JP2010121578A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】背圧室と圧縮室を間欠的に連通させることで背圧を制御しているスクロール圧縮機であって、組み立て時に設定されているラップ先端部とラップ側面部の隙間から作動流体が漏れ出してしまい、体積効率の低下を引き起こしてしまう。
【解決手段】高圧領域30と背圧室29を連通させることで背圧室29へオイル6を供給し、さらに背圧室29と吸入口17に連通しない第2の圧縮室15bを連通させることで背圧室の圧力を維持しつつ、吸入口17に連通する第1の圧縮室15aに連通させることで、シールオイルを供給できるため、作動流体の閉じ込みを確実に行うことが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷却装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
従来、冷凍空調機や冷凍機に用いられるスクロール圧縮機は、一般に、鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロールおよび旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転拘束機構による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき、圧縮室が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行うものである。作動流体は旋回スクロールの旋回運動に伴い徐々に圧縮され、中心部に向かうに従い高圧状態となるため、旋回スクロールには固定スクロールから引き離される方向に離反力が働く。その結果、旋回スクロールと固定スクロールには隙間が生じるため、圧縮途中の漏れが発生し、性能悪化を引き起こしてしまう。この対策として、旋回スクロールの背面に中間圧力を印加させ、固定スクロールからの離反を防止する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
図7は特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図である。図7において、旋回スクロール3の端板に設けられ、圧縮室14側に開口する圧縮室側開口部22cから背圧室12に開口する背圧室側開口部22bへ連通する連絡通路22を備え、旋回スクロール3の旋回運動に伴い、圧縮室側開口部22cが固定スクロール2の端板で開閉されることで連絡通路22の連通及び閉塞が行われる。この連通及び閉塞の動作により、背圧室12の圧力を所定の圧力(=中間圧力)に維持している。
特開2007−270697号公報
しかしながら、前記従来の構成では、背圧室12を圧縮室14に間欠的に連通させることで所定の圧力(=中間圧力)を維持しており、旋回スクロール3と固定スクロール2の離反を防止している。しかしこの対策は異常運転を回避したにすぎず、組み立て時に設定されているラップ先端部とラップ側面部の隙間からの作動流体の漏れに関しては、別途対策が必要となる。特に吸入口に連通する第1の圧縮室においては、作動流体の閉じ込みが不十分となり、体積効率の低下を引き起こすという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、背圧室を所定の圧力に維持しつつ、吸入口に連通する第1の圧縮室にシールオイルを供給することで作動流体の閉じ込みを確実に行い、異常運転を防止すると同時に体積効率の低下を抑制するスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの背面にはオイルで満たされた高圧領域と背圧室を形成し、自転拘束機構による規制により旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、固定スクロールに形成された吸入口から作動流体を吸入し、圧縮室に閉じ込めた後、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機であって、高圧領域と背圧室を連通させる第1の経路と、背圧室と圧縮室を連通させる第2の経路を設け、第2の経路の一開口端が、吸入口に連通する第1の圧縮室
と吸入口に連通しない第2の圧縮室に周期的に開口したものである。
かかる構成によれば、高圧領域と背圧室を連通させることで背圧室へオイルを供給し、さらに背圧室と吸入口に連通しない第2の圧縮室を連通させることで背圧室の圧力を維持しつつ、吸入口に連通する第1の圧縮室に連通させることで、その圧縮室に供給されたオイルが作動流体の閉じ込み時のシールオイルとして作用し、体積効率の低下を抑制することができる。すなわち異常運転を防止すると同時に、作動流体の閉じ込みを確実に行えるので、高効率で安定した性能を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明のスクロール圧縮機は、高圧領域と背圧室を連通させ、背圧室を吸入口に連通する第1の圧縮室と吸入口に連通しない第2の圧縮室に周期的に開口することで、背圧室を所定の圧力に維持しつつ、吸入口に連通する圧縮室にシールオイルを供給できるため、作動流体の閉じ込みを確実に行うことができ、高効率で安定した性能を実現することができる。
第1の発明は、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの背面にはオイルで満たされた高圧領域と背圧室を形成し、自転拘束機構による規制により旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、固定スクロールに形成された吸入口から作動流体を吸入し、圧縮室に閉じ込めた後、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機であって、高圧領域と背圧室を連通させる第1の経路と、背圧室と圧縮室を連通させる第2の経路を設け、第2の経路の一開口端が、吸入口に連通する第1の圧縮室と吸入口に連通しない第2の圧縮室に周期的に開口したものである。この構成によれば、高圧領域と背圧室を連通させることで背圧室へオイルを供給し、さらに背圧室と吸入口に連通しない第2の圧縮室を連通させることで背圧室の圧力を維持しつつ、吸入口に連通する第1の圧縮室に連通させることで、その圧縮室に供給されたオイルが作動流体の閉じ込み時のシールオイルとして作用し、体積効率の低下を抑制することができる。すなわち異常運転を防止すると同時に、作動流体の閉じ込みを確実に行えるので、高効率で安定した性能を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
第2の発明は、特に第1の発明の第2の経路の一開口端が圧縮室に開口する比率に関して、吸入口に連通しない第2の圧縮室への開口比率を、吸入口に連通する第1の圧縮室への開口比率より大きくしたものである。この構成によれば、背圧室の圧力は第2の経路が連通する圧縮室の圧力で決定するため、吸入口に連通しない第2の圧縮室への開口比率を大きくすることで背圧室を所定の圧力に維持することが可能となる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明の第1の経路が、高圧領域と背圧室を間欠的に連通したものである。この構成によれば、第2の経路が背圧室と圧縮室を連通しない場合が1回転中に存在しても、第1の経路を間欠的に連通させることで、過剰な背圧を防止することができる。また高圧領域から背圧室へのオイル供給量を連通時間でコントロールできるため、細孔等の絞りの必要性もなく、異物噛み込みや閉塞の課題も解消でき、高信頼性を実現することができる。
第4の発明は、特に第3の発明の第2の経路の一開口端が、吸入口に連通しない第2の圧縮室に開口しているときに、第1の経路が高圧領域と背圧室を連通させたものである。この構成によれば、吸入口に連通しない第2の圧縮室に開口している際に、背圧室にオイルを供給することになるので、圧縮室から背圧室への作動流体の逆流を防止できる。また
一方で、背圧室は高圧領域からオイルが供給されている間は、必ず圧縮室に開口していることになるため、背圧室にオイルが溜まりこむこともなく、背圧が異常上昇する恐れもない。すなわち、性能低下を防止すると同時に過剰な背圧の印加も防止できるため、高効率かつ高信頼性を実現することができる。
第5の発明は、特に第1から4のいずれか1つの発明の旋回スクロールのラップ内壁側に形成される圧縮室の吸入容積と、旋回スクロールのラップ外壁側に形成される圧縮室の吸入容積が異なるものである。この構成によれば、旋回スクロールのラップ内壁側に形成される圧縮室とラップ外壁側に形成される圧縮室は作動流体を閉じ込めるタイミングが異なるため、それら2つの圧縮室には圧力差が生じた状態で圧縮が進む。この圧力差による圧縮室間の漏れに対し、第2の経路を経て供給されたオイルがシールオイルとして作用し、より効果的に漏れ損失の低減を図ることができる。
第6の発明は、特に第1から5のいずれか1つの発明の第2の経路の一開口端が、旋回スクロールのラップ内壁側に形成される圧縮室で、かつ吸入口に連通する第1の圧縮室に開口したものである。この構成によれば、旋回スクロールのラップ内壁側に形成される圧縮室は、作動流体の閉じ込み時に作動流体の流れと反対の向きに旋回スクロールのラップが動くため、第2の経路を経て供給されたオイルが作動流体の閉じ込み時のシールオイルとしてより効果的に作用し、体積効率の低下を抑制することができる。
第7の発明は、特に第1から6のいずれか1つの発明の第2の経路の一開口端を、旋回スクロールの鏡板で、旋回スクロールのラップ壁面から固定スクロールのラップ厚み以上離れたところに設けたものである。この構成によれば、旋回スクロールの鏡板に形成された開口端が、固定スクロールのラップ上面を横断して吸入口に連通する第1の圧縮室と吸入口に連通しない第2の圧縮室に開口するため、第2の経路の構成が簡単であり、しかも加工が容易である。
第8の発明は、特に第1から7のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としたものである。そしてこの場合、特に動作圧力が高いため、安定した背圧を印加すると同時に、作動流体の閉じ込み時にはシールオイルが不可欠となる。すなわち本発明の効果が顕著に現れ、高効率かつ高信頼性を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1の圧縮機構部の要部拡大縦断面図、図3は同スクロール圧縮機の圧縮機構部横断面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態に係るスクロール圧縮機について、その動作、作用を説明する。
図1、図2に示すように、本実施の形態のスクロール圧縮機は、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどして固定したクランク軸4の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした固定スクロール12との間に、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでスクロール式の圧縮機構2を構成し、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転拘束機構14を設けて、クランク軸4の上端にある偏心軸部4
aにて旋回スクロール13を偏心駆動することにより旋回スクロール13を円軌道運動させ、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16および固定スクロール12の外周部の吸入口17から冷媒ガスを吸入して圧縮していき、所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール12の中央部の吐出口18からリード弁19を押し開いて密閉容器1内に吐出させることを繰り返す。
旋回スクロール13のラップ上面13bには、運転中の温度分布を測定した結果をもとに、中心部である巻き始め部から外周部である巻き終わり部にかけて、徐々にハネ高さが高くなるようにスロープ形状が設けられている。これにより熱膨張による寸法変化を吸収し、局所摺動を防止することができる。
また旋回スクロール13の背面13eには、高圧領域30と、高圧と低圧の中間圧に設定された背圧室29が形成されている。この背面13eの圧力付加により旋回スクロール13は固定スクロール12に安定的に押し付けられ、漏れを低減するとともに安定して円軌道運動を行うことができる。
圧縮機運転中は、クランク軸4の下端にはポンプ25が設けられ、スクロール圧縮機と同時に駆動される。これによりポンプ25は密閉容器1の底部に設けられたオイル溜め20にあるオイル6を吸い上げてクランク軸4内を通縦しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構2に供給する。このときの供給圧は、スクロール圧縮機の吐出圧力とほぼ同等であり、旋回スクロール13に対する背圧源ともなる。
圧縮機構2に供給されたオイル6の一部は、供給圧や自重によって、逃げ場を求めるようにして偏心軸部4aと旋回スクロール13との嵌合部、クランク軸4と主軸受部材11との間の軸受部66に進入してそれぞれの部分を潤滑した後落下し、オイル溜め20へ戻る。高圧領域30に供給されたオイル6の別の一部は、高圧領域30に開口する第1の経路54を通って、旋回スクロール13の外周部まわりにあって自転拘束機構14が位置している背圧室29に進入し、スラスト摺動部および自転拘束機構14の摺動部を潤滑するのに併せ、背圧室29にて旋回スクロール13の背圧を印加する。
旋回スクロール13には、一方の開口端55aが背圧室29に開口する第2の経路55が形成されている。もう一方の開口端55bは吸入口17に連通する第1の圧縮室15aと吸入室17に連通しない第2の圧縮室15bに周期的に開口しており、これにより第1の経路54を通って背圧室29に進入したオイル6は、第2の経路55を通って第1の圧縮室15aもしくは第2の圧縮室15bへと導かれる。第1の圧縮室15aに連通させることで、第1の圧縮室15aに供給されたオイル6が作動流体の閉じ込み時のシールオイルとして作用し、体積効率の低下を抑制する。また第2の圧縮室15bに連通させることで背圧室29の圧力を維持し、旋回スクロール13と固定スクロール12の離反を防止している。その結果、異常運転を防止すると同時に、作動流体の閉じ込みを確実に行えるので、高効率で安定した性能を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。なお吸入口17に連通する第1の圧縮室15aと吸入口17に連通しない第2の圧縮室15bに関しては図3に示す。
また第2の経路55の一開口端55bが圧縮室に開口する比率に関して、吸入口17に連通しない第2の圧縮室15bへの開口比率を、吸入口17に連通する第1の圧縮室15aへの開口比率より大きくするのが好ましい。背圧室29の圧力は第2の経路55が連通する圧縮室15の圧力で決定する。すなわち背圧室29が第1の圧縮室15aと連通する比率が大きいと、背圧室29は第1の圧縮室15aの圧力に近づくため、吸入圧力に近い状態となってしまう。この場合、旋回スクロール13の背面13eには十分な押し付け力
が作用せず、旋回スクロール13が固定スクロール12から離反する恐れがある。これに対し、第1の圧縮室15aへの連通よりも第2の圧縮室15bへの連通を長くすることで、背圧室29の圧力は第2の圧縮室15bの圧力に近づく。すなわち背圧室29を所定の圧力に維持することが可能となり、十分な押し付け力を旋回スクロール13の背面13eに作用させることができる。
また第1の経路54により、高圧領域30と背圧室29を間欠的に連通させるのが好ましい。これにより第2の経路55が背圧室29と第1の圧縮室15aもしくは第2の圧縮室15bを連通しない場合、すなわち背圧室29が閉空間となる場合が1回転中に存在しても、第1の経路54を間欠的に連通させることで背圧室29への過剰なオイル供給が防止され、その結果過剰な背圧印加を防止することができる。また高圧領域30から背圧室29へのオイル供給量を連通時間でコントロールできるため、細孔等の絞りの必要性もなく、異物噛み込みや閉塞の課題も解消でき、高信頼性を実現することができる。
また第2の経路55の一開口端55bが、吸入口17に連通しない第2の圧縮室15bに開口しているときに、第1の経路54によって高圧領域30と背圧室29を連通させるのが好ましい。背圧室29のオイル6は第2の経路55を介して、吸入口17に連通する第1の圧縮室15aと吸入口に連通しない第2の圧縮室15bへと供給される。当然のことながら、第2の圧縮室15bの方が第1の圧縮室15aより圧力が高いため、仮に第2の経路55が第2の圧縮室15bに開口した時、背圧室29の圧力が第2の圧縮室15bの圧力より低いと、第2の圧縮室15bから背圧室29へと作動流体が逆流してしまい、性能低下を引き起こすことになる。そこで第2の圧縮室15bに開口する際には高圧領域30と背圧室29を連通させ、背圧室29の圧力が高くなるようにオイル6を供給することで第2の圧縮室15bからの作動流体の逆流を防止する。また一方で、背圧室29は高圧領域30からオイル6が供給されている間は、必ず第2の圧縮室15bに開口していることになるため、背圧室29にオイル6が溜まりこむこともなく、背圧が異常上昇する恐れもない。すなわち、性能低下を防止すると同時に過剰な背圧の印加も防止できるため、高効率かつ高信頼性を実現することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部横断面図、図5は同スクロール圧縮機の圧縮室の圧力上昇特性図である。
図4に示すように、本実施の形態のスクロール圧縮機では、旋回スクロール13のラップ内壁13i側に形成される圧縮室15iの吸入容積Viと、旋回スクロール13のラップ外壁13o側で形成される圧縮室15oの吸入容積Voが異なることを特徴とする。図5に示すように、吸入容積ViとVoが異なるということは、圧縮室15iと圧縮室15oが作動流体を閉じ込めるタイミングが異なるということであり、早く作動流体を閉じ込めた圧縮室15i(もしくは15o)の方が先に圧縮が進み、遅れて作動流体を閉じ込めた圧縮室15o(もしくは15i)はそのあとを追うように圧縮が進む。すなわち2つの圧縮室15i、15oには圧力差が生じた状態で圧縮が進んでいく。この圧力差による2つの圧縮室15i、15oの間の漏れに対し、第2の経路55を経て圧縮室15i、15o供給されたオイル6がシールオイルとして作用し、より効果的に漏れ損失の低減を図ることができる。
また第2の経路55の一開口端55bを、旋回スクロール13のラップ内壁13i側に形成される圧縮室で、かつ吸入口17に連通する第1の圧縮室15aiに開口させるのが好ましい。旋回スクロール13のラップ内壁13i側に形成される圧縮室15iは、作動流体の閉じ込み時に作動流体の流れと反対の向きに旋回スクロール13のラップ13aが動くため、作動流体の閉じ込み行程において漏れを促進させる傾向がある。そこで第2の
経路55を経て第1の圧縮室15aiに積極的にオイル6を供給することで、供給されたオイル6が作動流体の閉じ込み時のシールオイルとして効果的に作用するので、体積効率の低下を抑制することができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部横断面図である。
図6に示すように、本実施の形態のスクロール圧縮機では、第2の経路55の一開口端55bを、旋回スクロール13の鏡板13fで、旋回スクロール13のラップ壁面13gから固定スクロール12のラップ12aの厚み以上離れたところに設けることを特徴とする。この場合、第2の経路55の開口端55bは、図4に示す固定スクロール12のラップ上面12bを横断して吸入口17に連通する第1の圧縮室15aと吸入口17に連通しない第2の圧縮室15bに開口することになるため、第2の経路55の構成が単純であり、しかも加工が容易である。
最後に作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素とした場合、特に動作圧力が高いため、変動が少なく、安定した背圧が求められる。また作動流体の閉じ込み時にもシールオイルが不可欠となるため、本発明の効果が顕著に現れ、高効率かつ高信頼性を実現するスクロール圧縮機を提供することができる。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、高圧領域と背圧室を連通させ、背圧室を吸入口に連通する第1の圧縮室と吸入口に連通しない第2の圧縮室に周期的に開口することで、背圧室を所定の圧力に維持しつつ、吸入口に連通する第1の圧縮室にシールオイルを供給できるため、作動流体を冷媒と限ることなく、空気スクロール圧縮機、真空ポンプ、スクロール型膨張機等のスクロール流体機械の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の要部拡大縦断面図 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部横断面図 本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部横断面図 本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の圧縮室の圧力上昇特性図 本発明の実施の形態3におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部横断面図 従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の縦断面図
符号の説明
12 固定スクロール
12a ラップ
13 旋回スクロール
13a ラップ
13e 背面
13f 鏡面
13g ラップ壁面
13i ラップ内壁
13o ラップ外壁
14 自転拘束機構
15 圧縮室
15a 吸入口と連通する第1の圧縮室
15b 吸入口と連通しない第2の圧縮室
17 吸入口
29 背圧室
30 高圧領域
54 第1の経路
55 第2の経路
55a 背圧室側開口端
55b 圧縮室側開口端

Claims (8)

  1. 鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、前記旋回スクロールの背面にはオイルで満たされた高圧領域と背圧室を形成し、自転拘束機構による規制により前記旋回スクロールが円軌道に沿って所定の旋回半径で旋回することで、前記圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、前記固定スクロールに形成された吸入口から作動流体を吸入し、前記圧縮室に閉じ込めた後、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機であって、前記高圧領域と前記背圧室を連通させる第1の経路と、前記背圧室と前記圧縮室を連通させる第2の経路を設け、前記第2の経路の一開口端が、前記吸入口に連通する第1の圧縮室と前記吸入口に連通しない第2の圧縮室に周期的に開口してなるスクロール圧縮機。
  2. 第2の経路の一開口端が圧縮室に開口する比率に関して、吸入口に連通しない第2の圧縮室への開口比率を、前記吸入口に連通する第1の圧縮室への開口比率より大きくした請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 第1の経路が、高圧領域と背圧室を間欠的に連通してなる請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 第2の経路の一開口端が、吸入口に連通しない第2の圧縮室に開口しているときに、第1の経路が高圧領域と背圧室を連通してなる請求項3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 旋回スクロールのラップ内壁側に形成される圧縮室の吸入容積と、前記旋回スクロールのラップ外壁側に形成される圧縮室の吸入容積が異なる請求項1〜4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 第2の経路の一開口端が、旋回スクロールのラップ内壁側に形成される圧縮室で、かつ吸入口に連通する第1の圧縮室に開口してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  7. 第2の経路の一開口端を、旋回スクロールの鏡板で、前記旋回スクロールのラップ壁面から固定スクロールのラップ厚み以上離れたところに設けられてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  8. 作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
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