JP2010127720A - 動特性検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パワー半導体素子11を用いたアナログ回路の動特性検査装置1であって、検査対象回路10と同等の応答特性を有したアナログ回路であるシミュレータ回路20と、検査対象回路10の動特性を測定するための検査対象回路用センサ2A・3Aと、シミュレータ回路20の動特性を測定するためのシミュレータ回路用センサ2B・3Bと、検査対象回路用センサ2A・3Aからの出力値と、シミュレータ回路用センサ2B・3Bからの出力値とを即時的に比較することにより検査対象回路10の動特性の異常の有無を判定する判定器5・6とを備える。
【選択図】 図1
Description
例えば、図9に示すように、パワー半導体素子であるIGBT111・111を備える検査対象回路110においては、前記IGBT111・111の動作時におけるコレクタ電流Icやコレクタ−エミッタ間電圧Vceなどが測定される。
また、検査対象回路110におけるIGBT111・111の動特性を測定して、その動特性の検査を行う動特性検査装置101は、前記コレクタ電流Icを測定するコレクタ電流センサ102およびコレクタ−エミッタ間電圧Vceを測定するコレクタ−エミッタ間電圧センサ103を備えている。
このときに流れる電流の立ち上がりを遅らせる要素は電流経路の浮遊インダクタンスのみとなるが、前記検査対象回路110では前記浮遊インダクタンスが測定値に大きな影響を与えるため、前記浮遊インダクタンスは極小さな値に設定されている。
従って、図11に示すように、前記電流経路には急峻な立ち上がりの短絡電流が流れて、検査対象が一気に焼損するとともに、動特性検査装置101にダメージが加わるおそれがある。
即ち、請求項1記載のごとく、パワー半導体素子を用いたアナログ回路の動特性検査装置であって、検査対象回路と同等の応答特性を有したアナログ回路であるシミュレータ回路と、前記検査対象回路の動特性を測定するための検査対象回路用センサと、前記シミュレータ回路の動特性を測定するためのシミュレータ回路用センサと、検査対象回路用センサからの出力値と、シミュレータ回路用センサからの出力値とを即時的に比較することにより検査対象回路の動特性の異常の有無を判定する判定器とを備える。
特に、シミュレータ回路の回路定数を検査対象回路に対して所定倍小さく構成した場合には、シミュレータ回路の構成部材として、安価な低電圧用・低電流用の部品を用いることができるとともに、シミュレータ回路の回路設計を容易とすることができ、シミュレータ回路を低コストにて構成することが可能となる。
前記検査対象回路10は、前記パワー半導体素子11と、パワー半導体素子11のゲート端子Gaにゲート抵抗17を介して接続され、前記ゲート端子Gaにゲート駆動信号を出力する駆動回路12と、前記パワー半導体素子11のコレクタ端子Caとエミッタ端子Eaとの間に接続され、動特性測定用の電圧が充電されるコンデンサ14と、前記コンデンサ14に電源電圧Vcc1にて充電を行う電源装置13と、前記コンデンサ14における電源装置13の負極が接続される側の端子と前記パワー半導体素子11のエミッタ端子Eaとの間に介装される負荷インダクタ15と、前記負荷インダクタ15と並列に配置され、前記パワー半導体素子11のエミッタ端子Eaにカソード端子が接続されるダイオード16とを備えている。
また、パワー半導体素子11の駆動は、前記駆動回路12によりパワー半導体素子11のゲート端子Gaにゲート駆動信号を付与することにより行う。
前記シミュレータ回路20は、IGBT素子などのパワー半導体素子21と、前記パワー半導体素子21のコレクタ端子Cbとエミッタ端子Ebとの間に接続され、動特性測定用の電圧が充電されるコンデンサ24と、前記コンデンサ24に電源電圧Vcc2にて充電を行う電源装置23と、前記コンデンサ24における電源装置23の負極が接続される側の端子と前記パワー半導体素子21のエミッタ端子Ebとの間に介装される負荷インダクタ25と、前記負荷インダクタ25と並列に配置され、前記パワー半導体素子21のエミッタ端子Ebにカソード端子が接続されるダイオード26とを備えている。
前記パワー半導体素子21のゲート端子Gbは、前記ゲート抵抗17を介して前記駆動回路12に接続されている。
また、パワー半導体素子21は、前記駆動回路12からパワー半導体素子21のゲート端子Gaにゲート駆動信号を付与することにより駆動される。
なお、前記パワー半導体素子21を含むシミュレータ回路20は、事前に正常に動作することが確認されているものである。
そして、シミュレータ回路20のパワー半導体素子21は、駆動回路12により、検査対象回路10のパワー半導体素子11と同時に駆動されるように構成されている。
つまり、本例では、シミュレータ回路20の電流の応答時間を検査対象回路10に対して同等にするとともにシミュレータ回路20の電源電圧Vcc2を検査対象回路10の電源電圧Vcc1よりも低くすることに着目して、前記各構成要素の定数を設定している。
このように、シミュレータ回路20を検査対象回路10よりも低電圧かつ低電流の回路に構成することで、シミュレータ回路20の構成部材として、安価な低電圧用・低電流用の部品を用いることができるとともに、シミュレータ回路20の回路設計を容易とすることができるため、シミュレータ回路20を低コストにて構成することが可能となっている。
但し、シミュレータ回路20は、検査対象回路10全く同じ回路であって(電圧、電流も同じ)、正常に動作することが予め確認されているものを用いることも可能である。
前記偏差出力用比較器51は、検査対象回路10のコレクタ電流Ic1の値が入力される測定対象電流値入力端子51a、シミュレータ回路20のコレクタ電流Ic2の値が入力されるシミュレータ回路電流値入力端子51b、および前記偏差ΔIcが出力される偏差出力端子51c、およびシミュレータ回路20のコレクタ電流Ic2の値を補正するゲイン補正器51dを備えており、シミュレータ回路20のコレクタ電流Ic2の値を、前記ゲイン補正器51dにより検査対象回路10のコレクタ電流Ic1の値と比較可能な値に補正したうえでコレクタ電流判定器5に入力するように構成している。
なお、前述のように、検査対象回路10のコレクタ電流Ic1およびシミュレータ回路20のコレクタ電流Ic2を、「Vcc2=Vcc1/100」となるように設定した場合は、前記ゲイン補正器51dを、コレクタ電流Ic2値を100倍する補正を行うように構成することで、シミュレータ回路20のコレクタ電流Ic2を検査対象回路10のコレクタ電流Ic1と比較可能な値に補正することができる。つまり、コレクタ電流Ic1とコレクタ電流Ic2とが同じレンジとなるように補正することができる。
前記偏差出力用比較器61は、検査対象回路10のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1の値が入力される測定対象電流値入力端子61a、シミュレータ回路20のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2の値が入力されるシミュレータ回路電流値入力端子61b、および前記偏差ΔVceが出力される偏差出力端子61c、およびシミュレータ回路20のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2の値のゲインを補正するゲイン補正器61dを備えており、シミュレータ回路20のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2の値を、前記ゲイン補正器61dにより検査対象回路10のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1の値と比較可能な値に補正したうえでコレクタ−エミッタ間電圧判定器6に入力するように構成している。
なお、前述のように、検査対象回路10とシミュレータ回路20との間で、「C2=C1/100」、「Lc2=Lc1」、「Vcc2=Vcc1/100」、「Ic2=Ic1/100」となるように設定した場合は、前記ゲイン補正器61dを、コレクタ−エミッタ間電圧Vce2値を100倍する補正を行うように構成することで、シミュレータ回路20のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2を検査対象回路10のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1と比較可能な値に補正することができる。
図5に示すように、動特性検査装置1は、まず、駆動回路12により検査対象回路10のパワー半導体素子11およびシミュレータ回路20のパワー半導体素子21を駆動する(S01)。
具体的には、測定された検査対象回路10のコレクタ電流Ic1が偏差出力用比較器51に入力されるとともに、シミュレータ回路20のコレクタ電流Ic2がゲイン補正器51dにより補正されたうえで偏差出力用比較器51に入力され、両コレクタ電流Ic1・Ic2の偏差ΔIcが偏差出力用比較器51にて算出され出力される。
また、測定された検査対象回路10のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1が偏差出力用比較器61に入力されるとともに、シミュレータ回路20のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2がゲイン補正器61dにより補正されたうえで偏差出力用比較器61に入力され、両コレクタ−エミッタ間電圧Vce1・Vce2の偏差ΔVceが偏差出力用比較器61にて算出され出力される。
このように、検査対象回路10の測定値とシミュレータ回路20の測定値とを即時的に(リアルタイムに)比較することで、検査対象回路10の異常を高精度かつ高速で検出することが可能となり、パワー半導体素子11が焼損することを防止することができる。
つまり、検査対象回路10におけるコンデンサ14の両電極間に強制中断回路18を設けることができる。
これに対し、判定用比較器52・62から異常信号が出力されると前記スイッチ18aが閉じ、検査対象回路10内を流れている電流を強制中断回路18側へ導き、強制中断回路18を通じてコンデンサ14の電荷を抜く。
このように、判定用比較器52・62から異常信号が出力されるとスイッチ18aを閉じて瞬時にコンデンサ14の電荷を抜き、パワー半導体素子11に急峻な立ち上がりの電流が流れて焼損してしまうことを防止している。
また、コンデンサ14の電荷を瞬時に抜くためには、前記抵抗18bをできるだけ低抵抗値に設定することが好ましい。
なお、前記判定器7は、コレクタ電流判定器5の偏差出力用比較器51やコレクタ−エミッタ間電圧判定器6の偏差出力用比較器61と同様の偏差出力用比較器71、およびコレクタ電流判定器5の判定用比較器52やコレクタ−エミッタ間電圧判定器6の判定用比較器62と同様の判定用比較器72を備えている。
このように構成した場合は、シミュレータ出力を検査対象回路10の測定出力と比較可能にする補正をソフトウェア上で容易に行うことができるため、検査対象回路10の動特性の異常の有無を判定する判定器8に前述のゲイン補正器51d・61dや補正器71dなどの補正器を動特性検査装置1に備える必要はなくなる。
2A・2B コレクタ電流センサ
3A・3B コレクタ−エミッタ間電圧センサ
5 コレクタ電流判定器
6 コレクタ−エミッタ間電圧判定器
11・21 パワー半導体
12 駆動回路
13・23 電源装置
14・24 コンデンサ
15・25 負荷インダクタ
16・26 ダイオード
18 強制中断回路
51・61 偏差出力用比較器
52・62 判定用比較器
Claims (3)
- パワー半導体素子を用いたアナログ回路の動特性検査装置であって、
検査対象回路と同等の応答特性を有したアナログ回路であるシミュレータ回路と、
前記検査対象回路の動特性を測定するための検査対象回路用センサと、
前記シミュレータ回路の動特性を測定するためのシミュレータ回路用センサと、
検査対象回路用センサからの出力値と、シミュレータ回路用センサからの出力値とを即時的に比較することにより検査対象回路の動特性の異常の有無を判定する判定器と、
を備えることを特徴とする動特性検査装置。 - 前記シミュレータ回路は、その回路定数が検査対象回路に対して所定倍小さく構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の動特性検査装置。 - 前記判定器は、
検査対象回路用センサからの出力値と、シミュレータ回路用センサからの出力値とを即時的に比較して、両出力値の偏差を出力する偏差出力用比較器と、
前記比較器による比較の結果得られた検査対象回路用センサからの出力値とシミュレータ回路用センサからの出力値との偏差と、予め設定された閾値とを比較して検査対象回路の動特性の異常の有無を判定する判定用比較器と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動特性検査装置。
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