JP2010127524A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷風を高速噴流として上方から噴出して冷凍食品に吹き当て、効率よく冷却できて解凍ムラのない解凍調理を行なえるようにする。
【解決手段】冷凍食品Rに冷風を吹き当てながらマイクロ波を照射し解凍調理するものにおいて、冷風を噴出するノズル孔9aは、加熱庫2の上面に配置され、庫内の食品載置部6と対向した位置に設けられるとともに、該ノズル孔9aから噴出される冷風が前記食品載置部6に吹き当たる配置構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】冷凍食品Rに冷風を吹き当てながらマイクロ波を照射し解凍調理するものにおいて、冷風を噴出するノズル孔9aは、加熱庫2の上面に配置され、庫内の食品載置部6と対向した位置に設けられるとともに、該ノズル孔9aから噴出される冷風が前記食品載置部6に吹き当たる配置構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍食品を解凍調理可能とする加熱調理器に関する。
近年では、生活様式や食文化などの変化に伴い、一般家庭において冷凍保存した食品(食材も含む)の利便性が認識され多く利用されている。また、冷凍食品の解凍調理も加熱手段としてマグネトロンを備えた加熱調理器にてマイクロ波を照射して加熱することにより手軽に行える利点もある。
しかるに、この解凍調理するに際して基本的な課題の一つに食品全体をできるだけ均一に解凍することである。そこで従来では、部分的な解凍進行を抑制するため、冷凍食品を冷却しながら解凍する手段が採用されている。この場合、加熱庫内の全体を冷却する方法もあるが、庫内全体を冷却する能力や、冷却に要する時間などの負担が大きいため、一般的に庫内に収容した食品に直接冷風を吹き当てながら解凍する方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−53号公報
ところが、マイクロ波の吸収は食品の表面や特に末端部分に集中し易いことが知られていることから、上記特許文献1にも記載されているように、加熱庫の側方の下部から冷風を噴出し食品の周縁部を優先的に冷却することで、食品の末端部における早期解凍や過熱昇温を抑制するという手段が提案されている。
しかしながら、このような側方からの部分的な優先冷却は、食品に対する冷却作用が不均一になりやすく特に食品形状等により冷却作用に過不足が生じやすい。例えば、食品の高さ(厚み)が高いとか、更には径方向の大きさ(外形)が不揃いなどの条件が加わるなどした場合、所望の食品端部への冷風噴射が一部で不十分となり所期の冷却効果が得られず、結果として解凍ムラが生じるなど、実使用の上で未だ不安定な要因も残されていた。
本発明は上記課題を解消するため、冷風を高速噴流として噴出して上方から食品に吹き当てることができ、効率よく冷却できて解凍ムラのない解凍調理ができる加熱調理器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の加熱調理器は、食品を収容する前面開口した加熱庫と、この庫内に設けられ食品を載置する食品載置部と、前記食品にマイクロ波を照射する加熱手段と、前記加熱庫の内方を臨んで設けられた複数のノズル孔と、前記ノズル孔及び加熱庫を介して空気を循環すべく形成された空気循環路と、この空気循環路中に設けられ空気を冷却する冷却手段、及び空気を循環送風する送風手段と、を備え、
冷凍食品の解凍時、前記食品載置部に載置した食品に対し、前記ノズル孔から噴出する冷風を吹き当てるとともに、加熱手段によるマイクロ波を照射して加熱するようにしたものにおいて、
前記ノズル孔は、前記加熱庫の上面に配置され、前記食品載置部と対向して設けられるとともに、該ノズル孔から噴出される上方からの冷風が前記食品載置部に吹き当たる構成としたことを特徴とする(請求項1の発明)。
冷凍食品の解凍時、前記食品載置部に載置した食品に対し、前記ノズル孔から噴出する冷風を吹き当てるとともに、加熱手段によるマイクロ波を照射して加熱するようにしたものにおいて、
前記ノズル孔は、前記加熱庫の上面に配置され、前記食品載置部と対向して設けられるとともに、該ノズル孔から噴出される上方からの冷風が前記食品載置部に吹き当たる構成としたことを特徴とする(請求項1の発明)。
上記手段によれば、冷風がノズル孔より高速噴流として庫内に噴出され、対向位置にある食品載置部まで十分に達する冷風を該載置部に載置された食品に確実に吹き当てることができる。しかも、庫内上面から下方に向けて加速度的に勢いよく噴出でき、この高速噴流により食品表面の境界層を剥離して効率よく冷却でき、以って食品への冷却不足を抑えて解凍ムラのない仕上がり良好な調理が期待できる加熱調理器を提供できる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1実施例を示す図1を参照して説明する。
その図1は、加熱調理器の全体構成を概略的に示す縦断側面図で、特に主要部分を断面にして示している。
図1に示すように、外郭を形成する矩形箱状をなす筐体1の内部には、正面である前面を開口した矩形箱状をなす例えば金属製の加熱庫2が設けられ、その前面開口部を開閉するドア3が回動可能に設けられている。加熱源としてマグネトロン4を備え、導波管5を介して加熱庫2の下方からマイクロ波を照射可能にしており、解凍調理や各種の加熱調理のための加熱手段として機能する。従って、加熱庫2の底面を形成する底壁2aは、マイクロ波を透過する材料、例えば耐熱性ガラスにて形成されている。
以下、本発明の第1実施例を示す図1を参照して説明する。
その図1は、加熱調理器の全体構成を概略的に示す縦断側面図で、特に主要部分を断面にして示している。
図1に示すように、外郭を形成する矩形箱状をなす筐体1の内部には、正面である前面を開口した矩形箱状をなす例えば金属製の加熱庫2が設けられ、その前面開口部を開閉するドア3が回動可能に設けられている。加熱源としてマグネトロン4を備え、導波管5を介して加熱庫2の下方からマイクロ波を照射可能にしており、解凍調理や各種の加熱調理のための加熱手段として機能する。従って、加熱庫2の底面を形成する底壁2aは、マイクロ波を透過する材料、例えば耐熱性ガラスにて形成されている。
上記底壁2aを貫通する回転軸7に支持された円盤状の食品載置部6を、加熱庫2の内底部に回転可能に配置しており、モータ8により回転駆動される。なお、食品載置部6と回転軸7の庫内突出部分は着脱可能としていて、底壁2a面をフラットな形状とすることを可能としていて、これは該底面上に食品を載置して調理可能としている。図示では、通常の食品載置部6上に載置された状態の冷凍食品Rを示している。
このような一般的な加熱調理器の構成に加えて、食品を冷風により冷却する手段を備えている。まず、加熱庫2の上面を形成する天井壁2bには、庫内を臨む複数のノズル孔9aを形成したノズル部材9が設けられている。これは、金属材料より熱伝導率が低い樹脂材料からなる厚みのある板状部材に、垂直方向に貫通開口する径小のノズル孔9aを複数形成してなるもので、1枚のノズル部材9にて形成されている。
しかるに本実施例では、ノズル部材9は略水平な天井壁2bに取付ネジなどの適宜の固定手段(図示せず)にて水平状態に固定され、ノズル孔9aは庫内の真下に向かって開口している。そして、このノズル部材9、従ってノズル孔9aの開口方向に対し、前記食品載置部6が対向した配置構成とするとともに、該ノズル孔9aから噴出された送風が食品載置部6まで十分到達する仕様としている。しかも、このような複数のノズル孔9aを有する略円形状の全領域でもある図中に示すノズル有効面積S1は、食品載置部6の載置部面積S2と同等、好ましくはそれ以上の大きさとしている(S1≧S2)。
このノズル部材9の背面側には、ノズル孔9aを包含して循環ダクト10の吐出側の一端が接続されている。一方、循環ダクト10の他端は、加熱庫2の外周囲を経て庫内下方に設けた空気の吸入口11に連通接続されている。なお、吸入口11は、本実施例では前記食品載置部6よりも下方に位置して開口し、その開口から異物が侵入しないように適宜のフィルタ手段を施した構成としている。斯くして、循環ダクト10は、その両端部が庫内の上下部と連通してなる空気循環路を形成している。
この循環ダクト10の途中部位には、冷却手段としての冷却部12と、その下位に送風手段としての循環ファン13が配設されている。そのうち、前者の冷却部12は、詳細な説明や図示は省略するが、例えば本実施例ではエアコンなどに使用されているヒートポンプ方式による冷却装置が採用されている。この冷却手段としては、他に例えばコンピュータのCPUの冷却などに採用されているペルチェ素子、更には真空冷却などが使用可能で、必要な冷却性能等に応じて適宜採用可能である。
一方、後者の循環ファン13は、図示しないファンモータに通電することで回転駆動され、該循環ダクト10内の空気を矢印A方向に送風する。従って、循環ダクト10、ノズル孔9a、及び加熱庫2内を通して吸入口11に至る循環送風が可能で、上記冷却部12が駆動された時には冷風が生成され庫内に冷風が循環供給され、全体に同矢印A方向に循環される。この場合、吸入口11は、食品載置部6の下方位置に開口しているので、冷風は庫内の下方域まで達した後に該吸入口11に吸入され、循環送風のための庫内空気の吸い込み部として有効に機能する。
次に、上記構成の加熱調理器の作用について、解凍調理する場合につき説明する。
冷凍保存されていた食品Rを、食品載置部6上に載置し解凍調理を開始すると、食品載置部6はモータ8が通電されて回転駆動する。また、循環ダクト10の経路中では循環ファン13及び冷却部12が通電駆動されて冷風が生成され、冷風は循環ダクト10内を矢印Aで示す上方向に送風される。
冷凍保存されていた食品Rを、食品載置部6上に載置し解凍調理を開始すると、食品載置部6はモータ8が通電されて回転駆動する。また、循環ダクト10の経路中では循環ファン13及び冷却部12が通電駆動されて冷風が生成され、冷風は循環ダクト10内を矢印Aで示す上方向に送風される。
循環ダクト10内の上方部分に送り込まれた冷風は、径小なノズル孔9aの前段で圧力が高められノズル孔9aから勢いよく庫内に噴出される。この場合、冷風は空気よりも重いことと、図示するように矢印A方向である上方から下方向に噴き出すので、冷風は加速度的に直進し高速噴流として庫内に噴出供給される。
加えて、本実施例ではノズル孔9aを有するノズル有効面積S1は、食品載置部6の載置部面積S2と同等、好ましくはそれ以上の大きさに設定しているので(S1≧S2)、冷風を上方から食品R全体に吹き当てることが可能で、更にはノズル孔9aからの冷風(送風)が食品載置部6に達するように設定されているので、その上面に載置された食品Rに対し冷風が確実で十分に吹き当たる条件下にあることから、該食品Rに対し高速度の冷風を確実に吹き当てることができる。
ところで、通常冷凍食品Rの表面には境界層という流れの遅い空気層がまとわりついており、これが温度や熱伝達を悪く(遅く)する要因となっている。そのため、食品Rを効率よく冷風にて冷却するには、その境界層を吹き飛ばす勢いの冷風とすることが望ましい。しかして、本実施例によれば上記の如くノズル孔9aから高速噴流の冷風を食品R全体に上方から吹き当てることができ、以って境界層を吹き飛ばして剥離し、或は少なくとも境界層の厚みを薄くすることができて、熱伝導効率を高めることができ、ここでは食品Rを効率よく冷却することができる。
このような食品Rの冷却作用と合わせて、マグネトロン4が通電され発生したマイクロ波は導波管5を経て加熱庫2の底部から庫内に供給され、すなわち食品Rにマイクロ波を照射することで解凍調理が実行される。
一方、冷風を循環するとて庫内下方に形成された吸入口11は、食品載置部6よりも下方に位置しているため、食品Rに冷風を確実に吹き当てた後の冷風を吸い込み、循環ダクト10内に回収できて冷風の有効な使用効率を高めている。
一方、冷風を循環するとて庫内下方に形成された吸入口11は、食品載置部6よりも下方に位置しているため、食品Rに冷風を確実に吹き当てた後の冷風を吸い込み、循環ダクト10内に回収できて冷風の有効な使用効率を高めている。
以上説明したように、上記第1実施例によれば次のような効果を有する。
空気より重い冷風を上方から下方に向けて加速度的に噴出することも相俟って、冷風をノズル孔9aより高速噴流として庫内に噴出できるため、食品Rの表面をまとうような境界層を剥離して効率よく冷却できる。しかも、庫内を臨むノズル孔9aと食品載置部6は対向位置にあって上方からの冷風が食品載置部に吹き当たる構成であること、更に本実施例では複数のノズル孔9aを有するノズル有効面積S1は、食品載置部6の載置部面積S2と同等、好ましくはそれ以上の大きさとしており(S1≧S2)、且つ食品載置部6は回転駆動されることから、食品Rに対しその周辺端部も含め噴出した冷風を確実に吹き当てることができ、冷却不足を生じることもない。従って、マイクロ波の照射による解凍調理は、解凍ムラのない仕上がり良好な解凍調理が促進できる。
空気より重い冷風を上方から下方に向けて加速度的に噴出することも相俟って、冷風をノズル孔9aより高速噴流として庫内に噴出できるため、食品Rの表面をまとうような境界層を剥離して効率よく冷却できる。しかも、庫内を臨むノズル孔9aと食品載置部6は対向位置にあって上方からの冷風が食品載置部に吹き当たる構成であること、更に本実施例では複数のノズル孔9aを有するノズル有効面積S1は、食品載置部6の載置部面積S2と同等、好ましくはそれ以上の大きさとしており(S1≧S2)、且つ食品載置部6は回転駆動されることから、食品Rに対しその周辺端部も含め噴出した冷風を確実に吹き当てることができ、冷却不足を生じることもない。従って、マイクロ波の照射による解凍調理は、解凍ムラのない仕上がり良好な解凍調理が促進できる。
また、空気循環路を形成する循環ダクト10の空気の吸入口11は、庫内の下方、本実施例では食品載置部6よりも下方に開口して設けているので、食品Rを冷却した後の冷風を回収することができることから、冷風を無駄なく使用でき、つまり冷風の有効な使用効率を高めている。
また、解凍調理時に冷風を噴出するノズル部材9は、その周辺と温度差を生じやすく、冷気や付着している水気成分が凝縮して結露しやすく、延いては大きくなった結露水が食品Rの表面に滴下したり、調理終了後に食品載置部6上に滴下したり、或はドア3の開放時に前面開口から外部に飛び出すなどの不具合が考えられる。そこで、本実施例ではノズル孔9aを形成するノズル部材9を金属材料より熱伝導率が低い樹脂製とし、温度差を小さく抑えて、できるだけ結露するのを防止するようにして上記不具合を軽減している。
上記実施例に対し、図2及び図3は本発明の第2及び第3実施例を示す夫々図1相当図で、上記第1実施例と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分につき説明する。
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2実施例を示すもので、このものは、特に本実施例のノズル孔14a周辺に生じやすい結露に対処したもので、例えば加熱庫2の上面及び該上面に設けたノズル部材14を、共に奥方に向けて下降傾斜する構成とし、結露した水滴を奥方に誘導するようにしたものである。
図2は本発明の第2実施例を示すもので、このものは、特に本実施例のノズル孔14a周辺に生じやすい結露に対処したもので、例えば加熱庫2の上面及び該上面に設けたノズル部材14を、共に奥方に向けて下降傾斜する構成とし、結露した水滴を奥方に誘導するようにしたものである。
具体的には、例えば本実施例では天井壁2f全体を、前方から奥方たる奥壁2c側に向かって下降する傾斜面状に形成している。そして、この天井壁2fに設けたノズル部材14も傾斜状態に設け、その下面が上面たる天井壁2f内面と略面一となるようにしている。従って、ノズル孔14aとして開口する下端も同様に面一な傾斜状態にある。ただし、ノズル孔14aは食品載置部6と対向状態を維持するように、所定位置における取付状態において垂直方向に貫通開口している。
なお、ノズル部材14は上記実施例のノズル部材9と同様に金属材料より熱伝導率が低い樹脂材料から形成されるなど、他の構成は上記第1実施例と共通である。
上記構成において、解凍調理が実行されると、第1実施例と同様に循環ダクト10からノズル孔14aを経て、矢印Aで示すように庫内に冷風が噴出供給され、食品Rを確実に冷却する。この冷風が噴出されるノズル部材14と庫内側とでは温度差が生じやすく、ノズル孔14aの開口下端を含むノズル部材14の下面側、更には天井壁2fの内面側に付着した水気成分も結露しやすい。しかるに、本実施例では庫内の上記いずれの場所に結露しても、その生じた場所で滴下することなく、その滴下前に傾斜面に沿って奥壁2c側に移動し、該奥壁2cに達して該壁面に沿って流下する。
上記構成において、解凍調理が実行されると、第1実施例と同様に循環ダクト10からノズル孔14aを経て、矢印Aで示すように庫内に冷風が噴出供給され、食品Rを確実に冷却する。この冷風が噴出されるノズル部材14と庫内側とでは温度差が生じやすく、ノズル孔14aの開口下端を含むノズル部材14の下面側、更には天井壁2fの内面側に付着した水気成分も結露しやすい。しかるに、本実施例では庫内の上記いずれの場所に結露しても、その生じた場所で滴下することなく、その滴下前に傾斜面に沿って奥壁2c側に移動し、該奥壁2cに達して該壁面に沿って流下する。
この結果、その結露水が食品R上に不用意に滴下したり、或はドア3側に移動し開放時などに前方に飛び出すなどの不具合を防止できる。しかも、本実施例では第1実施例と同様にノズル部材14を金属材料より熱伝導率が低い樹脂製としているので、温度差を小さく抑えることができ従って極力結露するのを抑制できる点でも有効である。
なお、本実施例では結露対策として庫内全体の上面全体を傾斜面状に形成したが、これに限らず、例えば天井壁2fのうちノズル部材14を含む周辺を傾斜面として、奥方に向かって下降傾斜する構成としても、結露水を奥方に誘導することが可能であり、例えばその傾斜面積が食品載置部6の面積より大きくすることで上記不具合を解消可能である。また、奥方に傾斜させることに限らず、例えば前方を除き左側或は右側などの側方に傾斜させても上記同様の効果が期待できる。
(第3の実施の形態)
図3は、本発明の第3実施例を示すもので、このものは、結露対策として第2実施例に比して更なる改善を施したもので、ノズル部材15を着脱可能とし該ノズル部材15を清掃可能として衛生的に維持できるようにしたものである。
図3は、本発明の第3実施例を示すもので、このものは、結露対策として第2実施例に比して更なる改善を施したもので、ノズル部材15を着脱可能とし該ノズル部材15を清掃可能として衛生的に維持できるようにしたものである。
すなわち、本実施例のノズル部材15は、第2実施例と同様に庫内の傾斜した上面を形成する天井壁2fに、奥方に傾斜した状態に取り付けられ、この取付状態において、食品載置部6と対向するように垂直方向に貫通開口した複数のノズル孔15aを備えている点で共通である。
ところが、このノズル部材15の具体的な取付構造において、図示する白抜き矢印方向に着脱可能としている点で異なる。また本実施例では、例えば矩形板状をなしていて、これは下記する着脱構造をより簡易な構成とし、その操作性を良好とするためであって、特にこの形状に限定されるものではない。
以下、具体的に述べると、ノズル部材15を着脱可能とする取付位置は、循環ダクト10の吐出側開口端でもある天井壁2fに形成された開口部位であるが、その開口の後部側にノズル部材15の後端部を挿脱可能に支持する係合凹部16を、例えば1箇所(或は2箇所以上でも可)設ける。この1箇所の場合では、左右(横幅)方向にやゝ長い挿入可能な凹部形状とし、安定支持する構成とするのがよい。
これに対し、開口の前部側におけるノズル部材15の前端部が宛がわれる部位には1個の透孔からなる係合孔17を形成している。この係合孔17に対し、ノズル部材15の前端部にも同様の透孔(図示せず)を設けていて、これらはノズル部材15の所定の取付位置にあるとき一致する構成としている。
しかして、このノズル部材15の前端部を取付支持するために支持具18を備えており、この支持具18はノズル部材15の前端部とともに前記係合孔17に挿通され、抜け止め状態に弾性係合する構成としている。具体的には、支持具18の挿入する棒状の先端側を弾性変形可能に2分割し、その各分割片には断面山形状の突部を形成して、所謂くさび形状をなしている。従って、このくさび形状の分割片を前記係合孔17に弾性的に挿通した後、該分割片が常態に復帰し突部が係合孔17に係合することで抜け止め状態に係合するとともに、該支持具18の後端部の径大部でノズル部材15を押さえて挟持するように取付支持するものである。なお、支持具16は、取り外した状態にあるノズル部材15の透孔(図示せず)に弾性的に挿通され、突部にて抜け止め状態に保持される。
斯くして、ノズル部材15を天井壁2fに取り付けるには、その後端部を係合凹部16に挿入し、前端部を支持具16が係合孔17に挿通されることで、天井壁2fに対し略面一で傾斜した状態に取付支持される。また、ノズル部材15を取り外す場合には、上記とは逆の手順で、支持具16を係合孔17から抜き出した後、後端部を係合凹部16から取り出すことで簡単に取り外すことができる。
上記第3実施例の構成によれば、食品Rの解凍調理には、食品載置部6と対向配置のノズル孔15aから冷風が高速度で噴出され、マイクロ波によるムラのない解凍調理が実行できるなど、前記各実施例と同様の作用効果を有する。また、結露対策としての天井壁2fが形成する庫内上面及びノズル部材15を傾斜状態に構成した点は、前記第2実施例で述べたと同様に結露水を奥方に誘導し、食品R上に滴下するなどの不具合を解消できる。
しかるに、本実施例の特徴はノズル部材15を着脱可能としている。その着脱操作も、ノズル部材15の後端部を係合凹部16に挿入した後、前端部を支持具16で係合孔17に挿通して係合させるだけで簡単に取り付けでき、その逆手順で取り外しも簡単操作にて可能である。ただし、この着脱構造に限らず、例えば蝶ネジ(或は蝶ナット)とか、ノズル部材全体を弾性係合させるなど、着脱操作が容易な着脱構造は種々変更して実施可能である。
これにより、ノズル部材15を必要に応じ取り外して洗浄するなどの清掃が容易にできる。これは、特にノズル部材15にあっては、ノズル孔15a部分に滴下しない程度の結露水や水気成分が付着して滞留しやすく、このため衛生上の観点から清掃するのが望ましく、本実施例によればこのような要望に対応できるとともに、取り外した状態で洗浄できることはノズル部材15の裏面側も清掃できる点で有利であり、より衛生的に維持できる。
なお、本発明は、上記し且つ図面に示した各実施例に限定されず、例えば、結露対策として各実施例ではノズル部材の材料、傾斜構造、或は着脱構造など、いずれも構造主体によるものであるが、これに対し、加熱調理器の運転による制御手段でも可能である。例えば、第1実施例を示す図1を参照して述べると、解凍調理の終了後、食品Rを庫外に取り出しドア3を閉め、冷却部12を動作させずに循環ファン13のみ駆動した送風運転を所定時間実行する。
この送風運転制御により、庫内空気が矢印A方向に循環ダクト10を介してノズル孔9aから庫内に噴出される循環を繰り返す。この送風作用は、ノズル孔9a部分や周縁部で結露した小さな水滴や水気成分を蒸発し乾燥した状態にすることができ、以って水分が滞留するのを防止でき良好な衛生状態を保持できる。このような結露対策に有効な運転制御手段は、上記いずれの実施例にも容易に採用できる。また、送風運転は所定時間の制御に限らず、例えば庫内の湿度とか温度の変化値に基づき運転制御することも可能である。
その他、上記各実施例を適宜組み合わせて実施することも可能であるなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施可能である。
図面中、1は筐体、2は加熱庫、2aは底壁、2bは天井壁、2cは奥壁、4はマグネトロン、6は食品載置部、9,14,15はノズル部材、9a,14a,15aはノズル孔、10は循環ダクト(空気循環路)、11は吸入口(空気の吸い込み部)、12は冷却部(冷却手段)、13は循環ファン(送風手段)、及び18は支持具を示す。
Claims (7)
- 食品を収容する前面開口した加熱庫と、この庫内に設けられ食品を載置する食品載置部と、前記食品にマイクロ波を照射する加熱手段と、前記加熱庫の内方を臨んで設けられた複数のノズル孔と、前記ノズル孔及び加熱庫を介して空気を循環すべく形成された空気循環路と、この空気循環路中に設けられ空気を冷却する冷却手段、及び空気を循環送風する送風手段と、を備え、
冷凍食品の解凍時、前記食品載置部に載置した食品に対し、前記ノズル孔から噴出する冷風を吹き当てるとともに、加熱手段によるマイクロ波を照射して加熱するようにしたものにおいて、
前記ノズル孔は、前記加熱庫の上面に配置され、前記食品載置部と対向して設けられるとともに、該ノズル孔から噴出される上方からの冷風が前記食品載置部に吹き当たる構成としたことを特徴とする加熱調理器。 - 食品載置部は、解凍調理時に回転駆動するようにしたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 空気循環路の空気の吸い込み部を、加熱庫の下方に設けたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- ノズル孔を形成する部材は、金属材料より熱伝導率の低い材料で構成したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- ノズル孔を形成する部材の下面及び加熱庫上面は、庫内の奥方または側方に向かって下降傾斜する構成としたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- ノズル孔を形成する部材を、加熱庫上面に着脱可能に取付支持する構成としたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 解凍調理終了後、食品を取り出した状態で送風手段のみ駆動する送風運転を実行するようにしたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
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