JP2010117202A - 赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法および赤外分光法による定量方法 - Google Patents

赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法および赤外分光法による定量方法 Download PDF

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Abstract

【課題】赤外分光法で定量分析をするのに際し、信頼性の高い検量線を得る。
【解決手段】溶媒に溶解された溶質の既知量が異なる複数の予備溶液10を用意する予備溶液準備工程と、各予備溶液10を試料ステージ20に供給した後、溶媒を除去し、溶質をステージ上に残存させる予備試料作製工程と、このステージ上に残存する溶質11に赤外光40を照射し、その溶質からの透過光または反射光より赤外吸収スペクトルを取得する予備分光工程と、各予備溶液中の溶質の既知量と、赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報との相関関係を求める検量線作成工程とを備える。試料ステージ20は、予備溶液10の広がる領域を一定範囲に規制する試料空間22を有するベース21と、試料空間22内に配置された際、供給された予備溶液10が含浸される多数の空孔を有する溶質分散部材(粒状体23)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法と、赤外分光法による定量方法に関するものである。
赤外分光法を用いて、溶液中の微量成分を定性分析することが知られている。例えば、特許文献1には、分析対象となる溶質が溶媒に溶解された溶液を試料とし、その試料を赤外分光測定するためにサンプリングする方法が開示されている。より具体的には、図9に示す通りである。まず、溶媒中に溶質が溶解された分析溶液15を準備する(図9(A))。次に、この溶液15をマイクロシリンジ30に採り、赤外光を透過する材料からなる平面状の基板25の上に滴下する(図9(B))。そして、滴下した溶液15の溶媒を揮発させ、基板25上に溶質11の被膜を形成する(図9(C))。定性分析は、例えば、この基板25上の溶質11に赤外光40を照射して(図9(D))、その透過光の赤外吸収スペクトルから分析対象の成分を同定することにより行う。
特開平7-198567号公報 0003
上記の試料のサンプリング技術は、定性分析をする場合には有効に利用できる。しかし、このサンプリング技術を利用して赤外分光法で定量分析を行おうとした場合、精度よく分析ができないという問題があった。
定量分析を行うには、予め分析対象の含有量が既知の溶液を用いて、分析対象の含有量と赤外吸収スペクトルの吸光度(透過率)との関係を示す検量線を作成しておく必要がある。この検量線を作成するには、上記既知の含有量が異なる複数の溶液を用い、各溶液の分析対象が含有量に応じて均質に基板上に被膜として形成される必要がある。
ところが、上記の従来技術では、溶液試料をサンプリングする際に用いる基板は平面状であるため、基板上に滴下された溶液がどのように広がるかは全く画一性がない。そのため、溶媒を揮発させて基板上に形成された分析対象の被膜は、厚みや広がり面積が溶液ごとに大きくばらつくことになる。このような被膜から赤外吸収スペクトルを求めても、分析対象の含有量と赤外吸収スペクトルの吸光度(透過率)との間に相関関係が得られないことが多く、適正な検量線を作成することができない。その結果、赤外分光法により定量分析を行うことができないことになる。
一方で、基板上に形成された分析対象の被膜の厚みや広がり状態をある程度一定にしようとすれば、溶液を基板に滴下する際に、1滴ずつ滴下するなど極めて煩雑な作業を伴う上、その作業に熟練も要し、簡易に適正な検量線を得ることができない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法において、信頼性の高い検量線を得ることができる検量線の作成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、溶液中の微量成分を高精度に定量できる赤外分光法による定量方法を提供することにある。
本発明者らは、試料ステージ上の溶液から溶媒を除去して溶質を残存させる際に、溶質の分布を均等にすることを検討した結果、試料ステージに多数の空孔を有する領域で溶液の広がる範囲を規制することが効果的であるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法は、次の工程を備える。
予備溶液準備工程:溶媒に溶解された溶質の既知量が異なる複数の予備溶液を用意する。
予備試料作製工程:各予備溶液を試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質をステージ上に残存させる。
予備分光工程:前記ステージ上に残存する各溶質に赤外光を照射し、その溶質からの透過光または反射光より赤外吸収スペクトルを取得する。
検量線作成工程:各予備溶液中の溶質の既知量と、前記赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報との相関関係を求める。
そして、前記試料ステージは、ベースと溶質分散部材とを備える。ベースは、供給される予備溶液の広がる領域を一定範囲に規制する試料空間を有する。溶質分散部材は、赤外光を透過する材料からなり、前記試料空間内に配置された際、供給された予備溶液が含浸される多数の空孔を有する。
この構成によれば、空孔に予備溶液を含浸することで、試料空間内の予備溶液をほぼ均等に分散配置することができる。そのため、この空孔に予備溶液を含浸してから溶媒を除去すれば、試料空間内の溶質分散部材にほぼ均等に溶質を付着させることができる。その結果、この溶質分散部材に付着した溶質量を、予備溶液中の溶質量に応じた量に調整することができ、予備溶液中の溶質の既知量と、赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報とが高い相関関係を有する検量線を得ることができる。
本発明の検量線の作成方法において、前記溶質分散部材が粒状体であることが好ましい。
この構成によれば、複数の粒状体を試料空間に配置することで、粒状体間に多数の空孔を容易に形成することができる。そのため、この空孔に予備溶液を含浸してから溶媒を除去すれば、試料空間内の粒状体にほぼ均等に溶質を付着させることができる。
本発明の検量線の作成方法において、溶質分散部材を粒状体とした場合、この粒状体の95質量%以上は、その粒径を赤外光の波長以下とすることが好ましい。
この構成によれば、粒状体表面での赤外線の正反射を抑制し、正反射由来の歪んだ赤外吸収スペクトルの影響を低減することができる。その結果、粒状体に付着した試料から検量線の作成に適した適正な赤外吸収スペクトルを得ることができる。
本発明の検量線の作成方法において、溶質分散部材を粒状体とした場合、この粒状体はKBrからなることが好ましい。
この構成によれば、赤外光に対して透過性を有する材料で粒状体を構成することで、適正な赤外吸収スペクトルを得ることができる。
本発明の検量線の作成方法において、前記溶質分散部材を多孔質フィルムとしてもよい。
この構成によれば、多孔質フィルムの空孔に予備溶液を含浸してから溶媒を除去すれば、試料空間内の多孔質フィルムにほぼ均等に溶質を付着させることができる。
本発明の検量線の作成方法において、溶質分散部材を多孔質フィルムとした場合、この多孔質フィルムは、フッ素樹脂、ポリエチレン、又はセルロースからなることが好ましい。
この構成によれば、赤外光の透過性に優れた多孔質フィルムを用い、そのフィルムに形成された多数の空孔に予備溶液を含浸することができる。そのため、この含浸後に溶媒を除去すれば、試料空間内の多孔質フィルムにほぼ均等に溶質を付着させることができ、適正な赤外吸収スペクトルを得ることができる。
一方、本発明の赤外分光法による定量方法は、次の工程を備えることを特徴とする。
分析溶液準備工程:溶媒に溶解された溶質量が未知の分析溶液を用意する。
分析試料作製工程:この分析溶液を試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質をステージ上に残存させる。
本分光工程:前記ステージ上に残存する溶質に赤外光を照射し、その溶質からの透過光または反射光より赤外吸収スペクトルを取得する。
定量工程:この赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報と、上記本発明の検量線の作成方法により得られた検量線とから分析溶液中の溶質量を求める。
そして、前記試料ステージは、ベースと溶質分散部材とを備える。ベースは、供給される分析溶液の広がる領域を一定範囲に規制する試料空間を有する。溶質分散部材は、赤外光を透過する材料からなり、前記試料空間内に配置された際、供給された分析溶液が含浸される多数の空孔を有する。
この構成によれば、空孔に分析溶液を含浸してから溶媒を除去することで、試料空間内の溶質分散部材にほぼ均等に溶質を付着させることができ、その状態の分析試料から適正な赤外吸収スペクトルを得ることができる。そして、本発明の検量線の作成方法により得られた正確な検量線を利用することで、分析溶液中の溶質量を高精度に定量することができる。
本発明の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法は、予備溶液中の溶質の既知量と、赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報とが高い相関関係を有する検量線を得ることができる。
本発明の赤外分光法による定量方法は、分析溶液中の溶質量を高精度に定量することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(検量線の作成)
まず、赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法について説明する。この方法は、予備溶液準備工程、予備試料作製工程、予備分光工程、検量線作成工程を備える。
<予備溶液準備工程>
この工程では、溶媒に溶解された溶質の既知量が異なる複数の予備溶液を用意する。溶質の既知量が異なる複数の予備溶液は、濃度が一定で溶液量が異なる複数の予備溶液や、溶液量が一定で濃度が異なる複数の予備溶液が挙げられる。このような予備溶液は、例えば、予め秤量した溶質を所定量の溶媒に溶解して作製すればよい。一般に、分析対象となる溶液中の溶質の量は微量であるため、予備溶液は、試料ステージへの供給前に、適宜濃縮しておくことが好ましい。この濃縮は、予備溶液を乾燥させ、溶媒量を低減することなどが利用できる。
<予備試料作製工程>
この工程では、各予備溶液を試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質をステージ上に残存させる。試料ステージへの予備溶液の供給は、通常、滴下が好適に利用できる。予備溶液の除去は、溶媒を揮発させることが好適である。そのため、溶媒は常温で揮発し易い液体が好適に利用でき、溶質は溶媒に対して不揮発残分となる成分が好適に選択される。試料ステージに供給する予備溶液の容量が試料空間の容積よりも大きい場合、予備溶液を複数回に分割して試料ステージに供給しても良い。例えば、後述する試料空間内に入る程度の微量の予備溶液の滴下と、滴下した予備溶液からの溶媒の揮発とを繰り返すことで、所定量の予備溶液を試料ステージに供給する。
予備溶液が供給される試料ステージは、ベースと溶質分散部材を備える。溶質分散部材は、ベースに形成される試料空間に配され、溶液は、試料空間内の溶液分散部材に供給される。
ベースは、溶液に対して反応性を有さない材料で構成する。赤外吸収スペクトルの取得を透過法で行う場合、赤外光を透過する材料でベースを構成し、反射法で行う場合、ベース構成材の赤外光の透過性は特に問わない。ベースは、溶質分散部材と共に予備溶液を受ける試料空間を有する。試料空間は、ベースに適宜な形状の凹部を形成してもよいし、平面状のベースの上に側壁を突設して枠状に囲み、この側壁内を試料空間としてもよい。いずれにおいても、溶液の水密性が確保できれば良い。試料空間の底面積は、供給された予備溶液が底面の全面に広がる程度とする。複数回に分けて予備溶液を試料空間に供給して各回毎に溶媒を除去する場合、1回で供給される予備溶液量は、試料空間の底面積に広がる程度とする。このようなサイズの試料空間としておくことで、供給された予備溶液は、その広がる面積が試料空間の底面積に依存するため、溶液の広がる面積を各回で一定に規定することができる。その状態で溶媒を除去すれば、試料空間の底面に沿ってほぼ均一に溶質が分散された状態とできる。特に、試料空間の底面積が照射される赤外光のビームの断面積以下であれば、試料空間内で溶質分散部材に付着される溶質のほぼ全てに赤外光を照射することができ、溶質量に対応した赤外吸収スペクトルを得ることができる。
溶質分散部材は、試料空間内に配置されて、溶液が含浸される多数の空孔を有する。溶質分散部材は、それ自体が個々に空孔を有しなくても、多数が集合されることで、個々の溶質分散部材の間に多数の空孔を形成するものでも良いし、それ自体が多数の空孔を有するものでも良い。前者としては、粒状体が挙げられ、後者には多孔質フィルムなどが挙げられる。溶質分散部材は、透過法の場合はもちろん、反射法の場合であっても、赤外光の透過性材料で構成する。具体的には、KBr、NaCl、ZnSe、ZnS、MgF2、MgAl2O3、Al2O3、SiO2、Ge、Si、ダイヤモンド、フッ素樹脂、ポリエチレン、セルロースなどが挙げられる。
粒状体の場合、その平均粒径は照射される赤外光の波長以下であることが好ましい。具体的には粒状体の平均粒径を10μm以下とすることが好適である。また、個々の粒状体の間に形成される空孔を均一な大きさにすることが好ましいため、粒状体の粒径のばらつきが小さいことが望ましい。多孔質フィルムの場合、上述した赤外光の透過性材料をファイバ状とし、これで不織布のようにフィルムを形成することなどが挙げられる。
このような溶質分散部材は、試料空間内の底面全面に広がるように配置する。このように溶質分散部材を試料空間内に配置することで、供給された溶液を溶質分散部材にほぼ均等に含浸することができ、溶媒除去後の溶質分散部材に溶質を均等に付着させることができる。それにより、より適正な検量線を得ることができる。
<予備分光工程>
この工程では、ステージ上に残存する溶質、より具体的には、試料空間内の溶質分散部材に付着する溶質に赤外光を照射し、その溶質からの透過光または反射光より赤外吸収スペクトルを取得する。この工程では、溶質の赤外吸収スペクトルが取得できればよく、このスペクトルを取得する際の方式は問わない。例えば、溶質に赤外光を照射し、その透過光から前記スペクトルを得る透過法や、反射光から前記スペクトルを得る反射法が利用できる。得られた赤外吸収スペクトルは、溶質の成分に応じて固有のパターンとなる。
<検量線作成工程>
この工程では、各予備溶液中の溶質の既知量と、前記赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報との相関関係を求める。赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報は、例えば特定波数(または波長)における吸光度(または透過率)とすることが挙げられる。本発明の検量線の作成方法によれば、試料空間に配された溶質の既知量に応じた固有情報を有する赤外吸収スペクトルを得られるため、この既知量と固有情報との対応関係を複数取得すれば、既知量と固有情報の相関関係である検量線を得ることができる。通常、既知量と固有情報とは比例関係となり直線の検量線が得られる。
(定量方法)
次に、得られた検量線を用いた本発明の赤外分光法による定量方法を説明する。この定量方法は、上記検量線の作成方法で得られた検量線を利用する方法で、分析溶液準備工程、分析試料作製工程、本分光工程、および定量工程を備える。但し、分析溶液準備工程、分析試料作製工程、本分光工程は、各工程で取り扱う溶液が予備溶液から分析溶液となる点が上記検量線の作成方法における予備溶液準備工程、予備試料作製工程、予備分光工程との主たる相違点である。分析溶液は、溶媒に溶解された溶質量が未知の溶液である。この分析溶液も、予備溶液と同様に、試料ステージへの供給前に適宜濃縮しておくことが好ましい。その他は、基本的に検量線の作成方法の予備溶液準備工程から予備分光工程と共通である。もちろん、検量線の作成方法と同様に、溶質分散部材を用いて赤外吸収スペクトルを得る。このように、予備溶液から検量線を得るために行う溶液の取り扱い方法と、分析溶液中の溶質量を定量するために行う溶液の取り扱い方法とに共通性を持たせることで、検量線を利用して得られた定量結果の信頼性を高めることができる。
この定量方法が、上記検量線の作成方法と最も異なる点は、定量工程である。定量工程では、上述の方法により得られた検量線を用いて分析溶液中の溶質量を特定する。具体的には、本分光工程で得た赤外吸収スペクトルのパターンより、その溶質の成分を同定する。また、この赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報、例えば特定波数における吸光度を得る。検量線は、赤外吸収スペクトルの固有情報と溶質の含有量との相関関係を示す関数であるため、分析溶液における前記固有情報がわかれば、検量線を参照することで、その分析溶液中の溶質量を特定することができる。
(適用分野)
本発明の検量線の作成方法や定量方法は、溶液中の微量の溶質成分を定量する種々の分野に利用できる。より具体的には、電子部品、その付属品やケース、精密機器及びその付属品など、微量の異物の付着が問題となる分野において、これら製品の洗浄溶液から微量異物の成分と量を特定することで、その異物の発生要因を究明することが期待される。
溶質分散部材として粒状体を用いて、透過法による赤外分光法で検量線を得る方法を説明する。ここでは、フレキシブルプリント配線板(FPC)に付着した微量成分(シリコーン樹脂)を定量するために検量線を作成する場合を模擬した試験例を、図1から図3に基づいて説明する。
まず、予備溶液を取り扱うための容器類を洗浄し、容器類に付着した異物を除去する。この容器を用いて予備溶液を用意する(予備溶液準備工程)。溶質としてポリジメチルシロキサンを、溶媒としてノルマルヘキサンを用い、0.1%標準溶液を予備溶液10として調整した(図1(A))。
次に、試料ステージ20を用意する。この試料ステージ20は、試料空間22となる凹部が形成された盤状のベース21と、試料空間22内に充填された粒状体23からなる。ベース21は赤外光透過性を有する赤外分析用クリスタルからなり、粒状体23はKBrからなる。凹部の底面サイズは直径10mm、深さは2mmである。KBrの平均粒径は1μm、最大粒径は5μmである。また、KBrの95質量%以上の粒子は、その粒径が分光分析に用いる赤外光の波長以下である。KBrの粒状体23を凹部内に充填することで、KBr粒子の広がる範囲は凹部内に規制され、かつKBrの粒子間に多数の空孔が形成される。
上記予備溶液10をマイクロシリンジ30で1回当たり10μl(シリコーン樹脂1μgに相当)を取得し、試料ステージ20の試料空間22に滴下する(図1(B))。上記の試料空間22のサイズとシリンジ30内の予備溶液10の採取量であれば、滴下された予備溶液10は、試料空間22の底面全面に広がる。試料空間22の底面全面に広がった予備溶液10は、KBr粒子の存在により、底面に沿った方向にも試料空間22の深さ方向にもほぼ均等に分散され、溶媒の揮発が行われる。
滴下された溶液10は、溶媒が揮発することで、試料空間22内に溶質11が不揮発残分として残存する(図1(C))。より具体的には、KBrの各粒子表面にポリジメチルシロキサンがほぼ均一に付着していると推測される。そのため、試料空間22の側面と底面の連結箇所で構成される隅部にポリジメチルシロキサンが偏在することも抑制される。このシリンジからの溶液の滴下と溶媒の揮発を所定回数繰り返すことで、試料空間22への溶液10の総滴下量を調整することができる。予備溶液10の滴下を複数回行う場合、各回の滴下量は等しくすることが好ましい。各回ごとの滴下量を等しくすれば、試料空間22内に広がった予備溶液10の深さを一定にでき、溶媒揮発後の粒状体23への溶質の付着状態を均質にすることができる。ここでは、予備溶液10の総滴下量がシリコーン樹脂の重量相当で10、20、30、40、及び50μgの合計5種類となるように溶液滴下と溶媒揮発を行う。つまり、総滴下量の異なる各段階で赤外分光分析を行えば、溶質量の異なる複数種の予備溶液の各々について赤外分光分析を行うことになる。
続いて、予備溶液の各総滴下量における試料ステージ20を赤外分光装置にセットして、この試料空間22に赤外光40を鉛直下方に照射し、その透過光から赤外吸収スペクトルを求める(図1(D))。赤外光40は、試料空間22の粒状体23および試料空間22の底面を構成するベース21の一部を透過する。赤外光40のアパーチャーサイズは1mm□、積算数は16回とする。ここでは、得られた赤外吸収スペクトルのうち、800カイザー(cm-1)における吸光度を赤外吸収スペクトルの固有情報として取得する。
そして、各総滴下量(溶質量)と、それに対応する固有情報との相関関係を求める。得られた相関関係を図2のグラフに示す。このグラフから明らかなように、溶質量と吸光度とはほぼ比例関係にあることがわかり、十分信頼するに足る検量線が得られていることがわかる。
検量線が得られれば、上記と同様の試料ステージを用いて、分析溶液に対して赤外分光分析を行い、得られた赤外吸収スペクトルを利用して溶質の定量を行う。分析溶液は、溶質の含有量が未知の溶液である。所定量の分析溶液をKBrの粒状体が配された試料空間に滴下し、溶媒を揮発させる。その試料空間に赤外光を照射して、透過光から赤外吸収スペクトルを得る。この赤外吸収スペクトルの800カイザー(cm-1)における吸光度を求め、検量線を参照すれば、分析溶液中の溶質量を検出することができる。
<比較例1>
比較のため、図9に示した平面状の基板25を用い、同様の試験を行う。つまり、基板25の上に予備溶液10を滴下して溶媒を揮発させ、基板25上に残存する溶質11に対して赤外分光分析を行う。その結果、図3に示すように、溶質量と吸光度との間には、高い相関関係があるとはいい難く、検量線としては利用できないことがわかる。
次に、溶質分散部材として多孔質フィルムを用いて、透過法による赤外分光法で検量線を得る方法を説明する。本例は、溶質分散部材を粒状体とする代わりに多孔質フィルムとした点が、実施例1との主たる相違点である。以下、この相違点を中心に図4に基づいて説明する。図4において、図1と共通する部材には同一符号を付している。
本例では、赤外光に対して透過性を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔質フィルム24を用いた。この多孔質フィルム24は、厚さ0.1mm、気孔率は約20%である。また、このフィルム24は、試料空間22の底面の全面に広がるサイズとした。
このような多孔質フィルム24に予め調整しておいた予備溶液10(図4(A))を滴下する(図4(B))。ただし、本例では、予備溶液の総滴下量をシリコーン樹脂の重量相当で1、2、3、4、5、及び6μgとなるように合計6種類とした。滴下された溶液10は多孔質フィルム24の平面方向および厚さ方向の全域にわたってほぼ均一に含浸される(図4(C))。その状態で溶媒の揮発を行うと、多孔質フィルム24の全体に亘ってほぼ均一に溶質が付着した状態となり、溶質の厚みのばらつきを小さく抑えることができる。
このような溶質が付着した多孔質フィルム24に対して透過法にて赤外光40を照射し(図4(D))、その透過光から赤外吸収スペクトルを得る。総滴下量(溶質量)と、それに対応する固有情報(波数800カイザー(cm-1)における吸光度)との相関関係を求めると、図5に示すように、ほぼ比例関係であることがわかり、信頼性の高い検量線が得られていることがわかる。
得られた検量線を用いた定量方法については、多孔質フィルムをセットした試料ステージを用いて、溶質含有量が未知の分析溶液に対して赤外分光分析を行えばよい。そして、得られた赤外吸収スペクトルの固有情報を検量線に参照することで分析溶液の溶質量を定量することができる。
次に、溶質分散部材として粒状体を用いて、反射法による赤外分光法で検量線を得る方法を説明する。本例は、赤外分光法を反射法とした点が、実施例1との主たる相違点である。以下、この相違点を中心に図6に基づいて説明する。図6において、図1と共通する部材には同一符号を付している。
本例でも、予備溶液10を用意し(図6(A))、ベース21に設けた試料空間22にKBrの粒状体23を充填し、その粒状体23に予備溶液10を滴下して(図6(B))溶媒の揮発を行う点(図6(C))は実施例1と共通である。ただし、本例では、ベース21の構成材料をステンレスとしている。一方、赤外分光分析は、拡散反射法で行う。この方法は、予備溶液を試料空間22に滴下して溶媒を揮発させた後のKBr粒子に対し、俯角方向に赤外光40を照射し、その反射光から赤外吸収スペクトルを得る(図6(D))。予備溶液10を試料空間の全面に広がるように滴下して溶媒を揮発させることや、赤外吸収スペクトルの固有情報を波数800カイザー(cm-1)における吸光度とする点は実施例1と同様である。本例でも、予備溶液の総滴下量は合計5種類とした。総滴下量(溶質量)と、それに対応する吸光度との相関関係を求めると、図7に示すように、ほぼ比例関係であることがわかり、信頼性の高い検量線が得られていることがわかる。
得られた検量線を用いた定量方法については、KBrの粒状体をセットした試料ステージを用いて、溶質の含有量が未知の分析溶液に対して赤外分光分析を行えばよい。そして、得られた赤外吸収スペクトルの固有情報を検量線に参照することで分析溶液の溶質量を定量することができる。
<比較例3>
比較のため、図10に示すように、予備溶液10を用意し(図10(A))、平板状の基板25に予備溶液10を滴下して(図10(B))、溶媒の揮発を行い(図10(C))、基板25上に残存した溶質11の被膜に対して拡散反射法にて赤外分光分析を行う(図10(D))。その結果、図8に示すように、溶質量と吸光度との間には、高い相関関係があるとはいい難く、検量線としては利用できないことがわかる。
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、実施例2に示す多孔質フィルムを用いて反射法にて検量線を作成したり、反射法にて赤外分光法での定量分析を行うことが期待できる。
本発明の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法は、赤外分光法による定量分析に好適に利用できる。また、本発明の赤外分光法による定量方法は、分析溶液中の微量成分を精度よく定量することができ、製品の異物量を分析する分野などに好適に利用できる。
本発明の実施例1に係る検量線の作成方法を示す説明図である。 実施例1により得られた検量線を示すグラフである。 比較例1により得られた溶質量と吸光度との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る検量線の作成方法を示す説明図である。 実施例2により得られた検量線を示すグラフである。 本発明の実施例3に係る検量線の作成方法を示す説明図である。 実施例3により得られた検量線を示すグラフである。 比較例3に係る検量線を示すグラフである。 比較例1に係る検量線の作成方法を示す説明図である。 比較例3に係る検量線の作成方法を示す説明図である。
符号の説明
10 予備溶液 11 溶質 15 分析溶液
20 試料ステージ 21 ベース 22 試料空間 23 粒状体 24 多硬質フィルム
25 基板
30 マイクロシリンジ
40 赤外光

Claims (7)

  1. 溶媒に溶解された溶質の既知量が異なる複数の予備溶液を用意する予備溶液準備工程と、
    各予備溶液を試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質をステージ上に残存させる予備試料作製工程と、
    このステージ上に残存する各溶質に赤外光を照射し、その溶質からの透過光または反射光より赤外吸収スペクトルを取得する予備分光工程と、
    各予備溶液中の溶質の既知量と、前記赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報との相関関係を求める検量線作成工程とを備え、
    前記試料ステージは、
    供給される予備溶液の広がる領域を一定範囲に規制する試料空間を有するベースと、
    赤外光を透過する材料からなり、前記試料空間内に配置された際、供給された予備溶液が含浸される多数の空孔を有する溶質分散部材とを備えることを特徴とする赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  2. 前記溶質分散部材が粒状体であることを特徴とする請求項1に記載の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  3. 前記粒状体の95質量%以上は、その粒径が赤外光の波長以下であることを特徴とする請求項2に記載の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  4. 前記粒状体が、KBrからなることを特徴とする請求項2又は3に記載の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  5. 前記溶質分散部材が多孔質フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  6. 前記多孔質フィルムがフッ素樹脂、ポリエチレン、又はセルロースからなることを特徴とする請求項5に記載の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  7. 溶媒に溶解された溶質量が未知の分析溶液を用意する分析溶液準備工程と、
    この分析溶液を試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質をステージ上に残存させる分析試料作製工程と、
    このステージ上に残存する溶質に赤外光を照射し、その溶質からの透過光または反射光より赤外吸収スペクトルを取得する本分光工程と、
    この赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により得られた検量線とから分析溶液中の溶質量を求める定量工程とを備え、
    前記試料ステージは、
    供給される分析溶液の広がる領域を一定範囲に規制する試料空間を有するベースと、
    赤外光を透過する材料からなり、前記試料空間内に配置された際、供給された分析溶液が含浸される多数の空孔を有する溶質分散部材とを備えることを特徴とする赤外分光法による定量方法。
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