JP2010120548A - 弾性履帯 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弾性履帯1は、係合孔15が周方向に複数受けられた履帯本体3と、長手方向両側に板状の翼部13を備え履帯本体の周方向に間隔を有して埋め込まれた複数の芯金2と、履帯本体の外周側の表面から突出し幅方向両側においてそれぞれ周方向に順に繰り返し配される3種類のラグと、で形成され、3種類のラグは、係合孔を挟んで幅方向に交互に配され幅方向端に向けて延びた接地端面41を有する大ラグ4と、係合孔を挟んで大ラグとは反対側に幅方向端に向けて並ぶ複数のブロック52〜54,61〜63で形成された2種類の小ラグ5,6と、を含み、芯金2は、翼部における幅方向両側面131がいずれも大ラグ、2種類の小ラグのいずれかに周方向において重なるように配されている。
【選択図】 図1
Description
一方、芝等の緑化管理用に使用されるトラックローダーに装着される弾性履帯のラグは、芝等を痛めないように、通常分断されたブロックが弾性履帯幅方向に1列に並べて形成されており、ブロックに分割されて各ブロック間は比較的密にされて接地面の面圧を下げている。また、緑化管理に使用される弾性履帯は、大きな強度が要求されないことから、芯金を有さず、または有していても芯金は棒状の細いものであることが多い。
また、緑化管理用弾性履帯を土木工事用走行車両に装着して使用すると、緑化管理用弾性履帯は、その剛性が低いために走行車両から脱輪し易く、脱輪を防止するためには、走行車両本体に転輪の脱輪防止ガイド等の対策を講ずる必要がある等の問題がある。
また、特許文献1に記載されたゴム製のクローラベルトは、交互に配された長ラグと短ラグのうち、長ラグにおける弾性履帯幅方向両端部に面取りを行って牧草地の荒れを防止するものであるが、依然剛性は低く、これを土木工事用走行車両に装着した場合には、走行車両からの脱落を防止することができない。
好ましくは、前記芯金の翼部の前記外周側表面における前記翼部の幅方向両側の端近傍が、前記端に向かうに伴い前記翼部の厚みが減少する曲面または平面となっている。
好ましくは、前記弾性履帯における前記3種類以上のラグまたは前記他の弾性履帯における前記3種類のラグは、そのいずれも、その接地端面が前記幅方向の端において前記幅方向の端縁に向かうにつれてラグの高さを減少させる湾曲面となっている。
以下の説明において、クローラ式走行車両に装着されたときにおける弾性履帯1の接地側を「外周側」といい、接地側の反対側を「内周側」という。また、クローラ式走行車両が走行するときに弾性履帯1が循環する方向を「周方向」、このときの周方向に直交し、かつクローラ式走行車両の転輪等の回転軸に平行な方向を「幅方向」というものとする。
図1ないし図3を参照して、弾性履帯1は、芯金2,2,2、履帯本体3、大ラグ4,…,4、第1小ラグ5,…,5、第2小ラグ6,6、および1対の抗張体7,7等からなる。
芯金本体11は、その長手方向の両端からそれぞれ中央に向けて一定の長さの部分が、板状の翼部13,13となっている。翼部13は、図4に示されるように、後に説明する突起部12,12が突出する側とは反対側の表面における(芯金2の)幅方向両側の端の一定の部分が、端縁に向かうに伴い翼部13の厚みが減少する凸状の曲面14,14となっている。この曲面14となった一定部分の幅W1は、翼部13の幅W2の5分の1以上2分の1以下が好ましい。
履帯本体3の内周側における、突出する突起部12,12のそれぞれの幅方向外方側の表面には、一定の幅を有して履帯本体3を周方向に一巡する転輪走行帯16,16が設けられている。
ここで、芯金2は、翼部13の幅方向側面131,131がいずれも、大ラグ4、第1小ラグ5または第2小ラグ6のいずれかに、周方向において重なるように履帯本体3に埋め込まれており、溝17,18はいずれも芯金2の翼部13と周方向において重なり、小ラグ溝51は芯金2の翼部13と周方向において重ならない。
第1小ラグ5は、幅方向中央側から端側に向けて順に並ぶ、第1中央側ブロック52、第1中ブロック53および第1端側ブロック54で形成される。第1中央側ブロック52、第1中ブロック53および第1端側ブロック54は、1つのラグを幅方向に並ぶ3つのブロックに分割したものであり、それぞれの周方向断面の形状は略同一である。
第1端側ブロック54は、第1小ラグ5全体の略半分の長さを有し、残りの長さを第1中ブロック52および第1中央側ブロック53が略2分する。
抗張体7,7は、複数のスチールコード等の抗張力コードが幅方向に1列に並べられて形成されている。各抗張体7は、それぞれが芯金2の翼部13の外周側を周方向全体にわたり巻回された状態で、履帯本体3に埋め込まれている。
また、弾性履帯1は、大ラグ4および対となった第1小ラグ5、第2小ラグ6が係合孔15を挟んでその幅方向横の互いに異なる側に配されている。そして、小ラグ溝51が芯金2と周方向において重ならないことにより、良好な屈曲性がブロック状のラグ52〜54,41〜63で実現されるとともに、大ラグ4の大きな剛性が第1小ラグ5および第2小ラグ6間の小ラグ溝51に生ずるクラックを防止する。
また、弾性履帯1は、大ラグ4を備えることによりその接地面積が比較的大きくなり、クローラ式走行車両に装着したときに(単位面積当たりの)面圧が低下するので、緑化管理用弾性履帯として使用しても、芝切れ等の緑地の破損を回避することができる。
弾性履帯1Bにおいてその構造等が弾性履帯1におけるものと略同一の構成を有するものは説明を省略し、図5および図6において弾性履帯1における符合と同一の符合を付す。
弾性履帯1Bは、大ラグ4、第1小ラグ5における第1端側ブロック54、および第2小ラグ6における第2端側ブロック63の各接地端面41B,57B,66Bの幅方向端縁近傍が、履帯本体3の端縁に向かうにつれてラグの高さを減少させる湾曲面(ラウンドショルダー)42B,58B,67Bとなっている。
図7は他の弾性履帯1Cを接地側から見た図、図8は図7におけるD−D矢視断面図である。
弾性履帯1Cは、芯金2,2,2、履帯本体3、大ラグ4C,…,4C、第1小ラグ5C,…,5C、第2小ラグ6C,6C、および1対の抗張体7,7等からなる。
芯金2は、金属等の硬質材料によって形成される。芯金2は、全体として略長い芯金本体11および1対の突起部12,12からなる。
弾性履帯1Cにおける芯金2は、弾性履帯1における芯金2の翼部13Cの外周側表面の凸状の曲面14,14に換えて、芯金2の幅方向両側の端の一定の部分が、端縁に向かうに伴い翼部13Cの厚みが一定の割合で減少する平面14Cとなっている。この平面14Cとされる範囲W1は、翼部13Cの幅W2の5分の1以上2分の1以下が好ましい(図8参照)。
第1小ラグ5Cおよび第2小ラグ6Cは、幅方向について大ラグ4Cが配された側とは反対側で、幅方向の一方の側については、周方向に隣り合う大ラグ4C,4Cに挟まれて配されている。第1小ラグ5Cは、大ラグ4Cの周方向一方の根元43Cに沿って幅方向に延びた溝17Cにより大ラグ4Cと隔てられ、第2小ラグ6Cは、大ラグ4Cの周方向他方の根元43Cに沿って幅方向に延びた溝18Cにより大ラグ4Cと隔てられている。また、隣り合う第1小ラグ5Cおよび第2小ラグ6Cは、周方向に直交して幅方向に延びた小ラグ溝51Cにより分けられている。
弾性履帯1Cにおいて、第1小ラグ5Cおよび第2小ラグ6Cを分ける小ラグ溝51Cの深さE1は、第1小ラグ5Cと大ラグ4Cとを隔てる溝17Cおよび第2小ラグ6Cと大ラグ4Cとを隔てる溝18Cのいずれの深さE2よりも深く形成されているのが好ましい。なお、溝17Cおよび溝18Cの深さは同じである。
上記したように、第2小ラグ6Cは、第1小ラグ5Cと面対称の形状であり、第1中央側ブロック52Cに面対称である第2中央側ブロック61C、第1中ブロック53Cに面対称である第2中ブロック62C、および第1端側ブロック54Cに面対称である第2端側ブロック63Cで構成される。
そのため、溝17C,18Cはいずれも芯金2の翼部13Cと周方向において重なり、小ラグ溝51Cは芯金2の翼部13Cと周方向において重ならない。
弾性履帯1Cは、周方向に交互に配される大ラグ4Cおよび第1小ラグ5C、第2小ラグ6Cにより周方向における剛性の高低分布が小さくなり、クローラ式走行車両への装着を容易に行うことができ、かつ走行時の走行車両からの脱落が防止される。また、弾性履帯1が装着されたクローラ式走行車両は、動力ロスによる燃費の悪化が防止される。
また、弾性履帯1Cは、芯金2の幅方向端部の外周側表面が、その側面131,131に向けて傾斜する平面14C,14Cとなっていることにより、抗張体7との間Mdのゴムの厚みが増加し、この部分の歪みが緩和されてラグの根元におけるクラックの発生が防止される。
また、弾性履帯1において、大ラグ4および小ラグ5,6のそれぞれの接地端面41,57,64の幅方向外方端縁68,69,70を、図1に示されるように周方向に一線に並べるのではなく、大ラグ4の接地端面41の幅方向外方端縁68と、小ラグ5,6の接地端面57,64のいずれかまたは両方の幅方向外方端縁69,70とが、幅方向において異なる位置となるように構成してもよい。
転輪走行帯16の外周側には大ラグ4,4Cおよび小ラグ5,6,5C,6Cが左右配置されるので、安定した踏面を有し、落ち込むことなく(上下しない)転輪がスムーズに走行する。また、ラグの出入りがあること、大きなラグ間を有することで、軟弱路でこの部分の土壌剪断力が作用し、トラクションが向上する。
2 芯金
3 履帯本体
4,4C 大ラグ
5,5C 小ラグ(第1小ラグ)
6,6C 小ラグ(第2小ラグ)
13,13C 翼部
14 曲面(凸状の曲面)
14C 平面
15 係合孔
17,17C ((第1)小ラグと大ラグとを隔てる)溝
18,18C ((第2)小ラグと大ラグとを隔てる)溝
41,41B,41C (大ラグの)接地端面
42B (大ラグの接地端面の)湾曲面
51,51C 小ラグ同士を隔てる溝(小ラグ溝)
52,52C ブロック(第1中央側ブロック)
53,53C ブロック(第1中ブロック)
54,54C ブロック(第1端側ブロック)
58B (小ラグの接地端面の)湾曲面
61,61C ブロック(第2中央側ブロック)
62,62C ブロック(第2中ブロック)
63,63C ブロック(第2端側ブロック)
67B (小ラグの接地端面の)湾曲面
68,68C 大ラグの接地端面における幅方向の外方の端縁(幅方向外方端縁)
69,69C 小ラグの接地端面における幅方向の外方の端縁(第1端側ブロックの接地端面の幅方向外方端縁)
70,70C 小ラグの接地端面における幅方向の外方の端縁(第2端側ブロックの接地端面の幅方向外方端縁)
131 (翼部の幅方向)側面
E1 (小ラグ同士を隔てる)溝の深さ
E2 溝の深さ
Claims (7)
- ゴムにより無端帯状に形成され内周側に開口する係合孔が周方向に略等間隔に複数受けられた履帯本体と、
その長手方向両側にそれぞれ板状の翼部を備え前記履帯本体の周方向に間隔を有して前記履帯本体に埋め込まれた複数の芯金と、
前記履帯本体の外周側の表面から突出し前記履帯本体の幅方向両側においてそれぞれ前記周方向に順に繰り返し配される3種類以上のラグと、で形成され、
前記3種類以上のラグは、少なくとも、
前記周方向に並ぶ前記係合孔を挟んで前記幅方向に交互に配され前記幅方向の端に向けて分断されずに延びた接地端面を有する大ラグと、
前記係合孔を挟んで前記幅方向における前記大ラグが配された側とは反対側に前記幅方向端に向けて並ぶそれぞれが複数のブロックで形成された2種類の小ラグと、を含み、
前記芯金は、
前記翼部における幅方向両側面がいずれも前記大ラグ、前記2種類の小ラグのいずれかに前記周方向において重なるように前記履帯本体内に埋め込まれている
ことを特徴とする弾性履帯。 - ゴムにより無端帯状に形成され内周側および外周側を貫通する係合孔が周方向に略等間隔に複数受けられた履帯本体と、
その長手方向両側にそれぞれ板状の翼部を備え前記履帯本体の周方向に間隔を有して前記履帯本体に埋め込まれた複数の芯金と、
前記履帯本体の外周側の表面から突出し前記履帯本体の幅方向両側においてそれぞれ前記周方向に順に繰り返し配される3種類のラグと、で形成され、
前記3種類のラグは、
前記周方向に並ぶ前記係合孔に対して前記幅方向の一方または他方に交互に配され前記履帯本体の幅方向端に向けて分断されずに延びた接地端面を有する大ラグと、
前記係合孔を挟んで前記幅方向における前記大ラグが配された側とは反対側に前記幅方向端に向けて並ぶそれぞれが複数のブロックで形成された2種類の小ラグと、で構成され
前記芯金は、
前記翼部における幅方向両側面がいずれも前記大ラグ、前記2種類の小ラグのいずれかに前記周方向において重なるように前記履帯本体内に埋め込まれている
ことを特徴とする弾性履帯。 - 前記大ラグとその前記周方向両側で隣り合う前記2種類の小ラグとを隔てるそれぞれの溝の深さが、前記小ラグ同士を隔てる溝よりも浅い
請求項1または請求項2に記載の弾性履帯。 - 前記芯金の翼部の前記外周側表面における前記翼部の幅方向両側の端近傍が、
前記端に向かうに伴い前記翼部の厚みが減少する曲面または平面となっている
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の弾性履帯。 - 前記3種類以上のラグのいずれも、
その接地端面が前記幅方向の端において前記幅方向の端縁に向かうにつれてラグの高さを減少させる湾曲面となっている
請求項1に記載の弾性履帯。 - 前記3種類のラグのいずれも、
その接地端面が前記幅方向の端において前記幅方向の端縁に向かうにつれてラグの高さを減少させる湾曲面となっている
請求項2に記載の弾性履帯。 - 前記大ラグおよび前記2種類の小ラグは、
前記大ラグの接地端面における前記幅方向の外方の端縁と前記2種類の小ラグの一方または両方の接地端面における前記幅方向の外方の端縁とが、前記幅方向において異なる位置となるように形成されている
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の弾性履帯。
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