JP5083179B2 - 赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法および赤外分光法による定量方法 - Google Patents

赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法および赤外分光法による定量方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法と、赤外分光法による定量方法に関するものである。
赤外分光法を用いて、溶液中の微量成分を定性分析することが知られている。例えば、特許文献1には、分析対象が溶媒に溶解された溶液を試料とし、その試料を赤外分光測定するためにサンプリングする方法が開示されている。より具体的には、図4に示す通りである。まず、溶媒中に分析対象の溶質が溶解された分析溶液15を準備する(図4(A))。次に、この溶液15をシリンジ30に採り、受け皿状の試料ステージ20上に滴下する(図4(B))。例えば、この試料ステージ20の底面は、その中心部に設けられたダイヤモンド製の窓部25と、窓部25の周囲を取り囲むステンレス製の基部26とを備える。溶液15は、試料ステージの窓部25に滴下する。そして、滴下した溶液の溶媒を揮発させ、底面上に溶質11の被膜を形成する(図4(C))。定性分析は、例えば、試料ステージ20の底面の裏側から、窓部25上の被膜に赤外光40を照射して(図4(D))、その反射光の赤外吸収スペクトルから溶質の成分を同定することにより行う。
特開平7-198567号公報 段落番号0003
上記の試料のサンプリング技術は、定性分析をする場合には有効に利用できる。しかし、このサンプリング技術を利用して赤外分光法で定量分析を行おうとした場合、精度よく分析ができないという問題があった。
定量分析を行うには、予め分析対象の含有量が既知の溶液を用いて、分析対象の含有量と赤外線吸収スペクトルの吸光度(透過率)との関係を示す検量線を作成しておく必要がある。この検量線を作成するには、上記既知の含有量が異なる複数の溶液を用い、各溶液の分析対象が含有量に応じて均質に基板上に被膜として形成される必要がある。
ところが、上記の従来技術では、溶液の滴下される試料ステージの底面が平面状であるため、基板上に滴下された溶液がどのように広がるかは全く画一性がない。そのため、溶媒を揮発させて基板上に形成された分析対象の被膜は、その厚みや広がり面積が溶液ごとに大きくばらつくことになる。このような被膜から赤外吸収スペクトルを求めても、分析対象の含有量と赤外線吸収スペクトルの吸光度(透過率)との間に相関関係が得られないことが多く、適正な検量線を得ることができない。その結果、赤外分光法により定量分析を行うことができないことになる。
一方で、基板上に形成された分析対象の被膜の厚みや広がり状態をある程度一定にしようとすれば、溶液を窓部に滴下する際に、1滴ずつ滴下するなど極めて煩雑な作業を伴う上、その作業に熟練も要し、簡易に適正な検量線を得ることができない。特に、ATR法(Attenuated total reflection:全反射測定法)を行う場合、赤外光の反射回数に応じて、試料ステージの底面上に一定間隔で複数の被膜を並列させる必要があり、溶液の滴下から被膜の形成に要する作業は、さらに煩雑なものとなる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法において、信頼性の高い検量線を得ることができる検量線の作成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、溶液中の微量成分を高精度に定量できる赤外分光法による定量方法を提供することにある。
本発明者らは、反射法による赤外分光法で試料ステージ上の溶液から溶媒を除去して溶質を残存させる際に、溶質の分布を均等にすることを検討した結果、試料ステージで溶液の広がる範囲を規制することが効果的であるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法は、次の工程を備える。
予備溶液準備工程:溶媒に溶解された溶質の既知量が異なる複数の予備溶液を用意する。
予備試料作製工程:各予備溶液を試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質をステージ上に残存させる。
予備分光工程:前記ステージ上に残存する溶質に、試料ステージの底面を介して赤外光を照射し、その溶質からの反射光より赤外吸収スペクトルを取得する。
検量線作成工程:各予備溶液中の溶質の既知量と、前記赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報との相関関係を求める。
ここで、前記試料ステージは、予備溶液を受ける試料空間を有し、赤外光が照射される試料空間の底面は、赤外光を透過する材料で構成される。そして、前記各予備溶液の試料ステージへの供給は、予備溶液が試料空間の底面全面に広がるように行う。
この構成によれば、予備溶液を試料ステージの底面の全面に広がるように供給することで、試料空間内の予備溶液をほぼ均等に分散配置することができる。そのため、この試料空間内の予備溶液から溶媒を除去すれば、試料空間の底面にほぼ均等に溶質を付着させることができる。その結果、この底面に付着した溶質量を、予備溶液中の溶質量に応じた量に調整することができ、予備溶液中の溶質の既知量と、赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報とが高い相関関係を有する検量線を得ることができる。
本発明の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法において、前記試料空間の底面がZnSeからなることが好ましい。
この構成によれば、赤外光に対して高い透過性を有する材料で試料空間の底面を構成することで、適切な赤外吸収スペクトルを得ることができる。
また、本発明の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法において、前記予備分光工程をATR法により行うことが好ましい。
この構成によれば、試料空間の底面全面に溶質が均等に配置されているため、赤外光の反射回数に応じて試料空間の底面に溶質を点在させる必要がなく、作業性よく検量線の作成を行うことができる。
一方、本発明の赤外分光法による定量方法は、次の工程を備えることを特徴とする。
分析溶液準備工程:溶媒に溶解された溶質量が未知の分析溶液を用意する。
分析試料作製工程:この分析溶液を試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質をステージ上に残存させる。
本分光工程:このステージ上に残存する溶質に、試料ステージの底面を介して赤外光を照射し、その溶質からの反射光より赤外吸収スペクトルを取得する。
定量工程:この赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報と、上記本発明の検量線の作成方法により得られた検量線とから分析溶液中の溶質量を求める。
ここで、前記試料ステージは、分析溶液を受ける試料空間を有し、赤外光が照射される試料空間の底面は、赤外光を透過する材料で構成される。そして、前記分析溶液の試料ステージへの供給は、分析溶液が試料空間の底面全面に広がるように行う。
この構成によれば、試料空間の底面全面に分析溶液を広げてから溶媒を除去することで、この底面全面にほぼ均等に溶質を付着させることができ、その状態の分析試料から適正な赤外吸収スペクトルを得ることができる。そして、本発明の検量線の作成方法により得られた正確な検量線を利用することで、分析溶液中の溶質量を高精度に定量することができる。
本発明の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法は、予備溶液中の溶質の既知量と、赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報とが高い相関関係を有する検量線を得ることができる。
本発明の赤外分光法による定量方法は、分析溶液中の溶質量を高精度に定量することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(検量線の作成)
まず、赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法について説明する。この方法は、予備溶液準備工程、予備試料作製工程、予備分光工程、検量線作成工程を備える。
<予備溶液準備工程>
この工程では、溶媒に溶解された溶質の既知量が異なる複数の予備溶液を用意する。溶質の既知量が異なる複数の予備溶液は、濃度が一定で溶液量が異なる複数の予備溶液や、溶液量が一定で濃度が異なる複数の予備溶液が挙げられる。このような予備溶液は、例えば、予め秤量した溶質を所定量の溶媒に溶解して作成すればよい。一般に、分析対象となる溶液中の溶質の量は微量であるため、予備溶液は、試料ステージへの供給前に、適宜濃縮しておくことが好ましい。この濃縮は、予備溶液を乾燥させ、溶媒量を低減することなどが利用できる。
<予備試料作製工程>
この工程では、各予備溶液を試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質をステージ上に残存させる。試料ステージへの予備溶液の供給は、通常、滴下が好適に利用できる。予備溶液の除去は、溶媒を揮発させることが好適である。そのため、溶媒は常温で揮発し易い液体が好適に利用でき、溶質は溶媒に対して不揮発残分となる成分が好適に選択される。試料ステージに供給する予備溶液の容量が試料空間の容積よりも大きい場合、予備溶液を複数回に分割して試料ステージに供給しても良い。例えば、後述する試料空間内に入る程度の微量の予備溶液の滴下と、滴下した予備溶液からの溶媒の揮発とを繰り返すことで、所定量の予備溶液を試料ステージに供給する。
予備溶液が供給される試料ステージは、予備溶液を受ける試料空間を有する。試料空間は、試料ステージのベースに適宜な形状の凹部を形成してもよいし、平面状のベースの上に側壁を突設して枠状に囲み、この側壁内を試料空間としてもよい。いずれにおいても、溶液の水密性が確保できれば良い。
試料空間のうち、少なくとも底面は赤外光を透過する材料で構成する。具体的には、KBr、NaCl、ZnSe、ZnS、MgF2、MgAl2O3、Al2O3、SiO2、Ge、Si、ダイヤモンド、フッ素樹脂、ポリエチレン、セルロースなどが挙げられる。試料空間の他の部分、例えば側壁は、その構成材料を問わない。
試料空間の底面積は、供給された予備溶液が底面の全面に広がる程度とする。複数回に分けて予備溶液を試料空間に供給して各回毎に溶媒を除去する場合、1回で供給される予備溶液量は、試料空間の底面積に広がる程度とする。このようなサイズの試料空間としておくことで、供給された予備溶液は、その広がる面積が試料空間の底面積に依存するため、溶液の広がる面積を各回で一定に規定することができる。その状態で溶媒を除去すれば、試料空間の底面に沿ってほぼ均一に溶質が分散された状態とできる。特に、試料空間の底面積が照射される赤外光のビームの断面積以下であれば、底面に付着される溶質のほぼ全てに赤外光を照射することができ、溶質量に対応した赤外吸収スペクトルを得ることができる。
<予備分光工程>
この工程では、ステージ上に残存する溶質、つまり試料空間の底面上に付着する溶質に赤外光を照射し、その溶質からの反射光より赤外吸収スペクトルを取得する。より具体的には、試料ステージの底面の裏側から赤外光を入射させ、底面を介して溶質に赤外光を照射して、再度底面を介して反射光を出射させる反射法が好適に利用できる。特に、ATR法が好適に利用できる。ATR法は、赤外光に透過性の高屈折率媒質に試料を密着させ、試料と高屈折率媒質間で全反射が起きるように試料をセットする。全反射が生じる際、赤外光は高屈折率媒質から試料内部にわずかにもぐり込んで反射される。試料に吸収のある領域では、吸収の強さに応じて反射光のエネルギーが減少する。そのため、この全反射光を測定すると、試料表層部の赤外吸収スペクトルを得ることができる。得られた赤外吸収スペクトルは、溶質の成分に応じて固有のパターンとなる。とりわけ、多重反射ATR法であれば、より高感度に赤外吸収スペクトルを得ることができる。
<検量線作成工程>
この工程では、各予備溶液中の溶質の既知量と、前記赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報との相関関係を求める。赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報は、例えば特定波数(または波長)における吸光度(または透過率)とすることが挙げられる。本発明の検量線の作成方法によれば、試料空間に配された溶質の既知量に応じた固有情報を有する赤外吸収スペクトルを得られるため、この既知量と固有情報との対応関係を複数取得すれば、既知量と固有情報の相関関係である検量線を得ることができる。通常、既知量と固有情報とは比例関係となり直線の検量線が得られる。
(定量方法)
次に、得られた検量線を用いた本発明の赤外分光法による定量方法を説明する。この定量方法は、上記検量線の作成方法で得られた検量線を利用する方法で、分析溶液準備工程、分析試料作製工程、本分光工程、および定量工程を備える。但し、分析溶液準備工程、分析試料作製工程、本分光工程は、各工程で取り扱う溶液が予備溶液から分析溶液となる点が上記検量線の作成方法における予備溶液準備工程、予備試料作製工程、予備分光工程との主たる相違点である。分析溶液は、溶媒に溶解された溶質量が未知の溶液である。この分析溶液も、予備溶液と同様に、試料ステージへの供給前に適宜濃縮しておくことが好ましい。その他は、基本的に検量線の作成方法の予備溶液準備工程から予備分光工程と共通である。もちろん、検量線の作成方法と同様に、分析溶液を試料ステージの全面に広がるように供給する。このように、予備溶液から検量線を得るために行う溶液の取り扱い方法と、分析溶液中の溶質量を定量するために行う溶液の取り扱い方法とに共通性を持たせることで、検量線を利用して得られた定量結果の信頼性を高めることができる。
この定量方法が、上記検量線の作成方法と最も異なる点は、定量工程である。定量工程では、上述の方法により得られた検量線を用いて分析溶液中の溶質量を特定する。具体的には、本分光工程で得た赤外吸収スペクトルのパターンより、その溶質の成分を同定する。また、この赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報、例えば特定波数における吸光度を得る。検量線は、赤外吸収スペクトルの固有情報と溶質の含有量との相関関係を示す関数であるため、分析溶液における前記固有情報がわかれば、検量線を参照することで、その分析溶液中の溶質量を特定することができる。
(適用分野)
本発明の検量線の作成方法や定量方法は、溶液中の微量の溶質成分を定量する種々の分野に利用できる。より具体的には、電子部品、その付属品やケース、精密機器及びその付属品など、微量の異物の付着が問題となる分野において、これら製品の洗浄溶液から微量異物の成分と量を特定することで、その異物の発生要因を究明することが期待される。
ATR法による赤外分光法で検量線を得る方法を説明する。ここでは、フレキシブルプリント配線板(FPC)に付着した微量成分(シリコーン樹脂)の定量するために検量線を作成する場合を模擬した試験例を、図1から図3に基づいて説明する。
まず、予備溶液を取り扱うための容器類を洗浄し、容器類に付着した異物を除去する。この容器を用いて予備溶液を用意する(予備溶液準備工程)。溶質としてポリジメチルシロキサンを、溶媒としてノルマルヘキサンを用い、0.1%標準溶液を予備溶液10として調整した(図1(A))。
次に、試験ステージ20を用意する。この試験ステージ20は、試料空間22の側壁を構成するリング状のベース21と、ベース21の内側に嵌め込まれた底面23とからなる。ベース21はステンレスなどの金属からなり、底面23は赤外光の透過性を有するZnSeからなる。この底面23がATRプリズムとなる。試料空間22の底面サイズは5×45mm、深さは4mmである。
上記予備溶液10をマイクロシリンジ30で1回当たり10μl(シリコーン樹脂1μgに相当)を取得し、試料ステージ20の試料空間22に滴下する(図1(B))。上記の試料空間22のサイズとシリンジ30内の予備溶液10の採取量であれば、滴下された予備溶液10は、試料空間22の底面全面に広がる。試料空間22の底面全面に広がった予備溶液10は、底面23に沿った方向にも試料空間22の深さ方向にもほぼ均等に分散され、溶媒の揮発が行われる。上記予備溶液10の滴下と溶媒の揮発が予備試料作製工程に相当する。
滴下された溶液10は、溶媒が揮発することで、試料空間22内に溶質11が不揮発残分として残存する(図1(C))。より具体的には、底面全面にポリジメチルシロキサンがほぼ均一に付着していると推測される。そのため、試料空間22の側面と底面23の接合箇所で構成される隅部にポリジメチルシロキサンが偏在することも抑制される。このシリンジ30からの溶液10の滴下と溶媒の揮発を所定回数繰り返すことで、試料空間22への溶液の総滴下量を調整することができる。ここでは、予備溶液10の総滴下量がシリコーン樹脂の重量相当で、1、2、3、4、及び5μgの合計5種類となるように溶液滴下と溶媒揮発を行う。つまり、総滴下量の異なる各段階で赤外分光分析を行えば、溶質量の異なる複数種の予備溶液10の各々について赤外分光分析を行うことになる。上述のように、ATRプリズムとなる底面23の上で溶液10から溶媒の除去を行うため、特にATRプリズムを試料となる溶質11に圧接する必要がない。
続いて、予備溶液10の各総滴下量における試料ステージ20をフーリエ変換型赤外分光装置(Thermo Fisher社製FTIR)にセットして、この試料空間の底面23の裏側から仰角方向に赤外光40を照射し、その反射光から赤外吸収スペクトルを求める(予備分光工程:図1(D))。ここでは、赤外光の多重反射回数を12回とし、得られた赤外吸収スペクトルのうち、800カイザー(cm-1)における吸光度を赤外吸収スペクトルの固有情報として取得する。
そして、各総滴下量(溶質量)と、それに対応する固有情報との相関関係を求める。得られた相関関係を図2のグラフに示す。このグラフから明らかなように、溶質量と赤外吸収スペクトルの固有情報とはほぼ比例関係にあることがわかり、十分信頼するに足る検量性が得られていることがわかる。
検量線が得られれば、上記と同様の試料ステージを用いて、分析溶液に対して赤外分光分析を行い、得られた赤外吸収スペクトルを利用して溶質の定量を行う。分析溶液は、溶質の含有量が未知の溶液である。所定量の分析溶液を試料空間の底面全面に広がるように滴下し、溶媒を揮発させる。その試料空間に赤外光を照射して、透過光から赤外吸収スペクトルを得る。この赤外吸収スペクトルの800カイザー(cm-1)における吸光度を求め、検量線を参照すれば、分析溶液中の溶質量を検出することができる。
<比較例1>
比較のため、図4に示した試料ステージ20を用い、同様の試験を行う。但し、ここでの予備溶液の滴下は、窓部25の周辺のみに予備溶液が広がる程度に行い、試料ステージ20の底面の全面に予備溶液が広がるようには行わない。その結果、図3に示すように、溶質量と吸光度との間には、高い相関関係があるとはいい難く、検量線としては利用できないことがわかる。
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
本発明の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法は、赤外分光法による定量分析に好適に利用できる。また、本発明の赤外分光法による定量方法は、分析溶液中の微量成分を精度よく定量することができ、製品の異物量を分析する分野などに好適に利用できる。
本発明の実施例1に係る検量線の作成方法を示す説明図である。 実施例1により得られた検量線を示すグラフである。 比較例1により得られた溶質量と吸光度との関係を示すグラフである。 比較例1に係る検量線の作成方法を示す説明図である。
符号の説明
10 予備溶液 11 溶質
15 分析溶液
20 試料ステージ 21 ベース 22 試料空間 23 底面
25 窓部 26 基部
30 マイクロシリンジ
40 赤外光

Claims (6)

  1. 溶媒に溶解された溶質の既知量が異なる複数の予備溶液を用意する予備溶液準備工程と、
    各予備溶液を複数回に分割して試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質を試料ステージ上に残存させることを繰り返す予備試料作製工程と、
    この試料ステージ上に残存する溶質に、試料ステージの底面を介して赤外光を照射し、その溶質からの反射光より赤外吸収スペクトルを取得する予備分光工程と、
    各予備溶液中の溶質の既知量と、前記赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報との相関関係を求める検量線作成工程とを備え、
    前記溶媒は、常温で揮発性の液体であり、
    前記試料ステージは、予備溶液を受ける試料空間を有し、試料空間の側壁は金属からなり、赤外光が照射される試料空間の底面は、赤外光を透過する材料で構成され、
    前記各予備溶液の試料ステージへの供給は、予備溶液が試料空間の底面全面に広がるように行い、
    前記予備試料作製工程は、試料ステージの底面全面に溶質を均等に付着させるように行うことを特徴とする赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  2. 前記予備溶液準備工程において用意した予備溶液を濃縮する予備濃縮工程を備え、
    前記予備試料作製工程において、この濃縮された予備溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  3. 前記試料空間の底面がZnSeからなることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  4. 前記予備分光工程をATR法により行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の赤外分光法で定量分析するための検量線の作成方法。
  5. 溶媒に溶解された溶質量が未知の分析溶液を用意する分析溶液準備工程と、
    この分析溶液を複数回に分割して試料ステージに供給した後、溶媒を除去し、溶質を試料ステージ上に残存させることを繰り返す分析試料作製工程と、
    この試料ステージ上に残存する溶質に、試料ステージの底面を介して赤外光を照射し、その溶質からの反射光より赤外吸収スペクトルを取得する本分光工程と、
    この赤外吸収スペクトルにおける溶質の固有情報と、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法により得られた検量線とから分析溶液中の溶質量を求める定量工程とを備え、
    前記溶媒は、常温で揮発性の液体であり、
    前記試料ステージは、分析溶液を受ける試料空間を有し、試料空間の側壁は金属からなり、赤外光が照射される試料空間の底面は、赤外光を透過する材料で構成され、
    前記分析溶液の試料ステージへの供給は、分析溶液が試料空間の底面全面に広がるように行い、
    前記分析試料作製工程は、試料ステージの底面全面に溶質を均等に付着させるように行うことを特徴とする赤外分光法による定量方法。
  6. 前記分析溶液準備工程において用意した分析溶液を濃縮する濃縮工程を備え、
    前記分析試料作製工程において、この濃縮された分析溶液を用いることを特徴とする請求項5に記載の赤外分光法による定量方法。
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