JP2010112308A - 制御装置 - Google Patents

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隆弘 飯田
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Toshiro Itatsu
俊郎 板津
Akio Matsunaga
彰生 松永
Hiroshi Enomoto
弘 榎本
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Abstract

【課題】内燃機関またはそれに付帯する装置のスライディングモード制御において、ノミナルポイントからの距離が離れている場合の制御収束性の向上を図る。
【解決手段】内燃機関またはそれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、制御入力Uをプラントに入力した結果得られる実測の制御出力Yと、同じ制御入力Uをプラントのノミナルモデルに代入して算出される仮想の制御出力との差に基づき、非線形入力を規定する切換ゲインk及びチャタリング低減のための平滑化係数ηをオンラインで更新し、それら切換ゲインk及び平滑化係数ηを用いて制御入力Uを演算するスライディングモード制御装置5を構成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関またはそれに付帯する装置をスライディングモード制御する制御装置に関する。
下記特許文献1に開示されている排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)システムは、過給機を備えた内燃機関のEGR率(または、EGR量)を制御するものである。過給圧とEGR率との間には相互干渉が存在し、1入力1出力のコントローラで過給圧、EGR率の両方を同時に制御することは難しい。しかも、内燃機関の運転領域によって応答性が異なる上、過給機にはターボラグ(むだ時間)がある。このような事情から、特許文献1に記載のシステムでは、非線形制御対象に対して有効な制御手法であるスライディングモード制御を採用し、相互作用を考慮した他入力多出力のコントローラを設計してEGR制御をしている。
特開2007−032462号公報
スライディングモード制御では、制御対象プラントの現在状況、具体的には内燃機関の運転領域等がノミナルポイントから離れている場合に、制御収束性に多少の遅れが発生する。プラントの現在状況がノミナルポイントからどの程度乖離しているのかを把握できれば、その距離に応じて制御入力に補正を加えるといった対処が可能となる。が、従前のスライディングモードコントローラでは、プラントの現在状況とノミナルポイントとの距離を検出することは困難である。
以上に鑑みてなされた本発明は、内燃機関またはそれに付帯する装置のスライディングモード制御において、ノミナルポイントからの距離が離れている場合の制御収束性の向上を図ることを所期の目的としている。
本発明では、内燃機関またはそれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、制御入力をプラントに入力した結果得られる実測の制御出力と、同じ制御入力をプラントのノミナルモデルに代入して算出される仮想の制御出力との差に基づき、非線形入力を設計する切換ゲイン及びチャタリング低減のための平滑化係数を決定し、それら切換ゲイン及び平滑化係数を用いて非線形入力を得ることを特徴とする制御装置を構成した。
例えば、内燃機関の運転領域がノミナルポイントからどの程度乖離しているのかを見積もるためには、エンジン回転数、燃料噴射量、冷却水温、大気圧やその他の多種多様な値を取得してこれらを計算式に代入する煩瑣な処理が必要になる。本発明の制御装置を用いるならば、ノミナルポイントからの距離を直接に算定することなしに、制御収束性の向上を実現することができる。また、本発明では、プラントのモデル自体、即ち状態方程式における係数行列や入力行列等のパラメータのオンライン更新を伴わないので、電子制御装置(Electronic Control Unit)の演算負荷を徒に増大させることもない。
実測の制御出力と仮想の制御出力との差と、切換ゲイン及び平滑化係数との関係を定めたマップを予め記憶しておき、このマップを参照して切換ゲイン及び平滑化係数を決定するものとすれば、ECUの演算負荷の軽減に奏効する。
さらに、プラントの現在状況に基づき、制御入力の適応項を設計する適応ゲインをも決定し、それを用いて適応項を得ることとすれば、制御収束性を一層高めることができる。
本発明によれば、内燃機関またはそれに付帯する装置のスライディングモード制御において、ノミナルポイントからの距離が離れている場合の制御収束性の向上を図り得る。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示すものは、本発明の適用対象の一であるEGRシステムである。内燃機関2に付帯するこのEGRシステムは、吸排気系3、4における複数の流体圧または流量に関する値を検出するための計測器(または、センサ)11、12と、それらの値に目標値を設定し、各値を目標値に追従させるべく複数の操作部45、42、33を操作する制御装置たるECU5とを具備してなる。
内燃機関2は、例えば過給機を備えたディーゼルエンジンである。内燃機関2の吸気系3には、可変ターボのコンプレッサ31を配設するとともに、その下流に吸気冷却用のインタークーラ32、及び吸入空気(新気)量を調節するDスロットルバルブ33を設ける。また、吸入空気量を計測する流量計11、吸気管内圧力を計測する圧力計12をそれぞれ設置する。
内燃機関2の排気系4には、コンプレッサ31を駆動するタービン41を配設し、タービン41の入口には過給機のA/R比を増減させるためのノズルベーン42を設ける。そして、内燃機関2の燃焼室より排出される排気ガスの一部を吸気系3に還流させるEGR通路43を形成する。EGR通路43は、吸気系3におけるスロットルバルブ33よりも下流に接続する。EGR通路43には、排気冷却用のEGRクーラ44と、通過する排気ガス(EGRガス)量を調節する外部EGRバルブ45とを設ける。
本実施形態では、EGR率(または、EGR量)と、吸気管内圧力とについて各々目標値を設定し、双方の制御量を一括に目標値に向かわせるべく複数の操作部、即ちEGRバルブ45、可変ターボのノズル42及びスロットルバルブ33を操作する制御を実施する。
EGRバルブ45、ノズルベーン42、スロットルバルブ33は、ECU5により統御されてその開度をリニアに変化させる。各操作部45、42、33は、駆動信号のデューティ比を増減させることで開度を変える電気式のバルブや、あるいはバキュームコントロールバルブ等と組み合わされ弁体のリフト量を制御して開度を変える機械式のバルブ等を用いてなる。
ECU5は、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはフラッシュメモリ、A/D変換回路、D/A変換回路等を包有するマイクロコンピュータである。ECU5は、EGR率及び吸気管内圧力を検出するための計測器11、12の他、エンジン回転数、アクセルペダルの踏込量、冷却水温、吸気温、外部の気温、気圧等を検出する各種計測器(図示せず)と電気的に接続し、これら計測器から出力される信号を受け取って各値を知得することができる。
因みに、本実施形態では、EGR率を直接計測していない。内燃機関2のシリンダに入る空気量は、可変ターボのノズル開度を基に予測することが可能である。その空気量の予測値をgcylとおき、流量計11で計測される吸入空気量をgaとおくと、推定EGR率eegrについて、eegr=1−ga/gcylなる関係が成立する。ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、可変ターボのノズル開度とシリンダに入る空気量との関係を定めたマップデータが記憶されている。ECU5は、可変ターボのノズル開度をキーとしてマップを検索し、シリンダに入る空気量の予測値を得、これと吸入空気量とを上記式に代入してEGR率を算出する。
並びに、ECU5は、EGRバルブ45、可変ターボのノズル42、スロットルバルブ33や、燃料噴射を司るインジェクタ及び燃料ポンプ等(図示せず)と電気的に接続しており、これらを駆動するための信号を入力することができる。
ECU5で実行するべきプログラムはROMまたはフラッシュメモリに予め記憶されており、その実行の際にRAMへ読み込まれ、プロセッサによって解読される。ECU5は、プログラムに従い内燃機関2を制御する。例えば、エンジン回転数、アクセルペダルの踏込量、冷却水温等の諸条件に基づき要求される燃料噴射量(いわば、エンジン負荷)を決定し、その要求噴射量に対応する駆動信号をインジェクタ等に入力して燃料噴射を制御する。その上で、ECU5は、プログラムに従い、図2ないし4に示すスライディングモードコントローラ51、及び補正係数決定部52としての機能を発揮する。
スライディングモードコントローラ51は、EGR率及び吸気管内圧力のスライディングモード制御を担う。フィードバック制御時、ECU5は、各種計測器(図示せず)が出力する信号を受け取ってエンジン回転数、アクセル踏込量、冷却水温、吸気温、外部の気温及び気圧等を知得し、要求噴射量を決定する。続いて、少なくともエンジン回転数及び要求噴射量に基づき、目標EGR率及び目標吸気管内圧力を設定する。ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、エンジン回転数及び要求噴射量に応じて設定するべき各目標値を示すマップデータが記憶されている。ECU5は、エンジン回転数及び要求噴射量をキーとしてマップを検索し、EGR率及び吸気管内圧力の目標値を得る。さらに、マップを参照して得た目標値を基本値とし、これを冷却水温、吸気温、外部の気温や気圧等に応じて補正して最終的な目標値とする。
そして、ECU5は、計測器11、12が出力する信号を受け取ってEGR率及び吸気管内圧力の現在値を知得し、各制御量の現在値と目標値との偏差からEGRバルブ45の開度、可変ターボのノズル42の開度及びスロットルバルブ33の開度を演算して、各々の操作量に対応する駆動信号をそれら操作部45、42、33に入力、開度を操作する。
EGR率の適応スライディングモード制御に関して補記する。状態方程式及び出力方程式は、下式(数1)の通りである。
Figure 2010112308
本実施形態では、状態量ベクトルXを出力ベクトルYから直接知得できる構造とする、換言すれば計測器11、12を介して検出可能な値を直接の制御対象とすることにより、状態推定オブザーバを排して推定誤差に伴う制御性能の低下を予防している。出力行列Cは既知、本実施形態では単位行列とする。
プラントのモデル化、即ち状態方程式(数1)における係数行列A及び入力行列Bの同定にあたっては、各操作部45、42、33に様々な周波数からなるM系列信号を入力して開度を操作し、EGR率及び吸気管内圧力の値を観測して、その入出力データから行列A、Bを同定する。各操作部45、42、33に入力するM系列信号は、互いに無相関なものとする。これにより、各値の相互干渉を考慮したモデルを作成することができる。
図4に、適応スライディングモード制御系のブロック線図を示す。スライディングモードコントローラ51の設計手順には、切換超平面の設計と、状態量を切換超平面に拘束するための非線形切換入力の設計とが含まれる。
1形のサーボ系を構成するべく、当初の状態量ベクトルXに、目標値ベクトルRと出力ベクトルYとの偏差の積分値ベクトルZを付加した新たな状態量ベクトルXeを定義すると、下式(数2)に示す拡大系の状態方程式を得る。
Figure 2010112308
安定余裕を考慮し、切換超平面の設計にはシステムの零点を用いた設計手法を用いる。即ち、上式(数2)の拡大系がスライディングモードを生じているときの等価制御系が安定となるように超平面を設計する。切換関数σを式(数3)で定義すると、状態が超平面に拘束されている場合にσ=0かつ式(数4)が成立する。
Figure 2010112308
Figure 2010112308
故に、スライディングモードが生じているときの線形入力(等価制御入力)は、下式(数5)となる。
Figure 2010112308
上式(数5)の線形入力を拡大系の状態方程式(数2)に代入すると、下式(数6)の等価制御系となる。
Figure 2010112308
この等価制御系が安定になるように超平面を設計することと、目標値Rを無視した系に対して設計することとは等価であるので、下式(数7)が成立する。
Figure 2010112308
上式(数7)の系に対して安定度εを考慮し、最適制御理論を用いてフィードバックゲインを求め、それを超平面とすると、下式(数8)となる。
Figure 2010112308
行列Psは、リカッチ方程式(数9)の正定解である。
Figure 2010112308
リカッチ方程式(数9)におけるQsは制御目的の重み行列で、非負定な対称行列である。q1、q2は偏差の積分Zに対する重みであり、制御系の周波数応答の速さの違いにより決定する。q3、q4は出力Yに対する重みであり、ゲインの大きさの違いにより決定する。また、リカッチ方程式(数9)におけるRsは制御入力の重み行列で、正定対称行列である。εは安定余裕係数で、ε≧0となるように指定する。
なお、上記式(数8)、(数9)に替えて、以下に示す離散系の超平面構築式(数10)及び代数リカッチ方程式(数11)を用いてもよい。
Figure 2010112308
Figure 2010112308
超平面に拘束するための入力の設計には、最終スライディングモード法を用いる。ここでは、制御入力Uを、線形入力Ueqと新たな入力即ち非線形入力(非線形制御入力)Unlとの和として、下式(数12)で表す。
Figure 2010112308
切換関数σを安定させたいので、σについてのリアプノフ関数を下式(数13)のように選び、これを微分すると式(数14)となる。
Figure 2010112308
Figure 2010112308
式(数12)を式(数14)に代入すると、下式(数15)となる。
Figure 2010112308
非線形入力Unlを下式(数16)とすると、リアプノフ関数の微分は式(数17)となる。
Figure 2010112308
Figure 2010112308
従って、切換ゲインkを正とすれば、リアプノフ関数の微分値を負とすることができ、スライディングモードが保証される。このときの制御入力Uは、下式(数18)である。
Figure 2010112308
ηはチャタリング低減のために導入した平滑化係数であって、η>0である。
スライディングモード制御では、状態量を超平面に拘束するために非線形ゲインを大きくする必要がある。だが、非線形ゲインを大きくすると、制御入力にチャタリングが発生する。そこで、モデルの不確かさを、構造が既知でパラメータが未知な確定部分と、構造が未知だがその上界値が既知な不確定部分とに分ける。状態方程式(数1)に不確かさ(f+Δf)を加え、下式(数19)で表す。
Figure 2010112308
不確かさの確定部分fは、未知パラメータθを同定することで補償される。さすれば、切換ゲインは不確かさの不確定部分Δfのみにかかることとなり、切換ゲインが不確実成分全体(f+Δf)にかかる場合と比べて制御入力のチャタリングを大幅に低減できる。
制御入力Uは、式(数18)に適応項Uadを追加した下式(数20)となる。
Figure 2010112308
制御入力(数20)におけるΓ1は、適応ゲイン行列である。関数hは、一般には状態量x及び/または未知パラメータθの関数とするが、本実施形態ではhをx及びθに無関係な単純式、定数とすることにより、xを速やかに収束させ、θの適応速度を高めるようにしている。特に、h=1とした場合、推定パラメータを下式(数21)に則って同定することができる。
Figure 2010112308
本実施形態では、EGR率y1及び吸気管内圧力y2を制御出力変数とし、EGRバルブ45の開度u1、可変ターボのノズル42の開度u2及びスロットルバルブ33の開度u3を制御入力変数とした3入力2出力のフィードバック制御を行う。状態変数の個数(システムの次数)は、当初の系(数1)では出力変数の個数と同じく2、拡大系(数2)では4となる。制御出力及び状態量をこのように特定することで、排気ガスに直接触れる箇所に流量計等の計測器を設置する必要がなくなる。
尤も、本実施形態のような3入力2出力のシステムでは、det(SBe)=0が成立し、行列(SBe)は正則とはならない。そこで、逆行列(SBe-1を、一般化逆行列として算定する。一般化逆行列には、例えばムーア・ペンローズ型の逆行列(SBeを用いる。
しかして、補正係数決定部52は、非線形入力を規定する切換ゲインk及び平滑化係数η、並びに適応項を規定する適応ゲインΓ1をオンラインで更新する。
まず、切換ゲインk及び平滑化係数ηの更新に関して述べると、補正係数決定部52は、スライディングモードコントローラ51が演算した制御入力をプラント(の操作部45、42、33)に入力した結果得られる実際の制御出力と、同じ制御入力をプラントのノミナルモデルに代入して算出される仮想の制御出力との差に基づいて、切換ゲインk、平滑化係数ηの各々を決定する。原理的には、プラントの現在状況つまり内燃機関2の運転領域等がノミナルポイントから遠く離れるほど(下記Δy1、Δy2が大きくなるほど)、切換ゲインkを大きく、平滑化係数ηを小さくして、非線形入力Unlを増大化させる。
ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、仮想の制御出力と実際の制御出力との差に応じて設定するべき切換ゲインk、平滑化係数ηを示すマップデータが記憶されている。マップの概要を、図5に例示する。切換ゲインk及び平滑化係数ηは、入力変数毎に存在する。即ち、EGRバルブ開度u1に対する切換ゲインk1及び平滑化係数η1、可変ターボのノズル開度u2に対する切換ゲインk2及び平滑化係数η2、スロットルバルブ開度u3に対する切換ゲインk3及び平滑化係数η3である。さらに、これら切換ゲインk1、k2、k3及び平滑化係数η1、η2、η3のそれぞれに対し、出力変数毎のマップが与えられる。従って、切換ゲインkについて6枚、平滑化係数ηについて6枚、都合12枚のマップとなる。補正係数決定部52は、これらマップを参照して切換ゲインk及び平滑化係数ηを決定する。プラントから得られた実際のEGR率とノミナルモデルから得られた仮想のEGR率との差をΔy1、プラントから得られた実際の吸気管内圧力とノミナルモデルから得られた仮想の吸気管内圧力との差をΔy2とすると、Δy1をキーとしてEGR率に対応したマップを検索することで切換ゲインk1、k2、k3及び平滑化係数η1、η2、η3を得ることができ、また、Δy2をキーとして吸気管内圧力に対応したマップを検索することでも切換ゲインk1、k2、k3及び及び平滑化係数η1、η2、η3を得ることができる。補正係数決定部52は、各切換ゲインk1、k2、k3については、Δy1に基づく値とΔy2に基づく値とのうちより大きい方を採用する。逆に、各平滑化係数η1、η2、η3については、Δy1に基づく値とΔy2に基づく値とのうちより小さい方を採用する。
次いで、適応ゲイン行列Γ1の更新に関して述べると、補正係数決定部52は、プラントの現在状況に基づいて適応ゲインΓ1を決定する。原理的には、内燃機関2の運転領域等がノミナルポイントから遠く離れるほど、適応ゲインΓ1を大きくする。
ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、実際のEGR率と仮想のEGR率との差Δy1、実際の吸気管内圧力と仮想の吸気管内圧力との差Δy2に応じて設定するべき適応ゲインΓ1を示すマップデータが記憶されている。マップの概要を、図6に例示する。適応ゲインΓ1は、入力変数毎に存在する。即ち、EGRバルブ開度u1に対する適応ゲインγ1、可変ターボのノズル開度u2に対する適応ゲインγ2、スロットルバルブ開度u3に対する適応ゲインγ3である。これら適応ゲインγ1、γ2、γ3のそれぞれに対しマップが与えられるので、適応ゲインΓ1について都合3枚のマップとなる。補正係数決定部52は、これらマップを参照して適応ゲインΓ1行列を決定する。即ち、Δy1、Δy2をキーとしてマップを検索し、適応ゲインγ1、γ2、γ3を得る。
本実施形態によれば、内燃機関2またはそれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、制御入力をプラントに入力した結果得られる実測の制御出力と、同じ制御入力をプラントのノミナルモデルに代入して算出される仮想の制御出力との差に基づき、非線形入力を規定する切換ゲイン及びチャタリング低減のための平滑化係数を決定し、それら切換ゲイン及び平滑化係数を用いて非線形入力を得ることを特徴とする制御装置を構成したため、ノミナルポイントからの距離が離れている場合の制御収束性の向上を実現することができる。また、プラントのモデル自体、即ち状態方程式における係数行列Aや入力行列B等のパラメータのオンライン更新を伴わないので、ECU5の演算負荷を徒に増大させることもない。
実測の制御出力と仮想の制御出力との差と、切換ゲイン及び平滑化係数との関係を定めたマップを予め記憶しておき、このマップを参照して切換ゲイン及び平滑化係数を決定するものとしたため、ECU5の演算負荷の軽減に奏効する。
さらに、プラントの現在状況に基づき、制御入力の適応項を規定する適応ゲインをも決定し、それを用いて適応項を得ることとしているため、制御収束性を一層高めることが可能となっている。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。特に、本発明の制御装置の制御対象はEGRシステムに限定されない。制御入力はEGRバルブ開度、可変ノズルターボ開度及びスロットルバルブ開度には限定されず、制御出力もEGR率(または、EGR量)及び吸気管内圧力には限定されない。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態におけるEGRシステムのハードウェア資源構成図。 同実施形態の制御装置の構成説明図。 同実施形態の制御装置の構成説明図。 適応スライディングモードコントローラのブロック線図。 切換ゲイン及び平滑化係数を規定するマップデータを例示する図。 適応ゲインを規定するマップデータを例示する図。
符号の説明
5…ECU(制御装置)
51…適応スライディングモードコントローラ
52…補正係数決定部

Claims (3)

  1. 内燃機関またはそれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、
    制御入力をプラントに入力した結果得られる実測の制御出力と、同じ制御入力をプラントのノミナルモデルに代入して算出される仮想の制御出力との差に基づき、非線形入力を規定する切換ゲイン及びチャタリング低減のための平滑化係数を決定し、それら切換ゲイン及び平滑化係数を用いて非線形入力を得ることを特徴とする制御装置。
  2. 実測の制御出力と仮想の制御出力との差と、切換ゲイン及び平滑化係数との関係を定めたマップを予め記憶しており、
    このマップを参照して切換ゲイン及び平滑化係数を決定する請求項1記載の制御装置。
  3. プラントの現在状況に基づき、制御入力の適応項を規定する適応ゲインを決定し、それを用いて適応項を得ることを特徴とする請求項1または2記載の制御装置。
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