JP2010118982A - アレイアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】円偏波を放射可能なアレイアンテナにおいて、アンテナ面積の増大を抑制しつつ利得周波数特性の平坦化を図る。
【解決手段】アレイアンテナ100は、楕円偏波を放射するアンテナ素子11と、アンテナ素子11によって放射される楕円偏波と旋回方向が同一であり長軸方向が異なる楕円偏波を放射するアンテナ素子12とを有する。さらに、アンテナ素子11及び12は、利得周波数特性において利得最大となる周波数(ピーク周波数)が互いに異なる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アレイアンテナに関する。
特許文献1〜5及び非特許文献1には、ミリ波等の高周波信号の放射に適したパッチアンテナ又はスロットアンテナが開示されている。このうち、特許文献1及び非特許文献1は、円偏波を放射可能なアレイアンテナを開示している。より具体的に述べると、これらの文献に開示されたアレイアンテナは、各々が楕円偏波を放射する複数のアンテナ素子を有している。各アンテナ素子の楕円偏波特性(軸比及びその傾き)は、アンテナ素子間の相互結合による軸比のずれを打ち消し、アレイアンテナ全体として円偏波を得ることができるように調整される。各アンテナ素子は、放射素子としての誘電体共振器を有しており、楕円偏波を放射するために誘電体共振器の開口部の形状が楕円型とされている。特許文献1及び非特許文献1のアレイアンテナは、導波管給電線路上に配置される誘電体共振器の開口部の向きを回転させることによって、楕円偏波の長軸の向きを変更できる。
特許文献2は、十字型のスロットが形成された導体板上に放射素子としての誘電体共振器が配置されたスロットアンテナを開示している。また、特許文献2のスロットアンテナは、十字型のスロットを構成する互いに交差した2つの長方形スロットの形状を非対称とすることにより、放射素子の形状を変更させることなく円偏波を放射することがきる。また、長方形スロットの形状の具体的な調整方法として、長方形スロットの長手方向又は短手方向の長さを調整することが開示されている。
特開2004−356880号公報 特開2000−36708号公報 特開2003−324311号公報 特開昭61−7707号公報 特開2006−287452号公報 Uchimura, H. Shino, N. Miyazato, K, "Novel Circular Polarized Antenna Array Substrates for 60GHz-band", Microwave Symposium Digest, 2005 IEEE MTT-S International, pp.1875-1878
近年、ブロードバンド技術や高画質映像コンテンツの普及により、流通する情報量がますます増大している。例えば無線LAN(Local Area Network)等に適用される主に屋内での使用を想定した無線機においても、Gbps級の高速データ通信への需要が高まっている。屋内で無線機を使用する場合、マルチパス問題の解決が必要となる。マルチパスは、壁や家具などで反射した反射到来波により通信品質が劣化するために問題となる。マルチパスによる通信品質の劣化を抑制するため、直接到来波を選択的に受信することが可能となる円偏波が広く利用されている。
一般的に、アンテナ利得の周波数特性はピークを有することが多い。利得の周波数特性がピークを有すると、通信に使用される周波数帯域内での電力放射が均一とならないため、通信品質の劣化を招く。広帯域を使用するGbps級通信ではこのような問題が顕著となることから、平坦な利得周波数特性を有するアンテナが必要とされる。
以上に述べたように、屋内Gbps級データ通信などに用られる円偏波アンテナは、広帯域にわたって平坦な利得周波数特性を必要とする。本発明は、アンテナ面積の増大を抑制しつつ利得周波数特性の平坦性が得られる、円偏波を放射可能なアレイアンテナの提供を目的とする。
なお、特許文献1及び非特許文献1は、良好な円偏波を得るために、開口部の形状が楕円型とされた複数の誘電体共振器の向きを個別に変化させることで、各アンテナ素子の楕円偏波の長軸方向を変化させることを開示している。また、特許文献2は、十字スロットを構成する2つの長方形スロットの形状を調整することで、良好な円偏波を得ることを開示している。しかしながら、上述した特許文献1〜5及び非特許文献1のいずれも、広帯域にわたって平坦な利得周波数特性を得るために、個々のアンテナ素子の利得周波数特性を相違させることについては何ら開示していない。
本発明の一態様にかかるアレイアンテナは、楕円偏波を放射する第1のアンテナ素子と、前記第1のアンテナ素子によって放射される楕円偏波と旋回方向が同一であり長軸方向が異なる楕円偏波を放射する第2のアンテナ素子とを有する。さらに、前記第1及び第2のアンテナ素子は、利得周波数特性において利得最大となる周波数(以下、ピーク周波数と呼ぶ)が互いに異なる。
上移した本発明の一態様によれば、円偏波を放射可能なアレイアンテナにおいて、アンテナ面積の増大を抑制しつつ利得周波数特性の平坦化を実現できる。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
<第1の実施の形態>
本実施の形態にかかるアレイアンテナ100は、各アンテナ素子としてスロット給電によるパッチアンテナを有する。アレイアンテナ100の構造を模式的に図1及び2に示す。図1は、アレイアンテナ100を放射素子側から見た平面図である。また、図2は、図1のA−A線におけるアンテナ素子11の断面図である。
アレイアンテナ100は、少なくとも一対のアンテナ素子11及び12を含む。アンテナ素子11は、放射素子101、給電素子103、および給電線路105を含む。同様に、アンテナ素子12は、放射素子102、給電素子104、および給電線路106を含む。図2に示すように、アンテナ素子11は4層構造を有する。具体的には、上から順に放射素子101、給電素子103、給電線路105があり、最下層に接地導体板117が配置されている。それぞれの層間には誘電体119が配置されている。アンテナ素子12の積層構造も、図2に示したアンテナ素子11と同様である。なお、図1には、2つのアンテナ素子11及び12のみを示したが、アレイアンテナ100が有するアンテナ素子数は2素子である必要はなく、それ以上の素子を含んでもよい。
伝送線路105及び106は、給電素子103及び104へ高周波電力を供給する。給電素子103は、X軸及びY軸方向を向く十字型のスリット103aが形成された導体板である。同様に、給電素子104にも、十字型のスリット104aが形成されている。ここで、X軸、Y軸及びZ軸の向きは、図1及び2に示した通りである。具体的には、X軸は図1の左から右向き、Y軸は図1の下から上向き、Z軸は図1の紙面奥から手前の向きである。平板形状の放射素子101及び102並びに給電素子103及び104の主面は、X軸及びY軸で形成されるXY面と平行である。
それぞれ十字スリット103a又は104aが形成された給電素子103及び104は、高周波電界をX軸方向の成分とY軸方向の成分に分けて放射素子101及び102へ給電する。放射素子101及び102の主面は長方形であり、X軸方向及びY軸方向に互いに独立な2つの共振モードを有する。これにより楕円偏波が生成される。
また、利得周波数特性において利得ピークとなる周波数(ピーク周波数)をアンテナ素子11と12とで異ならせるため、放射素子101及び102のサイズは互いに異なる。本実施の形態では、アンテナ素子11のピーク周波数が、アンテナ素子12のピーク周波数に比べて低周波側に存在するものとして説明する。
十字型スリット103aを構成するX方向及びY方向の2つの長方形スリットは、それぞれ短手方向の幅W11及びW12が調整されている。同様に、十字型スリット104aを構成するX方向及びY方向の2つの長方形スリットも、それぞれ短手方向の幅W21及びW22が調整されている。各長方形スリットの短手方向のスリット幅を調整することで、放射素子101及び102へのX軸方向の入力電力、Y軸方向の入力電力を調節できる。
図3(a)及び(c)は、給電素子103から放射素子101へ供給される電界と放射素子101より放射される楕円偏波の電界111との関係の一例を示している。同様に、図3(b)及び(d)は、給電素子104から放射素子102へ供給される電界と放射素子102より放射される楕円偏波の電界112との関係の一例を示している。例えば、スリット103aを構成する2つの長方形スリットの短手方向のスリット幅W11及びW12を調整することで、放射素子102へのX軸方向の入力電力Ex(107)とY軸方向の入力電力Ey(109)を調節できる。放射素子102から放射される楕円偏波111の長軸方向AL1は、Ex(107)及びEy(109)のベクトル和E(113)の方向となる。なお、一例として図3(a)及び(b)に示した楕円偏波111の長軸方向AL1及び楕円偏波112の長軸方向AL2のなす角度は90度より小さいが、長軸方向AL1及びAL2のなす角は実質的に90度とするとよい。具体的には、長軸方向AL1及びAL2のなす角は、概ね70度〜110度の範囲内とするとよい。これにより、アンテナ素子11及び12の合成電界の軸比を小さく抑え、円偏波に近づけることができる。
続いて以下では、本実施の形態に係るアレイアンテナ100によって得られる円偏波の広帯域化と利得特性の広帯域化の効果について説明する。上述したように、アレイアンテナ100は、楕円偏波を放射し相対的に低周波側に利得のピークを持つアンテナ素子11と楕円偏波を放射し高周波側に利得のピークを持つアンテナ素子12を含む。図4(a)及び(b)は、アンテナ素子11及び12の63GHzにおける楕円偏波パターン111及び112を示している。なお、図4(a)及び(b)中の白抜き矢印は、アンテナ素子11及び12に対する初期入力位相時に放射される電界方向をそれぞれ示す。図4の例では、63GHzにおいて、互いの長軸方向AL1及びAL2のなす角度はおおよそ100度である。また、初期入力位相(入力位相0度)である時に放射される電界方向φは、アンテナ素子11及び12においてそれぞれ40度及び80度である。アンテナ素子11及び12から同時刻に放射される電界方向φのなす角は、おおよそ+/−50度の範囲内とするとよい。同時刻における放射電界方向が揃うようにすることで、アンテナ素子11及び12の合成電界の軸比を効果的に小さくすることができる。なお、放射電界方向の調整は、アンテナ素子11及び12に対する給電位相を調整することにより可能である。
上述したように、アンテナ素子11及び12は、スロット給電によるパッチアンテナである。スロット給電からのX軸方向及びY軸方向の電力を調節することで、楕円偏波パターン111及び112の長軸方向AL1およびAL2が調整される。図4(a)及び(b)の例では、長軸方向AL1及びAL2なす角がおおよそ70度である。
アンテナ素子11及び12それぞれの利得周波数特性とアレイ化後の利得周波数特性の解析結果を図5に示す。図5の破線がアンテナ素子11の利得を示し、一点鎖線がアンテナ素子12の利得を示し、実線がアレイ化後の利得を示す。図5中のアンテナ1(ANT1)はアンテナ素子11を表し、アンテナ2(ANT2)はアンテナ素子12を表す。図5の例では、アレイ化後の利得特性は、アンテナ素子11(ANT1)のピーク周波数(約61GHz)とアンテナ素子12(ANT2)のピーク周波数(約65GHz)の中間(約63GHz)より高周波側にて利得が平坦化されている。
アレイ化前後での軸比の周波数特性の変化を図6に示す。図6の破線がアンテナ素子11の軸比を示し、一点鎖線がアンテナ素子12の軸比を示し、実線がアレイ化後の軸比を示す。図6に示すように、本実施の形態では、アンテナ素子11の軸比が極小となる周波数(図6では約60GHz)とアンテナ素子12の軸比が極小となる周波数(図6では約61.5GHz)が異なる。また、アンテナ素子11の軸比が3dB以下となる周波数領域(図6では約56〜64GHz)とアンテナ素子12の軸比が3dB以下となる周波数領域(図6では約60〜69GHz)が、重複領域を持ちながら異なる領域をカバーするように設計されている。このような、アンテナ素子11及び12の軸比特性によって、アレイ化後の広帯域にわたる円偏波特性を得ることができる。図6の例では、アレイ化後の軸比特性は64GHzで極小値となり、3dB帯域幅は4.5GHzである。
すでに述べたとおり、同時刻の放射電界方向が同じ方向となるようにアンテナ素子11及び12への入力電力位相を調整することで、アレイ化後の軸比を低減させる効果は大きくなる。比較のために図7(a)及び(b)に示す楕円偏波パターンを有するアンテナ素子の組み合わせにてアレイ化を行って得られる利得及び軸比の周波数特性を図8及び9に示す。図7(a)及び(b)に示す2つの偏波パターンは互いの長軸方向AL1及びAL2が同一方向である。この場合、図8に示す利得特性はピーク利得周波数の間の領域にて平坦化されている。しかしながら、図9に示すように、軸比の3dB帯域幅が2GHzと狭くなっている。図5及び6と図8及び9との対比によっても、アレイアンテナ100は、利得特性の平坦化と円偏波放射帯域の広帯域化が実現できることが分かる。
<第2の実施の形態>
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るアレイアンテナ200を模式的に表した平面図である。アレイアンテナ200は、アンテナ素子21及び22を有する。アレイアンテナ200と上述したアレイアンテナ100との相違点は、アレイアンテナ200の給電線路105及び106に位相制御回路207及び208が配置されている点である。位相制御回路207及び208は、給電素子103及び104に供給される電力の位相を変化させる。なお、位相制御回路207及び208は、例えば可変容量や可変インダクタにて実現可能である。位相制御回路207及び208を配置することによって、給電素子103及び104に供給される電力の位相調整が容易となる。このため、第1の実施の形態で述べた放射電界の位相を揃えることが容易になり、アレイ化後の合成電界の軸比低減の効果を大きくすることが容易になる。
<第3の実施の形態>
図11は、本発明の第3の実施の形態に係るアレイアンテナ300を模式的に表した平面図である。アレイアンテナ300は、アンテナ素子31及び32を有する。アレイアンテナ300では、アンテナ素子31及び32に供給される電力の位相を調整するために、給電線路105は冗長線路307を有し、給電線路106は冗長線路308を有する。冗長線路307及び308の長さは、アンテナ素子31及び32に対する供給電力の位相差が所望の値となるように決定すればよい。所望の位相差とは、アンテナ素子31及び32の同時刻での放射電界方向を予め定められた範囲内に揃えるために必要な位相差である。冗長線路307及び308を設けることによって、アレイ化後の合成電界の軸比低減の効果を大きくすることが容易になる。なお、図11では、給電線路105及び106の両方に冗長経路を設けているが、いずれか一方の給電線路のみに冗長経路を設けてもよい。
<第4の実施の形態>
図12は、本発明の第4の実施の形態に係るアレイアンテナ400を模式的に表した平面図である。アレイアンテナ400は、アンテナ素子41及び42を有する。アレイアンテナ400では、アンテナ素子41及び42に供給される電力の位相を調整するために、給電線路105はスタブ407を有し、給電線路106はスタブ408を有する。スタブ407及び408の形状は、アンテナ素子41及び42に対する供給電力の位相差が所望の値となるように決定すればよい。所望の位相差とは、アンテナ素子41及び42の同時刻での放射電界方向を予め定められた範囲内に揃えるために必要な位相差である。スタブ407及び408を設けることによって、アレイ化後の合成電界の軸比低減の効果を大きくすることが容易になる。なお、図12では、給電線路105及び106の両方にスタブを設けているが、いずれか一方の給電線路のみにスタブを設けてもよい。
<第5の実施の形態>
本実施の形態に係るアレイアンテナは、利得周波数特性が互いに異なる少なくとも一対のアンテナ素子(以下、アンテナペアと呼ぶ)を含む。なお、本実施の形態に係るアレイアンテナの構造は、上述したアレイアンテナ100、200、300及び400のいずれかと同様とすればよい。
図13は、アンテナペアに含まれる各アンテナ素子の利得周波数特性と、アレイ化後のアンテナペアの利得周波数特性を示している。図13に破線で示すグラフL51は、アンテナペアのうち低周波側にピーク周波数を有する一方のアンテナ素子の利得を示している。図13に一点鎖線で示すグラフL52は、アンテナペアのうち高周波側にピーク周波数を有する他方のアンテナ素子の利得を示している。また、図13に実線で示すグラフL53は、アンテナペアの合成後の利得を示している。グラフL51及びL52の交点55は、アンテナペアに含まれる2つのアンテナ素子の利得が等しくなる点である。
図13に示すように、交点55に対応する周波数は所望帯域W内にある。ここで所望帯域Wとは、利得の平坦性が必要とされる周波数領域である。また、交点55における利得Gは、本実施の形態に係るアレイアンテナの利得の許容変動値を+/−δ(ただしδは正の値)としたとき、以下の式(1)を満足するように調整されている。
G_max−δ−3[dB] ≦ G ≦ G_max+δ−3[dB] (1)
ここで、G_maxは、アンテナペアに含まれる各アンテナ素子のピーク周波数における最大利得値である。
アンテナペアの利得周波数特性を図13に示したように決定することによって、アレイ化後におけるアンテナ利得の変動幅を所望帯域W内において+/−δdB以内とすることが可能である。
<第6の実施の形態>
本実施の形態にかかるアレイアンテナは、第5の実施の形態で説明したアンテナペアを複数対並べてアレイ化したものである。図14は、本実施の形態にかかるアレイアンテナの利得の周波数特性を示すグラフである。本実施の形態に係るアレイアンテナは、利得特性が平坦となる周波数帯域が互いに異なる複数のアンテナペアを含む。一例として、図14は、2つのアンテナペアを有するアレイアンテナの利得特性を示している。図14に破線で示すグラフL61及びL6は、利得特性が平坦となる周波数帯域W61が相対的に低周波側となるよう調整されたアンテナペアのアンテナ利得を示している。一方、図14に点線で示すグラフL63及びL64は、利得特性が平坦となる周波数帯域W62が相対的に高周波側となるよう調整されたアンテナペアのアンテナ利得を示している。図14に実線で示すグラフL65は、2つのアンテナペアの放射電界を合成して得られるアンテナ利得を示している。
本実施の形態にかかるアレイアンテナの利得周波数特性には、利得変動値が+/−δdB以内である2つの周波数帯域W61及びW62が形成される。また、2つのアンテナペアにより形成される平坦な周波数帯域W61及びW62を互いに近づけることで、第5の実施の形態で説明した1つのアンテナペアによって得られる利得が平坦化された周波数帯域幅Wよりも広い周波数帯域においてアンテナ利得の平坦化が可能となる。なお、本実施の形態にかかるアレイアンテナに含まれるアンテナペアの数は3つ以上でもよい。複数のアンテナペアをアレイ化することによって、利得変動値が+/−δdB以内である周波数帯域を複数得ることが可能である。
<その他の実施の形態>
上述した各実施の形態では、複数のアンテナ素子の利得の周波数特性だけでなく、軸比の周波数特性を素子間で異ならせたアレイアンテナについて説明した。しかしながら、少なくとも利得の周波数特性を素子間で異ならせたアレイアンテナも本願発明の実施の形態の1つに含まれる。このようなアレイアンテナによれば、アンテナ面積の増大を抑制しつつ利得周波数特性の平坦化を実現できる。
また、上述した各実施の形態では、スロット給電によるパッチアンテナがアレイ化されたアレイアンテナを示した。しかしながら、各アンテナ素子のアンテナ構造は上述した各実施の形態に限定されないことは勿論である。すなわち、各アンテナ素子は、直交する2つの方向(X軸、Y軸)の電界が入力されることにより楕円偏波を放射し、X軸方向及びY軸方向への入力電力を調節することが可能なアンテナ構造を有していればよい。例えば、給電線路の2点給電によるパッチアンテナ構造によっても本発明による効果が得られる。
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
第1の実施の形態にかかるアレイアンテナの平面図である。 第1の実施の形態にかかるアレイアンテナが有するアンテナ素子の断面図である。 第1の実施の形態にかかるアレイアンテナが有するアンテナ素子への入力電界とアンテナ素子の放射電界を示す図である。 第1の実施の形態にかかるアレイアンテナが有するアンテナ素子の放射電界を示す図である。 第1の実施の形態にかかるアレイアンテナの利得の周波数特性を示すグラフである。 第1の実施の形態にかかるアレイアンテナの軸比の周波数特性を示すグラフである。 比較例に係るアレイアンテナが有するアンテナ素子の放射電界を示す図である。 比較例に係るアレイアンテナの利得の周波数特性を示すグラフである。 比較例に係るアレイアンテナの軸比の周波数特性を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかるアレイアンテナの平面図である。 第3の実施の形態にかかるアレイアンテナの平面図である。 第4の実施の形態にかかるアレイアンテナの平面図である。 第5の実施の形態にかかるアレイアンテナの利得の周波数特性を示すグラフである。 第6の実施の形態にかかるアレイアンテナの利得の周波数特性を示すグラフである。
符号の説明
100、200、300、400 アレイアンテナ
11、12、21、22、31、32、41、42 アンテナ素子
101、102 放射素子
103、104 給電素子
103a、104a 十字スリット
111、112 楕円偏波パターン
105、106 給電線路
207、208 位相制御回路
307、308 冗長経路
407、408 スタブ

Claims (11)

  1. 楕円偏波を放射する第1のアンテナ素子と、
    前記第1のアンテナ素子によって放射される楕円偏波と旋回方向が同一であり長軸方向が異なる楕円偏波を放射する第2のアンテナ素子とを備え、
    前記第1及び第2のアンテナ素子は、利得周波数特性において利得最大となる周波数(以下、ピーク周波数と呼ぶ)が互いに異なる、アレイアンテナ。
  2. 前記第1及び第2のアンテナ素子が放射する楕円偏波の長軸方向のなす角度が実質的に90度である、請求項1に記載のアレイアンテナ。
  3. 前記第1及び第2のアンテナ素子は、軸比の周波数特性において軸比最小となる周波数が互いに異なる、請求項1又は2に記載のアレイアンテナ。
  4. 前記第1及び第2のアンテナ素子は、軸比の周波数特性において軸比が所定値以下となる周波数領域が、互いに重複する周波数領域を持ちながら異なる周波数領域をカバーするように設計されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアレイアンテナ。
  5. 前記第1及び第2のアンテナ素子の各々は、2つの長方形スリットを交差させてなる十字型のスリットが形成された導体板を備え、
    各十字型スリットは、前記2つの長方形スロットの長手方向の長さが互いに異なり、前記2つの長方形スリットの短手方向の長さも互いに異なる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアレイアンテナ。
  6. 前記第1及び第2のアンテナ素子の同時刻における放射電界方向を実質的に同一とするために、前記第1及び第2のアンテナ素子に対する給電位相に位相差を生じさせる手段をさらに備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のアレイアンテナ。
  7. 前記第1のアンテナ素子に接続される第1の給電線路と、
    前記第2のアンテナ素子に接続される第2の給電線路と、
    前記第1及び第2の給電線路の少なくとも一方に配置され、前記第1及び第2のアンテナ素子に給電される電力間に位相差を生じさせる回路と、
    をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアレイアンテナ。
  8. 前記第1のアンテナ素子に接続された第1の給電線路と、
    前記第2のアンテナ素子に接続され、前記第1の給電線路と長さが異なることで前記第1及び第2のアンテナ素子に給電される電力間に位相差を生じさせる第2の給電線路と、
    をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアレイアンテナ。
  9. 前記第1のアンテナ素子に接続され、先端が開放端とされた第1のスタブを有する第1の給電線路と、
    前記第2のアンテナ素子に接続され、先端が開放端とされ前記第1のスタブとは長さ又は幅のうち少なくとも一方が異なる第2のスタブを有する第2の給電線路と、
    をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアレイアンテナ。
  10. 前記第1及び第2のアンテナ素子は、各々の前記ピーク周波数における最大利得値G_maxが実質的に同一となるよう設計され、
    前記第2のアンテナ素子の前記ピーク周波数は、前記第1のアンテナ素子の前記ピーク周波数に比べて高周波数側に存在し、
    前記第1及び第2のアンテナ素子の利得周波数特性は、前記第1のアンテナ素子の前記ピーク周波数と前記第2のアンテナ素子の前記ピーク周波数との間の所定の周波数帯域において互いの利得が等しくなる共通周波数を有し、
    前記共通周波数における前記第1及び第2のアンテナ素子の利得Gは、前記所定の周波数帯域において前記アレイアンテナの利得に許容される予め定められた変動幅を±δ(ただしδは正の値)とした場合に、以下の式を満足するように決定される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のアレイアンテナ。
    G_max−δ−3[dB] ≦ G ≦ G_max+δ−3[dB]
  11. 前記第1及び第2のアンテナ素子を対とするアンテナペアを複数備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載のアレイアンテナ。
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