶加材の状態を適切に把握し、かつ、適切に溶加材の供給が可能な溶接装置を提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、本発明をロウ付け装置に適用した場合を主として説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるロウ付け装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態にかかるロウ付け装置10は、ワイヤガイド12、ワイヤ供給装置18、加熱機22を有する。ワイヤガイド12は中空であり、その中をワイヤ供給装置18により供給されるワイヤWが通る。ワイヤガイド先端部14からはワイヤWが突出する。また、ワイヤガイド後部16はワイヤ供給装置18と接しており、ワイヤ供給装置18から供給されるワイヤWを受けるようになっている。ワイヤガイド12の中央部15は、可撓性を有している。
加熱機22には、アセチレンガスおよびフラックスの混合気と酸素とが燃焼ガス供給装置(図示せず)から供給され、その先端24から上記混合気および酸素の燃焼による炎Fが放射されるようになっている。ワイヤガイド先端部14から突出したワイヤWは、ロウ付け対象である第1の母材M1と第2の母材M2との間のロウ付け位置に達し、所定の温度の下で溶融する。溶融されたロウ材がフラックスとともに母材M1と母材M2との間に流入することで母材M1と母材M2とが接合される。
なお、可燃ガスとしてアセチレンガス以外のガス、たとえば、プロパンガスを利用可能であることはいうまでも無い。また、本実施の形態においては、フラックスを混合気に含ませているが、直接、母材M1、M2の溶接位置に、フラックスを塗布するような構成を採用しても良いことは言うまでも無い。
本実施の形態においては、ワイヤ供給装置18および制御回路31(図3参照)により、後述するようにワイヤWの供給が制御される。図2は、第1の実施の形態にかかるワイヤ供給装置の概略構成を示す図である。ワイヤ供給装置18は、ワイヤWを送り込み或いは引き戻すワイヤ供給部材20と、基部25と、基部25から直立してワイヤガイド後部16と連結される端壁26と、を有する。ワイヤ供給部材20は基部25に取り付けられている。ワイヤ供給部材20は、その軸33が、トルクセンサ30を介してモータ34(図2では図示せず)と連結された駆動ローラ36と、駆動ローラ36の回転に伴って回転する従動ローラ37とを有する。
駆動ローラ36と従動ローラ37との間にワイヤWが位置し、駆動ローラ36の回転に伴ってワイヤWは矢印200の何れかの方向に動かされる。R1の方向にワイヤWが動くことによりワイヤWは送り込まれることになり、R2の方向にワイヤWが動くことによりワイヤWは引き戻される。R1の方向(ワイヤWを送り込む方向)を正方向と称し、R2の方向(ワイヤWを引き戻す方向)を逆方向と称する。また、ワイヤWを正方向に動かすための駆動ローラ36の回転を正回転、ワイヤWを逆方向に動かすための駆動ローラ36の回転を逆回転と称する。
端壁26には貫通穴(図示せず)が形成され、また、その外面(図2における左側の面)において貫通孔と整合するようにワイヤガイド後部16が取り付けられる。したがって、ワイヤWは、端壁26の貫通穴からワイヤガイド後部16に進入し、中空のワイヤガイド12の先端部14から外部に突出するようになっている。
図3は、本実施の形態にかかるモータを含む駆動回路の構成を示すブロックダイヤグラムである。図3に示すように、駆動ローラ36の軸33は、トルクセンサ30の一端に連結され、かつ、モータの軸35もトルクセンサ30の他端に連結される。したがって、駆動ローラ36は、トルクセンサ30を介してモータ34と連結される。トルクセンサ30には制御回路31が接続され、また、モータ34にも制御回路31が接続される。したがって、制御回路31はトルクセンサ30から取得したトルク値に基づいて、モータ34の正回転、逆回転、加速、減速および停止を制御する。
上述した構成のロウ付け装置10における動作の概略を図4〜図6を参照して説明する。図4に示すように、初期的には、母材M1とM2とを接合させるために、ワイヤガイド12が所定の位置に移動した状態で、一定時間の予熱の後、ワイヤ供給装置18が作動してワイヤWが送り込まれる。これにより、ワイヤガイド先端部14の開口51からワイヤWが、矢印Bに示すように、下流側(母材M1とM2とのロウ付け位置)に向かって進み、ワイヤWの先端52が母材M1の上面に当接する。この状態で、加熱機22からの炎FによりワイヤW、および、母材M1とM2とのロウ付け位置が加熱される。
ワイヤWおよび母材M1とM2とのロウ付け位置の加熱が不十分、つまり、ワイヤWが溶融温度に達しておらず、ワイヤWの先端52が母材Aの上面に当接したままの状態で、ワイヤ供給装置18のワイヤ供給部材20において、駆動ローラ36はワイヤWを正方向に動かすように作動している。この状態で、さらに駆動ローラ36がワイヤWを正方向に送り込むことによって、ワイヤWの反力が生じる。この反力は、ロウ付け位置に送り込まれワイヤWの撓みによる、ワイヤ供給部材20の送り込みに対するものである。ワイヤWの先端52が母材Aの上面に当接した状態でのワイヤWの送り込みにより、可撓性を有するワイヤガイド中央部15が変形する(図5参照)。図5において破線501、502が、図4に示す位置のワイヤガイド12を示している。また、ワイヤWの反力で、トルクセンサ30により検出されるトルク値が増大する。なおトルクセンサ30によるトルクについては後述する。
加熱機22により、さらに、ワイヤW、および、母材M1とM2とのロウ付け位置が加熱され、ワイヤWの溶融温度に達すると、図6に示すように、ワイヤWが溶融して、溶融したロウ材が母材M1とM2との間の隙間に流入する(符号BR参照)。ワイヤWが溶融することで、その先端52は、母材M1の上面から離間する。したがって、図6に示すように、ワイヤWの反力がなくなるため、トルクセンサ30により検出されるトルクは減少する。
図7は、モータの回転およびトルクセンサにより検出されるトルク値の例を概略的に示すグラフである。図7において、実線のグラフ701は、モータ回転を示し、破線のグラフ702は、トルク値を示す。モータ34が時刻tにおいて正回転を開始すると、ワイヤWの送給が開始される。
モータ34が正回転して、ワイヤWが送り込まれると、ワイヤWの送給経路(ワイヤガイド12など)の抵抗等によりトルク値が上昇する(符号711参照)。本実施の形態においては、ワイヤWの送給時に発生するトルクを送給トルクと称する。また、後述するワイヤWの送給を停止したとき、つまり、モータ停止時に発生する、主としてワイヤWの反力から生じるトルクを負荷トルクと称する。
ワイヤWが母材M1に接触するまで、送給トルクのトルク値はほぼ一定である(符号712参照)。時刻tでワイヤWが母材M1に接触すると、ワイヤWの反力によりトルク値が上昇する(符号713参照)。その後、時刻tでモータが完全に停止するとワイヤWの送給も停止するため、トルク値の上昇も終了する。母材M1、M2の温度が上昇し、ワイヤWが軟化を始めると、負荷トルクのトルク値が徐々に減少する(符号714参照)。
母材M1、M2の温度がさらに上昇して、ワイヤWの溶融温度に達すると、ワイヤWが溶融する。これにより、負荷トルクのトルク値が急速に減少する(符号715参照)。その後、ワイヤが完全に溶融するとトルク値は「0」となる(符号716参照)。
本実施の形態においては、上記ワイヤを供給する際のトルク値の変化を検出して、ワイヤの供給を制御し、ロウ付け位置における適切なロウ付けを実現する。特に、本実施の形態においては、制御回路31が、トルクセンサ30により検出されたトルク値を取得して、取得したトルク値に基づいて、駆動ローラ36を駆動するモータ34の制御、および、ロウ付け装置の位置の制御などを行う。たとえば、制御回路31は、駆動ローラ36を駆動するモータ34、ロウ付け位置をスライドさせ或いは回転させるための駆動装置(他のモータや油圧装置)を制御する。
図8および図9は、本実施の形態にかかるロウ付け装置の制御回路によるロウ付けシーケンスの一例を示すフローチャートである。制御回路31は、ロウ付け装置10のワイヤガイド12がロウ付け位置に到達するように、駆動装置(図示せず)を作動させ、ロウ付け位置に到達させる(ステップ801)。制御回路31は、ワイヤガイド12がロウ付け位置に達すると、モータ34を駆動してワイヤ供給部材20の駆動ローラ36を正回転させて、ワイヤWをロウ付け位置に送り込む(ステップ802)。
制御回路31は、トルクセンサ30からトルク値を取得して(ステップ803)、トルク値が増大して所定の値α以上になったか否かを判断する(ステップ804)。トルク値が増大することは、ワイヤWがロウ付け位置において、溶融していない状態で母材M1に接触していることを示す。なお、所定の値αは、予め定めておけば良い。値αが大きい方が、より多くのワイヤを供給できることになるため、上限はあるがその範囲内でαは大きいほうが望ましい。特に、所定の値αを、当該トルク値がαであるときに対応するワイヤ供給量Wαが、1箇所のロウ付け位置でのロウ付けに必要な量となるように予め設定しておくことで、1箇所のロウ付け位置でのロウ付け回数を少なくすることができる。
ステップ804でYesと判断された場合には、制御回路31はモータ34を停止する(ステップ805)。次いで、制御回路31は、ワイヤ供給総量が、所定量A以上であるか否かを判断する(ステップ806)。
なお、ワイヤ供給総量は、初期的には、1回のワイヤ供給量に一致する。また、本実施の形態において、所定量Aは、あるロウ付け位置でロウ付けに必要とするロウの量に相当する。また、ワイヤ供給量は、ワイヤWの先端が母材M1の上面に接触し、トルクセンサ30から取得したトルク値が増大したタイミングから、モータ34が停止する(ステップ805参照)までの、駆動ローラ36の回転量から取得できる。
ステップ806でYesと判断された場合には、制御回路31は、トルク値が減少して所定の値β1(α>β1>0)以下になったか否かを判断する(ステップ807)。ステップ807でYesと判断された場合には、ワイヤWは、溶融中であり、溶融されたロウによるロウ付け位置の接合が行なわれていることになる。そこで、ステップ807でYesと判断された場合には、制御回路31は、モータ34を所定量だけ逆回転させる(ステップ808)。そのロウ付け位置におけるロウ付けは完了したと判断され、その後、制御回路31は、次のロウ付け位置まで、ワイヤガイド12を移動させる。
ステップ807でYesと判断された場合には、1回のロウ付けに十分な量が供給されている。したがって、溶融中のロウによりロウ付け位置において母材M1、M2がしっかりと接合される。ステップ808は、ワイヤWの先端(たとえば図6の符号52参照)が、加熱機22の炎により球状となることを防止するため、ワイヤWを炎から遠ざける必要があることから実行される。
その一方、ステップ806でNoと判断された場合には、制御回路31は、トルク値が「0」になったか否かを判断する(ステップ809)。ステップ809でYesと判断された場合には、ワイヤWはほぼ完全に溶融した状態となっている。ステップ809でYesと判断された場合にも、制御回路31は、モータ34を所定量だけ逆回転させる(ステップ810)。
次いで、制御回路31は内蔵したタイマに所定の時間を設定し、タイマをスタートさせる(ステップ901)。所定時の時間が経過すると、制御回路31は、モータ34を再度正回転させる(ステップ902)。
制御回路31は、トルクセンサ30からトルク値を取得して(ステップ903)、トルク値が増大して所定の値α以上になったか否かを判断する(ステップ904)。ステップ904でYesとなった場合には、制御回路31はモータ34を停止する(ステップ905)。その後、制御回路31は、トルク値が減少したと判断すると(ステップ906でYes)、ワイヤの供給総量が、所定量A以上であるか否かを判断する(ステップ907)。ワイヤの供給総量は、元のワイヤの供給総量に、今回のモータ34の正回転(ステップ902参照)により供給されたワイヤの供給量を加算すれば良い。
ステップ907でYesと判断された場合には、ステップ808に進み、制御回路31は、モータ34を所定量だけ逆回転させた後、次のロウ付け位置まで、ワイヤガイド12を移動させる。ステップ906でトルク値が減少したと判断された場合には、ワイヤは溶融中であり、溶融されたロウによるロウ付け位置での接合が行なわれていることになる。このときに、ワイヤの供給総量が、当該ロウ付け位置におけるロウ付けに十分な量であれば、そのロウ付け位置におけるロウ付けは完了したと判断される。
その一方、ステップ907でNoと判断された場合には、制御回路31は、トルク値がさらに減少して「0」になったか否かを判断する(ステップ908)。ステップ908でYesと判断されると、制御回路31は、モータ34を所定量だけ逆回転させて、ステップ901に戻る。このように、ワイヤ供給総量が、あるロウ付け位置におけるロウ付けに十分な量となるまで、ステップ901〜909が繰り返される。
本実施の形態においては、制御回路31は、ワイヤWの反力により生じる駆動ローラ36における負荷を表す指標値として、トルクセンサ30により検出されたトルク値を用いる。また、制御回路31は、トルク値に基づいて、ワイヤWの母材への接触、および、ワイヤWの溶融を判断することができる。これにより、ワイヤWの送り込み、引き戻しを適切に制御することができる。また、上記トルク値が生じた時間間隔(さらに当該時間間隔による駆動ローラ36の回転量)に基づいて、ロウ付け位置におけるロウ材の供給量を算出することができる。これにより、ロウ付け位置における適量のロウ材の供給を実現することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態においては、ワイヤWの反力により生じる負荷を示す指標値として、トルクセンサ30によるトルク値を用いている。第2の実施の形態においては、ワイヤと接触しているローラ(外側ローラ)と、モータ34の軸35と連結されたローラ(内側ローラ)との間の位相差を、付加を示す指標値として用いる。
第2の実施の形態にかかるロウ付け装置の概略構成は図1とほぼ同様である。しかしながら、第2の実施の形態においては、ワイヤガイド12の中央部15が可撓性を有している必要は無い。図10は、第2の実施の形態にかかるロウ付け装置のワイヤ供給部材の概略構成を示す図である。第1の実施の形態と同様に、ワイヤ供給部材120は、駆動ローラおよび従動ローラを有し、駆動ローラと従動ローラとの間にワイヤWが位置し、駆動ローラの回転に伴ってワイヤWが送り込まれ、引き込まれる。図10においては、説明の便宜のため、従動ローラは省略している。
図10に示すように、本実施の形態においては、モータ34は軸133を介して駆動ローラ136と連結されている。駆動ローラ136は、後述するように、内環および外環を有する構造となっており、軸133は、内環(内側ローラ141)に連結される。図11は、第2の実施の形態にかかる駆動ローラの略断面図である。図11に示すように、駆動ローラ136は、内環を構成する内側ローラ141と、内側ローラ141を取り囲み、外環を構成する外側ローラ140とを有する。内側ローラ141と外側ローラ140とは同軸構造である。また、外側ローラ140には、さらに外側(モータ34の位置の反対側)に、外側ローラ軸142が取り付けられる。
図10および図11に示すように、外側ローラ軸142の端部には第1の変位センサ137が取り付けられている。また、図10に示すように、モータ34においては内側(駆動ローラ136の位置の反対側)に、モータ34の延長軸139を有し、延長軸139の端部には第2の変位センサ138が取り付けられている。外側ローラ軸142は、外側ローラ140とともに回転する。したがって、第1の変位センサ137は、外側ローラ140の回転角を変位として検出することができる。また、延長軸139と軸133とは内部で連結され、延長軸139はモータ34の軸133とともに回転する。したがって、第2の変位センサ138は、内側ローラ141の回転角を変位として検出することができる。
図12(a)〜(c)は、第2の実施の形態にかかる駆動ローラの軸方向の略断面図である。図11および図12(a)に示すように、内側ローラ141からは軸方向外向きに突起(外向き突起)146が突出し、外側ローラ140からは軸方向内向きに突起(内向き突起)145が突出している。図12(a)に示すように、外側ローラ140は、バネなどの付勢部材により矢印1202方向に付勢されている。また、付勢方向(矢印1202)は、モータ34の正回転方向(矢印1201)と一致する。したがって、初期的には、外側ローラ140の付勢部材の付勢力により、内向き突起145および外向き突起146は接触している(図12(a)参照)。したがって、外側ローラ140に与えられる負荷が、付勢部材による付勢力より小さい場合には、内側ローラ141の正回転に伴って、外側ローラ140も同じ回転角だけ正回転する。また、内側ローラ141の逆回転に伴って、外側ローラ140は、同じ回転角だけ逆回転する。
上述した構成を備えた第2の実施の形態にかかるロウ付け装置10における動作の概略を図4〜図6、および、図12(a)〜(c)を参照して説明する。
第1の実施の形態と同様に、第2の実施の形態においても、図4に示すように、初期的には、母材M1とM2とを接合させるために、ワイヤガイド12が所定の位置に移動した状態で、一定時間の予熱の後、ワイヤ供給装置18が作動してワイヤWが送り込まれる。これにより、ワイヤガイド先端部14の開口51からワイヤWが、矢印Bに示すように、下流側(母材M1とM2とのロウ付け位置)に向かって進み、ワイヤWの先端52が母材M1の上面に当接する。この状態で、加熱機22からの炎FによりワイヤW、および、母材M1とM2とのロウ付け位置が加熱される。このとき、ワイヤWの送給経路(ワイヤガイド12など)の抵抗による負荷は、付勢力よりも十分に小さいため、モータ34の駆動による内側ローラ141の正回転に伴って、外側ローラ140も同じ回転角だけ正回転する。
ワイヤWおよび母材M1とM2とのロウ付け位置の加熱が不十分、つまり、ワイヤWが溶融温度に達しておらず、ワイヤWの先端52が母材Aの上面に当接したままの状態で、ワイヤ供給装置18のワイヤ供給部材120において、駆動ローラ136はワイヤWを正方向に動かすように作動している。この状態で、さらに駆動ローラ136がワイヤWを正方向に送り込むことによって、ワイヤWの反力が生じる。この反力は、ロウ付け位置に送り込まれワイヤWの撓みによる、ワイヤ供給部材120の送り込みに対するものである。
ワイヤWの反力が外側ローラ140の付勢力より大きくなると、図12(b)に示すように外側ローラ140は停止し、内側ローラ141のみが正回転する(矢印1203参照)。図12(b)に示す状態で、内側ローラ141と外側ローラ140との間では位相差が生じる。
加熱機22により、さらに、ワイヤW、および、母材M1とM2とのロウ付け位置が加熱され、ワイヤWの溶融温度に達すると、図6に示すように、ワイヤWが溶融して、溶融したロウ材が母材M1とM2との間の隙間に流入する(符号BR参照)。ワイヤWが溶融することで、その先端52は、母材M1の上面から離間する。したがって、図6に示すように、ワイヤWの反力がなくなるため、図12(c)に示すように、外側ローラ140は付勢部材による付勢力によって矢印1204方向に回転し、内向き突起145が、内側ローラ141の外向き突起146に接触する。その後は、また、内側ローラ141と外側ローラ140とはともに正回転する。
第2の実施の形態における制御回路31によるロウ付けシーケンスも、第1の実施の形態とほぼ同様である。図13および図14は、第2の形態にかかるロウ付け装置の制御回路によるロウ付けシーケンスの一例を示すフローチャートである。制御回路31は、ロウ付け装置10のワイヤガイド12がロウ付け位置に到達するように、駆動装置(図示せず)を作動させ、ロウ付け位置に到達させる(ステップ1301)。制御回路31は、ワイヤガイド12がロウ付け位置に達すると、モータ34を駆動して、ワイヤ供給部材120の駆動ローラ136を正回転させて、ワイヤWをロウ付け位置に送り込む(ステップ1302)。
制御回路31は、第1の変位センサ137から外側ローラ140の回転角、第2の変位センサ138から内側ローラ141の回転角を取得して(ステップ1303)、これらの間の位相差を算出する(ステップ1304)。なお、本実施の形態においては、位相差は0または正の値をとる。すなわち、内向き突起145と外向き突起146とのなす角が大きくなるのにしたがって、位相差は大きくなる。
制御回路31は、位相差が増大して所定の値X以上になったか否かを判断する(ステップ1305)。位相差が増大することは、ワイヤWがロウ付け位置において、溶融していない状態で母材M1に接触していることを示す。なお、所定の値Xは、予め定めておけば良い。所定の値Xを、当該トルク値がXであるときに対応するワイヤ供給量Wαが、1箇所のロウ付け位置でのロウ付けに必要な量となるように予め設定しておくことで、1箇所のロウ付け位置でのロウ付け回数を少なくすることができる。
ステップ1305でYesと判断された場合には、制御回路31はモータ34を停止する(ステップ1306)。次いで、制御回路31は、ワイヤ供給総量が、所定量A以上であるか否かを判断する(ステップ1307)。
なお、ワイヤ供給総量は、初期的には、1回のワイヤ供給量に一致する。また、本実施の形態において、所定量Aは、あるロウ付け位置でロウ付けに必要とするロウの量に相当する。また、ワイヤ供給量は、1動作で終了する場合、すなわち、図13のステップ1307でYesと判断される場合には、位相差X(ステップ1305参照)と位相差Y1(ステップ1308参照)との差(X−Y1)に基づいて算出することができる。また、2動作以上となる場合、すなわち、図14に示す処理も実行される場合には、(位相差X×動作数)+(ステップ1407における位相差の減少分)に基づいて算出することができる。
ステップ1307でYesと判断された場合には、制御回路31は、位相差が減少して所定の値Y1(X>Y1>0)以下になったか否かを判断する(ステップ1308)。ステップ1308でYesと判断された場合には、ワイヤWは、溶融中であり、溶融されたロウによるロウ付け位置の接合が行なわれていることになる。そこで、ステップ1308でYesと判断された場合には、制御回路31は、モータ34を所定量だけ逆回転させる(ステップ1309)。そのロウ付け位置におけるロウ付けは完了したと判断され、その後、制御回路31は、次のロウ付け位置まで、ワイヤガイド12を移動させる。
ステップ1307でYesと判断された場合には、1回のロウ付けに十分な量が供給されている。したがって、溶融中のロウによりロウ付け位置において母材M1、M2がしっかりと接合される。ステップ1309は、ワイヤWの先端(たとえば図6の符号52参照)が、加熱機22の炎により球状となることを防止するため、ワイヤWを炎から遠ざける必要があることから実行される。
その一方、ステップ1307でNoと判断された場合には、制御回路31は、位相差が「0」になったか否かを判断する(ステップ1310)。ステップ1310でYesと判断された場合には、ワイヤWはほぼ完全に溶融した状態となっている。ステップ1310でYesと判断された場合にも、制御回路31は、モータ34を所定量だけ逆回転させる(ステップ1311)。
次いで、制御回路31は内蔵したタイマに所定の時間を設定し、タイマをスタートさせる(ステップ1401)。所定時の時間が経過すると、制御回路31は、モータ34を再度正回転させる(ステップ1402)。
制御回路31は、外側ローラ140の回転角および内側ローラ141の回転角を取得して(ステップ1403)、これらの間の位相差を算出する(ステップ1404)。制御回路31は、位相差が増大して所定の値X以上になったか否かを判断する(ステップ1405)。ステップ1405でYesとなった場合には、制御回路31はモータ34を停止する(ステップ1406)。その後、制御回路31は、位相差が減少したと判断すると(1407でYes)、ワイヤの供給総量が、所定量A以上であるか否かを判断する(ステップ1408)。ワイヤの供給総量は、元のワイヤの供給総量に、今回のモータ34の正回転(ステップ1402参照)により供給されたワイヤの供給量を加算すれば良い。
ステップ1408でYesと判断された場合には、ステップ1309に進み、制御回路31は、モータ34を所定量だけ逆回転させた後、次のロウ付け位置まで、ワイヤガイド12を移動させる。ステップ1407で位相差が減少したと判断された場合には、ワイヤは溶融中であり、溶融されたロウによるロウ付け位置での接合が行なわれていることになる。このときに、ワイヤの供給総量が、当該ロウ付け位置におけるロウ付けに十分な量であれば、そのロウ付け位置におけるロウ付けは完了したと判断される。
その一方、ステップ1408でNoと判断された場合には、制御回路31は、位相差がさらに減少して「0」になったか否かを判断する(ステップ1409)。ステップ1409でYesと判断されると、制御回路31は、モータ34を所定量だけ逆回転させて、ステップ1401に戻る。このように、ワイヤ供給総量が、あるロウ付け位置におけるロウ付けに十分な量となるまで、ステップ1401〜1410が繰り返される。
第2の実施の形態においては、制御回路31は、ワイヤWの反力による負荷を示す指標値として、モータ34の軸と連結された内側ローラ141と、ワイヤWの反力の影響を受けて停止する外側ローラ140との間の位相差を用いる。また、制御回路31は、位相差に基づいて、ワイヤWの母材への接触、および、ワイヤWの溶融を判断することができる。これにより、ワイヤWの送り込み、引き戻しを適切に制御することができる。また、上記位相差に基づいて、ロウ付け位置におけるロウ材の供給量を算出することができる。これにより、ロウ付け位置における適量のロウ材の供給を実現することが可能となる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
たとえば、前記実施の形態においては、トルク値が0まで減少した場合(図8の809参照)、一旦モータ34を逆回転させて、一旦ワイヤWをロウ付け位置から離間させている(ステップ810参照)。しかしながら、このようなシーケンスに限定されるものではない。図15は、第3の実施の形態にかかるロウ付けシーケンスの例を示すフローチャートである。図8のステップ801〜808の処理は、第1の実施の形態と同様である。
ステップ806でNoと判断された場合、つまり、ワイヤ供給総量が所定量Aより少なかったであった場合、制御回路31は、トルク値が減少して所定の値β2(α>β2>0)以下になったか否かを判断する(ステップ1501)。ステップ1501でYesと判断された場合には、ワイヤWは、溶融中であり、溶融されたロウによるロウ付け位置の接合が行なわれていることになる。
ステップ1501でYesと判断された場合には、制御回路31は、ワイヤ供給部材20のモータ34を正回転させて、ワイヤをロウ付け位置に送り込み(ステップ1502)、さらに、トルク値を測定する(ステップ1503)。制御回路31は、ワイヤ供給総量が、所定の値A以上になっていれば(ステップ1504でYes)、ステップ808に進み、ワイヤ供給部材20のモータ34を所定量だけ逆回転させ、そのロウ付け位置におけるロウ付けが完了したと判断された後、次のロウ付け位置まで、ワイヤガイド12を移動させる。
ステップ1504でNoと判断された場合には、制御回路31は、取得したトルク値が増大して、ある値γ(α>γ>β2)以上になったか否かを判断する(ステップ1505)。トルク値が増大することは、溶融したロウ材(ワイヤ)が正回転により送り込まれ、ロウ材が溶融しつつ、かつ、ワイヤWの先端がロウ付け位置において、母材M1との接触を継続していることを意味している。ステップ1505でNoと判断された場合には、ステップ1504に戻り、当該ロウ付け位置におけるロウ付けに十分な量となっていれば(ステップ1504でYes)、ステップ808に進む。
ステップ1505でYesと判断された場合には、制御回路31は、ワイヤ供給部材20のモータ34を減速或いは停止させる(ステップ1506)。次いで、制御回路31は、ワイヤ供給総量が、所定の値A以上になっていれば(ステップ1507でYes)、ステップ808に進み、ワイヤ供給部材20のモータ34を所定量だけ逆回転させ、そのロウ付け位置におけるロウ付けが完了したと判断された後、次のロウ付け位置まで、ワイヤガイド12を移動させる。
ステップ1507でNoと判断された場合には、トルク値が減少して所定の値β2(α>β2>0)以下になったか否かを判断する(ステップ1508)。ステップ1508でNoと判断された場合には、ステップ1507に戻り、当該ロウ付け位置におけるロウ付けに十分な量となっていれば(ステップ1507でYes)、ステップ808に進む。
ステップ1508でYesと判断された場合には、ステップ1502に戻り、ステップ1502〜1508の処理を繰り返す。
第3の実施の形態においては、図15の一連の処理においては母材とワイヤとが接触した状態でワイヤを供給し続けるため、ロウ付けに要する時間を短くすることが可能となる。また、ワイヤと母材とが接触しながら連続でワイヤを供給するという状態の中で、ワイヤ供給総量が所定量Aを超えた段階で、あるロウ付け位置におけるロウ付けを終了するため、ロウ付けに使用されるロウ材の量を適切にすることもできる。
第2の実施の形態のように、ワイヤWの反力を、モータ34の軸と連結された内側ローラ141と、ワイヤWの反力の影響を受けて停止する外側ローラ140との間の位相差として得る構成についても、第3の実施の形態にかかる処理を適用することができる。この場合には、トルク値を測定する代わりに、モータ34の軸と連結された内側ローラ141と、ワイヤWの反力の影響を受けて停止する外側ローラ140との間の位相差を算出し、位相差を、所定の値と比較して、処理を進めれば良い。
また、上記実施の形態においては、本発明をロウ付け装置に適用したが、ミグ溶接やマグ溶接を行うアーク溶接装置に本発明を適用することも可能である。ミグ溶接は、アーク溶接のうち、シールドガスに不活性ガス(たとえば、アルゴンやヘリウム)のみを用いるものであり、その一方、マグ溶接は、アーク溶接の打ち、シールドガスに不活性ガスと炭酸ガスの混合気を用いるものである。
本発明をマグ溶接やミグ溶接のためのアーク溶接装置に使用する場合には、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態にかかるロウ付け装置のワイヤガイド(ワイヤガイド先端部14)を、溶接トーチ(溶接ガン)に置き換える。また、加熱機22は使用されない。
図16は、アーク溶接装置における溶接トーチおよびその周辺の概略構成を示す図である。図16に示すように、溶接トーチ414は、ガスノズルが取り付けられた本体415、ワイヤに電気を供給するコンタクトチップ416を備える。母材M1は、電力を供給する溶接機(図示せず)の一方の電極と接続されるとともに、コンタクトチップ416も、溶接機(図示せず)の他方の電極と接続される。
このようなアーク溶接装置においては、溶加材のワイヤWはコンタクトチップ416を介して通電されている。したがって、ワイヤWが母材M1に接近することにより、コンタクトチップ416を介して与えられた電流によりアークが形成される。その一方、溶接トーチ414の本体415の先端部417からは、シールドガスが噴出し(符号418参照)、アークを空気から遮断する。アークによる熱により母材M1、M2と、溶加材とが溶融し、溶接位置419において、母材M1、M2が接合される。
上記ミグ溶接、マグ溶接を行う場合にも、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に示したワイヤ供給装置、可動部材を設けることにより、可動部材における変位に基づいて、ワイヤWの送り込みを制御することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるロウ付け装置の概略構成を示す図である。 図2は、本実施の形態にかかるワイヤ供給装置の概略構成を示す図である。 図3は、本実施の形態にかかるモータを含む駆動回路の構成を示すブロックダイヤグラムである。 図4は、本実施の形態にかかるロウ付け装置における動作の概略を示す図である。 図5は、本実施の形態にかかるロウ付け装置における動作の概略を示す図である。 図6は、本実施の形態にかかるロウ付け装置における動作の概略を示す図である。 図7は、モータの回転およびトルクセンサにより検出されるトルクの例を概略的に示すグラフである。 図8は、本実施の形態にかかるロウ付け装置の制御回路によるロウ付けシーケンスの一例を示すフローチャートである。 図9は、本実施の形態にかかるロウ付け装置の制御回路によるロウ付けシーケンスの一例を示すフローチャートである。 図10は、第2の実施の形態にかかるロウ付け装置のワイヤ供給部材の概略構成を示す図である。 図11は、第2の実施の形態にかかる駆動ローラの略断面図である。 図12(a)〜(c)は、第2の実施の形態にかかる駆動ローラの軸方向の略断面図である。 図13は、第2の形態にかかるロウ付け装置の制御回路によるロウ付けシーケンスの一例を示すフローチャートである。 図14は、第2の形態にかかるロウ付け装置の制御回路によるロウ付けシーケンスの一例を示すフローチャートである。 図15は、第3の実施の形態にかかるロウ付けシーケンスの例を示すフローチャートである。 図16は、アーク溶接装置における溶接トーチおよびその周辺の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 ロウ付け装置
12 ワイヤガイド
14 ワイヤガイド先端部
16 ワイヤガイド後部
18 ワイヤ供給装置
20 ワイヤ供給部材
22 加熱機
24 加熱機先端
M1 第1の母材
M2 第2の母材
W ワイヤ
F 炎
25 基部
26 端壁
30 トルクセンサ
31 制御回路
33、35 軸
34 モータ
36 駆動ローラ
37 従動ローラ

Claims (10)

  1. 溶接位置において、溶融した溶加材により複数の母材を一体にする溶接装置であって、
    前記溶接位置において母材および溶加材のワイヤを加熱する加熱部材と、
    前記溶加材のワイヤを通過させて、前記溶接位置にガイドする中空のワイヤガイドと、
    前記溶加材のワイヤを溶接位置に送り込み、或いは、溶接位置から引き戻すため、モータと連結された駆動ローラを有するワイヤ供給部材と、
    前記ワイヤ供給部材により溶接位置に送り込まれる前記ワイヤの撓みによる前記送り込みに対する反力により生じる、前記ワイヤ供給部材の駆動ローラにおける負荷を示す指標値を測定する測定手段と、
    前記測定手段における前記指標値の変化に基づいて、前記駆動ローラを駆動するモータを制御して、前記ワイヤ供給部材の駆動ローラにより前記溶加材のワイヤを送り込み、或いは、引き戻す制御手段と、を備えたことを特徴とする溶接装置。
  2. 前記測定手段が、前記駆動モータのトルクを検出するトルク検出手段を有し、
    前記制御手段が、前記トルク検出手段により検出されたモータのトルク値を指標値として、当該トルク値に基づいて、前記モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
  3. 前記駆動ローラが、前記モータの軸に連結された内側ローラと、前記内側ローラの周囲に、前記内側ローラと同軸に形成され、前記溶加材のワイヤと接触する外側ローラであって、前記モータが前記ワイヤを溶接位置に送り込む方向である正回転方向に所定の付勢力にて付勢された外側ローラと、前記外側ローラの付勢を規制する係止部材とを備え、
    前記測定手段が、前記反力により前記外側ローラが前記付勢力に抗して停止して生じる、前記外側ローラおよび内側ローラとの間の位相差を検出する位相差検出手段を有し、
    前記制御手段が、前記位相差出手段により検出された位相差を指標値として、当該位相差に基づいて、前記モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
  4. 前記係止部材が、前記外側ローラから半径方向内側に突出した内向き突起と、前記内側ローラから半径方向外側に突出した外向き突起とを有し、前記内向き突起が、前記外向き突起に接触することにより、前記外側ローラの付勢が規制されることを特徴とする請求項3に記載の溶接装置。
  5. 前記制御手段が、前記指標値が増加して第1の所定値に達した後、前記ワイヤ供給手段により供給されたワイヤの供給量の累算量である供給総量が、所定量より多く、かつ、前記指標値が減少して、前記第1の値より小さい第2の値以下となった場合に、前記溶接位置における溶接が終了したと判断して、前記ワイヤ供給部材により前記ワイヤを所定量引き戻すように構成されたことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の溶接装置。
  6. 前記制御手段が、前記指標値が増加して前記第1の所定値に達した後、前記ワイヤ供給手段により供給されたワイヤの供給総量が所定値以下である場合に、指標値が減少して「0」となると、一旦、前記ワイヤ供給部材により前記ワイヤを所定量引き戻した後、再度、前記ワイヤ供給部材によりワイヤを送り込むように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の溶接装置。
  7. 前記制御手段が、前記指標値が増加して前記第1の所定値に達した後、前記ワイヤ供給部材によるワイヤの供給を停止するように構成されたことを特徴とする請求項5または6に記載の溶接装置。
  8. 前記制御手段が、前記指標値が増加して前記第1の所定値に達した後、前記ワイヤ供給手段により供給されたワイヤの供給総量が所定値以下である場合に、再度指標値が減少して、前記第1の所定値より小さい第3の所定値以下となると、
    前記ワイヤ供給総量が、前記所定値より多くなるまで、ワイヤ供給部材によりワイヤを送り込み、
    前記ワイヤ供給総量が、前記所定量以下であるときに、前記指標値が増加して、前記第1の所定値と第3の所定値との間の第4の所定値に達したときに、前記ワイヤ供給手段を減速或いは停止し、
    前記ワイヤ供給総量が、前記所定値より多くなるまで、ワイヤ供給部材によりワイヤを送り込み、
    前記ワイヤ供給総量が、前記所定値より多くなった場合に、前記溶接位置における溶接が終了したと判断して、前記ワイヤ供給部材により前記ワイヤを所定量引き戻すように構成されたことを特徴とする請求項7に記載の溶接装置。
  9. 前記制御手段が、前記ワイヤ供給部材によるワイヤの供給量を、前記駆動ローラの回転量に基づいて算出することを特徴とする請求項2に記載の溶接装置。
  10. 前記制御手段が、前記ワイヤ供給部材によるワイヤの供給量を、前記位相差および前記駆動ローラの外側ローラの回転量に基づいて算出することを特徴とする請求項3に記載の溶接装置。
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