JP2010127759A - 鋼の凝固組織検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼中の溶質元素濃度が低く、従来であれば明瞭な凝固組織を検出することが困難であった品種、特に炭素濃度が0.01質量%以下の低炭素鋼についても、腐食で凝固組織を顕出し、それによって鋼の凝固組織を検出する方法を提供する。
【解決手段】鋼鋳片の試料の断面を研磨し、試料1の研磨面2を下向きにして、かつ、試料の研磨面2の腐食液3への浸漬深さdを10mm以内として、研磨面2を腐食することを特徴とする鋼の凝固組織検出方法である。好ましくは試料と腐食液の一方又は両方を超音波振動させながら研磨面を腐食する。試料の研磨面(腐食面)を含む試料の一部のみを腐食液中に浸漬して腐食を行うことにより、従来は凝固組織の顕出が困難であった品種、特に炭素濃度が0.01質量%以下の低炭素鋼についても、凝固組織を顕出できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼の凝固組織検出方法に関するものであり、特に炭素含有量が0.01質量%以下の低炭素鋼においても凝固組織を顕出することのできる鋼の凝固組織検出方法に関するものである。
鋼の製造工程において、鋳造後の鋼材である鋳片の凝固組織を検出することは、鋳片の割れ発生状況や中心偏析などのマクロ偏析等の内部欠陥を評価し後工程への品質保証を行う上で重要である。また、鋳片におけるこれらの内部欠陥の発生状況から、鋳造工程及び鋳造装置の異常の有無を判断し、適正な状態に修正、整備し、内部欠陥の発生を未然に防止する上でも重要である。さらに、デンドライトと呼ばれている樹枝状組織の傾きや間隔から凝固中の内部溶鋼の流動状況や鋳片の冷却速度を推定することは、操業条件の適正化を行う上で重要である。
鋳片の凝固組織は、鋳片の試料断面を研磨した上で、研磨面を腐食液に接触させ、凝固組織を顕出させることによって観察可能となる。腐食による鋼材組織の顕在化は、原理上二つに大別される。第1は、試料中の各位置による溶質濃度差に起因する電位差を利用した電気化学的腐食法である。第2は、化学ポテンシャルの異なる相や表面の結晶方位による結晶粒の化学ポテンシャル差を利用した化学的腐食方法である。第1の電気化学的腐食方法は、例えば、凝固中の溶質元素の偏析による濃度差を利用して樹枝状組織や内部割れ、中心偏析の検出に用いられている。第2の化学的腐食方法には、Fe3Cとフェライトとの化学的ポテンシャル差を利用したパーライト組織の観察や粗大フェライト粒の表面方位による化学ポテンシャル差を利用したマクロ腐食等がある。従って、鋳片の凝固組織を腐食によって顕在化し検出するためには、上記第2の化学的腐食を抑制し、第1の電気化学的腐食を生じさせる必要がある。
鋳片の凝固組織を顕出する方法として、ピクリン酸を主成分とする腐食液等を用いて、試料表面を腐食する方法が一般に実施されている(非特許文献1)。また、顕出された凝固組織を記録する方法として、エッチプリント法が提案されている(特許文献1〜4)。エッチプリント法とは、試料の研磨面を腐食液に接触させて研磨面を腐食した後、試料を洗浄、乾燥し、腐食した研磨面表面の腐食孔に研磨粉を埋め込み、研磨面表面に透明粘着テープを貼り、透明粘着テープに腐食孔中の研磨粉を粘着せしめた後、テープをはがし、次いでテープを白色の台紙上に貼りつける方法である。腐食孔中に埋め込まれた研磨粉がテープに転写され、テープを台紙上に貼りつけることによって凝固組織が台紙上に顕出される。
特公昭64−2212号公報 特開昭61−170581号公報 特開平1−227943号公報 特開平7−198565号公報 日本鉄鋼協会編、第3版鉄鋼便覧I基礎編、第205頁
非特許文献1に記載の、ピクリン酸を主成分とする腐食液を用いて鋳片の凝固組織を顕出する方法については、鋼中の溶質元素濃度がさほど低くない品種であれば、凝固中の溶質元素の偏析による濃度差が小さくないので、明瞭な凝固組織を顕出することができる。それに対し、鋼中の溶質元素濃度が低く、特に炭素濃度が0.01質量%以下の低炭素鋼においては、凝固中の溶質元素の偏析による濃度差も小さくなるので、明瞭に凝固組織を顕出させることが困難であることがわかった。
本発明は、鋼中の溶質元素濃度が低く、従来であれば明瞭な凝固組織を検出することが困難であった品種、特に炭素濃度が0.01質量%以下の低炭素鋼についても、腐食で凝固組織を顕出し、それによって鋼の凝固組織を検出する方法を提供することを目的とする。
従来、凝固組織を顕出するために試料の研磨面を腐食するに際しては、試料の全体を腐食液中に浸漬することが行われていた。それに対し、試料の研磨面(腐食面)を含む試料の一部のみを腐食液中に浸漬して腐食を行うことにより、従来は凝固組織の顕出が困難であった品種、特に炭素濃度が0.01質量%以下の低炭素鋼についても、凝固組織を顕出できることが明らかになった。この場合、腐食面を下にして腐食液に浸漬することとなる。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)鋼鋳片の試料の断面を研磨し、試料の研磨面を下向きにして、かつ、試料の研磨面の腐食液への浸漬深さを10mm以内として、研磨面を腐食することを特徴とする鋼の凝固組織検出方法。
(2)試料と腐食液の一方又は両方を超音波振動させながら研磨面を腐食することを特徴とする上記(1)に記載の鋼の凝固組織検出方法。
(3)試料の研磨面を腐食液に接触させて研磨面を腐食した後、試料を洗浄、乾燥し、腐食した研磨面表面の腐食孔に研磨粉を埋め込み、研磨面表面に透明粘着テープを貼り、透明粘着テープに腐食孔中の研磨粉を粘着せしめた後、テープをはがし、次いでテープを台紙上に貼りつけることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の鋼の凝固組織検出方法。
(4)鋼鋳片の炭素含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の鋼の凝固組織検出方法。
本発明は、鋼鋳片の試料の断面を研磨し、試料の研磨面を下向きにして、かつ、試料の研磨面の腐食液への浸漬深さを10mm以内として、研磨面を腐食することにより、従来であれば明瞭な凝固組織を検出することが困難であった品種、特に炭素濃度が0.01質量%以下の低炭素鋼についても、腐食で凝固組織を顕出し、それによって鋼の凝固組織を検出することが可能となる。
図1に示すように、腐食液槽4に腐食液3を満たす。試料1の研磨面2を腐食液3に浸漬させる。いずれの場合も、研磨面2を腐食液の液面5よりも下方に配置する。
鋼の凝固組織を顕出する腐食液として、例えばピクリン酸を20g/リットル、塩化第II銅を5g/リットル、界面活性剤を20g/リットル含有する水溶液を用いることができる。界面活性剤としては、例えば商品名ライポンFの市販品を用いることができる。
凝固組織を検出しようとする鋳片から試料を切り出す。次いで、試料のうち凝固組織を検出したい断面について研磨を行う。研磨条件は、研磨する断面を平削、粗研磨した後、♯240〜♯1000程度の仕上げ面とするとよい。試料の大きさは、研磨して腐食させる面(腐食面)を高さ200〜500mm、幅300〜2100mm程度とし、厚みを50〜200mmの範囲とすると良い。このような大きさとすることにより、試料の取り扱いが容易な範囲内であって、なおかつ広い面を腐食面として凝固組織を顕出することが可能となる。
本発明においては、鋼鋳片の試料の断面を研磨した後、図1(a)に示すように、試料1の研磨面2を下向きにして、かつ、試料1の研磨面2の腐食液3への浸漬深さdを10mm以内として、研磨面2を腐食することを特徴とする。試料1のうち、研磨面2から10mmを超えて離れた部分については、腐食液3に侵食せず、腐食液浴の上に露出させることになる。これにより、従来であれば明瞭な凝固組織を検出することが困難であった品種、特に炭素濃度が0.01質量%以下の低炭素鋼についても、腐食で凝固組織を顕出し、それによって鋼の凝固組織を検出することができる。
上記のように研磨面2(腐食面)を下向きにし、腐食液3への浸漬深さdを10mm以内として腐食するとことで、腐食面2に優先して電流ループが形成されるのに加えて、腐食によって腐食面に生成した老廃物が除去されやすくなり腐食能の高い腐食液が腐食面に供給され、凝固組織の明瞭度が向上したものと考えられる。一方、腐食液3への浸漬深さdについては、本発明者らの実験結果では、腐食液への浸漬深さdが10mmを超えると凝固組織の明瞭度が低下しはじめた。この理由は、下向きの該腐食面と側面との間で形成される電流ループの寄与が大きくなり、該腐食面の凝固組織の明瞭度が劣化したものと推定される。
本発明が対象とする鋼の凝固組織検出方法においては、試料中の各位置による溶質濃度差による電位差を利用した電気化学的腐食が効率的に促進される。その理由は、凝固組織検出に有効な電気化学的腐食は、試料中の各位置による溶質濃度差による電位差を利用した腐食であり、溶質濃度の高い部分と低い部分で電流ループを形成するような局部的な電池反応が生じると濃淡のはっきりした凝固組織が顕出される。
このとき、従来のように試料の全体を腐食液に浸漬する場合(図1(c)(d))には、凝固組織を顕出させたい面(腐食面)以外も導通状態にあると腐食面以外にも電流が流れるため、肝心の腐食面において凝固組織の濃淡がぼやけることになる。
一方、本発明の鋼の凝固組織検出方法においては、主に凝固組織を顕出させたい面のみを腐食液に浸漬し、凝固組織を顕出させたい面のみでの局部電池反応すなわち電気化学的腐食を効率的に促進するため、凝固中の溶質元素の偏析による濃度差が比較的小さな鋼種とくに炭素濃度が0.01質量%以下の低炭素鋼のように、従来凝固組織の顕出が困難であった鋼種でも明瞭な凝固組織を顕出させ得ることになる。
上記本発明の鋼の凝固組織検出方法においては、前記試料と腐食液の一方又は両方を超音波振動させながら研磨面を腐食することとするとより好ましい。図1(b)に示す例は、試料1に超音波振動子6を接触させることによって試料1を超音波振動させている例である。本発明では試料の研磨面2を下向きにして腐食液に浸漬しているので、試料と腐食液の一方又は両方に超音波振動を付与することで、前記腐食によって腐食面に生成した老廃物の除去がさらに促進され、腐食が進み易くなり凝固組織の明瞭度がさらに向上したものと考えられる。試料を振動させる目的は、前記したように腐食で生じた老廃物の除去促進であるので、超音波振動に限定されず類似の方法でも同様の効果が得られる。また、腐食液自体を振動させ腐食面に生成した老廃物の除去を促進することや試料の振動と組み合わせることも同様に有効である。超音波振動を付与する場合の腐食液の組成についても、前記組成に限定されるものでなく試料中の各位置による溶質濃度差による電位差を利用した電気化学的腐食液として作用する腐食液であれば同様の効果が得られる。
腐食面に凝固組織を顕出させた後、凝固組織を記録する。腐食によって凝固組織を顕出させた腐食面を直接写真撮影することとしても良い。より好ましくは、エッチプリント法を用いることができる。この方法は、試料の研磨面を腐食液に接触させて研磨面を腐食した後、試料を洗浄、乾燥し、腐食した研磨面表面の腐食孔に研磨粉を埋め込み、研磨面表面に透明粘着テープを貼り、透明粘着テープに腐食孔中の研磨粉を粘着せしめた後、テープをはがし、次いでテープを白色の台紙上に貼りつける方法である。腐食孔中に埋め込まれた研磨粉がテープに転写され、テープを台紙上に貼りつけることによって、テープに転写された研磨粉の濃淡が凝固組織に対応することとなり、その結果凝固組織が台紙上に顕出される。
本発明の鋼の凝固組織の検出方法は、広い範囲の鋼成分について適用し、凝固組織を顕出させることができる。特に、従来の方法では凝固組織を顕出させることが困難であった成分系、即ち炭素含有量が0.01質量%以下の低炭素鋼についても、本発明を用いて凝固組織の検出を行うことができるので好ましい。
炭素濃度が0.001質量%の自動車用極低炭素鋼、0.01質量%の冷延用低炭素鋼板および0.1質量%の厚板用中炭素鋼板を用い、本発明を適用した。鋳片から切り出す試料の大きさは、鋳片の高さ方向全高さと、幅方向は半幅とし、厚さを50mm、または100mmとした。その結果、腐食面が高さ250mm、幅500〜700mmの範囲となった。
腐食液として、ピクリン酸を20g/リットル、塩化第II銅を5g/リットル、界面活性剤を20g/リットル含有する水溶液を用いた。界面活性剤としては、商品名ライポンFの市販品を用いた。腐食液の温度は25℃、腐食時間は60分とした。
腐食後の凝固組織の記録方法として、エッチプリント法を用いた。この方法は、試料の研磨面を腐食液に接触させて研磨面を腐食した後、試料を洗浄、乾燥し、腐食した研磨面表面の腐食孔に研磨粉を埋め込み、研磨面表面に透明粘着テープを貼り、透明粘着テープに腐食孔中の研磨粉を粘着せしめた後、テープをはがし、次いでテープを白色の台紙上に貼りつける方法である。
試験条件、評価結果を表1に示す。
Figure 2010127759
試料1の研磨面2を腐食液3に接触させるに際し、本発明例については、図1(a)に示すように、試料1の研磨面2を下向きにして、かつ、試料1の研磨面2の腐食液3への浸漬深さdを5mm又は10mmとして、研磨面2を腐食した。比較例については、図1(c)(d)に示すように試料1の全体を腐食液3に浸漬し、あるいは試料の研磨面2の腐食液3への浸漬深さdを15〜50mmとした。比較例における試料の研磨面の向きは上向きと下向きの両方を行った。
超音波振動を付与する水準においては、図1(b)に示すように腐食中の試料1の上面に40kHz、100Wの超音波振動子6を接触させ、試料1を超音波振動させた。
凝固組織を検出するに際し、中心偏析、内部割れ、樹枝状組織について検出を行った。各々、◎:極めて明瞭、○:明瞭、△:存在は確認できるが不明瞭、×:存在自体識別不可として評価した。凝固組織の検出程度は、中心偏析→内部割れ→樹枝状組織の順に難しくなる。
図1(d)に示すように腐食面を上向きにして全体を腐食液に浸漬した比較例1〜3、および腐食面を下向きして腐食液に浸漬したが浸漬深さが10mm超の比較例4〜9及び試料全体を腐食液に浸漬した比較例10〜12(図1(c))は、腐食後の凝固組織が不明瞭であった。元々凝固偏析による溶質濃度差が比較的大きな炭素濃度が0.1質量%の場合、中心偏析はある程度明瞭に検出できたが、比較例3,9,12では内部割れや樹枝状組織の傾きや間隔は存在は確認できるが不明瞭であった。ただし、浸漬深さが15mmの比較例6では若干改善される傾向が認められたものの十分ではなかった。また、凝固偏析による溶質濃度差が比較的小さな炭素濃度が0.01質量%や0.001質量%の場合、0.1質量%の場合と同様に浸漬深さが15mmの比較例4,5では若干改善される傾向が認められたものの、比較例1,2,7,8,10,11に示すように、樹枝状組織の傾きや間隔、内部割れ、中心偏析とも存在自体を識別できなかった。
一方、図1(a)に示すように腐食面2を下向きにして腐食液3への浸漬深さdを10mm以下とした本発明例1〜12では、凝固偏析による溶質濃度差が比較的小さな炭素濃度が0.01質量%や0.001質量%の場合でも樹枝状組織の傾きや間隔、内部割れ、中心偏析の存在を確認できるレベル以上に改善された。とくに、図1(b)に示すように浸漬深さ5mmとして超音波振動を付与した本発明例7,8では、内部割れ、中心偏析を明瞭に判別できるレベルまで改善した。また、元々凝固偏析による溶質濃度差が比較的大きな炭素濃度が0.1質量%の場合も同様に改善し、浸漬深さ5mmとして超音波振動を付与した本発明例9では樹枝状組織の傾きや間隔、内部割れ、中心偏析とも極めて明瞭に判別できるようになった。
本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の鋼の凝固組織の検出方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
以上述べたように、本発明は、簡単な処理で、凝固組織の検出が困難であった凝固中の溶質元素の偏析による濃度差が比較的小さな鋼種とくに炭素濃度が0.01質量%以下の低炭素鋼の凝固組織を明瞭に検出できるため、産業上極めて有用である。
腐食液への試料の浸漬状況を示す図であり、(a)は研磨面を下向きにして試料の一部のみを浸漬させた例、(b)はさらに超音波振動子を接触させた例、(c)は研磨面を下向きにして試料の全体を浸漬させた例、(d)は研磨面を上にして試料の全体を浸漬させた例である。
符号の説明
1 試料
2 研磨面(腐食面)
3 腐食液
4 腐食液槽
5 液面
6 超音波振動子
d 浸漬深さ

Claims (4)

  1. 鋼鋳片の試料の断面を研磨し、試料の研磨面を下向きにして、かつ、試料の研磨面の腐食液への浸漬深さを10mm以内として、研磨面を腐食することを特徴とする鋼の凝固組織検出方法。
  2. 前記試料と腐食液の一方又は両方を超音波振動させながら研磨面を腐食することを特徴とする請求項1に記載の鋼の凝固組織検出方法。
  3. 試料の研磨面を腐食液に接触させて研磨面を腐食した後、試料を洗浄、乾燥し、腐食した研磨面表面の腐食孔に研磨粉を埋め込み、研磨面表面に透明粘着テープを貼り、透明粘着テープに腐食孔中の研磨粉を粘着せしめた後、テープをはがし、次いでテープを台紙上に貼りつけることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼の凝固組織検出方法。
  4. 鋼鋳片の炭素含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋼の凝固組織検出方法。
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