JP2010120096A - パレット着座部の切粉除去機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パレット着座部の切粉除去機構1は、テーブル3内に設けられたテーブル側配管34と、パレット2に設けられ、一端の流入口22aがテーブル側流路の吐出接続口に接続可能であるとともに、他端の吐出口22bがパレット2の着座面周囲に配置されたパレット側流路22とを備え、パレット2をテーブル3に着座させる際に、テーブル側配管34(34A)の吐出接続口34bとパレット側流路22の流入口22aとが接続され、テーブル側配管34(34A)からパレット側流路22へクーラント液Cを流し、そのクーラント液Cをパレット側流路22の吐出口22bからテーブル3の着座面周囲に向けて吐出させることでパレット2とテーブル3との間に切粉が挟まらないようにした。
【選択図】図1
Description
特許文献2には、パレットクランプシリンダ付近にエアブローノズルを取り付け、テーブル側に相当する着座面に向けてエアを吐出する構成について開示されている。
すなわち、特許文献1、2では、テーブル側の着座面に対して直接当たるようにしてエアを吐出させる構成であるため、着座面上の切粉は吹き飛ばして排除することができるが、その着座面周囲に堆積した切粉を完全に除去することは期待できない。そのため、着座面でない位置で堆積した切粉がパレットとテーブルとの間に挟まったり、或いはその堆積した切粉自体がテーブルの着座面に侵入することにより、パレットが着座不良を起こして工作機械が停止したり、パレット位置決め精度が低下するといった不具合が生じるという問題があった。
本発明では、パレットをテーブルに着座させる際に、テーブル側流路の吐出接続口にパレット側流路の流入口が係合することで双方の流路どうしが連通した状態となり、これにより着座時においてテーブルからパレットへ液状体を確実に供給することができる。
本発明では、テーブルの着座面周囲に吐出された液状体を切粉とともにその着座面から離れる方向に確実に流すことができ、着座面に切粉を含んだ液状体が侵入することがなくなることから、効果的な清掃を行うことができる。
このような構成にすることにより、テーブルの着座面周囲以外でパレット側の吐出口より吐出される液状体で除去しにくいテーブル面上の切粉を別のテーブル側流路の吐出口より吐出した液状体によって除去することができ、これにより、テーブル上に切粉が堆積することをより確実に防止することができる。
本発明では、パレット側流路に低温のクーラント液を流すことにより、パレット自体の温度を低下させる冷却作用をもたせることができる。そのため、パレットはパレット上の冶具、加工品、パレット上に落下した切粉から伝熱される熱による温度上昇による熱変形で加工品の加工精度に影響を与えるといった不具合を防止することができる。
本発明では、機械加工などによってパレットにパレット側流路用の穴を開ける必要がなくなるので、パレットの製造にかかる加工手間が少なくなるという利点がある。また、既存のパレットに対して配管を追加するといった簡単な構造であり、その追加作業が容易になる利点もある。
図1は本発明の実施の形態によるパレット着座部の切粉除去機構の概略構成を示す一部破断側面図、図2はテーブルの平面図、図3は図1に示す着座ブロックの拡大図、図4は図1に示すテーブル中央の拡大図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の切粉除去機構1は、ワーク(図示省略)を搭載したパレット2をテーブル3に着座させる際にテーブル3の上面、とくに後述する着座ブロック33の着座テーパ面33aの周囲に溜まる切粉をクーラント液C(液状体)を使用して除去するためのものである。
それら吐出口22bは、図3に示すように、着座凹部21の周縁下面部21bの位置であって、後述する着座ブロック33の基端斜面33bにほぼ対向する位置に配置されている。そのため、吐出口22bから下方に向けて吐出されるクーラント液C(図中、二点鎖線)が基端斜面33bに当たって、そのまま基端斜面33b上を流れるようになっている。
クーラント液吐出部36は、クーラント液用配管34の吐出部(後述する図4の第1配管34Aの吐出接続口34b及び第2配管34Bの吐出口34c)を配置させた部位をなしている。
また、着座ブロック33における着座テーパ面33aより下方の基端部は、着座ブロック33の中心から径方向で外周側に向かう方向に下る基端傾斜33b(本発明の傾斜面に相当)が形成されている。
ここで、クーラント液Cは、図1に示すように、タンク4から配管を介してテーブル3の支持部材32の流入口34aに接続されており、ポンプ5によってクーラント液用配管34に供給されている。
第2配管34Bは、その吐出口34cがクーラント液吐出部36の上面に配置されており、吐出口34cから吐出されたクーラント液Cをテーブル本体31の傾斜面31bに沿って流すためのものである(図4の二点鎖線の符号Cを参照)。
このエア供給装置及び着座状態を確認するための詳細な構成については省略するが、例えば着座ブロック33と着座凹部21との間に高圧エアを噴出させて着座ブロック33の周面等(とくに着座テーパ面33a)を清掃するとともに、テーブル3にパレット2が着座した際に供給エアを高圧から低圧に切り替え、一定時間の間、供給圧力が低下しないことを確認することで、双方の着座面における密接度を確認する方法を採用することができる。
図1に示すように、本実施の形態による切粉除去装置1では、パレット側流路22の吐出口22bからテーブル2の着座面周囲のテーブル面(テーブル本体31の傾斜面31bや着座ブロック33の基端斜面33b)上にクーラント液Cを吐出させることで、そのテーブル面上をクーラント液Cが流水するので、その面上に溜まっている切粉が流水とともに洗い流されることになる。このとき、パレット2から吐出されるクーラント液Cは、テーブル面上の所定位置に勢いよく当たるようにして噴出するので、勢いのよい流水によって切粉を除去することができる。そのため、切粉がテーブル上に堆積することがなくなり、テーブル3の着座面へ切粉が侵入することも防止することができ、テーブル3に対してパレット2を密接な状態で確実に着座させることができる。
例えば、本実施の形態ではパレット2から吐出させる液状体としてクーラント液Cを採用しているが、液状体であればとくに制限されることはない。
また、本実施の形態ではパレット2におけるクーラント液C用のパレット側流路22を機械加工などで形成した長穴を使用しているが、このような構造に限定されることはなく、例えばパレット2の外部に配管(パレット側流路)を設け、その流入口をテーブル3の第1配管34Aの吐出接続口34bに連結し、吐出口をパレット2の所定の箇所に繋げた構造であってもかまわない。なお、この場合には、パレット2にパレット側流路用の穴を開ける必要がなくなるので、パレット2の製造にかかる加工手間が少なくなるという利点があるうえ、既存のパレットに対して配管を追加するといった簡単な構造であり、その追加作業が容易になる効果を奏する。
さらに、パレット側流路22、およびテーブル側配管34(テーブル側流路)の長さ寸法、経路、断面寸法、或いは各吐出口の数量などの任意に設定することができる。
さらにまた、本実施の形態ではクーラント液Cをテーブル3から吐出するための複数の第2配管34B、34B、…を設けた構造となっているが、これら第2配管34B、34B、…は省略してもよい。
2 パレット
3 テーブル
21 着座凹部
21a 着座係止面
22 パレット側流路
22a 流入口
22b 吐出口
23 嵌合凹部
31 テーブル本体
32 支持部材
33 着座ブロック
33a 着座テーパ面
33b 基端斜面
34 クーラント液用配管
34A 第1配管(テーブル側流路)
34B 第2配管(別のテーブル側流路)
34a 流入口
34b 吐出接続口
35 エア供給配管
C クーラント液(液状体)
Claims (6)
- マシンニグセンタにおけるパレットとテーブルとの間に切粉が挟まらないように清掃するためのパレット着座部の切粉除去機構であって、
前記テーブル内に設けられたテーブル側流路と、
前記パレットに設けられ、一端の流入口が前記テーブル側流路の吐出接続口に接続可能であるとともに、他端の吐出口が前記パレットの着座面周囲に配置されたパレット側流路と、
を備え、
前記パレットを前記テーブルに着座させる際に、前記テーブル側流路の吐出接続口と前記パレット側流路の流入口とが接続され、前記テーブル側流路から前記パレット側流路へ液状体を流し、その液状体を前記パレット側流路の吐出口から前記テーブルの着座面周囲に向けて吐出させる構成であることを特徴とするパレット着座部の切粉除去機構。 - 前記テーブル側流路の吐出接続口が前記テーブルの上面に配置され、前記パレット側流路の流入口が前記吐出接続口に係合可能な前記パレットの下面の位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパレット着座部の切粉除去機構。
- 前記テーブルの着座面の周囲のテーブル上面には、その着座面から離れるにしたがって下る方向の傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット着座部の切粉除去機構。
- 前記テーブルには、その上面より前記液状体を吐出する別のテーブル側流路が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパレット着座部の切粉除去機構。
- 前記液状体はクーラント液であって、
前記パレット側流路は、前記パレットに内装されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパレット着座部の切粉除去機構。 - 前記パレット側流路は、前記パレットの外側に配管されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパレット着座部の切粉除去機構。
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