JP2010121674A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン及び変速機への組み付けの際の作業性を改善することが可能な動力伝達装置を提供する。
【解決手段】湿式摩擦クラッチ(10)の入力軸(18)はスプライン部(20)を有しており、このスプライン部(20)に嵌合するダンパ(22)を介して、エンジンの出力軸(2)に装着されたフライホイール(4)と連結されている。ダンパ(22)と別体に設けられて入力軸(18)のスプライン部(20)に嵌合する駆動ハブ(34)が、入力軸(18)と同一軸線上で回転作動して湿式摩擦クラッチ(10)に作動油を供給する油圧ポンプ(8)に入力軸(18)の回転を伝達する。
【選択図】図1
【解決手段】湿式摩擦クラッチ(10)の入力軸(18)はスプライン部(20)を有しており、このスプライン部(20)に嵌合するダンパ(22)を介して、エンジンの出力軸(2)に装着されたフライホイール(4)と連結されている。ダンパ(22)と別体に設けられて入力軸(18)のスプライン部(20)に嵌合する駆動ハブ(34)が、入力軸(18)と同一軸線上で回転作動して湿式摩擦クラッチ(10)に作動油を供給する油圧ポンプ(8)に入力軸(18)の回転を伝達する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンの動力を変速機に伝達するための動力伝達装置に関し、特にエンジンの動力の一部を利用して駆動される作動流体供給手段を有した動力伝達装置に関する。
エンジンと変速機との間には、エンジンの動力を変速機に伝達するための動力伝達装置が設けられる。この動力伝達装置では、エンジンの出力軸に装着されたフライホイールに対し、エンジンの回転変動を吸収するためのダンパ、或いはトルクコンバータなどの流体継手を介して入力軸が連結される。動力伝達装置の入力軸にはスプラインが形成されており、ダンパ或いは流体継手と入力軸との連結は、このスプラインを介して行われる。
一方、動力伝達装置の入力軸と変速機との間には、エンジンから変速機への動力の伝達を遮断するためのクラッチが設けられる場合がある。このようなクラッチとして湿式摩擦クラッチを用いた場合、この湿式摩擦クラッチに作動流体を供給するため、油圧ポンプなどの作動流体供給手段が必要となる。
この場合、作動流体供給手段は、例えば歯車ポンプによって構成され、歯車ポンプのポンプギヤを動力伝達装置の入力軸と同一軸線上に配設して、入力軸に伝達されるエンジンの動力の一部を用いてポンプギヤを駆動する。
この場合、作動流体供給手段は、例えば歯車ポンプによって構成され、歯車ポンプのポンプギヤを動力伝達装置の入力軸と同一軸線上に配設して、入力軸に伝達されるエンジンの動力の一部を用いてポンプギヤを駆動する。
これらの流体継手、歯車ポンプ及び湿式摩擦クラッチを備えた動力伝達装置は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の動力伝達装置では、エンジンの出力軸と動力伝達装置の入力軸との間に、流体継手であるトルクコンバータが設けられている。トルクコンバータのポンプシェルは、エンジン出力軸に固定されたドライブプレートと連結されており、トルクコンバータのタービンシェルは、湿式摩擦クラッチの入力軸にスプライン嵌合している。また、湿式摩擦クラッチの入力軸と同一軸線上に、この入力軸に対して相対回転可能にポンプハブが設けられており、ポンプハブの一端側は、トルクコンバータのポンプシェルに連結されている。ポンプハブの他端側には突起が設けられており、湿式摩擦クラッチの入力軸と同一軸線上で回転作動する油圧ポンプの回転部材にこの突起を嵌合することにより、トルクコンバータのポンプシェル及びポンプハブを介して伝達されたエンジンの動力で、油圧ポンプを駆動することができるようになっている。
特許文献1の動力伝達装置のように、トルクコンバータを介してエンジンの動力を湿式摩擦クラッチに伝達する場合には、上述のようにトルクコンバータのポンプシェル及びポンプハブを介して油圧ポンプにエンジンの動力の伝達しつつ、トルクコンバータのタービンシェルから湿式摩擦クラッチの入力軸にエンジンの動力を伝達することが可能である。
特開2001−241529号公報
しかしながら、特許文献1の動力伝達装置のようなトルクコンバータに代えて、ダンパを介してエンジンの動力を湿式摩擦クラッチに伝達するようにした場合、トルクコンバータのポンプシェルのような部材を介してエンジンの動力をポンプハブに伝達することができない。そこで、湿式摩擦クラッチの入力軸にスプライン嵌合するダンパにポンプハブを一体的に形成し、このポンプハブの端部を上記特許文献1の動力伝達装置と同様にして油圧ポンプの回転部材に連結することにより、エンジンの動力で油圧ポンプを駆動可能な機構を得ることが考えられる。
このような機構を採用した場合、エンジン及び変速機にこの動力伝達装置を装着する際には、エンジンの出力軸に装着されたフライホイールの取付孔と、ダンパに設けられたエンジン側取付孔との位置合わせに加え、湿式摩擦クラッチの入力軸に形成されたスプラインと、このスプラインに対応してダンパ及びポンプハブに形成された歯との位置合わせ、及びポンプハブの端部の突起と油圧ポンプの回転部材に形成された嵌合孔との位置合わせを行う必要がある。
即ち、先にエンジン側に動力伝達装置を装着してから変速機への組み付けを行う場合、エンジンの出力軸に装着されたフライホイールを回して、湿式摩擦クラッチの入力軸のスプラインと、ダンパ及びポンプハブに形成された歯との位置合わせを行うと共に、ポンプハブの端部の突起と油圧ポンプの回転部材に形成された嵌合孔との位置合わせを行いながら、変速機をエンジン側に固定する必要がある。このため、作業性が極めて悪く、組み付けに非常に手間がかかるという問題がある。
一方、このような低い作業性を避けるため、先に変速機側に動力伝達装置を装着してから、エンジンへの組み付けを行う場合には、変速機に装着された動力伝達装置のハウジングをエンジンに組み付けた状態で、動力伝達装置のハウジングに形成された作業孔から内部のフライホイールを回転させ、フライホイールの取付孔とダンパのエンジン側取付孔との位置合わせを行う必要がある。
このようにした場合には、上述のようにして先にエンジン側に動力伝達装置を装着する場合よりも作業性は改善されるものの、作業孔からフライホイールとダンパとの位置合わせを行う必要があるため、依然として作業性はよいとはいえない。また、この場合には動力伝達装置のハウジングに、上述した作業を行うことができる程度の大きい作業孔が必要となるため、ハウジングの強度が低下するといった問題や、作業孔を設けるためのスペースを確保するためにハウジングが大型化するといった問題のほか、作業孔からのオイル漏れなどを防止するためのシールが広範囲に必要となるといった問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジン及び変速機への組み付けの際の作業性を改善することが可能な動力伝達装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の動力伝達装置は、エンジンと変速機との間に介装され、上記エンジンの動力を上記変速機に伝達可能な動力伝達装置において、スプライン部を有し、上記スプライン部に嵌合するダンパを介して、上記エンジンの出力軸に装着されたフライホイールと連結される入力軸と、上記入力軸と上記変速機との間に介装されて、上記入力軸の回転を上記変速機に伝達可能な湿式摩擦クラッチと、上記入力軸と同一軸線上で回転作動し、上記湿式摩擦クラッチに作動流体を供給する作動流体供給手段と、上記ダンパと別体に設けられて上記入力軸のスプライン部に嵌合し、上記入力軸の回転を上記作動流体供給手段に伝達する駆動部材とを備えることを特徴とする(請求項1)。
このように構成された動力伝達装置によれば、エンジンの出力軸に装着されたフライホイールと入力軸との間に介装されるダンパは、入力軸のスプライン部に嵌合して入力軸に装着される。一方、入力軸のスプライン部には、ダンパと別体に設けられた駆動部材が嵌合しており、この駆動部材を介して入力部材の回転が作動流体供給手段に伝達され、作動流体供給手段が作動する。
従って、エンジン及び変速機に動力伝達装置を組み付ける場合、駆動部材の装着と、ダンパの装着とを別個に行うことができる。このため、駆動部材のみを、作動流体供給手段との位置合わせを行いながら入力軸のスプライン部に嵌合させて、入力軸及び作動流体供給手段に取り付ける一方、フライホールにダンパのみを装着しておくことができる。そして、このような状態で、入力軸のスプライン部にダンパが嵌合するように位置合わせを行いながらエンジンと動力伝達装置とを結合すれば、エンジン及び変速機に動力伝達装置を組み付けることができる。
また、上記動力伝達装置において、上記駆動部材は、第1シール部材を介して上記作動流体供給手段のケーシングに支持されると共に、第2シール部材を介して上記入力軸に支持されていることを特徴とする(請求項2)。
このように動力伝達装置を構成することにより、駆動部材は第1及び第2シール部材を介して流体供給手段のケーシングと入力軸との双方に支持される。
このように動力伝達装置を構成することにより、駆動部材は第1及び第2シール部材を介して流体供給手段のケーシングと入力軸との双方に支持される。
また、上記動力伝達装置において、上記駆動部材は、一端が上記作動流体供給手段に連結され、他端は断面外形が六角形状に形成されていることを特徴とする(請求項3)。
このように動力伝達装置を構成した場合、上述のようにして変速機に装着された動力伝達装置をエンジンに組み付ける際、断面外形が六角形状の入力軸をスパナなどの工具を用いて容易に回転させることができる。
このように動力伝達装置を構成した場合、上述のようにして変速機に装着された動力伝達装置をエンジンに組み付ける際、断面外形が六角形状の入力軸をスパナなどの工具を用いて容易に回転させることができる。
また、上記動力伝達装置において、上記作動流体供給手段は、上記入力軸が貫通する回転入力部材を備え、上記回転入力部材は、上記入力軸の中心軸線に対して直交する平面部と、上記平面部に上記入力軸を取り囲むように形成された複数の嵌合孔とを有し、上記駆動部材は、その一端から上記入力軸の軸線方向に延設され、上記回転入力部材の複数の嵌合孔にそれぞれ嵌挿される複数の突出部を備えることを特徴とする(請求項4)。
このように動力伝達装置を構成した場合、入力軸のスプライン部に嵌合した駆動部材の一端から入力軸の軸線方向に延設された複数の突出部を、作動流体供給手段の回転入力部材に形成された嵌合孔に嵌挿することにより、駆動部材が回転入力部材に装着される。これにより、入力軸の回転が駆動部材を介して回転入力部材に伝達可能となる。
本発明の動力伝達装置によれば、予め入力軸への駆動部材の装着と、フライホイールへのダンパの装着とを別個に行うことができるので、最終的にエンジン及び変速機に動力伝達装置を組み付ける際には、ダンパと入力軸のスプライン部との位置合わせだけですみ、作業性を大幅に改善することができる。
また、動力伝達装置のケーシングに大きな作業孔を設ける必要もなくなるので、ハウジングの強度低下、ハウジングの大型化、及びオイル漏れ防止のための広範囲のシールの必要性といった問題を解消することができる。
また、動力伝達装置のケーシングに大きな作業孔を設ける必要もなくなるので、ハウジングの強度低下、ハウジングの大型化、及びオイル漏れ防止のための広範囲のシールの必要性といった問題を解消することができる。
更に、ダンパと駆動部材とが別個に設けられているので、エンジンの振動はダンパから直接的に駆動部材には伝わらず、エンジンからの振動に起因した作動流体供給手段の振動騒音や故障の発生を良好に抑制することができる。
また、請求項2の動力伝達装置によれば、駆動部材は第1及び第2シール部材を介して流体供給手段のケーシングと入力軸との双方に支持されるため、駆動部材の振動を良好に抑制することが可能となる。
また、請求項2の動力伝達装置によれば、駆動部材は第1及び第2シール部材を介して流体供給手段のケーシングと入力軸との双方に支持されるため、駆動部材の振動を良好に抑制することが可能となる。
また、請求項3の動力伝達装置によれば、変速機に装着された動力伝達装置をエンジンに組み付ける際、断面外形が六角形状の入力軸をスパナなどの工具を用いて容易に回転させ、ダンパと入力軸のスプライン部との位置合わせを行うことができる。従って、エンジン及び変速機に動力伝達装置を組み付ける際の作業性を、より一層向上させることができる。
また、請求項4の動力伝達装置によれば、入力軸のスプライン部に嵌合した駆動部材の一端から入力軸の軸線方向に延設された複数の突出部を、作動流体供給手段の回転入力部材に形成された嵌合孔に嵌挿することにより、駆動部材が回転入力部材に装着される。従って、容易に駆動部材を入力軸及び回転入力部材に組み付けることができ、作業性をより一層向上させることができる。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の動力伝達装置の全体構成を示す概略断面図である。動力伝達装置1は、エンジンと変速機(いずれも図示省略)との間に介装される。
エンジンの出力軸2の端部には、フライホイール4が複数のボルト6により取り付け固定されており、エンジン運転時には出力軸2と共にフライホイール4が回転する。
図1は、本実施形態の動力伝達装置の全体構成を示す概略断面図である。動力伝達装置1は、エンジンと変速機(いずれも図示省略)との間に介装される。
エンジンの出力軸2の端部には、フライホイール4が複数のボルト6により取り付け固定されており、エンジン運転時には出力軸2と共にフライホイール4が回転する。
一方、動力伝達装置1は、油圧ポンプ(作動流体供給手段)8と、湿式摩擦クラッチ10とを有する。油圧ポンプ8は歯車ポンプであって、動力伝達装置1のハウジング12に固定されたポンプケーシング14と、ポンプケーシング14内で回転することにより、圧力を高めた作動流体である作動油を外部に供給するポンプギヤ(回転入力部材)16とを備える。また、湿式摩擦クラッチ10は、エンジンの出力軸2と同一軸線上に配置された入力軸18を備えると共に、出力側が変速機の入力軸(図示せず)に連結されている。
湿式摩擦クラッチ10は、油圧ポンプ8から供給される作動油によって作動するようになっており、接続時にはエンジンからの動力を変速機に伝達し、切断時にはエンジンから変速機への動力の伝達を遮断する。湿式摩擦クラッチ10自体は従来より公知のものであり、ここではその構成についての詳細な説明を省略する。
湿式摩擦クラッチ10の入力軸18は、油圧ポンプ8のポンプギヤ16を貫通してエンジン側に延設され、その周面には、エンジン側端部から所定領域にかけて、中心軸線に平行なスプラインが形成されたスプライン部20を有する。
湿式摩擦クラッチ10の入力軸18は、油圧ポンプ8のポンプギヤ16を貫通してエンジン側に延設され、その周面には、エンジン側端部から所定領域にかけて、中心軸線に平行なスプラインが形成されたスプライン部20を有する。
フライホイール4と入力軸18との間には、エンジンの回転変動や振動を吸収しながらエンジンの動力を入力軸18に伝達するためのダンパ22が介装されている。ダンパ22は、複数のボルト24によりフライホイール4に固定された環状の入力プレート26を入力側に備えると共に、ダンパスプリング28を介して入力プレート26と連結されたダンパハブ30を出力側に備える。
ダンパ22のダンパハブ30には、エンジンの出力軸2の中心軸線に一致する中心軸線を有した貫通孔32が形成されている。貫通孔32の内周面には、入力軸18のスプライン部20に形成されたスプラインに対応する歯が形成されており、ダンパハブ30の貫通孔32内に入力軸18が挿入され、ダンパハブ30が入力軸18のスプライン部20に嵌合している。
ダンパ22のダンパハブ30と油圧ポンプ8のポンプギヤ16との間には、ダンパハブ30とは別体に設けられ、筒状をなして入力軸18が貫通する駆動ハブ34が装着されている。駆動ハブ34の内周面には、入力軸18のスプライン部20に形成されたスプラインに対応する歯が形成されており、駆動ハブ34は入力軸18のスプライン部20とスプライン結合することにより、入力軸18と一体的に回転するようになっている。
また、駆動ハブ34の外周面は、第1シールリング(第1シール部材)36を介し、油圧ポンプ8のポンプケーシング14に回転可能に支持されており、駆動ハブ34の内周面は、第2シールリング(第2シール部材)38を介し、入力軸18の外周面に回転可能に支持されている。従って、駆動ハブ34は、入力軸18のスプライン部20にスプライン嵌合すると共に、2つのシールリングを介してポンプケーシング14及び入力軸18に支持されているので、駆動ハブ34が回転する際の振動の発生を良好に抑制することが可能となる。
図2は駆動ハブ34の側面図であり、図3及び図4は、それぞれ駆動ハブ34の一端側(図2の右側)及び他端側(図2の左側)から駆動ハブ34の軸線方向に見た図である。図2乃至図4に示されるように駆動ハブ34は、円筒状をなすハブ本体34aと、ハブ本体34aの一端から駆動ハブ34の軸線方向に延設された複数の突出部34bと、ハブ本体34aの他端側に形成された断面外形が六角形状に形成された工具係合部34cとからなる。
突出部34bは爪状をなし、図3に示されるようにハブ本体34aの外周に沿って等間隔に配設されている。また、ハブ本体34aの内周面には、上述したように入力軸18のスプライン部20に形成されたスプラインに対応する複数の歯34dが形成されており、駆動ハブ34が入力軸18のスプライン部20とスプライン嵌合するようになっている。
図5は、油圧ポンプ8のポンプギヤ16を、駆動ハブ34の側から中心軸線方向に見た図である。ポンプギヤ16は、入力軸18の中心軸線に対して直交する平面部16aを有しており、図5に示されるように、この平面部16aの中央部分には、湿式摩擦クラッチ10の入力軸18が貫通する貫通孔16bが形成されている。そして、貫通孔16bの周囲には、貫通孔16bに貫通する入力軸18を取り囲むように、等間隔で複数の嵌合孔16cが形成されている。これら嵌合孔16cの数は、駆動ハブ34に設けられた突出部34bの数と一致しており、図1に示されるように、入力軸18に駆動ハブ34が装着された状態にあるとき、駆動ハブ34の突出部34bがポンプギヤ16の嵌合孔16cにそれぞれ嵌合するようになっている。
図5は、油圧ポンプ8のポンプギヤ16を、駆動ハブ34の側から中心軸線方向に見た図である。ポンプギヤ16は、入力軸18の中心軸線に対して直交する平面部16aを有しており、図5に示されるように、この平面部16aの中央部分には、湿式摩擦クラッチ10の入力軸18が貫通する貫通孔16bが形成されている。そして、貫通孔16bの周囲には、貫通孔16bに貫通する入力軸18を取り囲むように、等間隔で複数の嵌合孔16cが形成されている。これら嵌合孔16cの数は、駆動ハブ34に設けられた突出部34bの数と一致しており、図1に示されるように、入力軸18に駆動ハブ34が装着された状態にあるとき、駆動ハブ34の突出部34bがポンプギヤ16の嵌合孔16cにそれぞれ嵌合するようになっている。
上述したように駆動ハブ34は、入力軸18のスプライン部20とスプライン嵌合することにより、入力軸18と一体的に回転するようになっている。従って、駆動ハブ34の突出部34bがポンプギヤ16の嵌合孔16cに嵌合することにより、入力軸18の回転がポンプギヤ16に伝達され、ポンプギヤ16が回転して油圧ポンプ8が作動する。
このように動力伝達装置1が構成されることにより、エンジンの動力は出力軸2に固定されたフライホイール4から、ダンパ22を介して湿式摩擦クラッチ10の入力軸18に伝達される。そして、湿式摩擦クラッチ10を接続した場合には、エンジンの動力が湿式摩擦クラッチ10を介して変速機に伝達される一方、湿式摩擦クラッチ10を切断した場合には、変速機へのエンジンの動力の伝達が遮断される。
このように動力伝達装置1が構成されることにより、エンジンの動力は出力軸2に固定されたフライホイール4から、ダンパ22を介して湿式摩擦クラッチ10の入力軸18に伝達される。そして、湿式摩擦クラッチ10を接続した場合には、エンジンの動力が湿式摩擦クラッチ10を介して変速機に伝達される一方、湿式摩擦クラッチ10を切断した場合には、変速機へのエンジンの動力の伝達が遮断される。
また、入力軸18に伝達されたエンジンの動力の一部は、入力軸18にスプライン嵌合した駆動ハブ34を介して油圧ポンプ8のポンプギヤ16に伝達され、ポンプギヤ16が回転駆動されて油圧ポンプ8が作動する。油圧ポンプ8の作動によって圧力が高められた作動油は湿式摩擦クラッチ10に供給され、湿式摩擦クラッチ10の作動に用いられる。
フライホイール4はエンジンの出力軸2に固定されているので、エンジンの運転に伴う振動によりフライホイール4が変動し、この変動がフライホイール4を介してダンパ22に伝達する。このとき、駆動ハブ34はダンパ22のダンパハブ30と別体に設けられているので、フライホイール4の変動に伴うダンパ22の変動が直接駆動ハブ34に伝達されることはない。従って、変動の伝達に伴う駆動ハブ34や第1シールリング36及び第2シールリング38の摩耗や変形を良好に抑制することができると共に、エンジンから伝わる変動や振動に起因した油圧ポンプ8の振動騒音や故障の発生を良好に抑制することができる。
フライホイール4はエンジンの出力軸2に固定されているので、エンジンの運転に伴う振動によりフライホイール4が変動し、この変動がフライホイール4を介してダンパ22に伝達する。このとき、駆動ハブ34はダンパ22のダンパハブ30と別体に設けられているので、フライホイール4の変動に伴うダンパ22の変動が直接駆動ハブ34に伝達されることはない。従って、変動の伝達に伴う駆動ハブ34や第1シールリング36及び第2シールリング38の摩耗や変形を良好に抑制することができると共に、エンジンから伝わる変動や振動に起因した油圧ポンプ8の振動騒音や故障の発生を良好に抑制することができる。
このような動力伝達装置1をエンジン及び変速機に組み付ける場合には、まず動力伝達装置1の組み立てを次のようにして行っておく。即ち、動力伝達装置1のハウジング12内に湿式摩擦クラッチ10及び油圧ポンプ8を組み込み、入力軸18が油圧ポンプ8のポンプギヤ16を貫通した状態とする。
次に、駆動ハブ34の突出部34bをポンプギヤ16側に向けた状態で、入力軸18の端部から駆動ハブ34を嵌め込む。このとき、駆動ハブ34の複数の突出部34bのそれぞれが、ポンプギヤ16に形成されている嵌合孔16cに嵌合すると共に、駆動ハブ34のハブ本体34aの内周面に形成された複数の歯34dが、入力軸18のスプライン部20に形成されたスプラインに嵌合するように、駆動ハブ34を入力軸18周りに回転させて位置合わせを行いながら、入力軸18の軸線方向にポンプギヤ16に向けて移動し、駆動ハブ34を入力軸18及びポンプギヤ16に装着する。なお、このようにして駆動ハブ34の装着を行う前に、第1シールリング36及び第2シールリング38をそれぞれ所定の場所に装着しておく必要がある。
次に、駆動ハブ34の突出部34bをポンプギヤ16側に向けた状態で、入力軸18の端部から駆動ハブ34を嵌め込む。このとき、駆動ハブ34の複数の突出部34bのそれぞれが、ポンプギヤ16に形成されている嵌合孔16cに嵌合すると共に、駆動ハブ34のハブ本体34aの内周面に形成された複数の歯34dが、入力軸18のスプライン部20に形成されたスプラインに嵌合するように、駆動ハブ34を入力軸18周りに回転させて位置合わせを行いながら、入力軸18の軸線方向にポンプギヤ16に向けて移動し、駆動ハブ34を入力軸18及びポンプギヤ16に装着する。なお、このようにして駆動ハブ34の装着を行う前に、第1シールリング36及び第2シールリング38をそれぞれ所定の場所に装着しておく必要がある。
このように、入力軸18のスプライン部20に嵌合する駆動ハブ34の一端から入力軸18の軸線方向に延設された複数の突出部34bを、ポンプギヤ16に形成された嵌合孔16cに嵌合することにより、駆動ハブ34がポンプギヤ16に装着されるので、容易に駆動ハブ34を入力軸18及びポンプハブ16に装着することができ、動力伝達装置1の組み立ての際の作業性を向上させることができる。
こうして組み立てられた動力伝達装置1は変速機に組み付けられる。変速機への動力伝達装置1の組み付け方法は従来から行われている方法であるので、ここでは詳細な説明を省略するが、変速機の入力軸が湿式摩擦クラッチ10の出力側に連結されると共に、動力伝達装置1のハウジング12が変速機のハウジング(図示せず)に固定されることによって、変速機に動力伝達装置1が組み付けられる。
一方、エンジンの出力軸2には予めフライホイール4を取り付けておき、更にダンパ22をフライホイール4に装着しておく。そして、上述のようにして変速機に組み付けられた動力伝達装置1を、以下のようにしてエンジン側に組み付ける。即ち、ダンパハブ30の貫通孔32の内周面に形成された歯が、入力軸18のスプライン部20に形成されたスプラインと嵌合するように、入力軸18を回転させて位置合わせを行いながら、入力軸18を貫通孔32内に挿入した上で、動力伝達装置1のハウジング12をエンジン側のハウジング(図示せず)に結合する。
なお、上述のように入力軸18を回転させてダンパハブ30の貫通孔32との位置合わせを行う際には、駆動ハブ34のダンパ22側端部に、断面外形が六角形状の工具係合部34cが形成されているので、この工具係合部34cにスパナなどを用いることにより、容易に入力軸18を回転させて位置合わせを行うことができる。
このように、動力伝達装置1を変速機及びエンジンに組み付ける際には、ダンパ22のダンパハブ30と駆動ハブ34とが別体となっているので、先に駆動ハブ34を入力軸18及びポンプギヤ16に装着しておくことができると共に、ダンパ22をフライホイール4に装着しておくことができる。従って、変速機に組み付けられた動力伝達装置1をエンジンに組み付ける際には、ダンパ22のダンパハブ30と入力軸18のスプライン部20との位置合わせだけですみ、組み付けの際の作業性を大幅に改善することができる。
このように、動力伝達装置1を変速機及びエンジンに組み付ける際には、ダンパ22のダンパハブ30と駆動ハブ34とが別体となっているので、先に駆動ハブ34を入力軸18及びポンプギヤ16に装着しておくことができると共に、ダンパ22をフライホイール4に装着しておくことができる。従って、変速機に組み付けられた動力伝達装置1をエンジンに組み付ける際には、ダンパ22のダンパハブ30と入力軸18のスプライン部20との位置合わせだけですみ、組み付けの際の作業性を大幅に改善することができる。
これに伴い、動力伝達装置1のハウジング12に組み付け作業のための作業孔を設ける必要もなくなるので、ハウジング12の強度低下、ハウジング12の大型化、及びオイル漏れ防止のための広範囲のシールの必要性といった問題を解消することができる。
以上で本発明の一実施形態に係る動力伝達装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以上で本発明の一実施形態に係る動力伝達装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では駆動ハブ34に、爪状をなす4つの突出部34bを、ハブ本体34aの外周に沿って等間隔に設けるようにしたが、突出部34bの数、形状、配置などについてはこれに限定されるものではなく、様々に変形することが可能である。但し、駆動ハブ34に設けられた突出部34bに対応して数、形状、配置などが設定された嵌合孔16cがポンプギヤ16の平面部16aに設けられなければならないことは言うまでもない。
また、上記実施形態では油圧ポンプ8を歯車ポンプとしたが、油圧ポンプの形式はこれに限定されるものではなく、ポンプギヤ16のように、入力軸18と同一軸線上で回転する回転入力部材を有する形式の油圧ポンプであればよい。
また、上記実施形態では、湿式摩擦クラッチ10に用いる作動流体として作動油を用いたが、作動流体の種類はこれに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、湿式摩擦クラッチ10に用いる作動流体として作動油を用いたが、作動流体の種類はこれに限定されるものではない。
1 動力伝達装置
4 フライホイール
8 油圧ポンプ(作動流体供給手段)
10 湿式摩擦クラッチ
12 ハウジング
14 ポンプケーシング
16 ポンプギヤ(回転入力部材)
16a 平面部
16c 嵌合孔
18 入力軸
20 スプライン部
22 ダンパ
34 駆動ハブ(駆動部材)
34b 突出部
36 第1シールリング(第1シール部材)
38 第2シールリング(第2シール部材)
4 フライホイール
8 油圧ポンプ(作動流体供給手段)
10 湿式摩擦クラッチ
12 ハウジング
14 ポンプケーシング
16 ポンプギヤ(回転入力部材)
16a 平面部
16c 嵌合孔
18 入力軸
20 スプライン部
22 ダンパ
34 駆動ハブ(駆動部材)
34b 突出部
36 第1シールリング(第1シール部材)
38 第2シールリング(第2シール部材)
Claims (4)
- エンジンと変速機との間に介装され、上記エンジンの動力を上記変速機に伝達可能な動力伝達装置において、
スプライン部を有し、上記スプライン部に嵌合するダンパを介して、上記エンジンの出力軸に装着されたフライホイールと連結される入力軸と、
上記入力軸と上記変速機との間に介装されて、上記入力軸の回転を上記変速機に伝達可能な湿式摩擦クラッチと、
上記入力軸と同一軸線上で回転作動し、上記湿式摩擦クラッチに作動流体を供給する作動流体供給手段と、
上記ダンパと別体に設けられて上記入力軸のスプライン部に嵌合し、上記入力軸の回転を上記作動流体供給手段に伝達する駆動部材と
を備えることを特徴とする動力伝達装置。 - 上記駆動部材は、第1シール部材を介して上記作動流体供給手段のケーシングに支持されると共に、第2シール部材を介して上記入力軸に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
- 上記駆動部材は、一端が上記作動流体供給手段に連結され、他端は断面外形が六角形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
- 上記作動流体供給手段は、上記入力軸が貫通する回転入力部材を備え、
上記回転入力部材は、上記入力軸の中心軸線に対して直交する平面部と、上記平面部に上記入力軸を取り囲むように形成された複数の嵌合孔とを有し、
上記駆動部材は、その一端から上記入力軸の軸線方向に延設され、上記回転入力部材の複数の嵌合孔にそれぞれ嵌挿される複数の突出部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008294334A JP2010121674A (ja) | 2008-11-18 | 2008-11-18 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008294334A JP2010121674A (ja) | 2008-11-18 | 2008-11-18 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010121674A true JP2010121674A (ja) | 2010-06-03 |
Family
ID=42323191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008294334A Withdrawn JP2010121674A (ja) | 2008-11-18 | 2008-11-18 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010121674A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101518616B1 (ko) * | 2013-11-14 | 2015-05-07 | 주식회사평화발레오 | 듀얼 매스 플라이휠의 클러치 장치 |
-
2008
- 2008-11-18 JP JP2008294334A patent/JP2010121674A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101518616B1 (ko) * | 2013-11-14 | 2015-05-07 | 주식회사평화발레오 | 듀얼 매스 플라이휠의 클러치 장치 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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