JP2010123264A - 端子のガタ防止構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】雄・雌端子間のガタつきと、雌端子とコネクタハウジングとの間のガタつきを同時に抑え、しかも構造を簡単・コンパクト化する。
【解決手段】雌端子1の電気接触部2の両側壁3の一対の孔部8に一対のばね部材4を設け、ばね部材が、自由状態で側壁よりも内側に位置する長手方向中間側の内側接点5と、内側接点よりも外側に位置する自由端側の外側接点6とを有し、雌端子をコネクタハウジング14の端子収容室15内に挿入し、雌端子の電気接触部内に雄端子7を挿入し、雄端子を内側接点に弾接しつつ外側接点を端子収容室の内面15aに押し付ける。端子収容室15の両側の内壁23に、外側接点6を押接させる内面28aを有する凹部28と、外側接点の自由端4dを当接させる凹部の終端の段差部27とを設けた。段差部27’をテーパ状に形成した。
【選択図】図5
【解決手段】雌端子1の電気接触部2の両側壁3の一対の孔部8に一対のばね部材4を設け、ばね部材が、自由状態で側壁よりも内側に位置する長手方向中間側の内側接点5と、内側接点よりも外側に位置する自由端側の外側接点6とを有し、雌端子をコネクタハウジング14の端子収容室15内に挿入し、雌端子の電気接触部内に雄端子7を挿入し、雄端子を内側接点に弾接しつつ外側接点を端子収容室の内面15aに押し付ける。端子収容室15の両側の内壁23に、外側接点6を押接させる内面28aを有する凹部28と、外側接点の自由端4dを当接させる凹部の終端の段差部27とを設けた。段差部27’をテーパ状に形成した。
【選択図】図5
Description
本発明は、雄・雌両端子間のガタと雌端子とコネクタハウジングとの間のガタとを同時に抑止した端子のガタ防止構造に関するものである。
図17(a)(b)は、従来の端子のガタ防止構造の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
この構造は、導電金属板を材料として、前半の矩形筒状の電気接触部52と後半の電線接続部53とを形成した雌型の端子51を用い、電気接触部52の一側壁の内面側に摺動抑制用のばね片54を切り起こして設け、電気接触部52の他側壁の内面に、ばね片54に対向する突起55を設けることで、相手側のピン状の雄端子56をばね片54と突起55との間にガタつきなく挟持させるものである。
電気接触部52の内側には、雄端子56に電気的に接触する弾性接触片57が設けられており、弾性接触片57は上下方向に撓み、ばね片54は左右方向に撓む。雄・雌両端子51,56間のガタが抑止されることで、車両の振動等による各端子51,56の電気接触部の微摺動摩耗が防止される。
図18は、従来の端子のガタ防止構造の他の形態を示すものである(特許文献2参照)。
この構造は、導電金属製の雌端子61の両側壁の外面側に突部62を膨出形成し、両突部62を絶縁樹脂製のコネクタハウジング63の端子収容室64の内壁面64aに接触させることで、コネクタハウジング内の端子61のガタつきを防止したものである。
図18で、符号65は弾性接触片、66は雄端子挿入孔をそれぞれ示す。雌端子61はコネクタハウジング内の係止ランス(図示せず)で係止される。雌端子61とコネクタハウジング63とでコネクタが構成される。コネクタハウジング内の雌端子61のガタが抑止されることで、雄端子(図示せず)との微摺動も軽減される。
特開2003−22859号公報(図1,図3)
特開2005−44598号公報(図6)
しかしながら、上記従来の図17の構造にあっては、雄・雌両端子51,56間の微摺動は抑止されるものの、雌端子51とコネクタハウジング(図示せず)との間のガタつきは抑止されないので、雌端子51がコネクタハウジング内で振動して雄端子56との微摺動摩耗を生じ兼ねないという懸念があった。
また、上記従来の図18の構造にあっては、雌端子61とコネクタハウジング63との間のガタつきは抑止されるものの、雄端子(図示せず)が雌端子61内でガタつきを生じて雄・雌両端子間の微摺動摩耗を生じ兼ねないという懸念があった。
なお、雌端子61と同様に雄端子を雄端子側のコネクタハウジング内に突部(62)で固定した場合には、雄・雌両端子間の微少な位置ずれを吸収できず、かえって電気的接触性を悪化させてしまう懸念があった。
また、上記従来の図17と図18の構造を同時に設けた場合は、雌端子51,61の構造が複雑化・肥大化・高コスト化するという問題を生じてしまう。
本発明は、上記した点に鑑み、雄・雌両端子間のガタつきと、雌端子とコネクタハウジングとの間のガタつきとを同時に抑止することができ、しかも構造が簡単でコンパクトであり、さらに、それらに加えて雌端子の挿入・脱抜方向のガタつきをも防止することのできる端子のガタ防止構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る端子のガタ防止構造は、雌端子の電気接触部の両側壁の一対の孔部に一対のばね部材が設けられ、該ばね部材が、自由状態で該側壁よりも内側に位置する長手方向中間側の内側接点と、該内側接点よりも外側に位置する自由端側の外側接点とを有し、該雌端子がコネクタハウジングの端子収容室内に挿入され、該雌端子の該電気接触部内に雄端子が挿入され、該雄端子が該内側接点に弾接しつつ該外側接点を該端子収容室の内面に押し付けることを特徴とする。
上記構成により、雌端子の電気接触部内に雄端子を挿入することで、各ばね部材の内側接点が雄端子の側部に弾性的に摺接(当接)されつつ、ばね部材自体が基端(自由端とは反対側の端部)を支点に外側に押されて弾性変形して開き、各外側接点が端子収容室の各内面に隙間なく押接する。このようにして、雌端子と雄端子との間のガタと、雌端子とコネクタハウジングとの間のガタとが同時に抑止される。
請求項2に係る端子のガタ防止構造は、請求項1記載の端子のガタ防止構造において、前記端子収容室の両側の内壁に、前記外側接点を押接させる前記内面を有する凹部と、該外側接点の自由端を当接させる該凹部の終端の段差部とが設けられたことを特徴とする。
上記構成により、雄端子を雌端子に挿入接続すると同時に、各ばね部材が外向きに開いて、各外側接点の自由端が凹部の段差部に係止され、ばね部材がコネクタハウジングに対する雌端子の係止部材として作用し、雌端子の脱抜方向(後方)の移動を阻止する。外側接点は凹部の内面に弾接してコネクタハウジングとの間のガタを抑止する。
請求項3に係る端子のガタ防止構造は、請求項2記載の端子のガタ防止構造において、前記段差部がテーパ状に形成され、該テーパ状の段差部に前記外側接点の自由端が弾性的に押接して、前記雌端子に前記凹部の始端方向の付勢力を付与することを特徴とする。
上記構成により、雄端子を雌端子に挿入接続すると同時に、各ばね部材の外側接点の自由端が傾斜状の各段差部(傾斜面)に弾接し、雌端子がベクトルの作用で雌端子挿入方向にばね付勢され、例えば雌端子の前端が端子収容室の前壁に当接し、あるいは雌端子の停止用の突部が端子収容室の他の段部に当接して、雌端子の雌端子挿入方向の移動が阻止される。
請求項4に係る端子のガタ防止構造は、請求項1記載の端子のガタ防止構造において、前記外側接点が外向きの凸部を有し、前記端子収容室の両側の前記内面に、該凸部をガタつきなく押接係合させる凹部又は貫通孔が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、雄端子を雌端子に挿入接続すると同時に、各ばね部材が外向き(左右)に開いて、外側接点の凸部が端子収容室の内壁の凹部又は貫通孔に前後左右のガタつきなく係合し、高い係止力を発揮すると共に、雌端子の前後方向(端子挿入脱抜方向)のガタを抑止する。凸部以外の外側接点部分が端子収容室の内面に押接して、雌端子の左右方向のガタを抑止する。
請求項5に係る端子のガタ防止構造は、請求項1記載の端子のガタ防止構造において、前記一対の孔部が端子長手方向に位置ずれして配置され、前記一対のばね部材が回転対称に配置され、前記外側接点の自由端が外向きに突出し、前記端子収容室の内面に、該外側接点の自由端側を係合させる各段差部が回転対称に設けられたことを特徴とする。
上記構成により、雄端子を雌端子に挿入接続すると同時に、各ばね部材が外向き(左右)に開き、外側接点の自由端側の部分が端子収容室側の各段差部に係合して、雌端子の前後両方向(端子挿入脱抜方向)のガタが阻止される。外側接点の外面は端子収容室の内面に押接して、雌端子の左右方向のガタを抑止する。各段差部は凹部又は貫通孔に形成される。
請求項6に係る端子のガタ防止構造は、請求項1記載の端子のガタ防止構造において、前記一対の孔部が端子長手方向に位置ずれして配置され、前記一対のばね部材が回転対称に配置され、前記外側接点の自由端が外向きに突出し、前記端子収容室の内壁に、前記内面を有する各凹部が設けられ、該凹部の終端に、該外側接点の自由端を当接させる各段差部が回転対称に設けられたことを特徴とする。
上記構成により、雄端子を雌端子に挿入接続すると同時に、各ばね部材が外向き(左右)に開き、外側接点の自由端が端子収容室側の各凹部の段差部に当接して、雌端子の前後両方向(端子挿入脱抜方向)のガタが阻止される。各外側接点の自由端は同時に端子収容室の内面に押接して、雌端子の左右方向のガタを抑止する。
請求項7に係る端子のガタ防止構造は、請求項1〜6の何れかに記載の端子のガタ防止構造において、前記ばね部材が自由状態で前記電気接触部の内側に収容されることを特徴とする。
上記構成により、コネクタハウジングへの雌端子の挿入前に各ばね部材が外部に突出せず、外部との干渉が防止される。
請求項1記載の発明によれば、ばね部材によって、雌端子と雄端子との間のガタと、雌端子とコネクタハウジングとの間のガタとを同時に抑止することができるから、車両の振動等による雌端子と雄端子との幅方向(挿入直交方向)の微摺動摩耗を確実に防止することができ、これにより、雄・雌両端子の経時的な電気的接続の信頼性が向上する。また、雌端子の側壁の孔部にばね部材を設けたという簡単な構造でコンパクトに且つ低コストで端子のガタ防止を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、ばね部材で雌端子を端子収容室内に係止させることで、雌端子の脱抜方向の移動を阻止して、雄端子挿入方向のガタを防止し、雄端子との雌端子脱抜方向の微摺動摩耗を防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、傾斜状の段差部に対するばね部材の自由端の反力で雌端子を雌端子挿入方向に押し付けて、雌端子挿入方向(雄端子脱抜方向)のガタを防止することで、雄端子との雌端子挿入方向の微摺動摩耗を防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、ばね部材の凸部が端子収容室の内面の凹部又は貫通孔にガタつきなく係合して、雌端子の挿入脱抜両方向のガタを防止することで、雄端子との雌端子挿入脱抜両方向の微摺動摩耗を防止することができる。
請求項5記載の発明によれば、各ばね部材の外側接点の自由端側の部分が端子収容室側の各段差部に係合して、雌端子の挿入脱抜両方向のガタを防止することで、雄端子との雌端子挿入脱抜両方向の微摺動摩耗を防止することができる。
請求項6記載の発明によれば、各ばね部材の外側接点の自由端が端子収容室の各凹部の段差部に当接して、雌端子の挿入脱抜両方向のガタを防止することで、雄端子との雌端子挿入脱抜両方向の微摺動摩耗を防止することができる。
請求項7記載の発明によれば、コネクタハウジングに雌端子を挿入する前に、ばね部材を外部と干渉させて変形や傷付きを生じさせる心配がなく、雌端子の挿入性及び電気的接続の信頼性が高まる。
図1〜図5は、本発明に係る端子のガタ防止構造の第一の実施形態を示すものである。
図1〜図3の如く、雌端子1は、一枚の導電金属板を材料として、矩形筒状の電気接触部2の垂直な両側壁3に、摺動抑制用の横長の略S字に屈曲したアーム板状の一対のばね部材4を切り起こし形成し、各ばね部材4の基端寄りの内側接点5を電気接触部2内すなわち側壁3の内面3a(図3)よりも内側に位置させ、各ばね部材4の先端(自由端)側の外側接点6を電気接触部2外すなわち側壁3の外面3bから外向きに突出させたことを特徴としている。
図1,図2(a)(b)の如く、各ばね部材4は電気接触部2の側壁3の前半且つ下半において横長水平に且つ左右対称に配置されている。
図3(b)の如く、側壁3の前端部にばね部材4の基端4aが一体に続き、基端4aから後方に短い内向き傾斜部4bが一体に続き、内向き傾斜部4bから後方に長い外向き傾斜部4cが一体に続き、外向き傾斜部4cから後方に極短い内向き傾斜部(自由端部)4dが一体に続き、内向き傾斜部4bと外向き傾斜部4cとの交差部に湾曲面状の内側接点5が設けられ、外向き傾斜部4cと自由端側の内向き傾斜部4dとの交差部に湾曲面状の外側接点6が設けられている。
各ばね部材4は、内向き傾斜部4bと内側接点5と外側傾斜部4cと外側接点6と自由端側の内向き傾斜部4dとで構成されている。内向き傾斜部4bと外側傾斜部4cとは略くの字状に交差している。ばね部材4の自由状態(図5の雄端子7を挿入しない状態)で、内向き傾斜部4bと外向き傾斜部4cとの交差部は側壁3の内面3aから内側に突出し、外向き傾斜部4cと自由端側の内向き傾斜部4dとの交差部は側壁3の外面3bから外側に突出している。
内向き傾斜部4bの内面は全て側壁3の内面3aから内側に突出し、内向き傾斜部4bの外面は側壁3の板厚の範囲内すなわちばね部材4を打ち抜いた横長の孔部8内に位置し、外向き傾斜部4cの内面の前半側(内側接点5寄りの部分)は側壁3の内面3aから内側に突出し、外向き傾斜部4cの外面の後半側(外側接点6寄りの部分)は側壁3の外面3bから外側に突出し、ばね部材8の先端(自由端)は側壁3の板厚の範囲内に位置している。
孔部8の後端8aはばね部材4の先端(後端)4dよりも隙間を存して後方に位置し、ばね部材4は基端4aを支点として側壁3の板厚方向すなわち左右(水平)方向に弾性的に撓み可能である。
図3(b)で符号9aは弾性接触片9(図4)の接点部を示す。図4の如く、弾性接触片9は電気接触部2の上壁10側の前端から後方に折り返されて、一対のばね部材4の上側に位置し、且つ電気接触部2の底壁(下壁)11に対向し、底壁11の上面に沿って雄端子7のピン状の電気接触部12の挿入経路の左右両側に一対のばね部材4が位置する。
図1,図2の如く、雌端子1の電気接触部2の一方の側壁3の後半に突部13が膨出形成され、図5(b)の如く、突部13は絶縁樹脂製のコネクタハウジング14の端子収容室15内への雌端子1の挿入端位置を規定するストッパとして作用する。図1,図2で、電気接触部2の両側壁3と底壁11は端子後半の樋状壁16を経て電線接続部である前後の圧着片17,18に続いている。圧着片18の後方の底壁延長部19は連鎖帯(図示せず)で横連鎖あるいは次端子の電気接触部2の底壁11前端に縦連鎖される。電気接触部2の上壁10は二重に重ねられ、凹部20に加締め固定されている。
雌端子1の折り曲げ加工前の展開状態(図示せず)で、底壁11の左右両側に側壁3が位置し、側壁3の両側に上壁10が続き、下側となる一方の上壁10の前端に弾性接触片9が続いている。ばね部材4は雌端子1の展開状態で各側壁3をプレス加工で打ち抜いて孔部8内に切り起こし形成される。
図4の如く、雄端子7は、縦断面矩形状のピン状の電気接触部12と、電気接触部12に続く箱状部21と、箱状部21に続く電線接続部22とで構成されている。ピン状に代えてタブ状(平板状)の電気接触部(12)を用いることも可能である。
雄・雌両端子1,7は各コネクタハウジング14内に収容された状態でコネクタ嵌合により相互に接続される(雄端子7側のコネクタハウジングは図示を省略している)。雌端子1を収容するコネクタハウジング14は、上下左右の壁部(隔壁)22,23で区画された端子収容室15を有し、上壁22の係止ランス24で雌端子1を係止している。各端子1,7には予め電線(図示せず)が圧着接続されている。圧接端子の場合はコネクタハウジング(14)への端子1,7の挿入後に電線を圧接接続する。
本例の端子収容室15は前端に端子停止壁を有さず、雌端子1の突部13とコネクタハウジング14の段部25との当接で雌端子1を規定位置に停止させている。コネクタハウジング14内には複数の端子1が上下左右並列に収容される場合が多い。コネクタハウジング14と雌端子1とでコネクタ14Aが構成される。雄端子7とコネクタハウジング(図示せず)とで他方(相手側)のコネクタが構成される。
図5(a)の如く、コネクタハウジング14の端子収容室15内に雌端子1を挿入した状態で、雌端子1の両側壁3の一対のばね部材4の自由端側の外側接点6が、図3(b)の端子外部に突出した状態から端子収容室15の垂直な側壁23の内面(内壁面)23aに弾接(接触)しつつ雌端子1の孔部8内に押し込まれる。それに伴って各ばね部材4の基端(固定端)側の内側接点5は雌端子1の内側に進入し、一対の内側接点5の間の距離(間隔)は図3(b)におけるよりも狭くなる。雌端子1の両側壁3の外面3bは端子収容室15の内面15aに若干の(スムーズに端子を挿入し得る)隙間を存して位置する。
その状態で、図5(b)の如く、雄端子7の電気接触部12が雌端子1の電気接触部2内に挿入される。雄端子7は一対のばね部材4の内側接点5に摺接してガタつきなく密着しつつ、各ばね部材4を外向きに押圧する。それにより、各ばね部材4の外側接点6が端子収容室15の内壁面15aに押し付けられてガタつきなく密着する。
このように、ばね部材4によって雄端子7と雌端子1との間のガタ防止と、雌端子1とコネクタハウジング14との間のガタ防止とが同時に行われる。ばね部材4は雌端子1の側壁3を切り起こし形成したもの(側壁3に略コの字状のスリット(8)を設けて、スリットの内側の側壁部分をばね部材4としたもの)であるから、雌端子1の構造が簡単・コンパクトで且つ低コストで済む。
ばね部材4は図3の自由状態で電気接触部2の側壁から外側に突出し、図5(a)のコネクタハウジング14への挿入状態で端子収容室15の内壁面15aに弾接して電気接触部2内に押し込まれ、その状態で図5(b)の如く雄端子7の挿入で外側に押圧されることで、内側接点5と外側接点6とが面接触(大きな接触面積)で雄端子7や端子収容室15の内壁面15aに弾性的に押接する。これにより、雄端子7やコネクタハウジング14との摩擦抵抗が高まり、車両の振動等に伴う雄・雌両端子1,7の微摺動摩耗や雌端子1とコネクタハウジング14との微摺動摩耗が確実に防止される。
なお、上記実施形態においては、雌端子1の両側壁3に一対のばね部材4を設けたが、例えば一側壁3のみに一つのばね部材4を設け、雄端子7の電気接触部12の一側部をばね部材4に弾接させ、電気接触部12の他側部を雌端子1の他側壁3の真直な内面3aに当接させたり、雌端子1の他側壁3の内面3aを部分的に内向きに突出させ、その突出部に電気接触部12の他側部を当接させることも可能である。
また、上記実施形態においては、ばね部材4を片持ち支持のアーム状に形成したが、例えばばね部材4の自由端側を薄肉のヒンジ部(図示せず)で側壁3に一体に連結して、両持ち支持のアーム状に形成することも可能である。
また、上記実施形態においては、ばね部材4を雌端子1の電気接触部2に一体に形成したが、電気接触部2とは別体にばね部材4を導電金属板で形成し、加締め固定等の手段でばね部材4を電気接触部2の側壁3の孔部8内に固定して設けることも可能である。ばね部材4は雄端子7との電気的接触面積を高める作用もする。これは後述の各実施形態においても同様である。
また、上記実施形態においては、ばね部材4の自由端側に短い内向き傾斜部4dを形成したが、コネクタハウジング14からの雌端子1の抜き出し時に引っ掛かりを生じない範囲で、内向き傾斜部4dに代えて面接触を可能とする傾斜のない真直部等を形成することも可能である。また、内向き傾斜部4dを延長して内向き傾斜部とし、内向き傾斜部の先端側に雄端子押接用の第二の内側接点(5)を設けることも可能である。
図6〜図8は、本発明に係る端子のガタ防止構造の第二の実施形態を示すものである。
この構造は、絶縁樹脂製のコネクタハウジング26の端子収容室15の左右の内壁23に段差部27を設け、各段差部27に導電金属製の雌端子1’の両側壁3の各ばね部材4’の先端部(自由端部)4dを係合(係止)させることを特徴とするものである。
図6,図7の如く、本実施形態のばね部材4’は、上記第一の実施形態(図1)に較べて、自由状態(雄端子7の未挿入状態)で雌端子1’の孔部8内に収容されている点で相違している。ばね部材4’が外部に突出していないから、外部との干渉等によるばね部材4’の変形や傷付き等が防止される。ばね部材4’の形状自体や配置はほぼ同じである。その他、コネクタハウジング26に段差部27がある以外の構成は第一の実施形態と同様であるので、同様の構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図6において、符号2は電気接触部、3は側壁、4’はばね部材、5は内側接点、6は外側接点、8は孔部、9は弾性接触片、10は上壁、13は停止用の突部、17,18は圧着片をそれぞれ示している。
図7の如く、各ばね部材4’は、基端(付け根部)4aに続く内向き傾斜部4bと、内向き傾斜部4bに続く外向き傾斜部4cと、両傾斜部4b,4cの交差部の内側接点5と、外向き傾斜部4cに続く内向き傾斜状の自由端部4dと、外向き傾斜部4cと自由端部4dとの交差部の外側接点6とで構成されている。内側接点5は側壁3の内面よりも内側に位置し、外側接点6は側壁3の外面よりも少し内側で且つ側壁3の内面よりも大きく外側に位置している(孔部8内において外面寄りに位置している)。
図8(a)の如く、コネクタハウジング26の端子収容室15の左右両側の内壁23の前端から長手方向中間部にかけて溝部(凹部)28が水平に設けられ、溝部28の終端(後端)に段差部27が形成されている。溝部28の長さはばね部材4’の長手寸法と同程度ないし若干長く、溝部28の上下方向の幅は図6のばね部材4’の幅よりも大きい。溝部28は外側接点6を押接させる内面28aを有している。
雌端子1’をコネクタハウジング26の端子収容室内15に挿入した状態で、各ばね部材4’の内側接点5は上記第一の実施形態(図5)におけると同程度の位置で電気接触部2内に位置し、外側接点6は端子収容室15の内壁面15aに非接触で位置し、各ばね部材4’は各溝部28に対向し、自由端部4dは段差部27と並列に位置する。コネクタハウジング26と雌端子1’とでコネクタ26Aが構成される。
図8(b)の如く、相手側の雄端子7を雌端子1’内に挿入することで、雄端子7の両側面12aが各ばね部材4’の内側接点5を外側に押して各ばね部材4’をその基端4aを支点に外向きに開かせ、外側接点6が電気接触部2の孔部8から外向きに突出して溝部28の内面28aに弾性的に押接し、自由端(先端)4dが段差部27に当接係合する。
これにより、内側接点5で雄端子7と雌端子1’との間のガタが防止され、外側接点6でコネクタハウジング26と雌端子1’との間のガタが防止され、且つ自由端4dが段差部27に係止されて、雌端子1’の後抜けが防止される。コネクタハウジング26に端子係止ランス(図示せず)を設けた場合は、端子係止ランスと各ばね部材4’とで雌端子1’が二重に係止される。雌端子1’の前抜けは突部13と他の段部25との当接で阻止される。弾性接触片9は各ばね部材4’よりも上側で雄端子7に接触する。
なお、溝部28に代えて溝部28よりも短い矩形状等の穴部(凹部)を設けることも可能である。但し、コネクタハウジング26の樹脂成形用の金型はやや複雑化する。
図9(a)(b)は、上記第二の実施形態の端子のガタ防止構造の一変形例を示すものである。
この構造は、第二の実施形態(図7)と同様な導電金属製の雌端子1’の各ばね部材4’の自由端4dを、第二の実施形態(図8)の変形例であるコネクタハウジング26’のテーパ状の各段差部27’に弾接させることを特徴とするものである。段差部27’が傾斜面で構成されたこと以外は上記第二の実施形態と同様であるので、同様の構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図9(a)の如く、絶縁樹脂製のコネクタハウジング26’の端子収容室15の左右両側の内壁23に前端から長手方向中間部にかけて水平な溝部(凹部)28が設けられ、各溝部28の終端(後端)に内向きの傾斜面(段差部)27’が形成され、傾斜面27’の前端は溝部28の側面(内面)28aに交差し、傾斜面27’の後端は端子収容室15の内面5aに交差している。本例の傾斜面27’の傾斜角度は45°程度ないしそれ以上である。溝部28の始端(前端)は外部に開口されている。
雌端子1’を端子収容室15に完全挿入した状態で、ばね部材4’の自由端(後端)4dは傾斜面27’に対向して位置する。本例のばね部材4’は自由状態で電気接触部2内に収容され、溝部28に対向して非接触で位置している。第一の実施形態(図1)のばね部材4を用いた場合は、自由状態で電気接触部2の孔部8から外部に突出し、溝部28の内面28aに非接触ないし軽く接して位置する。雌端子1’の前端とコネクタハウジング26’の前端との間には雌端子当接用の前壁29を形成可能である。
図9(b)の如く、相手側の雄端子7を雌端子1’内に挿入することで、雄端子7の両側面12aがばね部材4’の内側接点5を外側に押してばね部材4’をその基端4aを支点に外向きに開かせ、外側接点6が電気接触部2の孔部8から外向きに突出して溝部28の内面28aに弾性的に押接すると共に、外側接点6の延長部(一部)である自由端(先端)4dが傾斜状の段差部(傾斜面)27’に弾接して、雌端子1’自体に前方への移動力を付与する。
これにより、内側接点5で雄端子7と雌端子1’との間の幅方向(左右方向)のガタが防止され、外側接点6でコネクタハウジング26’と雌端子1’との間の幅方向(左右方向)のガタが防止され、且つ自由端4dが傾斜状の段差部27’に係止されて、雌端子1’の後抜けが防止されると共に、自由端4dが傾斜状の段差部27’に弾接(押接)して雌端子1’を前方に押圧し、突部13と他の段部25との当接又は雌端子1’の前端と前壁29との当接を確実に行わせる。
すなわち、傾斜状の段差部27’によって、雌端子1’の前方への移動(位置ずれ)と後方への移動(位置ずれ)とが確実に阻止される。これにより、雄端子7と雌端子1’との長手方向(前後方向)すなわちコネクタ嵌合方向の摺動ガタとそれに伴う摺動摩耗とが抑止される。雄端子7は相手コネクタハウジング(図示せず)内に収容され、両コネクタハウジング26…の嵌合と同時に両端子1’,7が接続される。なお、凹部として溝部28に代えて溝部よりも短い穴部(図示せず)を設けることも可能である。
図10〜図12は、本発明に係る端子のガタ防止構造の第三の実施形態を示すものである。
この構造は、導電金属製の雌端子30の左右一対のばね部材31の先端部(自由端部)に、外向きの凸部(突起状部)33aを有する外側接点33を設け、絶縁樹脂製のコネクタハウジング34の端子収容室15の左右両側の内壁23に、外側接点33の凸部33aを進入係合させる穴状の凹部35を設けたことを特徴とするものである。
図10の如く、雌端子30の矩形筒状の電気接触部2の左右の壁部3に横長の水平な孔部8が対称に設けられ、各孔部8内にばね部材31が外部への突出なく収容されている。図10で、符号9は弾性接触部、13は停止用の突部、16は樋状壁、17,18は圧着片をそれぞれ示している。ばね部材31と凹部35以外の構成は上記各実施形態と同様であるので、同様の構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図11の如く、各ばね部材31は、自由状態において、電気接触部2の側壁3に続く基端31aを有する短い内向き傾斜部31bと、内向き傾斜部31bから後方に長く真直に続く真直部31cと、内向き傾斜部31bと真直部31cとの交差部に形成された内側接点32と、真直部31cの後端から略U字ないしV字状に屈曲しつつ外向きに突出した凸部33aを有する外側接点33とで構成されている。
凸部33aは真直部31cに続く急勾配の短い外向き傾斜部33bと、外向き傾斜部33bから斜め前方に続く短い内向き傾斜部33cとで成り、外向き傾斜部33bと真直部31cとの交差部外面が外側接点33の接触部をなしている。真直部31cの外面は電気接触部2の側壁3の内面とほぼ同一面ないしそれよりも内側に位置し、外側接点33は側壁3の孔部8内に位置している。少なくとも雄端子7(図12)との接続時に両ばね部材31の上側に弾性接触片9が位置し、弾性接触片9の自由端(後端)はばね部材31の外側接点33よりも後方に位置する。
図12(a)の如く、雌端子30をコネクタハウジング34の端子収容室15内に挿入した状態で、各ばね部材31の外側接点33に対向して端子収容室15の内壁23に矩形穴状の凹部35が位置する。凹部35は垂直な前後の面35aと底面35bとを有する。凹部35の深さはばね部材31の真直部31cの外面からの凸部33aの突出寸法よりも大きく、凹部35の前後長さは凸部33aの外面の前後長さよりも少し短い。雌端子30とコネクタハウジング34とでコネクタ34Aが構成される。
図12(b)の如く、雌端子30内に雄端子7を挿入することで、雄端子7の両側面12aが各ばね部材31の内側接点32を外向きに押圧し、各ばね部材31をその基端31aを支点に外向きに開かせ、両真直部31cが外向きに傾斜(テーパ)状に開いて外向き傾斜部になると同時に、外向き傾斜部31cの先端の外側接点33の凸部33aが各凹部35にガタつきなく弾性的に進入係合する。各内側接点32は雄端子7の側面12aに弾接する。
外向き傾斜部31cの外面と外側接点33の外面との交点33dすなわち外側接点33の一部が凹部35の前側開口端すなわち端子収容室15の内面15aに当接し、凸部33aの後端の内向き傾斜部33cの外面が凹部35の後側開口端に当接して、凸部33aが凹部35内に前後方向のガタつきなく係合する。凸部33aの外面と凹部35の底面35bとの間には隙間を生じる。
各凸部33aが凹部35に係合することで、端子収容室15内での雌端子30の前後方向の位置ずれが阻止され、雄端子7と雌端子30との前後(長手)方向すなわちコネクタ嵌合方向の微摺動摩耗が抑止される。また、外側接点33が弾性的に凹部35に押接することで、雌端子30とコネクタハウジング34との幅(左右)方向のガタつきが防止され、内側接点32が雄端子7に弾接することで、雄端子7と雌端子30との幅(左右)方向のガタつきが防止される。なお、コネクタハウジング34の端子収容室15の両側壁23の板厚が薄い場合は、凹部35に代えて同様の幅寸法の貫通孔(図示せず)を設けることも有効である。
図13〜図15は、本発明に係る端子のガタ防止構造の第四の実施形態を示すものである。
この構造は、導電金属製の雌端子36の電気接触部2の左右の各側壁3に前後方向に位相ずれして各孔部8と孔部8内の各ばね部材37,37’とを設け、各ばね部材37,37’は前後対称(回転対称)に配置し、絶縁樹脂製のコネクタハウジング40の端子収容室15の左右の内壁23に前後対称(回転対称)に水平な各溝部(凹部)41,41’と各溝部41,41’の終端の段差部42,42’とを設け、前後のばね部材37,37’の各先端部(自由端部)37dを各段差部42,42’に係合(係止)させることを特徴としたものである。ばね部材37,37’と溝部41,41’以外の構成は上記各実施形態と同様であるので、同様の構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図13(a)(b)の如く、雌端子36の矩形筒状の電気接触部2の一方の側壁3の中央寄りに横長矩形状の一方の孔部8が設けられ、他方の側壁3の前端寄りに同様の他方の孔部8が設けられ、一方の孔部8の前端からばね部材37が後向きに延長形成され、他方の孔部8の後端からばね部材37’が前向きに延長形成されている。一方の側壁3に停止用の突部13が設けられ、電気接触部2内の弾性接触片9は電気接触部2の前端上部から折り返されている。
図14の如く、各ばね部材37,37’の形状自体は同じである。すなわち、一方(後側)のばね部材37は、自由状態において、一方の側壁3に続く基端37aを有する短い内向き傾斜部37bと、内向き傾斜部37bに続く外向き凸(円弧)状の長い湾曲部37cと、内向き傾斜部37bと湾曲部37cとの交差部に形成された内側接点38と、湾曲部37cに続く短い外向き傾斜状ないし湾曲状の外側接点39とで構成されている。湾曲部37cは孔部8内で側壁3の内面に沿ってほぼ真直に(正確には内側接点38を支点にやや外向きに傾斜して)位置している。外側接点39はばね部材37の自由端部を有し、自由端(先端)37dは外部に突出せずに孔部8内(孔部8の範囲内)に位置している。
他方(前側)のばね部材37’は、自由状態において同様に、他方の側壁3に続く基端37aを有する短い内向き傾斜部37bと、内向き傾斜部37bに続く外向き凸(円弧)状の長い湾曲部37cと、内向き傾斜部37bと湾曲部37cとの交差部に形成された内側接点38と、湾曲部37cに続く短い外向き傾斜状ないし湾曲状の外側接点39とで構成されている。その他の構成は一方のばね部材37と同様である。
一方のばね部材37の内側接点38と他方のばね部材37’の内側接点38とは左右に対向して位置し、一方のばね部材37の外側接点39は後方に、他方のばね部材37’の外側接点39は前方に位置している。
少なくとも雄端子7との接続時に両内側接点38の間の上側に弾性接触片9の電気的接触部分9aが位置する。自由状態で両内側接点38の間に弾性接触片9を配置すれば、雄端子7に対する接触圧力が高まる(雄端子7の挿入時に各ばね部材37,37’は外向きに開いて弾性接触片9から外向きに離間する)。これは上記各実施形態においても同様である。
図15(a)の如く、雌端子7をコネクタハウジング40の端子収容室15に挿入した状態で、各ばね部材37,37’には何ら外力は作用せず、図14の自由状態のままである。端子収容室15の一方の内壁23に、一方のばね部材37の外側接点39の位置から後方に長い溝部41が水平に設けられ、溝部41の前端(終端)の段差部42は一方の外側接点39に対向して位置する。
端子収容室15の他方の内壁23に、他方のばね部材37’の外側接点39の位置から前方に短い溝部41’が水平に設けられ、溝部41’は端子収容室15の前端から外部に貫通し(必ずしも貫通していなくてもよい)、溝部41’の後端(終端)の段差部42’は他方の外側接点39に対向して位置する。雌端子36とコネクタハウジング40とでコネクタ40Aが構成される。
図15(b)の如く、雌端子36内に雄端子7を挿入することで、雄端子7の左右の側面12aが各ばね部材37,37’の内側接点38に弾性的に押接して、各ばね部材37,37’をその基端(付け根)37aを支点に外向きに押し開き、各ばね部材37,37’の外側接点39が各溝部41,41’の終端の段差部42,42’に係合つつ、各外側接点39の先端部(自由端部)37dが各溝部15,15’内に進入する。
自由状態でほぼ真直な各湾曲部37cは外向きに傾斜して外向き傾斜部となり、各外側接点39の外面が端子収容室15の内面15aと各段差部42,42’の角部(段差面と端子収容室の内面15aとの交差部)42aとに弾性的に押接しつつ段差部42にフック状に引っ掛かって係合する。
これにより、雌端子36が前後両方向に不動に係止され、雌端子36の前後方向(長手方向)の移動が阻止される。すなわち、一方(後側)のばね部材37の外側接点39が後側の段差部42に係合することで、雌端子36の前進が阻止され、他方(前側)のばね部材37’の外側接点39が前側の段差部42’に係合することで、雌端子36の後退が阻止される。これにより、端子収容室15内での雌端子36の前後方向の微振動が阻止され、雄端子7との前後方向の微摺動摩耗が抑止される。
また、各ばね部材37,37’の内側接点38が雄端子7の両側面12aに弾性的に押接することで、雌端子36と雄端子7との幅(左右)方向のガタが防止され、各ばね部材37,37’の外側接点39が端子収容室15の両内壁面15aに弾性的に押接することで、端子収容室15に対する雌端子36の幅(左右)方向のガタが防止される。なお、各段差部42,42’の垂直な段差面を図9の実施形態の段差部27’のように傾斜状に形成することも可能である。また、コネクタハウジング40の端子収容室15の両側壁23の板厚が薄い場合は、溝部(凹部)41,41’に代えて同様の幅寸法の貫通孔(図示せず)を設けることも有効である。
図16は、上記第四の実施形態(図15)の端子のガタ防止構造の一変形例を示すものである。
この構造は、コネクタハウジング40’の端子収容室15の左右の内壁23の各溝部43,43’を図15の実施形態の溝部41,41’とは前後反対に形成したものである。その他の構成は図15の実施形態と同様であるので、同様の構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
雌端子36の一方(後側)のばね部材37に対して、端子収容室15の一方の内壁23に内壁前端から長手方向中間部にかけて一方の溝部43が形成され、溝部43の終端(後端)の段差部44は自由状態のばね部材37の後端側の外側接点39に対向して配置され、他方(前側)のばね部材37’に対して、端子収容室15の他方の内壁23に、自由状態の他方のばね部材37’の前端側の外側接点39に対向して他方の溝部43’の終端(前端)の段差部44’が対向して配置されている。
そして、各段差部44,44’の段差面(符号44,44’で代用)に各外側接点39の自由端37dの内側先端部分39aが当接して、雌端子36の前後両方向の移動が阻止され、移動に伴う雄端子7との微摺動摩耗が抑止されている。
また、各ばね部材37,37’の内側接点38が雄端子7の両側面に弾性的に押接することで、雌端子36と雄端子7との幅(左右)方向のガタが防止され、各ばね部材37,37’の外側接点39の自由端37dの外側先端部分39bが両溝部43,43’の内面43aに弾性的に押接することで、端子収容室15に対する雌端子36の幅(左右)方向のガタが防止される。
なお、各段差部44,44’の垂直な段差面を図9の実施形態の段差部27’のように傾斜状に形成すれば、雌端子36に前後方向の押圧力を生じて、雌端子36の前後方向の位置規定(位置ずれ防止)を確実に行うことができる。
また、図15,図16の各実施形態において、凹部として溝部41,41’,43,43’に代えて図12の実施形態のような穴部35を設けることも可能である。各ばね部材37,37’は自由状態において電気接触部2内に収容されており、雌端子36を端子収容室15に挿入する際に、各ばね部37,37’の自由端が端子収容室15の内面15aと干渉しないので、穴部35を採用可能である。
また、本発明に係る上記各実施形態の構成は、端子のガタ防止構造として以外にコネクタとしても有効なものである。
1,1’ 雌端子
2 電気接触部
3 側壁
8 孔部
4,4’,31,37,37’ ばね部材
4d,37d 自由端
5,32,38 内側接点
6,33,39 外側接点
7 雄端子
14,26,34,40,40’ コネクタハウジング
15 端子収容室
15a,28a,43a 内面
23 内壁
28,41,41’,43,43’ 溝部(凹部)
27,27’,42,42’,44,44’ 段差部、
33a 凸部
35 凹部
2 電気接触部
3 側壁
8 孔部
4,4’,31,37,37’ ばね部材
4d,37d 自由端
5,32,38 内側接点
6,33,39 外側接点
7 雄端子
14,26,34,40,40’ コネクタハウジング
15 端子収容室
15a,28a,43a 内面
23 内壁
28,41,41’,43,43’ 溝部(凹部)
27,27’,42,42’,44,44’ 段差部、
33a 凸部
35 凹部
Claims (7)
- 雌端子の電気接触部の両側壁の一対の孔部に一対のばね部材が設けられ、該ばね部材が、自由状態で該側壁よりも内側に位置する長手方向中間側の内側接点と、該内側接点よりも外側に位置する自由端側の外側接点とを有し、該雌端子がコネクタハウジングの端子収容室内に挿入され、該雌端子の該電気接触部内に雄端子が挿入され、該雄端子が該内側接点に弾接しつつ該外側接点を該端子収容室の内面に押し付けることを特徴とする端子のガタ防止構造。
- 前記端子収容室の両側の内壁に、前記外側接点を押接させる前記内面を有する凹部と、該外側接点の自由端を当接させる該凹部の終端の段差部とが設けられたことを特徴とする請求項1記載の端子のガタ防止構造。
- 前記段差部がテーパ状に形成され、該テーパ状の段差部に前記外側接点の自由端が弾性的に押接して、前記雌端子に前記凹部の始端方向の付勢力を付与することを特徴とする請求項2記載の端子のガタ防止構造。
- 前記外側接点が外向きの凸部を有し、前記端子収容室の両側の前記内面に、該凸部をガタつきなく押接係合させる凹部又は貫通孔が設けられたことを特徴とする請求項1記載の端子のガタ防止構造。
- 前記一対の孔部が端子長手方向に位置ずれして配置され、前記一対のばね部材が回転対称に配置され、前記外側接点の自由端が外向きに突出し、前記端子収容室の内面に、該外側接点の自由端側を係合させる各段差部が回転対称に設けられたことを特徴とする請求項1記載の端子のガタ防止構造。
- 前記一対の孔部が端子長手方向に位置ずれして配置され、前記一対のばね部材が回転対称に配置され、前記外側接点の自由端が外向きに突出し、前記端子収容室の内壁に、前記内面を有する各凹部が設けられ、該凹部の終端に、該外側接点の自由端を当接させる各段差部が回転対称に設けられたことを特徴とする請求項1記載の端子のガタ防止構造。
- 前記ばね部材が自由状態で前記電気接触部の内側に収容されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の端子のガタ防止構造。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120207 |