JP2007154805A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007154805A
JP2007154805A JP2005352993A JP2005352993A JP2007154805A JP 2007154805 A JP2007154805 A JP 2007154805A JP 2005352993 A JP2005352993 A JP 2005352993A JP 2005352993 A JP2005352993 A JP 2005352993A JP 2007154805 A JP2007154805 A JP 2007154805A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
back pressure
chamber
compressor
expander
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005352993A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Wada
賢宣 和田
Kiyoshi Sawai
澤井  清
Takashi Morimoto
敬 森本
Akira Ikeda
明 池田
Akira Iwashida
鶸田  晃
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2005352993A priority Critical patent/JP2007154805A/ja
Publication of JP2007154805A publication Critical patent/JP2007154805A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】スクロール膨張機の安定した軸方向密封により漏れを防いで高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流入する潤滑油量を軽低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【解決手段】旋回スクロール205の背部に位置して、旋回スクロール205が固定スクロール204に押圧する背圧を働かせる背圧室217と、スクロール膨張機と共に冷凍サイクル装置を構成する蒸発器出口から圧縮機の圧縮室までの任意の位置との間を連通する連絡通路220を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、高圧の圧縮性流体を膨張させることによって動力エネルギーを回収するスクロール膨張機を有する冷凍サイクル装置に関する。
従来のスクロール膨張機は、旋回スクロールの鏡板と固定スクロールのラップ端部との接触面の気密を保持するため、および固定スクロールの鏡板と旋回スクロールのラップ端部との接触面の気密を保持するため、旋回スクロールの鏡板の背面に背圧を作用させる背圧付与手段を備えている。
スクロール膨張機の背圧付与手段としては、膨張機に供給される最高圧力のガスを作用させる方式、膨張過程で発生する中間圧力のガス圧を作用させる方式、あるいは油圧を作用させる方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、ガス圧または油圧を旋回スクロールの鏡板の背面に作用させることによって、安定した軸方向密封を達成できるので、漏れを防いで高効率なスクロール膨張機を提供することができる。
図7は、前記特許文献1に記載された、スクロール圧縮機における従来の背圧付与手段である。
圧縮室301は、渦巻き状のラップが鏡板から立ち上がる固定スクロール302及び旋回スクロール303を噛み合わされることにより、形成される。旋回スクロール303の背部には、旋回スクロール303を固定スクロール302に押圧する背圧を働かせる背圧室304が設けられている。背圧室304とスクロール圧縮機にガスを吸入する吸入室305とには、それぞれ背圧室側連絡通路306と吸入室側連絡通路307とが連通しており、これらの通路の間に弁室308が設けられている。弁室308は、固定スクロール301の上面に形成された穿孔の上部にストッパ309を圧入することで形成される。
弁室308内には、背圧室304に通じる背圧室側連絡通路306の開閉を行う弁体310、この弁体310が納まる弁座311、背圧が一定値以上になるまで弁体309を押付けて背圧室側連絡通路305を閉にするばね312が設けられている。
弁室308は吸入室305と連通しているため、弁室308内の圧力は圧縮機の吸入圧力と等しい。
背圧室304に潤滑油が溜まるに従い、背圧は上昇する。背圧が弁室308内の圧力とばね311による押付力の合力を上回る(設定値を上回る)と、弁体310が押し上げられて、背圧室側連絡通路306が弁室308と連通する。この連通により、背圧室304内の潤滑油が、弁室308と吸入室側連絡通路307とを経由して、吸入室304に流出する。
逆に、背圧が弁室308内の圧力とばね312による押付力の合力を下回る(設定値を下回る)と、弁体310が押し下げられて、弁体310は背圧室側連絡通路306を閉じる。
以上のように、特許文献1に記載された背圧付与手段を用いれば、スクロール圧縮機の背圧を設定値に保つことができる。
特開2000−291571号公報
しかしながら、特許文献1に記載された圧縮機の背圧付与手段をスクロール膨張機に適用した場合、スクロール膨張機では旋回スクロールの外周側が吐出室となるため、背圧を作用させた潤滑油は膨張機構の吐出室へ直接流出することになる。
そのため、膨張機から吐出される冷媒に含まれる潤滑油が増加し、冷凍サイクル装置において膨張機の下流側に位置する蒸発器の熱交換能力を低下させるという課題が生じる。
本発明は、この課題を解決するもので、スクロール膨張機の安定した軸方向密封により漏れを防いで高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油量を低減し、高効率な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明の冷凍サイクル装置は、圧縮機、放熱器、スクロール膨張機、蒸発器を順に配管で接続されてなる冷媒サイクル装置において、前記スクロール膨張機が、渦巻状ラップを有する固定スクロールと、前記固定スクロールの渦巻状ラップと噛み合うことによって膨張室を形成する渦巻状ラップを有する旋回スクロールと、前記旋回スクロールの背部に位置して旋回スクロールに背圧を働かせる背圧室と、前記背圧室と連通する弁室と、前記蒸発器と前記圧縮機との間の配管と前記弁室とを接続する連絡通路と、前記弁室内に設置され、前記背圧室内の圧力に応じて前記背圧室と前記連絡通路との間の連通・非連通を制御する弁機構とを備えたものである。
これによって、スクロール膨張機の安定した軸方向密封により漏れを防いで高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油量を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
本発明の冷凍サイクル装置は、圧縮機、放熱器、スクロール膨張機、蒸発器を順に配管で接続されてなる冷媒サイクル装置において、前記スクロール膨張機が、渦巻状ラップを有する固定スクロールと、前記固定スクロールの渦巻状ラップと噛み合うことによって膨張室を形成する渦巻状ラップを有する旋回スクロールと、前記旋回スクロールの背部に位置して旋回スクロールに背圧を働かせる背圧室と、前記背圧室と連通する弁室と、前記圧縮機の圧縮室と前記弁室とを接続する連絡通路と、前記弁室内に設置され、前記背圧室内の圧力に応じて前記背圧室と前記連絡通路との間の連通・非連通を制御する弁機構とを備えたものである。
これによって、膨張機の背圧室から流れてきた潤滑油を確実に圧縮機に吸入させ、圧縮機の潤滑油溜りへ戻すことができる。そのため、スクロール膨張機の高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油量を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
本発明の冷凍サイクル装置は、圧縮機の圧縮機構部とスクロール膨張機の膨張機構部とが、一つの密閉容器内に収容されている冷凍サイクル装置において、背圧室と、圧縮機の圧縮室の間を連通する連絡通路、あるいは、背圧室と、蒸発器と圧縮機の接続配管との間を連通する連絡通路を備えたものである。
これによって、スクロール膨張機の安定した軸方向密封により漏れを防いで高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油量を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
本発明の冷凍サイクル装置は、弁室に膨張機の背圧を調整する手段を備えているため、旋回スクロールが固定スクロールから押し離されない背圧が設定でき、スクロール膨張機の高い信頼性と高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油量を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
本発明のスクロール膨張機は、連絡通路に潤滑油冷却手段を備えているため、膨張機の背圧室から流れてきた潤滑油を冷却して圧縮機に吸入させることで、圧縮室に吸入される冷媒温度の上昇を抑え、圧縮動力の増加を防ぐことができる。また、潤滑油を冷却して圧縮機に吸入させることで、圧縮室へ流入する潤滑油の粘度が増し、圧縮室のシール性を高めることができ、スクロール膨張機の高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油量を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
本発明の冷凍サイクル装置は、連絡通路に潤滑油に混じる混入物を捕らえるフィルタを備えているため、圧縮室への異物吸入による圧縮機の損傷を防ぐことができ、圧縮機の高い信頼性を維持しつつ、スクロール膨張機の高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油量を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
本発明の冷凍サイクル装置は、連絡通路に1つ以上の弁を備えているため、圧縮機へ流入する潤滑油の圧力を調節して、圧縮機での圧力脈動を防ぐことができ、圧縮機の高い信頼性を維持しつつ、スクロール膨張機の高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油量を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
本発明のスクロール膨張機は、安定した軸方向密封により漏れを防いで高い効率を達成しながら、膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油量を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷凍サイクル装置の構成図を示す。
冷凍サイクル装置は、圧縮機101、放熱器102、スクロール膨張機103、蒸発器104が配管によって接続されている。また、スクロール膨張機103の背圧室と、蒸発器104と圧縮機101との間の配管とを繋ぐ連絡通路220が設けられている。
圧縮機101で昇温昇圧された冷媒は、放熱器102へ流入し、外部へ熱を放出する。次に、冷媒は、膨張機103に吸入されて膨張し、低温低圧になり、蒸発器104へ流入して受熱し、再び圧縮機101に吸入される。
図2は、本発明の実施の形態1におけるスクロール膨張機103の縦断面図を示す。
スクロール膨張機構部は、主軸受部材203、固定スクロール204、旋回スクロール205および自転規制機構206を備えている。
主軸受部材203は、溶接や焼き嵌めなどして密閉容器201内に固定され、軸202の主軸部202aを軸支する。固定スクロール204は、この主軸受部材203上にボルトによって固定されている。主軸受部材203と固定スクロール204との間には、固定スクロール204と噛み合う旋回スクロール205が挟み込まれている。旋回スクロール205と主軸受部材203との間には、旋回スクロール205の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転規制機構206が設けられている。
軸202の上端にある偏心軸部202bは、旋回スクロール205を偏心駆動することにより旋回スクロール205を円軌道運動させる。これにより、固定スクロール204と旋回スクロール205との間に形成されている膨張室207が中央側から外周側に移動しながら大きくなる。
密閉容器201外に通じた吸入パイプ208から流れ込む冷媒ガスは、主軸受部材203及び固定スクロール204に設けられた冷媒通路(図示せず)を経て、固定スクロール204の中央部の吸入口209から膨張室207へ吸入される。吸入された冷媒ガスは、上記膨張室207の容積変化に伴って膨張して所定圧以下になったのち、固定スクロール204の外周側に接続されている吐出口210から密閉容器201外に吐出される。
軸202の下端側は、副軸受部材211によって支持され、その先端には容積型ポンプ212が設置されている。潤滑油213は、潤滑油溜り214から容積型ポンプ212によって汲み上げられ、軸202の軸方向の中心に設けられた給油経路215を経て、主軸受部203a、偏心軸受部203bを潤滑および冷却した後、潤滑油戻し孔(図示せず)を経て、潤滑油溜り214へ戻る。
偏心軸受部203bに到達した潤滑油213の一部は、旋回スクロール205の内部に設けられた絞り通路216より減圧されて背圧室217に供給される。旋回スクロール205の鏡板背面205aには、この背面の中心部と外周部とを仕切るシール部材218が配置されている。このシール部材218により、偏心軸受部203bに到達した潤滑油213の圧力と背圧室217の圧力とを区別することができる。背圧室217は、旋回スクロール205の背部に位置し、減圧され旋回スクロール205を固定スクロール204側に押圧する圧力を働かせる。
背圧調整機構219は、背圧室217の圧力を一定に保つ機能を有する。
図3は、背圧調整機構219の縦断面図を示す。背圧調整機構219は、背圧室217と連絡通路220とを連絡する弁室219aと、背圧が一定値未満ではこの弁室219aの弁座219bの開口を閉状態とする弁体219cと、背圧が一定値以上になると弁座219bの弁体219cの開口が開状態となるように弁体219cを移動させるばね219dとで構成されている。本実施の形態では、弁体219cとして、ボール形状のものを用いている。
連絡通路220は、蒸発器と圧縮機との間の配管に接続されている。そのため、弁室219a内の圧力は、圧縮機の吸入圧力、すなわちスクロール膨張機の吐出圧力から蒸発器での圧力損失分だけ圧力降下した圧力と等しい。弁体219cは、圧縮機の吸入圧力に等しい弁室219aの圧力とばね219dの力との合力によって下方へ押しつけられる。背圧室217の圧力による弁体219cを上方へ押す力が、この合力を上回ると、弁体219cが上方向へ移動し、背圧室217と連絡通路220とが連通する。連通後、背圧室217内の潤滑油213は、連絡通路220を通って、蒸発器と圧縮機との間の接続配管へ吐出される。
本実施の形態では、上記背圧調整機構219によって背圧室217の圧力が一定に保たれるため、運転条件が変化する際の過渡的な状況においても、背圧室217の圧力の変動が過剰になることが無く、旋回スクロール205を固定スクロール204に適切な力で押付けることができる。
さらに、弁室219aから流出する潤滑油213が、スクロール膨張機の吐出室に吐き出されることがない。そのため、スクロール膨張機から蒸発器へ流入する潤滑油の量を軽減することができ、蒸発器の熱交換効率の低下を防止することができる。
また、膨張比が大きい場合は、膨張機の吸入圧と吐出圧の差圧が大きく、背圧室217の圧力の変動が生じたとすると、その変動幅は大きなものとなるが、上記背圧調整機構219により、旋回スクロール205が固定スクロール204に対して過大な力で押付けられることがないので、より高い信頼性を持ちつつ、スクロール膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油213を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における膨張機一体型圧縮機の縦断面図を示す。なお、図1と同一機能部については同一符号を使用している。
図4に示すように、密閉容器201内には上から順に、膨張機構部と電動機部と圧縮機構部とが配置されている。
主軸受部材203は、溶接や焼き嵌めなどして密閉容器201内に固定され、軸202の主軸部202aを軸支する。固定スクロール204は、この主軸受部材203上にボルト止めによって固定されている。主軸受部材203と固定スクロール204との間には、固定スクロール204と噛み合う旋回スクロール205が挟み込まれ、スクロール式の膨張機構部を構成している。旋回スクロール205と主軸受部材203との間には、旋回スクロール205の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転規制機構206を設けている。
上記膨張機構の構成において、軸202の上端にある偏心軸部202bにて旋回スクロール205を偏心駆動させることで円軌道運動させ、これにより固定スクロール204と旋回スクロール205との間に形成されている膨張室207が中央側から外周側に移動しながら大きくなる。
圧縮機上軸受部材222は、溶接や焼き嵌めなどして密閉容器201内に固定され、軸202の圧縮機上軸部202cを軸支する。シリンダ223は、この圧縮機上軸受部材222下面にボルト止めによって固定されている。シリンダ223内にはピストン224が収納され、シリンダ223に設けられたベーン溝にはベーン225が挿入されている。圧縮機下軸受部材226は、シリンダ223下面にボルト止めによって固定され、軸202の圧縮機下軸部202dを軸支する。マフラー227は、この圧縮機下軸受部材226にボルト止めによって固定されている。
軸202は圧縮機上軸受部材222、シリンダ223、圧縮機下軸受部材226を貫通し、そのロータリ偏心部202eがシリンダ223内に位置し、円環状に形成されるピストン224を貫通している。また、ロータリ偏心部202eの外径とピストン224の内径はほぼ等しい。
図5は、本発明の実施の形態2における圧縮機構部の横断面図を示す。
図5に示すように、ピストン224は、その外面がシリンダ223内面に接している。シリンダ223内面とピストン224外面との間に圧縮室221が形成される。この圧縮室221は、シリンダ223に設けられたベーン溝を往復するベーン225によって仕切られ、低圧室221aと高圧室221bが形成される。シリンダ223内面の低圧室221a側に設けられた吸入孔228から冷媒が吸入され、ピストン224が回転することで吸入孔228と低圧室221aの連通が閉じられ、高圧室221bへと移行することで圧縮が開始され、昇圧された冷媒が圧縮機上軸受部材222に設けられた吐出孔229から吐出される。
軸202の下端側は、副軸受部材211によって支持され、その先端には容積型ポンプ212が設置されている。潤滑油213は、潤滑油溜り214から容積型ポンプ212によって汲み上げられ、軸202の軸方向の中心に設けられた給油経路215を経て、主軸受部203a、偏心軸受部203bを潤滑および冷却した後、潤滑油戻し孔(図示せず)を経て、潤滑油溜り214へ戻る。
一方、偏心軸受部203bに到達した潤滑油213の一部は、旋回スクロール205の内部に設けられた絞り通路216より減圧されて背圧室217に供給される。なお、旋回スクロール205の反ラップ側の鏡板背面205aに、中心部と外周部とを仕切るシール部材218を配置している。シール部材218は偏心軸受部203bに到達した潤滑油213の圧力と背圧室217内の潤滑油213の圧力とを仕切る役割を持っている。
背圧調整機構219は、背圧室217の圧力を一定に保つ機能を有する。
実施の形態1と同様、図3に背圧調整機構の縦断面図を示す。背圧調整機構219は、背圧室217と連絡通路220とを連絡する弁室219aと、背圧が一定値未満ではこの弁室219aの弁座219bの開口を閉状態とする弁体219cと、背圧が一定値以上になると弁座219bの弁体219cの開口が開状態となるように弁体219cを移動させるばね219dとで構成されている。本実施の形態では、弁体219cとして、ボール形状のものを用いている。
連絡通路220は、圧縮室と接続されている。そのため、弁室219a内の圧力は、圧縮機の吸入圧力、すなわちスクロール膨張機の吐出圧力から蒸発器での圧力損失分だけ圧力降下した圧力と等しい。弁体219cは、圧縮機の吸入圧力に等しい弁室219aの圧力とばね219dの力との合力によって下方へ押しつけられる。背圧室217の圧力による弁体219cを上方へ押す力が、この合力を上回ると、弁体219cが上方向へ移動し、背圧室217と連絡通路220とが連通する。連通後、背圧室217内の潤滑油213は、連絡通路220を通って、連通口230を経て圧縮室221へ吐出される。
本実施の形態では、上記背圧調整機構219によって背圧室217の圧力が一定に保たれるため、運転条件が変化する際の過渡的な状況においても、背圧室217の圧力の変動が過剰になることが無く、旋回スクロール205を固定スクロール204に適切な力で押付けることができる。
また、連絡通路220と圧縮室221を結ぶ上記連通口230を設ける位置を変えることで、弁室219aの圧力を任意に選択することができる。つまり、圧縮過程における任意の圧力の圧縮室221と弁室219aを連絡させることで、弁室219aの圧力が変化するため、背圧室217側から弁体219cを押し上げるために必要な力が選択でき、背圧室217の圧力を容易に最適な値に設定することができる。
さらに、弁室219aから流出する潤滑油213が、スクロール膨張機の吐出室に吐き出されることがない。そのため、スクロール膨張機から蒸発器へ流入する潤滑油の量を軽減することができ、蒸発器の熱交換効率の低下を防止することができる。
また、膨張比が大きい場合は、膨張機の吸入圧と吐出圧の差圧が大きく、背圧室217の圧力の変動が生じたとすると、その変動幅は大きなものとなるが、上記背圧調整機構219により、旋回スクロール205が固定スクロール204に対して過大な力で押付けられることがないので、より高い信頼性を持ちつつ、スクロール膨張機から蒸発器へ流れる潤滑油213を低減し、蒸発器の熱交換能力を低下させず、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における冷凍サイクル装置の構成を示す。スクロール膨張機231からの潤滑油213が流れる連絡通路220に潤滑油冷却手段として、スクロール膨張機231から吐出された冷媒へ潤滑油213の熱を移動させる潤滑油熱交換器232を備えている。これによって、圧縮機233に吸入される潤滑油213を冷却することが可能となる。圧縮機233の圧縮室へ潤滑油213を注入すると、潤滑油213が圧縮室のシール性を高めて、圧縮機233の性能を高めることができるが、さらに、注入する潤滑油213を冷却することで、潤滑油213の粘度が増し、シール性をより高めることができる。
連絡通路220には潤滑油213に混じる混入物を捕らえるフィルタ234を備えてもよい。これによって、圧縮機233に異物が吸入され、圧縮室が損傷する危険性を小さくし、冷凍サイクル装置の信頼性を高めることができる。
連絡通路220には絞りを調節できる弁235を備えてもよい。これによって、連絡通路220を流れてきた潤滑油213の圧力を調節して圧縮機233の吸入圧力と均圧し、圧縮機233の吸入圧力を安定させることで、圧縮機233の吸入における圧力脈動を抑制して安定運転を実現しつつ、高効率な冷凍サイクル装置を提供することができる。
本発明は、高圧の圧縮性流体を膨張させることによって動力エネルギーを回収するスクロール膨張機を備えた冷凍サイクル装置について有用である。
本発明の実施の形態1における冷凍サイクル装置の構成図 本発明の実施の形態1におけるスクロール膨張機の縦断面図 本発明の実施の形態1における背圧調整機構の縦断面図 本発明の実施の形態2における膨張機一体型圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態2におけるロータリ圧縮機構部の横断面図 本発明の実施の形態3における冷凍サイクル装置の構成図 従来のスクロール圧縮機における背圧調整機構の縦断面図
符号の説明
101 圧縮機
102 放熱器
103 スクロール膨張機
104 蒸発器
201 密閉容器
202 軸
202a 主軸部
202b 偏心軸部
202c 圧縮機上軸部
202d 圧縮機下軸部
202e ロータリ偏心部
203 主軸受部材
203a 主軸受部
203b 偏心軸受部
204 固定スクロール
205 旋回スクロール
205a 旋回スクロールの鏡板背面
206 自転規制機構
207 膨張室
208 吸入パイプ
209 吸入口
210 吐出口
211 副軸受部材
212 容積型ポンプ
213 潤滑油
214 潤滑油溜り
215 給油経路
216 絞り通路
217 背圧室
218 シール部材
219 背圧調整機構
219a 弁室
219b 弁座
219c 弁体
219d ばね
220 連絡通路
221 圧縮室
221a 低圧室
221b 高圧室
222 圧縮機上軸受部材
223 シリンダ
224 ピストン
225 ベーン
226 圧縮機下軸受部材
227 マフラー
228 吸入孔
229 吐出孔
230 連通口
231 スクロール膨張機
232 潤滑油熱交換器
233 圧縮機
234 フィルタ
235 絞り調節弁
301 固定スクロール
302 旋回スクロール
303 背圧室
304 吸入室
305 背圧室側連絡通路
306 吸入室側連絡通路
307 弁室
308 ストッパ
309 弁体
310 弁座
311 ばね

Claims (8)

  1. 圧縮機、放熱器、スクロール膨張機、蒸発器を順に配管で接続されてなる冷媒サイクル装置において、
    前記スクロール膨張機が、
    渦巻状ラップを有する固定スクロールと、
    前記固定スクロールの渦巻状ラップと噛み合うことによって膨張室を形成する渦巻状ラップを有する旋回スクロールと、
    前記旋回スクロールの背部に位置して旋回スクロールに背圧を働かせる背圧室と、
    前記背圧室と連通する弁室と、
    前記蒸発器と前記圧縮機との間の配管と前記弁室とを接続する連絡通路と、
    前記弁室内に設置され、前記背圧室内の圧力に応じて前記背圧室と前記連絡通路との間の連通・非連通を制御する弁機構とを備える、
    冷凍サイクル装置。
  2. 圧縮機、放熱器、スクロール膨張機、蒸発器を順に配管で接続されてなる冷媒サイクル装置において、
    前記スクロール膨張機が、
    渦巻状ラップを有する固定スクロールと、
    前記固定スクロールの渦巻状ラップと噛み合うことによって膨張室を形成する渦巻状ラップを有する旋回スクロールと、
    前記旋回スクロールの背部に位置して旋回スクロールに背圧を働かせる背圧室と、
    前記背圧室と連通する弁室と、
    前記圧縮機の圧縮室と前記弁室とを接続する連絡通路と、
    前記弁室内に設置され、前記背圧室内の圧力に応じて前記背圧室と前記連絡通路との間の連通・非連通を制御する弁機構とを備える、
    冷凍サイクル装置。
  3. 前記圧縮機の圧縮機構部と前記スクロール膨張機の膨張機構部とが、一つの密閉容器内に収容されている、請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 膨張機の背圧を調整する背圧調整手段が前記弁室に設置されている、請求項1から3のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  5. 潤滑油を冷却する潤滑油冷却手段が前記連絡通路に設置されている、請求項1から3のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  6. 潤滑油に含まれる混入物を補足する混入物補足手段が前記連絡通路に設置されている、請求項1から3のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 弁が前記連絡通路に設置されている、請求項1から3のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  8. 作動流体が二酸化炭素である、請求項1から7のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
JP2005352993A 2005-12-07 2005-12-07 冷凍サイクル装置 Pending JP2007154805A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005352993A JP2007154805A (ja) 2005-12-07 2005-12-07 冷凍サイクル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005352993A JP2007154805A (ja) 2005-12-07 2005-12-07 冷凍サイクル装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007154805A true JP2007154805A (ja) 2007-06-21

Family

ID=38239488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005352993A Pending JP2007154805A (ja) 2005-12-07 2005-12-07 冷凍サイクル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007154805A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010070913A1 (ja) * 2008-12-19 2010-06-24 サンデン株式会社 スクロール型流体機械
WO2010092813A1 (ja) * 2009-02-13 2010-08-19 サンデン株式会社 スクロール型流体機械
WO2013118824A1 (ja) * 2012-02-08 2013-08-15 サンデン株式会社 スクロール型膨張機及びこれを備えた流体機械

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010070913A1 (ja) * 2008-12-19 2010-06-24 サンデン株式会社 スクロール型流体機械
WO2010092813A1 (ja) * 2009-02-13 2010-08-19 サンデン株式会社 スクロール型流体機械
WO2013118824A1 (ja) * 2012-02-08 2013-08-15 サンデン株式会社 スクロール型膨張機及びこれを備えた流体機械
JP2013160187A (ja) * 2012-02-08 2013-08-19 Sanden Corp スクロール型膨張機及びこれを備えた流体機械
CN104093935A (zh) * 2012-02-08 2014-10-08 三电有限公司 涡旋型膨胀器及包括该涡旋型膨胀器的流体设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018096824A1 (ja) スクロール圧縮機
JP4697734B2 (ja) 冷凍サイクル
JP5022291B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2010065635A (ja) スクロール圧縮機
JP2005180320A (ja) スクロール圧縮機
JP5428522B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2007154805A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2008309078A (ja) スクロール圧縮機
JP5386566B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2009052464A (ja) スクロール圧縮機
JP5786130B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2010185299A (ja) スクロール圧縮機
CN112567136B (zh) 涡旋式压缩机
JP2006307753A (ja) スクロール膨張機
JP2007032291A (ja) スクロール膨張機
JP2010261353A (ja) スクロール圧縮機
JP4940630B2 (ja) スクロール膨張機
JP4848859B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2006226246A (ja) スクロール圧縮機
JP2006214335A (ja) スクロール圧縮機
JP2007182870A (ja) スクロール圧縮機
JP2009052463A (ja) スクロール圧縮機
JP2006009640A (ja) スクロール圧縮機
JP7170887B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5071355B2 (ja) スクロール圧縮機