JP2010117457A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被駆動体1の本来の移動方向(光軸方向)の発振を抑えるとともに、被駆動体1が光軸方向とは異なる方向に移動した場合でも、粘性ゲル15の弾性力を保持して被駆動体1を元の位置に戻す。
【解決手段】被駆動体1の外周面1aと支持体2の内周面2aとの間の間隙に粘性ゲル15を介装するとともに、ゲル拡散抑制部21を設ける。ゲル拡散抑制部21は、支持体2の内周面2aから突出する複数の突起部22・22を有している。複数の突起部22・22は、被駆動体1の周方向の両側から粘性ゲル15を挟む位置に、かつ、被駆動体1の本来の移動方向に沿ってそれぞれ形成されている。被駆動体1が光軸方向とは異なる方向に移動して粘性ゲル15が押圧されたとき、粘性ゲル15の周方向への拡散が、粘性ゲル15の両側の突起部22・22で抑えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、互いに略平行に配置された複数の板ばねを介して被駆動体を移動させる駆動装置に関するものである。
携帯電話等に搭載されるAF(オートフォーカス)付きマイクロレンズユニットでは、レンズ(鏡胴)を駆動するアクチュエータとして、従来、ガイド軸に沿って鏡胴を駆動する構成が採用されていた。しかし、マイクロレンズユニットの小型化によるアクチュエータの体積の制限、および光軸投影面積(アクチュエータを光軸方向に投影した面積)の制限のため、近年では、アクチュエータとして、平行板ばねを用いた駆動方式のものが注目されるようになってきている。
平行板ばね式のアクチュエータは、鏡胴のような被駆動体を2本の平行板ばねで支持する単純な構造であるため、被駆動体の移動方向(例えばレンズの光軸方向)の負荷が小さく、上記方向の駆動がしやすい。しかし、同時に、被駆動体が上記方向に簡単に発振しやすい構造でもあり、その発振を抑える手段が必要となる。
被駆動体の発振を抑える手段としては、制御で電気的に抑える手段や、摩擦や粘性を利用して機械的に抑える手段がある。前者の手段は、VCM(ボイスコイルモータ)のアクチュエータでよく見られ、後者の手段は、高速制御が必要な光ピックアップで採用されている。
前者の手段によれば、被駆動体の1回の移動量と通電タイミングとを固有振動数に合わせて発振しにくい条件に設定することで、発振を抑えることができる。しかし、このような制御では、発振が落ち着くまでに時間がかかったり、被駆動体の姿勢によって効果がばらつくために、姿勢によって制御を異ならせる必要がある。このことから、短時間で簡便に発振を抑えるためには、後者の手段を用いることが好ましい。
この点、例えば特許文献1には、レンズ支持体とヨークとの間に粘性ゲルを配置した光ピックアップが開示されている。この構成によれば、レンズ支持体とヨークとの配置方向(レンズ光軸に垂直な方向)における相対的な移動を粘性ゲルで抑えることができるので、光軸倒れや副共振の発生を抑えることができる。
特開平9−237426号公報
ところが、特許文献1の構成では、粘性ゲルの変形が何ら規制されていないので、例えばレンズ支持体がヨークに近づく方向に移動したときに、押圧時の圧力によって粘性ゲルが周囲に逃げる。ここで、粘性ゲルの逃げの程度が大きい場合には、粘性ゲルを元の状態に復元することができず、その弾性力が小さくなる。その結果、粘性ゲルによってレンズ支持体を元の位置に戻すことができなくなる。
光ピックアップは、通常、室内に据え置きという静的な環境で使用されるため、粘性ゲルの逃げの程度が大きくなるような、本来の移動方向とは異なる方向のレンズ支持体の移動は考えにくい。しかし、携帯電話に搭載されるマイクロレンズユニットは、屋外でしかも携帯状態という動的な環境で使用されることが主であるため、特許文献1の構成をマイクロレンズユニットに適用した場合には、外部からの衝撃等により、粘性ゲルの逃げの程度が大きくなるようなレンズ支持体の移動が十分考えられ、上記の問題が発生する。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、被駆動体の本来の移動方向の発振を抑えるとともに、被駆動体が本来の移動方向とは異なる方向に移動した場合でも、粘性ゲルの弾性力を保持して被駆動体を元の位置に戻すことができる駆動装置を提供することにある。
本発明の駆動装置は、アクチュエータにより駆動される被駆動体と、上記被駆動体の外周面と間隙を介して対向する内周面を持ち、互いに略平行に配置された複数の板ばねを介して上記被駆動体を移動可能に支持する支持体とを備えた駆動装置であって、上記間隙に介装される粘性ゲルと、上記被駆動体と上記支持体とが相対的に近づくことによって押圧される上記粘性ゲルの、上記被駆動体の周方向への拡散を抑えるゲル拡散抑制手段とを備えていることを特徴としている。
本発明の駆動装置において、上記ゲル拡散抑制手段は、上記被駆動体の外周面および上記支持体の内周面の少なくとも一方から突出する複数の突起部を有しており、上記複数の突起部は、上記被駆動体の周方向の両側から上記粘性ゲルを挟む位置に、かつ、上記被駆動体の移動方向に沿ってそれぞれ形成されていてもよい。
本発明の駆動装置において、上記ゲル拡散抑制手段は、上記被駆動体および上記支持体の少なくとも一方に設けられ、粘性ゲルを保持するゲル保持部をさらに有しており、上記ゲル保持部にて保持される粘性ゲルは、上記間隙に介装される粘性ゲルと連続している構成であってもよい。
本発明の駆動装置において、上記ゲル拡散抑制手段は、上記被駆動体および上記支持体のどちらか一方に設けられ、粘性ゲルを保持するゲル保持部を有しており、上記ゲル保持部にて保持される粘性ゲルは、上記間隙に介装される粘性ゲルと連続しており、上記被駆動体の外周面と上記支持体の内周面とのうち、上記ゲル保持部が設けられている部材側の面を第1の対向面とし、他方を第2の対向面とすると、上記ゲル保持部は、上記第1の対向面から上記第2の対向面とは反対側に凹となる凹部と、少なくとも一部が上記凹部内に配置される板状部とを有しており、上記板状部における上記第2の対向面側の端面の面積をS1とし、上記第2の対向面と上記間隙に介装される粘性ゲルとの接触面積をS2とすると、S1<S2であってもよい。
本発明の駆動装置において、S1<(S2/2)であることが望ましい。
本発明の駆動装置において、上記板状部は、上記凹部内の粘性ゲルを保持する底部を構成していてもよい。
本発明の駆動装置において、上記底部は、上記第2の対向面側に位置する2つの角部の少なくとも一方を切り欠いた切り欠き部を有していてもよい。
本発明の駆動装置において、上記ゲル保持部は、上記凹部内の粘性ゲルを保持する底部を有しており、上記板状部は、上記底部に対して垂直に設けられており、上記板状部の上記第2の対向面側の端面は、上記底部よりも上記第2の対向面側に突出している構成であってもよい。
本発明の駆動装置において、上記板状部の上記第2の対向面側の端面は、上記第1の対向面と同一面上、または上記第1の対向面よりも上記第2の対向面側に突出して設けられていてもよい。
本発明の駆動装置において、上記間隙に介装される粘性ゲルは、上記被駆動体の周方向に等間隔で複数箇所に配置されていることが望ましい。
本発明の駆動装置において、上記アクチュエータは、通電により変形する形状記憶合金線と、上記被駆動体と当接し、上記形状記憶合金線の変形によって回動する回動部材とを有している構成であってもよい。
本発明の駆動装置において、上記回動部材は、上記被駆動体の移動方向と垂直な面における重心位置に対して対称な2箇所で、上記被駆動体と当接していることが望ましい。
本発明の駆動装置において、上記間隙に介装される粘性ゲルは、上記回動部材と上記被駆動体との2箇所の当接部を通り、かつ、上記被駆動体の移動方向に平行な線上にそれぞれ配置されていることが望ましい。
本発明の駆動装置において、上記間隙に介装される粘性ゲルは、上記被駆動体の周方向に等間隔で複数箇所に配置されていることが望ましい。
本発明の駆動装置において、上記被駆動体は、光学レンズを内包するレンズ鏡胴であってもよい。
本発明によれば、被駆動体(例えばレンズ鏡胴)は、複数の平行板ばねを介して支持体に支持されており、移動可能となっている。被駆動体の外周面と支持体の内周面とは間隙を介して対向しており、この間隙に粘性ゲルが介装されている。この粘性ゲルにより、アクチュエータによる被駆動体の駆動時に発生する移動方向の発振を抑えることができる。
また、被駆動体と支持体とが相対的に近づくことによって粘性ゲルが押圧された場合でも、ゲル拡散抑制手段により、粘性ゲルの周方向への拡散(逃げ)が抑えられる。なお、ゲル拡散抑制手段は、例えば、(1)被駆動体の外周面および支持体の内周面の少なくとも一方に形成されるとともに、粘性ゲルを挟んで周方向の両側に形成される複数の突起部を有して構成されてもよいし、(2)間隙の粘性ゲルと微小面積で接する端面を持つゲル保持部で構成されてもよい。前者の場合は、押圧された粘性ゲルの周方向への拡散を両側の突起部で完全に抑えることができる。一方、後者の場合は、粘性ゲルを押圧する面積自体が小さいので、押圧されて周方向に拡散する粘性ゲルの量自体を抑えることで、周方向への拡散を抑えることができる。これにより、外部からの衝撃等により、被駆動体が粘性ゲルの押圧方向、すなわち、本来の移動方向とは異なる方向に移動した場合でも、被駆動体を元の位置に戻すのに必要な弾性力を粘性ゲルに保持させることができ、その弾性力で被駆動体を元の位置に戻すことができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。まず、本実施形態の駆動装置の基本構成について説明する。
図2(a)は、本実施形態の駆動装置の概略の構成を示す平面図であり、図2(b)は、この駆動装置の側面図である。ただし、図2(b)において、破線よりも左側の図は、図2(a)の駆動装置のA方向からの側面図を示し、破線よりも右側の図は、図2(a)の駆動装置のB方向からの側面図を示している。なお、A方向は、光学レンズLの光軸AXに垂直な方向であって、後述する被駆動体1の2つの突起部1b・1bが並ぶ方向である。一方、B方向は、光軸AXに垂直な方向で、かつ、A方向と45度の角度をなす方向である。本実施形態の駆動装置は、例えば携帯電話の撮像部に適用されるものであり、被駆動体1と、支持体2と、複数の板ばね3と、アクチュエータ4とを有している。
被駆動体1は、光学レンズLを内包するレンズ鏡胴であり、アクチュエータ4によって光学レンズLの光軸方向に駆動される。被駆動体1の外周面1aにおいて、光軸AXに対して対称な位置には、2つの突起部1b・1bが設けられている。これらの突起部1b・1bは、後述する回動部材12の各腕部12b・12bで支持される。なお、被駆動体1は、複数の光学レンズLを保持してもよい。
支持体2は、複数の板ばね3を介して、被駆動体1を光学レンズLの光軸方向(各板ばね3のばね平面に垂直な方向)に移動可能に支持するものであり、被駆動体1の外周面1aと間隙を介して対向する内周面2aを有している。また、支持体2は、土台2bと、土台2bに立設される板ばね支持部2cおよび突起ヒンジ2dとをさらに有している。板ばね支持部2cは複数の板ばね3を支持し、突起ヒンジ2dは回動部材12を支持する。
複数の板ばね3は、いずれも同形状で略円弧状に形成されており、板ばね群3A・3Bとで互いに略平行に配置されている。板ばね群3Aは、例えば3枚の板ばね3からなり、支持体2における被駆動体1の移動方向の前方側(例えば被写体側)に位置している。一方、板ばね群3Bは、例えば3枚の板ばね3からなり、支持体2における被駆動体1の移動方向の後方側(例えば撮像素子側)に位置している。なお、ここでの前方および後方とは、図2(b)では上方および下方をそれぞれ指している。
板ばね群3Aの各板ばね3は、一方の端部3aと光軸AXとの距離D1(mm)と、他方の端部3bと光軸AXとの距離D2(mm)とが、D1<D2の関係となるように、所定の点(光軸AX上の点)を中心として回転対称に配置されている。各板ばね3の端部3aは互いにつながっており(図示せず)、かつ、被駆動体1に固定されており、支持体2に対して光軸方向に可動する可動領域となっている。各板ばね3の端部3bも互いにつながっており(図示せず)、支持体2の板ばね支持部2cに固定される固定領域となっている。なお、板ばね群3Bにおいても、板ばね群3Aと同様の構成である。したがって、互いに平行に保持された板ばね群3A・3Bの間で、光学レンズLの光軸方向がばね平面に直交するように、被駆動体1が各板ばね3の端部3aで保持される。
アクチュエータ4は、被駆動体1を光学レンズLの光軸方向に駆動する(移動させる)ものであり、SMA(Shape Memory Alloy;形状記憶合金線)11と、回動部材12とを有している。
SMA11は、通電によって変形(伸縮)し、この変形によって被駆動体1を駆動する駆動源であり、例えばNi−Ti合金で構成されている。SMA11の両端部は、支持体2の土台2bに埋設された金属ピン13・13により、カシメ保持されている。金属ピン13・13は、SMA11に通電するための電極を構成している。
ここで、SMA11は、低温で弾性係数が低い状態(マルテンサイト相)において、所定の張力を付加されることで伸長し、この伸長状態において熱が与えられると相変化して弾性係数が高い状態(オーステナイト相:母相)に移行し、伸長状態から元の長さに戻る(形状回復する)という性質を有している。本実施形態では、金属ピン13・13を介してSMA11を通電加熱することにより、上記の相変化が行われる。つまり、SMA11は所定の抵抗値を有する導体であることから、SMA11自身に通電することによりジュール熱が発生し、このジュール熱に基づく自己発熱により、マルテンサイト相からオーステナイト相に相変化する。
回動部材12は、被駆動体1と当接し、SMA11の変形によって突起ヒンジ2dを支点として回動するレバーであり、全体として光軸AXを含む面に対して対称な形状となっている。この回動部材12は、胴体部12aと、2本の腕部12b・12bとを連結して構成されている。
胴体部12aは、突起ヒンジ2dに対して光軸AXとは反対側に位置し、光軸方向に延びている。胴体部12aは、腕部12bとの連結側とは反対側で、SMA11を張架している。これにより、SMA11は、光軸AXに垂直な断面内で、回動部材12によって略90度に折れ曲がっている。
2本の腕部12b・12bは、胴体部12aの上部から、光軸AXに垂直な断面内で互いに90度の角度をなす方向に延びており、先端部はさらに折れ曲がって被駆動体1の突起部1b・1bを下方から支持している。この構成により、回動部材12は、被駆動体1の移動方向(光軸方向)に垂直な面における重心位置(光軸AX上の点)に対して対称な2箇所で被駆動体1と当接することになる。上記したSMA11は、2本の腕部12b・12bの下方にこれとほぼ平行に架設されている。
上記の構成によれば、SMA11に金属ピン13・13を介して通電すると、SMA11が加熱されて収縮し、回動部材12が突起ヒンジ2dを支点として回動する。これにより、回動部材12の腕部12b・12bが被駆動体1の突起部1b・1bをそれぞれ押し上げ、被駆動体1が光軸方向前方に移動する。一方、SMA11への通電を停止すると、SMA11は伸長するとともに、各板ばね3の弾性力によって、被駆動体1は光軸方向後方に移動する。このように、SMA11の伸縮により、支持体2に支持された被駆動体1を光軸方向に駆動することができる。
以上のように、アクチュエータ4は、SMA11と回動部材12とからなるSMAアクチュエータで構成されている。このSMAアクチュエータによって被駆動体1を駆動するので、小型の駆動装置でありながら、大きな駆動力を得ることができる。また、回動部材12は、被駆動体1の移動方向に垂直な面における重心位置に対して対称な2箇所で被駆動体1と当接しているので、回動部材12の回動により、被駆動体1を光軸方向に平行に、かつ、安定して駆動することができる。また、被駆動体1は、光学レンズLを内包するレンズ鏡胴であるので、本実施形態の駆動装置を、携帯電話に搭載され、小型が要求されるAF付きマイクロレンズユニットに容易に適用することができる。
次に、本発明の特徴部分であるゲル拡散抑制部について説明する前に、本実施形態の駆動装置に適用される粘性ゲルについて説明する。
図3(a)は、本実施形態の駆動装置に適用される粘性ゲル15の配置位置を示す平面図であり、図3(b)は、上記粘性ゲル15の配置位置を示す側面図である。なお、説明の便宜上、図3(a)では、被駆動体1の突起部1b・1b、アクチュエータ4のSMA11および回動部材12の図示を省略している。また、図3(b)における破線よりも左側および右側の図示の仕方は、図2(b)の場合と同様である。
上述した駆動装置は、被駆動体1の外周面1aと支持体2(例えば土台2b)の内周面2aとの間の間隙に介装される粘性ゲル15を有している。粘性ゲル15は、弾性を有し、柔らかい物質で振動を吸収する制振材料であり、本実施形態では、例えば、シリコーンゲルで構成されている。粘性ゲル15は、例えば5000〜30000CPS(5〜30Pa・s)レベルの低い粘性を有しており、抵抗が大きくならないようにしている。このような粘性ゲル15を上記の間隙に介装することにより、アクチュエータ4による被駆動体1の駆動時に発生する移動方向(光軸方向)の発振を抑えることができる。特に、上記の間隙に粘性ゲル15を直接配置していることにより、小体積で高い制震効果を得ることができる。
特に、本実施形態では、図3(b)に示すように、上記の間隙に介装される粘性ゲル15は、回動部材12と被駆動体1との2箇所の当接部、すなわち、回動部材12の腕部12b・12bと被駆動体1の突起部1b・1bとの当接部を通り、かつ、被駆動体1の移動方向(光軸方向)に平行な線上にそれぞれ配置されている。回動部材12と被駆動体1とが当接する構成では、外部からの衝撃等により、その当接部における被駆動体1を駆動するときの作用点が、被駆動体1の本来の移動方向である光軸方向以外の方向に移動しやすい。したがって、2箇所の当接部を通る線上に粘性ゲル15を配置することにより、そのような被駆動体1の本来の移動方向以外の移動に十分そなえることができる。
また、図3(a)に示すように、上記間隙に介装される粘性ゲル15は、被駆動体1の周方向に等間隔で複数箇所(例えば2箇所)に配置されている。この場合、回動部材12と被駆動体1とが2箇所で当接する構成において、外部からの衝撃等により、被駆動体1が光軸方向以外のどのような方向に移動しても、被駆動体1をバランスよく元の位置に戻すことができ、被駆動体1のあらゆる方向の平行偏心やチルトにも容易に対応することができる。
なお、上記の複数箇所とは、2箇所以上を含むが、粘性ゲル15が周方向に等間隔で配置される構成では、各位置の粘性ゲル15は、2箇所の当接部を通る線分に垂直な面、およびその面に垂直であって光軸AXを含む面の両者に対して対称な位置関係となる。
次に、本実施形態の駆動装置が備えるゲル拡散抑制部について説明する。図4は、ゲル拡散抑制部21の概略の構成を示す斜視図である。また、図1(a)は、ゲル拡散抑制部21の平面図であり、図1(b)は、図1(a)のP−P’線矢視断面図である。ゲル拡散抑制部21は、被駆動体1と支持体2とが相対的に近づくことによって押圧される粘性ゲル15の、被駆動体1の周方向への拡散を抑えるゲル拡散抑制手段であり、複数の突起部22・22と、ゲル保持部23とを有して構成されている。
複数の突起部22・22は、支持体2の内周面2aから突出して設けられている。より具体的には、複数の突起部22・22は、被駆動体1の周方向の両側から粘性ゲル15を挟む位置に、かつ、被駆動体1の移動方向(光軸方向)に沿ってそれぞれ形成されている。なお、複数の突起部22・22は、被駆動体1の外周面1aおよび支持体2の内周面2aの少なくとも一方から突出して設けられていればよい。また、複数の突起部22・22の断面形状は、例えば四角形状であるが、他の形状であってもよい。なお、上記の「移動方向に沿う」とは、移動方向と完全に平行な場合も含むし、完全に平行でなく、若干傾斜している場合も含む。
ゲル保持部23は、支持体2に設けられており、粘性ゲル15を保持する。なお、このゲル保持部23は、被駆動体1および支持体2の少なくとも一方に設けられていればよい。ゲル保持部23にて保持される粘性ゲル15は、被駆動体1の外周面1aと支持体2の内周面2aとの間の間隙に介装される粘性ゲル15と連続している。
ここで、被駆動体1の外周面1aと支持体2の内周面2aとのうち、ゲル保持部23が設けられている部材側の面を第1の対向面(本実施形態では内周面2a)とし、他方を第2の対向面(本実施形態では外周面1a)とする。ゲル保持部23は、凹部24と、板状部25とを有している。凹部24は、第1の対向面(内周面2a)から第2の対向面(外周面1a)とは反対側に凹となるように形成されている。
板状部25は、凹部24内に配置されており、粘性ゲル15を保持する底部を構成している。板状部25における第2の対向面側の端面25bは、支持体2の内周面2aと同一面上に位置する。なお、板状部25は、凹部24内で光軸方向のいずれの位置にあってもよい。例えば、板状部25が凹部24内で光軸方向の中間に位置する場合は、板状部25における光軸方向の両側で(表側からも裏側からも)粘性ゲル15を保持することができる。
図5(a)(b)(c)は、それぞれ、本実施形態の駆動装置において、被駆動体1が支持体2に近づく前の状態、被駆動体1が支持体2に近づいた状態、被駆動体1が支持体2から遠ざかって元の位置に戻った状態をそれぞれ示す平面図である。また、図6(a)(b)(c)は、それぞれ、上記の駆動装置において、被駆動体1が支持体2に近づく前の状態、被駆動体1が支持体2に近づいた状態、被駆動体1が支持体2から遠ざかって元の位置に戻った状態をそれぞれ示す断面図である。
図5(a)および図6(a)の状態から、外部からの衝撃等により、被駆動体1が支持体2に近づく方向に移動すると、図5(b)および図6(b)に示すように、被駆動体1と支持体2との間隙の粘性ゲル15は押圧されるとともに、突起部22・22との当接により、被駆動体1の移動が止まる。このとき、間隙の粘性ゲル15とゲル保持部23にて保持される粘性ゲル15とは連続しているので、上記押圧によって粘性ゲル15は凹部24の奥行き方向および上方(光軸方向前方)に若干膨れるが、粘性ゲル15の被駆動体1の周方向への移動(拡散)は、両側の突起部22・22によって抑えられる。粘性ゲル15は周方向に拡散しないので、粘性ゲル15には被駆動体1を元の位置に戻そうとする弾性力が保持される。したがって、図5(c)および図6(c)に示すように、粘性ゲル15が保持する弾性力により、被駆動体1を元の位置に戻すことが可能となる。
一方、図7(a)(b)(c)は、それぞれ、ゲル拡散抑制部21を設けていない駆動装置において、被駆動体1が支持体2に近づく前の状態、被駆動体1が支持体2に近づいた状態、被駆動体1が支持体2から遠ざかって元の位置に戻った状態をそれぞれ示す平面図である。また、図8(a)(b)(c)は、それぞれ、上記の駆動装置において、被駆動体1が支持体2に近づく前の状態、被駆動体1が支持体2に近づいた状態、被駆動体1が支持体2から遠ざかって元の位置に戻った状態をそれぞれ示す断面図である。
図7(a)および図8(a)の状態から、外部からの衝撃等により、被駆動体1が支持体2に近づく方向に移動すると、図7(b)および図8(b)に示すように、被駆動体1と支持体2との間隙の粘性ゲル15は押圧される。このとき、上記したような複数の突起部22・22が存在しないため、被駆動体1の外周面1aと支持体2の内周面2aとの間隙がなくなり、間隙の粘性ゲル15は被駆動体1の周方向および上下方向に拡散する。特に、粘性ゲル15は完全に押しつぶされるので、外周面1aに沿って周方向の遠くまで逃げようとする。このように粘性ゲル15が周方向に一旦広がると、粘性ゲル15は元の位置に復帰することが困難となる。したがって、図7(c)および図8(c)に示すように、被駆動体1が元の位置に戻っても、周方向に拡散した粘性ゲル15はそのまま拡散した状態となり、粘性ゲル15による光軸方向の制振機能が失われてしまうことになる。
なお、以上では、外部からの衝撃等により、支持体2に対して被駆動体1が移動したときの動作について説明したが、被駆動体1に対して支持体2が移動する場合も同様である。
以上のように、本実施形態の駆動装置の構成によれば、被駆動体1と支持体2との相対的な移動によって間隙の粘性ゲル15が押圧された場合でも、その粘性ゲル15の周方向への拡散(逃げ)をゲル拡散抑制部21で抑えることができる。これにより、外部からの衝撃等により、被駆動体1が粘性ゲル15の押圧方向、すなわち、本来の移動方向(光軸方向)とは異なる方向に移動した場合でも、被駆動体1を元の位置に戻すのに必要な弾性力を粘性ゲル15に保持させることができ、その弾性力で被駆動体1を元の位置に戻すことができる。
特に、ゲル拡散抑制部21の複数の突起部22・22は、被駆動体1の周方向の両側から粘性ゲル15を挟む位置に、かつ、被駆動体1の移動方向(光軸方向)に沿ってそれぞれ形成されているので、押圧された粘性ゲル15の周方向への拡散を、粘性ゲル15の両側の突起部22・22で完全に抑えることができる。したがって、必要な弾性力を粘性ゲル15に確実に保持させることができ、その弾性力で被駆動体1を元の位置に確実に戻すことができる。
また、ゲル拡散抑制部21のゲル保持部23にて保持される粘性ゲル15は、間隙に介装される粘性ゲル15と連続しているので、例えば、被駆動体1および支持体2が相対的に近づく方向に移動し、間隙が狭まったときに、間隙の粘性ゲル15を一時的にゲル保持部23にストックすることができる。また、逆に、被駆動体1および支持体2が相対的に離れる方向に移動し、間隙が広がったときに、その間隙を埋めるのに必要な粘性ゲル15(足りない粘性ゲル15)をゲル保持部23から間隙に補充することができ、ゲル切れを回避することができる。
なお、ゲル拡散抑制部21は、複数の突起部22・22のみで構成されていてもよい。この場合、粘性ゲル15の押圧時、粘性ゲル15は光軸方向には移動するが、被駆動体1の周方向への拡散が複数の突起部22・22によって抑えられることに変わりはなく、この場合でも上述した効果を得ることができる。
ただし、ゲル保持部23を設ける構成とすれば、以下の利点がある。すなわち、ゲル保持部23(板状部25)に対して粘性ゲル15を滴下したときに、自然に隙間(間隙)に入ってゆく構造となるので、粘性ゲル15を安定して間隙に付着させることができる。また、ゲル保持部23は粘性ゲル15を十分にストックできるので、粘性ゲル15の元の位置への復帰をより確実に、かつ、早く行うことができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図9は、本実施形態のゲル拡散抑制部21の概略の構成を示す斜視図である。また、図10(a)は、本実施形態のゲル拡散抑制部21の平面図であり、図10(b)は、図10(a)のQ−Q’線矢視断面図である。本実施形態のゲル拡散抑制部21は、複数の突起部22・22を有しておらず、ゲル保持部23のみで構成されている点で、実施の形態1と異なっている。ただし、ゲル保持部23の板状部25の構成は実施の形態1と若干異なっている。
板状部25は、凹部24内の粘性ゲル15と接触する傾斜面25aを有している。この傾斜面25aは、光軸AXに垂直な面に対して傾斜して第2の対向面(外周面1a)側の端面25bにつながっている。この結果、板状部25における第2の対向面側の光軸方向の長さ(高さ)H1(mm)は、第2の対向面とは反対側の光軸方向の長さ(高さ)H2(mm)よりも小さくなっている。これにより、以下に示す条件式を満足することが容易となっている。以下、その条件式について説明する。
本実施形態では、板状部25における第2の対向面側の端面25bの面積をS1(mm2)とし、第2の対向面(外周面1a)と粘性ゲル15との接触面積をS2(mm2)とすると、S1<S2を満足しており、特に、S1<(S2/2)を満足している。
被駆動体1および支持体2が相対的に近づく方向に移動すると、間隙の粘性ゲル15は、板状部25の端面25bと第2の対向面(外周面1a)とで両側から押圧される。このとき、端面25bの面積S1は、第2の対向面と粘性ゲル15との接触面積S2よりも小さいので、粘性ゲル15において端面25bで押圧される部分は小さく、粘性ゲル15の周方向に拡散する体積も全体の体積と比べて相対的に小さくなる。このことは、取りも直さず、粘性ゲル15の周方向への拡散が抑えられていることを意味する。したがって、被駆動体1が粘性ゲル15の押圧方向に移動した場合でも、必要な弾性力を粘性ゲル15に保持させることができ、その弾性力で被駆動体1を元の位置に戻すことができる。特に、本実施形態では、S1<(S2/2)を満足していることにより、その効果を確実に得ることができる。
なお、本実施形態では、板状部25に傾斜面25aを設けることにより、上記の条件式を容易に満足するようにしているが、例えば板状部25を薄い平行平板で構成するなど、傾斜面25aを設けなくても上記の条件式を満足することは勿論可能である。
以下、板状部25について補足説明する。
上述した板状部25の端面25bは、第1の対向面(内周面2a)と同一面上にあってもよいが、本実施形態では、第1の対向面よりも第2の対向面(外周面1a)側に突出している。被駆動体1および支持体2が相対的に近づく方向に移動したとき、前者の場合でも、板状部25の端面25bで間隙の粘性ゲル15を押圧することができ、その押圧によって周方向に拡散しようとする粘性ゲル15をゲル保持部23の凹部24内に導き入れることができるが、後者の場合は、板状部25の端面25bで粘性ゲル15を確実に押圧できるので、その押圧によって粘性ゲル15をゲル保持部23の凹部24内に確実に導き入れることができる。
なお、板状部25の端面25bは、上記のように位置してもよいことから、板状部25は、その少なくとも一部が凹部24内に配置されていればよいと言うことができる。
また、図11は、板状部25の他の構成を示す斜視図である。同図に示すように、板状部25は、第2の対向面(外周面1a)側に位置する2つの角部を切り欠いた切り欠き部25c・25cを有していてもよい。なお、切り欠き部25cの個数は1個のみであってもよい。
この構成では、板状部25の端面25bで粘性ゲル15を押圧したときに、周方向に移動しようとする粘性ゲル15を、切り欠き部25c・25cを介してゲル保持部23の凹部24内に導くことが可能となる。これにより、ゲル保持部23よりも周方向外側に粘性ゲル15が拡散するのを確実に抑えることができる。
なお、図10(a)(b)、図11のいずれにおいても、板状部25が凹部24内の粘性ゲル15を保持する底部を構成している(底部を兼ねている)点は、実施の形態1と同様である。これにより、後述する実施の形態3のように板状部25とは別に底部を設ける構成に比べて、ゲル保持部23の構成を簡素化することができる。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1または2と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図12は、本実施形態のゲル拡散抑制部21の概略の構成を示す斜視図である。また、図13(a)は、本実施形態のゲル拡散抑制部21の平面図であり、図13(b)は、図13(a)のR−R’線矢視断面図である。本実施形態のゲル拡散抑制部21は、ゲル保持部23において、板状部25とは別に底部26を凹部24内に設けている。そして、板状部25を底部26に対して垂直に配置している。底部26は、凹部24内の粘性ゲル15を保持するものである。
板状部25の第2の対向面(外周面1a)側の端面25bは、第1の対向面(内周面2a)よりも第2の対向面側に突出しており、かつ、底部26の第2の対向面側の端面26aよりも第2の対向面側に位置している。なお、本実施形態では、板状部25は、実施の形態2のような傾斜面25aを有していない薄板状で構成されているものとする。また、板状部25の端面25bは、第1の対向面と同一面上にあってもよい。
上記の構成によれば、粘性ゲル15を圧縮する方向に被駆動体1が移動してくると、被駆動体1と支持体2との間の隙間がほとんどなくなり、被駆動体1の外周面1aと板状部25の端面25bとで粘性ゲル15が押圧される。このとき、板状部25の端面25bは、被駆動体1の周方向に薄いため、粘性ゲル15のほとんどは圧縮圧力の弱い周方向に逃げる。しかし、ゲル保持部23は、周方向に大きく、圧縮による粘性ゲル15の体積増加分を十分に吸収する。つまり、押圧された粘性ゲル15は、被駆動体1の周方向には拡散せず、凹部24内に導き入れられ、底部26にて保持される。
このように、本実施形態においても、ゲル保持部23よりも周方向外側に粘性ゲル15が拡散するのを確実に抑えることができるので、凹部24内に収容された粘性ゲル15に、被駆動体1を元の位置に戻すのに必要な弾性力を保持させることができ、その弾性力で被駆動体1を元の位置に戻すことができる。なお、被駆動体1が元の位置に戻っても、離れてゆく被駆動体1に追従するだけの体積を有する粘性ゲル15がゲル保持部23にて確保されているので、ゲル切れは発生しない。
また、板状部25の端面25bは、底部26の端面26aよりも第2の対向面側に突出しているので、実施の形態2の切り欠き部25cに相当する空間が板状部25の周方向両側に形成される。これにより、端面25bで押圧された粘性ゲル15が上記空間を介して凹部24内に容易に導かれることとなり、これによっても、粘性ゲル15の周方向への拡散を確実に抑えることができる。
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1〜3と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図14(a)は、本実施形態の駆動装置の概略の構成を示す平面図であり、図14(b)は、図14(a)のS−S’線矢視断面図である。本実施形態の駆動装置は、被駆動体1を駆動するアクチュエータ4がVCM(Voice Coil Motor)で構成されている点以外は、実施の形態1〜3と同様の構成である。つまり、本実施形態の駆動装置においても、実施の形態1〜3で述べたゲル拡散抑制部21を有している。
本実施形態のアクチュエータ4は、ヨーク31と、コイル32と、マグネット33とを有して構成されている。これらの構成要素は、支持体2の内周面2aの外側に、光軸AXを囲むように等間隔で4箇所配置されている。なお、図14(a)では、便宜上、コイル32の図示を省略している。
ヨーク31は、支持体2の土台2bに配置されている。コイル32は、ヨーク31の外側(光軸AXとは反対側)で内周面2aに沿うように巻回されており、被駆動体1と固定されている。マグネット33は、コイル32のさらに外側に位置しており、所定の磁界を形成する。
被駆動体1の外周面1aと支持体2の内周面2aとの間の間隙には、粘性ゲル15が配置されているが、本実施形態では、被駆動体1の周方向に等間隔で4箇所に配置されている。したがって、ゲル拡散抑制部21もそれに対応して4箇所設けられている。
マグネット33により形成される磁界中でコイル32に電流を流すことにより、コイル32と固定された被駆動体1には、光軸方向への電磁力が働き、光軸方向の例えば前方に移動する。コイル32への電流供給を停止すれば、複数の板ばね3により、被駆動体1は元の位置に戻る。一方、コイル32に流す電流の向きを逆にすれば、被駆動体1は光軸方向の後方に移動する。
本実施形態の駆動装置は、アクチュエータ4をVCMで構成した以外は、実施の形態1〜3と同様の構成であるので、実施の形態1〜3で述べた、ゲル拡散抑制部21による効果と同様の効果を得ることができる。
特に、本実施形態では、粘性ゲル15は被駆動体1の周方向に等間隔で複数箇所に配置されているので、被駆動体1が軸方向以外のどのような方向に移動しても、被駆動体1をバランスよく元の位置に戻すことができ、被駆動体1のあらゆる方向の平行偏心やチルトにも容易に対応することができる。
また、粘性ゲル15は、被駆動体1の光軸方向の移動時にその移動方向の負荷となる。ここで、粘性ゲル15の配置が光軸AXに対して回転非対称であった場合は、負荷による回転モーメントが発生し、チルトの悪化を招く。停止後しばらくするとチルトが収まることもあるが、速写が求められている状況では不利である。本実施形態のように、光軸AXに対して回転対称に粘性ゲル15を配置することにより、回転モーメントが発生せず、チルトを常時回避することができる。
なお、各実施の形態で述べた構成を適宜組み合わせて駆動装置を構成することも勿論可能である。
本発明の駆動装置は、携帯電話等に搭載される小型のAFモジュールに利用可能である。
(a)は、本発明の実施の一形態の駆動装置のゲル拡散抑制部の平面図であり、(b)は、(a)のP−P’線矢視断面図である。 (a)は、上記駆動装置の概略の構成を示す平面図であり、(b)は、上記駆動装置の側面図である。 (a)は、上記駆動装置に適用される粘性ゲルの配置位置を示す平面図であり、(b)は、上記粘性ゲルの配置位置を示す側面図である。 上記ゲル拡散抑制部の概略の構成を示す斜視図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ、上記駆動装置において、被駆動体が支持体に近づく前の状態、被駆動体が支持体に近づいた状態、被駆動体が支持体から遠ざかって元の位置に戻った状態をそれぞれ示す平面図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ、上記駆動装置において、被駆動体が支持体に近づく前の状態、被駆動体が支持体に近づいた状態、被駆動体が支持体から遠ざかって元の位置に戻った状態をそれぞれ示す断面図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ、上記ゲル拡散抑制部を設けていない駆動装置において、被駆動体が支持体に近づく前の状態、被駆動体が支持体に近づいた状態、被駆動体が支持体から遠ざかって元の位置に戻った状態をそれぞれ示す平面図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ、上記ゲル拡散抑制部を設けていない駆動装置において、被駆動体が支持体に近づく前の状態、被駆動体が支持体に近づいた状態、被駆動体が支持体から遠ざかって元の位置に戻った状態をそれぞれ示す断面図である。 本発明の他の実施の形態の駆動装置のゲル拡散抑制部の概略の構成を示す斜視図である。 (a)は、上記ゲル拡散抑制部の平面図であり、(b)は、(a)のQ−Q’線矢視断面図である。 上記ゲル拡散抑制部の板状部の他の構成を示す斜視図である。 本発明のさらに他の実施の形態の駆動装置のゲル拡散抑制部の概略の構成を示す斜視図である。 (a)は、上記ゲル拡散抑制部の平面図であり、(b)は、(a)のR−R’線矢視断面図である。 (a)は、本発明のさらに他の実施の形態の駆動装置の概略の構成を示す平面図であり、(b)は、(a)のS−S’線矢視断面図である。
符号の説明
1 被駆動体(レンズ鏡胴)
1a 外周面(第2の対向面)
2 支持体
2a 内周面(第1の対向面)
3 板ばね
4 アクチュエータ
11 SMA(形状記憶合金線)
12 回動部材
15 粘性ゲル
21 ゲル拡散抑制部(ゲル拡散抑制手段)
22 突起部
23 ゲル保持部
24 凹部
25 板状部
25b 端面
25c 切り欠き部
26 底部
AX 光軸
L 光学レンズ

Claims (15)

  1. アクチュエータにより駆動される被駆動体と、
    上記被駆動体の外周面と間隙を介して対向する内周面を持ち、互いに略平行に配置された複数の板ばねを介して上記被駆動体を移動可能に支持する支持体とを備えた駆動装置であって、
    上記間隙に介装される粘性ゲルと、
    上記被駆動体と上記支持体とが相対的に近づくことによって押圧される上記粘性ゲルの、上記被駆動体の周方向への拡散を抑えるゲル拡散抑制手段とを備えていることを特徴とする駆動装置。
  2. 上記ゲル拡散抑制手段は、上記被駆動体の外周面および上記支持体の内周面の少なくとも一方から突出する複数の突起部を有しており、
    上記複数の突起部は、上記被駆動体の周方向の両側から上記粘性ゲルを挟む位置に、かつ、上記被駆動体の移動方向に沿ってそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 上記ゲル拡散抑制手段は、上記被駆動体および上記支持体の少なくとも一方に設けられ、粘性ゲルを保持するゲル保持部をさらに有しており、
    上記ゲル保持部にて保持される粘性ゲルは、上記間隙に介装される粘性ゲルと連続していることを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
  4. 上記ゲル拡散抑制手段は、上記被駆動体および上記支持体のどちらか一方に設けられ、粘性ゲルを保持するゲル保持部を有しており、
    上記ゲル保持部にて保持される粘性ゲルは、上記間隙に介装される粘性ゲルと連続しており、
    上記被駆動体の外周面と上記支持体の内周面とのうち、上記ゲル保持部が設けられている部材側の面を第1の対向面とし、他方を第2の対向面とすると、
    上記ゲル保持部は、
    上記第1の対向面から上記第2の対向面とは反対側に凹となる凹部と、
    少なくとも一部が上記凹部内に配置される板状部とを有しており、
    上記板状部における上記第2の対向面側の端面の面積をS1とし、上記第2の対向面と上記間隙に介装される粘性ゲルとの接触面積をS2とすると、S1<S2であることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  5. S1<(S2/2)であることを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
  6. 上記板状部は、上記凹部内の粘性ゲルを保持する底部を構成していることを特徴とする請求項4または5に記載の駆動装置。
  7. 上記底部は、上記第2の対向面側に位置する2つの角部の少なくとも一方を切り欠いた切り欠き部を有していることを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
  8. 上記ゲル保持部は、上記凹部内の粘性ゲルを保持する底部を有しており、
    上記板状部は、上記底部に対して垂直に設けられており、
    上記板状部の上記第2の対向面側の端面は、上記底部よりも上記第2の対向面側に突出していることを特徴とする請求項4または5に記載の駆動装置。
  9. 上記板状部の上記第2の対向面側の端面は、上記第1の対向面と同一面上、または上記第1の対向面よりも上記第2の対向面側に突出して設けられていることを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載の駆動装置。
  10. 上記間隙に介装される粘性ゲルは、上記被駆動体の周方向に等間隔で複数箇所に配置されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の駆動装置。
  11. 上記アクチュエータは、
    通電により変形する形状記憶合金線と、
    上記被駆動体と当接し、上記形状記憶合金線の変形によって回動する回動部材とを有していることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の駆動装置。
  12. 上記回動部材は、上記被駆動体の移動方向と垂直な面における重心位置に対して対称な2箇所で、上記被駆動体と当接していることを特徴とする請求項11に記載の駆動装置。
  13. 上記間隙に介装される粘性ゲルは、上記回動部材と上記被駆動体との2箇所の当接部を通り、かつ、上記被駆動体の移動方向に平行な線上にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項12に記載の駆動装置。
  14. 上記間隙に介装される粘性ゲルは、上記被駆動体の周方向に等間隔で複数箇所に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の駆動装置。
  15. 上記被駆動体は、光学レンズを内包するレンズ鏡胴であることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の駆動装置。
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