JP2010120558A - 車両操舵用伸縮軸およびこれを備える車両用操舵装置 - Google Patents

車両操舵用伸縮軸およびこれを備える車両用操舵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】操舵感の低下を防止できる車両用操舵軸およびこれを備える車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】操舵軸3の内軸10の雄セレーション27、および外軸11の雌セレーション29は、両軸10,11の相対位相が所定範囲を超えたとき、互いに噛合う。樹脂棒41は、両軸10,11の相対位相が所定範囲内のときに、両軸10,11同士を周方向Cに浮動状に支持する。軸方向に沿って見たとき、樹脂棒41は、内軸10および外軸11に対して、第1〜第4の接触点81〜84で接触する。軸方向に沿って見たとき、第1および第4の接触点81,84を結ぶ第1のラインE1と、第2および第3の接触点82,83を結ぶ第2のラインE2との交点Fは、雄セレーション27と雌セレーション29との噛合いのピッチ円D上に配置されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両操舵用伸縮軸およびこれを備える車両用操舵装置に関する。
ステアリングシャフト等の車両用の伸縮軸には、軸方向に相対移動可能に嵌め合わされた内軸および外軸を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の伸縮軸は、内軸と外軸との間の伝達トルクが所定値以下のときには、両軸が回転方向に弾性的に連結されるようになっており、上記伝達トルクが所定値を超えたときには、両軸が回転方向に剛的に連結されるようになっている。
具体的には、内軸の外周に形成された軸方向溝に装着された板ばねの上に転動体が配置されており、この転動体が、外軸の内周に形成された軸方向溝に弾性的に押圧されている。両軸のトルクが所定値以下のとき、外軸に作用したトルクは、転動体から板ばねに伝わり、板ばねを撓ませながら内軸に伝わる。両軸間のトルクが所定値を超えると、内軸に形成された凸条と外軸に形成された凹条とが噛合って、両軸が剛的に連結される。
特開2005−114068号公報
ここで、チルト機構を備えたステアリング装置では、ステアリングホイールのチルト位置調節後、外軸の回転軸線と内軸の回転軸線とが、自在継手とステアリングホイールとを結ぶ操舵軸の軸線上から各々傾くこととなる。
このような場合、外軸と内軸とは弾性的に支持されているが、ステアリングホイールが回転操作(操舵)されると、両軸は、外軸、板ばね、およびこれらに挟まれた転動体によってがたつきの無い剛的な嵌合とされながら、操舵軸の中心軸線から外れた両回転軸線を元に戻そうとする動きを生じるために、ステアリングホイールの回転トルクの脈動が大きくなる。
これは、図10に示すように、ステアリングホイールから運転者へ不自然なトルク変動として感じられてしまうため、操舵に無用な違和感を与えてしまい、操舵感を損なうことになる。しかしながら、剛的な接続を無くしてしまうと、両軸のガタツキやこじれによる伝達トルクのロスが発生し、操舵感が低下する。
また、軸方向に相対移動可能な外軸と内軸とは、利便性の面とコスト面から、伸縮可能なステアリングシャフトとしても使用できることが望ましい。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、チルト調節後等、内軸と外軸の中心軸線が互いに傾斜したときでも、操舵感の低下を防止できる車両操舵用伸縮軸およびこれを備える車両用操舵装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、操舵部材(2)の操舵に応じて回転する車両操舵用伸縮軸(3)において、軸方向(S)に相対摺動可能に且つ互いにトルク伝達可能に嵌め合わされた内軸(10)および筒状の外軸(11)と、内軸の外周面(26)に形成された複数の雄歯(27)、および外軸の内周面(28)に形成された複数の雌歯(29)を含み、両軸の相対位相が所定範囲を超えたときに、雄歯と雌歯との噛合により両軸を周方向(C)に剛的に連結する剛性連結要素(25)と、内軸の外周面および外軸の内周面のそれぞれに形成されて互いに対向する少なくとも三対の軸方向溝(31,32;33,34;35,36)と、上記対をなす軸方向溝間のそれぞれに4点接触状態で介在し、内軸および外軸の相対位相が所定範囲内のときに、両軸の一方を他方に対して周方向に浮動状に支持する複数の弾性連結要素としての長尺の樹脂棒(41,42,43)と、を含み、内軸の軸方向に沿って見たとき、各上記樹脂棒は、内軸の軸方向溝に対して第1および第2の接触点(81,82)で2点接触し、外軸の軸方向溝に対して第3および第4の接触点(83,84)で2点接触し、上記内軸の軸方向に沿って見たとき、上記第1および第4の接触点を結ぶライン(E1)と、第2および第3の接触点を結ぶライン(E2)との交点(F)は、上記雄歯と雌歯との噛合いのピッチ円(D)上に配置されていることを特徴とする(請求項1)。
本発明によれば、チルト調節後等において、内軸と外軸との間にトルクが作用していないとき、両軸の相対位相は所定範囲内にある。また、両軸は、樹脂棒を介した互いの連結部が自重等で垂れ下がって中折れ状態になり、両軸の中心軸線が互いに傾いた状態となる。ここで、両軸の中心軸線の交点を含み内軸の中心軸線と直交する断面において、内軸の軸方向に沿ってみたとき、第1および第4の接触点を結ぶラインと、第2および第3の接触点を結ぶラインとの交点が、ピッチ円上に配置されているので、樹脂棒を介した両軸の連結の剛性を、高すぎず、且つ低すぎない適度なものにできる。その結果、中折れ状態から両軸間にトルクが作用したときに、両軸の中心軸線を真直ぐに並ぶように配置して中折れ状態を解消することができるので、両軸が中折れ状態のまま回転して芯振れすることを防止できる。これにより、両軸の回転時の伝達トルクが脈動するように変動することを防止して操舵感の低下を防止できる。さらに、樹脂棒を介した両軸の連結の剛性を低過ぎない適度な値にできるので、両軸間に、がたつきやこじりが生じることを防止できる。その結果、トルクロスを低減できるので、両軸の回転時における操舵感の低下を防止できる。
また、内軸および外軸の相対位相が所定範囲内のときに、内軸と外軸との間でトルクが作用したときには、各樹脂棒が対応する軸方向溝に対してほとんどこじられずに(滑り接触せずに)、弾性的に圧縮される。これにより、各樹脂棒を介して両軸間でトルクを伝達する際のロスを格段に少なくでき、その結果、内軸および外軸の相対位相が所定範囲内のときに、スムーズなトルク伝達を達成できる。内軸と外軸との間のトルクの伝達に違和感が生じることを抑制でき、操舵感が低下することを確実に抑制できる。
また、本発明において、各上記樹脂棒は、断面U字形形状をなしており、内軸の径方向一方に開放された溝(50)を含む場合がある(請求項2)。この場合、両軸間にトルクが作用したときの、樹脂棒の可撓性を高くできる。これにより、一方の軸から各樹脂棒を介して他方の軸にトルクが伝わるときのトルクの伝わりをスムーズにでき、両軸間のトルクの伝わりに唐突な変化が生じることを防止できる。これにより、より自然な操舵感を実現できる。
また、本発明において、上記内軸の軸方向に沿って見て、上記第1の接触点における内軸の軸方向溝と樹脂棒との接触角(H1)が、上記第4の接触点における外軸の軸方向溝と樹脂棒との接触角(H4)と等しくされており、且つ、上記第2の接触点における内軸の軸方向溝と樹脂棒との接触角(H2)が、上記第3の接触点における外軸の軸方向溝と樹脂棒との接触角(H3)と等しくされている場合がある(請求項3)。
この場合、両軸が回転方向の一方に回転し、両軸間でトルクが作用したときの、第2の接触点に作用する力の向きと、第3の接触点に作用する力の向きとを反対にできる。また、両軸が回転方向の他方に回転し、両軸間でトルクが作用したときの、第1の接触点に作用する力の向きと、第4の接触点に作用する力の向きとを反対にできる。その結果、車両操舵用伸縮軸が回転方向の何れに回転したときでも、各樹脂棒が両軸に対してこじれることをより確実に防止できる。
また、本発明は、操舵部材の操舵に応じて回転する上記の車両操舵用伸縮軸を備えることを特徴とする車両用操舵装置(1)を提供する(請求項4)。この場合、操舵感に優れた車両用操舵装置を実現できる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる車両操舵用伸縮軸を備える車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2の位置を、運転者に対して略上下に調節するためのチルト調節機能、および操舵部材2の位置を運転者に対して略前後に調整するためのテレスコ調節機能の双方を備えている。
車両用操舵装置1は、操舵部材2と、操舵部材2に連結されて操舵部材2の操舵に応じて回転する車両操舵用伸縮軸としての操舵軸3とを備えている。
操舵部材2は、操舵軸3の一端に取り付けられている。操舵軸3は、操舵部材2が取り付けられている一端が上側(アッパ側)となるように傾けて配置されている。操舵軸3の他端は、自在継手4、中間軸5および自在継手6を介して舵取り機構7に連結されている。
舵取り機構7は、自在継手6に連なるピニオン軸8と、ピニオン軸8の一端のピニオン8aに噛み合うラック歯9aを有するラック軸9とを備えている。操舵部材2を回転操作して操舵軸3を回転したとき、舵取り機構7のピニオン8aが回転し、この回転運動がラック軸9の長手方向への直線運動に変換される。これにより、ラック軸9に連結された図示しないタイロッドを介してナックルアームを回動させ、転舵輪を操向する。
操舵軸3は、操舵部材2が一端に取り付けられている筒状の外軸11と、外軸11の他端11bとトルク伝達可能且つ軸方向に相対摺動可能に嵌合する一端10aを有する棒状の内軸10と、を有している。内軸10の他端には、自在継手4が連結されている。
内軸10は、中心軸線Aを有しており、外軸11は、中心軸線Bを有している。また、操舵軸3は、中心軸線Qを有している。操舵軸3の中心軸線Qは、内軸10の他端10bと、外軸11の一端11aとを結ぶ軸線であり、両軸10,11の中心軸線A,Bが一致しているときは、操舵軸3の中心軸線Qも一致している。
なお、以下では、内軸10の軸方向Sを単に軸方向Sといい、内軸10の周方向Cを単に周方向Cといい、内軸10の径方向Rを単に径方向Rという。
操舵軸3は、コラムチューブ12によって回転可能に支持されている。コラムチューブ12は、外軸11を取り囲む外筒13と、外筒13とは相対摺動可能に嵌合されて内軸10を取り囲む内筒14と、を含んでいる。外筒13は、軸受15を介して外軸11の一端を回転可能に且つ軸方向Sに同行移動可能に支持している。内筒14は、軸受16を介して、内軸10の中間部を回転可能に且つ軸方向Sに相対移動不能に支持している。
内筒14には第1のブラケット17が固定されている。第1のブラケット17は、車体18に固定された第2のブラケット19に、支軸20を介して支持されている。内筒14は、支軸20回りに揺動可能である。
外筒13には第3のブラケット21が固定されている。第3のブラケット21は、車体18に固定された第4のブラケット22と対向している。第3のブラケット21は、ロック機構23によって第4のブラケット22にロックされる。
ロック機構23の操作レバー24を操作することにより、上記ロックを解除することができる。ロックを解除することにより、外筒13および外軸11を、対応する内筒14および内軸10に対して軸方向に相対移動するテレスコ動作をすることができる。また、ロックを解除することにより、操舵軸3およびコラムチューブ12を支軸20回りに揺動させるチルト動作をすることができる。
図2は、操舵軸3の要部の分解斜視図である。図3は、操舵軸3の要部の断面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。なお、図3は、図4のIII−III線に沿う断面図である。
図2を参照して、操舵軸3の内軸10および外軸11は、それぞれ、金属製の高剛性部材である。これら内軸10および外軸11には、剛性連結要素としてのセレーション25が設けられている。セレーション25は、内軸10および外軸11の相対位相(周方向Cに関する相対位置)が所定範囲を超えたときに、両軸10,11を周方向Cに剛的に連結するものである。
セレーション25は、内軸10の一端10aの外周面26に設けられた複数の雄歯としての複数の雄セレーション27と、外軸11の他端11bの内周面28に設けられた複数の雌歯としての複数の雌セレーション29と、を含んでいる。
周方向Cに関して、雄セレーション27は、内軸10の後述する軸方向溝31,33,35を除く全域に亘って形成されており、雌セレーション29は、外軸11の後述する軸方向溝32,34,36を除く全域に亘って形成されている。これらのセレーション27,29は、それぞれ、対応する内軸10および外軸11の軸方向と平行に延びている。
図2および図4を参照して、内軸10の中心軸線Aと外軸11の中心軸線Bとが概ね合致するように、内軸10が外軸11に挿入されており、雄セレーション27および雌セレーション29が、互いに噛み合い可能とされている。各雄セレーション27と各雌セレーション29とは、同軸的に配置されている。軸方向Sに沿って見たとき、各雄セレーション27と対応する雌セレーション29とは、所定のピッチ円D上で互いに噛合い可能とされている。ピッチ円Dの中心軸線は、内軸10の中心軸線Aと外軸11の中心軸線Bとが重なり合っている箇所において、中心軸線A,Bと合致している。
図3および図4を参照して、内軸10の一端10aの外周面26および外軸11の他端11bの内周面28のそれぞれには、互いに対向する少なくとも三対(本実施の形態において、三対)の軸方向溝31,32;33,34;35,36が形成されている。各軸方向溝31〜36は、対応する内軸10および外軸11の軸方向と平行に延びている。
より具体的には、内軸10の一端10aの外周面26には、周方向Cに沿って等間隔に3つの軸方向溝31,33,35が形成されている。各軸方向溝31,33,35は、それぞれ、溝底70と、溝底70を挟んで周方向Cに並ぶ第1および第2の斜面71,72と、を含んでいる。
溝底70は、軸方向Sと平行に延びる平坦面に形成されている。なお、溝底70は、径方向Rの内方に向けて凸となる円弧面に形成されていてもよい。第1および第2の斜面71,72は、全体として断面テーパ状に形成されており、径方向Rの外側に進むにしたがい、互いの間隔が広くされている。第1および第2の斜面71,72は、平坦な面に形成されているが、湾曲する面に形成されていてもよい。周方向Cの一方C1に関して、上流側から第1の斜面71および第2の斜面72の順に並んでいる。
外軸11の他端11bの内周面28には、外軸11の周方向に沿って等間隔に3つの軸方向溝32,34,36が形成されている。各軸方向溝32,34,36は、それぞれ、溝底75と、溝底75を挟んで周方向Cに並ぶ第3および第4の斜面73,74と、を含んでいる。
溝底75は、外軸11の径方向外方に向けて凸となる円弧面に形成されている。なお、溝底75は、平坦な面に形成されていてもよい。第3および第4の斜面73,74は、全体として断面テーパ状に形成されており、外軸11の径方向の内方に進むにしたがい、互いの間隔が広くされている。第3および第4の斜面73,74は、平坦な面に形成されているが、湾曲する面に形成されていてもよい。周方向Cの一方C1に関して、上流側から第3の斜面73および第4の斜面74の順に並んでいる。
図2および図3を参照して、内軸10と外軸11との間に、合成樹脂製の樹脂体39が介装されている。樹脂体39は、一体成形品であり、複数の弾性連結要素としての長尺の樹脂棒41,42,43と、これらの樹脂棒41,42,43を連結する連結部44と、を含んでいる。
連結部44は、円板状をなす主体部45を含んでいる。主体部45には、挿通孔46が形成されている。挿通孔46には、内軸10の一端面に突設された円柱状の突部47が挿通している。突部47には、プッシュナット48が取り付けられており、このプッシュナット48と内軸10の一端面とによって、連結部44の主体部45が挟まれて固定されている。
プッシュナット48は、円板状をなしており、径方向中央部に形成された挿通孔49の周縁部が隆起している。この挿通孔49に突部47が挿通されている。挿通孔49の周縁部が、突部47に係止されている。突部47の先端は内軸10の径方向に広がっている。
図2および図4を参照して、各樹脂棒41,42,43は、連結部44の主体部45から軸方向Sと平行に延びている。これらの樹脂棒41,42,43は、対応する一対の軸方向溝31,32;33,34;35,36間にそれぞれ跨っている。
各樹脂棒41,42,43は、対応する一対の軸方向溝31,32;33,34;35,36間でシメシロ嵌合(圧入)されており、圧縮されることにより弾性変形している。内軸10と外軸11の相対位相が所定範囲内にあるとき、これらの樹脂棒41,42,43を介して、内軸10と外軸11との間でトルクが伝達される。
各樹脂棒41,42,43の長さは等しい。各樹脂棒41,42,43には、溝50が形成されている。溝50は、当該溝50が形成されている樹脂棒41,42,43の長手方向Lに沿って延びている。長手方向Lと軸方向Sとは平行である。各樹脂棒41,42,43の断面は、内軸10の径方向Rの外方に向けて開放するU字形形状を有している。
なお、樹脂棒41,42,43はそれぞれ同様の構成を有しているので、以下では、樹脂棒41〜43のうち、主に樹脂棒41について説明する。また、内軸10の軸方向溝31,33,35は、それぞれ同様の構成を有しているので、以下では、軸方向溝31,333,35のうち、主に軸方向溝31について説明する。また、外軸11の軸方向溝32,34,36は、それぞれ同様の構成を有しているので、以下では、軸方向溝32,34,36のうち、主に軸方向溝32について説明する。
図5は、図4の要部の拡大図である。なお、図5を参照して説明するときは、軸方向Sに沿って見た状態を基準に説明する。図5を参照して、軸方向溝31,32および樹脂棒41は、内軸10の中心軸線Aおよび後述する交点Fを通る平面Jを中心とする、対称形状をなしている。内軸10の軸方向溝31の溝底70と樹脂棒41の外周面との間に隙間Mが形成されており、樹脂棒41が弾性変形したときの樹脂棒41の肉の逃げ場とされている。
溝50は、断面U字形形状に形成されており、径方向Rの外方に開放されている。樹脂棒41の外周面は、円弧面54を含んでいる。円弧面54は、両軸10,11間にトルクが作用していない自由状態において、概ね単一の曲率半径を有する円弧面となっている。
円弧面54は、軸方向溝31,32の第1〜第4の斜面71〜74に4点接触状態で接触している。円弧面54は、第1〜第4の斜面71〜74のそれぞれと線接触しており、円弧面54と第1〜第4の斜面71〜74との接触部は、軸方向Sと平行に延びている。
軸方向Sに沿って見たとき、樹脂棒41の円弧面54は、第1の斜面71とは第1の接触点81で接触しており、第2の斜面72とは第2の接触点82で接触しており、第3の斜面73とは第3の接触点83で接触しており、第4の斜面74とは第4の接触点84で接触している。
このように、軸方向Sに沿って見たとき、樹脂棒41の円弧面54は、内軸10の軸方向溝31に対して、第1および第2の接触点81,82で2点接触しているとともに、外軸11の軸方向溝32に対して第3および第4の接触点83,84で2点接触している。
本実施の形態の特徴の1つは、第1および第4の接触点81,84を結ぶ第1のラインE1と、第2および第3の接触点82,83を結ぶ第2のラインE2との交点Fが、ピッチ円D上に配置されている点にある。
第1のラインE1において、第1の接触点81と交点Fとの間の距離G1は、交点Fと第4の接触点84との間の距離G1’と等しい(G1=G1’)。また、第2の接触点82と交点Fとの間の距離G2は、交点Fと第3の接触点83との間の距離G2’と等しい(G2=G2’)。
第1の接触点81において、第1の斜面71と樹脂棒41の円弧面54とは、第1の接触角H1を形成している。第1の接触角H1は、内軸10の中心軸線Aおよび交点Fを通る平面Jと、第1の斜面71によって円弧面54へ伝えられる力の合力K1の作用線とがなす角度をいう。
第4の接触点84において、第4の斜面74と樹脂棒41の円弧面54とは、第4の接触角H4を形成している。第4の接触角H4は、上記平面Jと、第4の斜面74によって円弧面54へ伝えられる力の合力K4の作用線とがなす角度をいう。
第1の接触角H1と、第4の接触角H4とは、等しくされている。これにより、合力K1,K4は、互いに近づくように反対方向を向いている。
第2の接触点82において、第2の斜面72と樹脂棒41の円弧面54とは、第2の接触角H2を形成している。第2の接触角H2は、上記平面Jと、第2の斜面72によって円弧面54へ伝えられる力の合力K2の作用線とがなす角度をいう。
軸方向Sに沿って見て、第3の接触点83において、第3の斜面73と樹脂棒41の円弧面54とは、第3の接触角H3を形成している。第3の接触角H3は、上記平面Jと、第3の斜面73によって円弧面54へ伝えられる力の合力K3の作用線とがなす角度をいう。
第2の接触角H2と、第3の接触角H3とは、等しくされている。これにより、合力K2,K3は、互いに近づくように反対方向を向いている。
操舵部材を操作することにより、内軸10および外軸11が周方向Cの一方C1に回転したとき、外軸11から内軸10にトルクが伝わる。このとき、外軸11の第3の斜面73から第3の接触点83に合力K3が作用するとともに、内軸10の第2の斜面72から第2の接触点82に反力として合力K2が作用する。各樹脂棒41,42,43は、U型のばねとして、これらの合力K2,K3を受けて弾性変形する。
また、操舵部材を操作することにより、内軸10および外軸11が周方向Cの他方C2に回転したとき、外軸11から内軸10にトルクが伝わる。このとき、外軸11の第4の斜面74から第4の接触点84に合力K4が作用するとともに、内軸10の第1の斜面71から第1の接触点81に反力として合力K1が作用する。各樹脂棒41,42,43は、U型のばねとして、これらの合力K1,K4を受けて弾性変形する。
上記の構成により、操舵部材の操舵角θが−θ1≦θ≦θ1(θ1は、所定の操舵角であり、例えば、数分程度)のとき、両軸10,11の相対位相は、所定の範囲内にある。なお、操舵角θがゼロのときは、操舵中立状態となっている。また、操舵角θは、周方向Cの一方C1に関して正であり、周方向Cの他方C2に関して負である。
このとき、周方向Cおよび径方向Rの双方に関して、両軸10,11は、各樹脂棒41,42,43(図5において、樹脂棒41のみを図示)によって互いに弾性支持(浮動状に支持)されており、雄セレーション27および雌セレーション29は、互いに噛み合っていない。各樹脂棒41,42,43は、内軸10と外軸11との間で圧縮されて弾性変形している。
例えば、操舵部材(外軸11)を周方向Cの一方C1に操作したことにより、操舵角θの絶対値が増すと、各樹脂棒41,42,43が周方向Cに圧縮されて図6に示すように弾性変形する。これにより、外軸11の軸方向溝32から樹脂棒41の第3の接触点83および第2の接触点82を介して、内軸10の軸方向溝31にトルクが伝わる。
θ1<θとなることにより、両軸10,11の相対位相が所定の範囲を超えると、対応するセレーション部27,29間の隙間がなくなる。これにより、雄セレーション27と、雌セレーション29とが互いに噛み合い、両軸10,11は、セレーション部27,29を介して剛的にトルク伝達可能となる。
同様に、操舵部材を周方向Cの他方C2に操作した場合には、操舵角θが−θ1≦θ≦θ1のとき、外軸11の軸方向溝32から樹脂棒41の第4の接触点84および第1の接触点81を介して、内軸10の軸方向溝31にトルクが伝わる。θ<−θ1となることにより、両軸10,11の相対位相が所定の範囲を超えると、雄セレーション27と、雌セレーション29とは互いに噛み合う。
図7は、両軸10,11が中折れとなるように嵌合したときの要部の模式図である。図7を参照して、内軸10と外軸11との間にトルクが作用していない自由状態であって、且つ、操舵部材2の回転角としての操舵角θがゼロの操舵中立状態であるとき、両軸10,11は、自重により、内軸10の一端10aおよび外軸11の他端11bで屈曲した中折れ状態となる。なお、図5では誇張しているが、実際の中心軸線A,Bの傾斜角度は、数度以下の僅かな値である。
このとき、両軸10,11の中心軸線A,Bは、互いに傾斜しており、また、操舵軸3の中心軸線Qに対して傾斜している。両軸10,11の中心軸線A,Bは、内軸10の一端10aで交差することで交差点Wを形成している。交差点Wを含み内軸10と直交する直交平面Vでの断面形状は、図5と同じである。
両軸10,11が中折れ状態の場合であって、両軸10,11の相対位相が所定範囲内にあるときは、操舵角θの絶対値がゼロからθ1までの間で増すに従い、両軸10,11が次第に真直ぐに延び、ついには、図8に示すように、両軸10,11の中心軸線A,Bが一直線に並ぶ。このように、両軸10,11が真直ぐに並んだ状態で、両軸10,11は、セレーションによって剛的に連結される。
このように、両軸10,11が真直ぐに並んだ状態で、操舵部材2を周方向Cの一方C1または他方C2側に一度ロック状態まで回転させ、次いで、操舵部材2をロックトゥロックで比較的素早く往復回転させたとき、操舵角θと、操舵部材2に生じるトルクとの関係は、図9に示すものとなる。
なお、θ2は、周方向Cの一方C1に関する操舵角θ2の許容値(ロック角)であり、−θ2は、周方向Cの他方C2に関する操舵角θ2の許容値(ロック角)である。図9に示すように、操舵角θの変化に対して、トルクTの脈動的な変化が極めて少なく、操舵部材2の操舵に違和感が生じないようにされている。
なお、両軸が真直ぐに並ばない状態で回転される比較例の場合には、図9に示す操舵軸3の場合の特性と異なり、操舵角と操舵部材に生じるトルクとの関係は、図10に示すものとなる。この場合、操舵角θの変化に対して、トルクTの脈動的な変化としての脈動幅
ΔTが大きく、操舵部材の操舵に違和感が生じてしまう。
また、図8を参照して、内軸10の他端10bが、自在継手4、中間軸5、舵取り機構7および転舵輪60等の転舵輪60側の各部材の摩擦抵抗によって回転規制されているときの、操舵角θとトルクT(操舵軸3のねじれ)との関係は、図11に示すものとなる。図11に示すように、操舵角θの絶対値がゼロから増すに従い、トルクT(操舵軸3のねじれ)は略線形的に増すようにされている。
また、操舵角θの絶対値がθ1より大きい所定角θ’になり、トルクTが所定値T’値になったとき、トルクT’は、内軸10の他端10bに対して転舵輪60側にある各上記部材の摩擦抵抗の合計と等しくなる。ここから、図9の波形における操舵角θ’、トルクT’に移行し、図9のグラフに従って、操舵軸3は、各上記部材の摩擦抵抗に抗して、自在継手4等を回転させて転舵輪60を操向する。
図11に示すように、微小操舵角のとき、本実施の形態における操舵角θと、操舵軸3に作用するトルクとの関係を、略線形的なものにでき、その結果、1点鎖線で示す理想のグラフに近いものにできる。
したがって、操舵角θの絶対値がゼロから増すにしたがい、トルクが略線形的に増すこととなり、自然な操舵フィーリングを実現できる。操舵角θが−θ1≦θ≦θ1のときにはトルクが略ゼロであり、θ<−θ1、またはθ1<θとなったときに急にトルクが大きくなるといった不自然な特性とならない。その結果、操舵中立付近での操舵のふらつきを生じないようにすることができる。
以上の次第で、本実施の形態によれば、チルト調節後において、内軸10と外軸11との間にトルクTが作用していないとき、両軸10,11の相対位相は所定範囲内にある。また、両軸10,11は、樹脂棒41,42,43を介した互いの連結部(一端10a,他端11b)が自重等で垂れ下がって中折れ状態になり、両軸10,11の中心軸線A,Bが互いに傾いた状態となる。
ここで、直交平面Vにおける断面において、第1および第4の接触点81,84を結ぶ第1のラインE1と、第2および第3の接触点82,83を結ぶ第2のラインE2との交点Fが、直交平面Vにおいて、ピッチ円D上に配置されているので、樹脂棒41,42,43を介した両軸10,11の連結の剛性を、高すぎず、且つ低すぎない適度なものにできる。
その結果、中折れ状態から両軸10,11間にトルクTが作用したときに、両軸10,11の中心軸線A,Bを真直ぐに並ぶように配置して中折れ状態を解除することができるので、両軸10,11が中折れ状態のまま回転して芯振れすることを防止でき、両軸10,11の回転時の伝達トルクが脈動するように変動することを防止して操舵感の低下を防止できる。
さらに、第1のラインE1と、第2のラインE2との交点Fを、直交平面Vにおいて、ピッチ円D上に配置している。これにより、樹脂棒41,42,43を介した両軸10,11の連結の剛性を低すぎない適度な値にしている。これにより、両軸10,11間に、がたつきやこじりが生じることを防止できる。その結果、トルクロスを低減できるので、両軸10,11の回転時における操舵感の低下を防止できる。
また、内軸10と外軸11の間に作用するトルクが比較的小さいときには、内軸10と外軸11の相対位相が所定範囲内にある。このとき、内軸10と外軸11は、各樹脂棒41,42,43を介して周方向Cに弾性的に連結されている。また、第1および第4の接触点81,84を結ぶ第1のラインE1と、第2および第3の接触点82,83を結ぶ第2のラインE2との交点Fは、ピッチ円D上に配置される。
その結果、内軸10と外軸11の相対位相が所定範囲内にある場合に、操舵部材2の操作に伴い内軸10と外軸11との間でトルクが作用したときには、各樹脂棒41,42,43が対応する軸方向溝31,32;33,34;35,36に対してほとんどこじられずに(滑り接触せずに)、弾性的に圧縮される。
これにより、各樹脂棒41,42,43を介して両軸10,11間でトルクを伝達する際のロスを格段に少なくでき、その結果、内軸10および外軸11の相対位相が所定範囲内のときに、スムーズなトルク伝達を達成できる。内軸10と外軸11との間のトルクの伝達に違和感が生じることを抑制でき、操舵感が低下することを確実に抑制できる。また、樹脂棒41,42,43の滑り接触による磨耗を抑制できるので、樹脂棒41,42,43の耐久性の向上を通じて操舵軸3の耐久性を向上できる。
さらに、各樹脂棒41,42,43は、溝50を有する断面U字形形状に形成されている。このような構成により、両軸10,11間にトルクが作用したときの、各樹脂棒41,42,43の可撓性を高くできる。これにより、両軸10,11の一方から各樹脂棒41,42,43を介して他方にトルクが伝わるときの、トルクの伝わりをスムーズにでき、両軸10,11間のトルクの伝わりに唐突な変化が生じることを防止できる。これにより、より自然な操舵感を実現できる。
また、軸方向Sに沿って見て、第1の接触角H1と第4の接触角H4とが互いに等しくされており、且つ、第2の接触角H2と第3の接触角H3とが互いに等しくされている。これにより、両軸10,11が周方向Cの一方C1に回転し、両軸10,11間でトルクが作用したときの、第2の接触点82に作用する合力K2の向きと、第3の接触点83に作用する合力K3の向きと、を反対にできる。
同様に、両軸10,11が周方向Cの他方C2に回転し、両軸10,11間でトルクが作用したときの、第1の接触点81に作用する合力K1の向きと、第4の接触点84に作用する合力K4の向きと、を反対にできる。その結果、操舵軸3が周方向Cの何れに回転したときでも、各樹脂棒41,42,43が両軸10,11に対してこじれることをより確実に防止できる。
また、内軸10の各軸方向溝31,33,35の溝底70と対応する樹脂棒41,42,43の円弧面54との間に隙間Mが形成されている。これにより、対応する樹脂棒41,42,43が弾性変形したときの当該樹脂棒41,42,43の肉の逃げ場が確保されている。したがって、各樹脂棒41,42,43が弾性変形したときの肉が内軸10のうちの第1および第2の斜面71,72以外の箇所に接触することで両軸10,11間のトルクの伝達特性を不用意に変化させてしまうことを防止できる。
さらに、内軸10と外軸11との周方向Cの隙間を樹脂棒41,42,43で詰めることができる。これにより、操舵角θが−θ1≦θ≦θ1であるとき(内軸10および外軸11の相対位相が所定の範囲内にあるとき)でも、樹脂棒41,42,43を介した両軸10,11の周方向Cの連結の剛性を高くできる。これにより、両軸10,11間で回転の伝達遅れを生じることなく、両軸10,11を同行回転することができる。したがって、内軸10と外軸11との周方向Cの連結の剛性感を確保でき、良好な操舵感を達成できる。
また、各樹脂棒41,42,43の一端を連結部44に固定している。これにより、各樹脂棒41,42,43が、対応する一対の軸方向溝31,32;33,34;35,36に対してこじられることをより確実に防止できる。その結果、操舵感の低下をより確実に防止できる。
また、操舵角θが−θ1≦θ≦θ1のときでも、樹脂棒41,42,43によって内軸10と外軸11とを周方向Cに連結することにより、操舵部材2を操舵したときに、操舵角θに応じた入力トルクに等しい反作用としての反力トルクを生じさせることができる。その結果、操舵不足または操舵過剰を防止でき、運転者の操舵のふらつきを防止できる。
さらに、操舵角θがθ<−θ1、またはθ1<θとなる前には、操舵反力がある程度生じているので、操舵角θがθ<−θ1、またはθ1<θとなる前後における伝達トルクの急峻な変化を防止でき、入力トルクに等しい反作用としての反力トルクを滑らかに上昇できる。したがって、運転者に無用なトルク変動を与えず、路面状態・車両挙動等の運転者が必要とする情報のみを伝えることができる。その結果、操舵角θがゼロである操舵中立付近での操舵のふらつきがなくなり、操舵部材2から得られる操舵装置1の安定感を向上できる。
また、操舵部材2を操舵中立状態から急操舵したときには、内軸10外軸11の間の各樹脂棒41,42,43が圧縮されつつ、内軸10の雄セレーション27と外軸11の雌セレーション29とが互いに接触することとなる。このとき、各樹脂棒41,42,43が緩衝作用を発揮する。これにより、各セレーション27,29の剛的な接触による噛み合い音を抑制できる。
以上より、操舵感、耐久性および静粛性に優れた車両用操舵装置1を実現できる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、各樹脂棒41,42,43の溝50は、径方向Rの内方に開放されるようにしてもよい。また、各樹脂棒41,42,43の円弧面54のうち、長手方向Lの中間部をより大きく切り欠くことで、外軸11との接触面積をより少なくしてもよい。これにより、各樹脂棒41,42,43と外軸11との接触面積を少なくできる。その結果、内軸10および外軸11が相対摺動するときの摺動抵抗をより低減でき、テレスコピック調整をより少ない力でスムーズに行うことができる。また、この切り欠きの長さを適宜設定することにより、両軸10,11間の摺動抵抗を所望の値にできる。
また、樹脂体39を外軸11に固定してもよい。
さらに、各上記実施の形態において、連結部に連結されない単品の樹脂棒を用いてもよい。
また、セレーション25に代えて、スプラインを設けてもよい。この場合、スプラインの雄スプラインは、内軸10の外周面26に形成され、雌スプラインは、外軸11の内周面28に形成される。
また、内軸10と外軸11の相対向する軸方向溝は、4対以上設けられていてもよい。
さらに、電動モータで操舵軸に操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置や、油圧シリンダでラック軸に操舵補助力を付与する油圧パワーステアリング装置等のパワーステアリング装置に、本発明を適用することができる。
この場合、操舵補助力の付与が開始される操舵角θの絶対値は、上記所定の操舵角θ1に相当するように設定される。すなわち、操舵角θが−θ1≦θ≦θ1である領域は、操舵部材2の操舵にかかわらず操舵補助力が生じない、いわゆる不感帯領域とされる。操舵補助力が付与されない程度の微小な操舵角(不感帯領域)のとき、各樹脂棒を介して、内軸10と外軸11との間でトルクが伝達される。
また、本発明を、操舵部材と舵取り機構との間に配置される中間軸等、他の車両操舵用操舵軸に適用してもよい。
本発明の一実施の形態にかかる車両操舵用伸縮軸を備える車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。 操舵軸の要部の分解斜視図である。 操舵軸の要部の断面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 図4の要部の拡大図である。 内軸と外軸との間にトルクが作用している状態を示す要部の断面図である。 両軸が中折れとなるように嵌合したときの要部の模式図である。 内軸および外軸が真直ぐに並んだ状態を示す要部の側面図である。 操舵部材をロックトゥロックで比較的素早く往復回転させたときの、操舵角と操舵部材に生じるトルクとの関係を示すグラフである。 比較例における、操舵角と操舵部材に生じるトルクとの関係を示すグラフである。 操舵角と操舵部材に生じるトルク(操舵軸のねじれ)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…車両用操舵装置、2…操舵部材、3…操舵軸(車両操舵用伸縮軸)、10…内軸、11…外軸、25…セレーション(剛性連結要素)、26…(内軸の)外周面、27…雄セレーション(雄歯)、28…(外軸の)内周面、29…雌セレーション(雌歯)、31,32,33,34,35,36…軸方向溝、41,42,43…樹脂棒、50…溝、81…第1の接触点、82…第2の接触点、83…第3の接触点、84…第4の接触点、C…周方向、D…ピッチ円、E1…第1のライン(第1および第4の接触点を結ぶライン)、E2…第2のライン(第2および第3の接触点を結ぶライン)、F…交点、H1…第1の接触角、H2…第2の接触角、H3…第3の接触角、H4…第4の接触角、S…軸方向。

Claims (4)

  1. 操舵部材の操舵に応じて回転する車両操舵用伸縮軸において、
    軸方向に相対摺動可能に且つ互いにトルク伝達可能に嵌め合わされた内軸および筒状の外軸と、
    内軸の外周面に形成された複数の雄歯、および外軸の内周面に形成された複数の雌歯を含み、両軸の相対位相が所定範囲を超えたときに、雄歯と雌歯との噛合により両軸を周方向に剛的に連結する剛性連結要素と、
    内軸の外周面および外軸の内周面のそれぞれに形成されて互いに対向する少なくとも三対の軸方向溝と、
    上記対をなす軸方向溝間のそれぞれに4点接触状態で介在し、内軸および外軸の相対位相が所定範囲内のときに、両軸の一方を他方に対して周方向に浮動状に支持する複数の弾性連結要素としての長尺の樹脂棒と、を含み、
    内軸の軸方向に沿って見たとき、各上記樹脂棒は、内軸の軸方向溝に対して第1および第2の接触点で2点接触し、外軸の軸方向溝に対して第3および第4の接触点で2点接触し、
    上記内軸の軸方向に沿って見たとき、上記第1および第4の接触点を結ぶラインと、第2および第3の接触点を結ぶラインとの交点は、上記雄歯と雌歯との噛合いのピッチ円上に配置されていることを特徴とする車両操舵用伸縮軸。
  2. 請求項1において、各上記樹脂棒は、断面U字形形状をなしており、内軸の径方向一方に開放された溝を含むことを特徴とする車両操舵用伸縮軸。
  3. 請求項1または2において、上記内軸の軸方向に沿って見て、上記第1の接触点における内軸の軸方向溝と樹脂棒との接触角が、上記第4の接触点における外軸の軸方向溝と樹脂棒との接触角と等しくされており、且つ、上記第2の接触点における内軸の軸方向溝と樹脂棒との接触角が、上記第3の接触点における外軸の軸方向溝と樹脂棒との接触角と等しくされていることを特徴とする車両操舵用伸縮軸。
  4. 操舵部材の操舵に応じて回転する請求項1〜3の何れか1項に記載の車両操舵用伸縮軸を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
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