JP2010113871A - 導光板の成形方法および導光板の成形金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】出光面と入光面が対向する面に設けられ、入光面には光源が納められる凹状部が設けられた導光板をキャビティ内で成形する際に、平坦面をはじめとした各部にヒケがない導光板を成形することのできる導光板の成形方法および成形金型を提供する。
【解決手段】入光面P1と出光面P2が対向する面に設けられ、入光面P1には光源が納められる凹状部P4が設けられた導光板Pを成形金型12のキャビティC内で成形する際に、成形金型12の固定金型13と可動金型15のいずれか一方の金型には入光面P1の凹状部P4を形成するための凸状部21を有する入光面形成面20が設けられ、いずれか他方の金型には出光面形成面48が設けられ、形成されたキャビティCにおいて入光面形成面20と出光面形成面48の間隔は変更可能となっており、キャビティC内に射出された溶融樹脂を圧縮して成形する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、出光面と入光面が対向する面に設けられ、入光面には光源が納められる凹状部が設けられた導光板をキャビティ内で成形する導光板の成形方法および成形金型に関する。
近年、テレビジョンやパーソナルコンピュータ等のプラズマ表示装置や液晶表示装置の光源として球状や半球状の白色発光ダイオード(LED)が用いられるようになってきた。そして球状や半球状の白色発光ダイオード(LED)を光源として用いる場合には両面が平坦面からなる導光板以外に、特許文献1ないし特許文献3に示されるように、出光面と入光面が対向する面に設けられ、入光面に光源が納められる凹状部が設けられた導光板が用いられることが増えてきた。前記入光面に光源が納められる凹状部が設けられた導光板は、光源からの光をロスなく導光板内に入光させ分散させて出光面から出光する点では有利である。
前記導光板は、特許文献1に示されるように出光面が平坦面のものと、特許文献2、特許文献3に示されるように入光面の凹状部と対向する出光面の位置に凹状部が設けられているものが存在する。そして特許文献2では凹状部に微細な転写パターンを設けることが記載され、特許文献3には出光面の平坦面に転写パターンを設けることが記載されている。また特許文献1の図1には導光板の周辺部(側面)を波型にして他の導光板と接続することが記載されており、特許文献2の図4には入光面の凹状部の周囲を環状突起部とする(突出した部分に凹状部を形成する)ことが記載されている。これらの導光板は、成形上の困難性や装置が大型化することから、比較的小型の導光板を複数枚成形し、それらを組み合わせて使用する場合が多い。
前記導光板の成形方法は、平坦部の板厚は厚めであり凹状部もあるので、押出成形は適切でなく、通常は射出成形により成形されている。しかし前記導光板を一般的な射出成形により成形した場合、入光面の凹状部以外の平坦面と出光面の平坦面の間における平坦部が比較的厚肉であるので、前記平坦面の部分が冷却収縮によりヒケて一定厚みに成形できないという問題があった。前記ヒケ対策のために保圧をかけることが考えられるが、キャビティのゲート側とゲートから遠方側で均一に保圧をかけることが出来ないという問題があった。また転写パターンがある導光板の場合は、転写パターンが良好に成形できないという問題があった。更に周辺部や入光面が突出した部分が形成された導光板をアクリル樹脂で成形する場合は、突出した部分の充填度合いを適切にコントロールできないことから突出した部分に過充填によるクラックや割れ、または充填不足が発生するという問題があった。
特開2007−206398号公報(請求項1、図1、図2) 特開2006−286217号公報(請求項1、0017、図2、図3) 特開2007−42320号公報(請求項1、図1)
そこで本発明では、出光面と入光面が対向する面に設けられ、入光面には光源が納められる凹状部が設けられた導光板をキャビティ内で成形する際に、平坦面(転写平坦面を含む)をはじめとした各部にヒケがない導光板を成形することのできる導光板の成形方法および成形金型を提供することを目的とする。また前記の入光面には光源が納められる凹状部が設けられた転写面を有する導光板を成形する際に、転写パターンを良好に成形することができる導光板の成形方法および成形金型を提供することを目的とする。更に前記の少なくとも入光面には光源が納められる凹状部が設けられた導光板において、周辺部や入光面に突出した部分が形成されている場合には、突出した部分に過充填によるクラックや割れ、または充填不足を発生させずに成形することができる導光板の成形方法および成形金型を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の導光板の成形方法は、出光面と入光面が対向する面に設けられ、入光面には光源が納められる凹状部が設けられた導光板を成形金型のキャビティ内で成形する導光板の成形方法において、前記成形金型の固定金型と可動金型のいずれか一方の金型には入光面の前記凹状部を形成するための凸状部を有する入光面形成面が設けられ、いずれか他方の金型には出光面形成面が設けられ、形成されたキャビティにおいて前記入光面形成面と前記出光面形成面の間隔は変更可能となっており、キャビティ内に射出された溶融樹脂を圧縮して成形することを特徴とする。
また本発明の請求項5に記載の導光板の成形金型についても、出光面と入光面が対向する面に設けられ、入光面には光源が納められる凹状部が設けられた導光板を成形金型のキャビティ内で成形する導光板の成形金型において、前記成形金型の固定金型と可動金型のいずれか一方の金型には入光面の前記凹状部を形成するための凸状部を有する入光面形成面が設けられ、いずれか他方の金型には出光面形成面が設けられ、形成されたキャビティにおいて前記入光面形成面と前記出光面形成面の間隔は変更可能となっており、キャビティ内に射出された溶融樹脂を圧縮して成形することを特徴とする。
本発明の導光板の成形方法および成形金型は、出光面と入光面が対向する面に設けられ、入光面には光源が納められる凹状部が設けられた導光板を成形金型のキャビティ内で成形するに際して、成形金型の固定金型と可動金型のいずれか一方の金型には前記入光面の凹状部を形成する凸状部を有する入光面形成面が設けられ、いずれか他方の金型には出光面形成面が設けられ、形成されたキャビティにおいて前記入光面形成面と前記出光面形成面の間隔は変更可能となっており、キャビティ内に射出された溶融樹脂を圧縮して成形するので、平坦面(転写平坦面を含む)をはじめとした各部にヒケがない成形品を成形することができる。
本発明の実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。図1は、本実施形態の導光板の射出成形機の要部と成形金型の断面を表わした図である。図2は、同じく本実施形態の導光板の射出成形機の要部と成形金型の可動金型を固定盤側から見た正面図である。図3は、本実施形態の導光板の成形方法を示すチャート図である。図4は、本実施形態の入光面に光源が納められる凹状部が設けられた導光板の斜視図である。図5は、前記導光板の図4におけるA−A線の断面を示すとともに前記導光板と光源の関係を示す図である。
まず最初に本実施形態に用いられる導光板Pについて図4および図5により説明する。導光板Pは、上記した特許文献1ないし特許文献3に記載されるものと技術的な共通性を有する導光板であって、入光面P1と出光面P2が対向する両面(表示装置と平行となる両主面)に形成されている。そして図4および図5では下側の面として示される導光板Pの入光面P1(本願明細書では直接光源L1から光が入光する部分だけでは無く、裏面全体を入光面P1と呼ぶ)は、大半の部分が平坦面P3からなり、光源L1である半球状の白色発光ダイオード(LED)が納められる凹状部P4が形成されている。なお本実施形態において凹状部P4は中心線であるA−A線に沿って一定の間隔を隔てて3個所に形成されるが個数は限定されず、一例として矩形の配置位置に4,6,8,9個等が形成されていてもよい。本実施形態において入光面P1の凹状部P4は球面状をしているが、円錐状や角錐状、または四角形等の形状でもよい。また前記凹状部P4に微細な凹凸パターン等を形成してもよい。そして前記凹状部P4の周囲には環状突起部P5が形成されている。環状突起部P5は導光板Pに対する光源L1の高さを規定したり光源L1を取付ける際に用いられる部分である。従って環状突起部P5の高さが高い場合、凹状部P4の底部P6が平坦面P3よりも更に裏面側となる場合もあり得る。また場合によっては環状突起部P5を設けない場合もあり得る。更にまた裏面の平坦面P3は、パターンが転写された平坦転写面とする場合もある。
またそして図4および図5では上側の面として示される導光板の出光面P2(表面)は、大半の部分が平坦面P7からなり、入光面P1の凹状部P4に対向する出光面P2の位置に凹状部P8が3個所に形成されている。本実施形態において出光面P2の凹状部P8はプリズム形状をしており、光源L1から投光された光をプリズム形状の傾斜面によって反射させ出光面P2全体に分散する働きをしている。なお凹状部P8は、前記以外に、円錐状であって平坦面P7とはなだらかに接続されているもの、角錐状(プリズム状)のもの、および球面状等の形状のもの等でもよい。また出光面P2の凹状部P8は必ずしも必要でなく全ての面を平坦面P7としてもよい。そして前記出光面P2の平坦面P7についても微細な転写パターンが形成された転写平坦面としてもよく、凹状部P8も微細な凹凸パターン等を有する転写面としてもよい。そして前記導光板Pは出光面P2の平坦面P7(転写平坦面を含む)と入光面P1の平坦面P3(転写平坦面を含む)の間の平坦部P9の板厚は4mmとなっている。なお導光板Pの平坦部P9の板厚は、入光面P1側の凹状部P4に納められる光源L1から光を分散して出光するために2mm〜8mmの板厚を有することが望ましい。また出光面P2の凹状部P8の底部P10と入光面P1の凹状部P4の底部P6の間における最も薄い部分(両面が凹状球面の場合は凹レンズ部)P11の板厚は1mmとなっており、前記平坦部P9の板厚の25%となっている。なお前記最も薄い部分P11の板厚は、前記平坦部P9の板厚の10%〜50%とすることが望ましい。
また図4に示されるように約32mm×50mmの概略四角形状に近い導光板Pの周辺部(側面)は、それぞれ凸状部P12と凹状部P13が連続する波型となっている。そして本実施形態の導光板Pは他の導光板Pと隙間なく接続されて表示装置の導光板が形成されるようになっている。なお導光板Pの周辺部(側面)を平面視で波型にするのは他の導光板Pと接続されて連続する導光板として表示装置として使用した際に接続線が明確にならないためである。従って導光板Pの周辺部は、波型に限定されず鋭角突起とV溝や、角突起と角溝などを組合わせたもの等でもよい。また導光板Pは正方形または長方形とし、周辺部を直線としたものでもよい。また表示装置の周辺となる部分の導光板Pのみを波型と直線を組み合わせたピースとしてもよい。そしてまた射出成形機11や成形金型12等の設備は大型化するが、表示装置の全体を1枚の導光板Pによってカバーするようにしてもよい。
次に本実施形態の導光板を成形する射出成形機11と成形金型12について説明する。射出成形機11は射出圧縮成形(射出プレスを含む)を行うことが可能な射出成形機であり、固定金型13が取付けられた固定盤14に対して可動金型15が取付けられる可動盤16が移動する型締装置10と加熱筒38内で溶融樹脂を可塑化しノズル39から射出する射出装置40を備え、加熱筒38内には直径28mmの図示しないスクリュが挿入されている。そして本実施形態を行う限りにおいては高速射出を行う射出装置は必要ではない。
図1および図2に示されるように、成形金型12は前記した導光板Pを成形する金型であって、固定金型13と可動金型15とからなり、型合わせされた両金型13,15の間には容積および厚さが可変のキャビティCが形成され、キャビティC内に射出された溶融樹脂を圧縮して成形することが可能となっている。可動金型15の金型本体部17の固定金型側の面における略中央には、コア部18が固着されており、コア部18の前面側はキャビティ形成ブロック19となっている。そしてキャビティ形成ブロック19の固定金型13と対向する面は、入光面形成面20が形成されている。入光面形成面20は、前記導光板Pの入光面P1の形状に応じて、凹状部P4を形成する凸状部21と、その周囲に環状突起部P5を形成する環状凹部22が形成されている。また入光面形成面20の凸状部21と環状凹部22以外の部分は平坦面P3を形成する平坦面形成面23となっている。そして入光面P1の凹状部P4や平坦面P3を転写面とする場合は、それに応じた転写パターンが加工されている。なお図2に示されるようにコア部18のキャビティ形成ブロック19を固定金型側から見た形状は、波型の導光板Pの外周形状に一致せずに導光板Pの凹状部P13よりも内側に入る長方形となっている。またコア部18のキャビティ形成ブロック19の裏面側には、前記入光面形成面20と平行に複数本の冷却媒体流路24が形成されている。
前記金型本体部17の固定金型側の面における複数箇所には、バネ25が前記固定金型側に向けて取付けられている。そして前記バネ25の前記固定金型側は、キャビティ形成ブロック19を含むコア部18の周囲を囲むよう配設される可動枠部26に取付けられている。従って換言すれば可動枠部26によって形成された空洞部の中にコア部18が配設されている。そして可動枠部26が前記バネ25により金型本体部17およびコア部18に対して型開閉方向に移動可能となっている。そして可動枠部26の固定金型13と対向する面は当接面27となっている。また可動枠部26の内側はコア部18との当接する当接面は平坦面(一部にガス抜きベントを設ける場合あり)から構成されている。また可動枠部26の内側におけるキャビティ側面を形成する部分には、導光板Pの凸状部P12と凹状部P13からなる波型の周辺部の側面形状に対応して、波型面28が形成されている。波型面28は、可動枠部26の当接面27に隣接する前端から型開閉方向に4.0mmの部分までに形成されている。また可動枠部26には、前記波型面28に連続して入光面形成面20と平行な可動枠部側の入光面形成面29が形成されている。可動枠部側の入光面形成面29は、外側が波型であって内側は可動枠部26の当接面に接続されるので直線となっている。
また図2に示されるように可動金型15の2面のコア部18とコア部18の間の可動枠部26はランナ形成ブロック30となっており、表面にはランナ形成面31が成形されている。なお可動枠部26をいくつのブロックから構成するかは設計事項の範囲内である。また可動枠部26は図示しないバネによりキャビティC側に向けて押圧されるようにしてもよい。
金型本体部17の内部の空間にはエジェクタプレート32がバネ33により後方に向けて付勢されており、エジェクタプレート32には突出ピン34が複数固定されている。そしてキャビティCに向けて一例として8本の突出ピン34が設けられ、前記突出ピン34の先端面は前記入光面形成面20の一部を形成している。また中央の突出ピン35はランナおよびスプルの突出用のピンであって、その先端面には食込み部が設けられている。そしてエジェクタプレート32の後方には図示しないエジェクタ装置のエジェクタロッド36が当接されるようになっている。金型本体部17には後述する固定金型13に設けられたガイドロッド53が挿入されるガイド穴37が複数箇所に設けられている。なお本実施形態では成形金型12にゲートカット機構は設けられていないがゲートカット機構を設けるようにしてもよい。
なお入光面形成面20を一方の金型である可動金型15の側に形成し、出光面形成面48を他方の金型である固定金型13の側に形成した理由は、まず第1に、突出ピン34による突出時の跡が、入光面P1の光源L1から光が直接入光する部分以外の平坦面P3に残っても支障が殆どないからである。また第2に、凹状部P4や環状突起部P5が形成されて比較的形状が複雑な入光面P1を可動金型側とすることにより、型開時に成形された導光板Pが可動金型側に残りやすくするためである。しかしながら入光面形成面20を一方の固定金型13の側に形成し、出光面形成面48を他方の金型である可動金型15の側としてもよく、その場合は入光面P1の平坦面P3にダイレクトゲートを設けることも考えられる。
次に固定金型13について説明すると、図1に示されるように、図示しない射出成形機11の固定盤14に取付けられる固定金型13は、金型本体部41、キャビティ形成ブロック42、ランナ形成ブロック43、スプルブッシュ44、当接ブロック45等から形成されている。そして金型本体部41の固定盤側には射出装置40のノズル39が挿入される穴46が形成され、その周囲にはロケートリング47が取付けられている。金型本体部41の可動金型側にはキャビティ形成ブロック42が取付けられ、該キャビティ形成ブロック42の可動金型15と対向する面は、導光板Pに出光面P2を形成する出光面形成面48となっている。そして出光面形成面48には、出光面P2の凹状部P8を形成するための凸状部49と平坦面P7を形成するための平坦面形成面50が形成されている。なお導光板Pの凹状部P8または平坦面P7を転写面とする場合は、出光面形成面48に転写用のパターンを形成する。そしてキャビティ形成ブロック42の裏面側とスプルブッシュ44の周囲には、冷却媒体流路51が複数形成されている。
金型本体部41の中央には、キャビティ形成ブロック42の間の位置には、キャビティCに向けてランナを形成するランナ形成ブロック43が配設されている。ランナ形成ブロック43は、その中央部に可動金型側に向けて拡径された孔が設けられたスプルブッシュ44が配設されている。また金型本体部41にキャビティ形成ブロック42が固定された部分の外側には当接ブロック45がキャビティ形成ブロック42を取囲むように形成されている。そして前記当接ブロック45の可動金型側の面は、可動金型15の可動枠部26の当接面27と当接する当接面52となっている。また金型本体部41の前記当接ブロック45が固定された部分の外側には、複数のガイドロッド53が可動金型15に向けて固定されている。
次に図3のチャート図により、本実施形態の射出成形機11および成形金型12を用いた導光板Pの成形方法について説明する。本実施形態の導光板Pの成形方法では、アクリル樹脂(PMMA)を使用して上記形状の導光板Pを約35秒の成形サイクル時間で成形している。可動金型15の入光面形成面20を冷却する冷却媒体流路24、固定金型13の出光面形成面48およびスプルブッシュ44を冷却する冷却媒体流路51へは、温調器により70℃の冷却媒体(冷却水)を流している。なお成形される樹脂がアクリル樹脂である場合、ガラス転移温度Tgより30〜60℃低い、50〜80℃程度に温度制御された冷却媒体(冷却水)を各部に流通することが好ましい。
また射出装置40の加熱筒38の前部ゾーン(最もノズル39に近いゾーン)は250℃に温度設定され、溶融樹脂が計量されている。なおアクリル樹脂を用いた場合の前記加熱筒38の前部ゾーンの温度設定は、220〜270℃に温度設定されることが望ましい。型締装置10の作動により型開状態から可動盤16および可動金型15を固定盤14および固定金型13に向けて移動させる。そして固定金型13の当接ブロック45の当接面52に対して前記可動金型15の可動枠部26の当接面27を当接させることにより型閉が行われ、板厚および容積可変のキャビティCが形成される。次に型締力をバネ25の弾発力に打ち勝つ程度に上昇させ、可動金型15の金型本体部17とコア部18を前進させる。そしてキャビティCの厚み(入光面形成面20の平坦面形成面23と出光面形成面48の平坦面形成面50の間隔)が、導光板Pの平坦部P9の板厚4.0mmに対して4.1mmとなった位置で可動金型15のコア部18の移動を停止するよう位置制御を行う。そしてこの停止位置で型締装置10をロックする。この停止位置は、導光板Pの平坦部P9の板厚に対して3%ないし10%を加えた程度の距離が望ましい。
次に所定の遅延時間が経過すると、既にスプルブッシュ44に当接された射出装置40のノズル39から、該スプルブッシュ44を介して射出速度12.5mm/secで射出を行う。なおこの射出速度は、5〜100mm/secの比較的低速とすることがより一層望ましい。このような低速の射出速度とすることにより、入光面形成面20の凸状部21やその周囲の環状凹部22の部分でエアを巻き込んだりウエルドが発生したりすることなくより均一な導光板Pを成形することができる。この際、型締装置10は低圧で型締力制御を行っており、可動金型15の金型本体部17およびコア部18は、射出時の圧力によって一時的に更に後退されることを許容する。前記後退量は、図3に示されるように本実施形態では0.1mmであり4.2mmまでキャビティ間隔が広げられる。なお射出時の型開き量は、導光板Pの板厚に対して3%ないし10%を加えた程度の距離が望ましい。または射出速度が遅いので位置制御または速度制御により型開きを行ってもよい。そしてその結果、可動枠部26は、コア部18よりも相対的に前方位置となり、固定金型13の出光面形成面48と可動金型15の入光面形成面20との間隔は、導光板Pの平坦部P9の板厚に対して0.2mmほど広がる。そしてキャビティCの断面積が大きくなったことから、流動損失を小さくして溶融樹脂を射出することができる。またその結果、溶融樹脂を比較的低速・低圧で射出することができる。
そして図3に示されるように、射出装置40の加熱筒38内のスクリュ位置が所定の位置(本実施形態では最前進位置から2.0mmの位置)に到達すると、射出の途中で型締装置10を再作動させ急速昇圧を開始する。そして射出開始からスクリュが保圧切換位置へ到達するまでに要する時間(充填時間)は1.5秒であり、保圧切換位置に到達すると射出制御から保圧制御に切換えられ、1秒間保圧が加えられる。一方型締装置の側においては、型締力180kN(その全てが溶融樹脂に掛かるとすると面圧56.25MPa)まで0.1秒ないし0.3秒で急速に昇圧がなされた後、2.0秒間、前記型締力となるようクローズドループにより型締力を制御(面圧を圧力制御)し、キャビティC内の溶融樹脂を圧縮する。その際に図3に示されるようにキャビティCの出光面成形面48の平坦面形成面50と入光面形成面20の平坦面形成面23の間隔は、4.2mmから導光板の板厚である4.0mmまで圧縮がなされる。前記2秒が経過すると、型締装置10側においては型締力100kN(その全てが溶融樹脂に掛かるとすると面圧31.25MPa)まで1秒間かけてスロープにて型締力を下降制御する。
その際可動金型15のコア部18の位置は、まだ溶融樹脂の冷却固化が完了していないので再び型締力の下降とともにバネ25の付勢力も相俟って後退し、キャビティCの出光面成形面48の平坦面形成面50と入光面形成面20の平坦面形成面23の間隔は、再び4.2mm程度となる。しかしその後キャビティCの前記平坦面形成面23と前記平坦面形成面50の間隙は、型締装置10による圧縮は継続されているので、溶融樹脂の冷却収縮の進行するとともに再びコア部18が前進して狭くなり、最終的に導光板Pの平坦部P9の板厚である4.0mmとなる。この再型開挙動は、成形金型12の構造(特にバネ25の弾発力)、型締力を低下させる程度やタイミング、および成形品の形状等により異なるが、キャビティC内での溶融樹脂を均一化させ、内部応力を緩和するために有効な対策の一つと考えられている。なおこの再型開挙動が行われないものも本発明に含まれることは言うまでもない。
この際に外側が波型の可動枠部側の入光面形成面29の前方部分のキャビティC内へは直接圧縮力を及ぼすことはできないが、すぐ隣のコア部18の入光面形成面20の部分は圧縮されるのでその部分から流動した溶融樹脂によりほぼ均一に圧縮される。そして成形金型12には圧縮シロが残った状態で圧縮を完了する。
冷却が完了すると導光板Pは、可動金型15の側に貼り付いた状態で型開される。型開されると、バネ25が伸長して可動枠部26に対してコア部18が相対的に後退するため、導光板Pが離型されやすくなる。またコア部18と可動枠部26の間から離型エアを噴出するようにしてもよい。そして図示しないエジェクタ装置のエジェクタロッド36の作動により突出ピン34が前進され、導光板Pは、入光面P1の平坦面P3がランナともに突出されるとともに図示しない取出機により吸着保持される。なお取出された導光板Pについては、ゲート部分が、他の導光板Pと接合された際に隙間がないよう仕上げ処理されて完成品となる。
次に図6に示される別の実施形態の導光板の成形金型61について説明する。この別の実施形態の例は、成形金型61におけるキャビティの数を1個とするとともに、成形金型61におけるキャビティの配置を斜め方向とした点が主な変更点である。技術思想自体は、図1等の例と同じである。従って説明を大幅に省略し、相違点を中心に説明する。
別の実施形態の成形金型61は、図示しない固定金型と可動金型62の間には容積および厚さが可変のキャビティが形成されるようになっている。可動金型62は、金型本体部63に固定されるコア部64とバネによって移動可能な可動枠部65,66等が設けられ、コア部64に対して可動枠部65,66が型開閉方向に相対的に位置変更可能となっている。そしてコア部64には入光面を形成する入光面形成面67が形成されている。入光面形成面67には、平坦面を形成する平坦面形成面と5個の凹状部を形成する凸状部68が形成されている。本実施形態で成形される導光板は、各辺が直線からなる四角形をしており、導光板の4つの角部のうちの二つの角部が上下となり、残りの二つの角部が水平方向となるようキャビティが配置されている。そして水平方向に設けられた角部の一方に、ゲート69が設けられている。またゲート69にはランナが接続され固定金型のスプルに接続されている。
可動枠部65,66は2個のブロックからなり、それぞれがコア部64の入光面形成面67の2辺に当接される。また可動枠部65,66の正面は、当接面70,71となっている。本実施形態では右側の可動枠部65の後ろ側のブロックの側方にはブロック72が前方に向けて固着され、ブロック72と可動枠部65の間に設けられたバネ73により可動枠部65の前方側のブロックをコア部64側に押圧している。また左側の可動枠部66よりも更に左側の金型本体部63には、型締完了時に固定金型の当接ブロックと当接する当接ブロック74が固着されている。また金型本体部63には型開閉時にガイドロッドが挿入されるガイド穴75が形成されている。図示しない固定金型は、前記可動金型62の可動枠部65,66の当接面70,71と当接される当接ブロックが形成され、型が当接される際に前記当接面同士が当接され、板厚および容積が可変のキャビティが形成されるようになっている。なお成形金型61を用いた成形方法についても射出圧縮成形(射出プレスを含む)により溶融樹脂の圧縮成形がなされる。なお、射出速度を低速にする点等も上記の図1等に示される実施形態と同じである。
また本発明は、上記以外の成形金型でも成形可能である。一例としてキャビティの数は1個以上で8個取り程度までが想定される。そしてまた本発明は、いわゆるインロー金型と称される一方の金型のコア部が他方の金型の凹部(キャビ部)に挿入されて容積可変のキャビティが形成される金型を使用してもよい。また成形金型は、ホットランナを使用したものでもよい。
更に本発明は、アクリル樹脂以外の樹脂を用いても成形可能である。一例としてポリカーボネート樹脂や、他のオレフィン系樹脂等を使用してもよい。環状オレフィン樹脂としては、アートン、アペル、ゼオノア(それぞれ登録商標)等があげられる。また他の光学製品用の樹脂材料や前記樹脂材料等を混合した樹脂でもよい。そしてアクリル樹脂以外の樹脂材料を使用する場合も、一般的にはガラス転移温度Tgより30〜60℃低い温度により成形金型を温調することが望ましい。
本発明については、一々列挙はしないが、上記した本実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。
本実施形態の導光板の射出成形機の要部と成形金型の断面を表わした図である。 本実施形態の導光板の射出成形機の要部と成形金型の可動金型を固定盤側から見た正面図である。 本実施形態の導光板の成形方法を示すチャート図である。 本実施形態の入光面に光源が納められる凹状部が設けられた導光板の斜視図である。 前記導光板の図4におけるA−A線の断面を示すとともに前記導光板と光源の関係を示す図である。 別の実施形態の導光板の成形金型の可動金型を固定金型側から見た正面図である。
符号の説明
11 射出成形機
12,61 成形金型
13 固定金型
15,62 可動金型
18,64 コア部
20,67 入光面形成面
21,68 凸状部
26,65,66 可動枠部
40 射出装置
48 出光面形成面
C キャビティ
P 導光板
P1 入光面
P2 出光面
P3,P7 平坦面
P4 光源が納められる凹状部
P8 凹状部
P9 平坦部
P11 最も板厚が薄い部分
L1 光源

Claims (6)

  1. 出光面と入光面が対向する面に設けられ、入光面には光源が納められる凹状部が設けられた導光板を成形金型のキャビティ内で成形する導光板の成形方法において、
    前記成形金型の固定金型と可動金型のいずれか一方の金型には入光面の前記凹状部を形成するための凸状部を有する入光面形成面が設けられ、
    いずれか他方の金型には出光面形成面が設けられ、
    形成されたキャビティにおいて前記入光面形成面と前記出光面形成面の間隔は変更可能となっており、
    キャビティ内に射出された溶融樹脂を圧縮して成形することを特徴とする導光板の成形方法。
  2. 前記導光板は平坦部の板厚が2mm〜8mmであり、入光面の前記凹状部と対向する出光面の位置には凹状部が設けられており、入光面の前記凹状部と出光面の凹状部の間における最も薄い部分の板厚は前記平坦部の板厚の10%〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の導光板の成形方法。
  3. キャビティの間隔を導光板の板厚よりも開いた状態で溶融樹脂を射出し、キャビティの間隔を更に開いた後、導光板の板厚まで圧縮することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導光板の成形方法。
  4. 射出装置から5mm/sec〜100mm/secの低速で溶融樹脂をキャビティ内に射出し、射出の途中でキャビティ内に射出された溶融樹脂を圧縮して成形することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の導光板の成形方法。
  5. 出光面と入光面が対向する面に設けられ、入光面には光源が納められる凹状部が設けられた導光板を成形金型のキャビティ内で成形する導光板の成形金型において、
    前記成形金型の固定金型と可動金型のいずれか一方の金型には入光面の前記凹状部を形成するための凸状部を有する入光面形成面が設けられ、
    いずれか他方の金型には出光面形成面が設けられ、
    形成されたキャビティにおいて前記入光面形成面と前記出光面形成面の間隔は変更可能となっており、
    キャビティ内に射出された溶融樹脂を圧縮して成形することを特徴とする導光板の成形金型。
  6. 前記導光板は平坦部の板厚が2mm〜8mmであり、入光面の前記凹状部と対向する出光面の位置には凹状部が設けられており、入光面の前記凹状部と出光面の凹状部の間における最も薄い部分の板厚は前記平坦部の板厚の10%〜50%であることを特徴とする請求項5に記載の導光板の成形金型。
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