JP4461874B2 - 溶接装置 - Google Patents

溶接装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4461874B2
JP4461874B2 JP2004098951A JP2004098951A JP4461874B2 JP 4461874 B2 JP4461874 B2 JP 4461874B2 JP 2004098951 A JP2004098951 A JP 2004098951A JP 2004098951 A JP2004098951 A JP 2004098951A JP 4461874 B2 JP4461874 B2 JP 4461874B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
welding wire
wire
time
droplet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004098951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005279739A (ja
Inventor
公哉 佐藤
潤司 藤原
哲 印南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2004098951A priority Critical patent/JP4461874B2/ja
Publication of JP2005279739A publication Critical patent/JP2005279739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4461874B2 publication Critical patent/JP4461874B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc Welding Control (AREA)

Description

本発明は、消耗電極である溶接ワイヤと被溶接物である溶接母材との間にアークを発生させて溶接出力制御を行う溶接装置に関するものである。
通常、消耗電極式アーク溶接では、溶接出力電圧の供給と溶接ワイヤの送給を停止することで、溶接を終了させていた。
このとき、溶接ワイヤの送給は、溶接ワイヤ送給モータ及び溶接ワイヤ送給機構等の慣性や、溶接トーチ内の溶接ワイヤのたるみ及び送給抵抗等により、溶接ワイヤ先端が完全に停止するまでに時間を要していた。
これに対して、溶接出力電圧の供給は、インバータ周波数(10kHz)程度の応答速度で、瞬時に停止させることができていた。
このように両者の停止時間には差があるので、仮に、溶接終了の指示と同時に溶接ワイヤ送給モータと溶接出力電圧の供給を停止すると、溶接出力停止後も溶接ワイヤのみが送給され、溶接ワイヤが被溶接物に溶着(以下、スティックという。)する不具合が生じる。公知の技術においては、上記のスティックを防止するために、溶接終了の指示と同時に溶接出力電圧の供給を停止せず、予め、溶接終了の指示を起点とし溶接ワイヤが停止するまでの溶接ワイヤ停止時間に対応する溶接終了制御時間を設け、前記溶接終了制御時間中は、溶接出力電圧を供給することにより所定の終了状態を得ていた。
しかし、このような方法では、溶接ワイヤ停止時間に対して溶接終了制御時間が長過ぎるとアーク長が過大となり、溶接ワイヤ先端の溶融玉が過大に成長して、次のアークスタート時にスタート不良の原因の一つとなっていた。このような課題の解決方法として、従来の消耗電極式パルスアーク溶接装置では、溶接終了制御時間経過後の最終パルス出力直後に溶接電源の出力を停止することで溶接終了直前のアーク長を適正値にすることが提案されている。
また、溶接終了の指示以降に溶接ワイヤの送給モータの電機子電圧が所定値以下になったことを検出して溶接ワイヤの送給の停止とし、パルス通電した後に溶接電源の出力を停止するものも提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平4−111972号公報
しかし、上述した従来の溶接終了制御の様に、溶接終了の指示を起点とし溶接ワイヤが停止するまでの溶接ワイヤ停止時間に対応させて溶接終了制御時間を設定し、溶接ワイヤを溶融離脱させるものでは、溶接ワイヤ送給モータや送給機構の慣性のバラツキ、トーチケーブル長、溶接用トーチ内の溶接ワイヤのたわみ等、多くの因子により発生する溶接ワイヤ停止時間のバラツキに対応できず、その結果、溶接終了時の溶接ワイヤ先端の状態が不規則となっていた。
上記のように、溶接ワイヤ停止時間にバラツキがあると溶接終了時のスパッタの増大、溶接品質の悪化、スティック、チップ融着といった不具合が発生していたと共に、溶接終了時の溶接ワイヤ先端の状態が不規則であると、次のアークスタート時のアークスタート不良の原因の一つにもなるという課題を有していた。
さらに、溶接終了制御時間は、定常溶接時の溶接ワイヤ送給モータの回転数や溶接ワイヤ径、溶接ワイヤ材質等により異なるため、それぞれの組み合わせで実験を行い最適値を選定するために多くの工数を要するという課題も有していた。
また、溶接終了の指示以降に溶接ワイヤの送給モータの電機子電圧が所定値以下になったことを検出して溶接ワイヤの送給の停止とし、パルス通電した後に溶接電源の出力を停止する方法では、溶接終了の指示以降溶接ワイヤ停止までの間のアーク長の変動による、溶接ビード外観や溶接品質の悪化、スパッタの発生を抑制することは難しいという課題を有していた。
本発明は、溶接終了制御時間の選定といった実験により最適値を求める作業をすることなく、溶接終了の指示以降溶接ワイヤ停止までの間のアーク長をほぼ一定に維持しながら、溶接終了時の溶接ワイヤ先端の状態のバラツキを抑え、溶接作業性や溶接品質を向上させると共に次のアークスタート時のアークスタート性をも向上させる溶接装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の溶接装置は、溶接起動信号を出力する起動手段と、前記起動手段からの溶接起動信号によって溶接ワイヤを溶接部分に送給し、前記起動手段からの溶接終了の指示によって溶接ワイヤの送給量を減少させて停止させる溶接ワイヤ送給手段を備え、前記溶接終了の指示以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行からの溶接ワイヤの送給量を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された送給量が所定の値になった時に溶滴を移行させる移行手段とを設けたものである。
そして、この構成により本発明の溶接装置は溶接終了の指示以降に送給された溶接ワイヤとほぼ同量が被溶接物に移行し、溶接終了制御時間の選定といった実験により最適値を求める作業をすることなく、溶接終了の指示以降溶接ワイヤ停止までの間のアーク長をほぼ一定に維持しながら、溶接終了時の溶接ワイヤ先端の溶融玉を小径で適正な大きさに安定して制御してバラツキを抑え、溶接作業性や溶接品質を向上させると共に次のアークスタート時のアークスタート性をも向上させる作用を有する。
以上のように、本発明は、起動信号がオフしてからワイヤ停止までに送給されるワイヤ量の殆ど全てを移行させることが出来る上、定常溶接時のアーク長と溶接終了の指示以降のアーク長との間に大きな差を発生させることなく、溶接ワイヤの燃え上がりやチップと溶接ワイヤとの融着を防止でき、さらにスティックを防止するに十分なワイヤ先端と母材との間隙を保ち、溶接終了時の溶接ワイヤ先端の状態のバラツキを抑えて安定して制御することができるので、溶接作業性や溶接品質を向上させることが出来、次のアークスタートを良好に行うことが可能となる。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る消耗電極式アーク溶接装置の実施の形態1を表すブロック図を示すものである。
起動手段4から出力される溶接起動信号に基づいて溶接ワイヤ送給手段5は溶接ワイヤを送給および停止し、電力出力手段3は溶接ワイヤ1と被溶接物2との間に所望波形の電力を供給および停止する。算出手段7は溶接ワイヤ1の送給量を算出し、移行手段8は算出手段7で算出された溶接ワイヤ1の送給量が所定の値になった時に溶滴を移行させる。
次に図2を用いて動作の説明をする。本図は、消耗電極式アーク溶接の一例として、特に消耗電極式パルスアーク溶接を説明する図である。
図2に示すように、溶接ワイヤ1を溶接部分に送給して溶接する定常溶接時に、溶接起動信号TSがオフし溶接終了の指示がなされると、溶接ワイヤ送給モータには停止信号が入り、溶接ワイヤ送給速度vが減衰を始める。ここで、溶接終了の指示時刻t0以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbからの溶接ワイヤ1の送給量Vを算出し、前記送給量Vが所定の値Mの整数倍になった時に溶滴を移行させる。
図2では溶接終了の指示時刻t0以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbからの溶接ワイヤ1の送給量Vとして溶接終了の指示時刻t0以降の溶接ワイヤ1の送給量を示した。
本実施の形態例では、溶滴の移行手段としてIaに示すようにパルス状の電気的出力を用いた。
さらに、電気的出力Ibに示したように前記電気的出力Iaに加えて溶接ワイヤ1の停止時刻teにパルス出力を供給することで、溶滴を移行させてもよい。
溶接終了の指示時刻t0以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbからの溶接ワイヤ1の送給量は、溶接ワイヤ送給速度vを時間積分することで算出出来る。ここで、溶接ワイヤ送給速度vは、非接触光学式速度検出器やレーザドップラセンサ等によって検出することが出来る。また、溶接ワイヤ1の送給量は溶接ワイヤ送給用モータの回転数から算出することも出来る。ここで、溶接ワイヤ送給用モータの回転数は、前記非接触光学式速度検出器、レーザドップラセンサの他、接触式回転系や溶接ワイヤ送給用モータに取り付けられたエンコーダ等を用いて検出することが出来る。
以下に、前記所定の値Mおよび溶接終了の指示以降のワイヤ送給量Vおよび溶滴の移行タイミングの算出方法の例を示す。
溶接ワイヤ1の直径をa(mm)、溶接ワイヤ1を溶接部分に送給して溶接する定常溶接時のワイヤ送給速度をv0(mm/sec)、溶滴の移行周波数をf(Hz)とすると、前記所定の値Mは
と表すことが出来る。
一方、溶接終了の指示時刻t0以降溶滴の移行タイミングti(i=1,2,3,・・・・・)までの間に送給される溶接ワイヤ1の送給量Vは、溶接ワイヤ送給速度をvとすると
で表すことが出来る。ここで、溶接ワイヤ送給速度vは溶接ワイヤ送給用モータに取り付けられたエンコーダのパルス出力信号の関数として設定した。溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbからの溶接ワイヤ1の送給量を算出する場合にはt0をtbに置き換えればよい。
従って、溶接起動信号TSがオフしてからi(i=1,2,3,・・・・・)番目の溶滴相当の溶接ワイヤ1の送給量が送給される溶滴の移行タイミングti(i=1,2,3,・・・・・)は(1)式及び(2)式より
の解で表すことが出来る。
以上のように、溶接終了の指示時刻t0以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbからの溶接ワイヤ1の送給量Vを算出し、前記送給量Vが所定の値Mの整数倍になる時間tiに溶滴を移行させることにより、溶接起動信号TSがオフしてから溶接ワイヤの停止までに送給される溶接ワイヤ量の殆ど全てを移行させることが出来る。
つまり、溶接終了制御時間の選定といった実験により最適値を求める作業無しで、定常溶接時のアーク長と溶接終了の指示以降のアーク長との間に大きな差を発生させることなく、溶接ワイヤ1の燃え上がりやチップと溶接ワイヤとの融着を防止できる。さらに、スティックを防止するに十分なワイヤ先端と被溶接物2との間隙を保ち、溶接終了時の溶接ワイヤ先端の溶融玉を小径の適正な大きさにバラツキを抑えて安定して制御することが出来るので、溶接作業性や溶接品質を向上させることが出来、次のアークスタートを良好に行うことが可能となる。また、溶接ワイヤ1の送給量の算出の際に、溶接終了の指示時刻t0以降ではなく溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbからの溶接ワイヤの送給量を算出することで、溶接ワイヤ1を溶接部分に送給して溶接する定常溶接時と起動信号TSがオフし溶接終了の指示がなされたt0以降とのパルス周期が乱れることなく安定して連続的に発生する。
上記は、溶接起動信号TSがオフの期間は1パルスで1回の溶滴の移行をさせる場合であるが、移行パルス以外に移行を伴わない複数のパルスを出力することもある。
なお、上記図2における実施の形態は、消耗電極式パルスアーク溶接で説明したが、これに限定されるものではなく、他の消耗電極式アーク溶接法においても同様の効果を奏するものである。
(実施の形態2)
図3は本発明に係る消耗電極式アーク溶接装置の実施の形態2を表すブロック図である。本実施の形態において実施の形態1と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
算出手段7は溶接ワイヤ1の送給量を算出し、移行手段8は算出手段7で算出された溶接ワイヤ1の送給量が所定の値になった時に溶滴を移行させると共に、溶滴の移行タイミングとして比較手段10に溶滴移行タイミング信号を出力する。
時間推定手段9は溶接ワイヤが停止する時間を推定し、比較手段10によって時間推定手段9の推定結果と移行手段8からの溶滴移行タイミング信号を比較する。制御手段6は、比較手段10によって溶滴の移行タイミングが溶接ワイヤ1の停止よりも遅くなると推定された場合に溶滴の移行タイミングが溶接ワイヤ1の停止よりも遅くなると推定された溶滴の移行タイミングよりも前の溶滴の移行で溶接ワイヤ1への電気的出力を停止する。
次に、図4を用いて動作の説明をする。
実施の形態1と異なるのは、溶接ワイヤ1の停止時刻teを推定し、溶滴の移行タイミングtiとを比較して、溶滴の移行タイミングtiが溶接ワイヤ1の停止よりも遅くなると推定された場合、溶滴の移行タイミングtiが溶接ワイヤ1の停止よりも遅くなると推定された溶滴の移行タイミングtiよりも前の溶滴の移行で予め溶接ワイヤ1への電力の供給を停止する点である。
図4では、溶接終了の指示以降の溶接ワイヤ1の送給量Vが4Mとなる溶滴の移行タイミングが溶接ワイヤ1の停止時刻teよりも遅くなると推定されるため、溶接終了の指示以降の溶接ワイヤ1の送給量Vが3Mとなる溶滴の移行タイミングである時刻t3の溶滴の移行で出力を停止させている。
溶接ワイヤ1の停止までの時間である溶接ワイヤ1の停止時刻te−溶接終了の指示時刻t0の推定には溶接終了の指示以降の溶接ワイヤ1の送給量の減少度を測定して推定する方法や溶滴の移行周期を測定し、各溶滴の移行周期の変化から推定する方法がある。
以下に、溶接ワイヤ1の停止までの時間の推定方法の例を示す。
まず、溶接終了の指示以降溶接ワイヤ1の送給量の減少度を測定して推定する方法を示す。溶接終了の指示時刻t0と溶接終了の指示時刻t0以降の時刻での溶接ワイヤ送給速度を測定し、溶接ワイヤ送給速度vの時間変化の指数近似を行うことにより、溶接ワイヤ送給速度が所定の速度になる時刻を溶接ワイヤ1の停止時刻として推定できる。次に、各溶滴の移行周期を測定し各溶滴の移行周期の変化から推定する方法を示す。時刻の異なる3回の溶滴の移行周期を測定してt0以降の溶滴の移行周期の時間変化を指数近似し、溶滴の移行周期が所定の周期になる時刻を溶接ワイヤ1の停止時刻として推定できる。
以上のように、溶接ワイヤ1の停止時刻teを推定し、溶滴の移行タイミングtiとを比較して、溶滴の移行タイミングtiが溶接ワイヤ1の停止よりも遅くなると推定された場合、溶滴の移行タイミングtiが溶接ワイヤ1の停止よりも遅くなると推定された溶滴の移行タイミングtiよりも前の溶滴の移行で予め溶接ワイヤ1への電力の供給を停止させることにより、溶接起動信号TSがオフしてから溶接ワイヤ停止までに送給される溶接ワイヤ量の殆ど全てを移行させつつ、溶接ワイヤ1が停止する直前の溶滴の移行後に溶接ワイヤ1に余分な電力が供給されることなく溶接ワイヤ1への電力の供給を停止することが可能となり、溶接終了制御時間の選定といった実験により最適値を求める作業無しで、定常溶接時のアーク長と溶接終了の指示以降のアーク長との間に大きな差を発生させることがなく、溶接ワイヤ1の燃え上がりやチップと溶接ワイヤ1との融着を防止できる。さらに、スティックを防止するに十分な溶接ワイヤ先端と被溶接物2との間隙を保ち、溶接終了時の溶接ワイヤ先端の溶融玉を小径の適正な大きさにバラツキを抑えて安定して制御することができるので、溶接作業性や溶接品質を向上させることが出来、次のアークスタートを良好に行うことが可能となる。
なお、上記図4における実施の形態は、消耗電極式パルスアーク溶接で説明したが、これに限定されるものではなく、他の消耗電極式アーク溶接法においても同様の効果を奏するものである。
(実施の形態3)
図5は上記の目的を達成する消耗電極式アーク溶接装置の原理図を示すものである。本図は、消耗電極式アーク溶接法の一例として、特に消耗電極式パルスアーク溶接を説明する図である。
送給量推定手段11は溶接終了の指示以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行からの溶接ワイヤ1の総送給量を推定し、移行手段8は送給量推定手段11で推定された総送給量を溶滴として移行させる。
次に、図6を用いて動作の説明をする。本実施の形態において実施の形態1、2と同様の構成については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。実施の形態1、2と異なるのは、溶接終了の指示以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行から溶接ワイヤ停止までの間の溶接ワイヤ1の総送給量を推定し、推定した溶接ワイヤ1の総送給量を溶かす電力をパルス状に溶接ワイヤ1に供給する点である。
図6に示すように、溶接ワイヤ1を溶接部分に送給して溶接する定常溶接時に、起動信号TSがオフし溶接終了の指示がなされると、溶接ワイヤ送給速度vが減衰を始める。ここで、溶接終了の指示時刻t0以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbから溶接ワイヤ1の停止時刻teまでの間の溶接ワイヤ1の総送給量を推定し、前記の推定した溶接ワイヤ1の総送給量を溶かす電力を溶接終了の指示時刻t0以降に出力する。
溶接終了の指示時刻t0以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbからの溶接ワイヤ1の総送給量の推定には、溶接終了の指示以降の溶接ワイヤ1の送給量の減少度を測定して推定する方法がある。
以下に、溶接終了の指示時刻t0以降の溶接ワイヤ1の総送給量の推定方法の例を示す。まず、溶接終了の指示移行の溶接ワイヤ1の送給量の減少度を測定して推定する方法を示す。溶接終了の指示時刻t0と溶接終了の指示時刻t0以降の時刻での溶接ワイヤ送給速度を測定して、溶接ワイヤ送給速度vの時間変化の指数近似を行うことにより、溶接ワイヤ送給速度が所定の速度になる時刻を溶接ワイヤ1の停止時刻として推定できる。ここで、溶接ワイヤ送給速度vの時間変化の指数近似式を溶接終了の指示時刻t0から前記溶接ワイヤ1の停止時刻までを時間積分することで溶接終了の指示時刻t0からの溶接ワイヤ1の総送給量が推定出来る。
次に、各溶滴の移行周期を測定し各溶滴の移行周期の変化から推定する方法を示す。時刻の異なる3回の溶滴の移行周期を測定してto以降の溶滴の移行周期の時間変化を指数近似し、溶滴の移行周期が所定の周期になる時刻を溶接ワイヤ1の停止時刻として推定できる。また、溶接終了の指示時刻toと溶接終了の指示時刻to以降の時刻での溶接ワイヤ送給速度を測定して、溶接ワイヤ送給速度vの時間変化の指数近似を行う。溶接ワイヤ送給速度vの時間変化の指数近似式を溶接終了の指示時刻t0から前記溶接ワイヤ1の停止時刻までを時間積分することで溶接終了の指示時刻t0からの溶接ワイヤ1の総送給量が推定出来る。
ここでは、溶接終了の指示時刻t0以降の溶接ワイヤ1の総送給量の推定方法を示したが、溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbからの溶接ワイヤ1の総送給量の推定の場合には、溶接終了の指示時刻t0以降の溶接ワイヤ1の総送給量の推定結果に定常溶接時である溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbから溶接終了の指示時刻t0までの溶接ワイヤ1の送給量を加算すれば良い。
溶接終了の指示時刻t0以降の溶接ワイヤ1には、溶接電流Id、Ieに示したようにパルス状の電力を供給してもよい。この場合、上記の所定の周期Tにn(n=1,2,3,・・・・・)パルスで1溶滴が移行する値を設定してもよい。この時、溶接終了の指示時刻t0以降の溶接ワイヤ1に供給するパルス状の電力のパルス周期は、溶接電流Idに示したように溶接ワイヤ1を溶接部分に送給して溶接する定常溶接時のパルス周期と略同一としてもよいし、溶接電流Ieに示したように溶接電圧のフィードバックに基づいて決定されるパルス周期でもよい。
以上のように、溶接終了の指示時刻t0以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行時刻tbから溶接ワイヤ停止時刻teまでの間の溶接ワイヤ1の総送給量を推定し、前記総送給量を溶かす電力をパルス状に溶接ワイヤ1に供給することにより、起動信号TSがオフしてから溶接ワイヤ1の停止までに送給される溶接ワイヤ量の殆ど全てを移行させることが出来る。さらに、溶接終了の指示以降の溶接ワイヤ1に余分な電力が供給されることなく溶接ワイヤ1への電力の供給を停止することが可能となり、溶接終了制御時間の選定といった実験により最適値を求める作業無しで、定常溶接時のアーク長と溶接終了の指示以降のアーク長との間に大きな差を発生させることがなく、溶接ワイヤ1の燃え上がりやチップと溶接ワイヤとの融着を防止できる。さらに、スティックを防止するに十分な溶接ワイヤ先端と母材との間隙を保ち、溶接終了時の溶接ワイヤ先端の溶融玉を小径の適正な大きさにバラツキを抑えて安定して制御することができるので、溶接作業性や溶接品質を向上させることが出来、次のアークスタートを良好に行うことが可能となる。なお、上記図3における実施の形態は、消耗電極式パルスアーク溶接で説明したが、これに限定されるものではなく、他の消耗電極式アーク溶接法においても同様の効果を奏するものである。
本発明の溶接装置によれば、溶接作業性や溶接品質を向上させると共に次のアークスタート時のアークスタート性をも向上させることができるので、特に消耗電極式アーク溶接装置に有用である。
本発明に係る消耗電極式アーク溶接装置の実施の形態1を表すブロック図 本発明の実施の形態1における動作を説明したタイミング図 本発明に係る消耗電極式アーク溶接装置の実施の形態2を表すブロック図 本発明の実施の形態2における動作を説明したタイミング図 本発明に係る消耗電極式アーク溶接装置の実施の形態3を表すブロック図 本発明の実施の形態3における動作を説明したタイミング図
符号の説明
1 溶接ワイヤ
4 起動手段
5 溶接ワイヤ送給手段
6 制御手段
7 算出手段
8 移行手段
9 時間推定手段
10 比較手段
11 送給量推定手段
TS 起動信号
v 溶接ワイヤ送給速度
V 溶接終了の指示以降の溶接ワイヤの送給量
Vi 所定の値
t0 溶接終了の指示時刻
tb 溶接終了の指示の前の溶滴移行の時刻
te 溶接ワイヤの停止時刻
ti 起動信号TSがオフしてからi(i=1,2,3・・・)番目の溶滴相当のワイヤ送給量が送給される時刻

Claims (10)

  1. 溶接起動信号を出力する起動手段と、前記起動手段からの溶接起動信号によって溶接ワイヤを溶接部分に送給し、前記起動手段からの溶接終了の指示によって溶接ワイヤの送給量を減少させて停止させる溶接ワイヤ送給手段を備え、前記溶接終了の指示以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行からの溶接ワイヤの送給量を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された送給量が所定の値になった時に溶滴を移行させる移行手段とを設けた溶接装置。
  2. 溶接ワイヤの停止時にも溶滴を移行させる移行手段を設けた請求項1記載の溶接装置。
  3. 移行手段は溶接ワイヤへのパルス状の電気的出力である請求項1または2記載の溶接装置。
  4. 溶接ワイヤが停止する時間を推定する停止時間推定手段と、前記停止時間推定手段の結果と推定した溶滴移行のタイミングとを比較する比較手段を設け、前記比較手段によって溶滴の移行タイミングが溶接ワイヤの停止よりも遅くなると推定された場合、溶滴の移行タイミングが溶接ワイヤの停止よりも遅くなると推定された溶滴の移行タイミングよりも前の溶滴移行で、溶接ワイヤへの電気的出力を停止する制御手段を設けた請求項1記載の溶接装置。
  5. 停止時間推定手段は前記溶接終了の指示以降の単位時間あたりの溶接ワイヤの送給量の減少度を測定して溶接ワイヤの停止までの時間を推定する請求項4記載の溶接装置。
  6. 停止時間推定手段は、各溶滴の移行周期の変化から溶接ワイヤの停止までの時間を推定する請求項4記載の溶接装置。
  7. 溶接起動信号を出力する起動手段と、前記起動手段からの溶接起動信号によって溶接ワイヤを溶接部分に送給し、前記起動手段からの溶接終了の指示によって溶接ワイヤの送給量を減少させて停止させる溶接ワイヤ送給手段を備え、前記溶接終了の指示以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行からの溶接ワイヤの総送給量を推定する送給量推定手段と、前記送給量推定手段で推定された総送給量を溶滴として移行させる移行手段とを設けた溶接装置。
  8. 移行手段は溶接ワイヤへのパルス状の電気的出力である請求項7記載の溶接装置。
  9. 送給量推定手段は前記溶接終了の指示以降の単位時間あたりの溶接ワイヤの送給量の減少度を測定して前記溶接終了信号以降または溶接終了信号の前の溶滴移行からの溶接ワイヤの総送給量を推定する請求項7記載の溶接装置。
  10. 送給量推定手段は各溶滴の移行周期の変化から前記溶接終了の指示以降または溶接終了の指示の前の溶滴移行からの溶接ワイヤの総送給量を推定する請求項7記載の溶接装置。
JP2004098951A 2004-03-30 2004-03-30 溶接装置 Expired - Fee Related JP4461874B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004098951A JP4461874B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 溶接装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004098951A JP4461874B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 溶接装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005279739A JP2005279739A (ja) 2005-10-13
JP4461874B2 true JP4461874B2 (ja) 2010-05-12

Family

ID=35178672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004098951A Expired - Fee Related JP4461874B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4461874B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3342521B1 (en) 2012-03-16 2019-08-21 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Arc welding device
CN116174865B (zh) * 2022-12-30 2024-08-27 深圳市麦格米特焊接技术有限公司 熔化电极气体保护焊系统及其控制方法、控制器、介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005279739A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3062950B1 (en) Extraction of arc length from voltage and current feedback
JP5230600B2 (ja) ワークピースの溶接方法
WO2010021094A1 (ja) 複合溶接方法および複合溶接装置
EP1749612B1 (en) Arc start control method in robot welding
US20130020289A1 (en) Method and system to start and stop a hot wire system
JP2015522426A (ja) ホットワイヤ処理を開始及び停止させるための方法及びシステム
JP2016506873A (ja) 溶接ワイヤ予熱システムおよび方法
JP5502414B2 (ja) アーク溶接方法およびアーク溶接システム
JP5758130B2 (ja) アーク溶接方法
JP5596394B2 (ja) アーク溶接方法
KR101898325B1 (ko) 아크 용접 방법, 아크 용접 장치 및 아크 용접용 제어 장치
WO2015186474A1 (ja) 消耗電極式アーク溶接のアークスタート制御方法、溶接装置
JP4844565B2 (ja) 自動溶接装置
JP7303383B2 (ja) 溶接シームを溶接するための方法および装置
JP4952315B2 (ja) 複合溶接方法と複合溶接装置
JP4461874B2 (ja) 溶接装置
JP2010214399A (ja) アーク溶接方法
CN101992335B (zh) 电弧焊接方法以及电弧焊接系统
JP5577210B2 (ja) 2電極アーク溶接方法および2電極アーク溶接システム
JP2007216303A (ja) アークスタート制御方法
JP5855848B2 (ja) アーク溶接システム
CN113677471B (zh) 用于实施多重焊接工艺的方法和焊接设备
JPH1158012A (ja) ワイヤ突出し長検出方法
JP5421582B2 (ja) 溶接装置
JP6504700B2 (ja) 2ワイヤ溶接の溶接開始方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060315

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090116

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4461874

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140226

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees