JP2010135616A - 発光ダイオードアレイおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高密度化した場合でも、発光出力を均一化することが可能な発光ダイオードアレイの製造方法を提供する。
【解決手段】この発光ダイオードアレイの製造方法は、基板1上に半導体層を積層する工程と、半導体層の発光部形成領域11上に、X方向に沿って配列するように、複数のレジスト層100を形成する工程と、レジスト層100をマスクとしてメサエッチングすることにより、半導体層に、互いに分離された島状の複数の発光部10を形成する工程とを備えている。そして、レジスト層100を形成する工程は、発光部形成領域11のX方向の端部となる領域αに形成されるレジスト層100の幅b1を、端部以外の領域βに形成するレジスト層100の幅b2よりも小さく形成する工程を含む。
【選択図】図8
【解決手段】この発光ダイオードアレイの製造方法は、基板1上に半導体層を積層する工程と、半導体層の発光部形成領域11上に、X方向に沿って配列するように、複数のレジスト層100を形成する工程と、レジスト層100をマスクとしてメサエッチングすることにより、半導体層に、互いに分離された島状の複数の発光部10を形成する工程とを備えている。そして、レジスト層100を形成する工程は、発光部形成領域11のX方向の端部となる領域αに形成されるレジスト層100の幅b1を、端部以外の領域βに形成するレジスト層100の幅b2よりも小さく形成する工程を含む。
【選択図】図8
Description
この発明は、発光ダイオードアレイおよびその製造方法に関し、特に、光プリンタヘッド用の発光ダイオードアレイおよびその製造方法に関する。
従来、電子写真方式を用いたノンインパクトプリンタとして、光プリンタヘッドを備えたLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)プリンタが知られている。このLEDプリンタでは、ヘッド部分における光書き込み用の光源として、発光ダイオードアレイが用いられている。
このようなLEDプリンタでは、発光ダイオードアレイに含まれる複数の発光部において、その発光出力が不均一になると印字ムラが生じるため、光書き込み用の光源として、発光部間で発光出力のばらつきが小さい発光ダイオードアレイが求められる。
そのため、従来、発光出力の均一性を向上させることが可能な発光ダイオードアレイが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、メサエッチングで形成された発光ダイオード部(発光部)の両側にある2つの順メサ方向エッチング段差部が個別電極で覆われた発光ダイオードアレイが記載されている。この発光ダイオードアレイでは、両方の順メサ方向エッチング段差部が個別電極で覆われているため、順メサ方向エッチング段差部からの光のしみだしが抑制されている。これにより、光の高出力化が図られるとともに、光出力の均一化が図られている。なお、上記特許文献1に記載された従来の発光ダイオードアレイは、600dpi(dots per inch)程度の印刷精度が求められるプリンタに用いられる。
一方、近年、上記LEDプリンタにおいても、その用途が広がり、文字や図形に限られず写真印刷にも使用されるようになり、更なる印刷精度の向上が求められている。そのため、光書き込み用の光源として、1200dpi以上の高密度の発光ダイオードアレイが求められている。
特開平11−46017号公報
ここで、1200dpi以上の高密度に発光部を形成した場合には、発光部の幅がより小さくなるため、エッチングにより発光部を形成した際に、発光部幅のばらつきが大きくなるという不都合がある。
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の発光ダイオードアレイの構成では、2つの順メサ方向エッチング段差部を個別電極で覆うことによって、発光部幅と直交する方向における光出力のばらつきを抑制することは可能であるものの、発光部幅のばらつきに起因する光出力のばらつき(発光出力の不均一)を抑制することは困難であるという不都合がある。このため、発光部を高密度に形成した場合には、発光出力を均一化することが困難になるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、高密度化した場合でも、発光出力を均一化することが可能な発光ダイオードアレイおよびその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本願発明者が鋭意検討した結果、エッチングにより発光部を形成した際に、発光ダイオードアレイの端部において、その発光部幅が、端部以外の領域(たとえば、中央部)の発光部幅に比べて大きくなるため、発光部を形成するためのマスク層の幅を調整することによって、発光部幅を均一化することが可能となることを見出した。
すなわち、この発明の第1の局面による発光ダイオードアレイの製造方法は、基板上に半導体層を積層する工程と、半導体層の発光部形成領域上に、第1方向に沿って配列するように、複数のマスク層を形成する工程と、マスク層をマスクとしてエッチングすることにより、半導体層に、互いに分離された島状の複数の発光部を形成する工程と、基板を、第1方向と直交する第2方向に沿って分割する工程とを備えている。そして、マスク層を形成する工程は、発光部形成領域の第1方向における分割後の端部となる領域に形成されるマスク層を、端部以外の領域に形成されるマスク層に比べて、第1方向の幅が小さくなるように形成する工程を含む。
この第1の局面による発光ダイオードアレイの製造方法では、上記のように、発光部形成領域の第1方向における分割後の端部となる領域に形成されるマスク層を、端部以外の領域に形成されるマスク層に比べて、第1方向の幅が小さくなるように形成することによって、発光部を発光部形成領域に高密度に形成する場合でも、複数の発光部を、第1方向の幅が略均一となるように形成することができる。これにより、発光出力を均一化することができる。また、このような発光ダイオードアレイを、LEDプリンタのヘッド部分における光書き込み用の光源として用いれば、印字品質の優れた(印字ムラの発生を抑制可能な)LEDプリンタを得ることができる。
なお、第1の局面による発光ダイオードアレイの製造方法では、上記のように構成することによって、発光部形成領域の第1方向における分割後の端部において、発光部を形成するためのエッチング深さが、端部以外の部分に比べて小さくなるように構成される。
また、上記第1の局面による発光ダイオードアレイの製造方法において、発光部形成領域の第1方向における分割後の端部となる領域に形成されるマスク層は、端部以外の領域に形成されるマスク層に比べて、第1方向の幅が1割程度小さくなるように形成するのが好ましい。このように構成すれば、複数の発光部において、容易に、第1方向の幅が略均一となるように形成することができる。
上記第1の局面による発光ダイオードアレイの製造方法において、好ましくは、発光部を形成する工程は、半導体層をメサエッチングする工程を含み、半導体層をメサエッチングする工程は、半導体層が形成された基板を、エッチング液中に攪拌せずに浸漬する工程を有する。このように構成すれば、複数の発光部において、より容易に、第1方向の幅が略均一となるように形成することができる。
上記第1の局面による発光ダイオードアレイの製造方法において、マスク層を形成する工程は、分割後の端部から所定数のマスク層を、他の領域に形成されるマスク層に比べて、第1方向の幅が小さくなるように形成する工程を含むように構成してもよい。
上記第1の局面による発光ダイオードアレイの製造方法において、第1方向は、その方向に沿って半導体層をメサエッチングした際に順メサのエッチング溝が表れる順メサ方向とすることができ、第2方向は、その方向に沿って半導体層をメサエッチングした際に逆メサのエッチング溝が表れる逆メサ方向とすることができる。
この発明の第2の局面による発光ダイオードアレイは、基板上に積層された半導体層と、半導体層をエッチングすることにより形成され、互いに分離された島状の複数の発光部とを備えている。そして、基板は、第1方向に延びるように形成されており、複数の発光部は、第1方向に沿って配列されているとともに、第1方向の幅が略均一となるように形成されており、基板の第1方向の端部において、発光部を形成するためのエッチング深さが、基板の端部以外の部分に比べて小さくなるように構成されている。
この第2の局面による発光ダイオードアレイでは、上記のように、複数の発光部において、第1方向の幅が略均一となるように形成されているので、発光出力を均一化することができる。
上記第2の局面による発光ダイオードアレイにおいて、好ましくは、複数の発光部は、それぞれ、第1方向と直交する第2方向に、略細長状に延びるように形成されている。このように構成すれば、発光部を高密度に形成した場合でも、発光部の平面積が小さくなるのを抑制することができるので、電圧(順電圧)の増加を抑制することができる。これにより、容易に、高密度化を図ることができる。
上記第2の局面による発光ダイオードアレイにおいて、好ましくは、発光部の上部を含む半導体層上の所定領域に形成された電極層をさらに備え、複数の発光部は、それぞれ、光を取り出すための発光窓を有しており、電極層は、発光窓の部分を除く発光部上の領域を覆うように形成されており、電極層によって、複数の発光部における発光窓の第2方向の長さが略同一となるように構成されている。このように構成すれば、第2方向における光出力のばらつきも抑制することができるので、発光出力をより均一化することができる。
上記第2の局面による発光ダイオードアレイにおいて、第1方向は、その方向に沿って半導体層をメサエッチングした際に順メサのエッチング溝が表れる順メサ方向とすることができ、第2方向は、その方向に沿って半導体層をメサエッチングした際に逆メサのエッチング溝が表れる逆メサ方向とすることができる。
以上のように、本発明によれば、高密度化した場合でも、発光出力を均一化することが可能な発光ダイオードアレイおよびその製造方法を容易に得ることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、1200dpiの発光ダイオードアレイに本発明を適用した場合について説明する。
図1および図2は、本発明の一実施形態による発光ダイオードアレイの平面図である。図3は、本発明の一実施形態による発光ダイオードアレイの断面図である。図4〜図6は、本発明の一実施形態による発光ダイオードアレイの構造を説明するための図である。なお、図2は、p側電極(個別電極)を省略した状態を示している。また、図3は、X方向から見た断面を示している。まず、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による発光ダイオードアレイの構造について説明する。
一実施形態による発光ダイオードアレイは、メサ分離型モノリシック発光ダイオードアレイから構成されており、図1および図2に示すように、平面的に見て、X方向(第1方向)に延びる長尺形状を有している。具体的には、一実施形態による発光ダイオードアレイは、図1に示すように、X方向に、約8100μmの長さLを有しており、X方向と直交するY方向(第2方向)に、約800μmの幅Wを有している。なお、発光ダイオードアレイのX方向の両端には、それぞれ、劈開によって形成された端面50が形成されている。
また、一実施形態による発光ダイオードアレイは、図3に示すように、基板1上に複数の半導体層が積層された構造を有している。具体的には、n型GaAsからなる基板1上に、n型AlGaAsからなるn型クラッド層2が形成されている。n型クラッド層2上には、AlGaAsからなる活性層3が形成されている。活性層3上には、p型AlGaAsからなるp型クラッド層4が形成されている。p型クラッド層4上には、p型GaAsからなるp型コンタクト層5が形成されている。
なお、上記構成において、基板1とn型クラッド層2との間にn型バッファ層が形成されていてもよい。さらに、基板1とn型クラッド層2との間にDBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)層が形成されていてもよい。
そして、上記半導体層がメサエッチングされることによって、複数(384個)の発光部10および後述するp側電極7(図1参照)が形成される段差部20が形成されている。すなわち、メサエッチングによって形成されたエッチング溝30および40(図2参照)によって、上記発光部10および上記段差部20が構成されている。
なお、上記X方向(第1方向)は、その方向に沿って半導体層をメサエッチングした際に順メサのエッチング溝が表れる順メサ方向であり、上記Y方向(第2方向)は、その方向に沿って半導体層をメサエッチングした際に逆メサのエッチング溝が表れる逆メサ方向である。このため、図3および図6に示すように、発光部10をY方向から見た場合の側面10aは、順メサ面となっている。一方、図4および図6に示すように、発光部10をX方向から見た場合の側面10bは、逆メサ面となっている。
また、図2に示すように、エッチング溝30は、順メサ方向(X方向)と平行に形成されており、エッチング溝40は、複数の発光部10を互いに分離するために逆メサ方向(Y方向)と平行に形成されている。そして、上記エッチング溝30および40によって、複数の発光部10が、それぞれ、Y方向に延びる細長状に形成されている。具体的には、図5に示すように、発光部10は、X方向の幅(発光部幅)bが、約10μmに形成されているとともに、Y方向の長さaが、約45μmに形成されている。そして、図2に示すように、これら複数の発光部10が、Y方向の中央部に設けられた発光部形成領域11に、X方向(順メサ方向)に約21.15μmの間隔sを隔てて等間隔に配列されている。
なお、上記発光部形成領域11は、Y方向に約80μmの幅w1を有している。そして、この発光部形成領域11を挟むように、Y方向の一方端部側および他方端部側に、上記段差部20が形成されている。
ここで、本実施形態では、複数の発光部10において、その発光部幅bが、略均一に構成されている。その一方、発光部幅bを略均一に構成することによって、図2および図4に示すように、基板1(発光ダイオードアレイ)のX方向(第1方向)の端部領域αにおけるメサエッチング深さd1(図4参照)が、端部領域α以外の領域β(たとえば、中央部の領域)におけるメサエッチング深さd2(図4参照)よりも小さくなっている。具体的には、端部領域αのメサエッチング深さd1は、約3.6μm〜約4.2μm(たとえば、約3.9μm)となっており、端部領域α以外の領域βのメサエッチング深さd2は、約4.6μm〜約4.8μm(たとえば、約4.7μm)となっている。なお、端部領域αは、たとえば、端面50から3個目の発光部10までの領域である。
また、図3に示すように、上記半導体層上には、Si3N4からなる絶縁膜6が形成されている。絶縁膜6上には、個別電極としてのp側電極7が形成されている。このp側電極7は、図1に示すように、発光部10の上面上に形成された発光部側電極部7aと、段差部20上に形成される広面積のパッド電極部7bと、発光部側電極部7aとパッド電極部7bとを接続する配線部7cとを含んでいる。また、上記発光部側電極部7aは、図5および図6に示すように、平面的に見て、略H字形状に形成されており、順メサ面となる側面10aの全面を覆っている。このため、順メサ面となる側面10aからの光のしみだしが抑制される。そして、発光部10上面の電極が形成されない部分が、光を取り出すための発光窓10cとなっている。すなわち、発光部10の上面には、発光部側電極部7aが略H字形状に形成されることによって、2つの発光窓10cが所定の間隔を隔ててX方向に隣り合うように設けられている。また、上記発光窓10cは、p側電極7によって、Y方向の長さa1(図5参照)が複数の発光部10で略同一となるように形成されている。これにより、発光窓10cの平面積も、複数の発光部10で略同一となるように形成されている。
また、図5に示すように、発光部10の上面に形成される絶縁膜6にはコンタクトホール6aが形成されている。そして、このコンタクトホール6aにより、発光部10上に形成されるp側電極7とp型コンタクト層5とが電気的に接続された状態となっている。
また、基板1の裏面上には、全ての発光部10の共通電極として機能するn側電極8が形成されている。
本実施形態では、上記のように、複数の発光部10において、X方向の幅bが略均一となるように形成されているので、発光出力を均一化することができる。また、このような発光ダイオードアレイを、LEDプリンタのヘッド部分における光書き込み用の光源として用いれば、印字品質の優れた(印字ムラの発生を抑制可能な)LEDプリンタを得ることができる。
また、本実施形態では、複数の発光部10を、それぞれ、Y方向に、略細長状に延びるように形成することによって、発光部10を高密度に形成した場合でも、発光部10の平面積が小さくなるのを抑制することができるので、電圧(順電圧)の増加を抑制することができる。
また、本実施形態では、p側電極7を、発光窓10cの部分を除く発光部10上の領域を覆うように形成するとともに、p側電極7により、複数の発光部10における発光窓10cの平面積を略同一に形成することによって、Y方向における光出力のばらつきも抑制することができるので、発光出力をより均一化することができる。
図7〜図13は、本発明の一実施形態による発光ダイオードアレイの製造方法を説明するための図である。次に、図1〜図4および図7〜図13を参照して、本発明の一実施形態による発光ダイオードアレイの製造方法について説明する。
まず、図7に示すように、エピタキシャル成長法を用いて、n型GaAsからなる基板1上に、n型AlGaAsからなるn型クラッド層2、AlGaAsからなる活性層3、p型AlGaAsからなるp型クラッド層4およびp型GaAsからなるp型コンタクト層5を順次成長させる。なお、n型クラッド層2を成長させる前に、基板1上に、n型GaAsからなるn型バッファ層およびDBR層を順次形成してもよい。また、上記エピタキシャル成長法には、たとえば、VPE(気相エピタキシャル)法、MOVDE(有機金属気相エピタキシャル)法、MOCVD(有機金属化学気相デポジション)法、MBE(分子線エピタキシャル)法、MOMBE(有機金属分子線エピタキシャル)法、CBE(化学ビームエピタキシャル)法などを用いることができる。
次に、p型コンタクト層5上に、フォトリソグラフィー技術などを用いて、所定形状を有するレジスト(図示せず)を形成した後、このレジストをマスクとしてp型コンタクト層5をエッチングすることにより、p型コンタクト層5を所定形状にパターニングする。その後、レジストを除去する。
次に、図8に示すように、フォトリソグラフィー技術などを用いて、半導体層上の所定領域にレジスト層100を形成する。このレジスト層100は、発光部10を形成する領域(発光部形成領域11内の所定部分)に、X方向に所定の間隔を隔てて配列するように形成する。なお、発光部形成領域11には、発光部10に対応するように、発光ダイオードアレイ毎に384個のレジスト層100を形成する。また、図8では図示を省略しているが、段差部20(図2参照)を形成する領域にも上記レジストを形成する。
ここで、本実施形態では、発光ダイオードアレイ毎に形成された384個のレジスト層100において、最終的に発光ダイオードアレイのX方向の端部となるべき領域α(発光部形成領域11の端部)に形成するレジスト層100の幅b1を、端部以外の領域βに形成するレジスト層100の幅b2よりも、1割程度小さく形成する。具体的には、基板1を分割することによって発光ダイオードアレイに形成した際に、発光ダイオードアレイのX方向の端面50(図1参照)の位置(分割予定線P1)から3個のレジスト層100を、その幅b1が約15μm〜約16.5μm(たとえば、約15.5μm)となるように形成する。一方、それ以外の378個(=384−3×2)のレジスト層100を、その幅b2が約17μmとなるように形成する。なお、レジスト層100は、本発明の「マスク層」の一例である。
また、本実施形態では、基板1の上面において、X方向に隣り合う発光ダイオードアレイの間に、後の工程でY方向に沿って基板1を分割するための分割領域60を設けておく。この分割領域60は、基板1を分割し易くするために、1mm程度の比較的広い幅(X方向の幅)cに形成する。なお、分割領域60には、Y方向に基板1を分割するための分割予定線P1が設定される。
続いて、図9および図10に示すように、レジスト層100をマスクとして、基板1上の半導体層をメサエッチングする。具体的には、上記レジスト層100が形成された基板(ウェハ)を、液温20℃のエッチング液中に7分間浸漬する。このとき、エッチング液を攪拌せずに静的な状態で基板(ウェハ)をエッチング液中に浸漬しておく。なお、上記エッチング液には、硫酸:H2O2:アルコール=2:4:15(wt%)の混合溶液を用いる。
これにより、エッチング溝30および40が形成されて、複数の発光部10および段差部20が形成される。このとき、図10に示すように、領域αのレジスト層100の幅b1が、領域βのレジスト層100の幅b2よりも小さく形成されていることにより、形成される発光部10の幅(発光部幅)b(図2参照)が複数の発光部10で略均一となるように形成される。その一方、領域αのメサエッチング深さd1(図4および図10参照)が、領域βのメサエッチング深さd2(図4および図10参照)よりも小さく形成される。
なお、このように形成される理由としては、以下のように考えられる。すなわち、基板(ウェハ)をエッチング液中に浸漬することによってメサエッチングをする際に、上記分割領域60(図8参照)もエッチングされる。この分割領域60は、比較的広い領域であり、かつ、最終的に発光ダイオードアレイのX方向の端部となるべき領域α(発光部形成領域11の端部)と隣接するように設けられる。このため、領域αをエッチングするためのエッチング液が分割領域60のエッチングに費やされ、領域αのエッチングが促進されなくなる。このことは、領域αのエッチング深さd1(図10参照)が、領域βのエッチング深さd2(図10参照)よりも小さくなることからも、推察される。したがって、エッチングが促進されない分、予め、領域αのレジスト層100の幅b1を小さくしておくことにより、形成される発光部10の幅(発光部幅)b(図2参照)を複数の発光部10で略均一となるように形成することが可能になると考えられる。
続いて、レジスト層100を除去することにより、図11に示す形状を得る。次に、図12に示すように、発光部10が形成された半導体層の上面全面に、Si3N4からなる絶縁膜6を形成した後、絶縁膜6にコンタクトホール6aを形成する。このコンタクトホール6aは、たとえば、CF4プラズマエッチングにより形成する。
次に、図13に示すように、リフトオフ法などを用いて、絶縁膜6上およびコンタクトホール6a上にp側電極7(個別電極)を形成する。そして、図3に示したように、基板1の裏面上に、n側電極8(共通電極)を形成する。
最後に、スクライブ法などを用いて、Y方向に沿った分割予定線P1およびX方向に沿った分割予定線P2(図11参照)で基板(ウェハ)を分割することにより、個々の発光ダイオードアレイに個片化する。このようにして、本発明の一実施形態による発光ダイオードアレイが製造される。
本実施形態による発光ダイオードアレイの製造方法では、上記のように、最終的に発光ダイオードアレイのX方向の端部となるべき領域α(発光部形成領域11のX方向の端部)に形成されるレジスト層100を、端部以外の領域βに形成されるレジスト層100に比べて、X方向の幅が小さくなるように形成することによって、発光部10を発光部形成領域11に高密度に形成する場合でも、複数の発光部10を、X方向の幅が略均一となるように形成することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明を1200dpiの発光ダイオードアレイに適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、1200dpi以上の高密度の発光ダイオードアレイに本発明を適用することもできる。また、本発明を、1200dpi未満(たとえば、600dpi)の発光ダイオードアレイに適用してもよい。
また、上記実施形態では、メサエッチングのエッチング液に、硫酸:H2O2:アルコール=2:4:15(wt%)の混合溶液を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、上記以外のエッチング液を用いてメサエッチングを行ってもよい。たとえば、燐酸:H2O2:メタノール=1:7:2(wt%)の混合液をエッチング液としてメサエッチングを行ってもよい。この場合、エッチング液の液温を45℃にするとともに、エッチング時間を1分程度とするのが好ましい。
また、上記実施形態では、発光ダイオードアレイの端面となるべき位置(分割予定線)から3個のレジスト層を、その幅が、他の領域(たとえば、中央部)に形成するレジスト層の幅よりも小さくなるように形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、発光ダイオードアレイの端面となるべき位置から3個以上のレジスト層を、その幅が小さくなるように形成してもよいし、発光ダイオードアレイの端面となるべき位置から3個未満のレジスト層を、その幅が小さくなるように形成してもよい。すなわち、発光ダイオードアレイに形成される発光部の幅を略均一とするために、その幅を小さくするレジスト層の数は、適宜変更してもよい。
また、上記実施形態では、最終的に発光ダイオードアレイの端部となるべき領域に形成するレジスト層の幅を、端部以外の領域に形成するレジスト層の幅よりも、1割程度小さくした例を示したが、本発明はこれに限らず、レジスト層の幅の縮小度合は、発光部幅が許容されるばらつき範囲内(規格内)に収まるようにするために、適宜変更してもよい。
また、上記実施形態において、レジスト層の幅を、端部側から中央部側に向かって、その幅が段階的に(徐々に)大きくなるように形成してもよい。
また、上記実施形態では、AlGaAs系の材料を用いて基板上に発光部を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、AlGaAs系以外の材料を用いて基板上に発光部を形成してもよい。
また、上記実施形態では、n型の基板を用いて発光ダイオードアレイを作製した例を示したが、本発明はこれに限らず、p型の基板を用いて発光ダイオードアレイを作製してもよい。
また、上記実施形態では、Si3N4からなる絶縁層を半導体層の上面上に形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、Si3N4以外の材料からなる絶縁層を半導体層の上面上に形成するようにしてもよい。Si3N4以外の材料としては、たとえば、SiO2、Al2O3などが挙げられる。
1 基板
2 n型クラッド層
3 活性層
4 p型クラッド層
5 p型コンタクト層
6 絶縁膜
6a コンタクトホール
7 p側電極
7a 発光部側電極部
7b パッド電極部
7c 配線部
8 n側電極
10 発光部
11 発光部形成領域
20 段差部
30、40 エッチング溝
50 端面
60 分割領域
100 レジスト層(マスク層)
2 n型クラッド層
3 活性層
4 p型クラッド層
5 p型コンタクト層
6 絶縁膜
6a コンタクトホール
7 p側電極
7a 発光部側電極部
7b パッド電極部
7c 配線部
8 n側電極
10 発光部
11 発光部形成領域
20 段差部
30、40 エッチング溝
50 端面
60 分割領域
100 レジスト層(マスク層)
Claims (8)
- 基板上に半導体層を積層する工程と、
前記半導体層の発光部形成領域上に、第1方向に沿って配列するように、複数のマスク層を形成する工程と、
前記マスク層をマスクとしてエッチングすることにより、前記半導体層に、互いに分離された島状の複数の発光部を形成する工程と、
前記基板を、第1方向と直交する第2方向に沿って分割する工程とを備え、
前記マスク層を形成する工程は、
前記発光部形成領域の第1方向における前記分割後の端部となる領域に形成される前記マスク層を、端部以外の領域に形成される前記マスク層に比べて、第1方向の幅が小さくなるように形成する工程を含むことを特徴とする、発光ダイオードアレイの製造方法。 - 前記発光部を形成する工程は、前記半導体層をメサエッチングする工程を含み、
前記半導体層をメサエッチングする工程は、前記半導体層が形成された前記基板を、エッチング液中に攪拌せずに浸漬する工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオードアレイの製造方法。 - 前記マスク層を形成する工程は、
前記分割後の端部から所定数の前記マスク層を、他の領域に形成される前記マスク層に比べて、第1方向の幅が小さくなるように形成する工程を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の発光ダイオードアレイの製造方法。 - 前記第1方向は、その方向に沿って前記半導体層をメサエッチングした際に順メサのエッチング溝が表れる順メサ方向であり、
前記第2方向は、その方向に沿って前記半導体層をメサエッチングした際に逆メサのエッチング溝が表れる逆メサ方向であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光ダイオードアレイの製造方法。 - 基板上に積層された半導体層と、
前記半導体層をエッチングすることにより形成され、互いに分離された島状の複数の発光部とを備え、
前記基板は、第1方向に延びるように形成されており、
前記複数の発光部は、前記第1方向に沿って配列されているとともに、前記第1方向の幅が略均一となるように形成されており、
前記基板の第1方向の端部において、前記発光部を形成するためのエッチング深さが、前記基板の端部以外の部分に比べて小さくなるように構成されていることを特徴とする、半導体ダイオードアレイ。 - 前記複数の発光部は、それぞれ、前記第1方向と直交する第2方向に、略細長状に延びるように形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の発光ダイオードアレイ。
- 前記発光部の上部を含む前記半導体層上の所定領域に形成された電極層をさらに備え、
前記複数の発光部は、それぞれ、光を取り出すための発光窓を有しており、
前記電極層は、前記発光窓の部分を除く前記発光部上の領域を覆うように形成されており、
前記電極層によって、前記複数の発光部における前記発光窓の第2方向の長さが略同一となるように構成されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の発光ダイオードアレイ。 - 前記第1方向は、その方向に沿って前記半導体層をメサエッチングした際に順メサのエッチング溝が表れる順メサ方向であり、
前記第2方向は、その方向に沿って前記半導体層をメサエッチングした際に逆メサのエッチング溝が表れる逆メサ方向であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の発光ダイオードアレイ。
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JP2008311056A JP2010135616A (ja) | 2008-12-05 | 2008-12-05 | 発光ダイオードアレイおよびその製造方法 |
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JP2014116430A (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-26 | Fuji Xerox Co Ltd | 発光部品、プリントヘッド、画像形成装置および発光部品の製造方法 |
JP2015041762A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | 正幸 安部 | 光半導体装置 |
-
2008
- 2008-12-05 JP JP2008311056A patent/JP2010135616A/ja active Pending
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