JP2001289839A - 炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片のデンドライト顕出用腐食液 - Google Patents
炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片のデンドライト顕出用腐食液Info
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- JP2001289839A JP2001289839A JP2001020310A JP2001020310A JP2001289839A JP 2001289839 A JP2001289839 A JP 2001289839A JP 2001020310 A JP2001020310 A JP 2001020310A JP 2001020310 A JP2001020310 A JP 2001020310A JP 2001289839 A JP2001289839 A JP 2001289839A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片において明瞭に
デンドライトの2次アームを顕出させることのできる凝
固組織の検査方法に用いる顕出用腐食液を提供すること
である。 【解決手段】 炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片の凝固組織
(デンドライト)を顕出するために用いる腐食液におい
て、60〜80℃の温水500ccに対してピクリン酸
を6〜8g溶かし、これにライポンF等の洗剤を3〜5
cc加え、さらに界面活性剤としてドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムを2〜4g加えてなる顕出用腐食液
で、この腐食液を使用した凝固組織は図1に示すように
2次アームまで顕出できる。
デンドライトの2次アームを顕出させることのできる凝
固組織の検査方法に用いる顕出用腐食液を提供すること
である。 【解決手段】 炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片の凝固組織
(デンドライト)を顕出するために用いる腐食液におい
て、60〜80℃の温水500ccに対してピクリン酸
を6〜8g溶かし、これにライポンF等の洗剤を3〜5
cc加え、さらに界面活性剤としてドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムを2〜4g加えてなる顕出用腐食液
で、この腐食液を使用した凝固組織は図1に示すように
2次アームまで顕出できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素鋼あるいは低
合金鋼鋳片のデンドライトを検査・顕出するためのデン
ドライト顕出用腐食液に関するものである。
合金鋼鋳片のデンドライトを検査・顕出するためのデン
ドライト顕出用腐食液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片の凝固組織
のデンドライトの顕出用腐食液としては、郡司好喜、岡
本平:「鉄と鋼」、61(1975)P.886におい
てピクリン酸飽和水溶液1リットルにライポンF等の洗
剤2〜3滴を加えた腐食液を80℃に加熱して使用する
ことが知られている。
のデンドライトの顕出用腐食液としては、郡司好喜、岡
本平:「鉄と鋼」、61(1975)P.886におい
てピクリン酸飽和水溶液1リットルにライポンF等の洗
剤2〜3滴を加えた腐食液を80℃に加熱して使用する
ことが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭素鋼あるいは低合金
鋼鋳片の表面品質向上を目的とした試験を行った場合、
試験条件ごとに鋳片表層部凝固組織の良否を評価する必
要があるが、近年、従来法で顕出されるデンドライト以
上に1次アームだけでなく2次アームまで鮮明にデンド
ライトを顕出する必要が生じてきた。しかし、上述の従
来技術ではデンドライトを2次アームまで十分に顕出す
ることができない。したがって本発明の解決しようとす
る課題は、炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片において明瞭に
デンドライトの2次アームを顕出させることのできる凝
固組織の検査方法に用いる顕出用腐食液を提供すること
である。
鋼鋳片の表面品質向上を目的とした試験を行った場合、
試験条件ごとに鋳片表層部凝固組織の良否を評価する必
要があるが、近年、従来法で顕出されるデンドライト以
上に1次アームだけでなく2次アームまで鮮明にデンド
ライトを顕出する必要が生じてきた。しかし、上述の従
来技術ではデンドライトを2次アームまで十分に顕出す
ることができない。したがって本発明の解決しようとす
る課題は、炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片において明瞭に
デンドライトの2次アームを顕出させることのできる凝
固組織の検査方法に用いる顕出用腐食液を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の手段は、炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片の凝
固組織(デンドライト)を顕出するために用いる腐食液
において、60〜80℃の温水500ccに対してピク
リン酸を6〜8g溶かし、これにライポンF等の洗剤を
3〜5cc加え、さらに界面活性剤としてドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムを2〜4g加えることを特徴
とする、炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片のデンドライト顕
出用腐食液である。
に、本発明の手段は、炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片の凝
固組織(デンドライト)を顕出するために用いる腐食液
において、60〜80℃の温水500ccに対してピク
リン酸を6〜8g溶かし、これにライポンF等の洗剤を
3〜5cc加え、さらに界面活性剤としてドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムを2〜4g加えることを特徴
とする、炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片のデンドライト顕
出用腐食液である。
【0005】
【発明の実施の形態】発明者らは、鋳片より採取した試
料をピクリン酸腐食液で腐食を行った際に、ピクリン酸
の飽和水溶液ではデンドライトの2次アームの微小な偏
析具合を顕出する間もなく腐食が進展するため、組織の
細かな顕出が困難であることを見いだし、ピクリン酸水
溶液は飽和より薄いものを用いて組織の微小な顕出を界
面活性剤によって緩やかに行うことを考え、界面活性剤
をさらに加えることによって、試料と腐食液との濡れ性
が向上し、微小なデンドライト樹間偏析部の腐食効果が
高まり、これまで以上に鮮明なデンドライトの顕出が可
能になると考えた。
料をピクリン酸腐食液で腐食を行った際に、ピクリン酸
の飽和水溶液ではデンドライトの2次アームの微小な偏
析具合を顕出する間もなく腐食が進展するため、組織の
細かな顕出が困難であることを見いだし、ピクリン酸水
溶液は飽和より薄いものを用いて組織の微小な顕出を界
面活性剤によって緩やかに行うことを考え、界面活性剤
をさらに加えることによって、試料と腐食液との濡れ性
が向上し、微小なデンドライト樹間偏析部の腐食効果が
高まり、これまで以上に鮮明なデンドライトの顕出が可
能になると考えた。
【0006】本発明の実施の形態を記載する。表1に示
した成分の連続鋳造鋳片から幅20mm×長さ40mm
×厚み10mmの試料を切り出し、研磨および鏡面研磨
仕上げし、60℃の温水500ccに対してピクリン酸
を7g溶かし、これにライポンFを5cc加え、さらに
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムを2g加えて腐食液を調整し、こうして用意した腐食
液に上記の研磨および鏡面研磨仕上げした試料を3分間
浸漬して腐食を行う。
した成分の連続鋳造鋳片から幅20mm×長さ40mm
×厚み10mmの試料を切り出し、研磨および鏡面研磨
仕上げし、60℃の温水500ccに対してピクリン酸
を7g溶かし、これにライポンFを5cc加え、さらに
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムを2g加えて腐食液を調整し、こうして用意した腐食
液に上記の研磨および鏡面研磨仕上げした試料を3分間
浸漬して腐食を行う。
【0007】
【表1】
【0008】その結果、図1に示すように1次アームだ
けでなく2次アームまで鮮明にデンドライトを顕出する
ことができるようになった。
けでなく2次アームまで鮮明にデンドライトを顕出する
ことができるようになった。
【0009】以上、本発明の作用について説明する。上
記の要領でピクリン酸腐食液濃度を調整し、これに合わ
せて界面活性剤の添加量を調整して加えることで、試料
と腐食液との濡れ性が向上し、微小なデンドライト樹間
偏析部の腐食効果が高まり、これまで以上にデンドライ
トが鮮明に顕出できるようになる。
記の要領でピクリン酸腐食液濃度を調整し、これに合わ
せて界面活性剤の添加量を調整して加えることで、試料
と腐食液との濡れ性が向上し、微小なデンドライト樹間
偏析部の腐食効果が高まり、これまで以上にデンドライ
トが鮮明に顕出できるようになる。
【0010】従来法では飽和ピクリン酸水溶液1リット
ルにライポンFを2〜3滴加えるとしてあるが、本発明
ではデンドライトの微小な組織を顕出するため、ピクリ
ン酸水溶液濃度を抑え、代わりに界面活性剤の効果を高
めるためにライポンFはピクリン酸水溶液500ccに
対して3〜5cc加え、さらにドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウムを2〜4g加えた点が相違する。
ルにライポンFを2〜3滴加えるとしてあるが、本発明
ではデンドライトの微小な組織を顕出するため、ピクリ
ン酸水溶液濃度を抑え、代わりに界面活性剤の効果を高
めるためにライポンFはピクリン酸水溶液500ccに
対して3〜5cc加え、さらにドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウムを2〜4g加えた点が相違する。
【0011】腐食液成分の上下限の限定理由については
以下イ〜ニのとおりである。 イ.60〜80℃の温水を用いて腐食液とする理由は、
湯の温度が60℃より低い温度では、ピクリン酸を溶か
す際に時間がかかるため作業効率の点で不利であるため
で、80℃を超えた温度とすると温度が高すぎて腐食の
進展が速くなり過ぎ、デンドライトの顕出の点で不利と
なることによる。
以下イ〜ニのとおりである。 イ.60〜80℃の温水を用いて腐食液とする理由は、
湯の温度が60℃より低い温度では、ピクリン酸を溶か
す際に時間がかかるため作業効率の点で不利であるため
で、80℃を超えた温度とすると温度が高すぎて腐食の
進展が速くなり過ぎ、デンドライトの顕出の点で不利と
なることによる。
【0012】ロ.湯500ccに対してピクリン酸を6
〜8g溶かす理由は、6g未満ではピクリン酸水溶液の
濃度が薄いため腐食に時間がかかり、8gを超えて加え
ると必要以上の濃度となり、腐食が進みすぎて適切なデ
ンドライトの顕出ができないからである。
〜8g溶かす理由は、6g未満ではピクリン酸水溶液の
濃度が薄いため腐食に時間がかかり、8gを超えて加え
ると必要以上の濃度となり、腐食が進みすぎて適切なデ
ンドライトの顕出ができないからである。
【0013】ハ.ライポンFをピクリン酸水溶液500
ccに対して3〜5cc加える理由は、5ccを超えて
加えても3〜5cc加えた場合と変化が無く、無駄に浪
費するだけであり、3cc未満では組織の細かな顕出効
果が不足するからである。
ccに対して3〜5cc加える理由は、5ccを超えて
加えても3〜5cc加えた場合と変化が無く、無駄に浪
費するだけであり、3cc未満では組織の細かな顕出効
果が不足するからである。
【0014】ニ.ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムをピクリン酸水溶液500ccに対して2〜4gを加
える理由は、4gを超えて加えた場合も2〜4g加えた
場合と変化は見られないからであり、2g未満では組織
の細かな顕出効果が不足するからである。また、界面活
性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用
いた理由は、腐食液に用いる界面活性剤として広く一般
的に用いられており、入手し易いためである。
ムをピクリン酸水溶液500ccに対して2〜4gを加
える理由は、4gを超えて加えた場合も2〜4g加えた
場合と変化は見られないからであり、2g未満では組織
の細かな顕出効果が不足するからである。また、界面活
性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用
いた理由は、腐食液に用いる界面活性剤として広く一般
的に用いられており、入手し易いためである。
【0015】
【実施例】実施例1、表1に示した成分の軸受鋼連続鋳
造鋳片より幅20mm×長さ40mm×厚み10mmの
試料を切り出して試料を研磨し、さらに鏡面研磨仕上げ
し、60℃の温水500ccに対してピクリン酸を7g
溶かし、これにライポンFを5cc加え、さらにドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2g加えて腐食液を
調整する。このようにして用意した腐食液に上記の研磨
をし、さらに鏡面研磨仕上げをした試料を3分間浸漬し
て腐食を行った。ついで顕出された軸受鋼の凝固組織の
デンドライト組織の顕微鏡写真を図1に示す。図1に見
られるとおり、軸受鋼凝固組織のデンドライト2次アー
ムの微小な偏析具合まで微細に顕出することができた。
造鋳片より幅20mm×長さ40mm×厚み10mmの
試料を切り出して試料を研磨し、さらに鏡面研磨仕上げ
し、60℃の温水500ccに対してピクリン酸を7g
溶かし、これにライポンFを5cc加え、さらにドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2g加えて腐食液を
調整する。このようにして用意した腐食液に上記の研磨
をし、さらに鏡面研磨仕上げをした試料を3分間浸漬し
て腐食を行った。ついで顕出された軸受鋼の凝固組織の
デンドライト組織の顕微鏡写真を図1に示す。図1に見
られるとおり、軸受鋼凝固組織のデンドライト2次アー
ムの微小な偏析具合まで微細に顕出することができた。
【0016】実施例2、炭素濃度が質量%で、C:0.
1〜0.35%のような低炭素の鋼においても本発明の
デンドライト顕出液は、次に示す加熱および熱処理パタ
ーンとすることにより、容易にデンドライトを顕出する
ことができる。例えば、質量%で、C:0.184%の
JIS SCM415のクロムモリブデン鋼を溶製して
連続鋳造した連続鋳片より、幅20mm×長さ40mm
×厚み10mmの試料を切り出し、表2に示すNo.1
を実施例2とし、No.2〜No.4を比較例として、
そのNo.1〜No.4の加熱および熱処理パターンを
図2に示すパターン1、パターン2の1、パターン2の
2、パターン3、パターン4により処理する。No.1
の温度パターンでは、図2に実線で示すパターン1のよ
うに、真空加熱炉内で試料を室温からA3変態点以上の
温度まで加熱・保持した後、600℃より低い温度まで
空冷し、次にA1変態点直下の温度まで加熱・保持して
炉内徐冷を行う熱処理を行った。熱処理を行った試料を
研磨・鏡面研磨仕上げし、上記の実施例1で調整した腐
食液に60℃で3分間浸漬して腐食を行った。腐食した
試片の顕出結果を表2に示す。これらの結果、この加熱
および熱処理パターンとすることで実施例2のNo.1
では、デンドライトの顕出は満足行くものであった。
1〜0.35%のような低炭素の鋼においても本発明の
デンドライト顕出液は、次に示す加熱および熱処理パタ
ーンとすることにより、容易にデンドライトを顕出する
ことができる。例えば、質量%で、C:0.184%の
JIS SCM415のクロムモリブデン鋼を溶製して
連続鋳造した連続鋳片より、幅20mm×長さ40mm
×厚み10mmの試料を切り出し、表2に示すNo.1
を実施例2とし、No.2〜No.4を比較例として、
そのNo.1〜No.4の加熱および熱処理パターンを
図2に示すパターン1、パターン2の1、パターン2の
2、パターン3、パターン4により処理する。No.1
の温度パターンでは、図2に実線で示すパターン1のよ
うに、真空加熱炉内で試料を室温からA3変態点以上の
温度まで加熱・保持した後、600℃より低い温度まで
空冷し、次にA1変態点直下の温度まで加熱・保持して
炉内徐冷を行う熱処理を行った。熱処理を行った試料を
研磨・鏡面研磨仕上げし、上記の実施例1で調整した腐
食液に60℃で3分間浸漬して腐食を行った。腐食した
試片の顕出結果を表2に示す。これらの結果、この加熱
および熱処理パターンとすることで実施例2のNo.1
では、デンドライトの顕出は満足行くものであった。
【0017】比較例No.2は、図2のパターン2の
1、パターン2の2のように、上記の実施例2のNo.
1と同様に、真空加熱炉内で試料を室温からA3変態点
以上の温度まで加熱・保持した後、600℃より低い温
度まで空冷する。次に実施例2と異なり、パターン2の
1では、A1変態点を超える温度まで加熱・保持し、パ
ターン2の2では、A1変態点を大きく下回る温度、す
なわち680℃未満の温度まで加熱・保持し、次いで炉
内徐冷を行う熱処理を行った。比較例No.3では、上
記の実施例2のNo.1と同様に、真空加熱炉内で試料
を室温からA3変態点以上の温度まで加熱・保持した
後、パターン2と異なり、600℃まで冷却しないうち
に加熱する。ただしこの加熱温度は特に問わないものと
する。さらに、比較例No.4のパターン4では、真空
加熱炉内で試料を室温からA3変態点未満の温度まで加
熱・保持した後、その後の冷却温度は不問とし、さらに
加熱する加熱温度も不問とするものである。これらの加
熱および熱処理を行った試料を、研磨・鏡面研磨仕上げ
し、上記の実施例1で調整した腐食液に60℃で3分間
浸漬して腐食を行った。腐食した試片の顕出結果を表2
に示す。これらの結果、デンドライトの顕出は満足にで
きなかった。
1、パターン2の2のように、上記の実施例2のNo.
1と同様に、真空加熱炉内で試料を室温からA3変態点
以上の温度まで加熱・保持した後、600℃より低い温
度まで空冷する。次に実施例2と異なり、パターン2の
1では、A1変態点を超える温度まで加熱・保持し、パ
ターン2の2では、A1変態点を大きく下回る温度、す
なわち680℃未満の温度まで加熱・保持し、次いで炉
内徐冷を行う熱処理を行った。比較例No.3では、上
記の実施例2のNo.1と同様に、真空加熱炉内で試料
を室温からA3変態点以上の温度まで加熱・保持した
後、パターン2と異なり、600℃まで冷却しないうち
に加熱する。ただしこの加熱温度は特に問わないものと
する。さらに、比較例No.4のパターン4では、真空
加熱炉内で試料を室温からA3変態点未満の温度まで加
熱・保持した後、その後の冷却温度は不問とし、さらに
加熱する加熱温度も不問とするものである。これらの加
熱および熱処理を行った試料を、研磨・鏡面研磨仕上げ
し、上記の実施例1で調整した腐食液に60℃で3分間
浸漬して腐食を行った。腐食した試片の顕出結果を表2
に示す。これらの結果、デンドライトの顕出は満足にで
きなかった。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明の顕出液
を採ることにより、炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片の凝固
組織のデンドライトを1次アームだけでなく2次アーム
まで鮮明に顕出することが可能となり、さらに、加熱お
よび熱処理パターンを考慮することにより低炭素鋼にも
本発明の方法の顕出液で鋳片表面品質の良否のデンドラ
イトによる評価がこれまで以上に精密に行うことができ
るようになった。
を採ることにより、炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片の凝固
組織のデンドライトを1次アームだけでなく2次アーム
まで鮮明に顕出することが可能となり、さらに、加熱お
よび熱処理パターンを考慮することにより低炭素鋼にも
本発明の方法の顕出液で鋳片表面品質の良否のデンドラ
イトによる評価がこれまで以上に精密に行うことができ
るようになった。
【図1】 本発明の腐食液を用いて顕出した軸受鋼のデ
ンドライトの顕微鏡写真である。
ンドライトの顕微鏡写真である。
【図2】 実施例2および比較例の加熱および熱処理パ
ターンを示すパターン図である。
ターンを示すパターン図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片の凝固組織
のデンドライトを検査・顕出するために用いる腐食液に
おいて、60〜80℃の温水500ccに対してピクリ
ン酸を6〜8g溶解し、これにライポンF(商品名)等
の洗剤を3〜5cc加え、さらに界面活性剤としてドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2〜4g加えるこ
とを特徴とする炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片のデンドラ
イト顕出用腐食液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001020310A JP2001289839A (ja) | 2000-01-31 | 2001-01-29 | 炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片のデンドライト顕出用腐食液 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-23181 | 2000-01-31 | ||
JP2000023181 | 2000-01-31 | ||
JP2001020310A JP2001289839A (ja) | 2000-01-31 | 2001-01-29 | 炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片のデンドライト顕出用腐食液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001289839A true JP2001289839A (ja) | 2001-10-19 |
Family
ID=26584580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001020310A Pending JP2001289839A (ja) | 2000-01-31 | 2001-01-29 | 炭素鋼あるいは低合金鋼鋳片のデンドライト顕出用腐食液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001289839A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101159927B1 (ko) | 2009-11-27 | 2012-06-25 | 현대제철 주식회사 | 연속주조 슬라브의 몰드내 초기 응고층 현출방법 |
JP2012529043A (ja) * | 2009-07-27 | 2012-11-15 | ヒュンダイ スチール カンパニー | 連続鋳造スラブの中心偏析評価方法 |
CN103323317A (zh) * | 2013-05-31 | 2013-09-25 | 中国一拖集团有限公司 | 一种鉴别判定轴杆类及盘套类钢制零件毛坯成形的方法 |
CN103398889A (zh) * | 2013-08-21 | 2013-11-20 | 南京金创有色金属科技发展有限公司 | 一种双相不锈钢-碳钢复合板的显微组织显示方法 |
CN111077006A (zh) * | 2020-03-04 | 2020-04-28 | 中国第一重型机械股份公司 | 一种超超临界汽轮机组用镍基合金铸态晶粒腐蚀方法 |
CN112195471A (zh) * | 2020-09-16 | 2021-01-08 | 上海交通大学 | 板条马氏体钢原奥氏体晶界的腐蚀剂及制备、腐蚀方法 |
CN112629983A (zh) * | 2020-12-16 | 2021-04-09 | 本钢板材股份有限公司 | 一种中碳钢实际晶粒度腐蚀剂及腐蚀实验方法 |
CN113884428A (zh) * | 2021-09-01 | 2022-01-04 | 石钢京诚装备技术有限公司 | 轴承钢铸态枝晶组织的腐蚀剂及显示方法 |
-
2001
- 2001-01-29 JP JP2001020310A patent/JP2001289839A/ja active Pending
Cited By (9)
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