JP2010123765A - 半導体装置、その製造方法及びその駆動方法 - Google Patents

半導体装置、その製造方法及びその駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カーボンナノチューブのような筒状形状半導体構造を導電層に用いた半導体装置では、電気特性におけるヒステリシスが大きく、ヒステリシスを低減することが困難である。
【解決手段】本発明の半導体装置は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層に接する導電層と、導電層を被覆し第1の絶縁層と接する部分を有する第2の絶縁層と、第1の絶縁層の導電層と反対側の面と接する第1の電極とを有し、導電層は離散して配置された半導体構造物を含み、第1の電極から生じる電界の、導電層の第1の絶縁層と接する面における電界強度をE、導電層の第2の絶縁層と接する面における電界強度をEとしたとき、E>E、かつ、E≠0である関係を満たすように第1の絶縁層および第2の絶縁層が構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置、その製造方法及びその駆動方法に係り、特にカーボンナノチューブ等の筒状形状半導体構造物を導電層に用いた電界効果トランジスタ、その製造方法及びその駆動方法に関する。
カーボンナノチューブ(以下、CNTと称する)は溶媒に分散させることが可能であることから、CNTを用いた半導体装置、例えばCNTをチャネル層に用いた電界効果トランジスタ(以下、CNT−FETと称する)などの作製には、塗布・印刷などによる製造方法を用いることが出来る。このため、巨大な真空装置が不要となり製造コストを大幅に抑制できる。また、高温での処理が不要となることから、プラスティック基板などを使用することができ、フレキシブルな表示装置などの作製が可能となる。
CNT−FETの一例が特許文献1に記載されている。図21に、特許文献1に記載されたCNT−FETの断面図を示す。ソース電極601とドレイン電極602の間のチャネル部をCNT605で形成している。ゲート電極603とCNT605はゲート絶縁層606を介して容量(コンデンサー)を構成し、ゲート電極603の電圧によってチャネル部の一部の電圧(あるいは電位、ポテンシャル)を変化させることができる。そしてチャネル部の電位を変化させることにより、チャネル部内の電荷濃度または電位障壁を変化させることができる。この結果、チャネル部内の電流量をゲート電圧によって制御することが可能となる。これは、一般的なシリコンを用いた電界効果トランジスタと同じ動作原理である。
チャネル部は一本のCNTから構成される場合に限らず、複数のCNTから構成され、一本のCNTでソースとドレイン間が電気的に接続されることがない場合もある。すなわちソースとドレイン間が直列に接続された複数のCNTによって電気的に接続された構成となる場合もある。
特許文献1に記載されたCNT−FETの製造方法では、まず(1)ゲート電極603として用いるシリコン基板を用意し、(2)シリコン基板の表面にゲート絶縁層606を形成し、(3)ゲート絶縁層606の表面にソース電極601とドレイン電極602を形成し、次に(4)ゲート絶縁層606の表面にチャネル部となるCNT605を、CNTが有機溶媒中に分散した分散溶液を敵下することにより形成することとしている。
一方、CNT−FETの電気特性には非常に大きなヒステリシスが生じることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。これは、ある一定の電圧をドレイン電極に印加した状態で、ゲート電圧Vを往復して掃引した場合(例えば、+V max→−V max→+V max)に、往路と復路におけるドレイン電流の値が異なる現象である。
関連するCNT−FETにおける典型的なヒステリシス特性を図22に示す。図中の矢印は、ゲート電圧を負側から正側に掃引した時のドレイン電流値が、逆向きに掃引した時のドレイン電流値よりも小さくなる向きをヒステリシスの向きとして示したものである。このヒステリシスが生じる現象は、シリコンを用いたMOSFETにおいては、一般的に絶縁層への電荷の注入によるものであると考えられている。CNT−FETの場合も同様に、電荷の注入によりヒステリシスが生じると考えられている(例えば、非特許文献1参照)。ここで本明細書では、ヒステリシスの幅を図22の図中に示したように、次のように定義して用いる。すなわち、ゲート電圧を負側から正側に掃引した時に、ドレイン電流の対数軸上の最大値と最小値の中点となる電流値をとる時のゲート電圧をV とし、正側から負側に掃引した時に、同じ電流値をとる時のゲート電圧をV とした時に、ヒステリシスの幅hをh=V −V と定義する。
ヒステリシスの幅は掃引するゲート電圧とともに増大することが知られている。例えば、ゲート電圧を±V maxの範囲で掃引した場合、ヒステリシスの幅がV maxと同程度の大きさになる場合がある。
このヒステリシスの存在はFETをスイッチング素子として動作させる場合に問題となる。すなわち、スイッチング素子としてのon状態とoff状態との境界となるゲート電圧(いわゆる閾値)が、ゲート電圧を+V max→−V maxの方向に変化させた場合と、−V max→+V maxの方向に変化させた場合とで異なることになるからである。このような電気特性を有する関連するCNT−FETは、実際の製品として、例えば集積化した場合に、安定した動作を実現することが困難である。
CNT−FETのヒステリシスを低減する試みがいくつか提案されている。例えば特許文献1では、高誘電率を有する材料をゲート絶縁層に用いた構造としている。また、シリコン酸化膜上にオクタデシルトリクロロシラン(octadecyltrichlorosilane)処理を行うこととしているものもある(例えば、非特許文献2参照)。
特開2008−071898号公報(段落「0022」、「0026」〜「0032」、図2) 「アプライド フィジックス レターズ(APPLIED PHYSICS LETTERS)」、(米国)、2006年、第89巻、p.162108 「アプライド フィジックス レターズ(APPLIED PHYSICS LETTERS)」、(米国)、2006年、第89巻、p.163123
上述した特許文献1に記載された半導体装置においては、大気中に設置された場合にはヒステリシスを低減することができないという問題があった。また非特許文献2に記載された半導体装置においては、製品化する場合には何らかの被覆が必要であり、被覆をした場合に電気特性に及ぼす影響が不明であるという問題があった。
本発明の目的は、上述した課題である半導体装置の電気特性におけるヒステリシスが大きく、ヒステリシスを低減することが困難である、という課題を解決する半導体装置、その製造方法及びその駆動方法を提供することにある。
本発明の半導体装置は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層に接する導電層と、導電層を被覆し第1の絶縁層と接する部分を有する第2の絶縁層と、第1の絶縁層の導電層と反対側の面と接する第1の電極とを有し、導電層は離散して配置された半導体構造物を含み、第1の電極から生じる電界の、導電層の第1の絶縁層と接する面における電界強度をE、導電層の第2の絶縁層と接する面における電界強度をEとしたとき、E>E、かつ、E≠0である関係を満たすように第1の絶縁層および第2の絶縁層が構成されている。
本発明の半導体装置の製造方法は、第1の絶縁層の上に、半導体構造物を離散して配置した領域を含む導電層を第1の絶縁層に接して形成し、導電層を被覆し、その一部が第1の絶縁層と接するように第2の絶縁層を形成し、第1の絶縁層の導電層と反対側の面に第1の電極を形成し、導電層を挟んで第1の電極と対抗する位置に第2の絶縁層と接して第2の電極を形成することからなり、第1の絶縁層および第2の絶縁層は、第1の絶縁層の厚さをT、誘電率をεとし、第2の絶縁層の厚さをT、誘電率をεとしたとき、T/(0.5×(ε+ε))<T/εである関係を満たすように形成する。
本発明の半導体装置の駆動方法は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層に接する導電層と、導電層を被覆し第1の絶縁層と接する部分を有する第2の絶縁層と、第1の絶縁層の導電層と反対側の面と接する第1の電極と、第2の絶縁層と接し、導電層を挟んで第1の電極と対抗する位置に配置された第2の電極と、導電層の一方の端部領域に配置された第3の電極と、導電層の他方の端部領域に配置された第4の電極とからなり、導電層は離散して配置された半導体構造物を含み、第1の電極から生じる電界の、導電層の第1の絶縁層と接する面における電界強度をE、導電層の第2の絶縁層と接する面における電界強度をEとしたとき、E1>E2、かつ、E2≠0である関係を満たすように第1の絶縁層および第2の絶縁層が構成された半導体装置に対して、第1の電極に入力信号を印加し、第3の電極と第4の電極の間に駆動電圧を印加し、第2の電極の電位を、第3の電極または第4の電極の一方と略同電位とする。
本発明の半導体装置は、電気特性におけるヒステリシスを低減することができるという効果を有する。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置100の断面図である。半導体装置100は、第1の絶縁層101と、第1の絶縁層に接する導電層102と、導電層102を被覆し第1の絶縁層101と接する部分を有する第2の絶縁層103と、第1の絶縁層101の導電層102と反対側の面と接する第1の電極104とを有する。導電層102はキャリア(電子または正孔)の移動方向の少なくとも一部に半導体構造物を含んでいる。そして半導体構造物はキャリアの移動方向以外では互いに離散して配置されている。ここで、導電層102を構成する半導体構造物の全てが互いに離散して配置される必要はなく、一部の領域で半導体構造物が離散して配置された構成であればよい。さらに第1の絶縁層101および第2の絶縁層103は次の条件を満たすように構成されている。すなわち、第1の電極104から生じる電界106の、導電層102の第1の絶縁層101と接する面における電界強度をE、導電層102の第2の絶縁層103と接する面における電界強度をEとしたとき、E>E、かつ、E≠0である関係を満たすように構成されている。
このような構成をとることにより、離散して配置された半導体構造物を被覆する第2の絶縁層における電荷の捕獲を抑制することができるので、本実施形態による半導体装置の電気特性におけるヒステリシスを低減することができる。
次に、本実施形態に係る発明の効果について、さらに詳細に説明する。以下では、導電層を構成する半導体構造物の一例として、筒状形状の一種である円筒形状を有するカーボンナノチューブ(CNT)を用いた場合について説明する。なお半導体構造物としては、この他に、シリコンナノワイヤー、またはシリコン・ゲルマニウム(Si/Ge)、ガリウム砒素(GaAs)などの化合物半導体ナノワイヤー、および酸化亜鉛(ZnO)などの酸化物半導体なども用いることができる。また、半導体装置100は、第1の電極104をゲート電極とし、導電層102の一方の端部領域に第3の電極としてソース電極を、他方の端部領域に第4の電極としてドレイン電極を備え、導電層を構成する半導体構造物をカーボンナノチューブ(CNT)105とした電界効果トランジスタ(CNT−FET)である場合について説明する。
まず、関連するCNT−FETにおいてヒステリシスの生じる機構を説明する。関連するCNT−FETにおいては、電荷がゲート絶縁層中(のトラップ)に捕獲され、その電荷による遮蔽電圧(V)によってチャネルに印加される実効的なポテンシャル(V)がゲート電圧の値(V)と異なることによってヒステリシスが生じると考えられる。図2に、このときの各電圧の関係を模式的に示す。絶縁層中に捕獲された電荷による遮蔽電圧(V)、チャネルに印加される実効的なポテンシャル(V)、電圧の値(V)の関係は
=V−V (1)
となる。
例えば、Vをゼロから+V maxまで増加させると、CNTチャネルからゲート絶縁層に向かって増大する電界によって、電荷(電子)がCNTチャネルからトンネルして絶縁層に注入される。この注入された電荷量(数)nによって、遮蔽電圧
=−en/C (2)
が生じる。ここで、eは単位電荷、CはCNTチャネルと絶縁層中のトラップとの間の容量である。
ここで、Vを+V maxまで増大させた後に、減少させる場合を考える。この場合、捕獲された電荷は、捕獲される時と同程度の大きさの逆向きの電界が与えられないと放出されない(ある時定数で自然に放出される確率はゼロではないが、放出には非常に時間を要する)。そのため、一度捕獲された電荷は、あるVの範囲で保持される。すなわち式(2)のVは保持されたままになる。このため、式(1)におけるVはVを変化させても、Vの分だけは変化しない。すなわちVで制御できない電圧が残ることになる。
逆に、Vを−V maxの方向まで減少させていく場合においても同様の状況となる。ただし、ある負のV値において捕獲されていた電子が放出され、正孔が捕獲される点で異なる。そのため、式(2)の符号は正になるが、電子が捕獲される時と同様に式(2)のVは保持されたままになる。したがって、この場合も式(1)におけるVはVを変化させても、Vの分だけは変化しない。すなわち、負のV領域においても、Vで制御できない電圧が残る。以上により、Vを±V maxに掃引した時にヒステリシスが生じることになる。
上述したように、電荷が捕獲されることによって遮蔽電圧Vが生じることが、ヒステリシスが生じる原因であることから、電荷が捕獲される確率を低減することによりヒステリシスを低減することができる。電荷が捕獲されるのは絶縁層を電荷がトンネルするためであるから、トンネル確率を低減させることが必要となる。トンネル確率はトンネルする障壁の高さと障壁の厚さに依存する。障壁の高さは材料の選択によって決定されるが、トンネルする障壁の厚さは障壁に印加される電界強度に依存し、電界強度が大きいほど障壁が薄くなりトンネル確率は増大する。したがって、CNTチャネルに印加される電界強度を低下させることにより、ヒステリシスを低減することができる。
ここで、デバイス構造におけるチャネル層の電界強度について説明する。シリコン材料を用いたFETに適用される平行平板構造の場合、電界強度Eはゲート絶縁層の膜厚をTとすれば
E=V/T (3)
となる。
一方CNT−FETの場合、CNTは円筒状の半導体構造物であることから平行平板構造とは電界分布は大きく異なる。円筒構造の場合、円筒とゲート絶縁層界面での電界強度の近似値は、一般的な電磁気学理論から
E=V/(d/2×ln(T−d/2)/(d/2)) (4)
と求まる。ここで、lnは自然対数、dは円筒の直径、Tは円筒からゲート電極までの距離(ゲート絶縁層の厚さに相当)である。
式(3)(4)より、典型的なCNTの直径を1nm、ゲート絶縁層の厚さTを100nmとすると、平行平板構造の場合に比べて円筒構造の場合には約40倍電界強度が強くなることがわかる。
図3は、このときの電界の様子を模式的に示したものである。図3(a)に示すように、円筒構造110の場合はゲート電極111からの電気力線112が円筒の周囲にすべて回り込むことが出来る。このため、例えば直径1nmの円筒の周囲(約3.14nm)にゲート電極からの電気力線が全て集中してしまう。すなわち、CNTのゲート電極111に対面しない面にかかる電界強度をEとすると、E≠0となるのが円筒構造の特徴である。
それに対して平行平板構造120の場合は、図3(b)に示すように、電気力線122がゲート電極121と対向する電極(チャネル層)の裏側に回り込むことはない。すなわち、対向する電極(チャネル層)の裏面における電界強度をEとすると、平行平板構造では必ずE=0となる。つまり、平行平板構造では、どちらか一方の電極に電気力線が集中することはなく、電界強度は対向する二つの電極間距離にだけ依存する(式(3))。したがって、平行平板構造で記述されるシリコン材料を用いたMOSFETと比較して、円筒構造のCNT−FETではヒステリシスがより顕著に生じることとなる。
上述したように、ヒステリシスが生じる原因となる電荷が絶縁層をトンネルする確率を低減させるためには、チャネルにおける電界強度を低減させる必要がある。しかしCNTチャネルにおける電界強度を低減させると、CNTチャネルに誘起される電荷量も減少する。これは、CNT−FETにおけるドレイン電流も減少することを意味する。しかし、本実施形態によるCNT−FETは、CNTチャネルのゲート電極側の面における電界強度Eが、それと反対側の面(ゲート電極に対面しない面)における電界強度Eよりも大きくなるように絶縁層が構成されている。したがって、CNTチャネルに誘起される電荷の低減を避けながら、チャネルと絶縁層との界面における電界強度を低減させることができる。すなわち、チャネルのゲート電極側の界面での電界強度は維持したまま、ゲート電極とは反対側の面における電界強度を低減させることができる。これにより、ドレイン電流の減少を招くことなくヒステリシスを低減することができる。また、本実施形態によるCNT−FETでは、第1の絶縁層101および第2の絶縁層103としてFET構造のゲート絶縁層に慣用されているシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などを使用することができ、特殊な被覆層を必要としないので、実際の製品に適用可能なデバイス構造でヒステリシスを低減することができる。
次に、導電層(チャネル)における電界強度について、さらに詳細に説明する。ヒステリシスの原因となるトンネル電流密度Jの大きさは、Fowler−Nordheim近似を用いて、
J=aEexp(−b/E) (5)
と表すことができる。ここでa、bは定数、Eは電界強度である。bの値は1〜25V/m程度である。ヒステリシスの原因となるトラップされた電荷数(式(2)中のn)は式(5)の注入電流Jの時間積分であるから、両者はほぼ比例する。ここで、トンネル電流密度が一桁以上低減していれば、絶縁層に捕獲された電荷がデバイス特性に及ぼす影響は無視することができる。CNTに均等に電界がかかっているときのCNT表面における電界強度をEとし、そのときのトンネル電流密度をJとすると、トンネル電柱密度の大きさがJの10分の1以下となるためには、式(5)から、その時の電界強度EがEの約0.6倍以下であればよいことがわかる。したがって、本実施形態によるCNT−FETにおいて、CNTのゲート電極側の絶縁層と接する面における電界強度をE、反対側の絶縁層と接する面における電界強度をEとすると、EはEの0.6倍以下とすることが望ましい。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置200の断面図である。半導体装置200は、第1の絶縁層201と、第1の絶縁層に接する導電層202と、導電層202を被覆し第1の絶縁層201と接する部分を有する第2の絶縁層203と、第1の絶縁層201の導電層202と反対側の面と接する第1の電極204とからなる。導電層202は離散して配置された半導体構造物を含み、本実施形態では円筒形状の半導体構造物が図4の紙面に垂直な方向に配列された構造とした。円筒形状の半導体構造物としては、例えばカーボンナノチューブ(CNT)205を好適に用いることができる。ここで第1の絶縁層201および第2の絶縁層203は次の条件を満たすように構成されている。すなわち、第1の絶縁層201の誘電率をε、第2の絶縁層203の誘電率をεとしたとき、ε/ε≧5である関係を満たすように構成されている。
図5に、第1の絶縁層201の誘電率εと第2の絶縁層203の誘電率εとの比ε/εの変化に対する、CNTにおける電界強度の比E/Eの変化を電磁気学理論から求めた結果を示す。ここで、Eは、第1の電極204から生じる電界206の、CNT205の第1の絶縁層201と接する面における電界強度であり、EはCNTの第2の絶縁層203と接する面における電界強度である。この図から、ε/εの値を5より大きくすることによって、CNTにおける電界強度の比E/Eを0.6より小さくすることができることがわかる。このとき、式(5)より、ヒステリシスの原因となるトラップされた電荷数に比例するトンネル電流密度は一桁以上低減する。以上より、本実施形態による半導体装置200においては、第2の絶縁層に捕獲された電荷がデバイス特性に及ぼす影響を無視することができるので、ヒステリシスを低減することができる。
図6に、本実施形態による、カーボンナノチューブ(CNT)205を導電層に用いた電界効果トランジスタ(CNT−FET)210の断面図を示す。ここで、CNT−FET210は、基板211の上に、第1の電極であるゲート電極212と、第1の絶縁層201と、導電層202であるCNT205と、第2の絶縁層203とを有し、さらに導電層202の一方の端部領域に第3の電極としてソース電極213を、他方の端部領域に第4の電極としてドレイン電極214を備える。図6では、ゲート電極212の長さがCNTチャネル205の長さより短い場合について記載したが、これに限らず、CNTチャネル205とソース・ドレイン電極の接合部を被覆するようにゲート電極212を配置することとしてもよい。すなわち、CNT−FETのゲート長とチャネル長の長さ関係にかかわらず、ゲート絶縁層を介してゲート電極と対向する位置にCNTが配置された構成であれば、本発明による効果が得られる。
図7は、図6のチャネル部分の拡大図であり、ソース電極とドレイン電極を結ぶ直線(チャネル長方向)と直交する面で切断した断面図である。図7では、CNTをソース電極とドレイン電極を結ぶ直線に直交する方向に互いに離間して複数形成した場合を示す。ここで、第1の絶縁層201であるゲート絶縁層には例えばシリコン酸化膜を用いることができる。この場合には、第2の絶縁層203としてシリコン酸化膜よりも高い誘電率を有するハフニウムオキサイド、ジリコニユムオキサイド、チタン酸バリウムなどを用いることによって、ε/ε≧5である関係を満たすように構成することができる。
図7では、各CNTが整然と配列している場合を示したが、これに限らず、個々のCNTは乱雑に配置されている場合であっても、各CNTが連結されてチャネル長方向に沿って延在している領域が存在すればよい。したがって、各CNTの向きや位置の制御が困難な形成方法、例えばスピンコート、滴下、ディッピングなどの形成方法を用いることができる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置300の断面図である。半導体装置300は、第1の絶縁層301と、第1の絶縁層に接する導電層302と、導電層302を被覆し第1の絶縁層301と接する部分を有する第2の絶縁層303と、第1の絶縁層301の導電層302と反対側の面と接する第1の電極304と、第2の絶縁層303と接し、導電層302を挟んで第1の電極304と対抗する位置に配置された第2の電極306とからなる。導電層302は離散して配置された半導体構造物を含み、本実施形態では円筒形状の半導体構造物が図8の紙面に垂直な方向に配列された構造とした。円筒形状の半導体構造物としては、例えばカーボンナノチューブ(CNT)305を好適に用いることができる。ここで第1の絶縁層301および第2の絶縁層303は次の条件を満たすように構成されている。すなわち、第1の絶縁層301の厚さをT、誘電率をεとし、第2の絶縁層303の厚さをT、誘電率をεとしたとき、
/(0.5×(ε+ε))<T/ε
である関係を満たすように構成されている。
図9(a)は、本実施形態による半導体装置300における電界の様子を模式的に示したものである。導電層としてのCNTチャネル305を挟み、第1の電極であるゲート電極311と反対側に第2の電極として補助電極312が配置される。ここで、ゲート電極311からの電気力線313の一部は、CNTチャネル305においてゲート電極311と対向する面の反対側に回り込むことなく、補助電極312によって終端される。これにより、CNTチャネル305を挟んでゲート電極311の反対側に位置する第2の絶縁層とCNTチャネル305との界面における電界強度を低減することができる。一方、ゲート電極311側に位置する第1の絶縁層とCNTチャネル305との界面における電界強度はほとんど変化しない。したがって、CNTチャネルに誘起される電荷量の顕著な低下を抑制しながら、第2の絶縁層とCNTチャネル305との界面における電界強度を低減することができる。これにより、本実施形態による半導体装置によれば、ドレイン電流の減少を招くことなくヒステリシスを低減することができる。
一方、平行平板構造で記述されるシリコン、ポリシリコン、またはアモルファスシリコンなどをチャネル層に用いたFET構造においても、ゲート電極とは別に補助電極を用いた構造が知られている(例えば特開平5−343689号公報)。しかし、図9(b)に示すように、平行平板構造320において補助電極322を配置した構造としても、ゲート電極321と対向する面の反対側に配置された絶縁層とチャネル層324との界面において、ゲート電極321による電界が変化することはない。なぜなら、ゲート電極321からの電気力線323は平板状のチャネル層324を貫通することはなく、必ずチャネル層324で終端されるからである。
以上より、本実施形態に係る発明によれば、平行平板構造の半導体装置では得られない効果、すなわち、導電層が離散して配置された半導体構造物を含み、導電層を挟んで第1の電極と対抗する位置に第2の電極をさらに備えた構成としたことによる特有の効果が得られる。
次に、導電層(チャネル)における電界強度について、さらに詳細に説明する。ゲート電極からの電界強度はゲート絶縁層の厚さと誘電率に依存する。したがって、ゲート電極からの電界強度に応じて補助電極を適切に配置することにより、ヒステリシスをさらに低減することができる。図8に示すように、CNTチャネル305とゲート電極304との間の第1の絶縁層の厚さをT、誘電率をε、CNTチャネル305と第2の電極である補助電極306の間の第2の絶縁層の厚さをT、誘電率をεとする。
図10は、ゲート電極と反対側の第2の絶縁層の厚さTを第1の絶縁層の厚さTとの比で表した場合の、CNTチャネルと第2の絶縁層との界面における電界強度Eをプロットしたものである。電界強度Eは補助電極が存在しない場合の電界強度をEとして規格化してある。また補助電極の電位はゼロとした。
図10より、第2の絶縁層の厚さTが大きい時、界面における電界強度はEに漸近することがわかる。すなわち、補助電極が存在しない場合の電界強度に近づく。一方、Tがゼロに近づくにつれて、電界強度Eもゼロに近づくことがわかる。したがって、TとTの値によって、CNTチャネルと第2の絶縁層との界面における電界強度Eを制御することができる。
ここで、第1の実施形態で説明したように、絶縁層に捕獲された電荷がデバイス特性に及ぼす影響を無視できる程度にするためには、第2の絶縁層と接する面における電界強度Eは、補助電極が存在しない場合の電界強度Eの0.6倍以下とすることが望ましい。この時のT/Tの大きさは、図10から
/T<1 (6)
あるいは
<T (7)
となる。
なお、平行平板構造の場合は、常にE=0であるから(図10中の点線)、絶縁層の厚さによって最適化を図ることはできない。
式(6)(7)は、第1の絶縁層と第2の絶縁層が同じ材質から構成される場合を示すが、ゲート側の第1の絶縁層と補助電極側の第2の絶縁層が異なる材質から構成される場合であってもよい。この場合には、第1の絶縁層の誘電率をε、第2の絶縁層の誘電率をεとすると、
/(0.5×(ε+ε))<T/ε (8)
となる。補助電極へ向かう電気力線は誘電率がそれぞれεとεである二種の絶縁層を通ることから、式(10)では、それらの平均値(ε+ε)/2を用いた。
本実施形態による半導体装置においても、FET構造の絶縁層に慣用されているシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などを第1の絶縁層および第2の絶縁層に使用することができ、特殊な被覆層を必要としないので、実際の製品に適用可能なデバイス構造でヒステリシスを低減することができる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図11に、本実施形態による、カーボンナノチューブ(CNT)405を導電層に用いた電界効果トランジスタ(CNT−FET)400の断面図を示す。ここで、CNT−FET400は、ゲートとなる基板411の裏面に形成された第1の電極であるゲート電極412と、第1の絶縁層401と、導電層402であるCNT405と、第2の絶縁層である保護層403と、第2の電極である補助電極415を有し、さらに導電層402の一方の端部領域に第3の電極としてソース電極413を、他方の端部領域に第4の電極としてドレイン電極414を備える。
基板411にはドープされたシリコン基板を用いることができる。本実施形態では、ドーパントがアンチモンであり、抵抗率が約0.02Ω・cmであるn型のシリコン基板を用いた。第1の絶縁層401として膜厚約200nmのシリコン窒化膜を形成した。ここでTは約200nm、εは約7.5である。第1の絶縁層401の上にCNTチャネル405を形成した。素子領域以外のCNTは除去され、隣接する素子間での電気的な干渉がないように配置される。本実施形態では、CNTの密度は約24μm−2とした。CNTチャネル405の上部に保護層403として厚さ約100nmのSiO膜が形成されている。ここで、Tは約100nm、εは約3.9である。このような構成とすることにより、式(8)の左辺であるT/(0.5×(ε+ε))の値は約17.5、右辺であるT/εの値は約26.7となることから、式(8)が充足されることがわかる。
CNTチャネル405の上から、ソース電極413およびドレイン電極414を形成する。本実施形態では、電極間の長さ(チャネル長)は約30μm、チャネル幅は約300μmとした。
保護層403の上に補助電極415が配置される。本実施形態では、補助電極415のソース−ドレイン方向(チャネル長の方向)の長さは約10μm、その垂直方向(チャネル幅の方向)の幅は約350μm、厚さは約100nmとした。ここで、補助電極415はソース電極413と同電位にするのが望ましい。ソース電極413は接地電位等の基準電位に接続されるので、電気力線が確実に終端されるからである。
図12に、補助電極415とソース電極413が同電位となる構成としたCNT−FET410の断面図を示す。図12から明らかなように、補助電極415がソース電極413上で接触するように構成されている。この場合、補助電極415とソース電極413のパターニングを同時に行い、両者を一体化して形成できるので、製造工程の増加を招くことなくCNT−FET410を形成することができる。
図13は、図11のチャネル部分の拡大図であり、ソース電極とドレイン電極を結ぶ直線と直交する面で切断した断面図である。図13では、CNTをソース電極とドレイン電極を結ぶ直線(チャネル長の方向)に直交する方向に互いに離間して複数形成した場合を示す。このとき、第1の電極であるゲート電極412と第2の電極である補助電極415との間に、導電層であるCNT405を含む領域と、CNT405を含まない領域が形成される。このCNT405を含まない領域を含む構成とすることにより、CNT−FET400が平行平板構造となることを回避することができる。
上記構成となる具体的な条件は、一般的な電磁気学理論により定まるポテンシャル分布から求まる。すなわち、単一のCNTを形成した場合には、CNTの直径dとゲート絶縁層の厚さTとの比が20以上であることが望ましい。すなわち
/d>20 (9)
となるとき、ポテンシャル分布は円筒形状を反映した分布が支配的となる。
一方、複数のCNTが形成された構成の場合は、式(9)の条件に加えてCNT相互の平均距離DがCNTの直径dよりも十分大きいことが望ましい。すなわち
D/d>30 (10)
の条件を合わせて充足するときに、個々のCNTを取り巻くポテンシャル分布は、円筒形状を反映した分布が支配的となる。
図14に、本実施形態によるCNT−FET400の電気特性を示す。横軸はゲート電圧、縦軸はドレイン電流である。図14(a)は補助電極が形成されていない場合の比較例であり、(b)は本実施形態により補助電極が形成され、開放状態(補助電極がいわゆるフロート電位)である場合、(c)はさらに補助電極をソース電極と同電位にした場合である。(a)の場合には、ヒステリシスの幅hの平均値は3.22Vであったのに対し、(b)の場合には平均値は2.78V、(c)の場合には平均値は1.35Vとなり、本発明によりヒステリシス幅を顕著に低減することができた。なお、ヒステリシスの幅hは、背景技術で説明した定義により求めた。
本実施形態によるCNT−FET400、410においては、CNTはp型あるいはn型にドーピングされたものであってもよい。また、ゲート電極412の材料には、金、白金、アルミニウム、チタン、ドーピングしたポリシリコン、銅、タンタル、タングステン、ニオブ、モリブデンなどを用いることができる。ソース電極413、ドレイン電極414には、金、白金、パラジウム、アルミニウム、チタン、ドーピングしたポリシリコン、マグネシウム、カルシウム、鉄、ニッケル、コバルトなどを用いことができる。マグネシウム、カルシウムなどの酸化しやすい材料は、その表面をアルミニウムなどの保護層で覆うことが望ましい。ソース電極およびドレイン電極に接するCNTがp型の場合は、金、白金、パラジウムなどを用いるとショトキー障壁が低くなるので、より望ましい。ソース電極およびドレイン電極に接するCNTがn型の場合は、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムなどを用いるとショトキー障壁が低くなるので、より望ましい。
CNT−FET400、410において、ソース電極およびドレイン電極の配置位置は、必ずしもゲート電極に対して対称でなくてもよい。ソース−ドレイン間の耐圧を高くする必要がある場合には、ゲート−ドレイン間の距離をゲート−ソース間の距離よりも大きく(長く)配置することが望ましい。例えば、ゲート−ドレイン間隔をゲート−ソース間隔の二倍にすることができる。
本実施形態によるCNT−FET400、410においては、基板、CNTチャネル、ソース電極およびドレイン電極の順に配置することとしたが、これに限らず、基板の上にソース電極およびドレイン電極を配置し、その上にCNTチャネルを配置した構成としてもよい。すなわち、基板を下側とした時に、CNTチャネルがソース電極およびドレイン電極の上側に位置する構成としても良い。この場合には、CNTチャネル以外の構造をリソグラフィ技術などを用いて製造した後に、CNTチャネルのみを印刷技術または塗布技術により形成することができるので、製造工程の簡略化、低コスト化を図ることができる。
また、補助電極415をゲート電極として用い、基板411および裏面のゲート電極412を補助電極とし、補助電極としての基板411をソース電極413と同電位にすることにより、隣り合うトランジスタ同士でゲート電極を独立にすることができる。この構成により、同一の基板上で複数のトランジスタを動作させることができる。ただし、この場合にも、各絶縁層の膜厚が式(7)または(8)の関係を満たす必要がある。
次に、本実施形態によるCNT−FET400の製造方法を説明する。図15は、CNT−FET400の製造方法を説明するための断面工程図である。
まず、図15(a)に示すように、シリコン基板411の裏面にゲート電極412を蒸着により形成する。ゲート電極の材料として本実施形態では、Al(約50nm)/Au(約50nm)からなる積層構造を用いた。シリコン基板と接する面にAlを形成すると密着性が良くなるからである。シリコン基板411の表面側にはシリコン窒化膜401を約200nm形成した。成膜にプラズマCVD法を用いると良好な膜質が得られる。シリコン窒化膜401の上にスピンコート法を用いてCNTを塗布し、CNTチャネル405を形成する。このスピンコート工程において、チャネルを形成するCNTの密度を制御することができる。すなわち、スピンコートによるCNTの密度はスピンコートの総回数にほぼ比例するので、あらかじめスピンコート一回当たりのCNT密度をAFM(原子間力顕微鏡:Atomic Force Microscope)を用いた観察から求めておくことにより制御することができる。このとき、CNT溶液の濃度によってスピンコートの回数を数回から10回程度まで数段階に分けて準備し、AFM観察からCNT密度を計測することとすれば、より正確に制御することができる。CNTの密度は基板表面の状態にも依存するが、例えば、濃度約3ppmのCNTジクロロエタン溶液では、一回のスピンコートによってCNT密度が約1本/μmのCNT膜が形成される。本実施形態では、このジクロロエタン溶液を用いて24回の塗布(スピンコート)を繰り返した。
CNTチャネルの形成方法には、スピンコート法のほかに、インクジェット法、ディスペンサー(注射器)法、ディッピング(引き上げ法)法などがある。
インクジェット法を用いる場合においてもスピンコート法と同様に、あらかじめ吐出量を測定し、微量の吐出量を吹き付けて形成したCNT膜をAFMで観察することにより密度を求めておく。この場合も異なる吐出量について測定しておくと精度が向上する。AFM観察で一回の吐出によるCNT膜のCNT密度を測定し、吹き付けた範囲を光学顕微鏡または電子顕微鏡で計測することにより総CNT本数を算出する。この工程により一回の吐出時のCNT本数が求められる。以上より、吐出回数を調整することによって、所望のCNT密度のCNTチャネルを形成することができる。
ディスペンサー法を用いる場合にもインクジェットと同様に、一回の吐出量によるCNT本数をあらかじめ算出しておくことにより、CNT密度を制御することができる。
また、ディッピング(引き上げ法)法を用いる場合も、一回の引き上げで基板上に付着するCNT密度を同様に計測しておき、素子サイズ(面積)を乗じて一回の引き上げ毎のCNT本数を算出しておけばよい。
次に図15(b)に示すように、CNTチャネル405の上に厚さ約100nmのSiO膜からなる保護層403を形成し、CNTチャネル405の全面を被覆する。成膜には例えば熱CVD法を用いることができる。本実施形態では、窒素をキャリアガスとし、モノシランと酸素の混合ガスを用いた熱CVD法により、基板温度約400℃以下で成膜を行った。
図15(c)に示す素子分離工程は、チャネルとなる領域をフォトレジストで覆い、それ以外の保護層403を例えば緩衝フッ化水素酸液などを用いて除去することにより行う。その後、チャネル領域以外の領域に露出したCNT膜を、酸素アッシングなどにより除去する。
次に図15(d)に示すように、ソース電極413、ドレイン電極414を形成するための窓開けを行なう。窓開けは、一般的なリソグラフィを用いてパターニングし、保護層403の上からコンタクト領域を形成することにより行う。
続いて図15(e)に示すように、ソース電極413、ドレイン電極414を形成する。本実施形態では、厚さ約50nmの金(Au)を蒸着することにより形成した。この電極形成には、リフトオフ法を用いることができる。すなわち、まずソース電極、ドレイン電極を形成する領域のレジストが除去されたレジストパターンをリソグラフィ法により形成する。その上に蒸着法など異方性の強い成膜法を用いて金(Au)を成膜する。その後、レジストを溶解する溶剤で不要な金(Au)をレジストと共に除去しパターンを形成する。
最後に図15(f)に示すように、保護層403の上に補助電極415を形成することによりCNT−FET400が完成する。本実施形態では、厚さ約50nmの金(Au)を蒸着し、リソグラフィ技術とリフトオフ法を用いてパターニングすることにより補助電極415を形成した。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図16に、本実施形態によるカーボンナノチューブ(CNT)膜505を導電層に用いた電界効果トランジスタ(CNT−FET)500の断面図を示す。基本的な構造は第4の実施形態によるCNT−FET400と同様である。本実施形態では、基板511として厚さ約200μmのポリ・エチレン・ナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)を用いた。CNT−FET500は、導電層502であるCNTチャネル505、その両端に接して構成されたソース電極513およびドレイン電極514、ソース電極とドレイン電極の間に延在するCNTチャネル領域に形成されたゲート絶縁層501、およびゲート絶縁層501に接して構成されたゲート電極512からなる。ここで、ソース電極とドレイン電極の間隔(チャネル長)は約150μm、チャネル幅は約500μmとした。
PEN基板511上に厚さ約1μmの銀(Ag)からなるゲート電極512を形成し、その上にゲート絶縁層501として、熱CVD法で形成した厚さ約0.5μmのパリレン(ポリパラキシリレン)膜を形成した。ゲート電極512のチャネル長方向に沿った長さは約100μmとした。
ゲート絶縁層501の上にCNTチャネル505を形成する。ソース電極513およびドレイン電極514には厚さ約0.5μmの銀を用いた。ソース電極とドレイン電極の間隔は約300μmとした。ソース電極端(またはドレイン電極端)とゲート電極512との間の距離は約10μmである。
CNTチャネル505の上に、第2の絶縁膜である保護層503として厚さ約0.2μmのパリレン膜を形成する。保護層503は補助電極515とCNTチャネル505との絶縁を保つとともに、水分や空気中の酸素などによるトランジスタ特性の変化を防止する効果がある。保護層503の上に補助電極515として厚さ約0.5μmの銀(Ag)を形成する。
ここで、CNTはp型またはn型にドーピングしたものであってもよい。また、図17に示すように、ソース領域またはドレイン領域とCNTチャネルが接触する部分(それぞれ領域1、2という)、およびゲート絶縁層501を介してゲート電極512と対向する領域を含むCNTチャネルの部分(領域3という)を相補的にドーピングすることとしてもよい。例えば、領域1、2はp型と、領域3はn型とすることができる。相補的にドーピングされたチャネル構成とすることによって、ゲート電圧が印加されない時にドレイン電流をゼロにすることができる。すなわちMOS−FETにおけるいわゆるデプレッション型の動作が実現できる。
図18に、補助電極515とソース電極513が同電位となる構成としたCNT−FET510の断面図を示す。図18から明らかなように、補助電極515がソース電極513上で接触するように構成されている。このような構成は製造工程時において、ソース電極513の上面が露出するように保護層503に窓部を開口することによって形成することができる。また、ゲート電極512と補助電極515の形状に関し、ソース−ドレイン方向(チャネル長方向)の長さが等しいか、または補助電極515の方を長く形成することが望ましい。同様に補助電極515のチャネル幅方向の長さ、つまり幅もゲート電極512の幅と等しいか、大きい方が望ましい。これは、ゲート電極512からの電気力線を確実に終端させるためである。
上記実施形態では基板側にゲート電極を設けた構成を示したが、これに限らず、基板側に補助電極を設けた構成とすることもできる。図19に、基板521側に補助電極525を設け、補助電極525とソース電極523が同電位となる構成としたCNT−FET520の断面図を示す。図19に示すように、CNT−FET520は補助電極525がソース電極523の下まで延伸しており、保護層503が開口部を有する構成となっている。すなわち、ソース電極523の基板521側の保護層503の一部が除去された構造であり、ソース電極523と補助電極525が直接接触している。この場合、ソース電極523の厚さは、保護層503の段差を乗り越えるために保護層503の厚さよりも厚くすることが望ましい。ソース電極523の厚さとしては、例えば保護層503の3倍以上であれば段切れによる断線は回避できる。また、図19に示すように、基板521の上に基板絶縁層526を形成し、基板521を保護することとしてもよい。
本実施形態によるCNT−FET500、510、520においては、基板としてシリコン基板、ガラス基板、絶縁層で保護されたステンレス鋼などを用いてもよい。
また、ゲート絶縁層としてシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、アルミ酸化膜、またはチタン酸化物、ハフニア(ハフニウム酸化物)、ジルコニア(ジルコニウム酸化物)などの高誘電率材料などを用いることができる。また、ポリイミド、フォトレジスト、PMMAなどのアクリル樹脂、ポリカーボネートなど有機材料膜を用いることとしてもよい。
次に、本実施形態によるCNT−FET500の製造方法を説明する。図20は、CNT−FET500の製造方法を説明するための断面工程図である。
まず図20(a)に示すように、PEN基板511上にゲート電極512を形成する。本実施形態ではゲート電極材料は銀(Ag)とし、銀ペーストインクを用いてディスペンサーと注射器またはインクジェット印刷により形成した。ゲート電極パターンを形成後に、銀粒子間に含まれる添加物を除去するため、大気中において約180℃で加熱処理を行った。これに限らず、スパッタ(または蒸着)法を用いてゲート電極材料を基板511上の全面に成膜した後にリソグラフィ法を用いてパターン形成し、ウェットエッチングによりゲート電極512を形成することとしてもよい。このとき、ゲート電極材料としてアルミニウムを用いれば、一般的なエッチャント、例えばリン酸、硝酸、酢酸、水からなる混合液を使用することができる。また、光リソグラフィで用いるポジレジストのアルカリ現像液もエッチャントとして使用できる。なお、銀(Ag)も一般に用いられるエッチャントでエッチングできるので、ウェットエッチングによっても電極パターンを形成することができる。
次に図20(b)に示すように、ゲート絶縁層501としてパリレン膜を約0.5μmの厚さで成膜した。成膜にはジパラキシリレンモノマーを原料とした蒸着法を用いた。これに限らず、シリコン窒化膜をスパッタ法により形成することとしてもよい。例えば、スパッタ条件としてターゲット材料は窒化シリコンとし、プラズマガスにアルゴンガスを用い、圧力は約2パスカルとして、膜厚が約0.5μmのシリコン窒化膜を形成することとしてもよい。また、ポリイミドを滴下または塗布することによりゲート絶縁層501を形成することとしてもよい。この場合も膜厚は約0.5μmとすることができる。
次に図20(c)に示すように、CNT膜505を形成する。本実施形態では、ディスペンサーと注射器を用いてチャネル部分にのみCNT溶液を滴下し、その後に乾燥する方法により形成した。溶媒にはジクロロエタンを用い、重量比で約1〜100ppm程度の濃度に調整した。ディスペンサーと注射器を用いて、このCNT溶液を約40マイクロリットル滴下した後に、自然乾燥させた。基板の表面状態に応じてCNT膜におけるCNTの密度は異なるが、1〜5回の滴下工程で、約1本/μm程度の密度となった。滴下工程の回数によって、CNT膜におけるCNTの密度を調整することができる。CNT溶液の作製は、水に界面活性剤と共にCNTを混入し、撹拌・超音波処理により分散させることとしてもよい。また、インクジェット印刷機で印刷することによりCNT膜を形成することもできる。これらのような局所的に滴下する形成方法を用いた場合は、チャネル領域以外の不要となるCNT膜を除去する工程が不要となる。
CNT膜505の形成方法はこれに限らず、スピンコート法で形成することとしてもよい。まずCNTをジクロロエタン溶媒中に分散し、重量比で約10−6程度の濃度に調整する。スピンコートは、基板上に希釈超音波分散したCNT溶液を約40マイクロリットル滴下した後に、例えば基板を約800rpmで約10秒間回転させることにより行う。基板の表面状態に応じてCNTの密度は異なるが、4〜5回のスピンコート工程で、約0.6本/μm程度のCNT密度になる。スピンコート工程の回数によって、CNTの密度を調整することができる。隣接する素子との分離を図るため、基板全面に塗布されたCNT膜のうち、チャネル領域となる部分以外の不要なCNT膜を除去する。このCNT膜を部分的に除去する工程には、通常のリソグラフィ法を用いることができる。すなわち、アッシング時のマスクとしてシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜をスパッタ法で形成し、光リソグラフィ法によりパターン形成し、ドライエッチングでチャネル部分以外のシリコン窒化膜を除去する。その後、酸素アッシングによりCNT膜を除去する。
CNT膜を部分的に除去する工程には、リフトオフ法を用いてもよい。すなわち、チャネルとなる部分のレジストのみが除去されたレジストパターンをリソグラフィ法で形成し、その後にCNT膜をスピンコートにより塗布する。その後、チャネル領域以外の不要なCNT膜を、レジスト溶剤でレジストと共に除去することとしてもよい。
さらに、CNT溶液に基板を浸した後に引き上げ、乾燥することによりCNT膜を形成することとしてもよい。この場合も基板全面にCNT膜が付着するため、CNT膜を部分的に除去する工程が必要となる。
その後、図20(d)に示すように、ソース電極513、ドレイン電極514を形成する。本実施形態では、電極材料は銀(Ag)とし、銀ペーストインクを用いてディスペンサーと注射器またはインクジェット印刷により形成した。電極パターンの形成後に銀粒子間に含まれる添加物を除去するため、大気中において約180℃で加熱処理を施した。この時の温度は、銀ペーストの架橋を促進するため、基板が耐え得る最も高い温度で行うのが望ましい。
ソース電極、ドレイン電極の形成はこれに限らず、光リソグラフィ法によりフォトレジストをパターン状に形成し、蒸着法で金を成膜した後、リフトオフ法で不要な部分を除去することにより形成することとしてもよい。また、通常の半導体装置の製造方法で一般的に使用されている技術を用いこともできる。例えば、電極材料となる金属をゲート絶縁層501の全面に成膜し、その後にリソグラフィ法を用いてパターン形成したレジスト膜をマスクとしてエッチングすることにより、ソース電極、ドレイン電極を形成することができる。
なお、上述のCNT膜を形成する工程とソース電極、ドレイン電極を形成する工程の順番を入れ替えて、ソース電極およびドレイン電極上にCNT膜を形成することとしてもよい。
次に、図20(e)に示すように、保護膜503を形成する。本実施形態では、保護膜503としてパリレン膜を用い、ジパラキシリレンモノマーを原料した蒸着法により成膜した。これに限らず、スパッタ法を用いてシリコン窒化膜を成膜することとしてもよい。
なお、ゲート絶縁層および保護膜の成膜には、上述した製造方法以外であっても、半導体装置の製造工程で一般的に用いられている蒸着法、熱気相成長法、有機絶縁層を加熱・活性化し堆積する方法などを用いることができる。
最後に、図20(f)に示すように、補助電極515を形成することにより本実施形態によるCNT−FET500が完成する。
上述した本発明の各実施形態におけるFETのチャネルとゲート電極および補助電極の構造は、チャネル材料がCNTの場合に限定されるものではない。チャネルに筒状形状の半導体構造物として、例えばナノワイヤーを用いた場合であっても、本発明の効果が得られる。
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
本発明による半導体装置は、特に、表示装置の駆動回路におけるトランジスタ、論理回路中の演算素子としてのトランジスタなどに適用できる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図 関連するCNT−FETにおける各電圧の関係を模式的に示した概略図 デバイス構造におけるチャネル層の電界の様子を模式的に示した概略図 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面図 絶縁層の誘電率の比とCNTにおける電界強度の比の関係を示す特性図 本発明の第2の実施形態に係るCNT−FETの断面図 図6のチャネル部分の拡大図 本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の断面図 デバイス構造におけるチャネル層の電界の様子を模式的に示した概略図 絶縁層の厚さの比とCNTチャネル界面における電界強度との関係を示す特性図 本発明の第4の実施形態に係るCNT−FETの断面図 本発明の第4の実施形態に係る別のCNT−FETの断面図 図11のチャネル部分の拡大図 本発明の第4の実施形態に係るCNT−FETの電気特性を示す特性図 本発明の第4の実施形態に係るCNT−FETの製造方法を説明するための断面工程図 本発明の第5の実施形態に係るCNT−FETの断面図 本発明の第5の実施形態に係る別のCNT−FETの断面図 本発明の第5の実施形態に係るさらに別のCNT−FETの断面図 本発明の第5の実施形態に係る基板側に補助電極を設けたCNT−FETの断面図 本発明の第5の実施形態に係るCNT−FETの製造方法を説明するための断面工程図 本発明に関連するCNT−FETの断面図 本発明に関連するCNT−FETにおける典型的なヒステリシス特性を示す特性図
符号の説明
100 本発明の第1の実施形態に係る半導体装置
101、201、301、401 第1の絶縁層
102、202、302、402、502 導電層
103、203、303 第2の絶縁層
104、204、304 第1の電極
105、205、405、505、605 CNT(CNTチャネル、CNT膜)
106、206 電界
110 円筒構造
111、121、212、311、321、412、512、522、603 ゲート電極
112、122、313、323 電気力線
120、320 平行平板構造
200 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置
210 本発明の第2の実施形態に係るCNT−FET
211、411、511、521 基板
213、413、513、523、601 ソース電極
214、414、514、524、602 ドレイン電極
300 本発明の第3の実施形態に係る半導体装置
306 第2の電極
312、322、415、515、525 補助電極
324 チャネル層
400 本発明の第4の実施形態に係るCNT−FET
403、503 保護層
410 本発明の第4の実施形態に係る別のCNT−FET
500 本発明の第5の実施形態に係るCNT−FET
501、606 ゲート絶縁層
510 本発明の第5の実施形態に係るさらに別のCNT−FET
520 本発明の第5の実施形態に係る基板側に補助電極を設けたCNT−FET
526 基板絶縁層

Claims (15)

  1. 第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層に接する導電層と、前記導電層を被覆し前記第1の絶縁層と接する部分を有する第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層の前記導電層と反対側の面と接する第1の電極とを有し、前記導電層は離散して配置された半導体構造物を含み、前記第1の電極から生じる電界の、前記導電層の前記第1の絶縁層と接する面における電界強度をE、前記導電層の前記第2の絶縁層と接する面における電界強度をEとしたとき、
    >E、かつ、E≠0
    である関係を満たすように前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層が構成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置であって、
    /E≦0.6
    である関係を満たすように前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層が構成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記第2の絶縁層と接し、前記導電層を挟んで前記第1の電極と対抗する位置に第2の電極をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1の絶縁層の厚さをT、誘電率をεとし、前記第2の絶縁層の厚さをT、誘電率をεとしたとき、
    /(0.5×(ε+ε))<T/ε
    である関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記第1の電極と前記第2の電極との間に、前記導電層を含む第1の領域と、前記導電層を含まない第2の領域とを有することを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置。
  6. 前記導電層の一方の端部領域に第3の電極を、他方の端部領域に第4の電極を備え、前記第2の電極の電位が、前記第3の電極または前記第4の電極の一方の電位と略同電位であることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 前記半導体構造物が筒状形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記第1の電極をゲート電極とし、前記第2の電極を補助電極とし、前記第3の電極または前記第4の電極の一方をソース電極、他方をドレイン電極とし、前記導電層を構成する前記半導体構造物をカーボンナノチューブとした電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項6または7に記載の半導体装置。
  9. 前記第1の絶縁層の誘電率をε、前記第2の絶縁層の誘電率をεとしたとき、
    ε/ε≧5
    である関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  10. 前記導電層の一方の端部領域に第3の電極を、他方の端部領域に第4の電極を備え、前記第1の電極をゲート電極とし、前記第3の電極または前記第4の電極の一方をソース電極、他方をドレイン電極とし、前記導電層を構成する前記半導体構造物をカーボンナノチューブとした電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
  11. 第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層に接する導電層と、前記導電層を被覆し前記第1の絶縁層と接する部分を有する第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層の前記導電層と反対側の面と接する第1の電極と、前記第2の絶縁層と接し、前記導電層を挟んで前記第1の電極と対抗する位置に配置された第2の電極とからなり、前記導電層は離散して配置された半導体構造物を含み、前記第1の絶縁層の厚さをT、誘電率をεとし、前記第2の絶縁層の厚さをT、誘電率をεとしたとき、
    /(0.5×(ε+ε))<T/ε
    である関係を満たすことを特徴とする半導体装置。
  12. 第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層に接する導電層と、前記導電層を被覆し前記第1の絶縁層と接する部分を有する第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層の前記導電層と反対側の面と接する第1の電極とからなり、前記導電層は離散して配置された半導体構造物を含み、前記第1の絶縁層の誘電率をε、前記第2の絶縁層の誘電率をεとしたとき、
    ε/ε≧5
    である関係を満たすことを特徴とする半導体装置。
  13. 第1の絶縁層の上に、半導体構造物を離散して配置した領域を含む導電層を前記第1の絶縁層に接して形成し、前記導電層を被覆し、その一部が前記第1の絶縁層と接するように第2の絶縁層を形成し、前記第1の絶縁層の前記導電層と反対側の面に第1の電極を形成し、前記導電層を挟んで前記第1の電極と対抗する位置に前記第2の絶縁層と接して第2の電極を形成することからなり、前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層は、前記第1の絶縁層の厚さをT、誘電率をεとし、前記第2の絶縁層の厚さをT、誘電率をεとしたとき、
    /(0.5×(ε+ε))<T/ε
    である関係を満たすように形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 前記導電層の一方の端部領域に第3の電極を形成し、他方の端部領域に第4の電極を形成し、前記第3の電極または前記第4の電極の一方と前記第2の電極とを略同電位となるように接続することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層に接する導電層と、前記導電層を被覆し前記第1の絶縁層と接する部分を有する第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層の前記導電層と反対側の面と接する第1の電極と、前記第2の絶縁層と接し、前記導電層を挟んで前記第1の電極と対抗する位置に配置された第2の電極と、前記導電層の一方の端部領域に配置された第3の電極と、前記導電層の他方の端部領域に配置された第4の電極とからなり、前記導電層は離散して配置された半導体構造物を含み、前記第1の電極から生じる電界の、前記導電層の前記第1の絶縁層と接する面における電界強度をE、前記導電層の前記第2の絶縁層と接する面における電界強度をEとしたとき、E1>E2、かつ、E2≠0である関係を満たすように前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層が構成された半導体装置に対して、前記第1の電極に入力信号を印加し、前記第3の電極と前記第4の電極の間に駆動電圧を印加し、前記第2の電極の電位を、前記第3の電極または前記第4の電極の一方と略同電位とすることを特徴とする半導体装置の駆動方法。
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JP2014150175A (ja) * 2013-02-01 2014-08-21 Honda Motor Co Ltd 半導体装置に好適なカーボンナノチューブ束群を用いた半導体装置の製造方法、及び半導体装置
JP2014150173A (ja) * 2013-02-01 2014-08-21 Honda Motor Co Ltd 電界効果トランジスタ
JP2014150174A (ja) * 2013-02-01 2014-08-21 Honda Motor Co Ltd キャリア輸送方向に対して直交する方向にcntチャネルを有する電界効果トランジスタ
JP2018098500A (ja) * 2016-12-07 2018-06-21 ツィンファ ユニバーシティ デジタル回路

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