JP2010132886A - 生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法 - Google Patents

生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010132886A
JP2010132886A JP2009246934A JP2009246934A JP2010132886A JP 2010132886 A JP2010132886 A JP 2010132886A JP 2009246934 A JP2009246934 A JP 2009246934A JP 2009246934 A JP2009246934 A JP 2009246934A JP 2010132886 A JP2010132886 A JP 2010132886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
biodegradable resin
decomposition
monomer
organic solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009246934A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5382337B2 (ja
Inventor
Seishi Yoshikawa
成志 吉川
Tadayoshi Katayama
傳喜 片山
Masato Kogure
正人 小暮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP2009246934A priority Critical patent/JP5382337B2/ja
Publication of JP2010132886A publication Critical patent/JP2010132886A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5382337B2 publication Critical patent/JP5382337B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、酵素を用いて生分解性樹脂を分解させた場合に効率よくオリゴマーまたはモノマーを生成する方法を提供し、オリゴマーおよび/またはモノマーを回収することができることを目的とする。
【解決手段】本発明は、生分解性酵素、緩衝剤、有機溶媒及び水を含有する分解液中で、生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法であって、前記有機溶媒のSP値が8.5未満であるか又は11.5を超える値であり、前記分解液中の有機溶媒の含有率(体積含率)が1%よりも多く15%未満である、前記生成方法を提供する。このオリゴマーまたはモノマーを生成する方法は、生分解性樹脂の分解率及びオリゴマーおよび/またはモノマーの凝集沈殿物が少なく回収率が高い。
【選択図】図1

Description

本発明は生分解性樹脂の酵素分解によるオリゴマーおよび/またはモノマーの生成方法に関する。
現在、包装容器の廃棄が問題となっている。汎用樹脂と同様な焼却処理は、二酸化炭素を環境へ直接排出するため、良い方法とは言えない。埋め立て等の環境中の微生物に分解させる方法は、環境への付加が低減されると期待できるが、分解に時間が掛かるだけでなく用地の確保も難しい。
一方、生分解性樹脂から作られた成形品などを、酵素を用いて分解させる方法も提案されている(特許文献1参照)。また、再重合可能な環状体を主成分とするオリゴマーを生成するポリ乳酸の解重方法が提案されている(特許文献2参照)。
特表2001−512504号公報 国際公開第2004/013217号パンフレット
しかしながら、酵素を用いて生分解性樹脂を分解させた場合、酵素と分解により生成したオリゴマーおよび/またはモノマーとが凝集物を形成し、最終的にオリゴマーおよび/またはモノマーの回収も困難になる。またこの凝集物は再溶解しないために、オリゴマーおよび/またはモノマーを回収することができない。また、再重合可能な環状体を主成分とするオリゴマーを生成するポリ乳酸の解重方法では、反応系内の水分率が低く、高収率でオリゴマーを回収することができない。したがって、本発明はこのような凝集物を生成させずに効率よくオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法を提供し、オリゴマーおよび/またはモノマーを回収することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、生分解性酵素、緩衝剤、有機溶媒及び水を含有する分解液中で、生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法であって、前記有機溶媒のSP値が8.5未満であるか又は11.5を超える値であり、前記分解液中の有機溶媒の含有率(体積含率)が1%よりも多く15%未満である、前記生成方法を提供する。
本発明のオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法によれば、生分解性樹脂の分解率が高く、且つ、生分解性樹脂の分解時における凝集沈殿物の生成を抑制し効率よくオリゴマーおよび/またはモノマーを生成することができる。また得られたオリゴマーはモノマーへの分解が可能で、そこから再重合することもできる。
実施例1(左)と比較例14(右)との透明性を比較した写真である。 実施例3のHPLCチャートである。 分解試験4日後の分解率とSP値の相関を示すグラフである。 白濁物のFT−IRを示すグラフである。 HPLCの測定条件を示すグラフである。
本発明のオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法は、生分解性酵素、緩衝剤、有機溶媒及び水を含有する分解液中で生分解性樹脂または該生分解性樹脂を含有する成形体を分解する。
ここでいうオリゴマーとは、モノマーが結合した重合体であって、例えば、ダイマー(二量体)、トライマー(三量体)、テトラマー(四量体)等をいう。また、オリゴマーおよび/またはモノマーは直鎖または側鎖を有するものであってもよい。
生分解性樹脂は、生分解性を有する樹脂であればよく、例えば化学合成系樹脂、微生物系樹脂、天然物利用系樹脂などが挙げられる。具体的には、脂肪族ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロース類などが挙げられる。脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリ乳酸(PLA)樹脂及びその誘導体、ポリブチレンサクシネート(PBS)樹脂及びその誘導体、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)及びその誘導体、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリテトラメチレンアジペート、ジオールとジカルボン酸の縮合物などが挙げられる。セルロース類としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロースなどが挙げられる。また、上記生分解性樹脂の修飾体や共重合体、上記生分解性樹脂同士及び汎用化学樹脂、添加剤との混合体であってもよい。ここで添加剤とは可塑剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、顔料、フィラー、無機充填剤、離型剤、耐電防止剤、香料、滑剤、発泡剤、抗菌・抗カビ剤、核形成剤などである。生分解性樹脂にブレンドするポリマーとしては、セルロース類、キチン、グリコーゲン、キトサン、ポリアミノ酸、澱粉などが挙げられる。
生分解性樹脂は、好ましくは分解促進剤を含有する。分解促進剤としては、生分解性樹脂の分解を促進することができる酸を当業者が適宜選択して使用することができる。例えば、0.005g/mlの濃度で水に溶解させたときのpHが4以下の酸、例えばpHが3以下の酸、pHが2以下の酸、例えばpHが1.5以下、pHが1.3以下、pHが1.0以下の酸を加水分解により放出する酸を使用することができる。具体例には、シュウ酸(pH 1.6)、マレイン酸、グリコール酸(pH 2.5)が挙げられる。このような分解促進剤としては、ポリエチレンオキサレート、ポリ(ネオペンチル)オキサレート(PNOx)、ポリエチレンマレエート、ポリグリコール酸などが挙げられる。好ましい分解促進剤はポリエチレンオキサレート及びポリグリコール酸である。これらは共重合体、単独での使用、2種以上組み合わせての使用でもよい。
分解促進剤や共重合体を形成する他の成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ビスフェノールA、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アントラセンジカルボン酸などのジカルボン酸;L-乳酸、D-乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、マンデル酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;グリコリド、カプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、ポロピオラクトン、ウンデカラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。
また本明細書では、ホモポリマー、共重合体、ブレンド体において、少なくとも一つのモノマーとしてシュウ酸を重合したポリマーをポリオキサレートとする。
生分解性樹脂に含まれる分解促進剤の含有量は、機械的特性や加工性を考えると、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは2〜20重量%である。
生分解性樹脂は、好ましくはポリ乳酸樹脂である。ポリ乳酸樹脂としては、乳酸を重合して得られるポリエステル樹脂であれば特に限定されず、ポリ乳酸のホモポリマー、コポリマー、ブレンドポリマーなどであってもよい。
ポリ乳酸と共重合体を形成する成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ビスフェノールA、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アントラセンジカルボン酸などのジカルボン酸;グリコール酸、L-乳酸、D-乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、マンデル酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;グリコリド、カプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、ポロピオラクトン、ウンデカラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。
ブレンドするポリマーとしては、セルロース類、キチン、グリコーゲン、キトサン、ポリアミノ酸、澱粉などが挙げられる。なお、ポリ乳酸を用いる際の重合に用いられる乳酸は、L−体又はD−体のいずれかであってもよく、L−体とD−体の混合物であってもよい。
生分解性樹脂からなる成形体とは公知の成形法で成形される成形体であればよい。公知の成形法とは射出成形法、押出成型法、シート成形法などである。得られる成形体の層構成は単層構造に限らず多層構造であってもよい。
分解液中に含まれる生分解性酵素としては、用いる生分解性高分子に作用する分解酵素であれば特に制限ない。さらに、酵素は固定化していても固定化していなくてもよい。リパーゼやプロテアーゼ、クチナーゼなどが挙げられる。また微生物を入れ、その菌体外酵素を用いてもよく、その微生物が必要とする培地成分や栄養成分が添加されていてもよい。生分解性酵素の量は当業者が適宜決定することが可能であり、例えば使用する酵素ごとの活性単位を基準として分解しようとする生分解性樹脂に対応して決定することができる。
分解液中に含まれる緩衝剤としては、グリシン-塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス-塩酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸-リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、グリシン-水酸化ナトリウム緩衝液などが挙げられる。また、固体の中和剤でもよく、例えば炭酸カルシウム、キトサン、脱プロトンイオン交換樹脂などが挙げられる。緩衝剤の量は当業者が適宜決定することが可能であり、例えば塩濃度として10〜100mMとした緩衝液を使用することができる。
分解液中に含まれる有機溶媒は、そのSP値(Hildebrand溶解度パラメータ)が8.5未満であるか又は11.5を超える値でなければならない。このような有機溶媒としては、ヘキサン(SP値は7.3)、シクロヘキサン(8.2)ジメチルスルホキシド(14.4)、アセトニトリル(11.7)、エタノール(12.7)、メタノール(14.4)などが挙げられる。前記有機溶媒は、好ましくはそのSP値が8.5未満であるか又は11.6以上である。より好ましくは、SP値は8以下であるか又は12以上である。さらに好ましくは、SP値は7.5以下であるか又は12.5以上である。上記範囲のSP値を有する有機溶媒を用いる場合には、生分解性樹脂の分解率が高く、凝集物の生成も抑制することができる。前記有機溶媒は、好ましくはエタノールである。
分解液中の有機溶媒の含有率(体積含率)は1%よりも多く15%未満である。好ましくは、有機溶媒の含有率は1.5%〜12%である。より好ましくは、有機溶媒の含有率は2%〜10%である。さらに好ましくは、有機溶媒の含有率は4%〜10%である。有機溶媒の含有率(体積含率)が1%以下では、分解液中に凝集沈殿物が生成されオリゴマーまたはモノマーの回収率が低下し、15%以上では、生分解性樹脂の分解率が低下するので好ましくない。
分解液中の水分の含有率(体積含率)は、50%以上である。好ましくは、80〜99%であることがよい。
分解液中で生分解性樹脂を分解する際の温度は、酵素が分解活性を示す温度であればよい。より好ましくは、0℃〜100℃である。さらに好ましくは、20℃〜70℃である。また、生分解性樹脂が分解促進剤を含有する場合には、さらに分解促進剤の作用を発揮する温度条件を考慮して温度を設定することができる。その場合は、例えば(分解促進剤のガラス転移温度―5℃)<分解温度<酵素活性を示す温度の上限、を基準とすることができる。例えば、分解促進剤としてポリエチレンオキサレートを使用した場合には例えば37℃の温度条件下で分解を促進することが可能であり、分解促進剤としてポリグリコール酸を使用した場合には例えば45℃とすることにより分解を促進することができる。また、分解液中で生分解性樹脂(2cm×2cm、厚み100μm)を分解する時間は、好ましくは1日〜10日である。より好ましくは、1日〜7日である。さらに好ましくは、4日以内である。また、分解液の撹拌条件は特に限りはなく、分解液が均一に撹拌されればよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(proK(ProteinaseK)酵素液)
Tritirachium album由来ProteinaseK粉末20mgを、50w/w%グリセリンを含む0.05M Tris−HCl緩衝液(pH8.0)1mlに溶解させ、proK(ProteinaseK)酵素液を作製した。
(CLE酵素液)
リパーゼ活性653U/mLを示すCryptococcus sp. S-2由来リパーゼCS2(特開2004−73123:独立行政法人酒類総合研究所提供)酵素液を用いた。リパーゼ活性は基質としてパラニトロフェニルラウレートを用いて測定した。ここで、リパーゼ活性の1Uとは1μmol/minのパラニトロフェノールをパラニトロフェニルラウレートから遊離させた時の酵素量で定義される。
(ガラス転移温度の測定)
ガラス転移温度(Tg)はセイコーインスツルメント株式会社製DSC6220(示差走査熱量測定)を用いて行った。測定条件は窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で0〜200℃まで測定した。サンプルは後述するPEOx、PEOx20とし、試料量5〜10mgとした。
(ポリエチレンオキサレート(PEOx)の合成)
マントルヒーター、攪拌装置、窒素導入管、冷却管を取り付けた300mLのセパラブルフラスコにシュウ酸ジメチル354g(3.0mol)、エチレングリコール223.5g(3.6mol)、テトラブチルチタネート0.30gを入れ窒素気流下フラスコ内温度を110℃からメタノールを留去しながら170℃まで加熱し、9時間反応させた。
最終的に210mlのメタノールを留去した。その後内温150℃で0.1〜0.5mmHgの減圧下で1時間攪拌し、内温170℃〜190℃で7時間反応後、粘度が上がり取り出した。合成物のηinhは0.12だった。
溶液粘度(ηinh)の測定は、120℃で一晩真空乾燥させた合成したポリエチレンオキサレートをm−クロロフェノール/1,2,4−トリクロロベンゼン=4/1(重量比)混合溶媒に浸漬し、150℃で約10分溶解させ濃度0.4g/dlの溶液を作り、ついでウベローデ粘度計を用いて30℃で溶液粘度を測定した(単位dl/g)。
(ポリオキサレート(PEOx20)の合成)
シュウ酸ジメチル354g(3.0mol)の代わりにシュウ酸ジメチル94.5g(0.8mol)及びテレフタル酸ジメチル38.8g(0.2mol)を用いた以外は、上記PEOxの合成と同様の方法で合成した。
GPC測定により、重量平均分子量 (Mw)は20000であった。GPCには、東ソー株式会社製HLC−8120を用い、カラムとしてTSKgel SuperHM−H×2及びガードカラムとしてTSKguard column SuperH−Hを用いた。カラムオーブンの温度を40℃とし、溶離液としてクロロホルムを用い、流速を0.5ml/minとした。また、サンプル注入量は15μlとした。スタンダードはクロロホルムにポリスチレンを溶解させたものを用いた。サンプル調整はクロロホルムを溶媒として濃度5mg/mlとし、フィルターろ過したものを用いた。
(PEOx、PEOx20の性質)
モノマーであるシュウ酸は0.005g/ml濃度でpH1.6であり、PEOxは水溶液中で加水分解によりシュウ酸、またはシュウ酸オリゴマーを溶出する。
表1 ポリオキサレートのモノマー含有量とガラス転移温度
(生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx)フィルムの作製)
ポリ乳酸(Natureworks社製4032D)/ポリエチレンオキサレート=95/5wt%のマスターペレットを、二軸押出機(テクノベル社製ULT Nano05−20AG)を用いて200℃で溶融混合し、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)を用いて厚さ100μmの易分解性樹脂組成物フィルムを製膜した。
(生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx20)フィルムの作製)
上記PEOxをPEOx20に代えた他は同様に行った。
(生分解性樹脂(PBS)フィルムの作製)
ポリブチレンサクシネート(PBS)(昭和高分子社製#1001)ペレットを200℃で5分間溶融後、50kgf/cm2の圧力で加熱加圧し、フィルムを作製した。
(分解率)
分解率は、生分解性樹脂フィルムの初期重量を測定し、1週間分解させた生分解性樹脂フィルムの重量を測定し、下記の式にて算出した。
((生分解性樹脂フィルムの初期重量−分解後のフィルムの重量)/生分解性樹脂フィルムの初期重量)×100=分解率(%)
(分解液の透明性)
フィルムを分解させた分解液の透明性を目視で確認し、透明な分解液を○とし、分解直後で白濁を確認できる分解液を×として、評価した。
(吸光度測定(濁度測定))
フィルムを分解させた分解液を島津製作所製の分光光度計UV−160Aを用い、660nmの波長で吸光度を測定した。
(60mmol/lリン酸緩衝液(pH7)の作製方法)
60mmol/lのリン酸2水素ナトリウム水溶液と60mMのリン酸水素2ナトリウム水溶液を1:1で混合し、60mmol/lのリン酸2水素ナトリウム水溶液でpH7に調整した。
(有機溶媒含有緩衝液の作製方法)
ここではエタノール4%含有緩衝液の作製方法を記す。
上記60mmol/Lリン酸緩衝液にエタノールを含有率(体積含率)が4%になるように加え、1mol/l塩酸でpH7に調整し、有機溶媒含有緩衝液を作製した。この液をエタノール4%含有緩衝液とした。
(実施例1)
分解液のエタノールの含有率が4%となるように、60mmol/Lリン酸緩衝液10ml(pH7)、CLE酵素液12μl及びエタノールとを混合した分解液を作成し、塩酸を添加してpH7となるように調整した。25mlのバイアル瓶内に、該分解液と2cm×2cm(重量50mg)に切り出した生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx)フィルムを入れ、37℃100rpmで7日間振とうさせた。なお、pHの極度な低下を避けるため、7日間を2日、2日、3日に分け、分解液を交換した。
(実施例2)
エタノールの含有率が2%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
エタノールの含有率が7%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例4)
エタノールの含有率が10%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例5)
エタノールに代えて、ヘキサンの含有率が4%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例6)
エタノールに代えて、ヘキサンの含有率が10%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例7)
エタノールに代えて、メタノールの含有率が4%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例8)
エタノールに代えて、アセトニトリルの含有率が4%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例9)
生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx)フィルムを生分解性樹脂(PBS)フィルムに代えた以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例10)
生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx)フィルムを生分解性樹脂(PBS)フィルムに代えた以外は、実施例5と同様に行った。
(実施例11)
proK酵素液12μlとした以外は実施例1と同様に行った。
(実施例12)
生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx)フィルムを生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx20)フィルムに代え、分解温度を45℃に代えた以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例1)
エタノールの含有率が1%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例2)
エタノールの含有率が15%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例3)
エタノールの含有率が20%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例4)
エタノールの含有率が30%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例5)
エタノールに代えて、トルエンの含有率が4%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例6)
エタノールに代えて、トルエンの含有率が50%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例7)
エタノールに代えて、トルエンの含有率が95%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例8)
エタノールに代えて、クロロホルムの含有率が4%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例9)
エタノールに代えて、酢酸エチルの含有率が4%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例10)
エタノールに代えて、イソプロパノールの含有率が4%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例11)
エタノールに代えて、ジオキサンの含有率が4%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例12)
エタノールに代えて、ヘキサンの含有率が1%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例13)
エタノールに代えて、メタノールの含有率が1%になるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例14)
エタノールを加えなかった以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例15)
生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx)フィルムを生分解性樹脂(PBS)フィルムに代えた以外は比較例14と同様に行った。
(比較例16)
proK酵素液12μlとした以外は比較例14と同様に行った。
(比較例17)
生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx)フィルムを生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx20)フィルムに代えた以外は、比較例14と同様に行った。
(結果)
実施例1〜12及び比較例1〜17の、1週間の分解率及び分解液透明性の結果を表2、3に示す。

*分解液の透明性は分解量に依存するため、ほとんど分解していない比較例は透明になる。
実施例3の分解液のHPLCチャートを図2に示した。ここから生分解性樹脂(ポリ乳酸/PEOx)から乳酸モノマー、乳酸オリゴマーが生成しているとわかった。
(HPLCの測定条件)
HPLCシステムにはJASCO製GULLIVER seriesを使用した。分析条件は、カラムはWaters製Atlantis dC18 5μm、4.6×250mmを40℃に保ったカラムオーブン内で用い、0.5%リン酸とアセトニトリルで流速1mL/分となるように図5のとおりグラジエントをかけ、それを移動相としてサンプルを50μl注入した。検出には210nmのUV吸収を用い、標準サンプルとしてL−乳酸(和光純薬工業社製)を精製したものを用いた。
実施例1及び2と比較例1、2及び3の結果から、好ましい有機溶媒量は1%<有機溶媒量<15%であると分かった。有機溶媒量が1%以下の場合、分解液が不透明になりモノマー回収量が低下する。15%以上の場合、分解量が極端に低下することがわかった。
次に、分解試験4日後の分解率とSP値の相関を図3に示す。つまり、好ましい有機溶媒のSP値範囲として、有機溶媒のSP値<8.5、又は11.5<有機溶媒のSP値であることが分かった。
(白濁物のIR解析)
比較例14の白濁液を遠心し、沈殿物を回収後、蒸留水で洗浄した。回収した白色固体は一晩40℃で減圧乾燥させ、FT−IRを用い測定した。FT−IRは反射測定を行った(測定周波数:600cm-1〜4000cm-1)。結果を図4に示す。
1735cm-1のピークはポリ乳酸オリゴマーのカルボニル基に起因し、1635cm-1及び1540cm-1のピークはタンパク質(酵素)のペプチド結合に起因している。つまり酵素分解中の白濁原因はポリ乳酸オリゴマーと酵素との凝集沈殿物が生成しているとわかった。
(乳酸モノマー回収率実験)
1週間後の分解率が100%であった実施例1、実施例3、比較例1及び比較例14に対して以下の実験を行った。
フィルムが100%分解するまでの各分解残液を統合し、proK酵素液を1.2μL/mL加え、37℃で1週間振とうさせた。その反応液からHPLCを用いて、乳酸モノマー量を算出した。乳酸モノマー回収率は、乳酸モノマー量/仕込みのポリ乳酸量×100により計算した。その結果を表4に示す。
表4

Claims (7)

  1. 生分解性酵素、緩衝剤、有機溶媒及び水を含有する分解液中で、生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法であって、前記有機溶媒のSP値が8.5未満であるか又は11.5を超える値であり、前記分解液中の有機溶媒の含有率(体積含率)が1%よりも多く15%未満である、前記生成方法。
  2. 前記有機溶媒がエタノールである、請求項1記載の生成方法。
  3. 前記生分解性樹脂が分解促進剤を含有する請求項1又は2記載の生成方法。
  4. 前記生成方法の分解温度が、分解促進剤のガラス転移温度−5℃以上である請求項3記載の生成方法。
  5. 前記分解促進剤が加水分解により酸を放出する請求項3または4記載の生成方法。
  6. 前記分解促進剤がポリオキサレートである請求項3から5の何れかに記載の生成方法。
  7. 前記生分解性樹脂がポリ乳酸樹脂である、請求項1から6の何れかに記載の生成方法。
JP2009246934A 2008-10-27 2009-10-27 生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法 Active JP5382337B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009246934A JP5382337B2 (ja) 2008-10-27 2009-10-27 生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008275738 2008-10-27
JP2008275738 2008-10-27
JP2009246934A JP5382337B2 (ja) 2008-10-27 2009-10-27 生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010132886A true JP2010132886A (ja) 2010-06-17
JP5382337B2 JP5382337B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=42344465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009246934A Active JP5382337B2 (ja) 2008-10-27 2009-10-27 生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5382337B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3050917A4 (en) * 2013-09-27 2017-09-20 Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. Method for degrading biodegradable resin

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001512504A (ja) * 1997-02-17 2001-08-21 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト 酵素を用いた生分解性ポリマー類の分解
JP2002293982A (ja) * 2001-04-02 2002-10-09 Kanebo Ltd 生分解性ポリマーの分解促進剤及び分解促進方法並びに分解方法
WO2004013217A1 (ja) * 2002-08-05 2004-02-12 Keio University ポリ乳酸の酵素解重合法、及び解重合生成物を用いるポリ乳酸の製造方法
JP2004269566A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Unitika Ltd 乳酸の回収方法
JP2006104262A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステル系樹脂成形体の分解処理方法
JP2006124677A (ja) * 2004-10-01 2006-05-18 Mitsubishi Chemicals Corp 生分解性樹脂の分解処理液及びそれを用いた廃棄処理方法
WO2008038648A1 (fr) * 2006-09-26 2008-04-03 Toyo Seikan Kaisha, Ltd. Composition de résine rapidement dégradable et récipient biodégradable utilisant cette composition
WO2010050482A1 (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 東洋製罐株式会社 生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001512504A (ja) * 1997-02-17 2001-08-21 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト 酵素を用いた生分解性ポリマー類の分解
JP2002293982A (ja) * 2001-04-02 2002-10-09 Kanebo Ltd 生分解性ポリマーの分解促進剤及び分解促進方法並びに分解方法
WO2004013217A1 (ja) * 2002-08-05 2004-02-12 Keio University ポリ乳酸の酵素解重合法、及び解重合生成物を用いるポリ乳酸の製造方法
JP2004269566A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Unitika Ltd 乳酸の回収方法
JP2006104262A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステル系樹脂成形体の分解処理方法
JP2006124677A (ja) * 2004-10-01 2006-05-18 Mitsubishi Chemicals Corp 生分解性樹脂の分解処理液及びそれを用いた廃棄処理方法
WO2008038648A1 (fr) * 2006-09-26 2008-04-03 Toyo Seikan Kaisha, Ltd. Composition de résine rapidement dégradable et récipient biodégradable utilisant cette composition
WO2010050482A1 (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 東洋製罐株式会社 生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3050917A4 (en) * 2013-09-27 2017-09-20 Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. Method for degrading biodegradable resin

Also Published As

Publication number Publication date
JP5382337B2 (ja) 2014-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010050482A1 (ja) 生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法
Fredi et al. Recycling of bioplastic waste: A review
WO2010055903A1 (ja) 生分解性樹脂組成物
Kumar et al. Mechanical, chemical, and bio-recycling of biodegradable plastics: A review
Niaounakis Biopolymers: processing and products
JP5651932B2 (ja) 生分解性樹脂組成物
JP5286505B2 (ja) 生分解性樹脂組成物
Muiruri et al. Poly (hydroxyalkanoates): Production, applications and end-of-life strategies–life cycle assessment nexus
JP5071598B2 (ja) 生分解性樹脂組成物
JPH1072529A (ja) ポリグリコール酸射出成形物及びその製造方法
US20060216805A1 (en) Lactic acid, polylactic acid and biodegradable plastic
JP5656001B2 (ja) 生分解性多層容器
JP5582445B2 (ja) ポリオキサレート及びそれを含む生分解性樹脂組成物
JP2008037996A (ja) ブロック共重合体、その製造方法および樹脂組成物
JP5696971B2 (ja) 生分解性樹脂の処理方法
JP5382337B2 (ja) 生分解性樹脂を分解してオリゴマーおよび/またはモノマーを生成する方法
JP5633291B2 (ja) 生分解性樹脂組成物
JP5445756B2 (ja) 易分解性樹脂組成物の分解方法
Sohail et al. Aliphatic biopolymers as a sustainable green alternative to traditional petrochemical-based plastics
Yeo et al. Poly (lactic acid)(PLA) as a building block for a circular economy
JP2010138390A (ja) 易分解性樹脂組成物の分解液および分解方法
JP5692484B2 (ja) ポリ乳酸樹脂の結晶化成形体及びその製造方法
JP2008007611A (ja) ポリ乳酸から乳酸、および/または水溶性オリゴマーを回収する方法
JP6634733B2 (ja) 環状ポリマーの製造方法及び環状ポリ乳酸樹脂組成物の製造方法
Yeoa et al. Poly (lactic acid)(PLA) as a building block for a circular economy

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130325

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130524

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20130524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5382337

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150