JP2010120422A - 成形天井の配線保持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線を保持させる作業が簡単で材料コスト並びに工数を低減でき、しかも配線の位置ずれを防止できる成形天井の配線保持構造を提供する。
【解決手段】成形天井1に、ワイヤーハーネス2の出し入れが可能で、且つ最小隙間幅がワイヤーハーネス2の径寸法よりも短い切り込み部15と、保持用突片14の周縁よりも内側領域に形成され、且つ切り込み部15の端部に形成された配線保持孔16とが形成された保持用突片14を設けている。ワイヤーハーネス2は、配線保持孔16で成形天井1を貫通するように配されて保持されている。
【選択図】図3
【解決手段】成形天井1に、ワイヤーハーネス2の出し入れが可能で、且つ最小隙間幅がワイヤーハーネス2の径寸法よりも短い切り込み部15と、保持用突片14の周縁よりも内側領域に形成され、且つ切り込み部15の端部に形成された配線保持孔16とが形成された保持用突片14を設けている。ワイヤーハーネス2は、配線保持孔16で成形天井1を貫通するように配されて保持されている。
【選択図】図3
Description
本発明は成形天井の配線保持構造に関し、さらに詳しくは、自動車内装用の成形天井に配索されるワイヤーハーネスの保持構造に関する。
自動車内装用の成形天井には、室内灯、サンルーフの電動モータ等の各種電気部品への給電用のワイヤーハーネスが配索されている。この成形天井には、組み立てラインでの工数を低減させるために、車体ボディーに組み付ける前に、予めワイヤーハーネスが配索されている。
従来、成形天井にワイヤーハーネスを保持させるには、成形天井の裏面に両面粘着テープを用いてワイヤーハーネスを固定する方法が用いられていた。しかし、この方法では、成形天井の縁部から導出するワイヤーハーネスを縁部に対して十分に固定することができない。また、両面粘着テープを用いた固定方法では、組み立て工場への搬送の途中や組み付けの際の取り廻しによって、成形天井の縁部からワイヤーハーネスが剥がれ易いという問題もあった。
このような問題の対策として、成形天井の縁部から保持用突片が突出するように、予め保持用突片を形成しておき、ワイヤーハーネスをこの保持用突片に添えた状態で粘着テープで幾重にも巻回して固定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−264249号公報
しかしながら、保持用突片に粘着テープを巻いてワイヤーハーネスを固定した場合、保持用突片に幾重にも粘着テープを巻き付ける作業により、保持用突片の基部やその周辺の成形天井が傷み易いものであった。また、この粘着テープの巻き付け工程は、保持用突片上にワイヤーハーネスを添えた状態で巻き付けるため、作業者は無理な姿勢になりがちで作業性が悪く、手間と時間がかかると共に、ワイヤーハーネスが保持用突片に対して位置ずれを起こし易いものであった。さらに、粘着テープとしては、片面粘着テープを用いるため、巻き付ける際に片面粘着テープが撚れたり裏返しになると粘着面が確実に付かなくなり、片面粘着テープが剥がれ易くなるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、配線を保持させる作業が簡単で材料コスト並びに工数を低減でき、しかも配線の位置ずれを防止できる成形天井の配線保持構造を提供することにある。
本発明の特徴は、成形天井の裏面に沿って配される配線が、成形天井の縁部から導出させる位置で成形天井に保持された成形天井の配線保持構造であって、配線が、成形天井の一部でなる配線包囲部で保持されていることを要旨とする。成形天井の一部とは、配線包囲部が成形天井と同一の材料で成形天井と一体のものあってもよく、成形天井と別体のものであってもよい。
ここで、配線とは、主に、ルームランプ等への給電用の電線束であるワイヤーハーネスを指すものであるが、その他の配線全般に本発明を適用できることは云うまでもない。また、成形天井の縁部とは、成形天井の外周縁の他に、成形天井に形成された開口部の開口縁も含む。
本発明では、配線包囲部が成形天井の縁部に突出するように形成された保持用突片でなり、保持用突片が、配線の出し入れが可能で且つ最小隙間幅が配線の径寸法よりも短い切り込み部と、保持用突片の周縁よりも内側領域に形成され且つ切り込み部の端部に形成された配線保持孔とを備え、配線が配線保持孔で保持用突片を貫通するように配されている構造としてもよい。ここで、切り込み部は、切り込み縁がジグザグ状に形成されていることが好ましい。また、切り込み部の両側端部にそれぞれ配線保持孔が形成され、保持用突片が、前記配線保持孔同士が重なるように折り曲げられている構造としてもよい。
また、本発明では、配線包囲部が成形天井の縁部に突出するように形成された保持用突片でなり、保持用突片が配線を包むように折り曲げられた状態で固定されている構造としてもよい。この場合、保持用突片は、基部側に細長いロック用挿通孔が形成され、先端側にこのロック用挿通孔の長手方向の長さよりも長い幅の幅広部が形成され、配線を包むように折り曲げられた状態で幅広部がロック用挿通孔に差し込まれて係止されている構造としてもよい。
さらに、本発明では、配線包囲部が成形天井の縁部に形成された一対の保持用突片でなり、これら一対の保持用突片が配線を挟み込んだ状態で互いに結合されている構造としてもよい。この場合、一対の保持用突片にそれぞれに差し込み用スリットが形成され、これら一対の保持用突片が配線を挟み込んだ状態で、互いに相手側の差し込み用スリットに差し込まれて係止されている構造としてもよい。この他の係止構造としては、一対の保持用突片が配線を挟み込んだ状態で、結い合わされている構造としてもよい。
本発明によれば、配線を成形天井に保持させる作業が簡単で材料コスト並びに工数を低減でき、しかも配線の位置ずれを防止できる成形天井の配線保持構造を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造の詳細を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係る成形天井全体の配線保持構造を示す。なお、図1は本実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示す斜視図、図2は成形天井の要部斜視図、図3は配線保持構造の要部を示す斜視図である。
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係る成形天井全体の配線保持構造を示す。なお、図1は本実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示す斜視図、図2は成形天井の要部斜視図、図3は配線保持構造の要部を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る成形天井の配線保持構造は、成形天井1の裏面側に配線としてのワイヤーハーネス2を配索し、このワイヤーハーネス2を成形天井1に設けた配線包囲部としての保持用突片14に保持させた構造である。
成形天井1は、例えばレジンフェルトあるいはダンボール等の硬質材料から成形された図示しない成形天井芯材の表面側に図示しない表皮材を貼設した構成のものなど板状のものが適用される。この成形天井1は、ほぼ中央部に形成された、ルームランプを室内に露呈させる開口部11や、前部の両側に形成された、サンバイザーを収納するために室内側から裏面側へ膨出するように形成されたサンバイザー収納部12や、サンバイザー収納部12に形成されたサンバイザー取付孔13、配線包囲部としての保持用突片14などを有している。この他に、成形天井1には、成形天井1を車体ボディーのルーフパネル下面に取り付けるための図示しない係合具などが設けられている。
図1に示すように、保持用突片14は、例えば、成形天井1の前後に位置する2つの隅部からそれぞれ所定の導出方向(組み付け持に対応するピラーに沿う方向)に向けて突出するように一体的に形成されている。なお、本実施の形態では、保持用突片14が成形天井1を形成するときに同時に成形された一体のものであるが、図1中一点鎖線の円で示すように、成形天井1の縁部に成形天井1とは別体の保持用突片14を接着、超音波溶着等の各種の固定手段で固定してもよい。以下に説明する各実施の形態においても保持用突片を別体のものとしてもよい。
図2及び図3に示すように、保持用突片14には、ワイヤーハーネス2の出し入れが可能で、且つ最小隙間幅(本実施の形態では隙間幅がほぼ0)がワイヤーハーネス2の径寸法よりも短い切り込み部15と、保持用突片14の周縁よりも内側領域に形成され、且つ切り込み部15の端部に形成された配線保持孔16とが形成されている。ワイヤーハーネス2は、この配線保持孔16で成形天井を貫通するように配されている。
図1に示すように、ワイヤーハーネス2は、中間に分岐部21を有しており、その先端にルームランプ用のコネクタ21Aが設けられ、このコネクタ21Aが成形天井1の開口部11内に配置されるように配索されている。また、成形天井1に対して前後方向に配索されるワイヤーハーネス2の前後配索部22(以下、ワイヤーハーネス2と称する。)は、成形天井1の前後位置にそれぞれ配置、形成された保持用突片14を貫通して成形天井1より導出されるように配置されている。図1及び図3に示すように、保持用突片14を貫通する部分のワイヤーハーネス2は、保持用突片14により保持されている。
このよう成形天井の配線保持構造とするには、成形天井1の裏面にワイヤーハーネス2を配索した状態で、保持用突片14上に位置する部分のワイヤーハーネス2を、切り込み部15を押し広げつつ配線保持孔16に向けて移動させるだけでよい。配線保持孔16にワイヤーハーネス2が至ると、切り込み部15の両側の保持用突片14の部分は、弾性変形した状態から元の状態に復帰して配線保持孔15をほぼ閉塞させ、保持用突片14がワイヤーハーネス2を包囲した状態となる。したがって、ワイヤーハーネス2は、保持用突片14に保持される。
上述した成形天井の配線保持構造によれば、保持用突片14にワイヤーハーネス2を簡単な操作で速やかに保持させることができる。本実施の形態によれば、粘着テープでワイヤーハーネス2を保持用突片14に幾重にも巻き付ける工程が不要となるため、工数や材料コストを削減することができる。また、本実施の形態では、ワイヤーハーネス2の保持位置は、保持用突片14に形成した保持用突片孔16に保持させることにより一義的に決まるため、ワイヤーハーネス2が位置ずれを起こすことを防止できる。
本実施の形態に係る成形天井の配線保持構造によれば、従来のようにワイヤーハーネス2が成形天井の保持用突片14に対して位置ずれを起こすことがなく、以下に説明するような効果を有する。即ち、成形天井1に対してワイヤーハーネス2を取り付ける位置が正確になるため、成形天井を車体ボディーに組み付ける際に、ワイヤーハーネス2が、車体ボディーのピラー部位に設けられる、例えばピラートリム取付用のクリップやクリップ座などと干渉して断線やクリアランス不足からノイズが発生するという問題が解消される。また、電源コネクタが正規の位置から引き出せるため、組み付けに支障を来す問題が解消される。
(変形例)
図4は、上記第1の実施の形態における保持用突片14の変形例を示す要部斜視図である。図4に示すように、この変形例1に係る保持用突片14Aは、上記第1の実施の形態に係る保持用突片14の切り込み部15が鋸歯のようにジグザグ状に形成されている。この保持用突片14Aにおける切り込み部15Aは、最小隙間幅がワイヤーハーネス2の径寸法よりも短く設定されている。この変形例に係る保持用突片14Aでは、上記第1の実施の形態の保持用突片14と同様にワイヤーハーネス2を保持できると共に、多段的な抜け止め作用を有すると共に、ワイヤーハーネス2を配線保持孔16へ多段的に導くことができる。したがって、この変形例に係る保持用突片14Aでは、ワイヤーハーネス2に無理な負荷を与えずに徐々に配線保持孔16へ導くことができると共に、抜け止め効果も高くなる。
(第2の実施の形態)
図5及び図6は、本発明の第2の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示している。図5は本実施の形態の保持用突片14Bを示す要部斜視図、図6はワイヤーハーネス2を保持した状態を示す要部斜視図である。
(変形例)
図4は、上記第1の実施の形態における保持用突片14の変形例を示す要部斜視図である。図4に示すように、この変形例1に係る保持用突片14Aは、上記第1の実施の形態に係る保持用突片14の切り込み部15が鋸歯のようにジグザグ状に形成されている。この保持用突片14Aにおける切り込み部15Aは、最小隙間幅がワイヤーハーネス2の径寸法よりも短く設定されている。この変形例に係る保持用突片14Aでは、上記第1の実施の形態の保持用突片14と同様にワイヤーハーネス2を保持できると共に、多段的な抜け止め作用を有すると共に、ワイヤーハーネス2を配線保持孔16へ多段的に導くことができる。したがって、この変形例に係る保持用突片14Aでは、ワイヤーハーネス2に無理な負荷を与えずに徐々に配線保持孔16へ導くことができると共に、抜け止め効果も高くなる。
(第2の実施の形態)
図5及び図6は、本発明の第2の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示している。図5は本実施の形態の保持用突片14Bを示す要部斜視図、図6はワイヤーハーネス2を保持した状態を示す要部斜視図である。
図5に示すように、本実施の形態における配線包囲部としての保持用突片14Bは、内部領域に保持用突片14Bの突出方向に沿って切り込み部15が形成され、この切り込み部15の両端にそれぞれ配線保持孔16が形成されている。そして、保持用突片14Bにおける切り込み部15の中央部分に保持用突片14Bの突出方向と直角をなすようにノッチ17が形成されている。
本実施の形態の成形天井の配線保持構造とするには、先ず、図5に示す状態から図6に示す状態になるように保持用突片14Bをノッチ17を境にして折り曲げて重ねる。この折り曲げにより、切り込み部15の中央部分は折り曲げられた保持用突片14Bの先端縁に位置する。その後、図6に示すように、ワイヤーハーネス2を切り込み部15の中央部分から割り込ませて、重なった2つの配線保持孔16内にワイヤーハーネス2を収容させればよい。
本実施の形態では、保持用突片14Bを2つに折り重ねているため、保持用突片14Bの剛性が高くなり、ワイヤーハーネス2を保持する強度が大きくなるという利点がある。
なお、本実施の形態では、保持用突片14Bを折り曲げた状態で配線保持孔16にワイヤーハーネス2を収容すると、ワイヤーハーネス2の曲げ応力により保持用突片14Bは折り曲げた状態を保つため、特に接着剤などを用いて貼り合わせなくとも十分にワイヤーハーネス2を保持することができるが、折り曲げた保持用突片14Bを接着剤、熱溶着などの手段で貼り合わせてもよい。
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、ワイヤーハーネス2を保持させる作業が簡単であり、粘着テープなどを用いることがないため、材料コスト並びに工数を大幅に低減できると共に、ワイヤーハーネス2の保持用突片14Bに対する位置ずれの発生も回避することができる。
(第3の実施の形態)
図7〜図10は、本発明の第3の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示している。図7及び図8は本実施の形態の要部斜視図、図9は本実施の形態においてタッカー止めを行った例を示す要部斜視図、図10は図9のX−X断面図である。
(第3の実施の形態)
図7〜図10は、本発明の第3の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示している。図7及び図8は本実施の形態の要部斜視図、図9は本実施の形態においてタッカー止めを行った例を示す要部斜視図、図10は図9のX−X断面図である。
図7に示すように、本実施の形態では、配線包囲部としての保持用突片14Cが、成形天井1の縁部から突出方向に延在された基部14C1と、基部14C1の突出方向と直角なす方向に位置する側部より、突出方向と直角なす方向に延在された可動板部14C2と、を備えている。これら基部14C1と可動板部14C2との境界にノッチ17が形成されている。また、本実施の形態では、基部14C1と可動板部14C2とにワイヤーハーネス2を収容する凹溝18、19が形成されている。
本実施の形態の成形天井の配線保持構造とするには、先ず、図7に示す状態でワイヤーハーネス2を成形天井1の裏面に配置させ、基部14C1の凹溝18にワイヤーハーネス2を位置合わせする。その後、可動板部14C2をノッチ17で折り曲げて基部14C1に重ね合わせ、基部14C1と可動板部14C2とを熱溶着すればよい。このように、熱溶着を行うことにより、材料コストを低減させることができる。なお、本実施の形態では、熱溶着を行ったが、接着剤を用いて貼り合わせてもよいし、図9及び図10に示すように、タッカー3で止めた構造としてもよい。
本実施の形態では、基部14C1と可動板部14C2とを重ね合わせることで、ワイヤーハーネス2が凹溝18、19により位置決めがなされ、位置精度の高い保持構造とすることができる。なお、本実施の形態では、基部14C1と可動板部14C2とに凹溝18、19を形成したが、凹溝18、19を形成せずにワイヤーハーネス2を単に挟み込む構造であってもよい。
本実施の形態に係る成形天井の配線保持構造においても、従来のようにワイヤーハーネス2が成形天井の保持用突片14Cに対して位置ずれを起こすことがない。このように、成形天井1に対してワイヤーハーネス2を取り付ける位置が正確になるため、成形天井を車体ボディーに組み付ける際に、ワイヤーハーネス2が、車体ボディーのピラー部位に設けられる、例えばピラートリム取付用のクリップやクリップ座などと干渉して断線やクリアランス不足からノイズが発生するという問題が解消される。また、電源コネクタが正規の位置から引き出せるため、組み付けに支障を来す問題が解消される。
(第4の実施の形態)
図11及び図12は、本発明の第4の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示す要部斜視図である。
(第4の実施の形態)
図11及び図12は、本発明の第4の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示す要部斜視図である。
図11に示すように、本実施の形態では、配線包囲部としての保持用突片14Dが、成形天井1の縁部から突出方向に延在された基部14D1と、基部14D1の突出方向と直角なす方向に位置する側部より、突出方向と直角なす方向に延在された可動板部14D2と、を備えている。これら基部14D1と可動板部14D2との境界にノッチ17が形成されている。また、本実施の形態では、基部14D1と可動板部14D2とにワイヤーハーネス2を収容する凹溝18、19と、折り重ねたときに互いに合致するロック用挿通孔41、42が形成されている。
本実施の形態の成形天井の配線保持構造とするには、先ず、図11に示す状態でワイヤーハーネス2を成形天井1の裏面に配置させ、基部14D1の凹溝18にワイヤーハーネス2を位置合わせする。その後、図12に示すように、可動板部14D2をノッチ17で折り曲げて基部14D1に重ね合わせ、ロック用挿通孔41、42を合致させ、これらロック用挿通孔41、42にロックタイ5を挿通して、ロックタイ5のバックル5Aにタイ先端5Bを挿入して適度な締め付け強度にてロックさせればよい。
本実施の形態においても、上記第3の実施の形態と同様に、基部14D1と可動板部14D2とを重ね合わせることで、ワイヤーハーネス2が凹溝18、19により位置決めがなされ、位置精度の高い保持構造とすることができる。
また、本実施の形態によれば、幅狭なロックタイ5を用いるにもかかわらず、ワイヤーハーネス2に対して基部14D1と可動板部14D2の凹溝18、19の内周面での面接触であるため、ワイヤーハーネス2へ負荷による悪影響を与えることを抑制でき、固定後のワイヤーハーネス2のぐらつきを確実に防止できるという利点がある。
(第5の実施の形態)
図13〜15は、本発明の第5の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示している。図13及び図14は、成形天井の配線保持構造の要部斜視図、図15は図14のXV−XV断面図である。
(第5の実施の形態)
図13〜15は、本発明の第5の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示している。図13及び図14は、成形天井の配線保持構造の要部斜視図、図15は図14のXV−XV断面図である。
図13に示すように、本実施の形態では、配線包囲部としての保持用突片14Eが、成形天井1の縁部から突出方向に延在された基部14E1と、基部14E1の突出方向と直角なす方向に位置する側部より、突出方向と直角なす方向に延在された可動板部14E2と、を備えている。これら基部14E1と可動板部14E2との境界にノッチ17が形成されている。また、本実施の形態では、基部14E1と可動板部14E2とにワイヤーハーネス2を収容する凹溝18、19が形成されている。さらに、可動板部14E2には、前記突出方向と直角なす方向に先端が三角形状のロック片43が延在されている。また、基部14E1には、凹溝18の側方にロック片43を挿入させロック片の先端部よりも幅の狭いロック用挿通孔41が形成されている。なお、ロック片43は、ロック用挿通孔41へ挿入されて係止されたときに、基部14E1と可動板部14E2とが適度に締め付けられるような長さに設定されている。
本実施の形態の成形天井の配線保持構造とするには、先ず、図13に示す状態でワイヤーハーネス2を成形天井1の裏面に配置させ、基部14E1の凹溝18にワイヤーハーネス2を位置合わせする。その後、可動板部14E2をノッチ17で折り曲げて、図14及び図15に示すように、基部14E1と可動板部14E2と重ね合わせて、基部14E1のロック用挿通孔41に可動板部14E2のロック片43を挿入して係合させればよい。
本実施の形態においても、基部14E1と可動板部14E2とを重ね合わせることで、ワイヤーハーネス2が凹溝18、19により位置決めがなされ、位置精度の高い保持構造とすることができる。
本実施の形態に係る成形天井の配線保持構造においても、ワイヤーハーネス2を簡単に取り付けることができ、しかもワイヤーハーネス2が保持用突片14Eに対して位置ずれを起こすことがない。このように、成形天井1に対してワイヤーハーネス2を取り付ける位置が正確になるため、成形天井を車体ボディーに組み付ける際に、ワイヤーハーネス2が、車体ボディーのピラー部位に設けられる、例えばピラートリム取付用のクリップやクリップ座などと干渉して断線やクリアランス不足からノイズが発生するという問題が解消される。また、電源コネクタが正規の位置から引き出せるため、組み付けに支障を来す問題が解消される。
(第6の実施の形態)
図16(A)は本発明の第6の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造の要部斜視図である。
(第6の実施の形態)
図16(A)は本発明の第6の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造の要部斜視図である。
本実施の形態では、配線包囲部としての保持用突片14Fが突出方向の先端に三角形状の膨大部44を有し、保持用突片14Fでワイヤーハーネス2を包囲するようにして、膨大部44を成形天井1側に形成したロック用挿通孔48に挿入、係止する構成である。
本実施の形態では、ワイヤーハーネス2を保持用突片14Fで保持した状態でのワイヤーハーネス2の配索方向の自由度が増し、成形天井1を車体側に取り付ける際に、ワイヤーハーネス2の取り回しが容易になるという利点がある。
なお、本実施の形態では、図16(B)に示すように、保持用突片14Fに3つの膨大部44A、44B、44Cを形成して抜け止め防止効果を高めてもよいし、図16(C)に示すように、図16(B)に示した保持用突片14Fの先端に略V字形状のスリットを形成して、膨大部44A、44B、44Cの差し込み作業性を向上した構成としてもよい。
(第7の実施の形態)
図17及び図18は、本発明の第7の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示す要部斜視図である。
(第7の実施の形態)
図17及び図18は、本発明の第7の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示す要部斜視図である。
本実施の形態では、成形天井1のワイヤーハーネス2を導出する場所に、一対の保持用突片14Gを同方向に突出させている。そして、これら一対の保持用突片14Gの互いに同じ側の側部に突出方向と直角なす方向に、半幅分のスリット46が形成されている。
図18に示すように、本実施の形態では、ワイヤーハーネス2を挟んだ状態で一対の保持用突片14Gを折り返した状態で互いにスリット46同士を差し合わせて係止している。本実施の形態では、一対の保持用突片14G同士を差し合わせるだけでよいため、組み付け作業性が大幅に向上する。
(第8の実施の形態)
図19は、本発明の第8の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示す要部斜視図である。本実施の形態では、成形天井1のワイヤーハーネス2を導出する場所に、配線包囲部としての保持用突片14Hを設けている。保持用突片14Hは、成形天井1から突出する突出部14H1と、この突出部14H1と中央で一体的に設けられ成形天井1の縁部と平行をなすように設けられている包囲片14H2とを有する。包囲片14H2の両端部には、互いに異なる側にほぼ半幅のスリット47が形成されている。
(第8の実施の形態)
図19は、本発明の第8の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示す要部斜視図である。本実施の形態では、成形天井1のワイヤーハーネス2を導出する場所に、配線包囲部としての保持用突片14Hを設けている。保持用突片14Hは、成形天井1から突出する突出部14H1と、この突出部14H1と中央で一体的に設けられ成形天井1の縁部と平行をなすように設けられている包囲片14H2とを有する。包囲片14H2の両端部には、互いに異なる側にほぼ半幅のスリット47が形成されている。
本実施の形態では、図19に一点鎖線で示すように包囲片14H2を撓ませて両端部のスリット47同士を差し合わせることでワイヤーハーネス2を保持することができる。本実施の形態は、上記第7の実施の形態とほぼ同様の操作でワイヤーハーネス2の保持を簡単に行える。なお、本実施の形態では、包囲片14H2を折り返す必要はなく、撓ませた状態にするだけでよい。
(第9の実施の形態)
図20及び図21は、本発明の第9の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示している。本実施の形態では、上記第8の実施の形態とほぼ同様の形状の保持用突片14Iを備えている。なお、この保持用突片14Iの両端部には、スリットは形成されていない。本実施の形態の成形天井1は、例えばレジストフェルトあるいはダンボール等の成形天井芯材と、この表面側に表皮材とからなる。図20及び図21に示すように、保持用突片14Iも、成形天井1と同じ積層構造であるため、表皮材層14I1と、成形天井芯材層14I2とが積層された包囲片を備えている。
(第9の実施の形態)
図20及び図21は、本発明の第9の実施の形態に係る成形天井の配線保持構造を示している。本実施の形態では、上記第8の実施の形態とほぼ同様の形状の保持用突片14Iを備えている。なお、この保持用突片14Iの両端部には、スリットは形成されていない。本実施の形態の成形天井1は、例えばレジストフェルトあるいはダンボール等の成形天井芯材と、この表面側に表皮材とからなる。図20及び図21に示すように、保持用突片14Iも、成形天井1と同じ積層構造であるため、表皮材層14I1と、成形天井芯材層14I2とが積層された包囲片を備えている。
本実施の形態では、図20に示すように、保持用突片14Iの成形天井芯材層14I2を剥離して表皮材層14I1を残し、図20に一点鎖線で示すように表皮材層14I1を結い合わせることによりワイヤーハーネス2を保持するようにしている。本実施の形態では、剛性を有する成形天井芯材層14I2を剥離することで、柔らかい表皮材層14I1だけで結ぶことが容易になる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の第1〜9の実施の形態について説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の第1〜9の実施の形態について説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記の第1及び第2の実施の形態では、配線包囲部としての保持用突片14、14A、14Bを矩形状に形成したが、実質的にワイヤーハーネス2を保持できる形状であれば、これに限定されるものではない。
また、上記各実施の形態では、成形天井1の周縁部(外周縁)における、ワイヤーハーネス2を導出する箇所に配置したが、例えばームランプを室内に露呈させる開口部11の開口縁にワイヤーハーネス2を保持させる場合も本発明が適用される。
さらに、上記第3〜5の実施の形態においては、基部14C1、14D1、14E1と可動板部14C2、14D2、14E2とに、凹溝18、19を設けているが基部と可動板部のいずれかに凹溝を形成する構成としてもよい。この場合も、ワイヤーハーネス2の位置決め効果を奏することができる。
また、上記各実施の形態では、配線包囲部として保持用突片を用いたが、成形天井1の縁部に寸法的余裕があれば、保持用突片を形成せずにワイヤーハーネス2を縁部に直接保持させる構造としてもよい。
1…成形天井
2…ワイヤーハーネス(配線)
3…タッカー
11…開口部
14、14A、14B、14C…保持用突片(配線包囲部)
15、15A…切り込み部
16…配線保持孔
17…ノッチ
18、19…凹溝
41、42、48…ロック用挿通孔
43…ロック片
44…膨大部
45、46、47…スリット
2…ワイヤーハーネス(配線)
3…タッカー
11…開口部
14、14A、14B、14C…保持用突片(配線包囲部)
15、15A…切り込み部
16…配線保持孔
17…ノッチ
18、19…凹溝
41、42、48…ロック用挿通孔
43…ロック片
44…膨大部
45、46、47…スリット
Claims (4)
- 成形天井の裏面に沿って配される配線が、前記成形天井の縁部から導出される位置で前記成形天井に保持された成形天井の配線保持構造であって、
前記配線が、前記成形天井の一部でなる配線包囲部で保持されていることを特徴とする成形天井の配線保持構造。 - 前記配線包囲部は、前記成形天井の縁部に突出するように形成された保持用突片でなり、
前記保持用突片は、配線の出し入れが可能で、且つ最小隙間幅が前記配線の径寸法よりも短い切り込み部と、前記保持用突片の周縁よりも内側領域に形成され、且つ前記切り込み部の端部に形成された配線保持孔とを備え、
前記配線が配線保持孔で前記保持用突片を貫通するように配されていることを特徴とする請求項1に記載の成形天井の配線保持構造。 - 前記配線包囲部は、前記成形天井の縁部に突出するように形成された保持用突片でなり、
前記保持用突片が前記配線を包むように折り曲げられた状態で固定されていることを特徴とする請求項1に記載の成形天井の配線保持構造。 - 前記配線包囲部は、前記成形天井の縁部に形成された一対の保持用突片でなり、
前記一対の保持用突片が前記配線を挟み込んだ状態で互いに結合されていることを特徴とする請求項1に記載の成形天井の配線保持構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008293609A JP2010120422A (ja) | 2008-11-17 | 2008-11-17 | 成形天井の配線保持構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2013018284A1 (ja) * | 2011-08-01 | 2013-02-07 | マツダ株式会社 | 車両の遮音構造 |
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-
2008
- 2008-11-17 JP JP2008293609A patent/JP2010120422A/ja active Pending
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