JP2010124619A - 電動式駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機の正転時にロータとステータとの対向面間のギャップに運搬されるオイルが機械式減速機側に吐き出されて撹拌抵抗(発熱)が増大することを回避する。
【解決手段】ロータ17の正転時に、第1オイル溜り部15でロータ17とステータ16との対向面間のギャップ18に満たされたオイルは、ロータ17の回転により掻き上げられて上方へ運搬される。オイルの掻き上げ流動が弱まるギャップ18の上側部分にまでオイルが運搬されると、スキュー溝40の流動ガイド作用によりオイルが機械式減速機13と反対側に向けて流出される。
【選択図】図2

Description

本発明は電動式駆動装置、とりわけ、電動機のロータの回転を利用して、ハウジング底部のオイル溜り部のオイルを掻き上げて、潤滑および冷却が必要な箇所へオイルを供給するようにした電動式駆動装置に関する。
従来の電動式駆動装置として、例えば特許文献1に示されているように、電動機のロータとステータとの対向面間のギャップに満されたオイルのせん断抵抗を低減するために、前記ロータとステータとの対向面に軸方向に圧抜き溝を形成したものが知られている。
特開2001−37129号公報
前記特許文献1は、前述のようにロータ回転時におけるオイルのせん断抵抗の低減を目的としたもので、ロータとステータとの対向面間のギャップに満されたオイルの吐き出し方向に関しては何等の開示もない。
電動機と機械式減速機を軸方向に略並列に配置した電動式駆動装置にあっては、前述のオイルを減速機側に吐き出した場合には、前記ギャップで掻き上げられたオイルが機械式減速機に上方から吐き出されることにより、減速機を構成するギャ等の回転による撹拌抵抗(フリクション)が増大して、オイルの発熱が増大してしまう。
また、前記ギャップの軸方向両側からオイルが吐き出されると、電動機のロータ軸や機械式減速機の回転軸に供給する目的で捕集すべきオイルを一箇所に集めることが難しくなり、潤滑,冷却に必要量のオイルを確保するためには、前記掻き上げるオイル量そのものを増やす必要がある。これは換言すれば、前記ハウジング底部のオイル溜り部のオイルレベル、即ち、電動機が運転されている条件下でロータの下端が浸漬する動的オイルレベル、を高く設定してロータによるオイル掻き上げ量を確保する必要がある。この場合には、前記減速機によるオイルの撹拌抵抗の増大に止まらず、ロータによるオイルの撹拌抵抗が増大し、潤滑,冷却に使用すべきオイル温度自体が過大に高くなって、オイル掻き上げによる潤滑・冷却システムが成立しなくなってしまう。
そこで、本発明は運転時間頻度および回転速度が比較的高くなる電動機の正転時に、ロータとステータとの対向面間のギャップに満されて運搬されるオイルが機械式減速機の上方から吐き出されて、該機械式減速機により撹拌抵抗が増大するのを回避できる電動式駆動装置を提供するものである。
本発明の電動式駆動装置にあっては、ロータとステータとを備え、ロータの回転によりハウジング底部の第1オイル溜り部でロータとステータとの対向面間のギャップに満たされたオイルを掻き上げる電動機と、機械式減速機と、を前記ハウジング内に軸方向に略並列に配置した電動式駆動装置において、前記ロータとステータとの対向面の何れか一方に、ロータの正転時に前記ギャップ内で掻き上げられて上方に運搬されたオイルを前記機械式減速機と反対側に向けて進行させるスキュー溝を備えたことを主要な特徴としている。
前記ロータの正転時に、前記第1オイル溜り部で前記ロータとステータとの対向面間のギャップに満たされたオイルは、該ロータの回転により掻き上げられてロータの回転に伴
ってギャップの上方へ運搬される。そして、オイルの掻き上げ流動が弱まるギャップの上側部分にまでオイルが運搬されると、前記スキュー溝のガイド作用により、オイルが前記機械式減速機と反対側に向けて流出される。
本発明によれば、電動機のロータの正転時には、第1オイル溜り部でロータとステータとの対向面間のギャップに満たされてロータの回転により掻き上げられ、該ロータの回転に伴ってギャップの上側部に運搬されたオイルが、スキュー溝に沿って機械式減速機と反対側に向けて流出ガイドされる。
この結果、運転時間頻度および回転速度が比較的高くなる電動機正転時に、電動機回転に比例して回転する機械式減速機へのオイル掛かり量を大幅に少なくでき、特に高回転時の機械式減速機の歯車等によるオイル撹拌抵抗(フリクション)を低減して、オイルの発熱を抑制することができる。
また、前記ギャップからのオイルの流出方向が一方向に規制されるため、オイルを一箇所に捕集できてオイル捕集効率を高めることができるので、前記第1オイル溜り部の動的オイルレベルを低下して掻き上げオイル量を低減することができ、これにより、ロータによるオイルの撹拌抵抗(フリクション)も減少して、より一層オイルの発熱抑制効果を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
図1は本発明に係る電動式駆動装置をインホイールモータユニットに適用した断面図、図2は図1の拡大図、図3は本発明の第1実施形態におけるステータの正面図、図4は図3のA矢視図、図5は第1実施形態におけるスキュー溝の変形例を示す図4と同様の図、図6は本発明の第2実施形態におけるステータの正面図、図7は第2実施形態におけるキャップを正面図(A)と、底面図(B)とで示す説明図、図8は第2実施形態におけるキャップの変形例を正面図(A)と、底面図(B)とで示す説明図、図9は本発明の第3実施形態におけるステータの正面図、図10は本発明の第4実施形態におけるステータの正面図、図11は本発明の第5実施形態におけるロータの部分側面図、図12はオイルレベル低減効果を説明するグラフである。
インホイールモータユニットは図1,図2に示すように、電動式駆動装置10が車輪1のホイールディスク2に取付けられて、該電動式駆動装置10により直接車輪1を駆動するように構成されている。
電動式駆動装置10は、ハウジング11と、該ハウジング11内に軸方向に略並列的に配置された電動機12、および機械式減速機13と、を備えている。
ハウジング11は、ハウジング本体11aと、該ハウジング本体11aの一側開口部の周縁部にボルト14により締結固定されて、該一側開口部を閉塞したカバー11bと、で構成されていて、該ハウジング11の底部が第1オイル溜り部15として構成されている。
電動機12は、ステータ16と、該ステータ16と対向面間に所要のギャップ18をおいて同心的に配設されたロータ17と、で構成されている。
ステータ16は、積層鉄板または焼結鉄材からなるステータコア19と、該ステータコ
ア19のティース部19aに巻きつけられたコイル20と、から構成され、前記ハウジング本体11aの内周に固設されている。
前記コイル20は、ステータコア19のティース部19aに、例えば集中巻き構造として構成されている。
ロータ17は、積層鉄板で構成されたロータコア21の外周部に複数枚のマグネット22を取付けて構成され、ロータ軸23により前記ハウジング11内に回転可能に支持されている。
前記ロータ軸23は、図1,図2の左方でロータ軸受24Aによりハウジング本体11aに支持され、右方ではロータ軸受24B,24Cにより機械式減速機13の回転(駆動力)を取り出すキャリア25に支持されている。
機械式減速機13は、前記ロータ軸23に形成されたサンギャ26と、大径ギャ27aと小径ギャ27bとを一体に有し、前記キャリア25に回転可能に支持されて前記大径ギャ27aが前記サンギャ26と噛合したピニオンギャ27と、前記ハウジング11のカバー11bの中央部に固設されて前記ピニオンギャ27の小径歯車27bが噛合したインターナルギャ28等の歯車機構を備えている。
これにより、前記電動機12により発生する回転(駆動力)は、サンギャ26からピニオンギャ27の大径歯車27aに伝達されて一段目の減速が行われ、ピニオンギャ27の小径歯車27bがインターナルギャ28上を公転することで二段目の減速が行われる。
前記キャリア25は、図1,図2の右方に延出した出力軸29を一体に備えている。この出力軸29は、前記ハウジング11のカバー11aにボルト30により固設されたベアリングハブ31にホイールベアリング32を介して回転可能に支持されている。また、この出力軸29の端部は、前記車輪1のホイールディスク2にボルト3により締結固定されたブレーキドラム4にスプライン係合等によって接続され、キャリア25により取り出された回転(駆動力)が車輪1に伝達されるように構成される。
一方、前記ハウジング11の第1オイル溜り部15には、電動機12が運転されている条件下で前記ロータ17の下端が浸漬するレベル(動的レベル)Lにまでオイルが収容される。
これにより、前記ステータ16のコイル20に交番電流が供給されてロータ17が回転することにより、前記第1オイル溜り部15でステータ16とロータ17との対向面間のギャップ18に満たされたオイルが掻き上げられて、ハウジング11内の各機構部の潤滑および冷却に供されるようになっている。
ここで、本発明の第1実施形態では、前記ロータ17とステータ16との対向面の何れか一方、例えば、ステータ16は、ロータ17の正転時に前記第1オイル溜り部15でこれらロータ17とステータ16との対向面間のギャップ18に満たされて掻き上げられるオイルを、該ギャップ18から前記機械式減速機13と反対側に向けて進行(流出)させるスキュー溝40を備えている。
本実施形態では、前記ステータ16のティース部19a間の各スロット溝19bを、図3,図4に示すように軸方向に所要の傾斜角度αをもって形成してこれをスキュー溝40とし、ロータ16の正回転により前記ギャップ18内で掻き上げられて上方に運搬されたオイルが、該スキュー溝40の流動ガイド作用によって、機械式減速機13と反対側に向
けて流出するように構成されている。
また、本実施形態にあっては、前記ハウジング11の上側部で、前記電動機12を挟んで前記機械式減速機13と反対側の部位に、前記スキュー溝40から吐き出されるオイルをキャッチする第2オイル溜り部42を備えている。
前記ロータ軸23の端末と、ハウジング本体11aの中央部にボルト34により締結固定されたロータ軸キャップ33と、の間には回収オイル室43が形成されている。
前記第2オイル溜り部42と回収オイル室43とは、ハウジング本体11aに形成されたオイル回収通路44により連通されている。
一方、前記ロータ軸23には、その中心部に前記回収オイル室43に連絡し、該回収オイル室43に回収されたオイルが供給されるオイル供給孔45と、該オイル供給孔45に供給されたオイルを前記ロータ軸受24B,24Cおよび機械式減速機13におけるピニオンギャ27の軸受部等に供給する第1オイル吐き出し孔46A,第2オイル吐き出し孔46Bが形成されている。
なお、図1,図2中、符号5は車輪1のブレーキ、6はタイヤを示す。
以上の構成からなる第1実施形態の電動式駆動装置10にあっては、前記ロータ17の正転時に、前記第1オイル溜り部15で前記ロータ17とステータ16との対向面間のギャップ18に満たされたオイルは、ロータ17の回転により掻き上げられてロータ17の回転に伴って該ギャップ18の上方に運搬される。
そして、オイルの掻き上げ流動の勢いが弱まるギャップ18の上側部分にまでオイルが運搬されると、ロータ17の回転により該ロータ17の回転方向(正転方向)に指向したオイルのギャップ周方向への流動方向に対して、ステータ16のスキュー溝40(スロット溝19b)が機械式減速機13と反対側に向けて軸方向に所要の傾斜角度(掬い角)αをもって交差しているため、該スキュー溝40の流動ガイド作用によりギャップ18内のオイルは機械式減速機13と反対側に向けて流出される。
この結果、運転時間頻度および回転速度が比較的高くなる電動機正転時に、電動機回転に比例して回転する機械式減速機13へのオイル掛かり量を大幅に少なくでき、特に高回転時の機械式減速機13の歯車等によるオイル撹拌抵抗(フリクション)を低減して、オイルの発熱を抑制することができる。
また、前記ギャップ18からのオイルの流出方向が一方向に規制されるため、オイルを一箇所に捕集できてオイル捕集効率を高めることができるので、前記第1オイル溜り部15の動的オイルレベルLを低下して掻き上げオイル量を低減できる。
これにより、前記ロータ17によるオイルの撹拌抵抗(フリクション)も減少し、より一層オイルの発熱抑制効果を高めることができる。
ここで、特に本実施形態にあっては、前記ギャップ18から流出されるオイルは、電動機12を挟んで機械式減速機13と反対側の部位に存在する第2オイル溜り部42でキャッチされ、オイル回収通路44,回収オイル室43,オイル供給通路45,およびオイル吐き出し孔46A,46Bを介して、ロータ軸23や減速機回転軸(ピニオンギャ軸,出力軸29等)等の回転支持部に供給される。
このように、ギャップ18から一方向側に大量に流出される(吐き出される)オイルを、第2オイル溜り部42でキャッチして、ロータ軸23や減速機回転軸等の回転支持部へ供給するオイルの捕集効率を大幅に向上できる。これにより、前記第1オイル溜り部15の動的オイルレベルLをより低く設定でき、ロータ17の回転によるオイルの撹拌抵抗(フリクション)を大幅に低減できて、効率のよい潤滑,冷却構造とすることができる。
図12は本実施形態における動的オイルレベル低減による発熱(撹拌抵抗)改善効果を示している。同図のb線はスキュー溝40および第2オイル溜り部42の無い従来の電動式駆動装置において、第1オイル溜り部15のオイルレベルをロータ浸漬44mmとして7000r.p.mで回転した時のオイル温度特性を示し、a線は本実施形態の構成において第1オイル溜り部15のオイルレベルを従来に対して10mm低いロータ浸漬34mmとして7000r.p.mで回転した時のオイル温度特性を示している。同図から判るように本実施形態のようにオイルレベルを下げることで、オイル温度が所定温度Tに到達する時間が3倍(発熱量が約1/3)に改善される。
図5は前記第1実施形態におけるスキュー溝40(スロット溝19b)の変形例を示している。
この変形例では、前記スキュー溝40(スロット溝19b)の機械式減速機13側の側部が、ステータコア19の軸方向の幅寸法の途中で閉塞された止端として形成されている。
このように、スキュー溝40(スロット溝19b)をステータコア19の幅の途中で止端として形成することにより、前記スキュー溝40によるオイル流出方向の規制効果に加えて、機械式減速機13側でロータ17とステータ16との間の間隙が減少することで、該機械式減速機13側へのオイル流出量を更に減少でき、機械式減速機13によるオイルの撹拌抵抗(フリクション)を一段と減少させることができる。
図6は本発明の第2実施形態を示すもので、本実施形態にあっては前記第1実施形態におけるステータ16のティース部19a間の各スロット溝19bの開口部に、これを閉塞するキャップ50がステータ16の内周面(ティース部19aの端面)と面一に整合して取付けられている。
このキャップ50は図7(A),(B)に示すように、スロット溝19bの軸方向の傾斜角度と同一角度で形成されていて、スロット溝19bの内側からその開口部に嵌合して固定され、該キャップ50の幅方向両側縁には、スロット溝19bの開口部の内縁部に係合するフランジ部50aが突設されている。
そして、前記キャップ50の外面(ロータ17との対向面)には、その幅方向中央部にキャップ50の傾斜成形方向にスキュー溝40が形成されている。
このように、ステータ16のスロット溝19bの開口部をキャップ50によりティース部19aと面一に整合して閉塞し、該キャップ50にスキュー溝40を形成することによって、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、ロータ17と対向するティース部19aの端面にスキュー溝を設けていないため、ティース部19aを通過する磁力線が減少することによる電動機12の出力性能低下を避けることができる。
ここで、本実施形態にあっては、前記キャップ50のスキュー溝40は、前記第1オイ
ル溜り部15のオイルに浸漬される領域にある各スキュー溝40の断面積をA、前記第2オイル溜り部42の上方のオイル吐き出し領域にある各スキュー溝40の断面積をA、これら領域の中間領域にある各スキュー溝40の断面積をAとした場合に、A>A>Aの関係に設定されている。
これにより、オイル吸い込み部となる第1オイル溜り部15のオイルに浸漬される領域では、比較的抵抗なくオイルを吸い込み、オイル運搬用通路(ギャップ18)となる第1オイル溜り部15からオイル吐き出し部への連絡部では小断面積のスキュー溝40を配置することでオイルの圧力発生を極力抑え、第2オイル溜り部42へのオイル吐き出し部ではスキュー溝40の断面積を適度な大きさに設定することで、オイル吐き出し抵抗を減少させながら吐き出しオイル量を確保することができるので、比較的低フリクションで効率的にオイルの運搬,捕集を行うことができる。
図8(A),(B)は前記第2実施形態におけるキャップ50の変形例を示している。
この変形例では、前記キャップ50には、そのスキュー溝40からステータ16のスロット溝19bに連通して、該スロット溝19bに収納されたコイル20にオイルを供給するオイル供給口51が形成されている。
これにより、キャップ50のスキュー溝40で一旦捕集したオイルの一部を、前記オイル供給口51によりスロット溝19b内のコイル20に向けて流すことで、コイル20の冷却を比較的少量のオイルで確実に行うことが可能となる。
この結果、オイル掻き上げ量をむやみに増加させる必要がなくなり、前記第1オイル溜り部15の動的オイルレベルLを下げることができて、ロータ17の回転に伴う撹拌抵抗の低減、即ち、オイル発熱量の低下が可能となる。
図9は本発明の第3実施形態を示すもので、本実施形態にあっては前記第1実施形態におけるステータ16のティース部19a間の各スロット溝19bの開口部に、これを閉塞するキャップ50がステータ16の内周面(ティース部19aの端面)と面一に整合して取付けられている。
そして、本実施形態では前記第2実施形態とは異なり、前記各キャップ50間における各ティース部19aの周方向略中心部に前述のスキュー溝40が形成されている。
このように、ステータ16のスロット溝19bの開口部をキャップ50によりティース部19aと面一に整合して閉塞し、各キャップ50間におけるティース部19aにスキュー溝40を設けることによって、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、前述のようにティース部19aにスキュー溝40を設けることで、電動機12の出力性能は多少低下する傾向となるものの、スロット溝19bを閉塞するキャップ50は1種類で済み、スキュー溝40は前記第1実施形態と同様にステータコア19の打ち抜き成形時に形成できるのでコスト的に有利に得ることができる。
この第3実施形態にあっても、前記ティース部19aに設けられるスキュー溝40を、前記第2実施形態と同様に第1オイル溜り部15のオイル吸い込み領域と、オイル運搬領域と、第2オイル溜り部42上方のオイル吐き出し領域と、で断面積変化(A>A>A)を持たせることで、該第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
図10は本発明の第4実施形態を示すもので、本実施形態にあっては前記第1実施形態
におけるステータ16の前記第1オイル溜り部15のオイルに浸漬される領域を除いて、該ステータ16のティース部19a間の各スロット溝19bの開口部には、これを閉塞するキャップ50がステータ16の内周面(ティース部19aの端面)と面一に整合して取付けられている。
そして、前記第2オイル溜り部42の上方のオイル吐き出し領域にある前記キャップ50の外面に、前述のスキュー溝40が形成されている。
このように、前記第1オイル溜り部15に浸漬するスロット溝19bにはキャップ50を取付けずに大断面積溝のままとすることにより、キャップ50を削減してコスト低減が可能となると共に、ギャップ18へのオイルの吸い込み性を良好とし、オイル運搬領域ではキャップ50の存在によりギャップ18からスロット溝19bへのオイル漏れを無くすことができるので、前記第1実施形態に較べて第2オイル溜り部42の上方のオイル吐き出し領域へのオイル運搬効率が向上し、該第2オイル溜り部42によるオイル捕集量を増大することができる。
図11は本発明の第5実施形態を示すもので、本実施形態にあってはスキュー溝41がロータ17の周面に設けられている。このスキュー溝41は、前記スキュー溝40と同様にロータ17の正回転により前記ギャップ18内で掻き上げられて上方に運搬されたオイルが、機械式減速機13と反対側の向きに流出し得る軸方向傾斜角度αで形成される。
また、本実施形態では前記スキュー溝41の機械式減速機13側の側部のスキュー方向が逆向きに形成され、該スキュー溝41が側面視してV字形に形成されている。
このように、スキュー溝41をロータ17の周面に設けた場合でも、前記第1実施形態と同様に電動機12の正転時に、ロータ17の回転によりキャビティ18内で掻き上げられて該キャビティ18の上方に運搬されるオイルは、キャビティ18の上側部分においてスキュー溝41の流動ガイド作用によって、機械式減速機13と反対側に向けて流出される。
従って、この実施形態の場合にあっても、運転時間頻度および回転速度が比較的高くなる電動機正転時に、電動機回転に比例して回転する機械式減速機13へのオイル掛かり量が大幅に減少し、特に高回転時の機械式減速機13の歯車等によるオイル撹拌抵抗(フリクション)を低減して、オイルの発熱量の低減効果が得られる。
このようなオイル発熱低減効果が発揮される一方で、前述のようにスキュー溝41は、その機械式減速機13側の側部のスキュー方向が逆向きとなっているため、ギャップ18からは機械式減速機13側にもオイルの一部が流出される。これにより、該機械式減速機13における歯車噛合部の潤滑に最低限必要とするオイル量を計画的に供給することが可能となり、例えば、高負荷運転時での歯車の潤滑,冷却性能を確保することができる。
以上の実施形態では、集中巻きコイル構造の電動機12を例示したが、分布巻きコイル構造の電動機を含めほぼ全ての電動機構造に適用することが可能である。また、機械式減速機13においてもステップドピニオン形式の遊星歯車機構等を用いているが平衡軸歯車,単純遊星歯車機構等の機械式減速機構を用いた減速機への適用が可能である。更に、インホイールモータユニットを例に説明したが、電動機および減速機を軸方向に並列配置した電動式駆動装置において適用することが可能である。

本発明に係る電動式駆動装置をインホイールモータユニットに適用した断面図。 図1の要部を示す拡大図。 本発明の第1実施形態におけるステータの正面図。 図3のA矢視図。 第1実施形態におけるスキュー溝の変形例を示す図4と同様の図。 本発明の第2実施形態におけるステータの正面図。 第2実施形態におけるキャップを正面図(A)と、底面図(B)とで示す説明図。 第2実施形態におけるキャップの変形例を正面図(A)と、底面図(B)とで示す説明図。 本発明の第3実施形態におけるステータの正面図。 本発明の第4実施形態におけるステータの正面図。 本発明の第5実施形態におけるロータの部分側面図。 オイルレベル低減効果を説明するグラフ。
符号の説明
10…電動式駆動装置
11…ハウジング
12…電動機
13…機械式減速機
15…第1オイル溜り部
16…ステータ
17…ロータ
18…ステータとロータとの対向面間のギャップ
19…ステータコア
19a…ティース部
19b…スロット溝
40,41…スキュー溝
42…第2オイル溜り部
50…キャップ
51…オイル供給口

Claims (9)

  1. ロータとステータとを備え、ロータの回転によりハウジング底部の第1オイル溜り部でロータとステータとの対向面間のギャップに満たされたオイルを掻き上げる電動機と、機械式減速機と、を前記ハウジング内に軸方向に略並列に配置した電動式駆動装置において、
    前記ロータとステータとの対向面の何れか一方に、ロータの正転時に前記ギャップ内で掻き上げられて上方に運搬されたオイルを前記機械式減速機と反対側に向けて進行させるスキュー溝を備えたことを特徴とする電動式駆動装置。
  2. 前記ハウジングは、その上側部で前記電動機を挟んで前記機械式減速機と反対側の部位に、前記スキュー溝から吐き出されるオイルをキャッチして、ロータ軸や減速機回転軸の回転支持部に供給する第2オイル溜り部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動式駆動装置。
  3. 前記スキュー溝が前記ステータ側に設けられ、前記第1オイル溜り部のオイルに浸漬する領域にあるスキュー溝の断面積をA、前記第2オイル溜り部の上方のオイル吐き出し領域にあるスキュー溝の断面積をA、これら領域の中間領域にあるスキュー溝の断面積をAとした場合に、A>A>Aの関係に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の電動式駆動装置。
  4. 前記ステータのティース部間のスロット溝の開口部には、これを閉塞するキャップがステータ内周面と面一に整合して取付けられ、該キャップの外面に前記スキュー溝が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電動式駆動装置。
  5. 前記ステータのティース部間のスロット溝の開口部には、これを閉塞するキャップがステータ内周面と面一に整合して取付けられ、各ティース部の周方向略中心部に前記スキュー溝が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電動式駆動装置。
  6. 前記ステータの前記第1オイル溜り部のオイルに浸漬される領域を除いて、該ステータのティース部間のスロット溝の開口部には、これを閉塞するキャップがステータ内周面と面一に整合して取付けられ、前記第2オイル溜り部の上方のオイル吐き出し領域にある前記キャップの外面に、前記スキュー溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電動式駆動装置。
  7. 前記キャップには、前記スキュー溝からステータのスロット溝に収納されたコイルにオイルを供給するオイル供給口が形成されていることを特徴とする請求項4または6に記載の電動式駆動装置。
  8. 前記スキュー溝は、その機械式減速機構側の側部が閉止されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の電動式駆動装置。
  9. 前記スキュー溝が前記ロータ側に設けられ、該スキュー溝の機械式減速機側の側部のスキュー方向が逆向きに形成され、該スキュー溝が側面視してV字形に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動式駆動装置。
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