JPH1158012A - ワイヤ突出し長検出方法 - Google Patents

ワイヤ突出し長検出方法

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JPH1158012A
JPH1158012A JP24460097A JP24460097A JPH1158012A JP H1158012 A JPH1158012 A JP H1158012A JP 24460097 A JP24460097 A JP 24460097A JP 24460097 A JP24460097 A JP 24460097A JP H1158012 A JPH1158012 A JP H1158012A
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welding
welding torch
short
voltage
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JP24460097A
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Kazuichi Nishikawa
和一 西川
Hiroshi Arai
博 荒井
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Daihen Corp
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Daihen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】消耗性電極ワイヤを用い、シールドガス中にお
いて溶接を行うアーク溶接におけるワイヤ突出し長検出
方法の改良。 【解決手段】消耗性電極を用いるアーク溶接において、
あらかじめ溶接トーチを通して電極ワイヤを被溶接物に
短絡させて電流を通電し、前記溶接トーチと前記被溶接
物との間の電圧降下と通電電流とからワイヤ突出し部の
抵抗値をワイヤの材質及び直径ごとに種々の実測ワイヤ
突き出し長に対して求めて一連のデータとして記憶して
おき、実溶接時にワイヤを被溶接物に短絡させたときの
出力電流と溶接トーチ/被溶接物間の電圧とから、両検
出信号の除算値を求め、あらかじめ記憶しておいた一連
のデータと比較してワイヤの突出し長を推定するワイヤ
突出し長検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消耗性電極ワイヤ
(以後単にワイヤという)を用い、シールドガス中にお
いて溶接を行うアーク溶接におけるワイヤ突出し長検出
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】消耗性電極ワイヤ(以後単にワイヤと言
う)を用いるアーク溶接においては、一般に略定電圧特
性の溶接電源を用い、ワイヤを一定速度で送給しながら
溶接を行う。このとき、ワイヤの溶融速度は溶接が安定
に継続しているかぎりワイヤの送給速度と平衡してお
り、ワイヤの送給速度が一定なら溶接アークによる溶融
量に対応する平均溶接電流も一定になる。
【0003】即ち、平均溶接電流I1 、平均溶接電圧V
1 で溶接中に被溶接物の表面が低くなってトーチと被溶
接物との距離が長くなったとすると、この分だけアーク
長が長くなろうとする。しかるに、アーク長が長くなる
ためにはこれに正比例する平均溶接電圧E1 が高くなら
なければならないが、前述のように溶接電源は略定電圧
特性であり、出力電流の増加に対してわずかに出力電圧
が低下する程度である。このためにアーク長が長くなる
と急激に電流が減少する。この電流減少によってワイヤ
の溶融量が激減し、かつこの間にもワイヤは一定速度で
送給されているので、ワイヤのトーチからの突出し長さ
が増加して、アーク長の変化を抑制し、アーク長の回復
にしたがって平均溶接電流も回復して、平衡することに
なる。
【0004】逆に、アーク長が減少しようとしたとき
は、上記と逆の経過をたどりアーク長の減少分だけ平均
溶接電流が一時増加し、ワイヤの溶融量増加によってア
ーク長が回復し、アーク長の回復にしたがって平均溶接
電流も回復して平衡する。
【0005】上記の現象は、消耗性電極を用いて一定速
度でワイヤを送給するアーク溶接において、定電圧特性
の溶接電源を用いて安定に溶接が行なえるためのアーク
の自己制御性として一般に知られているものである。し
かるに、実際には、ワイヤの溶接トーチからの突出し部
分における抵抗発熱もワイヤの溶融に相当な割合で寄与
しており、上記のようにトーチと被溶接物との間の距離
が変化したときに落着く平衡点では、ワイヤの突出し長
さが変動前よりも増減しており、これに併うワイヤ自身
を流れる電流による抵抗発熱量も大巾に増減して、これ
によってワイヤの溶融量も相当量変化することになる。
一方、ワイヤの送給速度はこれらの前後において変化し
ないので、結局ワイヤ溶融量全体におけるアーク熱によ
るワイヤの溶融量の割合が以前よりもワイヤの抵抗発熱
に基づく溶融量変化分だけ変化していることになる。こ
のことは溶接電圧が略一定であることから平均溶接電流
がワイヤの抵抗発熱に依存して変化した状態で平衡に達
することを意味する。
【0006】上記から、ワイヤ突出し長が変化すること
が平均溶接電流の変化をもたらし、この結果として溶け
込み深さが大きく変動することになるので、これを防止
するために、従来はこの平均溶接電流の変化を検出し
て、ワイヤ突出し長の変化を知り、これを一定に保つよ
うにトーチ高さ(トーチの被溶接物表面方向の距離)を
変化させるアーク倣い方式と呼ばれる制御方法が行なわ
れていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記のよう
にワイヤ突出し長の変化を溶接電流の変化によって推定
する方式のものにおいては、この平均溶接電流の変化が
抵抗発熱による溶融量変化によるものであり、一般に抵
抗発熱がI2 ・Rで表わされる通り、平均溶接電流の2
乗に比例する要素が含まれており、ワイヤ溶融量の変化
に対して検出し得る量(平均溶接電流)の変化は少な
く、また制御系が非線形(2乗)の要素を入力として動
作することになるので精度や安定性に欠けるものであっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の課題を解決するために、消耗性電極ワイヤを用いるア
ーク溶接におけるワイヤ突出し長の検出方法において、
あらかじめ溶接トーチを通して消耗性電極ワイヤを被溶
接物に短絡させて所定の電流を通電し、溶接トーチと被
溶接物との間の電圧降下Eと通電電流Iとからワイヤ突
出し部の抵抗値R=E/Iをワイヤの材質及び直径ごと
に種々の実測ワイヤ突き出し長に対して求めて一連のデ
ータとして記憶しておき、実溶接時に溶接電源からの出
力を溶接トーチに供給してワイヤを被溶接物に短絡させ
たときの出力電流Iaと溶接トーチ/被溶接物間の電圧
Eaとを検出し、両検出信号の除算値Ra=Ea/Ia
とあらかじめ記憶しておいた一連のデータとを比較して
ワイヤの突出し長を推定するワイヤ突出し長検出方法を
提案したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者は、ワイヤ送給速度が一
定でも平均溶接電流が変動する原因が溶接トーチからの
ワイヤ突出し長の変動に原因があることを考慮し、ワイ
ヤ突出し長を実測できれば、これを制御することは可能
であると考え、ワイヤ突出し長の検出方法について検討
した。
【0010】まず、溶接中において、ワイヤ突出し長
(の平均値)が変化する原因の一つに溶接トーチ内にお
けるワイヤへの給電点が変動することが考えられる。一
般の溶接トーチにおいては給電チップとよばれる銅合金
にワイヤ径よりもわずかに大なる内系の孔をあけたもの
に溶接電源から給電し、ワイヤをこの給電チップの中を
貫通させて溶接部に送給するものである。図1はこの様
子を給電チップ部を主体として示した断面図である。同
図において、1はワイヤであり図示しない送給機構によ
り矢印方向に送給される。2は溶接トーチ本体であり図
ではその極く一部を示してある。3は溶接トーチ2に設
けられた給電チップであり、クロム銅のような比較的硬
度の高い銅合金で作られており、軸方向にワイヤ挿通用
の貫通孔3aが設けられている。この貫通孔3aの内径
はこれに挿通するワイヤ1の直径よりわずかに大なる寸
法にしてある。また、給電チップ3は図に模式的に示し
たように溶接電源4の一方の出力端子に接続されてお
り、溶接電源4の他方の出力端子に接続された被溶接物
5とワイヤ1との間にアーク6を発生させて溶接を行
う。また給電チップ3の周囲および溶接部には溶接中に
アーク6および溶融部を被包するためのシールドガス7
が供給される。
【0011】図1において、通常溶接中に電流が流れる
ワイヤの長さとしては、この給電チップ3の先端からワ
イヤ1の先端までの長さLo を指して言われることが多
い。しかし、前述のように溶接結果に直接影響する抵抗
発熱は、このような見掛けの長さLo ではなく、給電チ
ップ3とワイヤ1との接触部A、即ち真の給電点Aとワ
イヤ先端までの長さLである。それ故、この給電点Aが
溶接中に変動すると給電チップの先端と被溶接物表面と
の距離、即ち本発明で言うワイヤ突出し長に相当する距
離を一定とし、かつ溶接電圧を一定に保っても実際に溶
接電流が流れるワイヤの長さは変化することになって、
このために平均溶接電流が変動して、溶け込み深さや溶
着ビード幅が変動してしまうことになる。
【0012】そこで本発明においては、ワイヤに対する
給電点を常に一定にするために強制給電式の溶接トーチ
を用いる。本発明の実施に適する強制給電式の溶接トー
チとしては、本出願人らが先に提案しているものがある
(例えば特開昭58−93580号,特公平2−498
33号)。その一例の一部分を断面図にて図2(a),
(b)に示す。図2の溶接トーチにおいて、給電チップ
3は可撓性支持部材12に支持されており、バネ13に
よりワイヤガイド11に対してそのワイヤ貫通孔が偏心
するように付勢されており、ワイヤ1は図2(b)の正
面図に示すように常に給電チップ3のワイヤ貫通孔の一
方の内壁に押圧された形となり、これにより給電チップ
3とワイヤ1との接触部が限定され給電点が定まる。
【0013】図2に示すような強制給電方式の溶接トー
チを用いてワイヤの突出し長と抵抗値との関係を測定し
た結果を図3に示す。図3は、直径1.2mmの軟鋼用炭
酸ガスアーク溶接用ワイヤを溶接トーチから送給して被
溶接物に短絡させて所定の電流を流して給電チップと被
溶接物との間の電圧降下を測定し、これから両者間の抵
抗値を算出した結果を示すものであり、横軸に給電チッ
プと被溶接物との間の距離、即ちワイヤ突出し長を、ま
た縦軸に算出した抵抗値を示してある。図3に示す通
り、ワイヤ突出し長と抵抗値とはほぼ正比例の関係にあ
り、この関係はワイヤの材質、直径がかわっても抵抗値
がかわるだけで同様の様子を呈する。
【0014】上記から、あらかじめ材質と直径とをパラ
メータとしてワイヤ突出し長と抵抗値との関係を実験に
より求めておけば、溶接時にはトーチ高さやワイヤ突出
し長を実測しなくても抵抗値を測定することにより真の
ワイヤ突出し長が求められることを意味する。逆に必要
なワイヤ突出し長を得るための抵抗値も予め知ることが
可能である。そこで本発明においては、ワイヤと被溶接
物とを短絡させて所定の電流を流し、このときの電流お
よび溶接トーチと被溶接物との間の電圧降下とから抵抗
値を算出し、あらかじめ実験により求めておいたワイヤ
突出し長と抵抗値とのデータと比較することによりその
ときのワイヤ突出し長を推定する方法を提案したもので
ある。
【0015】図4に本発明のワイヤ突出し長検出方法方
法を実施する装置の例を構成図にて示す。同図において
4は溶接電源であり、商用交流電源をアーク溶接に適し
た特性に変換する。またこの溶接電源4の出力電圧は溶
接電圧設定器31の設定値Erに対応して定まる。32
は溶接電流設定器であり、ワイヤ送給速度制御回路33
に対して要求される溶接電流に見合ったワイヤ送給速度
指令信号Irを出力する。ワイヤ送給速度制御回路33
は入力信号に応じた出力をワイヤ送給用電動機34に供
給し、ワイヤ送給用電動機34は適当な減速機器を介し
て送給ロール35を駆動しこれによって所定の速度でワ
イヤをワイヤリール36から引き出して溶接トーチ2の
給電チップ3から被溶接物5に向って送給する。
【0016】一方、溶接電源の出力端子の一方は溶接ト
ーチ2の給電チップに接続され、他の出力端子は被溶接
物5に接続される。溶接電流は電流検出器15によって
検出されて信号Iaとなり、また溶接電圧は電圧検出器
16にて検出されて信号Eaとなる。この電圧検出器1
6の出力信号は除算器21と短絡検出器22とに入力さ
れる。短絡検出器22においては入力電圧信号Eaが予
め定められた電圧より低下したときに、または検出電圧
が設定値より低下してから所定時間の経過後に短絡検出
信号s1 を出力する。除算器21においては溶接電流検
出器15の出力Iaと溶接電圧検出器16の出力Eaと
を入力としてEa/Iaを算出し、短絡検出信号s1 に
同期して、抵抗値信号Ra=Ea/Iaを出力する。こ
の抵抗値信号Raは突出し長対抵抗値記憶回路25にパ
ラメータ設定器29の設定値と共に記憶される。
【0017】溶接に先立ち、先ず切換えスイッチ28を
書込み側(書)とする。この状態でパラメータ設定器2
9にて使用するワイヤの材質Mおよび直径φを設定し、
ワイヤ1をトーチ2から突出し長L1として被溶接物5
に短絡させ、所定の電流Ioを流す。このときのトーチ
・被溶接物間の電圧E1を電圧検出器16にて検出して
除算器21にてそのときの抵抗値R1=E1/Ioを得
る。さらに突き出し長さをL2(L1≠L2)に変えて
同様に電流を流し、抵抗値R2=E2/Ioを得る。こ
れらを繰返して各突出し長に対する抵抗値を算出して突
出し長対抵抗値記憶回路25にワイヤ材質及び直径のパ
ラメータと共に記憶する。この操作を必要なワイヤ材質
及び直径について全て実施し、抵抗値のデータとして記
憶しておく。なお、上記の抵抗値変化は図3にて説明し
たようにワイヤの突出し長に対してほぼ直線的に変化す
るので、ワイヤ突出し長Lxに対する抵抗値Rxとして
はRx=A・Lx+Bと現すことができ、このA及びB
がワイヤ材質及び直径によって変化するものとなるの
で、各ワイヤの材質及び直径毎に突出し長に対する抵抗
値の検出を2点以上実験により求めて定数A及びBを求
めればれば突出し長全体の抵抗値の変化は求められるこ
とになる。それ故、ワイヤの突出し長対抵抗値記憶回路
25には各ワイヤ材質、直径の組合わせに対応して定数
A及びBを記憶しておくだけでよいことになる。
【0018】次に、溶接に際して、切換えスイッチ28
を読出し(読)側とし、適当と思われるだけワイヤ1を
トーチ2の給電チップ3の先端から突出して、被溶接物
5に短絡させて溶接電源4から電流を流す。このときの
ワイヤ1に流れる電流Ia及び電圧Eaを電流検出器1
5及び電圧検出器16にて検出し、除算器21に入力す
る。除算器21はこの入力信号のうち短絡検出器22か
らの短絡検出信号が入力されたときの信号を取り込み、
除算してRa=Ea/Iaを得て、これを読出し指令信
号として突出し長対抵抗値記憶回路25に出力する。突
出し長対抵抗値記憶回路25は、パラメータ設定器29
からのワイヤ材質・直径の信号に対応するデータの中か
ら読出し指令信号Raに対応した突出し長Laを読出し
て突出し長検出信号Laとして出力する。この出力信号
は突出し長表示やトーチ高さ制御などの信号として利用
することができる。
【0019】図4の装置は、上記のように動作するの
で、ワイヤ突出し長を正確に検出することができる。
【0020】上記は、溶接開始に際して、突出し長検出
のために特別にワイヤを被溶接物に短絡させるようにし
たが、溶接中に短絡とアーク発生とを繰り返す短絡移行
式アーク溶接においては、溶接中においても短絡期間が
周期的に現れる。本発明のワイヤ突出し長検出方法を用
いればこの短絡期間を利用して溶接中のワイヤ突出し長
をリアルタイムに検出することが可能である。さらに、
このようにして検出したワイヤ突出し長信号を用いて、
これが設定値と等しくなるようにトーチ高さを制御する
ように構成すれば、溶接途中に外乱によるワイヤ突出し
長の変動をなくすことができ、この結果溶接電流の変動
しない良好な溶接が可能となる。
【0021】図5に本発明のワイヤ突出し長検出方法を
利用した短絡移行式アーク溶接装置の例を構成図にて示
す。同図において4は溶接電源であり、商用交流電源を
アーク溶接に適した特性に変換する。またこの溶接電源
4の出力電圧は溶接電圧設定器31の設定値Erに対応
して定まる。32は溶接電流設定器であり、ワイヤ送給
速度制御回路33に対して要求される溶接電流に見合っ
たワイヤ送給速度指令信号Irを出力する。ワイヤ送給
速度制御回路33は入力信号に応じた出力をワイヤ送給
用電動機34に供給し、ワイヤ送給用電動機34は適当
な減速機器を介して送給ロール35を駆動しこれによっ
て所定の速度でワイヤをワイヤリール36から引き出し
て溶接トーチ2の給電チップ3から被溶接物5に向って
送給する。溶接トーチ2にはトーチ高さ調整機構37が
設けられており、この高さ調整機構37はトーチ位置調
整用電動機38によって駆動させる。
【0022】一方、溶接電源の出力端子の一方は溶接ト
ーチ2の給電チップに接続され、他の出力端子は被溶接
物5に接続される。溶接電流は電流検出器15によって
検出されて信号Iaとなり、また溶接電圧は電圧検出器
16にて検出されて信号Eaとなる。この電圧検出器1
6の出力信号は除算器21と短絡検出器22とに入力さ
れる。短絡検出器22においては入力電圧信号Eaが予
め定められた電圧より低下したときに、または電圧が設
定値より低下してから所定時間の経過後に短絡検出信号
s1 を出力する。除算器21においては溶接電流検出器
15の出力Iaと溶接電圧検出器16の出力Eaとを入
力としてEa/Iaを算出し、短絡検出信号s1 に同期
して、抵抗値信号Ra=Ea/Iaを出力する。この抵
抗値信号Raは記憶回路23に時系列に順次記憶され
る。記憶回路23には所定個数の抵抗値信号Raが記憶
されるものとし、データ量が記憶容量に達すると逐次最
も古いデータから破棄し新しいデータを末尾に加える方
式のものを用いる。記憶回路23の内容は所定のタイミ
ングで読み出されてこれらの平均値Rmが平均値演算回
路24にて演算される。
【0023】溶接に先立ち、ワイヤ突出し長とそのとき
の抵抗値との関係を各ワイヤの材質および直径に関して
実験により求めておき、これをデータベースとして突出
し長対抵抗値記憶回路25に格納しておく。溶接の開始
に際して要求される溶接品質に対応するワイヤ突出し長
Lrをワイヤ材質および直径とともにワイヤ突出し長設
定器26にて設定し、その設定信号に対応した抵抗値R
rを突出し長対抵抗値記憶回路25から読み出して抵抗
値基準値Rrとして出力する。この抵抗値基準値Rrは
溶接中に平均値演算回路24にて算出された検出抵抗値
の平均値Rmと比較器27にて比較されて、差信号Δr
=Rr−Rmがトーチ位置調整用電動機制御回路39に
供給される。トーチ位置調整用電動機制御回路39はこ
の誤差信号Δrが減少する方向に、即ちΔr>0なら検
出抵抗値が低すぎるのでこれを増加させるべく溶接トー
チを上昇させてワイヤ突出し長を増加させ、逆にΔr<
0ならRr<Rmであり突出し長が長すぎるので溶接ト
ーチを下降させるように、トーチ位置調整用電動機を駆
動し、Δr=0となるように制御する。
【0024】図5の装置は上記のように動作するので溶
接トーチの給電チップの給電点と被溶接物の表面との間
の距離を常に所望の値に保つことができる。
【0025】図5の装置において、短絡検出器22は溶
接中にワイヤ1が被溶接物5に短絡したときに検出信号
s1 を出力するものであるが、短絡移行式アーク溶接に
おいては、この短絡からアーク発生までの間に電極先端
の状態が大きく変化し、このために電圧検出器の出力E
aと大きく変化する。この様子を図6により説明する。
図6は短絡移行式アーク溶接における溶接電圧,溶接電
流の時間的な変化を各時期におけるワイヤ先端の状態と
共に示した図であり、(a)は溶接電圧、(b)は溶接
電流、(c)は各時期におけるワイヤ先端の状況を概念
的に示した図である。同図において、Taはアーク発生
期間、Tbは短絡中を示す。アーク発生中においてワイ
ヤ先端はアークにより溶融され、溶融したワイヤは溶接
電圧、溶接電圧が比較的低く設定されている短絡移行式
アーク溶接においては、容易に離脱せず溶融球となって
ワイヤ先端に留る。この溶融球は次第に成長しついには
時刻tsにおいて示すように被溶接物に接触する。(短
絡期間の始まり) このとき、溶融球は大きく、その断面積が大きいために
検出し得る電圧は比較的低い値となり、その後ワイヤ先
端の溶融球が被溶接物側に急速に移行して短絡部分のワ
イヤ溶融分はほとんどなくなり、短絡部分の直径もワイ
ヤ径にほぼ等しくなる(時刻ts1 ないしts2 )。さ
らに時間が経過すると短絡電流の増加によりこの短絡電
流の電磁力により短絡部は強くしぼられて次第に細くな
り(t=t3 )、やがて破断して短絡解消・アーク再生
に至る。それ故、短絡発生直後の溶接電圧は真のワイヤ
部分の抵抗による電圧降下を示しているとは言い難く、
また短絡期間の末期も細くくびれた部分の抵抗値を含む
ために正しい値が得られるとは限らない。それ故、ワイ
ヤ突出し長に対応する溶接電圧としては短絡開始後若干
の遅れ時間Tdを経て後の電圧を採用するように短絡検
出器22を構成しておくことが望ましい。
【0026】図4および図5の装置においては個別の回
路を組合せて構成したがこれらをマイクロコンピュータ
を用いてソフトウエアによって実現してもよい。その場
合には、溶接電圧検出器16、溶接電流検出器15の各
出力を入力としてこれらを除算してRa=Ea/Iaを
得、短絡検出信号によってこれらの除算結果を逐次記憶
するように一連のソフトウエアに置きかえればよい。
【0027】さらにまた、溶接トーチを産業用ロボット
に取りつけて、ロボットに溶接経路を教示して溶接を行
うものにおいては、比較信号Δrをロボット制御装置に
供給して、溶接トーチの位置制御信号をこれによって補
正するように構成すればよい。この場合、図6のトーチ
位置調整用制御回路39はロボット制御回路に、またト
ーチ位置調整用電動機38およびトーチ高さ調整機構3
7はロボット本体にそれぞれ代替することにより実現で
きる。
【0028】
【発明の効果】本発明は上記の通りであるので、ワイヤ
突出し長の検出を高精度に行うことができ、これを制御
に用いるときにも検出遅れがなく、安定した制御が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】給電チップのワイヤへの給電点と溶接電流が流
れるワイヤの長さとの関係を説明するための図。
【図2】強制給電方式の溶接トーチの概要を示す断面
図。
【図3】ワイヤ突出し長と抵抗値との関係を示す線図。
【図4】本発明のワイヤ突出し長検出方法を実施する装
置の例を示す図。
【図5】本発明のワイヤ突出し長検出方法を短絡移行式
アーク溶接方法を利用した装置の例を示す図。
【図6】図5の装置における溶接電圧と溶接電流の変化
をワイヤ先端の様子と共に示す図。
【符号の説明】
1 ワイヤ 2 溶接トーチ 3 給電チップ 3a ワイヤ貫通孔 4 溶接電源 5 被溶接物 6 アーク 7 シールドガス 11 固定のワイヤガイド 12 可撓性のチップ支持部材 13 バネ 14 ピン 15 溶接電流検出器 16 溶接電圧検出器 21 除算器 22 短絡検出器 23 記憶回路 24 平均値演算回路 25 突出し長対抵抗値記憶回路 26 突出し長設定器 27 比較器 28 切換えスイッチ 29 パラメータ設定器 31 溶接電圧設定器 32 溶接電流設定器 33 ワイヤ送給速度制御回路 34 ワイヤ送給電動機 35 送給ロール 36 ワイヤリール 37 トーチ高さ調整機構 38 トーチ位置調整用電動機 39 トーチ位置調整用電動機制御回路 L 真のワイヤ突出し長 Lo 見掛けのワイヤ突出し長 Ta アーク発生期間 Tb 短絡期間 ts 短絡発生時刻 td 抵抗値検出待時間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消耗性電極を用いるアーク溶接における
    ワイヤ突出し長の検出方法において、あらかじめ溶接ト
    ーチを通して前記消耗性電極ワイヤを被溶接物に短絡さ
    せて所定の電流を通電し、前記溶接トーチと前記被溶接
    物との間の電圧降下Eと通電電流Iとからワイヤ突出し
    部の抵抗値R=E/Iをワイヤの材質及び直径ごとに種
    々の実測ワイヤ突き出し長に対して求めて一連のデータ
    として記憶しておき、実溶接時に溶接電源からの出力を
    前記溶接トーチに供給して前記ワイヤを前記被溶接物に
    短絡させたときの出力電流Iaと溶接トーチ/被溶接物
    間の電圧Eaとを検出し、前記両検出信号の除算値Ra
    =Ea/Iaと前記あらかじめ記憶しておいた一連のデ
    ータとを比較してワイヤの突出し長を推定するワイヤ突
    出し長検出方法。
  2. 【請求項2】 前記溶接トーチは、前記消耗性電極ワイ
    ヤに対する給電点の変動が少ない強制給電式溶接トーチ
    を用いる請求項1に記載のワイヤ突出し長検出方法。
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