JP2010116304A - 改質装置、燃料電池システム、改質装置の運転方法 - Google Patents

改質装置、燃料電池システム、改質装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒活性の低下を抑制し、安定に改質器を運転可能な改質装置、燃料電池システム、改質装置の停止方法およびその起動方法を提供する。
【解決手段】改質装置300に、バッファタンク201に貯留された気相分を改質器に供給する気相経路126と、改質器に充填された改質触媒の温度を検出する温度検出手段と、制御手段とを設けた。制御手段は、気化手段による原料ガスの生成が停止されたことを認識すると、温度検出手段により改質触媒が水蒸気の露点よりも高いことを認識すると気化手段により改質器の内部に水蒸気を供給して改質触媒を冷却し、温度検出手段により改質触媒の温度が水蒸気の露点以下であることを認識する前に気相経路126を通して気相分を改質器の内部に供給して水蒸気を置換させた。
【選択図】図2

Description

改質装置、燃料電池システム、改質装置の運転方法に関する。
燃料改質型の燃料電池システムは、改質器および水素と酸素の電気化学反応によって発電を行う燃料電池スタックを有する。この燃料電池システムにおいて、改質器は、炭化水素原料と水から水素を含む水素を主成分とする燃料ガスを製造し、燃料電池スタックのアノードに供給する。燃料電池スタックにおいては、アノードに供給された水素を主成分とする燃料ガス中の水素と、カソードに供給された酸素(空気)との電気化学反応によって、発電が行われる。
燃料電池システムを停止する場合は、改質器内の触媒層を水蒸気にて置換、いわゆるパージし、その後で触媒層内での水凝縮による触媒活性低下を抑制するためにドライガスパージを実施する。また、ドライガスパージ後も温度降下による減圧で空気混入の恐れがある場合は、更にドライガスパージを行い、減圧抑制を行う必要がある(例えば、特許文献1ないし7参照)。
特許文献1には、運転停止時に、改質器系内に水蒸気を流通させて可燃性ガスをパージした後、改質器に空気を導入して改質器系内の水蒸気をパージする固体高分子型燃料電池の停止方法が開示されている。
特許文献2には、PEFC用改質器の停止時に、改質器改質部を降温させるに際し、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは改質部中に水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて冷却し、400〜300℃では水蒸気を流通させて原料ガスをパージしながら冷却し、300℃以下では空気を流通させて水蒸気をパージしながら冷却する改質器の停止方法が開示されている。
特許文献3には、改質装置の稼動を停止した後に改質反応部の温度が所定値以下となったことが判定された時点で改質反応部への水蒸気の供給を停止するとともに改質反応部へ原料ガスを供給する点が開示されている。
特許文献4には、排気ラインの途中に設けられた貯留装置に運転中に排気ラインのアノード排ガスを貯留し、ガス補給ラインからガス補給弁を介して貯留装置から複数の触媒反応器内に貯留したガスを供給する点が開示されている。また、停止時に、触媒反応器内の温度低下に伴いガス補給弁を開くことにより、運転中に貯留したガスを供給する点が開示されている。
特許文献5には、運転停止後、触媒反応器内の圧力が負圧に切り替わったときに、排気ライン内のガスを触媒反応器内に導入して負圧の上昇を抑制する負圧防止装置を備えた燃料電池発電設備が開示されている。
特許文献6には、改質器の停止時に、改質器内ないし改質系内を水蒸気でパージした後、脱硫済み原料ガスを、導入してパージする改質器の停止方法が開示されている。
特許文献7には、システムを停止する際に、改質原料に用いる都市ガスをパージ用のガスとして改質器をパージする燃料電池発電システムが開示されている。
特開2002−8701号公報 特開2002−93447号公報 特開2000−95504号公報 特開2004−134226号公報 特開2004−134227号公報 特開2002−151124号公報 特開2003−229156号公報
しかしながら、上述のような空気を用いたパージ方法では、触媒活性の低下に繋がり好ましくない。また、都市ガス、LPGなどの原料ガスによるパージ方法では、原料ガスのロスが生じ、さらにLPGでパージする場合は、起動時の残留ガスの影響が生じる可能性がある等の問題がある。また、原料ガスにてパージする場合、灯油等の液体燃料を用いる燃料電池システムでは、パージ用ガス(都市ガス、LPG)ラインを別途設置する必要がある。
本発明の目的は、触媒活性の低下を抑制し、安定に運転可能な改質装置、燃料電池システム、改質装置の運転方法を提供することにある。
本発明の改質装置は、炭化水素を主成分とする液体燃料を脱硫して脱硫燃料を生成する脱硫手段と、前記脱硫燃料を気相分および液相分に分離し、それら両相とも貯留する貯留手段と、前記液相分に水蒸気を供給混合して原料ガスを発生する気化手段と、前記原料ガスを改質して水素を主成分とする燃料ガスを発生させる改質触媒を内部に有する改質器を備えた改質手段と、を備えた改質装置であって、前記貯留手段に貯留された前記気相分を前記改質器に供給させる気相分供給手段と、前記改質触媒の温度を検出する温度検出手段と、前記気化手段による前記原料ガスの生成が停止されたことを認識すると、前記温度検出手段により前記改質触媒が前記水蒸気の露点よりも高いことを認識した時点で前記気化手段により前記改質器の内部に前記水蒸気を供給して前記改質触媒を冷却し、前記温度検出手段により前記改質触媒の温度が前記水蒸気の露点以下となることを認識する前に前記気相分供給手段により前記気相分を前記改質器の内部に供給して前記水蒸気を前記改質器外部へ排出する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明では、燃料電池システムの停止時では、改質触媒の温度を低下させるために、改質器に水蒸気を供給する場合がある。この場合、改質器の内部に水蒸気が充填した状態を続けると、改質触媒上で水凝縮が起こり、触媒活性が低下する場合がある。しかしながら、この発明では、制御手段は、気相供給手段により改質器内部に気相分を送り込み水蒸気を追い出す。そのため、水凝縮を防止でき、改質触媒の活性低下を抑制できる。
また、液体燃料から生成された気相分が改質器の充填、いわゆるパージに用いられるので、空気を用いて改質器をパージする場合よりも触媒活性の低下を抑制することができ、安定に改質器を運転することができる。
また、気相分は液体燃料から生成されるので、都市ガスやLPGなどのパージ用ガスを用いる必要がなく、上述したような原料ガスのロスなどの問題がない。
また、本発明の改質装置において、前記改質手段は、更に前記改質器を加熱する加熱手段を備え、前記貯留手段は、前記気相分および前記液相分を貯留する貯留タンクと、この貯留タンクに貯留された前記液相分の量を検出する液量検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記改質装置の起動時に、前記加熱手段により前記改質器を加熱し、前記温度検出手段により前記改質触媒が前記原料ガスを改質可能な温度に到達したことを認識すると、前記気化手段により前記原料ガスを発生させ、前記液量検出手段により、起動前に前記貯留手段に貯留された液相分が所定量まで減った事を認識した後に、前記脱硫手段を稼動させて得られる前記液相分の脱硫燃料と前記気相分を前記貯留タンクに貯留することが好ましい。
この発明では、改質装置を起動させる際、予め貯留タンクの内部の液相分を低減させるので、貯留タンクに液相分が流入して貯留タンクから液相分が溢れ出すという不都合を防止することができる。また、この発明では、改質装置の起動時に貯留タンク内の液相分の体積が減るので、気相分を貯留するための空間が十分得られる。そのため、起動した時点からすぐにパージ用ガスを貯留し始めることができる。
また、本発明では、前記貯留手段に貯留された気相分の量は、前記改質器の内部の前記水蒸気を少なくとも一回置換可能な量以上であることが好ましい。
この発明の貯留手段には、改質器の内部の水蒸気を少なくとも一回置換可能な量の気相分が貯留されているので、改質器の内部の水蒸気を確実に置換することができる。
そして、本発明では、前記制御手段は、前記気化手段による前記原料ガスの生成が停止されたことを認識すると、前記脱硫手段により前記脱硫燃料を生成させ、前記貯留手段により前記貯留タンクに前記液相分を貯留させて、前記貯留タンクに貯留された液相分の体積を増加させることにより前記貯留タンクに貯留された気相分を前記改質器の内部に送り込むことで、前記水蒸気を前記改質器外部へ排出することが好ましい。
この発明では、貯留タンクの気相分の圧力と改質器内部の圧力は殆ど差がない、あるいは気相分の圧力の方が高いので、貯留タンク内の液相が上がることで、気相分が改質器内部に流れ込みやすくなる。そのため、水蒸気を外部へ容易に押し出すことができる。
前記気相分は、脱硫時に副生するガスである水素およびメタンを主成分とすることが好ましい。
この発明では、改質装置を起動する際、改質器の内部に気相分が残留した状態で改質器を加温しても、気相分は特定のガスにて構成されているので、改質触媒の活性の低下を抑制することができる。
本発明の燃料電池システムは、上述の改質装置と、前記改質装置により生成された水素を主成分とする燃料ガスと酸素含有気体とを利用して発電する燃料電池と、を備える。
この発明では、上述の改質装置を備えるので、改質触媒の活性が低下することなく、燃料電池システムは、安定して運転できる。
本発明の改質装置の運転方法は、液状炭化水素を脱硫して脱硫燃料を生成し、前記脱硫燃料を気相分および液相分に分離して貯留タンクに前記気相分および前記液相分を貯留し、前記液相分の脱硫燃料に水蒸気を供給混合して原料ガスを発生し、改質器の内部に充填された改質触媒により前記原料ガスを改質して水素を主成分とする燃料ガスを発生させる改質装置の運転方法であって、前記原料ガスの生成を停止した後、前記改質触媒が前記水蒸気の露点よりも高い時点で前記改質器の内部に前記水蒸気を供給して前記改質触媒を冷却し、前記改質触媒の温度が前記露点以下となる前に前記改質器の内部に前記気相分を供給して前記改質器の内部の水蒸気を前記改質器外部へ排出することを特徴とする。
この発明では、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
また、本発明の運転方法において、前記改質装置の起動時に、前記改質触媒が前記原料ガスを改質可能な温度に到達すると、前記液相分の脱硫燃料に水蒸気を供給混合して発生させた原料ガスを前記改質器に供給させ、起動前に前記貯留タンクに貯留されていた前記液相分の脱硫燃料が所定量まで減ると、前記脱硫燃料を生成させて得られる前記気相分を前記貯留タンクに貯留し、前記原料ガスの生成を停止した後、その貯留した気相分を、前記改質触媒の温度が前記露点以下となる前に前記改質器の内部に供給して、前記改質器の内部の水蒸気を前記改質器外部へ排出することが好ましい。
この発明では、請求項2に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
さらに、前記原料ガスの生成を停止する前に、前記改質器の内部の水蒸気を少なくとも一回置換可能な量以上の前記気相分を前記貯留タンクに貯留することが好ましい。
この発明では、請求項3に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明の燃料電池システムに係る一実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態では、炭化水素を主成分とする液体燃料として灯油を利用する燃料電池システムの構成を例示するが、例えば燃料電池に供給する燃料ガスを製造する製造装置などに適用できる。
図1は、本実施の一形態における燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、脱硫装置の概略構成を示すブロック図である。
〔燃料電池システムの構成〕
(全体構成)
図1において、100は、燃料電池システムで、この燃料電池システム100は、液体燃料を原料として水素を主成分とする燃料ガスに改質し、燃料電池170により発電させるシステムである。
この燃料電池システム100は、液体燃料供給手段110と、脱硫手段120と、気化手段130と、改質ユニット140と、酸素含有気体供給手段150と、加湿器160と、燃料電池170と、などを備えている。
そして、液体燃料供給手段110と、脱硫手段120と、貯留手段200と、移送経路としての脱硫燃料経路124と、気化手段130と、改質ユニット140と、により、本発明における脱硫処理後の液体燃料111Aから燃料電池170で発電させる原料となる水素ガスリッチの燃料ガスを製造する装置である燃料電池用燃料ガスの改質装置としての燃料ガス製造装置300が構成される。
液体燃料供給手段110は、図1および図2に示すように、液体燃料貯留タンク111と、液体燃料供給経路112と、を備えている。
液体燃料貯留タンク111は、例えば灯油などの液体燃料111Aを流出可能に貯留する。ここで、液体燃料111Aとしては、灯油に限らず、例えば軽油やナフサなど、各種液体燃料が利用できる。
液体燃料供給経路112は、液体燃料貯留タンク111に接続され、液体燃料貯留タンク111に貯留する液体燃料111Aを流通させる。この液体燃料供給経路112は、液体燃料供給ポンプとしての液体燃料ポンプ112Aおよび燃料供給バルブ112Bを有し、一端が液体燃料貯留タンク111に接続され他端が脱硫手段120に接続された液体燃料供給管112Cを備えている。そして、液体燃料供給経路112は、液体燃料ポンプ112Aの駆動により液体燃料貯留タンク111に貯留する液体燃料111Aを脱硫手段120へ流通させる。
なお、液体燃料供給手段110としては、液体燃料貯留タンク111を備えた構成に限られるものではなく、例えば、別途設けられた液体燃料貯留タンク111に接続されこの液体燃料貯留タンク111に貯留する液体燃料111Aを流通させる液体燃料供給経路112のみを備えた構成としてもよい。
脱硫手段120は、図1および図2に示すように、脱硫器121と、熱交換器としての液体燃料熱交換器122と、貯留タンクとしてのバッファタンク201と、などを備えている。
脱硫器121は、液体燃料貯留タンク111から液体燃料供給経路112に液体燃料熱交換器122を介して例えば約300[ml/時間]で供給される液体燃料111Aを、液相吸着法により液体燃料111A中に含有される硫黄化合物を吸着除去する脱硫処理を実施する。
この脱硫器121は、脱硫剤容器121Aと、加熱手段としての図示しない脱硫加熱手段と、図示しない脱硫温度検出手段と、などを備えている。脱硫剤容器121Aは、内部に脱硫剤121Bが充填された略円筒状に形成され、軸方向の一端に液体燃料供給経路112の液体燃料供給管112Cの他端が接続され液体燃料111Aが流入される図示しない燃料流入口を有し、軸方向の他端にバッファタンク201に接続され脱硫剤121Bと接触して流通する液体燃料111Aを流出させる図示しない燃料流出口を有している。脱硫器121は、脱硫剤容器121Aの下部から液体燃料111Aが流入され、鉛直方向の上方に向けて流通しつつ上部から流出させる状態に設置される。
脱硫加熱手段は、例えば脱硫剤容器121Aの外面に螺旋状に配設されたシーズヒータなどの電気ヒータを備え、脱硫剤容器121Aの外面側から流通する液体燃料111Aを例えば200℃程度に加熱して脱硫処理を促進させる。なお、脱硫器121の外面には、電気ヒータとともに脱硫剤容器121Aの外面を被覆して断熱する断熱材が設けられる。また、電気ヒータは、螺旋状に配設する構成に限らず、例えば脱硫剤容器121Aの長手方向に沿って折り返すように配設するなどしてもよい。
脱硫温度検出手段は、例えば脱硫剤容器121Aに配設され、脱硫剤容器121Aの温度を検出する温度センサを備えている。この温度センサは、検出した温度検出信号を後述する制御装置へ出力する。
液体燃料熱交換器122は、液体燃料貯留タンク111から供給される液体燃料111Aを、脱硫器121から流出する脱硫処理後の液体燃料111Aとの熱交換により加熱する。
具体的には、液体燃料熱交換器122には、流入経路122Aと、流通経路としての流出経路122Bと、が接続されている。流入経路122Aは、液体燃料供給経路112の液体燃料供給管112Cが接続されるとともに脱硫器121の燃料流入口に接続され、液体燃料供給管112Cから脱硫器121へ液体燃料111Aを供給する。流出経路122Bは、脱硫器121の燃料流出口に接続されるとともに貯留手段200を構成するバッファタンク201に接続され、脱硫器121で脱硫処理されて流出する液体燃料111Aをバッファタンク201へ流通する。なお、流出経路122Bの液体燃料熱交換器122より下流側には、流出バルブ122B1、ストレーナ122B2、保圧弁122B3が設けられ、保圧弁122B3の下流側には、貯留手段200を構成する加温手段202が設けられている。加温手段202は、例えば脱硫器121の外面に螺旋状に配管され、脱硫加熱手段による脱硫器121の加熱にて流通する液体燃料111Aを加温する熱交換器の構造が取られている。
そして、液体燃料供給管112Cから流入され流入経路122Aを流通する供給された液体燃料111Aと、流出経路122Bを流通する脱硫処理後の液体燃料111Aとが熱交換され、供給された液体燃料111Aがある程度加熱されて脱硫器121へ供給される。
また、流出経路122Bを流通する脱硫処理後の液体燃料111Aは、保圧弁122B3を流過して圧力が解放され、加温手段202で再加温され、バッファタンク201へ流入される。加温手段202による加温は、90℃以上、好ましくは95℃以上、より好ましくは100℃以上の温度範囲で流通する液体燃料111Aが加温される構造に設計されている。ここで、加温が90℃より低い温度で加温した場合、温度が低いほど気相分の発生状態が悪く、非効率となるおそれがある。一方、脱硫後に加温しない場合には平衡状態の気相分が分離しにくくなる。このため、脱硫処理後の液体燃料を90℃以上、好ましくは95℃以上、より好ましくは100℃以上に加温する。なお、加温手段202は、熱交換器の構成に限らず、例えば脱硫加熱手段と同様に電気ヒータなどを用いて、液体燃料111Aを再加温する構成としてもよい。
バッファタンク201は、脱硫器121で脱硫処理され液体燃料熱交換器122を介して流出経路122Bから流入する液体燃料111Aを一時的に貯留するタンクである。すなわち、バッファタンク201は、上部に脱硫処理された液体燃料111Aが流入される図示しない流入口と、気相分を排出する気体燃料流出口としての排出口とが設けられ、下部に貯留する液相分を流出する図示しない液体燃料流出口としての流出口が設けられ、液体燃料111Aを貯留可能なタンク構成に形成されている。
そして、バッファタンク201に流入された液体燃料111Aは、放圧後に加温手段202で再加温され、平衡状態で溶存していた気相分が分離される。この加温手段202による再加温により、液相分と、気相分とがおよそ1:1の割合で生成される。また、気相分は、水素ガスおよびメタンガスを主成分とする。気相分の量は、燃料電池システム100を停止する際、改質器141の内部に供給された水蒸気を少なくとも一回置換可能な量以上である。
また、バッファタンク201には、貯留する液体燃料111Aの液量を検出する図示しない液量検出手段としての液面センサが設けられている。
液面センサは、バッファタンク201に貯留する液体燃料111Aの液面位置を検出し、この液面位置に関する検出信号を後述する制御装置へ出力する。本実施の形態では、バッファタンク201に貯留する液体燃料111Aが非常に少ない量となる液面位置「LLレベル」と、貯留する液体燃料111Aが比較的に少ない量となる液面位置「Lレベル」と、貯留する液体燃料111Aが比較的に多い量となる液面位置「Hレベル」と、貯留する液体燃料111Aが非常に多い量となる液面位置「HHレベル」の4つの液面位置を検出する構成を例示する。
すなわち、液面センサは、例えば、液面位置が「Lレベル」および「Hレベル」間に位置する場合には、その旨の信号もしくは検出信号を出力しない。また、液面位置が「Lレベル」および「LLレベル」間に位置する場合には、液面位置「Lレベル」に応じた検出信号を出力する。さらに、「Hレベル」および「HHレベル」間に位置する場合には、液面位置「Hレベル」に応じた検出信号を出力する。また、液面位置が「LLレベル」よりさらに低い、すなわち少ない貯留量となる液面位置、および、液面位置が「HHレベル」よりさらに高い、すなわち多い貯留量となる液面位置では、異常である旨の検出信号を出力する。
そして、このバッファタンク201の下部には、脱硫燃料バルブ124Aおよび脱硫燃料ポンプ124Bを有した脱硫燃料経路124が接続され、貯留する脱硫処理後の液体燃料111Aを気化手段130へ供給可能となっている。
また、バッファタンク201の上部には、逆火防止フィルタ125Aおよびバーナ供給バルブ125Bを有し、気化した液体燃料111Aを排出、例えば改質ユニット140で燃焼される燃焼ガスとして供給させる燃料供給経路としての燃焼ガス供給経路125が接続されている。燃焼ガス供給経路125には、バーナ141Aに接続されており、バーナ供給バルブ125Bが開くことにより、バッファタンク201の気相分がバーナ141Aに流入する。
さらに、燃焼ガス供給経路125の逆火防止フィルタ125Aおよびバーナ供給バルブ125B間には、気相経路126が接続されている。この気相経路126には、気相バルブ126Aが設けられており、気相バルブ126Aが開くことにより、バッファタンク201に貯留された気相分が改質器141に流入する。
気化手段130は、図1に示すように、脱硫手段120の脱硫燃料経路124に接続され、バッファタンク201から供給される脱硫処理後の液相分の液体燃料111Aを気化させる。この気化手段130は、気化器131と、熱交換装置132と、給水経路133と、などを備えている。
気化器131は、脱硫燃料経路124に接続され液相分の液体燃料111Aが供給されるとともに、熱交換装置132に接続され熱交換装置132から水蒸気が供給される。そして、気化器131は、液体燃料111Aおよび水蒸気を適宜混合して気化、すなわち原料ガスである気化液体燃料を生成させる。この気化器131は、改質ユニット140に接続され、水蒸気が混合されて気化した液体燃料111Aである気化液体燃料を改質ユニット140へ供給する。
熱交換装置132は、改質ユニット140に接続され、改質ユニット140から排気される排ガスを冷却させるとともに排ガスとの熱交換により水から水蒸気を生成させ、生成した水蒸気を気化器131へ供給させる。具体的には、熱交換装置132には、純水133Aを貯留する純水タンク133Bが搬送ポンプ133Cおよび搬送バルブ133Dを有した給水経路133を介して接続され、純水タンク133Bから純水133Aが供給される。この純水133Aが改質ユニット140からの排ガスと熱交換されて水蒸気として気化器131に供給される。なお、純水タンク133Bは、蒸留水などの不純物を含まない純水133Aを貯留し、例えば水道水などが浄化されて適宜給水される構成が設けられていてもよい。
改質ユニット140は、気化手段130により水蒸気が混合されて気化された気化液体燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する。この改質ユニット140は、改質器141と、CO変成器142と、CO選択酸化器143と、などを備えている。
改質器141は、内部に図示しないニッケル触媒などの改質触媒と、この改質触媒の温度を検出する温度検出手段と、バーナ141Aとを備えている。バーナ141Aには、液体燃料貯留タンク111に接続され搬送ポンプ144Aを有し液体燃料貯留タンク111に貯留する液体燃料111Aを搬送する燃料搬送経路144が接続されている。また、バーナ141Aには、送気ブロワ145Aおよび送気バルブ145Bを有した送気経路145が接続され、送気ブロワ145Aの駆動により燃焼用空気が供給される。さらに、バーナ141Aには、詳細は後述する燃料電池170に接続され開閉バルブ146Aを有し燃料電池170から排出される燃料ガスを排出する燃料ガス供給経路146が接続されている。また、バーナ141Aには、燃焼ガス供給経路125が接続され、バッファタンク201に貯留する気相の液体燃料111Aが供給される。
そして、バーナ141Aは、送気ブロワ145Aから供給される空気により、燃料搬送経路144を介して供給された液相の液体燃料111Aや燃焼ガス供給経路125を介して供給された気相の液体燃料111A、および燃料ガス供給経路146を介して供給された燃料ガスを燃焼させ、改質器141に供給された気化液体燃料を水素リッチの燃料ガスに水蒸気改質する。このバーナ141Aの燃焼による高温の排ガスは、気化手段130の熱交換装置132に供給され、純水133Aとの熱交換により冷やされて外気中に排気される。
CO変成器142は、改質器141から流出する水素リッチの燃料ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)を変成する。
CO選択酸化器143は、酸化ブロワ143Aが接続されて空気が供給される。そして、CO選択酸化器143は、供給される空気中の酸素により、CO変成器142で変成されずに残留するCOを二酸化炭素(CO2)に酸化させ、燃料ガス中のCOを除去する。
なお、CO変成器142およびCO選択酸化器143は、改質器141と一体構成としてもよい。また、これらCO変成器142およびCO選択酸化器143の他、COを吸着除去するなどの装置を設けるなどしてもよい。
酸素含有気体供給手段150は、酸素含有気体として例えば空気を燃料電池170へ供給する。
具体的には、酸素含有気体供給手段150は、ブロワ151と、一端がブロワ151に接続され他端が加湿器160に接続された空気供給管152と、この空気供給管152に設けられた空気バルブ153と、を備えている。そして、ブロワ151の駆動により、空気供給管152を介して空気を加湿器160へ供給する。
加湿器160は、酸素含有気体供給手段150の空気供給管152が接続され、供給される空気を例えば60〜70℃に加熱しつつ純水タンク133Bから供給される純水133Aにて加湿する。そして、加湿器160は、加湿した空気を燃料電池170へ供給する。
また、燃料ガス流通経路163は、燃料ガスバルブ163Aより上流側の位置で、バイパス経路165が接続されている。このバイパス経路165は、切替バルブ165Aを有し、燃料ガス供給経路146における開閉バルブ146Aより下流側に接続されている。そして、バイパス経路165は、燃料ガス流通経路163を流通する燃料ガスを、燃料ガス供給経路146を介して改質器141のバーナ141Aへ供給する。
燃料電池170は、水素と酸素とを反応させて直流電力を発生させる。この燃料電池170は、例えば固体高分子型燃料電池で、正極171と、負極172と、正極171および負極172間に配設された図示しない高分子電解質膜と、を備えている。そして、正極171側には、加湿器160で加湿された空気が供給され、負極172側には改質ユニット140からの水素リッチの燃料ガスが供給される。そして、燃料ガスの水素と空気中の酸素とが反応して水(純水133A)が生成されるとともに、正極171および負極172間に直流電力が発生する。
そして、負極172側は、上述したように改質器141のバーナ141Aに燃料ガス供給経路146を介して接続され、余った水素分をバーナ141Aの燃料として供給する。なお、燃料ガス供給経路146がバッファタンク201に接続され、負極側の余った水素分がバッファタンク201に流入する構成でもよい。
また、正極171側には、分離器175が接続されている。この分離器175には、正極171側から反応に利用された空気が供給され、気相分の空気と液相分の水(純水133A)とに分離する。なお、分離した空気は、外気に排気される。そして、分離器175には、純水タンク133Bが接続され、分離した水(純水133A)を純水タンク133Bへ供給する。
また、燃料電池170には、冷却装置177が設けられている。この冷却装置177は、燃料電池170に付設された熱回収装置177Aが設けられている。この熱回収装置177Aには、冷却水循環ポンプ178Aおよび熱交換器178Bを備えた冷却水循環経路178を介して純水タンク133Bが接続されている。そして、冷却装置177は、冷却水循環ポンプ178Aの駆動により、熱回収装置177Aと純水タンク133Bとの間で冷却水となる純水133Aを冷却水循環経路178で循環させ、発電に伴って発熱する燃料電池170を冷却させるとともに熱を回収する。熱交換器178Bは、循環され熱回収装置177Aで熱を回収した純水133Aと、例えば水道水などと熱交換させる。この熱交換により温められた水道水は、例えばお風呂などの他の設備に直接供給されて有効利用される。なお、水道水との熱交換の他、熱交換により得られる熱から発電させるなど、他の設備などに有効利用してもよい。
そして、燃料電池システム100は、システム全体の動作を制御する図示しない制御装置を備えている。
この制御装置は、液体燃料111Aの流量制御、脱硫器121の脱硫加熱手段の加熱条件である電気ヒータへ供給する電力制御、改質器141のバーナ141Aの燃焼制御、熱交換装置132で水蒸気を生成させるための純水133Aの供給量制御や温度管理、発電量の管理、起動・停止時のパージ処理などを実施する。
また、制御装置は、貯留手段200のバッファタンク201の液面センサにて検出する貯留する液体燃料111Aの流量、すなわち液面位置に応じて、液体燃料供給経路112にて液体燃料貯留タンク111から所定の供給量で液体燃料111Aを供給させる状態に液体燃料ポンプ112Aの駆動状態を制御する。
さらに、制御装置は、貯留手段200の温度センサから出力される温度検出信号に基づいて、脱硫処理時の温度を認識し、脱硫加熱手段の加熱条件である電気ヒータへ供給する電力を制御する。すなわち、温度センサが脱硫処理時の好適な所定の温度で略一定となるように、電気ヒータへの電力を制御し、電気ヒータの加熱負荷である脱硫処理の加熱状態を制御する。なお、この加熱負荷の制御の際、上述した液体燃料ポンプ112Aの駆動状態に応じて、すなわち供給する液体燃料111Aの供給量に対応して加熱負荷を大小させる制御を合わせて実施するとよい。具体的には、供給量が多くなるように液体燃料ポンプ112Aの駆動状態を制御する際には、合わせて電気ヒータへ供給する電力量を増大させる。また、供給量が少なくなるように液体燃料ポンプ112Aの駆動状態を制御する際には、合わせて電気ヒータへ供給する電力量を減少させる。
〔燃料電池システムの動作〕
次に、上述した燃料電池システム100における動作について、図1および2を参照して説明する。
(起動処理)
まず、制御装置は、燃料供給バルブ112B、気相バルブ126A,バーナ供給バルブ125Bが閉じていることを認識する。そして、制御装置は、燃料搬送経路144の搬送ポンプ144Aを駆動させ、液体燃料貯留タンク111に貯留する液体燃料111Aをバーナ141Aに供給して改質器141を加熱する。
さらに、制御装置は、バーナ141Aの火炎の温度を検知する。そして、制御装置は、バーナ141Aの火炎検知温度が所定の温度に達したことを認識すると、改質ユニット140の改質器141、CO変成器142およびCO選択酸化器143の各温度が所定の温度に達したか否かを検出する。そして、制御装置は、改質器141の改質触媒の温度が550℃以上でCO変成器142の温度が150℃に達したことを認識すると、制御装置が脱硫燃料バルブ124Aを開き、脱硫燃料ポンプ124Bを起動する。そして、脱硫手段120のバッファタンク201に貯留された液体燃料111Aを気化手段130の気化器131へ供給させる。これにより、バッファタンク201内の液体燃料が次第に少なくなる。
一方、制御装置は、給水経路133の搬送バルブ133Dを開くとともに、気化手段130の給水経路133の搬送ポンプ133Cを起動させ、純水タンク133Bに貯留する純水133Aを熱交換装置132へ供給する。この純水133Aの供給により、熱交換装置132で改質器141からの排ガスとの熱交換により水蒸気が生成されて気化器131へ供給される。気化器131への液体燃料111Aの供給と、熱交換装置132から気化器131への水蒸気の供給とにより、液体燃料111Aは水蒸気と混合されて気化され気化液体燃料として改質器141へ供給される。
この後、制御装置は、改質ユニット140における改質処理のための改質器141、CO変成器142およびCO選択酸化器143の各温度などの条件を確認する。この改質処理の条件が満たされたことを認識すると、酸化ブロワ143Aを起動させてCO選択酸化器143へ空気を供給する。この空気の供給により、CO変成器142で変成されずに残留するCOをCO2に酸化させ、燃料ガス中のCOを除去させる。
そして、改質処理条件の確認後、改質ユニット140が安定したか否か、例えば安定する時間が経過したか否かを判断する。液面センサが、液体燃料が所定位置まで減ったことを認識し、さらに、制御装置は、温度検出手段により改質触媒が燃料ガス111Aを改質可能な温度に到達したことを認識すると、脱硫処理を実施する。すなわち、制御装置は、脱硫手段120の脱硫燃料バルブ112Bを開くとともに液体燃料ポンプ112Aを起動させる。さらに、液体燃料貯留タンク111に貯留する液体燃料111Aを脱硫手段120の脱硫器121へ液体燃料供給管112Cを介して供給させる。また、制御装置は、脱硫加熱手段により脱硫器121を加熱する。これにより、脱硫器121は、液体燃料の脱硫を開始する。そして、脱硫された液体燃料111Aは、気相分および液相分に分離されバッファタンク201に貯留される。
その後、制御装置は、改質ユニット140の安定時間が経過したことを認識すると、発電処理を実施する。
すなわち、制御装置は、バイパス経路165の切替バルブ165Aを閉じるとともに、燃料ガス流通経路163の燃料ガスバルブ163Aを開き、改質ユニット140で改質された水素リッチの改質ガスを、例えば60〜70℃に調整しつつ純水タンク133Bから供給される純水133Aにて加湿する。そして、加湿した改質ガスを燃料電池170の負極172へ供給させる。
さらに、制御装置は、酸素含有気体供給手段150の空気バルブ153を開くとともにブロワ151を駆動させ、空気を例えば60〜70℃に加熱しつつ純水タンク133Bから供給される純水133Aにて加湿する。そして、加湿した空気を燃料電池170の正極171へ供給させる。
これら加湿された空気および改質ガスの供給により、燃料電池170では供給された燃料ガスの水素と供給された空気中の酸素とが反応して水(純水133A)を生成させるとともに、正極171および負極172間に直流電力を発生させる。このようにして、定常運転処理に移行する。そして、バッファタンク201内の液体燃料111Aおよび気相ガスが増加することにより、バッファタンク201内の圧力が増加すると、制御装置は、気相バルブ125Bを開く。これにより、バッファタンク201から気相分が排出され、燃焼ガス供給経路125を介してバーナ141Aに流入される。
(停止処理)
次に、燃料電池システム100における動作として、停止時の動作である停止処理について説明する。
制御装置は、ブロワ151の駆動を停止させ、燃料電池170の正極171への空気の供給を停止させる。また、制御装置は、燃料ガスバルブ163Aおよび開閉バルブ146Aを閉じ、燃料ガスの燃料電池170への供給を停止する。そして、制御装置は、気相バルブ126Aを閉じて、バッファタンク201から気相分がバーナ141Aへ流入することを防止する。また、制御装置は、切替バルブ165Aを開き、改質ユニット140や燃料ガス流通経路163内の燃料ガスがバーナ141Aに流入可能とする。さらに、制御装置は、脱硫燃料バルブ124Aを閉じるとともに脱硫燃料ポンプ124Bの駆動を停止させる。これにより、バッファタンク201内の液体燃料111Aは、気化器131へ供給されない。ここで、制御装置は、脱硫加熱手段にて脱硫器121を加熱した状態を維持する。そして、脱硫器121では、液体燃料111Aを発生させ続け、バッファタンク201内には、液相分および気相分が貯まり続ける。
一方、制御装置は、水蒸気による充填処理を改質ユニット140に実施する。停止処理時では改質ユニット140は高温であることから、熱交換装置132で水蒸気を生成させ気化器131を介して、改質ユニット140に水蒸気を流入させる。すなわち、改質ユニット140に残留する気化液体燃料や燃料ガスなどは、水蒸気により押し出される。
水蒸気で充填する構成では、残留燃料等を改質ユニット140からごく短時間で排出できるものの、改質器141の改質触媒は温度が下がり続ける。制御装置は、温度検出手段により改質器141の改質触媒の温度が露点以下であることを検出する前に、給水経路133の搬送ポンプ133Cの駆動を停止させ、熱交換装置132への純水133Aの供給を停止させる。この純水133Aの供給停止により、水蒸気の発生が停止され、水蒸気による充填が停止される。
ここで、脱硫器121が運転中であるため、バッファタンク201内では、脱硫処理された液体燃料の体積が増加している。この液体燃料の体積の増加により、気相分の内圧が大きくなる。そして、制御装置は、気相分の圧力が改質器141の内圧と同じである、あるいは気相分の圧力の方が高いことを認識し、改質触媒の温度が水蒸気の露点となる前に、バルブ126Aを開く。このことにより、バッファタンク201内の気相分が改質器141に流入され、改質器141内の水蒸気が置換される。
つまり、この気相分の供給により、改質ユニット140内の水蒸気がバイパス経路165、146を介してバーナ141Aへ押し出される。
ここで、改質ユニット140が気相分により置換されるまで、脱硫器121の運転を続ける。
制御装置は、改質ユニット140内が気相分により置換されたことを認識した後、脱硫器121の加熱を停止し、脱硫器121を停止させる。制御装置は、燃料供給バルブ112Bを閉じるとともに液体燃料ポンプ112Aの駆動を停止させる。そして、制御装置は、流出バルブ122B1および保圧弁122B3を閉じる。これにより、脱硫器121で脱硫処理された液体燃料111Aはバッファタンク201に流入しなくなる。このことにより、液体燃料111Aは脱硫器121に流入しなくなる。気相分は、燃料電池システムの停止中、改質ユニット140の内部に残留するので、触媒などを劣化させることがない。なお、流出経路122Bに逆止弁を設け、バッファタンク201から脱硫器121に気相分および液相分が逆流しない構成でもよい。
さらに、制御装置は、送気ブロワ145Aの駆動を停止させ、バーナ141Aへの燃焼用空気の供給を停止させ、燃料電池システム100は稼働停止される。
〔実施の形態の効果〕
本実施の形態の燃料ガス製造装置300に、バッファタンク201に貯留された気相分を改質器141に供給する気相経路126と、改質器141に充填された改質触媒の温度を検出する温度検出手段と、気化手段130による原料ガスの生成が停止されたことを認識すると、温度検出手段により改質触媒が水蒸気の露点よりも高い時点で気化手段130により改質器141の内部に水蒸気を供給して改質触媒を冷却し、温度検出手段により改質触媒の温度が水蒸気の露点となることを認識する前に気相経路126を通して気相分を改質器141の内部に供給して水蒸気を置換する制御装置と、を設けた。
そのため、燃料電池システム100の停止時、制御装置は、気相経路126により改質器141の内部に気相分を送り込み水蒸気を追い出す。そのため、水凝縮を防止でき、改質触媒の活性低下を抑制できる。
さらに、燃料ガス製造装置300に、改質器141を加熱するバーナ141Aと、気相分および液相分を貯留するバッファタンク201と、このバッファタンク201に貯留された液相分の量を検出する液面センサとを設けた。そして、制御装置は、起動時に、バーナ141Aにより改質器141を加熱し、温度検出手段により改質触媒が原料ガスを改質可能な温度に到達したことを認識すると、気化手段130により原料ガスを発生させ、液量センサにより起動前にバッファタンク201に貯留された液相分が所定量まで減った事を認識した後に、脱硫手段120を稼動させて得られる液相分と気相分をバッファタンクに貯留させた。
このため、改質装置300を起動させる際、予めバッファタンク201の内部の液相分を低減させるので、バッファタンク201に液相分が流入してバッファタンク201から液相分が溢れ出すという不都合を防止することができる。
改質装置300の起動時にバッファタンク201内の液相分の液体燃料111Aの体積が減るので、気相分を貯留するための空間が十分得られる。そのため、起動した時点からすぐにパージ用ガスを貯留し始めることができる。
また、バッファタンク201に貯留された気相分の量は、改質器141の内部の水蒸気を少なくとも一回置換可能な量以上とした。
このため、改質器141の内部の水蒸気を気相分にて確実に置換することができる。
そして、気相分は、水素およびメタンを主成分とする。
このため、燃料電池システム100を起動する際、改質器141の内部に気相分が残留した状態で改質器141を加温しても、気相分は特定のガスにて構成されているので、改質触媒の活性の低下を抑制することができる。
燃料電池システム100に、改質装置300と、改質装置300により生成された水素を主成分とする燃料ガスと酸素含有気体とを利用して発電する燃料電池170と、を設けた。
燃料電池システム100は、改質装置300を備えるので、改質触媒の活性が低下することなく、燃料電池システムは、安定して運転できる。
本発明は、灯油などの液体燃料を原料として発電させる燃料電池システムに利用できる他、燃料電池の原料となる燃料ガスを製造する装置、さらには、液体燃料を脱硫処理する脱硫装置に利用できる。
本発明の一実施形態にかかる燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 前記一実施形態における脱硫装置の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
100………燃料電池システム
110………液体燃料供給手段
111A……液体燃料
121………脱硫器
121B……脱硫剤
122………熱交換器としての液体燃料熱交換器
122B……流通経路としての流出経路
122B3…保圧弁
124……移送経路としての脱硫燃料経路
125……燃料供給経路としての燃焼ガス供給経路
126……気相供給手段としての気相経路
130……気化手段
140……改質手段
141A…バーナ
150……酸素含有気体供給手段
170……燃料電池
201………貯留タンクとしてのバッファタンク
300……改質装置

Claims (9)

  1. 炭化水素を主成分とする液体燃料を脱硫して脱硫燃料を生成する脱硫手段と、
    前記脱硫燃料を気相分および液相分に分離し、それら両相とも貯留する貯留手段と、
    前記液相分に水蒸気を供給混合して原料ガスを発生する気化手段と、
    前記原料ガスを改質して水素を主成分とする燃料ガスを発生させる改質触媒を内部に有する改質器を備えた改質手段と、
    を備えた改質装置であって、
    前記貯留手段に貯留された前記気相分を前記改質器に供給させる気相分供給手段と、
    前記改質触媒の温度を検出する温度検出手段と、
    前記気化手段による前記原料ガスの生成が停止されたことを認識すると、前記温度検出手段により前記改質触媒が前記水蒸気の露点よりも高いことを認識した時点で前記気化手段により前記改質器の内部に前記水蒸気を供給して前記改質触媒を冷却し、前記温度検出手段により前記改質触媒の温度が前記水蒸気の露点以下となることを認識する前に前記気相分供給手段により前記気相分を前記改質器の内部に供給して前記水蒸気を前記改質器外部へ排出する制御手段と、
    を備えたことを特徴とした改質装置。
  2. 請求項1に記載の改質装置であって、
    前記改質手段は、更に前記改質器を加熱する加熱手段を備え、
    前記貯留手段は、前記気相分および前記液相分を貯留する貯留タンクと、この貯留タンクに貯留された前記液相分の量を検出する液量検出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記改質装置の起動時に、前記加熱手段により前記改質器を加熱し、前記温度検出手段により前記改質触媒が前記原料ガスを改質可能な温度に到達したことを認識すると、前記気化手段により前記原料ガスを発生させ、前記液量検出手段により、起動前に前記貯留手段に貯留された液相分が所定量まで減った事を認識した後に、前記脱硫手段を稼動させて得られる前記液相分の脱硫燃料と前記気相分を前記貯留タンクに貯留する
    ことを特徴とした改質装置。
  3. 請求項1又は2に記載の改質装置であって、
    前記貯留手段に貯留された気相分の量は、前記改質器の内部の前記水蒸気を少なくとも一回置換可能な量以上である
    ことを特徴とした改質装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の改質装置であって、
    前記制御手段は、前記気化手段による前記原料ガスの生成が停止されたことを認識すると、前記脱硫手段により前記脱硫燃料を生成させ、前記貯留手段により前記貯留タンクに前記液相分を貯留させて、前記貯留タンクに貯留された液相分の体積を増加させることにより前記貯留タンクに貯留された気相分を前記改質器の内部に送り込むことで、前記水蒸気を前記改質器外部へ排出する
    ことを特徴とした改質装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の改質装置であって、
    前記気相分は、水素およびメタンを主成分とする
    ことを特徴とした改質装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の改質装置と、
    前記改質装置により生成された水素を主成分とする燃料ガスと酸素含有気体とを利用して発電する燃料電池と、
    を備えたことを特徴とした燃料電池システム。
  7. 液状炭化水素を脱硫して脱硫燃料を生成し、前記脱硫燃料を気相分および液相分に分離して貯留タンクに前記気相分および前記液相分を貯留し、前記液相分の脱硫燃料に水蒸気を供給混合して原料ガスを発生し、改質器の内部に充填された改質触媒により前記原料ガスを改質して水素を主成分とする燃料ガスを発生させる改質装置の運転方法であって、
    前記原料ガスの生成を停止した後、前記改質触媒が前記水蒸気の露点よりも高い時点で前記改質器の内部に前記水蒸気を供給して前記改質触媒を冷却し、前記改質触媒の温度が前記露点以下となる前に前記改質器の内部に前記気相分を供給して前記改質器の内部の水蒸気を前記改質器外部へ排出する
    ことを特徴とする改質装置の運転方法。
  8. 請求項7に記載の改質装置の運転方法であって、
    前記改質装置の起動時に、前記改質触媒が前記原料ガスを改質可能な温度に到達すると、前記液相分の脱硫燃料に水蒸気を供給混合して発生させた原料ガスを前記改質器に供給させ、
    起動前に前記貯留タンクに貯留されていた前記液相分の脱硫燃料が所定量まで減ると、前記脱硫燃料を生成させて得られる前記気相分を前記貯留タンクに貯留し、前記原料ガスの生成を停止した後、その貯留した気相分を、前記改質触媒の温度が前記露点以下となる前に前記改質器の内部に供給して、前記改質器の内部の水蒸気を前記改質器外部へ排出する
    ことを特徴とする改質装置の運転方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の改質装置の運転方法であって、
    前記原料ガスの生成を停止する前に、前記改質器の内部の水蒸気を少なくとも一回置換可能な量以上の前記気相分を前記貯留タンクに貯留する
    ことを特徴とする改質装置の運転方法。
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