JP2010131952A - フレキシブル積層板及びフレキシブル積層板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で環境負荷が小さく、かつ、ベースフィルムと導電層との接合信頼性が高く、例えば液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル回路基板として使用可能なフレキシブル積層板及びこのフレキシブル積層板の製造方法を提供する。
【解決手段】ベースフィルム11と、このベースフィルム11に積層された導電層12と、を備えたフレキシブル積層板10であって、ベースフィルム11は、ポリエチレンナフタレート樹脂で構成されており、ベースフィルム11と導電層12との間には、シランカップリング剤13が介在されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ベースフィルム11と、このベースフィルム11に積層された導電層12と、を備えたフレキシブル積層板10であって、ベースフィルム11は、ポリエチレンナフタレート樹脂で構成されており、ベースフィルム11と導電層12との間には、シランカップリング剤13が介在されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、合成樹脂からなるベースフィルムの表面に、金属からなる導電層を形成したフレキシブル積層板に関し、特に、液晶ディスプレイ駆動用ICドライバの実装に用いられるフレキシブル積層板及びこのフレキシブル積層板の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化・軽量化・構造の柔軟化に有利な回路基板として、TAB(Tape Automated Bonding)やFPC(Flexible Print Circuit) 等を用いた回路基板に対する需要が高まってきている。
このような回路基板として使用されるフレキシブル積層板として、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成技術により、ベースフィルム上に直接的に金属薄膜を回路パターンに沿って成膜したのちこの金属薄膜上に電解めっき等により金属めっき層を堆積させて回路パターン状に導電層を形成したものや、金属薄膜をベースフィルムの表面に形成し、その上に電解めっき等で金属を堆積させて導電層を形成し、この導電層をエッチングして回路パターンを形成したもの等が提案されている。
このような回路基板として使用されるフレキシブル積層板として、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成技術により、ベースフィルム上に直接的に金属薄膜を回路パターンに沿って成膜したのちこの金属薄膜上に電解めっき等により金属めっき層を堆積させて回路パターン状に導電層を形成したものや、金属薄膜をベースフィルムの表面に形成し、その上に電解めっき等で金属を堆積させて導電層を形成し、この導電層をエッチングして回路パターンを形成したもの等が提案されている。
このようなフレキシブル積層板のベースフィルムとして、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されているように、ポリイミドフィルム(ポリイミド樹脂)が広く使用されている。このポリイミドフィルムは、反応硬化型樹脂フィルムであって、2種又は3種以上の原料を混合し、熱や光などのエネルギー及び触媒作用等を利用して重合反応させることで成形されるものである。このようにして成形されるポリイミドフィルムは、剛直な分子構造を有しており、優れた耐熱性及び耐蝕性を備えている。
一方、フレキシブル積層板として、例えば特許文献3及び特許文献4に開示されているように、熱可塑性樹脂の一種であるポリエチレンナフタレートフィルムをベースフィルムとして用いたものが提案されている。
特許第3944401号公報
特開2005−26378号公報
特開2006−013135号公報
特開平11−080991号公報
ところで、ポリイミドフィルムは前述のように、耐熱性及び耐蝕性に優れているので、加熱したり酸やアルカリに浸漬したりしてもその特性が大きく変化せず、フレキシブル積層板の製造工程において発生した不良品や使用済製品からポリイミド樹脂を分離して回収することが困難であった。このため、フレキシブル積層板の不良品や使用済製品は、すべて焼却処分又は埋め立て処分を行うことになり、環境への負荷が非常に大きくなってしまう。また、ポリイミドフィルムは比較的高価なため、フレキシブル積層板の製造コストが増大してしまうといった問題があった。
また、熱可塑性樹脂の一種であるポリエチレンナフタレートフィルムを用いたフレキシブル積層板は、ポリイミドフィルムと比較して安価であるものの、導電層を構成する金属との接合信頼性がポリイミドフィルムと比べて低いことから、高い信頼性が要求される液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル積層板としては使用されていない。
さらに、特許文献3及び特許文献4に示すように、ポリエチレンナフタレートフィルムをベースフィルムとして使用した場合には、ベースフィルムと導電層とを、熱硬化性樹脂からなる接着剤を介して接合したり、炭素―炭素三重結合を有する化合物を重合させることで下地層を形成して該下地層の上に導電層を形成したりしている。このため、ポリエチレンナフタレートフィルムをベースフィルムとして使用したフレキシブル積層板であっても、リサイクルして使用することが困難であった。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、安価で環境負荷が小さく、かつ、ベースフィルムと導電層との接合信頼性が高く、例えば液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル回路基板として使用可能なフレキシブル積層板及びこのフレキシブル積層板の製造方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明に係るフレキシブル積層板は、ベースフィルムと、このベースフィルムに積層された導電層と、を備えたフレキシブル積層板であって、前記ベースフィルムは、ポリエチレンナフタレート樹脂で構成されており、前記ベースフィルムと前記導電層との間には、シランカップリング剤が介在されていることを特徴としている。
本発明に係るフレキシブル積層板においては、ポリエチレンナフタレート樹脂で構成されたベースフィルムと金属からなる導電層との間にシランカップリング剤が介在されている。ここで、シランカップリング剤は、1分子中に有機官能基と加水分解官能基とを備えており、無機物と有機物とを結合させる作用を有している。よって、シランカップリング剤によって無機物である金属(導電層)と有機物であるポリエチレンナフタレート樹脂(ベースフィルム)とを強固に接合することができる。よって、ベースフィルムと導電層との接続信頼性の向上を図ることが可能となり、例えば液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル回路基板として使用可能なフレキシブル積層板を提供することができる。
また、ベースフィルムが熱可塑性樹脂の一種であるポリエチレンナフタレート樹脂で構成されているので、加熱処理を行うことでベースフィルムを容易に溶融させることができ、フレキシブル積層板の製造工程において発生した不良品や使用済製品からポリエチレンナフタレート樹脂を分離して回収することが可能となる。よって、これらの不良品や使用済製品を焼却処分又は埋め立て処分を行う必要がなく、環境負荷を大幅に削減することができる。
さらに、ポリエチレンナフタレート樹脂は、比較的安価であるので、フレキシブル積層板を低コストで提供することができる。
さらに、ポリエチレンナフタレート樹脂は、比較的安価であるので、フレキシブル積層板を低コストで提供することができる。
ここで、前記導電層を、Ni、Cr、Mo、Cu及びAlの少なくとも1種以上を含有する金属で構成してもよい。
Cu及びAlは、導電性の良い金属であるため、導電層を流れる電流のロスを抑えることができる。また、Ni、Mo、Crは、耐蝕性を向上させる元素であるので、導電層の腐食を防止でき、フレキシブル積層板の信頼性を向上させることができる。なお、導電層の材質は、使用環境等に応じて適宜選択することが好ましい。
Cu及びAlは、導電性の良い金属であるため、導電層を流れる電流のロスを抑えることができる。また、Ni、Mo、Crは、耐蝕性を向上させる元素であるので、導電層の腐食を防止でき、フレキシブル積層板の信頼性を向上させることができる。なお、導電層の材質は、使用環境等に応じて適宜選択することが好ましい。
また、前記導電層を、Ni、Cr、Mo、Cu及びAlの少なくとも1種以上を含有する金属で構成される第1層と、Cu又はAlで構成される第2層とを備えた構成としてもよい。
この場合、導電性の良い金属であるCu及びAl構成された第2層において導電層の電気伝導を確保するとともに、第1層において耐蝕性を有するように構成することが可能となる。
この場合、導電性の良い金属であるCu及びAl構成された第2層において導電層の電気伝導を確保するとともに、第1層において耐蝕性を有するように構成することが可能となる。
本発明に係るフレキシブル積層板の製造方法は、前述のフレキシブル積層板の製造方法であって、ポリエチレンナフタレート樹脂からなるベースフィルムの少なくとも片面にシランカップリング剤を塗布する塗布工程と、前記ベースフィルムのシランカップリング剤が塗布された面に、金属を直接積層させて導電層を形成する積層工程と、を有していることを特徴としている。
本発明に係るフレキシブル積層板の製造方法においては、ベースフィルムの少なくとも片面にシランカップリング剤を塗布する塗布工程と、ベースフィルムのシランカップリング剤が塗布された面に導電層を形成する積層工程とを有しているので、ベースフィルムと導電層との間にシランカップリング剤を確実に介在させることができ、ベースフィルム(ポリエチレンナフタレート樹脂)と導電層(金属)との接合信頼性を大幅に向上させることが可能となる。これにより、例えば液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル回路基板として使用可能なフレキシブル積層板を製出することができる。
本発明によれば、安価で環境負荷が小さく、かつ、ベースフィルムと導電層との接合信頼性が高く、例えば液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル回路基板として使用可能なフレキシブル積層板及びこのフレキシブル積層板の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の第1の実施形態であるフレキシブル積層板について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態であるフレキシブル積層板10は、液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル回路基板として使用されるものであり、図1に示すように、合成樹脂からなるベースフィルム11と、導電性を有する金属からなる導電層12と、を具備している。
本実施形態であるフレキシブル積層板10は、液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル回路基板として使用されるものであり、図1に示すように、合成樹脂からなるベースフィルム11と、導電性を有する金属からなる導電層12と、を具備している。
ベースフィルム11は、熱可塑性樹脂の一種であるポリエチレンナフタレート樹脂で構成されている。ベースフィルム11の厚さは特に限定されないが、ベースフィルム11としての剛性を確保する観点から12μm以上が好ましく、フレキシブル積層板10の変形の容易さを確保する観点から125μm以下であることが好ましい。本実施形態では、ベースフィルム11の厚さは約38μmとされている。
導電層12は、導電性を有する材質、具体的には、Ni、Cr、Mo、Cu及びAlの少なくとも1種以上を含有する金属で構成されている。なお、本実施形態においては、導電層12は、Cuを主成分とし、Ni、Cr、Moが含有されたCu合金によって構成されている。
導電層12の厚さは特に限定されないが、10nm以上であればよく、より好ましくは30nm以上である。なお、導電層12が10nmよりも薄いとメッキ工程にて焼き切れる等の不良が発生しやすくなる。なお、本実施形態では、導電層12の厚さは約100nmとされている。
導電層12の厚さは特に限定されないが、10nm以上であればよく、より好ましくは30nm以上である。なお、導電層12が10nmよりも薄いとメッキ工程にて焼き切れる等の不良が発生しやすくなる。なお、本実施形態では、導電層12の厚さは約100nmとされている。
そして、ベースフィルム11と導電層12との間には、シランカップリング剤13が介在されている。
ここで、シランカップリング剤13は、1分子中に有機官能基と加水分解官能基を有しており、有機物と無機物とを結合させる作用を有するものである。
ここで、シランカップリング剤13は、1分子中に有機官能基と加水分解官能基を有しており、有機物と無機物とを結合させる作用を有するものである。
詳述すると、シランカップリング剤13は、加水分解官能基として、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基などを有しており、有機官能基として、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基などを有している。
加水分解官能基は、水との反応によってシラノール基(Si−OH)となり、このシラノール基が脱水縮合反応を起こしてシランオリゴマーが形成され、OH基が無機物である金属(Cu)と結合する。一方、有機官能基は、有機物であるポリエチレンナフタレート樹脂と有機物反応により結合する。
加水分解官能基は、水との反応によってシラノール基(Si−OH)となり、このシラノール基が脱水縮合反応を起こしてシランオリゴマーが形成され、OH基が無機物である金属(Cu)と結合する。一方、有機官能基は、有機物であるポリエチレンナフタレート樹脂と有機物反応により結合する。
次に、この構成のフレキシブル積層板10の製造方法について図2を用いて説明する。
まず、ポリエチレンフタレート樹脂で構成されたベースフィルム11の表面にシランカップリング剤13を塗布する(塗布工程Pc)。ここで、シランカップリング剤13は、水およびメタノールに容易に溶解する特性を有しており、1%以下の低濃度においても、ベースフィルム11の全面に塗布することが可能である。なお、本実施形態では、シランカップリング剤13として濃度0.1〜2.0wt%の水溶液を塗布している。
まず、ポリエチレンフタレート樹脂で構成されたベースフィルム11の表面にシランカップリング剤13を塗布する(塗布工程Pc)。ここで、シランカップリング剤13は、水およびメタノールに容易に溶解する特性を有しており、1%以下の低濃度においても、ベースフィルム11の全面に塗布することが可能である。なお、本実施形態では、シランカップリング剤13として濃度0.1〜2.0wt%の水溶液を塗布している。
塗布工程Pcによってシランカップリング剤13がコーティングされたベースフィルム11の表面に、導電層12を構成するCu合金をスパッタリングによって積層する(スパッタ工程Ps)。このようにしてベースフィルム11上にCu合金のスパッタ層12aを形成する。
次に、メッキ法によって、スパッタ層12aの上にさらにCu合金を積層させ、メッキ層12bを形成する(メッキ工程Pp)。ここで、スパッタ層12aとメッキ層12bとは同一の組成からなるため、スパッタ層12aとメッキ層12bとが一体化し、導電層12が形成されることになる。すなわち、本実施形態においては、スパッタ工程Psとメッキ工程Ppとが、導電層12を形成する積層工程を構成しているのである。
次に、メッキ法によって、スパッタ層12aの上にさらにCu合金を積層させ、メッキ層12bを形成する(メッキ工程Pp)。ここで、スパッタ層12aとメッキ層12bとは同一の組成からなるため、スパッタ層12aとメッキ層12bとが一体化し、導電層12が形成されることになる。すなわち、本実施形態においては、スパッタ工程Psとメッキ工程Ppとが、導電層12を形成する積層工程を構成しているのである。
このようにしてベースフィルム11上に、シランカップリング剤3を介して導電層12が形成され、本実施形態であるフレキシブル積層板10が製造される。
このような構成とされた本実施形態であるフレキシブル積層板10においては、ポリエチレンナフタレート樹脂で構成されたベースフィルム11とCu合金からなる導電層12との間にシランカップリング剤13が介在されているので、シランカップリング剤13の加水分解官能基が無機物であるCu合金(導電層12)と結合し、有機官能基が有機物であるポリエチレンナフタレート樹脂(ベースフィルム11)と結合することにより、ベースフィルム11と導電層12との接続信頼性の向上を図ることができる。
また、ベースフィルム11が熱可塑性樹脂の一種であるポリエチレンナフタレート樹脂で構成されているので、加熱処理を行うことでベースフィルム11を容易に溶融させることができ、フレキシブル積層板10の製造工程において発生した不良品や使用済製品からポリエチレンナフタレート樹脂を分離して回収することができる。よって、これらの不良品や使用済製品を焼却処分又は埋め立て処分を行う必要がなく、環境負荷を大幅に削減することができる。
さらに、ベースフィルム11を構成するポリエチレンナフタレート樹脂は、比較的安価であるので、このフレキシブル積層板10を低コストで提供することができる。
さらに、ベースフィルム11を構成するポリエチレンナフタレート樹脂は、比較的安価であるので、このフレキシブル積層板10を低コストで提供することができる。
次に、本発明の第2の実施形態であるフレキシブル積層板について図3を参照にして説明する。
本実施形態であるフレキシブル積層板20においても、第1の実施形態であるフレキシブル積層板10と同様に、液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル回路基板として使用されるものである。
本実施形態であるフレキシブル積層板20においても、第1の実施形態であるフレキシブル積層板10と同様に、液晶ディスプレイ駆動用ICドライバを搭載するフレキシブル回路基板として使用されるものである。
本実施形態において、ベースフィルム21は、熱可塑性樹脂の一種であるポリエチレンナフタレート樹脂で構成されている。
また、ベースフィルム21の表面には、1分子中に有機官能基と加水分解官能基を有し、有機物と無機物とを結合させる作用を備えたシランカップリング剤23が塗布されている。
また、ベースフィルム21の表面には、1分子中に有機官能基と加水分解官能基を有し、有機物と無機物とを結合させる作用を備えたシランカップリング剤23が塗布されている。
そして、ベースフィルム21のシランカップリング剤23が塗布された面の上に、導電性を有する金属からなる導電層22が形成されている。
ここで、本実施形態においては、導電層22が、Ni、Cr、Mo、Cu及びAlの少なくとも1種以上を含有する金属で構成される第1層22Aと、Cu又はAlで構成される第2層22Bとを備えている。
ここで、本実施形態においては、導電層22が、Ni、Cr、Mo、Cu及びAlの少なくとも1種以上を含有する金属で構成される第1層22Aと、Cu又はAlで構成される第2層22Bとを備えている。
本実施形態では、第1層22Aは、Cuを主成分としてNi,Cr,Moが添加されたCu合金で構成されている。この第1層22Aは、Ni,Cr,Moの作用によって耐蝕性に優れている。一方、第2層22Bは、導電性に優れたCuで構成されている。
つまり、本実施形態では、耐蝕性に優れた第1層22Aと導電性に優れた第2層22Bとによって導電層22が形成されているのである。
つまり、本実施形態では、耐蝕性に優れた第1層22Aと導電性に優れた第2層22Bとによって導電層22が形成されているのである。
次に、この構成のフレキシブル積層板20の製造方法について図4を用いて説明する。
まず、ポリエチレンフタレート樹脂で構成されたベースフィルム21の表面にシランカップリング剤23を塗布する(塗布工程P´C)。ここで、シランカップリング剤23は、水およびメタノールに容易に溶解する特性を有しており、1%以下の低濃度においても、ベースフィルム21の全面に塗布することが可能である。なお、本実施形態では、シランカップリング剤23として濃度0.1〜2.0wt%の水溶液を塗布している。
まず、ポリエチレンフタレート樹脂で構成されたベースフィルム21の表面にシランカップリング剤23を塗布する(塗布工程P´C)。ここで、シランカップリング剤23は、水およびメタノールに容易に溶解する特性を有しており、1%以下の低濃度においても、ベースフィルム21の全面に塗布することが可能である。なお、本実施形態では、シランカップリング剤23として濃度0.1〜2.0wt%の水溶液を塗布している。
塗布工程P´Cによってシランカップリング剤23がコーティングされたベースフィルム21の表面に、第1層22Aを構成するCu合金をターゲットとして用いてスパッタリング処理を行うことで第1層22Aを形成する(第1層形成工程P´L1)。
次に、メッキ法によって、第1層22Aの上にさらにCuを積層させて第2層22Bを形成する(第2層形成工程P´L2)。
ここで、第1層22Aと第2層22Bとによって導電層22が形成される。すなわち、本実施形態においては、第1層形成工程P´L1と第2層形成工程P´L2とが、導電層22を形成する積層工程を構成しているのである。
次に、メッキ法によって、第1層22Aの上にさらにCuを積層させて第2層22Bを形成する(第2層形成工程P´L2)。
ここで、第1層22Aと第2層22Bとによって導電層22が形成される。すなわち、本実施形態においては、第1層形成工程P´L1と第2層形成工程P´L2とが、導電層22を形成する積層工程を構成しているのである。
このようにしてベースフィルム21上にシランカップリング剤23を介して第1層22A及び第2層22Bからなる導電層22が形成され、本実施形態であるフレキシブル積層板20が製造される。
このような構成とされた本実施形態であるフレキシブル積層板20によれば、導電性の良い金属であるCuで構成された第2層22Bにおいて導電層22の電気伝導を確保するとともに、Cu合金で構成された第1層22Aにおいて耐蝕性を確保することができ、高性能のフレキシブル積層板20を提供することができる。
また、本実施形態においては、第1層22AがCu合金で構成され、第2層22BがCuで構成されているので、第1層22A上にCuを直接メッキして第2層22Bを形成することができる。
また、本実施形態においては、第1層22AがCu合金で構成され、第2層22BがCuで構成されているので、第1層22A上にCuを直接メッキして第2層22Bを形成することができる。
以上、本発明の実施形態であるフレキシブル積層板について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、導電層がCu合金あるいはCuで構成されたフレキシブル積層板として説明したが、これに限定されることはなく、前述したようにNi、Cr、Mo、Cu及びAlの少なくとも1種以上を含有する金属で構成されていてもよい。
例えば、導電層がCu合金あるいはCuで構成されたフレキシブル積層板として説明したが、これに限定されることはなく、前述したようにNi、Cr、Mo、Cu及びAlの少なくとも1種以上を含有する金属で構成されていてもよい。
また、ベースフィルムや導電層の厚さは本実施形態に限定されることはなく、使用目的に応じて適宜設定することが好ましい。
さらに、ベースフィルムの片面にシランカップリング剤及び導電層を形成したもので説明したが、これに限定されることはなく、ベースフィルムの両面にシランカップリング剤及び導電層が形成されていてもよい。
さらに、ベースフィルムの片面にシランカップリング剤及び導電層を形成したもので説明したが、これに限定されることはなく、ベースフィルムの両面にシランカップリング剤及び導電層が形成されていてもよい。
また、第1の実施形態では導電層をCu合金の単層構造とし、第2の実施形態では導電層を第1層と第2層との2層構造として説明したが、これに限定されることはなく、3層以上で構成としてもよい。
10、20 フレキシブル積層板
11、21 ベースフィルム
12、22 導電層
22A 第1層
22B 第2層
13、23 シランカップリング剤
11、21 ベースフィルム
12、22 導電層
22A 第1層
22B 第2層
13、23 シランカップリング剤
Claims (4)
- ベースフィルムと、このベースフィルムに積層された導電層と、を備えたフレキシブル積層板であって、
前記ベースフィルムは、ポリエチレンナフタレート樹脂で構成されており、
前記ベースフィルムと前記導電層との間には、シランカップリング剤が介在されていることを特徴とするフレキシブル積層板。 - 前記導電層は、Ni、Cr、Mo、Cu及びAlの少なくとも1種以上を含有する金属で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル積層板。
- 前記導電層は、Ni、Cr、Mo、Cu及びAlの少なくとも1種以上を含有する金属で構成される第1層と、Cu又はAlで構成される第2層とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル積層板。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフレキシブル積層板の製造方法であって、
ポリエチレンナフタレート樹脂からなるベースフィルムの少なくとも片面にシランカップリング剤を塗布する塗布工程と、
前記ベースフィルムのシランカップリング剤が塗布された面に、金属を直接積層させて導電層を形成する積層工程と、
を有していることを特徴とするフレキシブル積層板の製造方法。
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