JP2009278048A - シールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法 - Google Patents

シールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造工程、部品点数を削減し、効率的な製造が可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】信号回路11bとグランド回路11cとが形成されたフレキシブルプリント配線板11の少なくとも片面に絶縁性接着シート12を介して絶縁フィルム13aの内側に金属薄膜13bが設けられたシールド被覆材13を積層成形するシールド被覆フレキシブルプリント配線板1の製造方法であって、前記絶縁性接着シート12として前記グランド回路11cの直上となる部分に開口部12aを有するものを用いて前記フレキシブルプリント配線板11に前記シールド被覆材13を積層成形した後、前記グランド回路11cと前記金属薄膜13bとを前記絶縁性接着シート12の開口部12aにおいて直接接合する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子機器類の内部配線材として有用な電磁シールド機能を有するシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法に関する。
フレキシブルプリント配線板(以下、FPCと呼ぶ)は、VTR、CD、DVDプレーヤ等のAV機器、コピー機、スキャナ、プリンタ等のOA機器、その他の電子・電気機器類内部における省スペース化と簡便な接続とを目的として、これら電子機器類のプリント基板間の配線等に使用されている。また、ノイズ防止の観点から、FPCにシールド被覆を施したシールド被覆FPCも用いられるようになっている。
シールド被覆FPCとしては、例えばベース絶縁フィルム上に形成した信号回路とグランド回路とを覆うように第1カバーレイを設け、さらにこの第1カバーレイ上に形成されたシールド層を覆うように接着剤層と第2カバーレイとを設けたものが知られている。しかし、このようなシールド被覆FPCについては、シールド層と第2カバーレイとを貼り合わせるための接着剤層の存在により必ずしも可撓性に優れない。
このため、シールド層と接着剤層とを、これらを合体させたものに相当する金属フィラーを含有する接着剤層で置換し、シールド特性を維持しつつ、可撓性を向上させることが知られている。また、このような金属フィラーを含有する接着剤層と第2カバーレイとの間に金属薄膜を配置することも知られている。
このようなシールド被覆FPCは、例えば以下のようにして製造されている。まず、接着剤を塗布したベース絶縁フィルムに電解銅箔をラミネートした後、この電解銅箔をエッチングして信号回路およびグランド回路を形成してFPCとする。そして、このFPCに、グランド回路の端子部に相当する部分が打ち抜かれると共に、接着剤が塗布された絶縁フィルム(第1カバーレイ)を接着する。また、別途、絶縁フィルム(第2カバーレイ)に蒸着により金属薄膜を形成し、さらに金属フィラーを含有する接着剤を塗布してシールド被覆材とする。そして、FPCにシールド被覆材を貼り合わせ、ホットプレスにより加熱、加圧してシールド被覆FPCとする(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−122882号公報
しかしながら、従来のシールド被覆FPCの製造については、FPCのグランド回路のみにシールド層あるいは金属フィラーを含有する接着剤層を接続させるために、予め信号回路を覆うように絶縁フィルムを設ける必要があり、必ずしも可撓性を十分に満足するものとすることができず、また製造工程や部品点数も多くなることから、必ずしも効率的な製造方法とはなっていない。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであって、シールド特性と可撓性とを同時に満足するシールド被覆FPCを製造することができると共に、製造工程、部品点数を削減し、シールド被覆FPCを効率的に製造することのできる製造方法を提供することを目的としている。
本発明のシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法は、信号回路とグランド回路とが形成されたフレキシブルプリント配線板の少なくとも片面に絶縁性接着シートを介して絶縁フィルムの内側に金属薄膜が設けられたシールド被覆材を積層成形するシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記絶縁性接着シートとして前記グランド回路の直上となる部分に開口部を有するものを用いて前記フレキシブルプリント配線板に前記シールド被覆材を積層成形した後、前記グランド回路と前記金属薄膜とを前記絶縁性接着シートの開口部において直接接合することを特徴としている。
本発明のシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法においては、前記絶縁性接着シートに形成される開口部の最大径をD(mm)、前記絶縁性接着シートの厚みをT(mm)としたとき、T/Dが0.002以上0.05以下となるように前記開口部を形成することが好ましい。
さらに、本発明のシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法においては、前記絶縁性接着シートのフロー値が200μm以下であることが好ましい。
また、本発明のシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法においては、前記絶縁性接着シートの厚さが10μm以上、かつ前記フレキシブルプリント配線板の厚さの±50μm以内であることが好ましい。
本発明によれば、信号回路とグランド回路とが形成されたFPCの少なくとも片面にこのグランド回路の直上となる部分に開口部を有する絶縁性接着シートを介して絶縁フィルムの内側に金属薄膜が設けられたシールド被覆材を積層成形した後、この開口部においてグランド回路と金属薄膜とを直接接合することで、シールド特性と可撓性とを同時に満足するシールド被覆FPCを製造することができると共に、従来のシールド被覆FPCの製造方法に比べて製造工程、部品点数を削減し、シールド被覆FPCを効率的に製造することができる。
以下、本発明のシールド被覆フレキシブルプリント配線板(以下、シールド被覆FPCと呼ぶ)の製造方法について説明する。
本発明のシールド被覆FPCの製造方法は、信号回路とグランド回路とが形成されたフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと呼ぶ)の少なくとも片面に絶縁性接着シートを介して絶縁フィルムの内側に金属薄膜が設けられたシールド被覆材を積層成形するシールド被覆FPCの製造方法であって、絶縁性接着シートとしてFPCのグランド回路の直上となる部分に開口部を有するものを用いてFPCにシールド被覆材を積層成形した後、FPCのグランド回路とシールド被覆材の金属薄膜とを絶縁性接着シートの開口部において直接接合することを特徴としている。
本発明では、FPCとシールド被覆材とを開口部を有する絶縁性接着シートを用いて積層成形することで、従来のようにシールド被覆材を貼り合わせる前に、FPCの信号回路を覆うようにカバーレイを設ける必要がなく、またシールド層と接着剤層とを形成するための金属フィラーを含有する接着剤を用いる必要もなく、シールド特性と可撓性とを同時に満足するシールド被覆FPCを製造することができると共に、製造工程、部品点数を削減し、シールド被覆FPCを効率的に製造することができる。
まず、本発明の製造方法によって製造されるシールド被覆FPCについて説明する。図1は、本発明の製造方法によって製造されるシールド被覆FPC1の断面図である。
シールド被覆FPC1は、例えばFPC11と、このFPC11の両面を覆うように設けられる一対の絶縁性接着シート12と、この絶縁性接着シート12の外面を覆うように設けられる一対のシールド被覆材13とを有している。
FPC11は、ベース絶縁フィルム11aと、例えばベース絶縁フィルム11aの両面に形成される信号回路11bと、ベース絶縁フィルム11aの各面の幅方向(図中、左右方向)の一方の端部側に形成されるグランド回路11cとを有しており、各面のグランド回路11cはベース絶縁フィルム11aの幅方向に対して互いに反対側の端部に設けられている。また、シールド被覆材13は、絶縁フィルム13aと、この絶縁フィルム13aの内側(FPC11側)に設けられる金属薄膜13bとを有している。
絶縁性接着シート12のうちグランド回路11cの直上部分には開口部12aが設けられており、この開口部12aにおいてグランド回路11cと金属薄膜13bとが直接接合され、電気的に接続されている。具体的には、図中、ベース絶縁フィルム11aの上面左側のグランド回路11cが、図中上側の絶縁性接着シート12に設けられた開口部12aにおいて図中上側のシールド被覆材13の金属薄膜13bと直接接合されている。また、図中、ベース絶縁フィルム11aの下面右側のグランド回路11cが、図中下側の絶縁性接着シート12に設けられた開口部12aにおいて図中下側のシールド被覆材13の金属薄膜13bと直接接合されている。このように、このシールド被覆FPC1については、ベース絶縁フィルム11aの両面にグランド回路11cが形成されており、それぞれのグランド回路11cはそれを覆うように設けられるシールド被覆材13の金属薄膜13bと直接接合されている。
次に、本発明の製造方法について、上記した図1に示す構造のシールド被覆FPC1を例に挙げて説明する。
図2は、シールド被覆FPC1の製造に用いられる絶縁性接着シート12を示したものであり、図2(a)は絶縁性接着シート12の平面図、また図2(b)は図2(a)に示す絶縁性接着シート12のA−A矢視断面図である。なお、図2に示す絶縁性接着シート12は、図1中、上側の絶縁性接着シート12に相当する。
シールド被覆FPC1の製造に用いられる絶縁性接着シート12は、例えば図2に示すように2個の開口部12aを有するものであり、各開口部12aは、いずれもグランド回路11cに重ね合わせた際にその直上となる部分に形成され、グランド回路11cの長手方向の異なる位置に任意の間隔を空けて形成されている。
このような開口部12aが設けられる未開口の絶縁性接着シート12としては、一般のFPC等の製造に用いられるボンディングシートを用いることができ、具体的には熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂からなる接着性、絶縁性を有するシート状のものを用いることができる。
例えば熱硬化性樹脂からなる絶縁性接着シート12としては、エポキシ樹脂を含有し、必要に応じてエポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂用硬化促進剤、無機充填剤、エラストマー等を含有する接着剤組成物からなるものが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えばグリシジルエーテル系エポキシ樹脂が挙げられ、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種のみが含有されていてもよいし、2種以上が含有されていてもよい。
エポキシ樹脂用硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化に使用されている化合物であれば特に限定されるものではなく、例えばアミン硬化系としてジシアンジアミド、芳香族ジアミン等、フェノール硬化系としてフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂等が挙げられ、これらは1種のみが含有されていてもよいし、2種以上が含有されていてもよい。エポキシ樹脂用硬化剤の含有量は、例えばエポキシ樹脂に対する当量比で0.5〜1.5であることが好ましい。エポキシ樹脂用硬化剤の含有量がエポキシ樹脂に対する当量比で0.5未満では、耐熱性が不十分であり、1.5を超えると、接着力が低下するため好ましくない。
エポキシ樹脂用硬化促進剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化促進剤として使用されているものであればよく、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、三フッ化ホウ素アミン錯体、トリフェニルホスフィン等が挙げられ、これらは1種のみが含有されていてもよいし、2種以上が含有されていてもよい。エポキシ樹脂用硬化促進剤は、例えばエポキシ樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
無機充填剤としては、特に限定されるものではなく、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、溶融シリカ、合成シリカ等が挙げられ、これらは1種のみが含有されていてもよいし、2種以上が含有されていてもよい。
エラストマーとしては、例えばアクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、カルボキシ含有アクリロニトリルブタジエンゴム等の各種合成ゴム、ゴム変性の高分子化合物、高分子エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリイミド、変性ポリアミドイミド等が挙げられ、これらは1種のみが含有されていてもよいし、2種以上が含有されていてもよい。エラストマーを含有させる場合、その含有量は例えば接着剤組成物全体の5質量%以上80質量%以下であることが好ましい。エラストマーの含有量が5質量%未満であると、絶縁性接着シート12や、最終的に得られるシールド被覆FPC1の柔軟性を向上させる効果が十分に得られないおそれがある。また、エラストマーの含有量が80質量%を超えると、絶縁性接着シート12の引っ張り弾性率が低下し、最終的に得られるシールド被覆FPC1の屈曲寿命が低下するおそれがある。
未開口の絶縁性接着シート12は、例えば上記した接着剤組成物からなる塗工液を、ロールコーター、コンマコーター等を用いて離型材に塗布し、溶剤を乾燥させて除去することにより製造することができ、また例えばTダイ法等の溶融押出法によって製造することもできる。
未開口の絶縁性接着シート12(開口部12aを有する絶縁性接着シート12についても同様)は、厚みが10μm以上100μm以下であることが好ましい。絶縁性接着シート12の厚みが10μm未満の場合、最終的に得られるシールド被覆FPC1の半田耐熱性が十分でなくなるおそれがあり、また100μmを超える場合、屈曲特性が低下し、最終的に得られるシールド被覆FPC1の屈曲寿命が低下するおそれがある。また、未開口の絶縁性接着シート12の厚みは、FPC11の厚さの±50μm以内であることが好ましい。未開口の絶縁性接着シート12の厚みがFPC11の厚さの±50μmの範囲外となる場合、シールド被覆FPC1の屈曲特性等が低下し、最終的に得られるシールド被覆FPC1の屈曲寿命が低下するおそれがある。
また、未開口の絶縁性接着シート12(開口部12aを有する絶縁性接着シート12についても同様)は、フロー値が200μm以下であることが好ましい。絶縁性接着シート12のフロー値が200μmを超える場合、最終的に得られるシールド被覆FPC1におけるグランド回路11cと金属薄膜13bとの接合部分の接続信頼性が十分でなくなるおそれがある。ここで、本発明におけるフロー値は、以下のようにして測定されるものである。すなわち、絶縁性接着シート12に直径3mmの孔加工を施し、160℃、50分、2.5MPaで加熱加圧成形した後、孔加工を施した端部からの樹脂の流れ出した長さを測定する。
なお、このような未開口の絶縁性接着シート12としては、市販されているものを好適に使用することができ、このようなものとしては、例えば京セラケミカル株式会社製のボンディングシートTFA−880(厚み35μm、フロー値200μm)、TFA−890(厚み35μm、フロー値200μm)等が挙げられる。
そして、このような未開口の絶縁性接着シート12のうち、グランド回路11cに重ね合わせた際にその直上となる部分に、例えばパンチング、レーザ等を用いて開口部12aを形成する。開口部12aの形状は、図2(a)に示すような円形状のものの他、図示しないが楕円形状、四角形状、その他の多角形状であってもよく、適宜選択することができる。また、開口部12aの位置については、グランド回路11cと金属薄膜13bとを直接接合させる観点から少なくともグランド回路11cの直上となる位置である必要があるが、グランド回路11cの長手方向における位置、個数等は必ずしも制限されるものではなく、適宜選択することができる。
なお、開口部12aは、その最大径をD(mm)とし、絶縁性接着シート12の厚みをT(mm)としたとき、T/Dが0.002以上0.05以下となるようにすることが好ましい。T/Dが0.002未満、または0.05を超える場合、最終的に得られるシールド被覆FPC1におけるグランド回路11cと金属薄膜13bとの接合部分における接続信頼性が十分でなくなるおそれがある。
以上、シールド被覆FPC1の製造に用いられる絶縁性接着シート12について、図1中、上側となる絶縁性接着シート12を例に挙げて説明したが、同図中、下側となる絶縁性接着シート12についても、開口部12aが形成される位置が異なることを除き、略同様の構成とすることができる。
そして、このような開口部12aを有する絶縁性接着シート12を介して、信号回路11bとグランド回路11cとが形成されたFPC11と、内側に金属薄膜が設けられたシールド被覆材13とを積層成形して一体化することで、シールド被覆FPC1を製造することができる。
図3は、積層成形する際の各層の位置関係を分離して示す断面図であり、図4は、積層成形する際の実際の各層の位置関係を示す断面図である。
シールド被覆FPC1は、例えば図3に示すように、ベース絶縁フィルム11aの両面に信号回路11bとグランド回路11cとが形成されたFPC11の両面にそれぞれ上記した開口部12aを有する絶縁性接着シート12を介してシールド被覆材13を重ね合わせて積層成形して一体化することで製造される。この際、各絶縁性接着シート12は、開口部12aがグランド回路11cの直上部分に位置するように位置合わせする。また、シールド被覆材13については、内側(FPC11側)に金属薄膜13bが位置するようにする。
FPC11を構成するベース絶縁フィルム11aとしては、例えばポリイミド(PI)フィルム、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)フィルム、ポリエーテルニトリル(PEN)フィルム、ポリエーテルスルホン(PES)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のプラスチックフィルムが用いられ、コスト面からはポリエチレンテレフタレートフィルムが好適に用いられるが、難燃性や耐熱性が要求される場合にはポリフェニレンサルファイドフィルムが好適に用いられる。ベース絶縁フィルム11aの厚みは、必ずしも限定されるものではないが、5μm以上95μm以下であることが好ましい。
また、信号回路11bやグランド回路11cは、例えばベース絶縁フィルム11a上に設けられた圧延銅箔や電解銅箔を公知の方法によりエッチングして形成されるものであり、必ずしも限定されるものではないが、例えば厚さが5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることが好ましい。
なお、FPC11としては、必ずしも上記したようなベース絶縁フィルム11aの両面に信号回路11bとグランド回路11cとが形成されたものに限られるものではなく、一方の面のみに信号回路11bとグランド回路11cとが形成されたものであってもよい。また、FPC11としては、例えば全体の厚さが10μm以上100μm以下である市販の汎用的な材料を用いることもできる。
一方、シールド被覆材13における絶縁フィルム13aとしては、ベース絶縁フィルム11aと同様なものを用いることができ、例えばポリイミド(PI)フィルム、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)フィルム、ポリエーテルニトリル(PEN)フィルム、ポリエーテルスルホン(PES)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のプラスチックフィルムが用いられ、コスト面からはポリエチレンテレフタレートフィルムが好適に用いられるが、難燃性や耐熱性が要求される場合にはポリフェニレンサルファイドフィルムが好適に用いられる。絶縁フィルム13aの厚みは、必ずしも限定されるものではないが、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
また、絶縁フィルム13aに形成される金属薄膜13bは、例えばCu、Al、Au等からなるものとすることが好ましい。金属薄膜13bは、例えば蒸着法、ラミネート法のいずれによって絶縁フィルム13a上に形成したものであってもよいが、薄膜化の観点からは蒸着法により形成したものが好ましい。また、金属薄膜13bは、必ずしも限定されるものではないが、厚みが0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。
FPC11、絶縁性接着シート12、およびシールド被覆材13を積層成形する方法は、ラミネート法、プレス法のいずれとしてもよいが、成形時の埋込性の観点からはプレス法によることが好ましい。
プレス法による積層成形は、例えばFPC11、絶縁性接着シート12、およびシールド被覆材13を上記位置関係で重ね合わせたもの両面に、例えばステンレス鋼(SUS)等からなる金属板、熱板をこの順に重ね合わせ、上下方向から加圧、加熱することにより行うが、この際、シールド被覆材13と加圧等のための金属板との間にクッションとして一般にプレス法によるFPCの積層成形の際に用いられるものを用いて行えばより好ましい。また、プレス法による積層成形は、例えば成形温度を100℃以上180℃以下、成形時間を10分以上100分以下、成形圧を5MPa以上50MPa以下とする成形条件で行うことが好ましい。
このようにしてFPC11、絶縁性接着シート12、およびシールド被覆材13を積層成形して一体化したものに対して、例えば図5に示すように超音波ウェルダ30により絶縁性接着シート12に形成された開口部12aにおいてグランド回路11cと金属薄膜13bとをスポット的または連続的に直接接合してシールド被覆FPC1を製造する。
具体的には、図5中、左側のグランド回路11cと図中上側のシールド被覆材13の金属薄膜13bとを図中上側の絶縁性接着シート12に設けられた開口部12aにおいて直接接合し、また図中右側のグランド回路11cと図中下側のシールド被覆材13における金属薄膜13bとを図中下側の絶縁性接着シート12に設けられた開口部12aにおいて直接接合する。グランド回路11cと金属薄膜13bとの直接接合は、超音波ウェルダ30を用いた超音波接合の他、例えばスポット溶接、またはレーザ溶接等により行ってもよい。
本発明の製造方法によれば、信号回路11bとグランド回路11cとを有するFPC11と、金属薄膜13bを有するシールド被覆材13とを絶縁性接着シート12を用いて積層成形することで、従来のようにシールド被覆材を貼り合わせる前に、FPCの信号回路を覆うように絶縁フィルムを設ける必要がなく、またシールド層と接着剤層とを形成するための金属フィラーを含有する接着剤を用いる必要もなく、製造工程、部品点数を削減し、シールド被覆FPC1を効率的に製造することができる。
また、本発明の製造方法によれば、従来のようにFPCとシールド被覆材との間に絶縁フィルムを設ける必要がないため、シールド特性を維持しつつ、全体の厚さを低減し、可撓性も十分なものを製造することができる。
さらに、本発明によれば、開口部12aを有する絶縁性接着シート12を用い、この開口部12aにおいてグランド回路11cと金属薄膜13bとを直接接合することで、グランド回路11cと金属薄膜13bとの接合力に優れ、電気的特性にも優れるものを製造することができる。
以上、本発明の製造方法について説明したが、本発明の製造方法は上記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じ、かつ本発明の主旨に反しない限度において、その構成を適宜変更することができる。
例えば、本発明によって製造されるシールド被覆FPC1は、図1に示されるように、FPC11の両面にシールド被覆材13が設けられるものに限られず、FPC11の片面のみにシールド被覆材13が設けられるものであってもよい。
また、FPC11については、図1に示されるように、ベース絶縁フィルム11aの両面に信号回路11bとグランド回路11cとが形成されるものに限られず、片面のみに信号回路11bとグランド回路11cとが形成されるものであってもよい。さらに、グランド回路11cを形成する位置についても、図1に示されるように、ベース絶縁フィルム11aの幅方向の端部に形成されるものに限られず、それ以外の位置に形成されるものであってもよい。
以下、本発明について実施例を参照して具体的に説明する。
(実施例1)
シールド被覆FPC1として、図1に示す構成のものを作製した。すなわち、信号回路11bとグランド回路11cとを有するFPC11として、フレキシブル銅張板TLF−521GR12/25(京セラケミカル株式会社製、商品名、銅箔厚さ12μm、ベース絶縁フィルム厚さ25μm)に回路形成したものを用意した。また、一対の絶縁性接着シート12として、厚み35μmのボンディングシートTFA−880(京セラケミカル株式会社製、商品名、フロー値200μm)のグランド回路11cの直上となる部分に直径0.8mmの開口部12aを設けたものを用意すると共に、一対のシールド被覆材13として、絶縁フィルム13aとしての厚み25μmのポリエチレンテレフタレートの内面となる表面に金属薄膜13bとしての厚み0.1μmのアルミニウム蒸着層を設けたものを用意した。
そして、FPC11の両面に開口部12aを有する絶縁性接着シート12を介してシールド被覆材13を重ね合わせてプレス成形することによりこれらを一体化した。なお、成形条件は、成形温度160℃、成形時間50分、成形圧2.5MPa、クッションとして4枚の190g/mのクラフト紙を用いた。その後、超音波ウェルダを用いて、絶縁性接着シート12の開口部においてグランド回路11cと金属薄膜13bとを超音波接合により直接接合してシールド被覆FPC1とした。
(比較例1)
従来の製造方法である導電ペースト印刷法(特開2005−93178号公報の従来技術に記載された製造方法)に従い、絶縁フィルムを設けたFPCに銀フィラーを含有する導電ペーストを印刷法により形成、焼き付けしてシールド層を形成した後、このシールド層が形成されたFPCを覆うように絶縁フィルムを設けてシールド被覆FPCとした。なお、このシールド被覆FPCについては、実施例1と同様の部分については実施例1と同等構成となるようにした。
(比較例2)
従来の製造方法である金属フィラーを含有する接着剤を用いる製造方法(特開2005−93178号公報の実施例に記載された製造方法)に従い、絶縁フィルムを設けたFPCに、別途、絶縁フィルムに銀フィラーを含有する接着剤を塗布して作製したシールド被覆材を加熱、加圧により積層してシールド被覆FPCとした。なお、このシールド被覆FPCについても、実施例1と同様の部分については実施例1と同等構成となるようにした。
このようにして作製された実施例1、比較例1、2のシールド被覆FPCについて、作製に要した時間を評価すると共に、耐屈曲特性(屈曲寿命)をU字摺動屈曲試験(JISC5016に準ずる)により評価した。
U字摺動屈曲試験は、シールド被覆FPCをU字状に曲げて設定し、その片端末を固定、さらにもう片端末を一定のストロークで繰返し摺動させることにより、導体が断線するまでの疲労寿命を評価するものである。測定条件は、屈曲速度V=2000回/分、ストロークS=25mm、平行平板間距離H=6mm(曲げ半径R=5mmに相当)、環境温度T=23℃とし、屈曲寿命を2本のグランド回路間の導体抵抗が初期の3倍以上となる時点とした。
実施例1のシールド被覆FPCについては、作製時間が比較例1、2のシールド被覆FPCに対して約70%程度に短縮されると共に、耐屈曲特性が比較例1のシールド被覆FPCに対しては1.5倍となり、比較例2のシールド被覆FPCに対しては1.2倍となることが認められた。
また、実施例1のシールド被覆FPCについて、その他の各種信頼性試験(高温放置試験、低温放置試験、ヒートサイクル試験、折り曲げ試験)を実施したが、いずれも比較例1、2のシールド被覆FPCと同等もしくはそれ以上となることが認められた。
本発明の製造方法によって製造されるシールド被覆FPCの一例を示す断面図。 シールド被覆FPCの製造に用いられる絶縁性接着シートの平面図、およびA−A矢視断面図。 積層成形する際の各層の位置関係を分離して示す断面図。 積層成形する際の実際の各層の位置関係を示す断面図。 FPCのグランド回路とシールド被覆材の金属薄膜とを直接接合する方法を示す模式的断面図。
符号の説明
1…シールド被覆FPC、11…FPC、11a…ベース絶縁フィルム、11b…信号回路、11c…グランド回路、12…絶縁性接着シート、12a…開口部、13…シールド被覆材、13a…絶縁フィルム、13b…金属薄膜

Claims (4)

  1. 信号回路とグランド回路とが形成されたフレキシブルプリント配線板の少なくとも片面に絶縁性接着シートを介して絶縁フィルムの内側に金属薄膜が設けられたシールド被覆材を積層成形するシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
    前記絶縁性接着シートとして前記グランド回路の直上となる部分に開口部を有するものを用いて前記フレキシブルプリント配線板に前記シールド被覆材を積層成形した後、前記グランド回路と前記金属薄膜とを前記絶縁性接着シートの開口部において直接接合することを特徴とするシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法。
  2. 前記絶縁性接着シートに形成される開口部の最大径をD(mm)、前記絶縁性接着シートの厚みをT(mm)としたとき、T/Dが0.002以上0.05以下となるように前記開口部を形成することを特徴とする請求項1記載のシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法。
  3. 前記絶縁性接着シートのフロー値が200μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法。
  4. 前記絶縁性接着シートの厚さが10μm以上、かつ前記フレキシブルプリント配線板の厚さの±50μm以内であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のシールド被覆フレキシブルプリント配線板の製造方法。
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